銘・精選


NEWS1 G20の中国との越境EC取引 緊密度トップは米国 




アリババ(阿里巴巴)傘下の阿里研究院がこのほど発表した「2016年中国越境EC発展報告」によると、2015年の越境ECの取引規模は4兆8千億元(約74兆2474億8千万円)に達した。主要20カ国・地域(G20)の中国との越境EC取引の緊密度ランキングでは、上位に米国、英国、オーストラリア、フランスなどが並んだ。




データによると、15年にはグローバル貿易の増加ペースが鈍化し、中国の越境ECの増加ペースも低下したが、越境ECの増加ペースそのものは貨物貿易の増加ペースを引き続き大幅に上回り、中国の輸出入取引におけるECの浸透率も上昇を続けている。20年には中国の越境ECの市場規模は12兆元(約185兆6187億円)に達すると予想される。




アリババグループの高紅氷副社長(阿里研究院院長)は、「越境ECは世界をつなぎ、未来のグローバル貿易の主要な形式になる。越境金融サービス、越境物流サービス、対外貿易総合サービス、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどが、越境ECプラットフォームの周りで急速に発展していくだろう」との見方を示す。




同報告は、中国の越境ECの発展を促す4つのエネルギーとして、技術の進歩、産業の基盤、消費のバージョンアップ、信用保障を挙げる。




同報告には、欧州連合(EU)を除くG20の中国との越境EC取引の緊密度ランキングがあり、順位は1位米国、2位英国、3位オーストラリア、4位フランス、5位イタリア、6位日本、7位カナダ、8位ドイツ、9位韓国、10位ロシア、11位インド、12位トルコ、13位ブラジル、14位南アフリカ、15位メキシコ、16位インドネシア、17位アルゼンチン、18位サウジアラビアとなっている。




同報告の「世界から買う」の項目をみると、15年に中国の消費者が最も多く購入した商品の国別ランキングでは、米国、日本、ドイツ、韓国、オーストラリアが上位に並んだ。種類別にみると、マタニティ・ベビー用品、スキンケア製品・化粧品、栄養・健康食品がトップ3だった。




「世界に売る」の項目では、中国企業への問い合わせ件数が多い国別海外市場に、米国、英国、インド、カナダ、ロシアが並んだ。




 




NEWS2 中国が自由貿易試験区を拡大するのはなぜ




商務部(商務省)は8月31日、第13次五カ年計画の要求を全面的、徹底的に実現し、国の対外開放の総合的な戦略的配置と「一帯一路」(the belt and road)建設の推進の必要性に合わせ、中国共産党中央委員会と国務院はこのほど、新たに7つの自由貿易試験区を設立することを決定した。新華社が伝えた。




同部の高虎城部長は、「自由貿易試験区は中国が改革を深化させ、自主開放を進めるための実験田であり、新たなルートを模索し、新たな経験を蓄積するという任務を担っている。試験区の建設がスタートして以来、上海市、広東省、天津市、福建省にある4つの自由貿易試験区は投資、貿易、金融、起業・革新、進行中・事後の監督管理など各方面で大胆な試みを実施し、市場主体の活力を効果的にかき立て、大衆による起業・革新を後押しした」と話す。




改革についていえば、試験区では外資系企業の投資に対するネガティブリスト管理モデルが初めて試行され、行政による審査認可手続きが大幅に削減された。開放では、外資系企業の投資に対する特別管理措置が2013年の190項目から現在は122項目に減っている。革新の面では、政府の管理・サービスモデルを最適化し、通関の効率が平均40%上昇した。




同部がまとめたデータによると、15年に既存の4試験区で新規設立された企業は約9万社あり、そのうち広東、天津、福建は前年比2倍増加した。4試験区の外資導入額は、それぞれの所在地の外資導入額全体に占める割合が50%を超え、科学技術研究開発、ベンチャー投資、電子商取引(EC)などの先端産業の集積効果が特に目立つ。




全体としてみると、試験区のビジネス環境は国内・海外の投資家に評価されている。国務院発展研究センターをはじめとする第三者機関の上海自由貿易試験区に対する共同評価をみると、調査対象企業の82%が「試験区のビジネス環境は明らかに進歩した」と答え、95%以上が「今後の発展に期待する」と答えた。別のアンケート調査では、回答した企業は試験区の政府部門のサービス効率、企業設立の簡便さ、手続きの透明性などに高い点数をつけている。




高部長は、「既存の4試験区は積極的な成果を上げた。さらに試行プロセスを加速する必要がある」との見方を示す。




 




NEWS3 7自由貿易区を新規設立 それぞれに任務 商務部




商務部(商務省)は8月31日、第13次五カ年計画の要求を全面的、徹底的に実現し、国の対外開放の総合的な戦略的配置と「一帯一路」(the belt and road)建設の推進の必要性に合わせ、中国共産党中央委員会と国務院はこのほど、新たに7つの自由貿易試験区を設立することを決定した。新華社が伝えた。




同部の高虎城部長は、「上海市、広東省、天津市、福建省における自由貿易試験区の建設で勝ち取った成果は、自由貿易試験区の実験田としての役割を明らかにした。党中央と国務院はこのほど、遼寧省、浙江省、河南省、湖北省、重慶市、四川省、陝西省に新たに7つの自由貿易試験区を設立すると決定した。これは自由貿易試験区の建設が試験的模索という新たな航程に進んだことを示す」と述べた。




新7試験区は、これまでより広い分野・範囲でそれぞれの特色と重点を備えた試験的役割を担うことになる。




遼寧省に設立される試験区では、市場の方向性をめぐる体制・メカニズムの改革加速や構造調整の推進に関する中央政府の要求を実現すること、東北の古い工業基地が発展に向けて総合的競争力と対外開放レベルを向上させるために新たなエンジンを確立することが主な任務となる。




浙江省の試験区は、中央政府の「舟山自由貿易港区の検討・建設」に関する要求を実現すること、大口商品貿易の自由化を推進し、大口商品のグローバル配置能力を高めるための検討を進めることが主要任務だ。




四川省の試験区の主要任務は、西部地域の拠点都市の開放レベル引き上げと内陸地域の開放戦略支援ベルト建設についての中央政府の要求を実現し、内陸に開放型の経済先進地帯を構築し、内陸と沿海地域、国境地帯、長江沿線との共同開放を達成することにある。




 




NEWS4 世界銀行 中国で初のSDR建て債券発行




世界銀行グループの国際復興開発銀行はこのほど、国際通貨機関(IMF)の特別引出権(SDR)建ての債券の第1弾を中国のインターバンク債券市場で発行した。発行額は5億SDR(約46億6千万元、約720億8千万円)、利率は0.49%、期間は3年間、決済通貨は人民元となっている。




中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝副総裁は、「このたび世界銀行がSDR建て債券を発行したことは、SDRという金融ツールの市場化を推進する有益な試みであり、国内外の投資家の多様な資産配分にプラスになり、単一通貨の利率やレートがもたらすリスクを回避できる。これと同時に、SDRの利用拡大の象徴的な出来事でもあり、国際金融システムの安定性と強靱性を強化する上でプラスになる」と話す。




また潘副総裁は、「SDR建て債券の発行は、中国債券市場の取引通貨の種類を増やし、中国債券市場の開放・発展を促進する上でプラスだ。ここ数年、中国債券市場の対外開放が拡大を続けている。国際開発機関、海外の非金融機関、海外の金融機関、および外国政府などがいずれも『パンダ債』(非中国機関などが中国で発行する人民元建て債券)を発行しており、発行額は累計360億元(約5569億円)を超えた。また海外投資家の中国債券市場への投資がますます便利になっている」と説明する。




 




NEWS5 石油製品価格を調整 今年最大の引き上げ幅




国家発展改革委員会は1日に通知を出し、9月1日24時より、国内のガソリン、ディーゼル油の価格を1トンあたり、205元(1元は約15.5円)と200元、それぞれ引き上げることを明らかにした。1リットルあたりの全国平均価格でみると、92号ガソリンは0.15元の値上がり、0号ディーゼル油は0.17元の値上がりになる。今年の引き上げ調整としては引き上げ幅が最も大きい。「京華時報」が伝えた。




隆衆石化網の李彦アナリストは、「現在の国際原油価格の水準で計算すると、次回の石油製品の価格調整は引き上げの方向になるが、引き上げ幅は今回よりもずっと小さくなる見込みだ。国際原油市場の今後の動きが弱まったとすれば、順運動学的な変化率が反転する可能性がある。そうなれば次の石油製品の価格調整は現状維持または引き下げになる確率が高い」との見方を示す




 




NEWS6 国際金融アーキテクチャの強化のための中国の提案に期待




2008年に国際金融危機が生じて以来、G20はすでにサミットを10回開催している。間もなく開かれるG20 杭州サミットでは、世界経済が直面する様々な挑戦に焦点を当て、政策による対応と国際協力におけるより深く踏み込んだ幅広い討論が行われる。なかでも国際金融アーキテクチャの強化は最も努力が必要とされる課題の一つである。(文:国際通貨基金事務局長・林建海)




中国はG20ホスト国となってから、国際金融アーキテクチャ作業グループを再構築し、各方面と手を取り合い、国際金融アーキテクチャの強化に努力してきた。今年7月に四川省成都で行われた財務相・中央銀行総裁会議の後、G20は「より安定的かつ強靭な国際金融アーキテクチャーを目指すためのG20アジェンダ」をすでにまとめており、IMFによる特別引出権(SDR)の使用の拡大、グローバルな金融セーフティネット(GFSN)の強化、国際通貨基金(IMF)のクォータ増額とガバナンス改革の推進、ソブリン債務再編メカニズム(SDRM)、資本流動のモニタリング・コントロール等5つの面で一連の提案を行い、杭州サミットでG20のために国際金融アーキテクチャの強化に向けた「中国の提案」の提出を目指している。




国際金融アーキテクチャの強化は今日の経済金融情勢において重要度がさらに増してきている。その主な原因として、一つには世界経済の多元化が進んでいる点が挙げられる。新興市場国と発展途上国の経済総量が増加し続け、国際的な地位も急速に上昇している。まだ第二に、世界経済のリンケージが大幅に強化されている点が挙げられる。ここ30年ほど、国際貿易ネットワークは非常に複雑化してきたばかりでなく、世界におけるグローバル・バリュー・チェーン(GVC)や地域バリュー・チェーン(RVC)が急速に発展し、世界的な資本流動も大幅に増加してきている。これらの変化は国際アーキテクチャに新たな要求を突き付けている。




長年の努力の結果、IMFは2010年に承認したクォータ増額とガバナンス改革案をついに今年1月26日から全面的に実施している。これはIMFの歴史上、最大規模となるクォータ増額とガバナンス改革であり、また新興市場国と発展途上国の発言権を最大限に調整した改革となった。この改革をうけて、IMFのクォータ財源は2倍の4700億SDR(約6600億ドル、1ドルは約103.9円)にまで増加した。これにより中国はIMFにおいて第三の地位を占めることとなり、中国のIMFにおける発言権を一気に強めた。現在、IMFは第15次クォータ見直しとガバナンス改革に関する検討を進めており、その内容にはクォータ計算式や割当額の増額、割当額の分配の決定などが含まれている。当然ながら、このガバナンス改革は新興市場国と発展途上国にとって、非常に大きな意義を持つ。IMFは2017年10月の総会までにこれらの作業を完了させたいと考えている。




2015年11月30日、IMF執行理事会の厳格な審議を経て、人民元を国際的な準備通貨に認定し、2016年10月1日より、現在の米ドル、ユーロ、日本円、ポンドに加え、新たにSDR貨幣バスケットに組み入れることを決定した。しかしながら、国際貨幣金融システムを安定化させるSDRの働きを更に強化し、SDRを国際金融市場で広く流通させるにはまだまだ多くの作業が残されており、これもまた今回のG20で検討される重要な課題の一つとなっている。




世界規模での互恵・ウィンウィンと共同の経済成長を実現するには、それぞれの国で強力で安定した経済政策を実施する必要があるばかりでなく、国際金融アーキテクチャとグローバルガバナンスのメカニズムを強化していく必要がある。この二つの面で互いに補強し合い、促進し合うことが、金融危機の再発防止につながり、またその危機対応力を向上させ、新興市場国と先進国との提携と交流をさらに強化することで、最終的に世界経済の力強く、持続可能な、バランスの取れた成長を実現できるだろう。




 




NEWS7  銀監会、中国グリーン金融発展が世界をリード




今年のG20サミットでグリーン金融を議題に入れるのは初めてであり、特別にグリーン金融研究グループも立ち上げられている。このことから中国が議長国としてリードし、推進役としての働きを発揮していることが見てとれる。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は2日、グリーン金融に関する記者会見を開き、その席上で銀監会政策研究局の葉燕斐巡視員は「グリーン貸付において、中国は確かに世界的に上位を占めている」とした。人民日報が伝えた。




銀監会が2日公表したデータによると、2016年6月末現在までに、中国国内の主要銀行金融機関21グループのグリーン貸付残高は7兆2600億元(1元は約15.5円)に達し、各貸付項目の9.0%を占めており、そのうち省エネ環境保護、新エネルギー、新エネ車などの戦略的新興産業への貸付残高は1兆6900億元、省エネ環境保護プロジェクトサービスの貸付残高は5兆5700億元に達した。




省エネ環境保護プロジェクトサービスの貸付環境の効果と利益は顕著で、その貸付サポート資金に比例する年間節約可能な標準的な石炭見込み量は1億8700万トンで、排出削減される二酸化炭素量は4億3500万トン、北京のタクシー7万台の298年間運行停止に相当する。




6月末時点で、主要銀行金融機関21グループの省エネ環境保護プロジェクトサービスにおける不良貸付残高は226億2500万元でその不良率は0.41%、同期各項貸付不良率よりも1.35ポイント低かった。




現在中国が構築している「グリーン貸付手引き」はグリーン貸付制度のアーキテクチャをコアとし、銀行金融機関に対し、省エネグリーン貸付の政策範囲や管理方式、政策の審査等について明確な規定がなされ、貸付資金が低炭素や循環、生態分野などに貸し付けられることを保障しており、これは世界的にもトップレベルとなっている。




同時に中国はグリーン貸付の国際交流提携メカニズムを立ち上げ、サステナブル・バンキング・ネットワーク(SBN)を10ヶ国の中央銀行と共に設立し、中国銀監会はその常任議長をつとめている。




中国人民銀行の資料によれば、中国は現在世界でグリーン貸付指標システムを立ち上げている三つのエコノミーの一つであるばかりでなく、2016年以来、中国のグリーン債券市場が急速に発展し、すでに世界最大規模のグリーン債券市場になったとしている。「指導意見」が施行されることで、中国は世界で初めて比較的整ったグリーン金融政策体系を立ち上げたエコノミーとなるだろう。




 




NEWS8  日本家電の衰退と中国家電の勃興 価格競争は海外拡大競争に転換




中国国内家電大手の格力電器、海爾(ハイアール)、美的集団は続々と2016年上半期の業績報告書を発表している。これによると、これら家電業界トップ三社の純利益は軒並み増加したという。だが、美的・格力両社の売り上げは、投資での損失が主な原因で、前年同期比で減少した。中国家電市場の疲弊した状況が続く中、トップ三社は次々とモデルチェンジ戦略に急いでおり、M&A投資が主要選択肢となっている。中国新聞網が報じた。




美的は今年上半期、海外業務戦略パートナーシッププロジェクトを三件スタートさせた。投資総額は300億元(1元は約15.5円)を超える見通し。格力はこのほど、珠海銀隆新能源の全株式を130億元で買収すると発表した。携帯電話と新エネルギー車に続き、格力が洗濯機製造業に乗り出すという情報もあり、引き続き多元化の方向に進んでいる。また、ハイアールは今年3月、「U+スマートライフ2.0戦略」を発表し、他社に先駆けスマート家電のAIソリューションを打ち出し、「ハードウエア+ソフトウェア+サービス」モデルへの転換を試みている。同社は今年6月、米ゼネラル・エレクトリック (GE)の家電事業を55億8千万ドル(1ドルは約103.6円)で買収することを発表し、国際化への足並みを加速させている。




中国経済網の張捷・評論員は、「家電業の真の拡大は、すでにM&Aの段階に達している。その上、家電業には国際的なチャンスもまだある。日本の家電大手が次々と倒れたことで、中国市場にこの上ない大きな空間が生まれたことは注目に値する。よって、いかに迅速に国際市場を占有するか、スピーディに戦略を実施するかということは、きわめて重要なポイントといえる。たとえ売り上げが前年同期より落ち込んでも、利益が上がっているならば、企業にとっては喜ばしいことだ」と指摘した。




これまで、家電業では、市場シェア拡大のために異常な価格競争を繰り広げられたが、利益は微々たるものだった。故に、このような競争が長く続く訳がない。今や各企業は利益にポイントを置くようになり、海外拡張のための投資を柱とするようになった。これがモデルチェンジの結果といえる。同時に、これらの家電グループは軒並み、家電業に絞った経営から多角化経営集団にシフトしている。各社にはそれぞれ異なる優位性があり、異なる製品の市場資源や各種技術資源を活用して、ブランド拡大を加速させ、さらに大きなプレミアムを得ようとしている。これはまさに合理的な選択肢である。




 




NEWS9 寒波を迎える世界の海運業 韓日企業は再編に活路




昨年末以降、世界の海運業は損失が続いている。韓国と日本の造船企業はともに苦境に陥り、目下、再編などの手段によって業界に押し寄せる「寒波」をやり過ごそうとしている。「経済参考報」が伝えた。




韓国の海運業トップで世界7位の海運企業・韓進海運が財務危機に陥っているというニュースがこのほど駆けめぐった。自力救済計画が取引銀行に拒絶されたことで、最後の頼みの綱を失った韓進は、ついに裁判所に会社更生法の適用を申請した。




韓国金融サービス委員会がこのほど明らかにしたところによると、ライバルの現代商船が韓進の所有する貨物船、社員、海外事業ネットワークなどの資産を引き続くことを検討中よいう。現代商船も、「政府と協議中」であることを明かす。韓進は過去5年間のうち4年間で損失を出しており、6月末現在の負債額は6兆1千億ウォン(約5695億6千万円)に達した。今年は株価が66%も値下がりし、時価総額は3040億ウォン(約284億円)に縮小した。




米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が8月31日に伝えたところによると、米国の輸出入企業は韓進の船で太平洋を行き来する貨物を大急ぎで他の海運企業のコンテナに積み替えているという。アナリストは、「韓進の状況が悪化すると、世界の海運業のコストが高騰し、韓進と取引してきた小規模な企業は非常に大きなダメージを受けることになる」と予想する。




米調査会社HISがまとめた統計では、世界の新造船受注量は2014年、15年と2年連続で減少し、16年1~6月も前年同期比60%以上減少したという。




海運業の寒波を受けて日本の造船企業も危機に陥り、大手は集まって寒さを乗り切ろうとしている。日本経済新聞社の報道によれば、世界の新造船市場の規模が縮小する中、三菱重工業は経営資源の統合と事業規模の拡大によって競争を勝ち抜こうとしているという。




三菱重工業は8月30日、業界トップの今治造船株式会社、3位の株式会社大島造船所、4位の株式会社名村造船所との話し合いをスタートしたことを明らかにした。開発や部品の調達で協力を進めるだけでなく、三菱が設計した船舶の建造を3社に委託することも検討中という。この3社は鉄鉱石を運ぶばら積み貨物船の建造を得意とする。三菱を含む4社を合わせた建造量は韓国の現代重工業に次ぐ世界2位だ。




この日本の大手造船4社は新型船舶の開発、部品の調達、営業販売などでの協力の展開も計画する。




三菱重工業は旅客船事業で累計2300億円の特別損失を計上しており、商船を含む造船事業の再建がすぐにも解決しなければならない難題となっている。8月30日、三菱は旅客船事業の存廃について話し合い、10月頃に対応策を明らかにすると決定した。




日本経済新聞社は、「環境保護をめぐる要求がさらに厳格になるため、『駆け込み需要』によって日本の造船企業は2015年に燃料性能の高い船舶の受注が増え、同15%増加した。だが『駆け込み需要』は急速に減少し、16年1~6月の受注量は同約80%減少した。日本の造船企業は今後2年半から3年ほどは仕事があるが、これから新たな注文を獲得することは難しい」との見方を示す。




 




NEWS10  2カ月で「スピード離職」 原因トップは給料と待遇




一連の就職サイトがこのほど発表した職場における「スピード離職」の調査データによると、新卒生の3割以上が就職してから2カ月以内に仕事をやめている。「実習期間が終わらないうちにやめる。就職して半年たらずで転職する。仕事がうまくいかないとすぐに身を引いてやめる」という。離職の理由では、給料が少ない、仕事量が多い、キャリアにならないが3大要因だ。「揚子晩報」が伝えた。




▽販売・コピーライター・総務はすぐ辞める人が多い




職業別にみると新卒生の離職率が高いのは何か。販売を思い浮かべる人が多いとみられる。




李磊さん(仮名)は昨年に大学の本科を卒業し、有名製薬会社の医薬情報担当者(MR)になった。同僚が次々とやめたため、キャリア1年の李さんが所属する部門では最古参になってしまった。今年7月に部門のマネージャーは3人の新卒者を採用したが、そのうち2人が初任給をもらってすぐやめるという李さんが予想もしなかった行動に出た。




販売だけでなく、レジ、コピーライター、総務なども「ちょっとでも合わなければ」すぐ辞める人が多い。今年7月に江蘇省南京市の大学を卒業した朱さんは、同じ月に北京のインターネット企業でコピーライターの仕事をみつけたが、2カ月足らずで辞めることにした。「毎日いつ終わるともしれない残業があったり、全国各地を飛び回って地方での販売促進キャンペーンを手伝ったり、同僚同士の競争も激しく、(就職してから)2カ月間というもの一日の睡眠時間は6時間以下で、疲れて気分も悪かったので、思い切って辞めることにした」という。




▽外食、文化娯楽、医薬品はスピード離職で痛手




就職情報サイト「58同城招聘」がこのほど発表した職場における「スピード離職」現象に焦点を当てた調査の結果によると、外食・ホテル、文化・娯楽、医薬品、金融、不動産の各産業は、新卒生たちの「スピード離職」で大きな痛手を被っている。地域別にみると、一線都市の割合が二線都市と三線都市を大きく上回る。職業別では、販売、レジ、総務、清掃の離職率が高く、コピーラーター、ニューメディアも32.35%と高い。




就職の専門家は、「外食や販売といった職業は企業の需要が非常に多く、就職のハードルが低く仕事に慣れるのが早く、空前の雇用圧力がかかる状況の中で、新卒生たちに高い人気がある。だが外食産業の仕事は体力勝負で、反復が多く、販売は労働時間が長くて、残業が当たり前といった具合で、待遇に見合った仕事量になることは少ない。そこで『温室育ち』と言われる1990年代生まれ(90後)の新卒者の多くにとって、こうした職業は『極限への挑戦』になる。『スピード離職』するのも理解できないことではない」との見方を示す。




▽離職者の不満 給料が少ない、仕事が多い、学ぶものがない新卒生の「スピード離職」の割合はなぜこれほど高いのだろう。新卒生たちのコミュニティフォーラムをみると、仕事が楽しくないと不満を漏らす人が大勢いた。




新卒生が仕事を辞める原因として、勤務先が家から遠い、社員食堂のご飯がまずい、いつも仏頂面の上司がいや、夜になっても「微信」(WeChat)で仕事の指示を出してくる上司がうっとうしい、などがある。




同サイトのデータによれば、「スピード離職」の原因は、「給料が低い、福利厚生・待遇が悪い」が最多で30.53%を占め、「キャリアにならない、自分の能力を高めることができない」が22.57%だった。このほか、「残業ばかり」が13.29%、「もう少しふらふらしていたい」が10.46%、「人間関係にうまく対応できない」が9.87%、「実家に戻って就職したい」が7.40%だった。




▽研修期間の月給 2600元以下が半数以上




赶集網がこのほど研修生の給料と仕事や生活の様子について行ったビッグデータ調査によると、研修生の54.6%は平均日給が50~120元(約746~1835円)で、一月あたりの勤務日数を22日とすると、月収は1100元(約1万6818円)から2600元(約3万9751円)になる。一線都市や二線都市でがんばる研修生は、これでは基本的な生活すら送れないので、食事や生活を切りつめるほか、親に頼ってこの苦しい時期を乗り切るしかない。業界関係者は、「給料や待遇は就職・離職に影響する最も重要な要因だ。労働時間が不安定、成長のチャンスがないといった要因は、『スピード離職』が頻発する重要な原因になっている。これと同時に、新卒生は人間関係への対応力が低く、ストレスへの抵抗力が弱く、心理状態が不安定で、一連の『ブルーカラー』の職業を軽視するといった個人的な要因にも大きく影響されている」と指摘する。



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