銘・精選


NEWS1 中豪自由貿易協定、豪州国会両院で可決




オーストラリア連邦議会上院で9日、中豪自由貿易協定(FTA)関連議案が審議・可決された。同案は、先月22日にすでに下院で可決されており、今回の上院での可決によって、中豪FTAがオーストラリアの立法機関で正式に認められたことになる。中豪FTAは今後、中国の立法機関で認可された後、ただちに発効可能となる。新華社が伝えた。




オーストラリアのアンドリュー・ロブ貿易投資大臣は、「オーストラリア政府は、我が国にとって最大の貿易相手国である中国と取り交わしたクオリティの高い協定を年末までに発効できるよう、努力を重ねてきた。本日上院で可決されたことで、重大なステップを乗り越えたことになる」とコメントした。




ロブ大臣は、野党・労働党が関連議案を支持したことについて評価すると同時に、与党・野党ともに自由貿易の原則に賛同するという一貫した立場にあることを強調した。




労働党はかつて、オーストラリア人労働者の利益が損なわれる恐れがあると懸念し、中豪FTAおよび関連文書における労働市場開放に関する条項について反対する姿勢を表明していた。与野党は先月21日、オーストラリア現地の労働者の就業の機会を保護することで、意見の一致を見たことから、労働党はただちに中豪FTAの締結を支持する立場に転じた。




中国・オーストラリア両政府は今年6月、FTAに正式に調印した。FTAは、両国の立法機関による認可を経て発効される。




 




NEWS2 オーストラリアからザンビアまで、中国経済低迷で原料輸出国に大打撃―米メディア




2015年11月12日、AP通信は記事「オーストラリアからザンビアまで、中国経済低迷がもたらす痛み」を掲載した。14日付で参考消息網が伝えた。




中国経済の成長が鈍化している。要因の一つは過度な投資依存の解消、デレバレッジの進展だ。世界銀行のバートランド・バトラー最高財務責任者(CFO)は「これほどの規模で経済のリバランスが進められたことはない。どのような影響が出るのか、先行きを完全に予測はできない」とコメントしている。




ただ一つ間違いないのは中国経済の低迷に伴い、中国向けに原材料を輸出していた国に大きな影響が出るという点だ。中国の経済低迷に伴い、石炭や鉄鉱石、銅などの価格が大きく下落している。この影響でオーストラリアやザンビア、チリ、インドネシアなどでは輸出が急落。雇用にも影響が生じている。




 




NEWS3 信用格付けが「マイナス」に VW不正問題が再燃




国際的格付け機関の米フィッチ・レーティングスは9日、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの格付けを引き下げ、「A」から「BBBプラス」に2段階引き下げ、見通しを「ネガティブ」としたことを明らかにした。VWは同日に緊急理事会を開催し、新たに発覚した二酸化炭素(CO2)排出データをめぐる不正問題への対応を協議した。同じく米格付け機関のスタンダード&プアーズも10月にVWの格付けを引き下げている。ドイツ紙「ハンデルスブラット」は、「VWのリストラとさらなる支出削減は避けられないだろう」と報じた。人民日報が伝えた。




フィッチがこのほど発表した声明によると、VWの格付け引き下げには「排ガス不正問題で失墜した名誉、およびこれから直面する数十億ユーロ(1ユーロは約132.0円)に達するとみられる罰金、回収(リコール)のコスト、裁判のコストなど」が反映されている。VWのブランドイメージや名誉は大きく傷つき、次々と訴訟を起こされる可能性があるという。




VWは先週、排気ガス排出量の不正をめぐる内部調査により、80万台でCO2排出量データの偽造が発覚したことを明らかにした。ドイツ紙「ビルト」の日曜版は8日、「今回の偽造行為の直接の原因はVWの企業文化にある。2012年に当時のヴィンターコルン最高経営責任者(CEO)は15年をめどにCO2排出量を30%削減すると宣言したが、技術者により目標の達成が難しいことがわかると、排出データを操作するという違法な手段を採用するに至った。




これに先立ち、米国環境保護庁(EPA)により、VWはアウディやポルシェなどの高級車の3.0リットルディーゼルエンジンでも不正を行ったことが問題視されている。




また排ガスデータはドイツでは自動車税の徴収に関する重要な根拠であり、「ハンデルスブラット」は、「VWは今後、税務署員の『来訪』を受けるだろう」という。




世論のマイナス状況を緩和するため、VWは9日、「不正問題で影響を受けた米国のオーナーに、一人あたり1千ドル(約12万2780円)の補償金を支払うと発表した。VWは、「これは消費者に対するせめてもの善意であり、これ以外にも後続の補償措置がある」としている。




VWは目下、排ガス不正問題への対応で支払う67億ユーロのほかに20億ユーロを拠出して、問題への対応で次の行動を取らざるを得ない状況だ。直面する経済的な支出は「底なし沼」のようだといえる。ドイツ連邦自動車庁(KBA)は9日、「現在、問題ある車両54万台の改善はソフトウエアの更新も達成が難しい状態で、エンジンの改良や排ガス浄化装置の交換が必要になるとみられる」との見方を示した。VWは9日に行われた理事会で、支出削減計画について重点的に話し合ったという。




 




NEWS4 中国、企業の信用喪失による経済損失は毎年11兆円=当局は企業の取り締まり強化で信用回復へ




2015年11月10日、中国メディア・CRI Onlineによると、このほど中国の関連38部門は、「信用を第一とした市場の監督・管理体制のさらなる構築」で合意した。




報道によると、中国では毎年企業への信用喪失による経済損失が6000億元(約11兆6000億円)に達する。当局はこうした現状を受け、信用喪失の原因となる企業の違法行為の取り締まりをより厳しくすると明かしている。当局は製造業や観光・食品・医薬・芸能・建築・証券など30分野を対象に取り締まりを強化する。




当局によると、これまでに取り締まりの対象となった人数は延べ228万人で、対象者に対しクレジットカードの申請や航空及び高速鉄道のチケットといった高消費を制限した。税金滞納者の出国を阻止した回数は443回に上ったという。当局は取り締まりを強化することで企業の信用に対する意識を向上させ中国企業に対する信用を回復したいとしている。

 




NEWS5  訪日中国人観光客の消費が急増 商務部「消費の呼び戻しに注力」




中国商務部(省)の沈丹陽報道官は4日に行われた商務部の記者会見で、訪日中国人観光客の消費が急増していることについてコメント、「中国政府は積極的に国内への消費の呼び戻しに取り組んでいく」と表明した。中国新聞社が伝えた。




日本政府がこのほど発表したデータによると、1~9月の訪日中国人観光客の消費額は前年同期比2.5倍増となり、中国人観光客の国外消費の話題が再び注目を集めた。




これについて沈報道官は、「近年、中国人観光客の日本を含む国外での消費が急速な増加を続けている。これは様々な要素が重なった結果だ。中国経済の高度発展と国民生活水準の向上、対外開放の深化が客観的に反映されたものであると同時に、周辺国家・地域が地理やコスト面の強みを活かし、ビザ手続きの簡素化、税還付・免税などの優遇策を打ち出して中国人観光客を誘致していることにも関係する」と指摘した。




沈報道官はまた、「商務部は、中国人の消費の呼び戻しに向けた取り組みを高く重視している。多方面の調査研究を経て、2015年6月1日から実施されている14種類の日用品に対する関税率の引き下げに合わせ、国務院の免税店増設の決定を着実に実施するため積極的に研究を行うと同時に、国内のビジネス環境改善、マーケティングチャネルの拡大、自主ブランド育成などの取り組みを積極的に推進している。現在は、さらなる呼び戻しに向けた政策の研究を行っている」と述べた。




国務院関税税則委員会は今年5月25日に通知を出し、6月1日より、衣類、靴類、スキンケア商品、紙オムツを含む14種類の日用品について関税率の引き下げを行うと発表した。平均引き下げ幅は50%に達した。同措置は、国内消費の底上げが目的と見られており、中国人消費者のショッピングに便宜を提供し、個性化・多様化する消費ニーズを満たすことが期待されている。




 




NEWS6 商務部「百貨店閉店ラッシュは構造調整の結果」




商務部(商務省)の沈丹陽報道官はこのほど、百貨店業界に「閉店ラッシュ」が起こるのではないかとの懸念についてコメントした際、「インターネット小売産業の急速な成長で、実体店舗の小売事業には大きな圧力がかかるようになり、『閉店撤退』現象が増えている。これは中国小売産業が構造調整とモデル転換・バージョンアップさせた結果だ」と述べた。「京華時報」が伝えた。




沈報道官は、「マクロデータをみると、中国小売産業はオンラインとオフラインの融合が加速し、全体として発展状況は順調だ」と述べた。年初以来、主要小売企業が国内市場で多くの店舗を閉鎖したため、ショッピングイベントの「ダブル11」が終わるとまた新たな「閉店ラッシュ」を迎えるのではないかと懸念する人がいることについては、「ネット小売産業の急速な成長にともない、『閉店撤退』現象が増えている。これは中国小売産業が構造調整とモデル転換・バージョンアップを加速させた結果であり、小売企業の資源配置とネットワーク配置の最適化でもあり、それぞれの競争力向上の現れでもあり、中国小売産業の持続的で健全な発展にはプラスだ」と述べた。




現在、国内では百貨店を経営する企業の多くがモデル転換の達成に向けて努力を重ねているが、O2O(オンラインツーオフライン)を試みて成功したところは少ない。沈報道官はこれについて、「一連の百貨店形式の小売実体店舗がモデル転換でO2Oを試みたが思うようにはいっていない。これはやはり主として自己鍛錬が不足しているため、新プロジェクトや新モデルの導入に過度に依存したために起きたことだ」との見方を示した。




 




NEWS7 WTO前事務局長「改革は中国と世界に利益」




世界貿易機関(WTO)のパスカル・ラミー前事務局長はこのほどトルコ・アンタルヤにおいて人民日報の取材に答える中で、「中国の発展の潜在力と巨大な人口のニーズを考えると、これからの中国経済の成長ペースは引き続き世界の平均水準を大幅に上回るとみられ、世界の経済成長に対して貢献することは明らかだ。(中国の)改革は中国と世界に利益をもたらすだろう」と述べた。




ラミー前事務局長は世界貿易の勃興発展を後押しする中国の甚大な貢献を賞賛し、「中国のWTO加盟前の貿易額は世界の貿易総額の4%を占めるに過ぎなかったが、今や中国は世界の大規模貿易国の一つだ。さまざまな事例からわかるように、中国の商品輸入ニーズは今後もさらに勢いを増すだろう」と述べた。




ラミー前事務局長は、「中国経済は今、一連の積極的な転換を迎えている。ハイペースの高度成長から中くらいのペースの高度成長への転換、輸出主導型経済を中心とした経済から内需の拡大を重視する経済への転換を迎え、成長における数量を追求すると同時に、成長の質も重視するようになった。こうしたモデル転換は複雑なシステムエンジニアリングであり、挫折と課題に直面するだろう」と述べた。




またラミー前事務局長は、「改革は苦痛に満ちたプロセスであり、車の運転と同じようなものだ。ブレーキとアクセルを同時に踏んだなら、どんな結果になるだろうか」と述べ、「中国は改革政策を慎重にしっかりと制定し、改革という自動車を乗りこなさなければならない。中国はこれまでの成功を土台として、貿易環境の開放を通じ、国内の一連の改革をさらに促進して成功させ、より大きな発展を実現させ、システム構築とメカニズム建設の角度から国際競争力を絶えず高めていけばよい」と提起した。




ラミー前事務局長は中国が来年、主要20カ国・地域(G20)サミットの議長国を務めることに大きな期待を寄せているとした上で、「G20サミットの主催は、中国が世界の経済ガバナンスに新たな構想、新たな動きを提供するまたとないチャンスだ。このプラットフォームを利用して、中国は自国の経済規模や重要性に見合った大国としての責任をその肩に担えることも証明できる」と述べた。




 




NEWS8 中日韓首脳会談が再開 FTA交渉を継続




国務院の李克強総理の韓国訪問中に、中国、日本、韓国3カ国間の3年半にわたり停滞していたメカニズムが再び動きだすことになった。李総理は1日、韓国の首都ソウルで開催されたぢあ6回中日韓首脳会談に出席し、正式の場面で初めて日本の安倍晋三首相との会談に応じた。これは中日韓首脳会談が2012年以降、3年ぶりに正常な軌道に戻ったことを意味する。中日韓の政治関係における「雪解け」を受けて、「がんばり続ければ雲が去ってきれいな月が見られる」という言葉のように、3カ国は経済貿易協力で努力を続けることになる。業界では、日本はグローバル経済の配置でさまざまな後ろ盾をもつが、中韓自由貿易協定(FTA)の効果が現れ始めていることを前提として、中日韓FTAの「なかなかほどけない鉄の鎖」も緩み始めることが予想される。「北京商報」が伝えた。




 




▽3年の中断 中日韓が「復縁」




中日韓3カ国が東アジアはもとよりアジア全体に対してもつ重要性は言うまでもなく、中日韓首脳会談には北東アジアの協力を後押しする需要なプラットフォームという意味もある。だが12年5月に北京で行われた第5回以降、この定期的な会談メカニズムは中断していた。




昨年11月のアジア太平洋経済協力(APEC)開催期間に、中日は歴史問題や釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題など4つの問題で一定の共通認識に達し、これを受けて中日、韓日の関係が回復に向かい、中日韓首脳会談の再開もごく自然な成り行きとして再び日程に上るようになった。




今回の中日韓首脳の再会について、日本メディアは、「首脳会談の再開は日本にとって重大な意義がある。日本と隣国との関係を改善する機会であり、特に中日関係を改善する機会だ」と報じた。日本の専門家も、「経済や環境などの分野で、中日韓3カ国は手を取り合える機会が多いはずだ」と報じた。




中国国際経済技術交流センター経済研究部の劉向東副研究員は、「中日関係が緊張していたここ数年間、本来3カ国間で妥結するはずの一連の定期的メカニズムが、中韓両国でさきに妥結することになり、日本は危機感を募らせていた。たとえば中韓の間では経済貿易や会議などの分野での交流メカニズムが相対的に成熟し、日本は両国との関係修復の重要性を意識せざるを得なくなった。今回の中日韓首脳会談の再開では、日本も力を尽くした主な側の一つだ」と話す。




 




▽TPPが混乱もたらす FTAはまだ不明瞭




3カ国の首脳会談が再開し、長らく未決だった中日韓FTA交渉が再び俎上に上るようになった。3カ国は12年11月20日中日韓FTA交渉をスタートすると宣言し、14年末までに4回の交渉が行われたが、これまでに得られた実質的な成果は中韓FTAだけだ。




交渉の進展ぶりをみると、日本と中韓とは細かい問題で多くのずれがあり、これが中日韓FTAの実現を遅らせている主な原因だ。商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究部の白明副主任は、「3年前に比べ、これから行われる中日韓FTA交渉は『物是人非』(周りの景色は変わらないが人は変わる)という言葉で形容される。3年前には環太平洋経済連携協定(TPP)はなかったし、中韓FTAもなかったし、アジア太平洋FTAという概念もなかった。今、3カ国がFTA交渉を再び進めようとするならそこには確かに大きな困難が横たわる」と指摘する。




また白副主任は、「とりわけ日本はすでにTPPの加盟国だ。TPPにおいて、米国は日本に手厚い条件を付与し、自国の自動車メーカーの市場の一部を日本に安く譲り渡そうとしている。これは日米のもともと固い結びつきと巨大な規模をもった貿易関係をさらにグレードアップさせようとするものだ」と述べる。




だが白副主任は、「TPPの存在は中日韓FTAの死刑宣告を意味しない」とも述べ、「自分のみるところでは、中日韓FTAの妥結は3カ国にとっていずれもメリットがある。中国が世界3位のエコノミーである日本および14位の韓国とFTAを締結すれば、TPPが中国の輸出入に与える打撃を相当緩和することができる。韓国はFTAを通じて韓国の現在の『近くを捨てて遠くを取る』貿易政策を改めることができるし、日本はTPPがもたらす恩恵を享受すると同時に、北東アジア貿易圏でも一定の位置を占めることをごく自然に望んでいる」と説明する。




 




▽中韓が先行 貿易圏加入を迫られる日本




業界には、中韓が経済分野で一歩先行したことが、中日韓FTAを前に進ませる原因の一つになるかもしれないとの見方が出ている。中日韓首脳会談は正常な軌道に戻ったばかりだが、中韓両国の関係は長年にわたって「温められてきた」ものだ。李総理は1日に韓国経済界主催の歓迎昼食会に出席した際、「中韓は国交樹立から20数年しか経っていないが、貿易額は3千億ドル(約36兆810億円)に迫り、約60倍増加した。このような猛烈な勢いの発展ぶりは世界でも『先例を見つけるのが難しい』」と述べた。




ここ数年、中韓貿易の増加ペースが中日貿易を上回る。税関がまとめた統計によると、14年の中韓二国間貿易額は約2905億ドル(約34兆9384億円)に上り、中国は今や韓国にとって1番目の貿易パートナーであり、1番目の輸出先国であり、1番目の輸入元国だ。今年6月1日、両国は中韓FTAに調印し、大まかな推計によると、これから中韓自由貿易圏が設立されれば、両国は経済規模で12兆ドル(約1443兆2400億円)の巨大市場の形成で力を合わせることになる。また李総理は訪韓初日に、同国の朴槿恵(パク・クネ)大統領とともに中韓間の協力文書17件の調印を見守った。




白副主任によると、「中韓間の貿易での相互利益は当然のことながら日本製品の中国市場進出に対する打撃になる」のであり、「韓日両国は商品の種類やタイプ、貿易サービスの面でもともと重なり合う部分が多かったが、中韓FTAが成立すると、韓国は日本との競争で優位な位置を占めるようになった。ここ2年ほどの間に、中日間の経済貿易関係は下降線をたどり、日本が中韓のシステムの中に自国を組み込もうとしなければ、北東アジア地域の貿易の主流から外れることになり、これは日本には受け入れられないことだ」という。




劉副研究員も、「TPPの存在が3カ国のFTAの実現を大きく阻害する役割を果たしてはいるが、中韓間の、さらには中国・英国間の、また中国・ドイツ間の貿易往来が活発になるにつれ、日本はこれを外側から眺めているだけではいられなくなる。また地域、経済規模、貿易構造という点でも、中日韓の間には3カ国で十分に操作することのできる貿易の可能性が確かに存在しているといえる」と指摘する。




 




NEWS9 中日韓首脳会議 新たな協力内容10項目をピックアップ




第6回中日韓首脳会議が1日、韓国ソウルで開催された。3カ国の首脳は歴史を回顧し、未来を展望し、2国間関係の改善と3カ国協力の強化に関する重要な共通認識に達し、「北東アジアの平和と協力のための共同宣言」を発表した。共同宣言で言及された新たな協力内容のうち、10項目を以下にピックアップした。人民網が伝えた。




(1)新たな政府間協議メカニズム




3カ国協力の範囲を拡大するため、我々は約20の閣僚級メカニズムを含む50以上の政府間協議メカニズム、及び数多くの共同プロジェクトのより積極的な推進を奨励し、閣僚級メカニズムを含む新たな政府間協議メカニズムの創出を推進することを決定した。




(2)デジタル単一市場の創設




新たな経済的価値を生み出す電子商取引の重要性に鑑み、我々は、地域全体にわたるデジタル単一市場の創設が3カ国全ての利益となり得るとの見解を共有した。この関連で、我々は、3カ国が公共及び民間部門間の情報共有、共同研究・研修、交流等、電子商取引においてあり得る協力方法を追求することを奨励した。




(3)産業政策の諮問機関設立




3カ国の繁栄及び前進を促進する上での創造的経済、革新経済及び経済改革の重要性を確認しつつ、我々は、中国の大衆による起業・イノベーション政策及び革新政策、大韓民国の創造的経済政策、並びに日本の関連政策を結びつけ、3カ国間で協力策を追求し連携を確立するための諮問機関を設立するよう努力する。




(4)シームレスで環境にやさしい物流システム




中日韓物流大臣会合を通じて、我々は、北東アジアにおいてシームレスで環境にやさしい物流システムを構築するとともに、安全と効率性の両立に向けた努力を行う。我々は北東アジア物流情報サービスネットワーク(NEAL-NET)を通じて情報を共有し、NEAL-NET対象港湾の拡大や対象地域のASEAN・EUへの拡大に向けた努力を行う。




(5)北極に関するハイレベル対話




北極問題の地球規模での重要性を認識しつつ、我々は、「北極に関する中日韓ハイレベル対話」を立ち上げ、北極政策を共有し、協力案件を追求し、北極に関する協力を深化させる方法を模索する。




(6)中日韓教育大臣会合




3カ国の間での理解及び共通の発展を増進するに当たっての教育の重要な役割を認識しつつ、我々は、教育分野での3カ国協力の拡大を目的とした中日韓教育大臣会合を設立する。




(7)東アジア文化都市ネットワーク




我々は、大韓民国の済州特別自治道、日本の奈良市、中国の寧波市が2016年に東アジア文化都市となることを祝し、都市間の更なる国際的な交流を円滑化するための東アジア文化都市ネットワークの設立を支持した。




(8)領事当局間協議メカニズム




海外における自国民のより効果的な保護のための領事分野での3カ国間の協力の重要性を強調しつつ、我々は、ベスト・プラクティスを共有し更なる協力を追求するため、3カ国の領事当局間協議の設立及び会合開催の可能性を追求すべく緊密に取り組む。




(9)警察当局間協議メカニズム




3カ国間の地理的近接性並びに人的交流及び貿易の量を念頭に、我々は、国境を越える犯罪に共同で対応し、社会の安定性を高めるため、中日韓警察当局間協議を設立する可能性を追求する。




(10)中日韓不拡散協議を設立




我々は、不拡散に関する3カ国協力の強化が地域及び国際の平和と安全のために必要であることにつき意見の一致をみた。この目的のために、我々は中日韓不拡散協議を設立する。我々は、核セキュリティに関する我々の中核拠点間の協力を含め、核セキュリティを向上させるため、引き続き共に取り組む。




 




NEWS10 東芝の家電事業 上半期損失が20億元超に




日本の東芝はこのほど2015年度4~9月期の中期決算データを発表した。それによると、家電事業が20億元(約386億円)の営業損失を出しており、会計スキャンダルの発覚後、東芝は再び業績不振に陥ったことがわかる。業界関係者は、「東芝は家電事業を全ラインとも売却するかもしれない」と話す。




同データによると、家電事業の営業収入は4350億円で同25%減少し、営業損失は大幅に拡大して425億円に達した。決算データからわかるのは、不正会計による利益の水増しの影響により、構造改革が後手に回り、利益獲得能力が低下している東芝の現状だ。




業界関係者は、「東芝の損失は主に消費電子製品の低迷によるものだ。現在、東芝のテレビ販売台数は3年前の半分にも満たない。世界で日系ブランドが事業の大幅縮小の波にさらされている今、日系家電メーカーが得意としてきたハードウエアの製造と品質の強みが徐々に失われている」と指摘する。




不正会計問題で悪化した業績を回復するため、東芝は利益を上げることが難しい事業の再編に着手しており、特に家電事業の再編を急いでいる。すでに北米のテレビ市場から撤退したほか、中国市場では合弁相手のTCL集団が経営を担当し、東芝は中国市場における白物家電事業を「間接的に」すべて創維集団に引き渡した。




 




NEWS11  TPP知的所有権の新規定は「中国がターゲット」?




環太平洋経済連携協定(TPP)の内容が5日、加盟12カ国によって相次いで発表された。知的財産権に関する規定について、英国紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「協定の内容のうち中国のハッカーの取り締まりに関わるデータの新規定は、加盟国に対し企業を攻撃するハッカーの行為を『刑事犯罪』とするよう求めており、貿易協定を借りて基準を確立するとともに、将来はこの基準を世界基準にしたいとの米国の意図がうかがえる」という。清華大学経済外交研究センターの何茂春センター長は同日、「知的財産権を備えた特許技術を盗み取るハッカーは中国でも罪になる。TPPの枠組の下で、米国が内部秩序の公平さを維持し、一方に偏ったり特定の国をターゲットにしたりしないことを願う」と述べた。「環球時報」が伝えた。




ニュージーランド外務貿易省は同日、他国に先駆けてTPPの内容を公表し、その後、米国のホワイトハウス(官邸)も協定の内容をインターネットで公開した。協定は全30章で(前言の付帯文書を除く)、主に国際貿易、投資、知的財産権の3つの部分から成り立つ。「フィナンシャル・タイムズ」の5日付報道によると、この協定は多くの製品(牛肉、乳製品から繊維製品まで)の貿易障壁を引き下げ、環境保護、投資をめぐる紛争、国有企業の行為について新たな基準を設定した。オバマ大統領をはじめとする米国の各レベル政府関係者は、「TPPはワシントン(米政府)が中国より先にグローバル経済ルールを確立すべく努力する上でのカギだ」と口をそろえる。またフランス通信社(AFP)は、「この文書はなお12カ国の国会での審議を通過する必要があり、減税・免税項目の多くは各国の国会で攻防戦を引き起こすことが予想される」と報じた。




知的財産権に関わる部分について、同協定の規定では、悪意ある、または商業的・金銭的目的で知的財産権を侵害したいかなる人に対しても、加盟国は刑事手続きと刑事罰の規定をうち出さなければならないとされる。「フィナンシャル・タイムズ」によると、ここには中国のネット上の侵害行為を取り締まり、新たな形式のデジタル保護主義を禁じようとする米国の決意が浮き彫りになっている。米国企業が受ける攻撃はますます増えており、こうした攻撃の大部分は商業上の秘密を盗み取ろうと機会をうかがう中国人ハッカーによるものだ。TPP協定にはデータの自由な流動、プライバシー、ネットワークの安全性を規範化する新ルールが含まれているという。




また「フィナンシャル・タイムズ」によると、TPPは加盟国に多くの産業(金融サービスを含まない)のデータが妨げられることなく境界を越えて流動できるよう求めており、中国や他国が現地の科学技術企業を保護するために採用したさまざまな手段を禁止するとしている。たとえば企業が域内にサーバーや保存用データを設置すること、企業が契約を獲得したり市場に参入したりする場合に特定のソースコードを提出しなければならないことを求めたり、現地で開発された特別な暗号化アルゴリズム(政府機関がバックドアからスマートフォンなどの電子機器に入ることを可能とする)の使用を義務づけることを規定したりした。




何センター長は5日、「TPPのこうした条項は恐れるようなものではない。中国政府の政策はイノベーションを保護し、特許権者を保護するものだ。知的財産権を備えた特許技術を盗み取るハッカーは中国でも罪になる。米国のハッカーが決して少なくないことに注意すべきだ。こうしたことから考えて、中国はTPPのこの規定を楽観視している」と述べた。




「中国が現地の科学技術企業を保護するために採用したさまざまな手段」について、何センター長は、「企業マークの識別登録、域内でのデータストレージの保存、ソースコードの登録などで、外資系企業の要求に求めるだけでなく、国内のネット企業にも同じようにしている。その目的は効率のよいセキュリティ・管理システムを実現することにある。企業に対する公開情報の登録は中国政府が商業上の秘密やコア技術を獲得しようとしていることを意味しない」と述べた。




米国のマイケル・フロマン通商代表は5日に「フィナンシャル・タイムズ」の取材に答える中で、「現地化された(関連データの法律に関わる)分野で、技術移転と(知的財産権の)譲渡を迫ることは、米中関係で重点的に関心が払われる問題の一つだが、TPPの新たなデジタル関連規定は中国をターゲットにしたものではない。TPPは『世界各地で絶えずわき起こるデジタル保護主義的行為に対抗するもの』なのだ。これは現在交渉中の環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)のモデルにもなるものだ」と強調した。




日本の共同通信社の報道によると、TPP加盟12カ国は近く行われるアジア太平洋経済協力(APEC)のサミット開催中に小グループの会談を行う予定という。報道に紹介された日本政府関係者の話によれば、各国のTPP主席交渉官がフィリピンに集まる予定だ。12カ国は初めはAPEC開催期間中のTPPへの調印を予定していたが、大まかな合意に達成したのが10月になってからで、時間的に間に合わなくなった。各国は現在、最終的な合意文書の内容を詰めている。予想では、APECサミット終了後に共同声明が発表されるという。




TPP問題に注目する専門家は、「TPPがどのように発展するにせよ、中国と米国は具体的なネットワークセキュリティ協力の分野で柔軟かつ実務的な態度を維持し、お互いの関心事を尊重し、セキュリティがコントロール可能であるとの前提の下で実務協力を進めていかなければならない」と述べた。



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