銘・精選

NEWS1 日本の貿易データが示す中国市場の重要性

 日本の財務省が発表した今年1月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆7583億円の赤字と、再び大赤字となった。ただ、日本メディアの報道によると、再び赤字となったものの、自動車や半導体製造設備、自動車部品などの輸出が増加したほか、国際エネルギー価格が下落したことから、1月の赤字額は過去最大となった前年同月の3兆5000億円と比べて半減した。また対中国輸出が、日本の貿易を押し上げるカギになると分析されている。

 輸出を見ると、1月、自動車や半導体製造設備、自動車部品などの輸出が全体を押し上げ、輸出額は前年同期比11.9%増の7兆3300億円と、2ヶ月連続で増加した。輸入を見ると、原油や液化天然ガス(LNG)、石炭といった資源の価格が下落し、全体を押し下げ、輸入額は前年同期比9.6%減の9兆900億円と、10ヶ月連続で減少した。そのうち、石炭が前年同期比43.2%減の4299億円、LNGが同比28.8%減の6224億円、通信機が同比21.9%減だった。

 実際には、日本の1月の輸出額は単月として比較可能な1979年以降で最高水準となった。業界別で見ると、自動車、半導体等製造設備、自動車部品が輸出額を押し上げる最大の要因となった。昨年の1月の輸出額と比べると、自動車は31.6%増、半導体製造設備は27.5%増、自動車部品は22.1%増だった。中でも、中国向けの輸出が絶好調であることが、日本の貿易を押し上げるカギとなっている点は特に注目に値する。

 日本の財務省の地域別の貿易統計によると、1月、米国向けの輸出額は前年同期比15.6%増の1兆4200億円、欧州連合(EU)向けの輸出額は同比13.8%増の7696億円、アジア(中国を含まず)向けの輸出額は同比13.5%増の3兆9000億円だった。中国向けの輸出額は同比29.2%増の1兆2500億円と、輸出額は2ヶ月連続で増加し、増加幅は他の地域の約2倍となった。

 増加した輸出商品の状況を見ると、中国市場が日本の輸出額に最も寄与しているのは半導体等製造設備で、前年同期比84.7%増、寄与度は5.9と、他の地域を大きく上回った。自動車の輸出額は前年同期比111.4%増で、最高水準となっており、寄与度は3.4と、EUと米国に次いで3番目の高さだった。このように半導体等製造設備と自動車にとって中国市場が、日本の輸出を押し上げる重要な要素となっていることは明らかだ。特に半導体等製造設備を見ると、中国市場は不動の地位を築いている。しかし、この結果は、日本政府の政策の方向性とは矛盾している。

 ここ数年、日本政府は米国に追随して、特に先端半導体の分野において、中国を対象とした「経済安全保障政策」実施を強化し、輸出規制といった方法を通して、優位に立とうとしている。

 しかし、日本の半導体企業にとっては、中国市場の巨大な需要を見過ごすわけにはいかない。伝統的な半導体市場の分野において、中国と日本は緊密に協力しており、日本政府の規制措置が理由で減少するといった状況は生じていない。つまり、中国と日本は、先端半導体設備の分野においても、協力できる大きな余地があるということだ。協力を続けるなら、中国と日本に大きな経済的利益がもたらされることに疑いの余地はなく、発展の前途は非常に明るい。それにもかかわらず、日本は米国に追随して、対中国規制を強化しており、その可能性を封じ込めている。そしてそれが両国にとって、大きな損失となっている。

NEWS2 中国、春節連休後も消費の活力は衰えず



 春節(旧正月、今年は2月10日)連休後、中国の各地は消費券の配布によって市場の消費活力を刺激し続けている。

 四川省成都市では、街中で行われるイベントと消費券を組み合わせることで商業地域の活気を維持している。交子公園周辺の商業地域では、ファッショントレンドとオープンな街並みを組み合わせて、景観、展示、ストリートパフォーマンスなど多様なシーンが一体化した都市のオープンスペースを形成。春節連休後も大規模なイベントと会場での消費券配布を組み合わせることで、多くの市民や観光客を惹きつけた。イベント期間中、市民や観光客延べ70万人近くが訪れ、6900万元(1円は約20.9円)以上の消費につながった。

 今年に入り、文化や観光、飲食などの消費市場が活気を呈し続けているが、これには金融の下支えが不可欠だ。

 江蘇省のある穀類・食用油・食品貿易企業は、1月に銀行から2億元の融資を受けたことで、十分な商品を仕入れることができ、注文が絶えない。

 複数の銀行のデータによると、2024年以降、消費融資及び関連融資が顕著に増加している。

 中国工商銀行は1月、個人向け消費融資および経営融資を前年同期比85%増の計2300億元以上行った。中国建設銀行は1月、個人向け消費融資が前年同期比で64%増加した。中国郵政儲蓄銀行は1月、消費融資とクレジットカード消費が約300億元増加し、1月として過去最高の増加となった。

NEWS3 1月の中国外国為替市場における取引総額は24兆6700億元



 中国国家外貨管理局は26日、2024年1月の中国外国為替市場の取引状況に関するデータを発表した。

 同統計データによると、2024年1月、中国外国為替市場(人民元以外の外貨間取引を含まない。以下同様)の取引総額は24兆6700億元(1元は約20.9円)に達している。その内訳は銀行対顧客市場が3兆7600億元、銀行間市場が20兆9100億元。直物市場の累計取引額は8兆3300億元、派生商品市場の累計取引額は16兆3400億元となっている。

NEWS4 江西の「新御三家」、貿易額増加の「新エンジン」に


江西江鈴集団新エネ車有限公司総組立ラインで、受注に対応するための生産に追われる作業員(2月27日撮影・李劼/写真著作権は人民図片が所有のため転載禁止)


 江西江鈴集団新エネ車有限公司総組立ラインで27日、作業員が受注に対応するための生産に追われていた。江西省は2023年に電気自動車、太陽電池、リチウムイオンバッテリーという「新御三家」が輸出ペースを上げており、通年でその輸出額が73.5%増加し全国6位となっている。そしてこの「新御三家」が江西省の貿易額増加をけん引する「新エンジン」になっている。人民網が伝えた。

NEWS5 ファーウェイ「5Gビジネスは現在進行形で成功、今年は『5G-A商用化元年』」



 今月26-29日にスペイン・バルセロナで開催されるモバイル業界最大級のイベント「MWC Barcelona 2024」において、華為(ファーウェイ)が開催しているオンラインとオフラインを組み合わせた「5G Beyond Growth Summit」で、同社のシニア・バイス・プレジデント(SVP)を務める情報通信技術(ICT)販売・サービスを統括する李鵬氏が、「5Gビジネスは現在進行形で成功している。2024年は『5G-A(5G-Advanced、5G高度化バージョ)商用化元年』となるだろう」と語った。

 李氏によると、5Gの商用サービスが始まってからの5年間、世界のユーザー数は15億人を超えるようになっており、4Gの9年の発展の成果に相当する。また、世界のモバイル通信ユーザーの20%を占める5Gユーザーは、パケットの30%、モバイル事業の売上高の40%に寄与している。

 ますます多くの通信キャリアが、最適な5Gネットワークをめぐる戦略的目標を発表している。例えば、中東地域の通信キャリアは、全国をカバーするMIMOを高度化した5Gの要素技術「Massive MIMO」(空間多重技術)ネットワークを建設。良質な体験により、「5G FWA業務」の大成功につながり、一般家庭300万世帯近くが既に利用し、通信キャリアの売上高を成長させる重要な原動力となっている。

 米調査会社「IDC」は、2024年の次世代(AI)スマホの出荷台数は1億7000万台に達し、世界のスマホの出荷台数の15%を占めると予想している。李氏は、「次世代(AI)スマホは、より強大なストレージや表示、イメージング機能を有し、生成的人工知能(AIGC)アプリとの協同により、1千億GBのコンテンツを生成することができ、通信キャリアに全く新しい成長の機会をもたらすだろう」との見方を示した。

 企業ユーザーも5Gを幅広く導入するようになっている。中国では、5Gプライベートネットワークは50以上の業界で5万件以上の応用例が商用化されている。一方で、確定的遅延や正確な測位、無電源IoTといった新たな能力を備える5G-Aが、通信キャリアのB2B市場に、さらに多くのチャンスをもたらすことになると期待されている。李氏は、「2024年は5G-Aの商用化元年となるだろう。それがクラウドコンピューティングやAI技術の発展と結び合わせれば、通信キャリアの生長のポテンシャルは大きなものになる」との見方を示した。

NEWS6 中国の自動運転車、初めて長江を横断



 百度の自動運転移動サービスプラットフォーム「蘿蔔快跑」を利用した自動運転車が27日、湖北省武漢市の楊泗港長江大橋と白沙洲大橋を渡り、自動運転による「万里の長江の初横断」を行った。武漢市は中国初のスマートコネクテッドカーによる長江横断貫通モデル運営を実現した都市になった。科技日報が伝えた。

 武漢は地形が複雑で、河川と湖沼が多く、11基の橋が長江にかかっている。長江を渡る移動は武漢の1400万住民の日常生活における最も重要なシーンだ。百度自動運転業務部の陳卓ゼネラルマネージャーは、「初の長江横断は、武漢の新エネルギー・スマートコネクテッドカー産業の発展、そして人工知能(AI)に焦点を当てた発展の成果を体現している」と説明した。

 AI、5G通信、ビッグデータなどの新技術の急速な発展に伴い、自動運転技術の交通輸送分野での応用が近年、加速している。クローズドテストから公道テストへ、実証実験から商業運営へと急速に発展している。

 中国では現在、北京市、武漢市、上海市、広州市、深圳市などの21都市が自動運転テスト地方政策を発表し、60数社が自動運転テスト用のナンバープレートを取得している。政策の実施に合わせ、各都市は自動運転車テスト拠点の建設、人材誘致・育成の加速、産業チェーンの整備を積極的に行い、自動運転技術の急速な発展に向けてしっかりした基礎を提供している。

NEWS7 中国航天、年内に約100回の打ち上げを予定

 中国航天科技集団有限公司(中国航天)は26日に「中国航天科学活動青書(2023年)」を発表した。同青書によると、中国航天は今年100回前後の打ち上げの実施任務を予定し、新たな記録を打ち立てる見込みだ。人民日報が伝えた。

 中国航天は今年、一連の重大任務の実施を計画している。宇宙ステーションが常態化運営モードに入り、年内に宇宙貨物船2回、有人宇宙船の打ち上げ任務2回、帰還任務2回を行う。中継衛星「鵲橋2号」を打ち上げ、月裏側と地球の間の中継通信を提供する。探査機「嫦娥6号」を打ち上げ、世界初の月裏側南極のサンプルリターンを実現する。海洋塩分観測衛星を打ち上げ、中国が高分解能・高精度の海洋塩分観測能力を持つようにする。「長征6号C」「長征12号」などの新型キャリアロケットの初の打ち上げを実施する。初の商業宇宙打ち上げ場が初の打ち上げ任務を迎える。複数の衛星網の構築を加速させる。

NEWS8 中国、大学の有効特許保有件数が79万4000件に

 国家知的財産権局知的財産権運用促進司の王培章司長は27日、国家知的財産権局の2月の定例記者会見で、「2023年末現在の中国の大学の有効特許保有件数は79万4000件、科学研究機関の有効特許保有件数は22万9000件に達し、合計で中国の有効特許全体の4分の1を占めている」と説明した。新華社が伝えた。

 王氏は、「国家知的財産権局は今年1月に7当局と共同で『大学・科学研究機関の既存特許活用の活動プラン』を発表した。その中で、24年末までに全国の大学・科学研究機関の未実用化有効特許活用のフルカバーを実現し、25年末までに複数の高価値特許の実用化を加速し、大学・科学研究機関の特許の産業化率と実施率の大幅な向上を推進することを打ち出した」と述べた。

NEWS9 AIスマートサービスの力で外国語を「自由に操る」義烏の女性経営者



 「你好(ニーハオ)」「Bonjour(ボンジュール)」「Hola(オラ)」……あるネット上で注目された動画では、浙江省義烏市の女性経営者の張吉英さんが各国の言語を流暢に「話し」、自社の商品をよどみなく紹介していた。新華社が伝えた。

 義烏市場で傘のビジネスに20年間携わっている張吉英さんは、自分がこんなに多くの外国語を流暢に「話せる」ようになるとは思いもしなかった。彼女をサポートしているのは、義烏国際商貿城が打ち出した商品貿易分野の大規模言語モデルと、新しくアップグレードした「Chinagoods」人工知能(AI)スマートイノベーションサービスプラットフォームだ。

 義烏国際商貿城に店を構える販売業者がこのプラットフォームに自分たちが作成した中国語の動画をアップすると、30種以上の言語のバージョンに置き換えられ、その言語の発音に合わせて口の動きを調整するリップシンクも行われる。これは、「世界から購入、世界に販売」をする義烏が、AI技術による従来型貿易エンパワーメントにおいて行った最新の試みだ。

 このプラットフォームを利用して作った1分間の動画が思いがけず大きな話題になり、張さんは3ヶ月間で外国の顧客を50−60社増やした。さらには3、4年連絡がなかった海外の顧客からも新商品の注文を獲得した。

 義烏では以前、外国の顧客と商売をする際に言葉が通じず、価格についても電卓の数字を叩いて交渉しなければならなかった。ビジネスパートナーの新たな姿を目にしたあるドイツの顧客は、「今や彼らは各種デジタル化ツールを使って顧客を獲得し、見積もりを出し、受注するようになった」と驚きの声を上げる。

 この技術が応用されるまで、100以上の国に製品を販売する義烏でも、業者がどの言語にも堪能というわけにはいかず、交流がスムーズにいかない状況が、ある程度において事業拡大の妨げになっていた。複雑で変化が激しい経済情勢と急速に発展するデジタル経済を前にして、義烏の従来型経営モデルはますます大きな課題に直面するようになった。しかし、これまで課題に直面した際、義烏が出した答えは常に「絶え間ないイノベーションと模索」をすることだった。

 義烏は現在、世界範囲で210の海外倉庫を運営している。国際貿易のトータルリンクから着手してデジタル貿易プラットフォームを構築し、ワンストップのデジタル化された商品選択、取引、通関、決済などのサービスを提供している。

 科学技術によるエンパワーメントという新たなツールを手にした張さんは、2024年の発展に対して自信にあふれている。張さんはAIデジタル機能を活用し、24時間連続の多言語ライブ配信を行い、顧客との意思疎通をより円滑にすることで、市場でより多くのチャンスを手にしたいと考えている。

NEWS10 世界初のマングローブセンター、なぜ深圳に設立?



 世界初の国際マングローブセンターがこのほど、広東省深圳市で設立された。深圳は過去10年で累計43.33ヘクタールのマングローブを修復し、生物多様性のモニタリング、水鳥生息地の保護、生態系の科学的な修復を全面的に展開し、科学教育を幅広く推進した。生態保護が都市生活の隅々に浸透している。人民日報が伝えた。

 葉の色を見るだけであれば、圧倒的多数のマングローブ植物が一年中緑色であるため、マングローブ林は赤く見えない。中国語で「紅樹林」と呼ばれるマングローブ林は、大半のマングローブ植物の樹皮が、空気中の酸化で赤褐色を呈する「タンニン酸」と呼ばれる物質を豊富に含むためだ。マングローブは特定の植物を指すのではなく、熱帯や亜熱帯の海岸の潮間帯で成長する木本植物群落の総称だ。深圳市全体のマングローブの面積は現在296.18ヘクタール。

 福田マングローブ湿地を中核とする深圳湾は、世界の渡り鳥の移動ルートの重要な経由地と越冬地で、毎年10万羽近くの渡り鳥がここで生息する。

 内伶仃福田国家級自然保護区管理局の教授クラス上級エンジニアの楊瓊氏は、「マングローブは鳥類に食糧倉庫を提供するところだ。鳥はマングローブ生態系の魂だ。鳥類が深圳湾に来るか、ここでしっかり食べられるかは、マングローブ生態系の健全性を評価する重要な指標だ」と説明した。

 深圳は近年、マングローブ生態系の機能を大幅に高めるため、現地に適した複数のマングローブ湿地生態修復プロジェクトを実施してきた。マングローブの人工栽培や鳥類が生息する干潟の造成などの措置により、2020年より25.72ヘクタールのマングローブ造成・修復任務を遂行した。

 生態モニタリングは深圳市マングローブ湿地保護基金会浜海保護プロジェクト上級保育専門家の戎燦中氏と同僚たちの最も中心的な日常の仕事だ。内伶仃福田国家級自然保護区は現在、地上・空・宇宙一体化モニタリング体系の応用に成功しており、鳥類の動向をリアルタイムでキャッチし、鳥類の種類と数をスピーディに識別でき、生態モニタリングの重要情報の効率的な取得を実現した。

 スタッフは長期間にわたり、バランスの難題に直面している。モニタリングによると、深圳湾のマングローブ外来植物が大幅に増加し、干潟の面積が減少していることが分かった。

 深圳大学大湾区マングローブ湿地研究開発センターの研究員である周海超氏は、「マングローブ保護はマングローブの面積が広いほど良いわけではなく、余白を残すことも生態保護になる場合がある。マングローブ植生の持続的な拡大により、渡り鳥が羽休めができず、エサを探せなくなる可能性がある。これは最終的に渡り鳥の種類と数に深刻な影響を及ぼすかもしれない」と述べた。

 マングローブ保護関連のスタッフは最終的に、鳥類優先の原則を堅持することを決めた。「食糧倉庫には生物がいないわけにはいかない。生物が脅威に晒されれば、食糧倉庫はそれに応じる調整が必要になる」という。

 深圳河の河口では、マングローブと干潟の面積の比率を3:1とし、15ヘクタール近くのマングローブ植生の除去が完了した。外来植物のマングローブの大面積の除去は、鳥類に生息空間を与える修復措置で、中国初のケースになった。

 大鵬新区壩光銀葉樹(サキシマスオウノキ)湿地園には、50万平方メートルのマングローブ原生林と人工マングローブの壩光自然学校がある。ここ数年、100回以上の各種イベントを持続的に開催し、オンライン・オフラインの1万人ほどが参加している。マングローブ生態系への市民の理解を深めるために、現地の文化的特色が豊富な「自然教室」を建設している。


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