「高コスト・人材不足常態化時代を迎えた日系企業」(その①)

■はじめに―この試練を乗り切る人事管理はいかにあるべきか
 多くの皆様がご高承の通り日系企業を取り巻く経営及び人事環境は激変しています。
 毎年JETRO(日本貿易振興機構)が日系企業の経営問題を調査していますが、それによりますと第一位は賃金の上昇で、第二位は調達コストの上昇、第三位は競争相手の台頭、第四位は品質管理、第五位は環境規制でした。
 とりわけ、人件費の上昇を指摘したのは回答企業の75%にも及んでいます。品質管理も社員の質と大いに巻毛がありますから経営問題の上位五位に人事問題が二つも入っています。
 直面する人事問題を私たちはどのように受け止めるべきでしょうか。私はこの試練はすべての企業に天(経営環境)が平等に与えた試練であり、新たな企業革新を生む機会だと理解すべきだと考えます。企業を強くするチャンスなのです。逃げずに敢然と立ち向かうことで勝機は生まれます。人事管理面では人事革新時代の到来を意味します。
 人事革新時代に真っ先に注力することは以下の三点です。
 第一は年功主義から能力本位人事へと発展させること。
 正銘では能力主義という考え方ではなく一歩さらに踏み込んで能力本位という人事管理上の新たな価値観を提唱しています。最高の貨幣価値を持たせることを金本位と言いますが人事管理上の最高価値を能力に置くことを意図してどこの企業よりも先駆けてこの言葉を導入しました。
 第二は人事管理を経営の中心に据えること。
 このことを正銘では「経営人事」と称しています。経営人事を進めるには人事専門部署の設置と人事専門家の配置が絶対条件です。素人が片手間に人事を行うほど企業内で発生する人事問題は簡単ではありません。アマチュアの時代は完全に去り、プロが人事をする時代を迎えました。
 第三にこれまでの人事諸制度をすべて見直す。
 人事諸制度は時の経過とともに陳腐化しています。10年も前の創業時に制定した人事諸規則を何も更新せずそのまま使用している企業があります。問題はその企業の実態と決められた規則が一致しているかどうかです。規則は規則で別の存在になったいて実態と会っていないケースはいわゆる悪しき慣行として規則化されています。これらをすべて清算する必要があります。

1.これからのすべての企業が準備すべき人事管理施策は何か?
1.1 2019年は何を最優先して対応すべきでしょうか。
私は以下の三点を特にあげておきたいと思います。
① 人事管理と労務管理の悪循環を断ち切る。
 人事管理は一人ひとりの社員を個別管理することであり、労務管理は社員を集団管理することです。労務管理では社員を労働力としてしかみなしません。社員の肉体的労働力を期待するだけです。従いまして社員の能力が向上することは期待しません。
 一方、人事管理は真逆の管理方法です。社員一人ひとりの違いを把握することが人事管理の出発点です。一人人の能力や適性を把握して適材適所の配置をすることが大原則です。正銘の調査では能力の向上を期待しない社員は誰もいないと言っていいと思います。
② 職場風土改革に取り組む。
 前項は個人の能力の問題ですが、この職場風土の改革は組織能力の向上を意味しています、会社の組織では個人がいくら意欲的であっても職場風土が社員の意欲を削ぐようだったらいい成果を出すことができません。むしろ、この組織能力が強いか弱いかで社員のやる気を決めることになります。また、いい成果が出せるかどうかも決まります。
 それではこの実態が見えにくい職場風土をどのように把握し改革に取り組むのでしょうか。問題解決は原因が特定できれば解決できたも同然だと言われます。職場風土改革に最もふさわしい言葉です。職場風土を決めているのはその職場の二人の人物です。一人は会社から正式に任命された職位者です。部長とか課長とか係長といったように長という名前が付く人たちです。もう一人は、会社から正式に任命されたわけでもなのにその職場で隠然たる影響力を持っているひとです。この二人が特定できこの人たちがどのような心理状態で毎日の職場で働いているのかがわかれば必ず改革策が見えてきます。
③人事専門家を養成する。
 人事専門家を必要性については記述しました。どのように育成するのかも5月第三週ブログで取り上げましたのでここではポイント述べます。
①まず採用業務を担当する。
 人事担当者候補が決まったらまず何を担当させるかについてですが私は採用業務を第一にさせることが重要だと思います。その理由の第一は社員を大切にする心構えを醸成できるからです。とりわけ人材不足になりますとやっと採用できた人だから大切に育てようとする気持ちが湧いてきます。
 第二は「採用は人事業務の出発点」です。「人事は採用に始まり採用に終わる」という言葉があるくらいです。また、人事業務の中で最も難しいのも採用業務です。難しい採用業務で多くの人々に会い人を見る目を養います。
②次に人財育成業務を担当する。
 採用して入社してきた人をどう育てていくかを企画するのが人財育成業務です。入社後のオリエンテーションから始まり階層別教育プログラム、職能別能力開発プログラムへと展開してゆきます。
 この間に教育技法、教授法なども学習します。
③三番目に人事行政部門を担当します。
 人事処遇と人材配置を担当する部門です。人と人の組み合わせを考えるのがこの部門の仕事になります。人事担当者の最高の技術の一つがこの組み合わせです。組織が活性化するのも萎えるのもこの組み合わせ次第だからです。
④最後が人事企画部門を担当することになります。
 採用、能力開発、人事行政の各職能で実務経験をした後で人事制度企画や要員計画、組織制度企画を担当します。

 人事担当者は知識が増えるだけでは務まりません。必ず実務経験を積まなければなりません。人事担当者の育成は知識教育と経験教育を総動員することが必要です。つまり、キャリアプログラムを通じた人財育成計画が不可欠です。

 以下次回に2019年正銘からの提言と第二部「定着率を高め社員のやる気を刺激する人事管理制度の導入方法」を取り上げます。


人はなぜ変わらない(変われ)ないのか? 人はどうすれば変わる(変われる)のか?

1初めに―人事制度の改革で思うこと
 お客様の要望にいかに応えられるかを悩みながらも懸命にご満足のゆくサービスが届けれれるように日夜奮闘しているのが今日この頃です。今回のブログでは正銘が取り組んでいる新しく提案した制度がるいかにすれば定着できるかを取り上げてみたいと思います。
 最近、お客様に新人事制度の提案をする機会がありました。今までにない新しい人事制度企画でした。会社の実態を調査し、顧客の要望に沿って人事制度を企画したのですが社員の反応は様々でした。
 この会社だけでなく多くの会社ではせっかく新しい制度を作っても社員の反対で導入できなかったり、経営者自身も導入することに不安を感じ自信がなくお蔵入りになったケースが珍しくありません。
 それぞれの会社には固有の理由や事情があるものと思われますが、社員の気持ちを理解できずに会社サイドの理由だけで一方的に導入しようとするから社員から反発を受け導入がとん挫するか、または導入したとしても定着せず途中で古い制度に戻ってしまう場合が多いのです。
人はなぜ変わらなければならないのでしょうか
 そこで私は以下の命題を考えてみました。「なぜ人は変わらない(変われない)のか」さらに、人はなぜ変わらなければいけないのかということです。
 まず、なぜ人は変わらなければならないのかについて述べたいと思います。企業は環境適応業だといわれます。ご承知の通りどんな企業でも世の中の変化に適応できなければ存続できません。企業が存続できなければ社員もその企業の構成員であることができないことは言うまでもありません。企業も人も生きるために変わらなければならないのです。
 変化を宿命づけられているにもかかわらず組織も人もなかなか変わることができないのが現実です。なぜでしょうか。
私は二つの理由がそこに存在すると思っています。
第一の理由は組織や職場に「変わりたくない」「変われない」という空気が漂っているからです。専門用語でこのことを集団規範と呼んでいます。集団規範は明文化されている規則だけでなく目に見えない暗黙の合意された内容を含みます。この集団規範が変化を積極的に受け入れようとしているのかそうでないのかで組織全体の変化適応力が決まります。集団規範が変化を好まない場合には個人でいくら変化しようとしても限界があります。ではこの空気は誰が作り出しているのでしょうか。公式、非公式に関係なくその組織に最も影響力を行使できる人が空気を作っているのです。空気を作っている人が変化適応力があるかどうかが変化に敏感な組織が維持できるかどうか決まります。
第二に個人の変化適応力を阻害しているのは自己の能力の可能性に限界を感じているからです。これはある意味個人の思い込みや誤解に起因することが多く確たる根拠があって成長がストップしたわけではないのです。人の潜在能力は無限です。井戸水と同じように汲めば汲むほど水は湧いてきます。水をくむ努力を怠って自己の可能性を悲観していることが多いことも事実です。

2人は環境の動物である
2.1B=F(P E)
 上記は行動科学の創始者と言われるアメリカ人のクルト・レヴィンの考案した方程式です。
人間のB:behaibior(行為)はP:personality(人格)とE:environmennt(環境)で決まるというものです。
よくよく考えてみますと人は両親のDNAを受け継いでこの世に生まれますが育った家庭、育った社会、学んだ学校、働いた組織で人格が形成されます。
 つまり、環境がその人の人生を決めるといっても言い過ぎではありません。

3なぜ人は行動を変えるのか?
 人の行動や考え方を変えるのはなかなか難しいことだと理解していただけたかと思いますが、それでも人はある場面に遭遇した時には行動を変えることができます。以下その場面をシーンごとに述べてみましょう。
3.1恐怖感を感じた時
 恐怖の度合いが強ければ強いほど行動変容が行われます。恐怖感で行動変容を求めることは異常事態、緊急事態が発生した時には効果的ですが、何もない普通の時にはには向きません。
 創業時のように組織の成熟度が低かったり、業績が低迷して従業員が疑心暗鬼になり、理性的な情報を受け入れられない場合などでは効果があります。従業員のレベルが低く、ルール違反が常態化しているような場合にも適用すると効果的です。

3.2伝達者が信頼できる時
 聞こえていること、聞いて理解すること、聴いて理解して、行動を変えることは同一線上にはありません。報連相(報告・連絡・相談)つまりコミュニケーションはお互いの信頼関係を作ることから始めましょう。部下は信頼していない上司の話は聞いて理解はしても行動しません。理解することと行動することは全くの別物であることをご理解ください。同じように、信頼していない上司の話はあまり聞こうとしません。部下が上司を信頼する要素は上司の人間性と高い専門能力であることを忘れないでほしいものです。

3.3集団決定する時
 集団決定に参加することほど個人の態度変容を強く刺激する要素はありません。
 集団決定とは目標を共有する組織の中で個々人の目標を自己決定することを言います。
 つまり、組織構成員全員が賛同して決めたことに対しては全面的に従うということです。押し付けられて決めたのではなく、自らの意思で決定に主体的に参画できたとき、決定に自己の意見を反映できたとき、意見の一致度が高ければ高いほど実践度が増大します。
集団決定をした時に発生する効果の三要因は以下の通りです。
①集団成員が自らの手で集団規範を作り出せる
②集団討議による意見の一致ができる
③自己決定できる

3.4集団圧力を感じる時
 これまでの生活が一変するとき感じる圧迫感です。例えば、学校生活おえて職業生活に入った時に拘束観がこれにあたります。これほど強いインパクトはありませんが転職したときに新しい組織に転入したばかりの時に感じる組織の空気を察した時などもこれにあたります。上司や先輩など他人の目(冷たい目線)を意識する時なども集団圧力と考えていいでしょう。自らの手で集団規範を作り出せるとより集団規範を体感することができます。

4人の行動は段階を経て変わる
 人の行動はある事態に遭遇して一気に変わるのではありません。以下のような心理的プロセスをたどって変わります。

4.1第一段階 抵抗の段階
 人は誰でも変化には基本的に保守的です。新たな変化には心理的にも物理的にも抵抗します。自我意識の強い人ほど抵抗感は強いのです。この段階では態度変容を求めすぎないことが大切です。変化を受け入れるよう強圧的態度をとるとかえって反発が強くなります。これまでの人生で積み上げてきた価値観や認識や行動を固守しようと一生懸命になります。一方で、不安はあまり生じておらず、精神的には安定しています。

4.2第二段階 変容準備の段階
 次第に、新しい価値や基準について認識や経験が増えるにつれて抵抗心が和らいできます。捨てるもの(古い価値)と得るもの(新しい価値)を比較しながら新しい価値が理解しつつあるのがこの段階です。これまでの態度を強化する気持ちと変化させることを受け入れ準備する段階です。このまま信用していいものかと不安が高まり始めるのもこの段階です。信頼関係を築き上げることに注力してください。

4.3第三段階 不安定不均衡の段階
 過去にこだわるのか新しい事態にむかっていいのか振り子のように激しく精神的に揺れる時期です。基本的に新しい価値を受け入れることと拒否することと均衡する心理状態になります。よほどの確信があれば別ですが、意志決定するときには決める時にも揺れますが決めた後も揺れます。車や家などの高価な買い物したときにおこる心理状態と同じです。
 これまでの認識や行動が新しい認識と行動とが最大の不均衡を示す段階です。受け入れるのか拒否するのか不安が最高潮に達します。その人の価値観の中核にある概念と関係が強ければ強いほど不安が増加すると共に変容に時間がかかります。不安の状態が長く続くと行動変容も遅くなるので長引かせないことがポイントです。

4.4第四段階 再体制下の段階
 激しい心理的振り子の状態が続いた後、認知要素、感情要素、行為要素が均衡を始めます。
 心理的に意志決定後は、自らの決定を否定するより肯定する心理状態になる(合理化)ことを意味しています。新しい認識や行動へと移行する段階になります。この段階になりますと不安が減少傾向を示すようになります。

4.5第五段階 安泰強化の段階
 新しい価値を納得し、自らの意思で実践につなげたような行動を始めます。認知要素、感情要素が完全にクリアされたことになるので実践行動につなげるように導入する必要があります。新しい認識や行動を強化してゆく段階に到達しました。不安傾向が減少し確実に安定化に向かって行きます。実践行動をすればするほど確信の要素が強くなり変容が持続します。

5まとめ
 以上のようなプロセスをたどってやっと人は新しい制度や施策を受け入れるようになります。ある意味面倒な手間暇のかかる根気のいるプロセスですが、ここが人が人であるゆえんであることを理解しなければなりません。
 長い間培ってきた人の価値観は簡単には変わらないことを認識していただくと同時に人の価値観や態度は必ず変わるのだという確信も合わせてもっていただくとよいと思います。


どうすれば人事担当者を育成することができるか

 今、華東地区の日系企業を取り巻く人事環境が激変しています。
これまでにこのブログで何度も取り上げましたので多くの皆さんは察していたけるものと思います。
 人事管理上の変化は以下の三つに集約できます、その第一は人件費の高騰であり、第二は人材不足であり、第三には人財育成です。
 これらを専門的に担当する部署が必要なのですが人事部門の無い企業が圧倒的に多いように思われます。よしんば、あったとしても管理部門や総務部門のなかに人事担当者が配置されていますが、仕事の中身はというと勤怠管理や給与計算などの事務作業をしているにすぎません。
 今後、これらの人事環境の変化に即応し企業を発展させるには人事管理を専門とする部署の設置と専門家の配置が不可欠です。
 専門部署はすぐ設置できますが、問題はその責任を担うことができる人事担当者をどう確保するかです。いくつかの選択肢があります。外部から人財会社を通じて中途採用する場合と内部で発掘する場合です。いずれにしてもわが社の人事担当者としての適性をどう見抜くかがポイントになります。
 有名企業で人事部門の仕事をしていたからすぐわが社の人事部門で役に立つかというとそうではありません。人事の業務には大きく次の五つに区分できます、採用、人事企画、人事行政、人財育成、人事処遇です。少なくても人事部長職を担当するにはこれらのすべてに精通していなければなりません。人事担当者であれば二つ以上の業務に精通していなければなりません。精通するというのは少なくとも3年以上の実務経験を有し発生する人事管理諸問題を的確に解決できることを意味しています。
 それでは人事担当者に必要な資質や能力について触れておきましょう。

1.人事担当者にはどんな資質が必要なのでしょうか。
 仮にほかの能力がどんなに優れていたとしても下記の資質をどれか一つ欠くことがあったとしたら人事部門に配置してはなりません。

 第一に虚構性のない人です。虚構性とはどんな性格の人を言うのでしょうか。虚構性とは嘘をつくというのではなく自分をよく見せようとする性格の人です。例えばこれまでにあなたは一度も嘘をついたことがないという質問に肯定的な回答をする人のことを言います。

 第二に何ごとにも対しても逃げない人です。つまり、責任感の旺盛な人です。部下の責任を自分の責任と判断できる人でなければなりません。周りに責任をかぶせる他責の人は人事担当者に向きません。

 第三に忍耐強い人です。すぐ感情的になる人や切れる人は人事の仕事には向いていません。感情的な人に煽られて自分も感情的になったり、各方面からの苦情に対して冷静に受け止められることが大切です。感情をコントロールできる人が人事担当者には必要です。

 以上が性格面ですが能力面ではどうでしょうか。

2.人事担当者に求められる能力とは何でしょうか

 第一は個人と組織に強い関心があること
 人と組織に関心のない人には人事担当者は務まりません。人事は個々人の違いを理解することから始まります。一人ひとりが過去をどのように過ごし、今をどのように生きているのか、さらに未来に向かって自分をどのように成長させようとしているのかを察知できることが人事担当の基本的能力です。また、一人ひとりの個人に対して最大の影響を与えるのも組織です。個人能力と組織能力を両面で理解する必要があります。

 第二は初心に返って「考える力」を磨くことです。
 人事の問題は一つとして同じ問題が発生しません、過去起こった問題を同一視して安易に当てはめようしてもできません。人事担当者は問題の発生のつど初めて起こった問題だと初心に帰って考えて対処することを怠ってはなりません。この考える癖をつけることが人事担当者としての成長にも繋がります。

 第三は常に「先見性」をもって業務に取り組むことです。
 先見性とは将来を洞察することですが、簡単に言えば将来どうありたいのか、あるいはどうしたいのかを常に考えながら仕事をすることです。今をどうしたのかというよりありたい姿から現在を見つめてより早く到達できる方策を考えます。人財は育てるのに時間がかかります。会社の将来の必要人材を予見して今どうすべきか対処すのが優れた人事担当者のあるべき姿です。また、優れた人事担当者ほど長期的に将来を洞察することができます。
 さて、ここまでで、人事担当者のプロフィールをイメージしていただけたでしょうか。それではこのような人事担当者をどう育てるかということになりますが資質に関しては育成というより選別の問題です。つまり、会社の外部に求めるのかあるいは社内登用するのかのどちらかになります。
 結論から申して私は社内登用を進めます。理由は次の二点です。
 第一の理由は資質を見抜くのは実に困難であるからです。私は多くの採用の失敗例を見てきていますし私自身も失敗しました。社内登用であれば人事の知識は無くても資質に関しては観察する期間はたっぷりあったはずだかです。まず、見間違うことはないでしょう。たった数時間の面接で判断するより確かな情報に基づいて判断することができます、
 第二の理由は人事に業務は会社の歴史や企業文化、そして組織風土とともにあります。途中入社してこれらを体得するには1年以上かかるかもしれません。人事本来の仕事ができるようになるまでに相当な時間を要します。余裕のある会社は別として通常の場合には待てません。

 次に人事担当者の能力育成について述べます。
① まず採用業務を担当する。
 人事担当者候補が決まったらまず何を担当させるかについてですが私は採用業務を第一にさせることが重要だと思います。
 その理由の第一は社員を大切にする心構えを醸成できるからです。とりわけ人材不足になりますとやっと採用できた人だから大切に育てようとする気持ちが湧いてきます。
 第二は「採用は人事業務の出発点」です。人事は採用に始まり採用に終わるという言葉があるくらいです。また、人事業務の中で最も難しいのも採用業務です。難しい採用業務で多くの人々に会い人を見る目を養います。

② 次に人財育成業務を担当する。
 採用して入社してきた人をどう育てていくかを企画するのが人財育成業務です。入社後のオリエンテーションから始まり階層別教育プログラム、職能別能力開発プログラムへと展開してゆきます。
 この間に教育技法、教授法なども学習します。

③ 三番目に人事行政部門を担当します。
 人事処遇と人材配置を担当する部門です。人と人の組み合わせを考えるのがこの部門の仕事になります。人事担当者の最高の技術の一つがこの組み合わせです。組織が活性化するのも萎えるのもこの組み合わせ次第だからです。

④ 最後が人事企画部門を担当することになります。
 採用、能力開発、人事行政の各職能で実務経験をした後で人事制度企画や要員計画、組織制度企画を担当します。

 人事担当者は知識が増えるだけでは務まりません。必ず実務経験を積まなければなりません。人事担当者の育成は知識教育と経験教育を総動員することが必要です。つまり、キャリアプログラムを通じた人財育成計画が不可欠です。


ケースメソッドで経営を学ぶ

 今回はケースを通じて経営をどう学ぶかを考えてみたいと思います。
 ケースによる学習方法はアメリカのハーバード大学が有名ですが今では大学ばかりではなく各企業の幹部研修で一般多岐に行われる様になりました。
 まず、ケースによる学習方法をごしょうかいしましょう。出典は日本の慶応大学のビジネスクールが解説しているものです。
ケースメソッドとは何か
 ケースメソッドは授業のやり方の一つである。この授業のやり方をする講師は、受講者と一緒になってクラス全休で討議、すなわち討議しながら授業を進める。
 討議はケース教材(経営の事例)をもとに行う。受講者はケースから考えられる問題について様々な角度から意見を出しあい、討議する。講師はクラスの議論が有益な展開になるように論点の流れの舵をとる。
何かを「教わる」メソッドではない
 ケースメソッドは、我々が受けてきた伝統的な教育方法である講議方式と比べて、著しく異なる特徴をもっている。第一に、講師は自説を述べたり、講議したりしない。クラスの討論にきっかけを与え、議論の進行の舵をとる。第二に、 「ケース」を教材として使う。ケースを用いての討論形式の授業で、講師は自説の講議をしない。ではケースメソッドは受講者に何を学ばせる教育方法なのか。
ケースメソッドの教育理念
 ここで我々は経営者教育に限定して考えてみたい。経営者は企業経営を通じて経済の発展と社会の福祉に貢献する使命を負っている。この使命を積極的に遂行するために、自主独立の精神(慶磨義塾ではこれを「独立自尊」と呼んでいる)に立脚した経営専門家としての識見と実行力を備えねばならない。知識や技術がいかに発達しても、それによって経営問題がすべて解決するわけではない。経営者は知識や技術を適用する場合の限界を知らねばならない。同時に、その限界を踏まえての的確な判断と意思決定が要求される。そのためにこそ、経営問題を多角的に考察する弾力性のある思考、強靭な論理、鋭い洞察力、そして旧来のものに捕らわれない捲刺たる創意がなくてはならない。さらに経営者は、自己の判断に従ってこれを主体的に実行する能力を備えねばならない。確固たる決断力、綿密な企画力、そして高度の指導と実行の力が求められる。そして、かような識見、判断力、意思決定力、実行力は、経営者が自己の人格の尊厳を確信し、時の権威や私情に屈しない烈々たる自主独立の精神に裏付けられてこそ、よくこれを具現することができる。慶磨義塾で言う「独立自尊」である。ケースメソッドによる経営者教育は、経営者のこのような資格能力を滋養することがその基本的理念である。 知識の伝授より意思決定と行動の訓練をこの教育理念のもとにおいては、経営上の諸事実を抽象化し知識として理論化したものを講述するあの講議方式という伝統的教育方法を最適のものとは考えない。
ケースとはどのようなものか
 ケースメソッド授業で使用される教材が「ケース」である。この教材には企業で実際に発生した、あるいは発生しつつある、経営上の出来事がありのままに記述されている。もちろん単に事実が記述してあるだけでは教材としてのケースではない。事実の記述がケース教材とせるには更につぎの条件を具備していなければならない.経営者教育でとり上げる何らかの訓練主題を含んでいること。その主題の訓練に必要な情報が盛られていること。これを教材として訓練を受ける者を登場人物の立場に立たせ、その責任において意思決定を迫るように表現されていること.これらの条件が揃ってはじめてここに言うケースとなる。
討議による学習
 だからこそ、ケースを読んで気付いた諸事実を指摘し並べていくことで、あたかも「答え」や「正しいやり方」を抽出し得たような気持ちになる授業の受け方はケースメソッドで目指すものではないoケ-スから考えられる経営問題を洞察し、その間題への意思決定と実行への責任を果たそうとすることがケースメソッドで目指すものである.そのためにこそ受講者が意見を出し合う討議が必要となる。
 経営者教育にとって重要なことは問題の解決に到達するまでの思考の過程である。現実をつぶさに把握した合理的かつ建設的な思考努力である。各自が試みる問題解決のしかたは各自の経験や思想を反映して、それぞれ特色がある。
 ケースメソッドによる討議とは、これら特色ある各自の考え、判断、意見を持ち寄り、発言しあい、思考を重ね合わせることで、相互の成長に資することである。受講者は相互に自分の思索結果を披露し、検討しあう。こうして触発されながら自らの考え方に修正を加え、自らの判断と意思決定を再構築していく。これこそが自主独立の精神に立脚した経営専門家の育成である。集団による討議を欠いてはケースメソッドの意義はない。
ケースの実例
 このケースはある会社の経営幹部研修で用いたケースです。皆さんはこのケースを読んでどのように感じるでしょうか。
【リーダーシップ教材】
「大島社長の決断と新役員陣のとるべきリーダーシップ」

創業社長の退陣の決断と後継者問題について
 私は大島康雄と申します。大島食品工業(上海)有限公司の董事長兼総経理です。当社を、25年前に起こし、今日まで経営の第一線でがんばってきました。年齢が73歳になりそろそろ会社を後継者に譲ろうとしたときに会社は大きな問題に直面してしまいました。
 直面した二つの大きな問題は昨今、食品業界で問題となっている産地を偽って表示している問題です。もう一つの問題はBSE(狂牛病)で当社の主力商品である牛肉の加工品がまったく売れなくなってしまったことです。
 会社全体の売上は前年比で10パーセントも減少してしまいました。このままで期末を迎えますと、利益は前年比70パーセントの減益となり、場合によれば、創業以来はじめての赤字を覚悟しなければなりません。さらに、悪いことに、当社は現主力事業の業績が創業以来順調に推移したこともあって食肉加工製品に集中しています。従いまして、なんらの抜本的な対策を打たなければ次年度も業績が快復することなく今年より大幅な減収減益が予想されます。
 工場は10年以上前に、当時としては近代的な模範工場といわれた設備を備えたものでしたが今になっては旧いほうの工場になっているかもしれません。といいますのも、当社は比較的競争の少ない品質を追及する高級な商品を生産してきました。したがって、工場への設備投資よりも人に投資してきたといって言いすぎではありません。
 ところで、なぜ私が73才になっても社長をしているかということに触れておきたいと思います。正直申しまして、60歳までは後継者のことなど考えたこともありませんでした。一心不乱に事業の発展にのみ集中してまいりました。まるで、会社がわが子のように思われました。60歳を過ぎたころから意識はしてきたのですが残念ながら、後継者を得ることが出来ませんでした。実は、私には子どもがいませんので、もともと親子で事業を引きつぐことはありえないことでした。私や妻の兄弟の子どもを養子にして後を継がせてはどうかとの話を何度もアドバイスされましたが、私にはどうしてもその気になれませんでした。というのも、企業は社会の公器であり、私物化してはならないという気持ちが私には拭えきれなかったからです。もちろん、他人に渡すより血のつながった後継者にするほうが安心できるという気持ちがまったくなかったわけではありません。実子がいたら、今のように考えたかというと自信がありません。
 長い間考える時間が合ったのに、ここまで来てしまったのは、いろいろ迷う間に時間が過ぎてしまったということも言えるかもしれません。しかし、今回の会社が直面する問題は、私が社長として解決するよりも後継者に任せて次代の経営者に当社の将来を託したほうが良いとの決心をするにいたりました。理由は一言ではいえません。
 現在の当社の役員は10人いますが、私が社長として採用し、育ててきたものばかりです。人間としては従順でよく仕事もするのですが、これまで会社の決定は私が行ないましたので自ら決めることがなかなかできないようです。いつか、社員から私にある役員のことを手紙に書いてきたことがありました。
 その手紙によりますと「役員なのに決済伺いを出しても一切決定をしてくれない」というものでした。権限の範囲内のことでも意思決定をしないというのです。しかし、私はこのことにあえて自分が踏み込んで解決しようと思いませんでした。私にとりましては役員であっても単なる使用人に過ぎないのです。
 組織管理の本には「職制」とか「職階」とか言いますが、私には余り大きな意味を持っていません。私は役員を私の補佐役と思っています。私を助け、会社の業績を上げ続けることが取締役の役割だと思っています。取締役には専務や常務などの役付き役員はおりますが、私にとりましては単なる呼称であるとしか思えません。この考えは人に雇用されたことのない創業者の独断的な考えであるかもしれません。
 役員も物事を決めるに際しては、もし失敗して後で私に叱られるより、私に先に了解を得たほうが楽だというような気持ちもありました。私はそのような会社の空気はうすうす感づいていましたが見て見ぬふりをしていました。会社のことは何でも知っておきたいという気持ちが強かったのです。しかし、今回は会社の長期的な存続を考えると私が経営の第一線を退いたほうが大きな飛躍につながるのではないかと考えたのです。
 そして、私が相談役に退き、60歳以上の7名の役員には子会社の役員若しくは顧問に退いてもらうことにしました。総経理以下役員は全員が50歳代へと若返らせました。総経理には子会社を経験している43歳の岸本弦三董事兼営業部長を抜擢しました。

新経営陣の船出
 あなたにも新しい董事候補であるとの打診がありました。あなたには、当時を引き受けることに対する不安な気持ちもありましたが、熟慮して引き受けることを決意しました。大島総経理は候補者全員に確認し、7人全員が引き受けました。そして、このことを直ちに社内に発表しました。社員は一様に驚きました。一部には動揺が広がりました。岸本次期総経理が今日の難局を乗り切れるとは思えなかったからでした。誰もが岸本董事が社長に指名されるなどと思っていませんでした。
 しかし、ある時期から社内には新総経理に対して信頼と期待感が芽生え始めました。これはあることがきっかけでした。この事件が起ってから岸本総経理はわが社の仕入れや製造現場の状況を現場で把握し、偽りがないことを念には念を入れて確認をした後、当社の顧客を自ら先頭に立ち一軒一軒回って顧客の不安感を取り除いていたことがわかったからでした。それでも顧客の動揺が深刻で冒頭に述べたような業績の低迷につながってしまったのです。
 新生、大島食品工業(上海)有限公司が今まさに船出をしようとしています。嵐に向かっての船出でありました。船長のみならず、乗組員が一致団結しないとこの荒れた大海原は乗り越えられないと思われます。
創業者である大島前総経理から新経営陣に次のような要請が特にありました。
 自分は会社の経営にはまったく口出ししない。会社にも月に1度程度出社するが、経営のチェックをするために出社するのではないから誰も報告などに来ないでもらいたい。
 会社の株式のうち半分は「財団法人大島国際育英基金」に寄付する。残り半分はいずれ導入する会社のストックオプションの原資として活用されるときには提供するとのことでした。
 そして、以下の「はなむけ」のメッセージが添えられており、これ以降はすべて任すとのことでした。


嵐に直面して、船長及び幹部がなすべきこと

岸本船長殿
幹部乗組員殿
                             水先案内人 大島康雄

1. 航海する目的地を改めて明示すること。
①嵐を避けて他の目的地に向かうこと
②安全航海のシナリオ(経営戦略)を書くこと
③船長以下幹部が決めた以上一枚岩であること

2. 大波に飲まれないよう積荷を軽くすること
① 何回にも分けるのでなく一度に軽くすること
② 乗組員が納得するものであること
③ 嵐が去ったら、軽くした積荷を戻すことを乗組員に約束すること

3. 幹部は前線に立ち乗組員を指揮すること。
① 船長室での会議はすべて止めること。
② 船長は第一線で志気高揚(結束すれば嵐を克服できる)を図ること
③ 嵐が去るまで幹部は休めないと覚悟すること

4. 業務は船が安全に航海することのみに絞り込むこと。
① これを機会に安全航海に関係のない業務はすべて止めること
② 乗組員が船を前に進める仕事に徹する環境をつくること
③ つまらない命令をして、幹部が乗組員の仕事の邪魔をしないこと

5. 情報の共有化と活用を図ること。
① 安全航海のための情報を最優先し常に流し続けること
② 甲板の情報を全員が把握し共有していること。
③ 言いにくい情報を船長に報告する習慣づけをすること

以上
【テーマ】
「新経営陣としてこの“はなむけ”の言葉を参考にして大島食品工業の経営陣は今後どのようなリーダーシップがとるべきか」を考えてください。



仕事の管理はすべて計画から始まる

あなたは行き当たりばったりで仕事をしていませんか?
 今回のブログでは「仕事の計画」を取り上げたいと思います。取り上げた理由は2018年のコンサルティン活動で計画の必要かつ重要性を痛切に感じさせられたからです。
 私たちが支援した多くの企業では管理職や監督職の社員が自らの業務であっても計画する能力に欠ける人たちが多くいたからでもあります。その原因をたどりますとそもそもたとえ管理職や監督職であっても業務を計画することは会社から求められていなく上司から指示されたことのみをやれば良いという一般社員並みの仕事しか求められていないケースから、管理職と言っても能力が低いから業務を任せることができないといった理由まで様々でした。いずれの理由にせよ今の現状を改善しないわけには行けません。
 そこで改めて仕事の管理の基本である「計画」についてまとめてみたいと思います。

1.仕事の管理とは?
 仕事は、だれでも知っているように、計画(PLAN)、実施(DO)、評価(CHECK)、反省(ACTION)のサイクルを回すことを言います。これをマネジメントサイクルと言い、英文字の頭文字をとってPDCAサイクルを回すとも言います。このことは頭の中では誰でも理解していることなのに現実の仕事をするときにはサイクルが回っていないのです。また、このサイクルは部下を持つ人と持たない人で変わります。
 部下を持つ人は自らの仕事と同時に部下とともにこの仕事のサイクルを回します。部下を持たない人は自らの仕事だけのサイクルを回します。管理職であっても一般社員であっても仕事を進める際には何らかの形でこのサイクルを回す必要があります。

2.仕事の計画とは?
 計画とは何をすることでしょうか?
 計画とは仕事進めるに当たって将来の変化を想定し変化に対応できるよう、創造力を働かせることに よってその内容や方法や手順をあらかじめ決めておくことです。業務の内容によって週間計画、月度計画、年間計画のように時間軸による計画と経営計画、営業計画、要員計画、生産計画。調達計画のように経営の質や職能による計画があります。また、日々の仕事をムダ。ムラ、ムリなく進めるための業務計画もあります。

 計画はなぜ必要なのでしょうか?
 第一に上司にとって計画すること自体が責任であり仕事です。計画をしない仕事はありえません。必ず上司の仕事には計画があります。
 第二に計画は部下にとっての行動の指針や目標を示すものです。組織は多くの人たちが目標や目的を共有することで期待する成果を達成することができます。

 計画を立てるときの問題点はないのでしょうか?
以下のような問題点が想定されます。
① 事実や情報が集めにくい。
 これは計画を立てる際の目的や問題意識があいまいな場合に起こりがちになります。現代は情報氾濫社会です。情報はいくらでもありますがよほど鮮明に目的や問題意識を持っていないと必要な情報を入手することは難しいでしょう。
② 外的要因が働くので予測が立てにくい。
 企業は変化適応業です。変化に適応できなければ没落するだけです。この世の中で不変の真理は変化するということであると格言すらあるくらいです。
 私たちの仕事は外的要因に影響されない仕事はありません。これはある意味計画能力のない人の言い訳であることが多いと思われます。
③ 将来に向けての決定なのでそのリスクに不安感がある。
企業経営や仕事にリスクはつきものです。リスクのない仕事をしても大きな成果を得ることができません。
例えば、リスクの最も大きいのは投資や事業拡大などの戦略計画です。将来に向けての不可知な状態を見込んでの計画です。会社の成長戦略は常にリスクが伴うものです。
④ 思考するよりも条件反射的、行動先行的な職場の雰囲気がある。
 多くの企業でよくある話です。このような状況では蒋場や組織が目的、目標を共有できていないため成果が上がりません。リーダーのマネジメント力が欠如しているかもしれません。根本原因を究明して抜本的対策を講じる必要性がありそうです。でもこの問題はそんなに難しくないので対策が講じやすいでしょう。
⑤ 人員、予算、時間、上司の考え方など制約条件が多い
 企業はすべて有限の世界で企業活動をしています。どんな企業でも満ち足りた資源を使って業務をすることはありません。天はすべての企業に平等に制約条件を与えていると考えるべきでしょう。この制約条件を克服できた企業のみがおいしい果実を手に入れることができます。

3.計画の立て方?
◆仕事の立て方の手順
 計画は以下の六つのステップでサイクルが回されることになります。実務的には第六ステップの「確かめる」ことを第一番にすると良い計画ができます。実施結果の反省のない計画は現実味に欠けることが多いからです。
第一ステップ 目的を明確にする。
        目的を明確にすることがとても重要です。計画の七割は目的の有効性で決まるといっても言い過ぎではありません。
第二ステップ 事実をつかむ
       当たり前のことですが、事実でない情報をいくら積み上げてもいい結果をもたらしません。誰でも事実でない情報を計画に使わないと思っているのですが、問題は事実と信じて疑わないデータや情報が事実でないことが多いのです。計画に使用する情報は必ず複数の検証をして使用しなければこのような罠にはまってしまいます。
第三ステップ 事実について考える
       事実は決して鵜呑みしないことです。
例えば、他社で成功しても自社で成功するとはかぎらないことです。むしろ、他社の成功事例をそのまま導入しても自社では成功しないと言った方が正しいかもしれません。計画することと考えることは切っても切れない関係であると言えましょう・
第四ステップ 実施方法を決める
       計画の内容が決まったら、目標を実現する手順を明確にします。仕事は
一人でやることもありますが大抵はチームで行います。関係する各人がいつまでにどんな役割を担い責任を持つか明示する必要があります。
第五ステップ 実施する
       実施するうえで大切なことは計画通り実施することは言うまでもありま
せんが、加えて柔軟に対応することです。往々にした机上プランは実務
につなげると通用しないことが多いものです。ここで大切なことは目的
と手段を間違わないことです。私たちはあくまでも計画の目的や目標に合致する最適な手段を実施途中であっても柔軟に選択しなければなりません。
第六ステップ 確かめる
       実施結果は必ず測定し成果を把握し反省します。ここは改善の宝庫だと言っても過言ではないでしょう。また次回以降の計画策定の貴重な情報を得ることができます。冒頭に計画策定は反省から始まると述べたのはこの意味です。
4.計画を策定する時に留意するポイント
 今までのことをまとめると以下のようになります。
 ポイント1. いくつかの案を立てその中から選択すること。
 ポイント2. 「六つの疑問」(5W1H)で落ちなく具体的な計画すること。
 ポイント3. 変化に対応できるよう柔軟な計画を立てること。
 ポイント4. 創造力を働かせて革新的な計画を策定すること。
 ポイント5. 進捗状況を点検する方法を取り入れた計画を策定すること。
 ポイント6. 実行に関係する人々の立場や気持ちを考慮した計画にすること。

5.計画策定による効用
効用1.思いつきや推量で仕事を進めることがなくなる
効用2.些細なきまりきった仕事が優先し、重要な仕事が後回しになったりしなくなる
効用3.あらかじめ問題点がつかめないようなことがなくなる
効用4.実施や検討の際に無理、無駄がなくなる。


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