銘・精選


NEWS1 3大自由貿易試験区建設の金融面の支援に関する指導意見が発表




中国人民銀行(中央銀行)はこのほど、天津・広東・福建の3大自由貿易試験区建設に向けた金融面の支持に関する指導意見を発表、自由貿易区における人民元のクロスボーダー使用拡大、外国為替管理改革の深化などを具体的に規定した。人民日報が伝えた。




指導意見では、3大自由貿易試験区で限度額内における資本項目の両替可能化を実施することが明確化された。自由貿易試験区内で登録された、ネガティブリスト外の域内機関は、各機関の各年のクロスボーダー収入・支出がいずれも規定の限度額内であるという前提の下、自主的にクロスボーダー投融資活動を行い、限度額内で自由な外貨売買を実施できる。




天津自由貿易試験区建設を支援する意見では、北京・天津・河北の協同発展を支援し、自由貿易試験区内で北京・天津・河北協同発展基金、北京・天津・河北産業構造調整基金の設立に取り組むことが提起された。




 




NEWS2 人気商品の関税引き下げ 大幅値下げにはならず




財政部(財務省)は9日に通知を出し、2016年1月から輸出入関税を一部調整することを明らかにした。対象のうちスーツケース、衣類、スカーフ・ストール、毛布、保温・保冷ステンレスボトル、サングラスといった、海外通販の人気商品については、暫定税率方式で関税を引き下げ、引き下げ幅は50%前後になるという。「広州日報」が伝えた。




同部によると、この措置は国内の消費者の買い物の選択肢を増やし、国内消費ニーズの向上に対応するためのもので、輸入関税率が相対的に高く、輸入ニーズの動きの大きなスーツケース、衣類、スカーフ・ストール、毛布、保温・保冷ステンレスボトル、サングラスなどの商品に的を絞って関税を引き下げる。これらの商品は海外通販の「超人気商品」だ。暫定税率を採用すると、税率は最恵国税率より約50%低くなる。




だが関税引き下げが商品価格にどれくらい反映されるかといえば、影響は限定的だ。国は今年6月1日に衣類、靴類、スキンケア製品、紙オムツといった日用消費財の一部について輸入関税率を引き下げ調整し、平均引き下げ幅は50%を超えたが、商店に並ぶ輸入商品をみると値段が大きく下がってはいない。その原因は、輸入商品の価格で関税が占める割合は思っったほど高くないこと、消費税と増値税(付加価値税)の占める割合が高いことにある。




▽3400元のサングラス 関税引き下げ後の増値税は34.68元の節税




たとえば大手国際ブランドの人気のあるタイプのサングラスを例に挙げて考えてみよう。原産国フランスのカウンターでは約160ユーロ(約2万1401円)で売られており、香港で海外通販で買うと大体1360元(約2万1333円)だが、中国のカウンターでの価格は約3400元(約6万4195円)になる。




15年のサングラスの暫定税率は12%で、おおまかに計算すると、輸入価格が3400元なら、現在の増値税は「3400×1.12×0.17=647.36元(約1万2220円)」だ。関税率が50%引き下げられたとすると、増値税は「3400×1.06×0.17=612.68元(約1万1565円)」で、34.68元(約655円)の節税になる。サングラスは暫定的に消費税を徴収しない。




▽1万5千元のコート 関税引き下げ後の増値税は306元の節税




国内での販売価格が1万5千元(約28万3152円)のブランドもの定番コートのケースも考えてみよう。現在の増値税は「15000×1.25×0.17=3187.5元(約6万170円)」、関税率引き下げ後の増値税は「15000×1.13×0.17=2881.5元(約5万4393円)」で、306元(約5779円)の節税だ。コートは暫定的に消費税を徴収しない。




 




NEWS3 11月の輸出入額が4.5%減少 輸出入ともに減少




税関総署はこのほど、今年1~11月の対外貿易輸出入の状況を発表した。税関がまとめた統計によると、11月の輸出入額は2兆1600億元(1元は約19.2円)に上り、前年同月比4.5%減少した。輸出は1兆2500億元で同3.7%減少し、輸入は9100億元で同5.6%減少した。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3431億元の黒字で、黒字額は同2%増加した。中国新聞網が伝えた。




1~11月の統計をみると、輸出入額は22兆800億元で前年同期比7.8%減少した。輸出は12兆7100億元で同2.2%減少し、輸入は9兆3700億元で同14.4%減少し、貿易収支は3兆3400億元の黒字で、黒字額は同63%増加した。




 




NEWS4 ハイテク製品輸出国の地位、中国が日本から奪取=核心部品は依然輸入に頼る―米メディア




2015年12月9日、環球時報によると、ブルームバーグは8日、アジア最大のハイテク製品輸出国の地位はこれまで日本が占めていたが、中国が取って代わったと指摘した。




アジア開発銀行の報告書によると、中国の輸出する医療設備や航空・通信機器などのハイテク製品がアジアの同輸出総額に占める割合は2000年の9.4%から2014年に43.7%に急増した。日本の割合は25.5%から7.7%に減少。マレーシアやフィリピンなど東南アジア諸国も割合が減少した。




その一方で、中国のローテク製品の輸出は2000年の41%から28%に減少。香港上海銀行(HSBC)のフレデリック・ノイマン氏は、「核心部品の多くは他国からの輸入に頼ってはいるものの、中国はハイテク製品の生産分野で大きな発展を遂げた」と指摘している。




アジア開発銀行のチーフエコノミスト・魏尚進(ウェイ・シャンジン)氏は、中国の生産する無人機やスマートフォン、高速鉄道といったハイテク製品は国際市場で競争力を備えていると指摘。関連企業の数も2000年には1万社に満たなかったのが現在は3万社に届く勢いだとし、「中国はミドルテク製品で急速に追い上げており、自主開発も進展している」と述べた。しかし、まだ米国やドイツのような存在には至っていないという。




中国は紡織品や食品、飲料、木材、パルプ、紙製品などのローテク分野の輸出でもフロントランナーとなっている。2014年、ローテク製品市場における中国のシェアは55.4%で、2位のインドは9.4%でしかない。

 




NEWS5  AIIB設立当初、資金はどこへ投じられるのか?




アジアインフラ投資銀行(AIIB)準備チームの陳歓副代表はこのほど、「AIIBは今月末までに規定で定められた開業に必要な手続きを終えるとみられ、開業式典は来年1月中旬に行われる予定だ」と述べた。AIIBは理事会と董事会を設置する計画で、第1回董事会会議も予定されている。市場関係者は、「AIIBの開業が間近になったことは、インフラ改善を急ぐ国にとっては間違いなく朗報だ。将来的には、AIIBと既存のその他の開発性金融機関の良い相互作用が、国際的経済協力の見どころとなるだろう」との見方を示す。人民日報海外版が伝えた。




▽初期は5つの分野に重点




中国の習近平国家主席が2013年10月にAIIBの設立を提唱してから現在までに、世界5大陸の57カ国が創設メンバーとなった。AIIB設立協定では、署名国のうち少なくとも10カ国で承認され、署名国の初期出資額が資本金総額の50%を上回れば、業務開始を確保できると規定している。




AIIBは開業初期、伝統的なインフラ分野に軸足を置き、参加国の相互連結を促進し、経済成長と雇用の増加実現に向け努力する。具体的には、初期のプロジェクトは▽エネルギー▽交通▽都市発展▽農村発展▽物流――の5つの分野に重点を置く。将来的にはその他の分野にまでプロジェクトを広げていく計画だ。




教育・衛生など、社会発展にかかわるインフラ建設について、陳歓副代表は、「これらの分野の経済的効果と社会的効果は大きい。AIIBも将来的にはこれらの分野にかかわっていくことになるだろう」としている。




北京科技大学管理学院経済貿易学部の何維達教授は取材に対し、「AIIBが開業初期に重点を置く5つの分野は、AIIB設立の目的を十分に体現していると同時に、アジア市場の大きなインフラニーズにも合致している。これは関連諸国のインフラ改善に役立ち、『1ベルト、1ロード(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)』建設の推進にも役立つだろう」と述べた。




▽初期はローリスク・ローリターン




AIIBはどうやって運営の持続性を保障するのだろうか?責任者によると、AIIBは設立当初、主に債券の発行を通じて資金を調達し、設立初年度の発行額は1億~5億ドルの見込み。格付け機関による信用格付けが出るまでの間、私募または公募によって、無格付け債を優先的に発行する可能性がある。




何維達教授は資金回収について「AIIBの目的は収益を上げることではなく、関連地域の長期的な経済発展を促進すること。初期のころは、プロジェクトの投資回収率が低くなるかもしれない。ただ、AIIBは返済期間が長いだけで、純粋な援助機関ではない。例えば高速道路なら、通行料を徴収することで資金回収ができる。AIIBの参加国には発展途上国のほかに、フランス、英国、イタリアなどの先進国も含まれる。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などの国際機関の進んだ管理制度を参照することで、AIIBを適切に運営し、元本を保障し、赤字を防ぐことができるだろう」と述べた。




アナリストは、「資金と運営の安全を保障するため、AIIBは初年度、プロジェクトの審査と融資を慎重に行うと見られる。運営メカニズムの成熟化に伴い、融資額は年々増加するだろう。プロジェクトが成熟化すれば、AIIBは社会資本との協力を試み、最終的には商業銀行やビジネス界とも手を組み、市場の力を使ってアジアの広大な市場に投資し、開発していくことになる」と予想する。




 




NEWS6  増値税の電子領収書発行を全国的に実施 納税者のコスト削減へ




国税総局はこのほど発表した公告の中で、納税者の経営コスト削減、社会資源の節約、消費者の領収書保存・使用の便利化を目的として、1日より増値税(付加価値税)の電子領収書発行システムを全国的に展開することを明らかにした。人民日報が伝えた。




公告では、同システムを通じて発行された増値税電子普通領収書のコードに関する規則が明確にされた。なお、紙製の領収書が必要な場合は、フォーマットを各自印刷することができ、その法的効力、基本的用途、基本的使用規定は、税務機関が監督管理する普通領収書と同様だ。




北京、上海、浙江、深センの4地域では8月1日よりすでに同システムの試行が始まっている。公告は、試行対象地域以外ですでに電子領収書を使用している増値税納税者に対し、今月31日までにシステムの一本化に向けた技術改造を済ませ、2016年1月1日以降は同システムで増値税電子普通領収書を発行し、その他の電子領収書システムの使用を停止するよう要求している。




 




NEWS7 一定規模以上の工業企業、付加価値額の伸び率が6.2%まで回復




国家統計局が発表したデータによると、11月、一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の付加価値額の実質伸び率は前年同期比6.2%となり、10月の伸び率を0.6ポイント上回った。前月比の伸び率は0.58%。1月~11月の一定規模以上の工業企業付加価値額は前年同期比6.1%増だった。人民日報が伝えた。




工業生産がやや加速し、固定資産投資に安定化の兆しが見られはじめ、消費が引き続き力強さを見せるなど、新たに発表された11月のデータからは、中国経済の様々な積極的な変化が見て取れる。




統計によると、自動車購入税の優遇策と、在庫を消化したメーカーの生産回復の影響を受けて、11月の自動車製造業の付加価値額が前年同期比13%増となり、伸び率は10月と比べて5.7ポイント上昇、一定規模以上の工業企業付加価値額の伸び率を0.36ポイント押し上げた。




業界関係者は、「同月、41の業界のうち39業界の付加価値額が前年同期比で増加したが、伸び率を見ると、工業業界内部の分化と調整の状況が顕著化しており、特にハイテク業界や消費のアップグレードの方向性に合致した新興製品の伸び率は工業全体を上回った」と語る。




経済の積極的な変化は、投資家の自信をある程度回復させた。全国の固定資産投資の伸び率は2014年下半期以来低下を続けてきたが、1月~11月の同指標は、1月~10月と同水準を保った。




不動産、製造業、インフラは長期にわたり、中国の固定資産投資の3大重点分野となってきた。国家統計局投資司シニア統計士の王宝浜氏は「不動産開発投資の伸び幅が反落し続ける中で、投資の伸び幅が安定化を実現できたのは、インフラと製造業の投資の伸び幅が拡大した影響」と指摘する。




 




NEWS8 東芝に不正会計問題で過去最大の課徴金 73億円




日本の証券取引等監視委員会は7日、東芝には有価証券報告書等の虚偽記載の「金融商品取引法」違反行為があったため、過去最大となる73億7350万円の課徴金納付命令を科すよう金融庁に勧告した。同委は現在、歴代3人の社長に対する刑事告発か可能かどうかを検討している。




2008年度第2四半期(4~6月)から14年度第3四半期(10~12月)にかけて、東芝の上層部数人はパソコン事業に違法な取引があったことを知りながら、税引前利益を累計2248億円水増しした。田中久雄前社長をはじめ歴代3人の社長は利益至上主義を奉じ、通常の取引では実現不可能な目標を「チャレンジ」と称して社員に押しつけ、利益を水増しせざるを得ない状況に追い込んでいた。




 




NEWS9 東芝、生き残りをかけ白物家電の売却を検討 シャープと統合案も




東芝の情報筋が5日に明らかにしたところによると、粉飾決算問題により抜本的な事業の見直しを迫られている東芝は現在、冷蔵庫や洗濯機など白物家電事業の売却を検討している。シャープと合弁会社を設立し、白物家電事業を統合する案も浮上しているほか、PC事業も切り離し、富士通と合弁を立ち上げる方向で交渉に入ったという。新華網が伝えた。




日本の老舗メーカーの巨頭である東芝は、1930年に日本初の電機洗濯機を発売。白物家電事業はかつては同社の事業の柱だった。共同通信社は「巨額の赤字を計上した東芝は、事業の売却・統合で生き残りを図ることを余儀なくされた」と指摘している。




同社の2015年9月中間決算によると、営業損益は904億円の赤字となった。赤字の大きな原因となったのが、白物家電事業の不振だ。一方のシャープも今年4月から9月にかけて252億円の赤字を計上しており、東芝にとっては「同じ苦境にある兄弟」と言える。




業界観測筋は、「東芝とシャープが白物家電事業を統合すれば、部品調達などの面でコスト削減につながる可能性がある。しかし、合弁会社が持続的に投資を獲得し、技術面で優位に立ち、他国の同業他社と競争していくには、強固な財務基盤が必要」と指摘する。




情報筋は、「合弁会社は官民ファンドの産業革新機構に資金などの援助を打診する可能性がある。しかし、産業革新機構が出資すれば、税金を使って赤字企業を救済したと批判されるだろう」と語る。




東芝は今年7月、利益の水増しによる不適切会計問題(粉飾決算)が発覚し、日本企業界を震撼させた。東芝が設置した第三者委員会の調査報告書によると、税引前利益の過大計上額は2014年3月までの約5年間で1518億円に達した。




 




NEWS10 東芝が中国のテレビ販売事業を縮小 海外市場から撤退か




日本の共同通信社によると、東芝は中国の家電大手TCL集団と合弁で設立した液晶テレビ販売会社について、すでに出資比率を51%から30%に引き下げており、連結財務諸表の対象外とするもようだ。東芝は苦戦が続く中国でのテレビ販売事業を縮小し、将来的にはブランド供与を中心としたライセンス事業に切り替える方針だという。チャイナネットが伝えた。




2010年の液晶テレビ販売会社設立時、東芝の持ち株比率は51%だったが、2014年に30%に引き下げた。残りの30%をどうするかについては、TCLと協議する見込み。




東芝は2013年末に中国でのテレビ自社生産を停止、TCLが受託生産し、販売事業にのみ関わっていた。インドネシアの自社工場と、エジプトの合弁工場も売却する計画。中国事業の見直し計画が実現すれば、東芝は事実上、主要な海外のテレビ事業から撤退することになる。




 




NEWS11  生まれ変わろうとする資生堂




これまでずっと「変わらないことであらゆる変化に対応してきた」資生堂は、中国市場での34年にわたる事業展開の後、このほどブランドの再構築を進めることを決定した。改革を通じ、韓国化粧品の衝撃や中国市場の巨大な変化に対応するのが狙いだ。「北京商報」が伝えた。




▽ブランド再構築




資生堂はこのほど行ったブランド刷新の記者会見で、来年1月から世界88カ国・地域でブランドの全面的な見直しをはかり、ブランドのロゴ、製品、広告ビジュアル、イメージモデル、店舗のカウンターなども見直すことを明らかにした。新たに就任した資生堂グループ中国エリアの藤原憲太郎社長は、「ブランド刷新計画を通じて資生堂の消費層を拡大し、若い世代を改革のターゲットとしたい。これは年初に『生まれ変わり願望』を明らかにしてから、資生堂が初めて発表したグループ史上最大規模の改革の具体的戦略だ」と話す。




資生堂はここ数年、売上高の伸びが鈍化し続けており、昨年には重要市場である中国で「思い切った」改革を行うことを決定した。今年中ほどに発表した2014年度決算をみると、14年末に制定した中長期戦略「VISION 2020」の達成を目指し、15~17年は「事業の基礎を再構築する期間」と位置づけられる。20年には売り上げ目標2千億円を達成し、中国市場での売上高は平均複合率9%を達成することが見込まれる。




▽改革で生き残りをはかる




消費者にとってみれば、製品のリニューアルは興味を引かれるものだが、業界関係者からみると、資生堂の今回の改革はブランドの格式と本質にかかわることになり、非常に深い意味があるという。中国で34年にわたり事業を展開してきた老舗日系企業である資生堂は、これまでずっと「穏やか」、「深遠」といったイメージで語られ、「変わらないことであらゆる変化に対応してきた」。だが藤原社長によると、今や「1つの新製品を発表して、全体の業績が上がるという時代は過ぎ去った。市場環境の変化に対応しようとするなら、ブランドの改革を進めなければならない」という。




藤原社長が改革に熱を込めるのには理由がないわけではない。実際、資生堂の現在の業績はピーク時に比べて大いに低下しているのだ。昨年の資生堂にとって、中国は最も業績の芳しくなかった市場であり、売上高は前年比4.8%減少して、世界の大規模市場の中で低下幅が最も大きかった。一方、04~08年には、中国エリアでの売上高は毎年30%を超える伸びを維持していた。ライバル他社の中国市場での業績をみると、フランス最大の化粧品グループ・ロレアルの14年の売上高は143億元(約2570億円)で同7.7%増加し、韓国最大手のアモーレパシフィックの14年の売上高は4673億韓国ウォン(約488億円)で同44%増加した。




業界関係者はかつて次のように指摘した。ブランドが古くなり、営業販売は力不足で、資生堂は中国市場で次々に顧客を失っていった。資生堂の格式もこれまでの歴史も、韓国コスメの猛烈な勢いにはかなわず、今や激しい市場競争の中で受け身の立場に立たされている。日本の化学品産業に詳しい馮建軍さんは、「このたびの改革は資生堂にとって非常に重要なこと。変化を求めなければ、資生堂の市場シェアは韓国化粧品メーカーに取って代わられる可能性がある」と話す。




▽目標に向かって邁進




中国の税関総署がまとめた最新の統計データによると、今年10月の中国の化粧品・スキンケア製品輸入量は6745トンに上り、前年同期比41.7%増加した。輸入額は15億9868万元(約306億円)で同43.5%の増加。中国化粧品市場のニーズは引き続き巨大で、資生堂もこの点を十分に理解している。グループ関連部門の責任者は、「目下、資生堂はブランド改革を進めると同時に、通信販売市場での配置も加速させており、クロスボーダー通販モデルの準備を進めている。だが3年間の振興プランの達成には、なお多くの課題が横たわる」と指摘する。




日本の化学品産業の専門家・張兵武さんは、「他のブランドと違い、韓国化粧品の衝撃や中国現地ブランドの発展に対応すると同時に、国際環境の変化にも影響されるのが資生堂の運命だ」と話す。別の専門家は、「現在の状況をみると、資生堂が進めるブランドの調整には戦略的にみて目新しさはなく、イノベーションの余地もそれほどない。他社ブランドはすでに数年前に同様の戦略を採用しており、資生堂がこのたび他社ブランドの後を追っても、競争が日に日に激化する化学品ブランド市場や国内市場の閑散期にあって、効果があるのかどうか、はなはだ疑問だ。




資生堂は中国市場について、今後3年間の営業収入の年複合成長率9%達成を目指すが、この目標の達成は決して容易なことではない。ロレアルの今年第1四半期(1-3月)のアジア・太平洋市場での複合成長率は5.8%で、中南米、中東、アフリカでの伸びを下回った。ユニリーバは同期に中国とインドを含む新興市場で売上高5.4%増を達成した。ここからわかるのは、資生堂が掲げる目標は簡単なものではないこと、3年計画を達成したいなら奮起してまっすぐに目標を追わなくてはならないことだ。




 




NEWS12 中国から海外への違法流出資金、過去10年で170兆円以上―中国メディア




2015年12月10日、参考消息網によると、米調査機関のグローバル・フィナンシャル・インテグリティー(GFI)は9日発表した報告書で、中国から違法に海外へ流出した資金は13年までの10年間で1兆4000億ドル(約170兆5000億円)に達したと発表した。




香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、今年中国から流失した資金は主にオーストラリアのシドニーやカナダのバンクバーなどの不動産市場に流入。人民元安が続いていることから、資金流出に歯止めがかからないという。人民元の対ドル相場は9日、11年以来最安値を記録した。




GFIの報告書によると、流出した1兆4000億ドルのうち、最も多かったのは貿易取引があったかのように見せかけたもの。中国政府が違法貿易摘発を強めた13年、資産隠しの手段としてデータ改ざんが増加したとみられる。中国の規定では国民1人が1年間に持ち出せる額は5万ドル(約608万円)以下とされている。法をくぐり抜けるためあらゆる手段が講じられているとみられる。




 




NEWS13 人民元のSDRバスケット入りは世界に恩恵もたらす




11月最後の日の30日に、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は米国・ワシントンで、IMF理事会が人民元をIMFの特別引出権(SDR)構成通貨(通貨バスケット)に採用すると決定したことを明らかにした。第1期の配分は10.92%で、米ドル、ユーロに次ぐ3番目。人民元は新興市場国の通貨として初めてバスケット入りを果たした。正式にバスケット入りするのは2016年10月1日だが、IMF理事会の決定により、世界が長らく待ち望んでいた国際金融のガバナンス改革の一大事に句読点が打たれたことになる。(文:石建勲・本紙特約論説員、同済大学財経研究所所長、同経済・管理学院教授)




人民元のバスケット入りは中国経済がグローバル金融システムに融合する上での重要な一里塚であり、中国政府の長年にわたる通貨・金融システム改革の成果が認められたことを意味する。これは水が流れとなるような自然の成り行きであり、大きな潮流でもある。中国は今や世界2位のエコノミーであり、世界一の貨物貿易国であり、人民元が国際通貨になることは中国の経済・金融発展に求められる客観的な要請であり、世界の経済発展と国際通貨システム改革にも必要なことだ。このたびの人民元のバスケット入りは、IMFのSDR通貨バスケットが発足して以来、最も大きな構成の調整であり、「象徴的な意義」にとどまらず、グローバル経済・金融市場における中国の地位の絶えざる向上が確認できることでもあり、中国に恩恵を及ぼし世界に利益をもたらすウィンウィンの戦略的選択ともいえる。人民元はバスケット入り、これまでドルやユーロなどが担ってきた国際的責任の一部を担うことになり、SDRにおけるドルとユーロの配分を低下させる。これは米ドルにかかる上昇圧力の緩和にプラスであり、西側先進国の製造業の復興にもプラスになる。




人民元のバスケット入りは人民元の国際化プロセスを加速させ、中国の金融システム改革を後押しし、中国の対外貿易におけるリスクを低下させ、中国の対外投資の範囲を拡大し、中国国民の国際的消費行動に便益をもたらし、ひいては世界経済の回復に力強いエネルギーを注入することになる。また人民元市場や中国金融市場、中国金融システムが国際的なより高い基準を自らに課すようになり、金融改革と金融市場の双方向の開放がよりよく、より急速に推進され、中国経済と世界経済の持続的で健全な発展に金融面での力強い支援が与えられることを意味する。




人民元のバスケット入りは世界各国の政府と投資家に多様な資産配分の選択肢を提供し、人民元が多国間での使用、国際投融資、国境を越えた資産配分、国際通貨システムなどの面で飛躍を遂げるのを支援することになる。バスケット入り後、中国とアジアの貿易パートナーとの間で調印された通貨交換(スワップ)協定における人民元資産は公的な準備資産とみなされるようになり、人民元のアジア地域での使用率が上昇を続けることが予想され、このことはアジアや世界の金融システムにとって重大な意義があり、アジアのエコノミーへの波及効果の拡大は確実だ。人民元のバスケット入りの影響で最もわかりやすいものは、世界の中央銀行と個人投資家が人民元資産の配分を増やすようになることだ。現在、各国の中央銀行の外貨準備の配分のうち、SDR構成通貨が占める割合は82.6%に上り、それ以外の通貨の割合は6.7%にとどまる。人民元のバスケット入り後、IMF加盟188カ国が人民元を準備資産に組み込むようになることは当然の流れで、今後の発展の余地は非常に大きいといえる。




人民元のバスケット入りは国際準備資産であるSDRの代表性と吸引力を強化し、現行の国際通貨システムを改善し、これまでの少数の通貨に対する過度の依存を軽減し、国際社会の危機対応能力を強化し、国際通貨金融システムの安定力を維持し、グローバル金融・経済のガバナンス体制がより公正で合理的になるよう推進する上でプラスになる。SDRには主権を越えた準備通貨という特徴と潜在力が備わる。SDRの使用範囲が今後さらに広がれば、各国の準備通貨ニーズを真の意味で満たすようになる。人民元のバスケット入りは、SDRが主権を越えた通貨へと歩みを進め、国際金融システムでより大きな役割を発揮する上でプラスになる。




 




NEWS14 ぜいたく品鑑定・遡及システムを構築 商務部




長年にわたり消費者と国際的ぜいたく品ブランドを悩ませてきたニセ物の問題が、ついに解決への道を踏み出した。商務部(商務省)は目下、消費者に向けたぜいたく品鑑定システムおよび正規品情報遡及システムの構築を進めている。消費者は自身の権利を守るための明確なルートを与えられることになる。「北京商報」が伝えた。




同部全国信用弁公室の蔡凌鵬室長(中国国際貿易学会副事務局長)はこのほどぜいたく品通販サイトの第五大道が行った「融資・新ビジネスモデルの開設」をめぐる記者会見の席で同システムに言及し、「商務部の関連プラットフォームとアプリケーションソフトが、全国のぜいたく品関連サイトの信用情報を公開し、消費者はいつでもぜいたく品に付与された二次元バーコードを読みとって遡及確認を行えるようになる」と述べた。




この情報化された遡及システムは現在、研究が進行中で、将来はぜいたく品の生産段階から流通段階、末端の販売段階まで、すべてのプロセスがバーコードで記録され、ぜいたく品は輸入の通関地や店舗で認証コードが付加されるようになる。消費者はバーコードを読み取り、商務部に登録された公式の認証プラットフォームで遡及確認ができるようになる。




蔡室長は、「こうした措置は国内のぜいたく品業界におけるニセ物の横行をくい止めること、また中国におけるぜいたく品ブランドの発展環境を最適化することが狙いだ」と述べた。




世界関税機構(WCO)の推計によると、ファッション産業のグローバル貿易全体に占めるニセ物の割合は10%に上るという。つまり、ファッション製品10点のうち1点はニセ物だということだ。中国では製造業の発達レベルの影響で、状況はさらに深刻になっている。



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