銘・精選


NEWS1 中国の4大自由貿易区、庶民にもたらす10のメリット




中共中央政治局は24日の会議で、広東・天津・福建自由貿易試験区の全体プランと上海自由貿易試験区の改革開放のさらなる深化のためのプランを審議・採択した。自由貿易区の建設が一段上の段階に達し、新たなハイレベルの対外開放とさらに広い範囲の改革試行が着実に推進されつつあることを示す措置となった




2013年9月に上海自由貿易区が正式に開業してから、今年3月24日に広東・天津・福建の自由貿易区プランが採択されるまで、「自由貿易区」の概念は多くのニュースとともに庶民の生活に浸透してきた。海外からの買い物や海外旅行、医療サービス、自動車購入、就職など、自由貿易区は様々な場面で庶民とかかわりを持ち始めている。




 




▽中国の4大自由貿易区




 




【広東自由貿易区】香港・マカオと協力




中国(広東)自由貿易試験区は総面積116.2平方キロメートルで、広州南沙新区エリアと深セン前海蛇口エリア、珠海横琴新区エリアを中心としている。




広東自由貿易試験区は、広東・香港・澳門(マカオ)の協力の深化を重点とし、広東・香港・マカオのサービス貿易の自由化をさらに進め、経済貿易ルールの世界との連結を加速するものとなる。




 




【天津自由貿易区】北京・天津・河北の一体化推進




中国(天津)自由貿易試験区は天津浜海新区に位置し、総面積は119.9平方キロメートル。天津港エリアと天津空港エリア、浜海新区中心ビジネスエリアをカバーする。




第2弾の自由貿易区のうちで面積が最も大きく、中国北部で初の自由貿易区である天津自由貿易区は、北京・天津・河北の協同発展を戦略的位置付けとし、ファイナンスリース業や先端製造業、近代サービス業の発展を重点とする。




 




【福建自由貿易区】台湾地区と緊密に協力




福建自由貿易試験区は、福州・厦門・平潭総合実験区の3エリアに分かれ、総面積は118.04平方キロメートルに達する。




大陸部の中で台湾地区との距離が最も近い省である福建は、台湾自由経済区との連結と海上シルクロードの建設を重点とする。




 




【上海自由貿易区】さらなる制度革新へ




今回拡張された上海自由貿易区の陸家嘴・金橋・張江の3エリアはいずれも浦東新区に位置し、総面積は28.78平方キロメートルから120.72平方キロメートルへと大幅に広がった。上海自由貿易区は今後、さらに多くの分野で制度革新が実現される見込みだ。




 




▽自由貿易区の10大メリット




(1)海外通販が便利に




自由貿易区の設立後、海外ブランド品は発送がすばやくなるだけでなく、購入制限もなくなる。米オンライン販売大手のアマゾンはすでに、上海自由貿易区に国際貿易本部を設立することを宣言しており、米国の貨物の中国への直送が実現する。海外通販の利用者は今後、欧米など海外のアマゾンサイトで直接買い物ができ、海外と同じ商品を同じ価格で買えるようになり、人民元での支払いも可能となる。




アマゾンは、自由貿易区への物流・倉庫のプラットフォームの建設を計画している。一部の商品は事前に輸入され、上海の保税区で保管されることになり、消費者から発注を受けたら自由貿易区からすぐに配送することができ、コストの削減と配送期間の短縮が可能となる。




(2)輸入商品の価格が安い




上海自由貿易区では、輸入商品の価格が市場よりも10%から30%低いため、多くの顧客を引き寄せている。広東・天津・福建の自由貿易区でも今後、同様の販売者が大量に出現するとみられる。




(3)輸入車の低価格と正規のアフターサービス




自由貿易区では、輸入業者が自動車を原産地から直接輸入できる。そうなれば自由貿易区から輸入車を買うと、一般のディーラーで買うよりも15%から30%安くなる。天津自由貿易区は、自動車製造強国である韓国や日本に近く、ホンダやトヨタ、ヒュンダイなど中国でも評判が高い日本車や韓国車がより安く買えるようになる。同時に自動車販売業に競争がもたらされることにより、非中国規格の輸入車のアフターサービスの面での欠陥が正されることになるとみられる。




(4)海外に行かずに先端医療サービスが受けられる




自由貿易区の設立に伴い、外資病院の設立規制がさらに緩和され、医療サービス分野への外資参入の敷居はぐっと低くなり、海外に行かなくとも外資病院の医療サービスを受けられるようになる。




自由貿易区では税制優遇措置が取られているため、病院の設備導入のコストは大幅に下がる。外資病院が自由貿易区に導入するのはほとんどが世界最先端の医療設備であるため、中国人は国内と同じ値段でさらに優れたサービスを受けられるようになる。




(5)思いついたらすぐ海外旅行




天津は日韓に近く、広州と福建は東南アジアに近く、もともと地理的な優位性を備えている。自由貿易区に入った外資の旅行会社は、自由貿易区の税制優遇を受けられ、海外旅行関連の営業資格もより簡単に取得できる。ネットワークや管理、ブランド、資金などでも強みがあり、旅行商品の価格も魅力的なものとなるものとみられ、庶民にとっては観光ルートの選択肢が増えることとなる。




(6)起業しやすく優遇も受けられる




上海自由貿易区の実践から見ると、自由貿易区内の起業への優遇政策は主に、次の3つが考えられる。第一に、事務プロセスの簡略化。第二に、輸出入関連の税制優遇政策。第三に、多くの金融政策による革新の優位性。このように企業登録の敷居が低い上、優遇政策による支援も受けられる自由貿易区は、多くの大学生や新興のIT企業にとって起業に絶好の地とみられている。




(7)就職:賃金も「世界水準」




国際化・法治化・市場化されたビジネス環境の形成を目指す自由貿易区は、ハイレベル人才に高い需要を持っている。とりわけ金融や物流、ITなどの分野では、多くの大学卒業生や専門人才が、海外に出ることなしに、同業者の水準をはるかに上回る「世界水準」の賃金を得られるようになる。




また自由貿易区で外資企業が増えれば、外資企業に就職するチャンスも増える。天津自由貿易区は戸籍による規制を徐々に廃止し、人才の就職により便利なサービスを提供していく方針だ。




(8)香港株や米国株への個人投資が可能に




自由貿易区内では、自由貿易口座を個人が開設することができる。大陸部外の個人も自由貿易口座を開設できる。関連する細則が打ち出された後、個人は、自由貿易口座を通じて香港株や米国株など大陸部外の資本市場に投資できるようになる。より多くの国外の銀行が自由貿易区に入って現地の銀行と競争するようになれば、庶民の財テクの選択肢も増える。




(9)エンタメの鑑賞も便利に




規定によると、自由貿易区は、完全外資の娯楽場所やエンタメ企業の設立を許可しており、関連企業の熱い注目を浴びている。上海自由貿易区では昨年、米ネダーランダー・ワールドワイド・エンターテイメントが入居した後、台湾地区の映画監督の頼声川の事務所や韓国の有名エンタメ企業などが次々と入居している。




台湾海峡両岸の経済貿易協力を核心とした福建は、香港や東南アジアとも地理的な接点を持っている。自由貿易政策の実施が始まれば、台湾・香港・マカオさらには東南アジアの文化企業やスターらを引きつけること間違いなしだ。




(10)ゲーム機は正規ルートで




自由貿易区の設立はゲーム好きにも朗報となる。マイクロソフトのXbox OneやソニーのPS4を正規ルートで手に入れることはもはや夢ではない。規定によると、自由貿易区は、外資企業がゲーム設備の生産や販売に従事することを許可しており、上述の2ゲーム機もすでに中国での発売を成功させている。国内の巨大なゲーム市場が開放されつつあり、今後はより多くの海外のゲーム製品が正規ルートで入手できるようになる見込みだ。




 




NEWS2 広東・天津・福建自由貿易試験区プランが認可




中国共産党中央政治局はこのほど会議を開催して、広東省、天津市、福建省の自由貿易試験区全体プランを審議可決し、上海自由貿易試験区の改革開放プランを一層深化させることとなった。習近平総書記が会議を主催した。新華社が伝えた。




3省市がこれまでに相次いで伝えてきた同プランに関する情報によると、これから発足する3つの自由貿易試験区は、いずれも明確な位置づけと各地の特色を備えるとともに、それぞれの強みを生かすような計画を立て、それぞれの特色を十分に発揮することを目指すという。




北方初の自由貿易区となる天津自由貿易区の戦略的位置づけは、北京市、天津市、河北省の協同発展に関わるものとなる。天津浜海新区政府弁公室の李彩良副主任は取材に答える中で、「上海の経験を学び、コピーすることを土台として、天津の特色を重点的に模索する。これには▽制度の刷新によって実体経済へのサービスを提供すること▽「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)を契機として環渤海経済圏にサービスを提供し、同経済圏の発展を促進すること▽水上輸送に焦点を当て、水上輸送に関わる税金の徴収、水上輸送をめぐる金融といった特色をうち出していくこと、が含まれる。




福建自由貿易区には廈門(アモイ)、平潭、福州の3つのブロックがあり、面積は118.04平方キロメートルに及ぶ。台湾地区に最も近い大陸部の省として、福建省は台湾自由経済区との連携や海上シルクロードの建設に重点的に取り組む。




広東自由貿易区は総面積が116.2平方キロメートルに及び、南沙新区、前海蛇口のエリア、および珠海横琴新区がある。主に香港・澳門(マカオ)ブランドに力を入れ、広東・香港・澳門の金融協力イノベーション体制、広東・香港・澳門のサービス貿易自由化、制度の刷新を通じた広東・香港・澳門の取引ルールの連携に取り組む。




上海自由貿易区で獲得された27項目の制度刷新の成果が、全国へと普及拡大している。4大自由貿易区は今年中に同一のネガティブリストを使用するようになる見込みで、国家発展改革委員会が現在同リストの制定作業を進めている。




 




NEWS3 上海自由貿易区 外資系企業2千社が入居




ボアオ・アジアフォーラムの「自由貿易区について語ろう:小さな実験田の大きな未来」と題する分科会で、27日出席者による熱い議論を繰り広げられ、上海自由貿易区の実験田としての成功体験はコピーされ普及拡大されていくとの見方が示された。




上海自由貿易試験区管理委員会の陳寅常務副主任は、「ネガティブリストによる管理モデルが外資系企業の対中投資にのびのびした環境を提供することになった。過去1年あまりの間に、2千社を超す外資系企業が自由貿易区に投資した」と述べた。日本の野村ホールディングスの氏家純一元会長は、「自由貿易区の自由な貿易環境に引き寄せられて野村ホールディングスは自由貿易区への進出を決めた」と述べ、本社を米国に置くボストン・コンサルティング・グループのハンスポール・バークナー会長は、「自由貿易区はテストの場所であり、中国の改革開放拡大の重要な歩みだ」と述べた。




 




NEWS4 不合格輸入食品リスト、日本のふりかけはヒ素が基準超過




国家質量監督検験検疫総局はこのほどウェブサイト上で、今年2月の輸入食品情報を発表した。それによると、品質安全検査に不合格とされた輸入食品は128ロットに上り、いずれも国内市場には出回っていない。その中にはニュージーランド乳業最大手フォンテラの脱脂粉乳、日本のふりかけ、アルゼンチン産のワインなどが含まれた。




これらの不合格となった輸入食品は、水産品、菓子類、飲料が中心となった。マース食品(嘉興)有限公司が輸入した、フォンテラ製の計150キロの脱脂粉乳は、包装の不合格により処分された。珠海市澳誠貿易有限公司が輸入したニュージーランドの高カルシウム粉ミルクも、ラベルの不合格により返却された。




美康欣国際貿易(北京)有限公司がニュージーランドから輸入したはちみつ「マヌカハニーUMF10+」は、コロニー総数が基準値を超えた。ニュージーランド産のレモン・胡椒風味アボカドオイルには、規定に違反する天然香料が使用されていた。




イオントップバリュ国際貿易(上海)有限公司が輸入した、日本産のハローキティの小魚・野菜・たまご・わさびのふりかけからは、基準値を上回るヒ素が検出された。韓国の「Jekissブラックチョコレート92.8%」からは、基準値を上回る銅が検出された。




海外のワインも、想像されているほど高品質ではなかった。不合格リストを見ると、イタリアとギリシャを産地とするワインは、銅が基準値を上回ることで返却された。銅を過剰摂取すると、銅中毒になり神経が損傷を被る恐れがある。




また、アルゼンチン産・オーストラリア産のワインにもラベルの不合格の問題が見つかった。




国家質量監督検験検疫総局は、「これらの不合格輸入食品は、入国税関の検査・検疫によって発見され、すでに返却・処分されるか、別途で処理されており、国内市場に流通していない」と発表した。




 




NEWS5  ボアオ・アジアフォーラム 「厳格な措置で食の安全確保を」




ボアオ・アジアフォーラムに出席にした国際食品貿易会社の代表らは27日、食の安全問題を巡り熱い討論を繰り広げ、大手企業は厳格な手順と措置を以って食の安全を確保する必要があると主張した。人民日報が伝えた。




食の安全をめぐり非協力的な企業にどう対処すべきかについて問われた際、世界最大の穀物メジャー・カーギル社のPaul CONWAY副会長は、「我々は該当企業を名簿から抹消する」と答えた。消費者は非常に敏感で、取り扱う商品の100%の透明性を確保しなくてはならない。「仮に消費者に伝える勇気がないとすると、消費者はそれ以上の大きな問題があるとみなすだろう」とコンウェイ氏。




「マース社は今年北京にグローバル食品安全センターを建設、これは食の安全だけに関心をおいたセンターだ」。そう語るのはアメリカ食品大手マース社のVietoria MARS社長。北京を選んだ理由について、中国市場は大きく、原材料の十分な供給が可能で、かつ大きな消費需要があること、食の安全を確保するという点では、中国が今後その決定的な力となること、北京は科学研究に力を入れており、科学研究者も多く、しかも政府に近いことから、政府と協力しての研究が可能となることの3つを挙げた。




国家質量監督検験検疫総局の支樹平局長は、「中国政府の各管理監督部門は現在、最も厳しい基準と管理・処罰体制、最も厳粛な問責体制で食の安全管理を行っている」と述べた。




 




NEWS6 反独占めぐる法執行がより深く広く常態化




国家発展改革委員会価格監督検査・反独占局の張漢東局長は21日に北京で行われた中国社会科学院米国研究所が開催した「反独占・知的財産権シンポジウム」の席で、「これから中国の反独占をめぐる法執行(エンフォースメント)はより常態化し、細密になり、法執行の広さと深さを絶えず拡大させていく」と述べた。




張局長は、「価格・反独占部門は今後、3方面から反独占をめるぐ法執行を強化し改善していく」といい、次の3点を挙げた。




(1)反独占をめぐる法執行業務がより常態化する。「反独占法」は市場経済の基本的な法律制度であり、市場経済の発展がますます成熟すれば、反独占をめぐる法執行を強化することがより必要になる。中国経済はモデル転換と発展を遂げつつあり、資源配分における市場の役割をより強調して、市場の競争メカニズムを保護する必要がある。そこで中国の反独占をめぐる法執行がますます強化されることになる。




(2)法執行の広さと深さを絶えず拡大させていく。世界の経済の先進国には100年あまりの反独占の歴史があるのに比べ、中国の反独占をめぐる法執行はまだ初歩的な段階にある。今後しばらくの間、価格・反独占部門は独占の合意、市場での支配的地位の乱用、行政権力による排除の乱用、競争の制限といった独占行為に対し、法執行の取り組みを全面的に展開していく。これと同時に、さまざまなタイプの独占行為に対する法執行の深さを強化し、独占行為を効果的に抑制し、公平で秩序のある市場競争を保護していく。




(3)反独占をめぐる法執行の取り組みがより細密になる。反独占をめぐる法執行は専門性や技術性が高く、案件の多くは複雑な経済問題や法律問題に関わりをもつ。これと同時に、反独占をめぐる法執行の対象は一定の市場シェアをもつ大企業であることが多く、客観的にみて反独占をめぐる法執行に対しより高い要求をうち出している。反独占をめぐる法執行の6年あまりの実践は、法執行がより改善され細密になるための過程だといえる。今後しばらくの間、反独占局は法執行がより細密になることを推進するために引き続き努力を重ねる。




 




NEWS7 資生堂 中国市場撤退のうわさを否定




「資生堂の管理システムの変更」に絡んで出現した「資生堂は中国事業部を解消して、中国市場を放棄する」とのうわさは、この日本の化粧品大手は一気に注目を集めるようになった。資生堂はこのほど取材に答える中で、中国市場撤退のうわさを否定するとともに、管理システムの変更とはこれまで日本の本社が決定していた中国事業部の経営や市場での営業販売の職能を中国に移すことであり、実際には中国事業を拡大することになると説明した。業界関係者は、「こうした資生堂の変化は業績の圧力に耐えかねてやむなくうち出した措置だ」と話す。「北京商報」が伝えた。




資生堂によると、資生堂は中国市場の変化への対応を強化し、中国の顧客のニーズに迅速かつ的確に応えるため、日本本社の中国事業部がもっていた経営および市場での営業販売の職能を中国に移すこととした。今後も引き続き中国市場を最重要市場と位置づけ、中国事業の拡大に力を入れる方針だという。




広東省日化商会の谷俊副秘書長は、「否定できないことは、資生堂が中国市場に進出した当初はブランドの現地化を積極的に推し進め、中国人女性のために作られた欧珀莱と悠莱という2つのブランドをうち出すとともに、専売店による販売ルートを他社に先駆けて構築したことだが、最近はブランドの刷新は行われていない。現在、資生堂の製品は年齢層のやや高い熟年女性によりふさわしいとされているが、中国の当今の化粧品消費者のうち1990年代生まれ以降の若い世代が大きな部分を占める。資生堂は職能を中国に移した後、中国市場の情況を踏まえて、中国人消費者によりふさわしい製品を研究開発し、低迷する業績の転換に希望を見いだそうとしている」と分析する。




別の業界関係者は、「資生堂が今、中国事業部により大きな権限を与えようとしているのは、ライバルである韓国の化粧品会社アモーレパシフィックが中国市場への投資を拡大しているからで、資生堂はやむなく今回の決定を下すに至ったのだ。中国はアモーレの重要な海外市場の一つで、データによると、過去約10年間に中国エリアでの売上高が年平均47%も増加しており、2014年の営業収入は26億5千万元(1元は約19.5円)に達して、前年比44%増加した」と話す。




アモーレの年平均47%の増加率に比べ、資生堂のここ2年間の販売状況は楽観視できるものではない。12年には中国エリアでの売上と利益がともに低下した。この12年の業績低迷を受けて、13年度の中国業務の売上高は前年比23%増加したが、実際の伸びは韓国アモーレに及ばなかった。




 




NEWS8 三洋電機が3月31日に消滅へ 68年の歴史に幕




パナソニック子会社の三洋電機は、三洋テクノソリューションズ鳥取(STS)の全株式を、 ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が運営するファンドの出資する特別目的会社ジェイ・ アイ・エー(JIA)へ、3月31日付けで譲渡する。これにより、三洋電機にとって最後の生産子会社が売却されることになり、68年の歴史を持つ三洋電機が事実上消滅することになる。

 




60年の輝かしい業績が過去のものに




三洋電機は、1947年に井植歳男氏により大阪で創業され、自転車用発電ランプを最初の製品として製造。その後、ラジオや洗濯機、テレビなどの分野に進出した。1960年代に入ると、同社はすでに大手家電会社の地位を築いていた。年間売上額はピーク時には2兆円に上り、株価はパナソニックや東芝などのライバルを遥かに超えていた。従業員も最も多い時で10万人以上を数えた。




1990年代になると、高い性能や高い部品供給能力などのメリットを生かし、同社は、他の企業のOEM生産を始め、短期間の内に巨額の利益を上げるなど、同時期経営に苦しんでいた他の日本の企業とは大きな差を開けた。しかし、OEM生産で利益を上げた反面、新しい商品開発がおろそかになり、業務転換が遅れた。これが、その後、同社の業績が悪化の一途をたどる原因となってしまう。




輝かしい業績を上げてちょうど60年が立った2007年、同社はついに岐路に立たされた。同年5月、米ゼネラル・エレクトリック・カンパニーがTOBにより事業者金融主体の三洋電機クレジットを買収したのだ。そして、08年1月には、携帯電話事業を京セラに売却。最終的にパナソニックに買収される道をたどった。08年11月、パナソニックは三洋電機を子会社化することで基本合意したことを発表。10年8月には、友好的TOBを実施し、三洋の全株式の80.98%を取得した。そして、三洋を完全子会社化することを決め、11年3月29日に、三洋は上場廃止となった。




「SANYO」ブランドの廃止は必然的




パナソニックに買収されることを決めて以来、三洋電機の家電製品を以前のように世界規模で販売することは難しくなった。なぜなら、「ブランドの統一」がパナソニックの世界における戦略の1つだからで、11年末、パナソニックは「SANYO」ブランドを原則廃止し「Panasonic」へ一本化する事を決めた。




家電製品の専門家・梁振鵬氏は、「家電業務において、重複する部分が大きかったことが、パナソニックが『SANYO』ブランドを廃止した一番大きな原因。パナソニックが家電市場において、『SANYO』ブランドを留めておく必要性がなかったということ」と分析している。




中国家電商業協会マーケティング委員会の洪仕斌・執行会長は、「パナソニックが三洋電機を買収した際、目を付けたのは、家電業務ではなく、リチウム電池や、ニッケル・水素充電池、カーナビなどの、三洋電機が世界で競争力を持つ業務。この買収により、三洋の発展は難しくなった。昨年4月、三洋電機社長にパナソニックの中川能亨常務が就任したのも、三洋の電池業務とカーナビシステムの業務を完全に『パナソニック化』するためだった。業界内では、『SANYO』ブランドに対する死刑判決のようなものと言われていた」と指摘する。




 




家電の海外業務が段階的に売却




実際には、買収を実施してから、パナソニックは三洋の中心的家電業務を段階的に手放している。例えば、パナソニックは昨年10月、子会社である三洋電機の北米テレビ事業を、15年3月末までに船井電機に売却する方針を固めた。その理由は、同事業の採算が悪化していたからだ。同売却について、北京商報の記者が電話やショートメッセージで、パナソニック(中国)の関連の責任者に聞いたものの、返事はなかった。




その他、2011年にも、パナソニックは日本やインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどで白物家電(冷蔵庫・洗濯機)事業を行う子会社9社の株式を、中国家電製造大手の海爾(ハイアール)に売却することを発表した。




中国では、三洋電機は1994年に、合肥栄事達集団と共同で合弁会社「合肥栄事達三洋」を設立した。しかし、同社は昨年、保有株式を米家電大手ワールプールに譲渡した。持株比率は、米ワールプールが51%、合肥市国有資産監督管理委員会などが49%となり、三洋電機は完全撤退となった。




洪執行会長は、「合肥三洋は今のところ、栄事達、三洋、帝度、ワールプールなどのブランドを抱えており、短期的にはそれら複数のブランドを維持する戦略を続けるだろう。しかし、長期的に見ると、手放すブランドが必ず出てくる。合肥三洋は三洋電機と、2016年まで『三洋』ブランドを使用する契約を結んでいる。その契約を更新する可能性はほとんどないだろう」と予測している。




 




三洋の衰退




2008年、パナソニックが三洋電機を子会社化することで基本合意したことを発表する。




2011年、パナソニックが三洋の白物家電(冷蔵庫・洗濯機)事業をハイアールに売却することを発表する。




2011年、「SANYO」ブランドが廃止され、「Panasonic」へ一本化される。




2013年、三洋のニッケル・水素蓄電池eneloopが正式にPanasonicブランドとしてリニューアルされる。




2014年、三洋が合肥栄事達三洋電器股份有限公司が所有する株式を売却する。




 




NEWS9 商務部、ユーロ安が中国の輸出を圧迫 投資には好機




商務部(省)は17日、定例記者会見を開催し、今年2月の商務の運営状況を紹介した。商務部の沈丹陽報道官は、ユーロの対人民元レートの大幅安によって、中国の輸出成長に圧力を高めていると同時に、中国企業のユーロ圏での投資や買収合併にチャンスをもたしているとの見方を示した。中国新聞網が伝えた。




沈報道官は、ユーロの対ドルレートには大幅な下落を示す多くのデータがあり、これについては商務部も注意・分析していると語った。ユーロの対ドルレートは13日までに累計13.2%の下落となり、対人民元レートも10.8%下がった。ユーロ対人民元レートの大幅な下落は、中国の輸出成長に圧力を高めている。




沈報道官は、ユーロの対人民元レート下落の影響について、貿易の角度から、「ユーロ圏市場では、中国の輸出製品の価格優位は弱まっている。ユーロ圏と中国以外の市場では、ユーロ下落はユーロ圏の輸出成長を刺激し、中国の一部の高付加価値輸出製品を激しい競争に直面させている。中国がユーロ圏から輸入する商品は主に、車両や航空機などの電子機器製品や化学製品に集中しており、これらの製品が受ける価格変動の影響は大きくない」と分析している。




沈報道官は、投資の角度からの分析として、「ユーロの対ドルレートの下落は、ユーロ圏の資産価格の下落につながっており、中国企業のユーロ圏での投資と買収合併にチャンスをもたらしている。今年1月と2月、欧州に対する金融業以外の直接対外投資が前年同期比10.5倍となったのはその結果の一つと考えられる。対外投資に影響を与える要素は多いが、資産価格はその一つにすぎない。ユーロ安を背景として、中国の対欧投資の傾向と動向は今後も見守っていく必要がある」と指摘した。




 




NEWS10  AIIB、中国は拒否権持たず




アジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟国首席交渉代表会議主席、中国財政部(財務省)副部長の史耀斌氏は25日に取材に応じた際に、AIIBの設立準備で注目を集めている問題について回答し、次のように述べた。




AIIBの意思決定メカニズムと出資比率の割当は、AIIBの規則の内容であり、関係各方面によって交渉が進められている。AIIBは互恵・ウィンウィンを提唱しており、既存の国際経済秩序に対する効果的な補完となる。AIIBは公開・透明・高効率の原則に基づき、新たな多国間開発機構を設立する。AIIBは域内と域外で加盟国を区分し、加盟国の増加に伴い、その出資比率が低下する。中国が拒否権を求めている、あるいは放棄するなどという命題は成り立たない。




新たに設立される多国間開発銀行、多国間発展体制であるAIIBは、ガバナンス、保障政策などの面で既存の多国間開発銀行の経験と良き手法を十分に参考にし、同じ回り道を回避し、より良い基準を求める。中国はその他の創設メンバーと共に、AIIBを各国のウィンウィンと、専門的かつ効率的なインフラ投融資を実現する場にする。




2015年3月31日は、創設メンバーの申請締切日であり、その後2週間に渡り各加盟国の意見を集める必要がある。そのため創設メンバーの数は、早くても4月15日にならなければ確定されない。3月31日までに加入を申請できなかった国は今後、一般メンバーとしてAIIBに加入できる。




 




NEWS11 オーストリアとルクセンブルクがAIIB加盟の意向




財政部(財務省)が明らかにしたところによると、オーストリアが27日にアジアインフラ投資銀行(AIIB)への創立加盟国としての参加を申請すると発表し、中国に確認書を送った。これに先だって申請を行ったルクセンブルクは、創立加盟国の同意を得られ、27日に創立加盟国になったという。




AIIB創立加盟国首席交渉代表会議の主席である中国は、申請国の参加について多国間のプロセスに基づいて創立加盟国に意見を求めている。手続きが順調に進めば、来月10日にはトルコが創立加盟国となり、翌11日にはオーストリアと韓国も創立加盟国になる見込みだ。




 



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