銘・精選

NEWS1 貿易摩擦の中国への影響についてどう考えるか

中国に対する追加関税率が25%に引き上げられたとしても、「中国智造」(中国のスマート製造)による先端医療機器PET-CT(陽電子放出断層撮影・コンピューター断層撮影)装置は米国市場で引き続き歓迎されるとみられる。6月初めに聯影医療技術集団有限公司が製造したこの装置が、米テキサス州エルパソのサウスウェストX線病院に導入された。中国企業が開発したPET-CT装置が、その生まれ故郷である米国に導入された初めてのケースとなった。人民日報が伝えた。
中米経済貿易摩擦が中国経済に与える影響はどれくらいか。中国経済はもちこたえられるのか。
▽影響は制御可能——経済貿易摩擦の影響は経済の動的な調整の中で大幅に弱まる
保護貿易主義は「成長の敵」だ。このたびの中米経済貿易摩擦の規模と強度は史上まれにみるほどのものだが、非常に大きな規模、力強い原動力、巨大な潜在力を備えた中国経済にとって、こうした影響は全体としてみれば限定的なものにとどまる。
マクロの側面では、経済貿易摩擦の中国経済への影響は全体として制御可能で、一連の的を絞った措置がマイナス影響の効果的なリスクヘッジを可能にしている。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲研究員の試算では、「米国が中国からの輸入品2千億ドル(1ドルは約108.2円)への追加関税率を25%に引き上げれば、中国の国内総生産(GDP)の成長率は0.3ポイント低下し、残りの約3千億ドル分の輸入品への追加関税率を25%にすれば、中国GDP成長率は0.52ポイント低下することになる」という。
しかし経済貿易摩擦の影響をみるには、数値を静的に計算するだけでは不十分で、経済発展に備わる動的な調節能力をみる必要がある。そこには既存市場の自発的な調節機能もあれば、国のマクロコントロールの重要な役割もある。特に中国では、政府が高いマクロ調節能力を備え、十分な調整政策と調整ツールも備えている。よって長期的にみると、経済貿易摩擦の影響は経済の動的な調整の中で大幅に弱まることが予想される。
ミクロレベルでみると、経済貿易摩擦は人々の生活や企業の生産に影響を与えるが、全体としてはそれほど大きな影響ではない。
年初以来、中国の物価は全体として安定を保ち、1〜5月の消費者物価指数は同2.2%上昇した。商務部(省)国際貿易経済協力研究院対外貿易研究所の梁明所長は、「米国の自国の損失を省みない極限の圧力に比べ、中国は追加関税対象商品について細心の準備をしており、リストに加えられた米国からの600億ドル分の商品に対して25%、20%、10%、5%の4段階の関税を適用し、代替が比較的難しい商品は税率を引き下げ、中国国内へのマイナス影響の軽減をはかっている」と述べた。
同時に、中国は他国からの輸入の拡大などの手を打って、対抗措置が国民の生活に与える影響を軽減している。
一部の企業にとって、経済貿易摩擦は生産経営を困難にするものだが、こうした影響は暫定的なもの、段階的なものであることの方が多い。
視点を変えると、経済貿易摩擦が生み出した逆方向の強制メカニズムがうまく機能すれば、中国経済のモデル転換を推進する契機になる可能性がある。歴史をみると、日本は米日貿易戦争を機に遅れた産業を淘汰し、半導体分野で多くの「隠れた優勝者」を生み出した。現在、経済貿易摩擦が中国の一部のミドルクラス・ロークラス輸出企業に「断乳」を迫り、粗放型発展モデルの継続が難しくなり、これから経済構造の最適化・高度化の歩みが加速する可能性が予想される。

NEWS2 米フェデックス 輸出規制めぐり米商務省を提訴

米国物流大手フェデックス(FedEx)は24日、輸出規制をめぐり米商務省に対する訴訟を提起し、米政府はフェデックスが輸出規制を実施することを期待するべきではなく、輸送を請け負った物品に対して責任を負うよう求めるのは不合理だと主張した。新華社が伝えた。
フェデックスが同日発表した声明によると、フェデックスは米国・コロンビア特別区の連邦地方裁判所に提訴し、米商務省がフェデックスに輸出規制の実施要求を行わないよう求めた。輸出規制は公共の輸送業務を請け負った者の米憲法修正案第5条で保障された「正当な法の手続き」による権利を侵害するものだという。
同声明は、「米政府がフェデックスに毎日輸送を請け負う百万個単位の物品の中身が輸出規制に違反していないかチェックするよう求めるのは現実的でなく、不合理であり、フェデックスにとって大きな負担だ。フェデックスは物流会社であって、法執行機関ではない」としている。
フェデックスが起訴状の中で強調したのは、「輸出規制を遵守するため、フェデックスは発送人と受取人の名前、住所をスクリーニングして、取引が制限される『エンティティリスト』に入っていないか確認しているが、輸送を請け負った物品の中身が輸出規制に合致すると保証するのは非常に難しい」ということだ。
フェデックスの声明と起訴状に中国の華為(ファーウェイ)のことは書かれていない。しかし米メディアは、フェデックスの起訴はさきに米商務省がファーウェイを取引制限の「エンティティリスト」に加えたこと、フェデックスが宛先通りにファーウェイに関わる物品を配達しなかったことと関係があるとみる。
フェデックスが顧客の同意を得ずに、また顧客に通知しないで、物品の送り先を勝手に変更し、宛先通りに物品を配達しなかったことについて、中国の関連当局も法律に基づく調査プロセスを発動した。

NEWS3 G20大阪サミットの注目点は? 専門家の見方

主要20ヶ国・地域首脳会議(G20サミット)がまもなく日本・大阪で開幕する。重要な国際経済協力フォーラムとして、今回のG20大阪サミットにはどのような注目点があるだろうか。専門家の見方を紹介する。中国新聞網が伝えた。
>>>G20がこれまで果たしてきた役割は?
>>>G20が直面する重大な挑戦は?
▽張燕生・中国国際経済交流センター首席研究員「WTO改革」
世界貿易機関(WTO)紛争解決メカニズムにおいては、米国を除くWTO加盟国は基本的に共通認識に達しており、出来るだけ早く上級委員会の新委員を選出すべきであるとの見方で一致するが、この問題では米国が覇権的な立場を利用して選出を阻止している。
WTOルールの改革では、米国、欧州、日本は新ルールに補助金と国有企業に関する条項を入れたいと思い、発展途上国に対し「途上国からの卒業の基準」を設定し、卒業後は特別待遇や優遇を取り消すべきだと主張するが、中国は特別待遇と優遇をまだ取り消すわけにはいかないと堅持している。今回のサミットではこうした問題がWTO改革をめぐる議論の焦点になるとみられる。
▽魏建国・中国商務部(省)元副部長「中米両国の首脳会談」
中米両国の首脳会談が今回のサミットの最大の注目点だ。積極的な成果が得られれば、グローバル経済を活性化し、市場の信頼感が目に見えて高まることになる。
マクロ政策の強調を強化するかどうか、開放型の世界経済を維持するかどうかも注目点だ。さきに特定の国の反対により、G20財務大臣・中央銀行総裁会議は声明に保護主義への反対を盛り込めなかったが、これはG20が保護主義への反対で何もできないことを意味しない。大阪サミットでは、中国が自由貿易、経済グローバル化などの問題に関する主張をより明確に打ち出し、各方面による多国間貿易体制の共同防衛を推進するとみられる。
▽陳鳳英:中国現代国際関係研究院研究員「各国がマクロ政策協調と『中国の主張』を実施するかどうか」
現在、世界経済は下り坂を歩んでおり、目下の2010年から続く経済成長は今年でちょうど満10年を迎えた。2017年に世界の経済成長率が3.8%の高水準に達した後、18年は3.4%の成長となり、今年はIMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)を含む各方面が成長率を3.1%前後と予測している。各国が一致団結して困難に立ち向かえば、経済の下方トレンドは減速し、経済関係がうまく維持されなければ、下方トレンドは加速することになる。各国がマクロ政策の協調を推進し、心を一つにして協力し保護主義、一国主義に対処できるかどうかが、今回のG20サミットの注目点だ。
国内外の情勢には重大な変化が起きている中で、中国がG20サミットのプラットフォームを利用して経済の高い品質の発展を推進し改革開放を深化させるためにどのような新しい主張を打ち出すのかが、注目に値する。
▽蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長「各方面のグローバル経済トレンドに関する判断」
今回のG20大阪サミットは、G20メンバーだけでなく、IMFや世界銀行(WB)などの国際機関も招待に応じて参加し、各方面はグローバル経済トレンドについてそれぞれの見方を打ち出すことになる。
注目されるのは、WBとIMFがさきに世界経済とグローバル貿易の成長率予測をそろって引き下げたことで、各方面は目下、世界的な経済衰退の出現を非常に懸念しており、このタイミングで各方面の意見を集約すれば、グローバル経済の発展トレンドについて各界に考察を重ねるよう促すことになる。
▽張海氷・上海国際問題研究院研究員「各国首脳間の相互交流と日本の動き」
今回のG20大阪サミットには、日米欧と新興市場国の多くの首脳が出席する。各国首脳間の 相互交流 や会議での動きは、世界経済の発展トレンドに大量のシグナルを発することになる。中でも、中米指導者間の二国間会談がより大きな注目点であり、両国指導者が顔を合わせることはグローバル市場の予測の安定化に重要な役割を果たすことになる。
日本は開催国として、今回のサミットで「日本の刻印」を残したい考えで、グローバル貿易や高齢化などの問題をめぐり、日本がどのような構想を打ち出すかが期待される。
▽賈晋京・中国人民大学重陽金融研究院マクロ研究部部長「デジタル経済」
G20大阪サミットでは、デジタル経済が重要なテーマの1つになる。現在、5Gが加速的に実施され、この分野のルール制定などの問題が注目されており、どの国もデジタル経済の分野で後れを取りたくない。この問題に関する討論は以前にも増して具体的なものになるとみられる。

NEWS4 ファーウェイの高級端末市場シェアがアップルを抜く

市場調査機関カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが23日に発表した2019年第1四半期の高級携帯電話市場売り上げランキングでは、華為(ファーウェイ)が中国高級機市場シェアで初めてアップルを抜いて首位に立った。「北京商報」が伝えた。
カウンターポイントは高級機を価格400ドル(約4万2948円)以上の携帯電話と定義する。中国市場では同期のファーウェイの高級機シェアは48%に達し、アップルは37%だった。中国の研究機関・第一携帯電話界研究院が5月に発表した報告では、第1四半期にファーウェイは中国市場の高級機販売量でトップに立っただけでなく、シェアも46%になり、アップルは42%だったとしている。
2つの報告の具体的な数字には違いがあるが、順位に関しては「共通認識」に達している。産業ウォッチャーの洪仕斌氏はその原因について、「一つは、サムスンの高級機が中国市場シェアを失ったことで他のブランドが成長したことがある。もう一つは、ファーウェイ携帯の製品力がアップした一方でアップル携帯の製品が振るわなかったことがある」と指摘した。
調査機関・極光ビッグデータの最近の報告では、今年第1四半期の中国市場は(アップルの)iPhone(アイフォーン)からファーウェイの端末に切り替えるユーザーが前期の12.6%から16%に増え、この割合は上昇を続けているという。またカウンターポイントの報告も、以前のサムスンの高級機ユーザーがほぼファーウェイへ流れていると指摘した。
具体的な販売量をみると、価格4千元以上の端末市場では、ファーウェイの「P30 Pro」が1位で5月は52万台に達した。iPhoneの「XR」(テンアール)は48万台にとどまり2位だった。またファーウェイは「P20 Pro」も13万台に達して4位だった。
実は今年第1四半期に世界の高級機市場は8%縮小した。カウンターポイントの見方では、縮小は中国市場と関係があるという。それでもアップルの高級機シェアは引き続き1位で、シェアは47%に達したが、昨年に比べれば20%低下した。サムスンは世界高級機市場で25%を占め、同社にとって過去一年間で最高のシェアとなり、2位だった。ファーウェイは16%で3位。
しかし5Gの商用化スタートで、高級機市場は成長軌道に入るとみられる。2019年と2020年は、あらゆる5Gデバイスが高級市場に登場して、19年下半期から世界の高級機市場は回復成長に転じるとみられる。中国では工業・情報化部(省)がこのほど5Gの営業許可証を発行した。

NEWS5 国際クリエイティビティ・フェスに中国ネット企業が参加

世界最大級の広告賞・カンヌライオンズの国際クリエイティビティ・フェスティバルが、今月17日から21日までフランスのカンヌで開催される。今回は中国のインターネット企業数社が参加し、世界の同業者とともにイノベーション・クリエイティブ分野での経験とソリューションを共有し、同業者たちの注目を集めている。人民日報が伝えた。
このフェスは「広告業界のアカデミー賞」と呼ばれ、世界の広告・クリエイティブ界で最も影響力をもつ年に一度の祭典だ。世界のマーケティングやクリエイティビティのバロメーターでもある。今年は科学技術イノベーションと人類の持続可能な発展に焦点が当てられ、中国の参加企業は展示、フォーラム、基調講演などを通じて、中国がイノベーション・クリエイティブサービスを人類の素晴らしい生活と持続可能な発展のためにどのように利用しているか、その考え方や見方を紹介する。
人工知能(AI)を利用した医療実験室のデモンストレーションから5Gデジタル革命の基調講演、そして儒教の思想と西洋ブランドを融合した広告クリエイティビティ……。中国の参加企業は、見どころ満載でトレンドの真ん中をいく「中国クリエイティビティ」を紹介し、世界の同業者たちはグローバルクリエイティビティ分野の「中国哲学」をより深く理解することになる。フェス責任者を務めるテリー・サベージさんは、「中国に行ったことがある人、中国を知っている人なら、誰でも中国文化に強い興味を抱く。こうしたわけで中国のクリエイティビティも今回のフェスで高い関心を集める。中国がみせるのはクリエイティビティのイノベーションや技術の成果だけでなく、これらを媒介にして、世界にデジタル化ソリューションによる世界的問題の解決の考え方を打ち出しており、賞賛に値する」と話す。
今回のフェス開催期間中、騰訊集団(テンセント)は「科学技術は善へ向かう」と「デジタル文明」をテーマにした2つの基調講演やテーマフォーラムなどに参加し、具体的な実践・経験の共有を通じて、イノベーション・クリエイティビティが人類社会にもたらす大きな利便性を示すという。AI医療診断、視覚障害者のオンライン交流をサポートする光学文字認識機能、スマート農業共同実験室など、人類のより素晴らしい生活の共同創造に力を入れる一連のクリエイティビティの実践が、参加者の興味を引いた。英国の広告会社でマネージャーを務めるベレンジャー・レーゼさんは取材に対し、「中国企業がフェスの現場で共有するクリエイティビティを見ると、大きな刺激を受ける。教育資源のバランスの取れた発展の促進を目指した『インターネット+教育』が特に印象深かった。人類社会の持続可能な発展はあらゆる人々の関心や考え方の中に現れており、中国企業はこうした観点から出発して、ヒューマニゼーションを実現した多くのクリエイティビティを用いて他国に参考になるものを提供している」と述べる。
コンペティション部門でも、中国の出展企業チームは目を見張る成績を上げた。Loongクリエイティブ機構、騰訊交益、騰訊広告、中国臓器提供管理センターが共同制作したショート動画「1人のバスケットチーム」がPR類作品の銀獅子賞を受賞した。また今回は騰訊とP&G、ユニリーバなどの国際的企業25社が共同で、「2020年をめどに『グローバルブランドイノベーション・クリエイティビティセンター』を設立し、『最高マーケティング責任者(CMO)マスタークラス』を設置し、より多くの業界関係者に豊富なリソースと専門的プラットフォームを提供する」ということを発表した。
騰訊の劉勝義シニア執行副社長は取材に対し、「科学技術は『実用性』と『善良さ』を兼ね備えていなければならない。それでこそ人類の発展と社会の進歩を本当に後押しすることができる。私たちは世界の業界関係者とともに、科学技術イノベーションを通じてスマートで高効率の都市建設、地球的課題への共同対応に寄与していく」と述べた。

NEWS6 中国産化粧品の勢いが戻ってきた 市場シェア56%に

現在、「美しさのための消費」が猛烈な勢いで伸びており、中国は今や世界2位の化粧品消費大国だ。中国の化粧品市場には変化が起きており、外資系ブランドが市場シェアの大部分を占める状態から国産ブランドが急速に発展する状態へと変わりつつある。人民日報が伝えた。
中国国家統計局のまとめたデータによると、今年第1四半期の化粧品類小売額は前年同期比10.9%増加し、前期に続いて2けたの急速な伸びを維持した。国産化粧品ブランドの品質向上にともない、一部の国産ブランドの市場シェアが目立って上昇した。
中国香料香精化粧品工業協会の陳少軍理事長は、「改革開放の40年間に化粧品産業が2けたの複合成長率を保ったことは、化粧品産業が成長産業であり、潜在力を秘めることを十分に示している」と話す。
国産化粧品の売り上げが急速に伸びている。百雀羚は3年連続で淘宝(タオバオ)の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)で化粧品類の売り上げ1位に輝き、2018年の同イベント売上高は2億9400万元(約45億9100万円)に達した。今年の「6・18」のセールイベントを控えて、多くの国産ブランドが天猫商城(Tmall)で集中的に新製品を売り出し、上半期で最も重要な売り上げ増加のチャンスをつかまえた。オンラインでデビューし、ECプラットフォームを通じて成長した新進ブランドも少なくない。
国産化粧品は多様化している。美加浄が大白兎とコラボレーションしてミルクキャラメルの香りのリップクリームを売り出したり、六神がRIOと提携して花エキス入りカクテルを売り出したり、百雀羚が故宮博物院と一緒に中国テイストの限定コフレを売り出したり……国産老舗ブランドは業界の枠を超えて提携を進め、多くの消費者の心をわしづかみにしている。
騰訊(テンセント)が5月に発表した「国産化粧品洞察報告2019」によると、市場シェアでは国産ブランドがすでに56%を占め、消費者の購入意欲では「国産化粧品ブランドを選びたい」が56%に上り、「次も国産化粧品を買う」が90%に上った。
上海百雀羚(集団)有限公司市場部の費◆文部長(◆は王へんに其)は、「最近、消費者が海外ブランド志向から国産品志向に変わりつつあるのをはっきりと感じる。これは一方で国内企業が研究開発と品質により力を入れるようになったからであり、また一方で国内企業が中国の消費者のニーズをよりよく理解するようになり、中国文化テイストの商品の消費者に対する訴求力がより高まったからだ」と説明する。

NEWS7 米保護貿易主義は「へぼ将棋」 パキスタン専門家

パキスタン平和・外交研究所のアシフ所長はこのほど取材に答える中で、「中国と米国の間で勃発した経済貿易摩擦は二国間の正常な貿易を阻害させただけでなく、国際貿易と経済システムにより深刻な打撃を与えた。このところ、米国は中国からの輸入商品に対する関税を相次いで引き上げ、両国の経済貿易摩擦を絶えずエスカレートさせている。米国は中国に対して経済貿易摩擦を引き起こしたと同時に、科学技術戦争も発動した。中米両国の経済規模と国際的地位を考えると、米国のこうした挑発行為はグローバル市場に極めて大きな影響を与えている」と述べた。「経済日報」が伝えた。
アシフ所長は、「冷戦終結後、米国はずっと大国の地位を利用し、他国に対して思いのままに貿易紛争をしかけ、そうして自国の利益をはかってきた。米国の一部の人々は米国の貿易赤字を引き合いに出して政治的な主張を打ち出し、中国が改革開放の40年あまりにわたり平等互恵の原則に基づいて国際貿易を展開してきたという基本的事実を無視し、中国は米国経済の弱点を利用して対米黒字を積み上げることばかり考えていると非難する。米国が対中貿易紛争を発動すると、両国は相互に追加関税をかけ合って二国間貿易は大きなダメージを負った。さまざまな予測が示すように、中米両国の経済貿易摩擦はグローバル経済の成長の鈍化を招くのであり、その経済面での結果が発展途上国にマイナス影響を与えることになる。米国が対中貿易紛争を発動しエスカレートさせていることから、実際に世界各国の発展の利益が影響を被っている」と述べた。
またアシフ所長は、「貿易紛争は必然的に中米両国経済に影響を与えるが、中国経済には極めて大きな強靱性があることが示されており、これは主に中国に整った経済体制と巨大な国内市場があることによる。『一帯一路』(the Belt and Road)建設のさらなる深化に伴い、中国と関係国とが高水準の工業協力を展開し、質の高い生産能力の外部移転を実現することは、中国がより大きな国際市場を開拓することにつながり、米国の懲罰的関税を回避するのに役立つことになる。『一帯一路』建設において、パキスタンにはなすべきことがたくさんある」と述べた。
パキスタン政策研究所のイルファン・シニア研究員は、「米国の中国に対する経済貿易摩擦の発動は、本質的には守成の大国が新興の大国の勃興発展の途上に障害を設け、新興の大国が自国の覇者としての地位を脅かすのを遅らせようとする行為であり、そこには本来、語るべき道理もなければ公平さもない。こうした振る舞いは中国経済と世界経済に厄介ごとをもたらすが、最大の被害者はやはり米国自身だ。こうした時代の流れに合わない保護貿易主義は米国政府の指す『へぼ将棋』になるのは確実であり、ひいては米国に1920年代に出現した大恐慌を再び経験させる可能性がある。米国が現在、世界ナンバーワンの強国でありながら、自国の利益のためだけにグローバル化プロセスを逆戻りさせることに、人々は大きく失望している。米国が世界の発展の利益をまったく省みずに独断専行するのとは対照的に、中国は事態に対処する中で強い抑制の姿勢をみせており、中国が責任を果たす世界の大国であることはこれで十分にわかる」と述べた。

NEWS8 FBが仮想通貨発行 果たして成功するか?

米フェイスブック(FB)はこのほど白書を発表し、仮想通貨(暗号資産)事業に参入することを明らかにした。北京時間の18日午後5時、FBの仮想通貨事業子会社「カリブラ」のサイト「calibra.com」が正式に公開され、発行される仮想通貨の名称が「リブラ」であることも明らかになった。24億人に迫る月間アクティブユーザーを抱えるFBには、仮想通貨事業に参入するための資本が確かに備わっていること、また新しい決済手段を必要としていたことから、リブラの誕生は必然の成り行きだったといえる。しかしいつも言われるように、仮想通貨にはリスクがあり、投資は慎重でなければならないのであり、FBほどの大物でも頓挫して倒れ伏す可能性はある。「北京商報」が伝えた。
リブラは「天秤座」の意味で、FBの幹部デビッド・マーカス氏が責任者を務める。マーカス氏は以前はFBのメッセージアプリ「メッセンジャー」の責任者を務め、FBに入社する前はペイパルの社長だった。FBは同白書の中でリブラについて、「リブラの使命はシンプルで国境のない通貨と数十億人にサービスを提供するための金融インフラを打ち立てることにある」と総括した。計画ではリブラと基礎になるブロックチェーンのネットワークを2020年に打ち出し、テストネットワークは今後数週間以内に発表する予定だ。
FBの関係責任者アレクサンドル・ボイカ氏はリブラ発行の理由について取材を受けた際、「インターネットとモバイルブロードバンドの登場により世界の数十億人が知識と情報を得ることができるようになった。こうしたコネクティビティはより多くの人を金融エコシステムに進出させ、経済権限の付与(経済力)を後押しする。これは私たちがリブラを発行する理由であり、リブラは世界的な仮想通貨であり、ブロックチェーン技術が駆動する新型の、より包摂的な金融インフラであり、人々はこれを利用して日常的なニーズを満たせるようになる」と述べた。
リブラの商用化応用を推進するために、FBは非営利のリブラ協会を立ち上げており、ビザ、マスターカード、ウーバー、ペイパル、イーベイなど27の各種サービス企業・団体がメンバーに加わった。ボイカ氏は、「リブラの準備金は低リスク資産に投資する予定で、時間の経過にともなっていくらかの利息を生み、利息は決済システムと協会のコストに充てることができるので、取引費用を低く抑えることができる。利息の分配ルールは協会が確定し監督することになる」と説明した。
市場はリブラの今後に高い期待を寄せている。大手参入で仮想通貨が活性化することは確実であり、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)ではビットコインの先物相場が9千ドル(約97万6千円)の大台に戻り、13ヶ月ぶりの高値を記録した。
メリル・リンチのアナリストは報告書の中で、「デジタル通貨の導入により、FBは多くの無駄なプロセスをカットでき、EC事業の開拓も可能になる。デジタル通貨はFBのEC事業の重要なツールになるだろう」との見方を示した。カナダロイヤル銀行の資本市場アナリストは、「デジタル通貨発行はFBの歴史で最も重要な措置になり、新たな事業と収入源を生み出すことになる」と述べた。
しかし期待の高さはリスクがないことを意味しない。リブラが他のデジタル通貨のようにマネーロンダリング(資金洗浄)の道具に堕すことのないようにするため、FBはリブラの資金源と流れを緊密にフォローしなければならない。ユーザーの消費情報などのプライバシーは特に関心をはらうべき対象だが、個人情報流出で痛手を負うFBが天秤のようにバランスを取れるかどうかには、大きな疑問符がつくと言わざるを得ない。

NEWS9 ゲーム依存が精神疾患に分類 ソニー「制限設けるべき」

世界保健機関(WHO)はこのほど第72回世界保健総会を開催した。総会では「国際疾病分類」第11回改訂版が採択され、ゲーム依存が正式に「精神疾患」となった。
同分類には損傷や疾病などに関する約5万5千種類の独自コードがあり、医療・衛生の専門家たちは統一的なこのコードを通じて世界各地の衛生情報を交換し、世界の衛生状況と統計データを確定する際の土台になっている。第11回版は2022年1月1日に正式に発効し、発効すれば加盟国は関連の治療や予防措置を導入しなくてはならない。
ゲーム依存は「ゲーム障害」とも呼ばれ、第11回版では精神疾患に組み込まれている。症状としては、ソロプレイゲームやオンラインゲームに無制限にはまり込む。ゲームをプレイしてばかりいて他の興味関心や日常生活がおろそかになる。悪い結果になることがわかっていながらゲームをやめられないなどがある。WHOは、「ゲーム依存と確定診断するには症状が12ヶ月以上持続することが必要だが、症状が重篤な場合は、経過観察時間を短縮してもよい」としている。
ゲーム依存は当人の攻撃的行動や心理的抑鬱といった問題をもたらすだけでなく、体を動かさなくなる、健康や食事をおろそかにするようになる、視力や聴力が低下する、睡眠不足など一連の健康問題も引き起こす。WHOは、「ゲームをプレイする人はプレイ時間をコントロールし、日常生活に支障が出ないよう注意する必要がある。心身の健康と社会生活にもたらす変化にも気をつけなければならない」と注意を促している。
一部の国ではゲーム依存は公共衛生の問題と考えられている。英国は18年6月に初の公的なネットワーク依存クリニックを開設し、韓国も法律で16歳以下の青少年に午前0時から午前6時までオンラインゲームをプレイすることを禁じている。日本ではゲーム会社がソフトウェアに注意を呼びかける機能を加え、一か月のプレイ時間が一定の長さを超えると、注意メッセージが送られてくる。
NHKの報道によれば、新しい「国際疾病分類」はゲーム依存の問題に対する人々の科学的理解を深め、医学界に新たな研究の方向性が加わることを奨励する上でプラスになるという。英国・ロンドンのナイチンゲール病院の科学技術依存症の首席専門家リチャード・グレアム氏は、「ゲーム依存が精神疾患に組み入れられれば、病院がゲーム依存の人により専門的なサービスを提供する上でプラスになる」との見方を示す。
一部のゲーム企業は積極的な反応をみせる。日本のソニーの吉田憲一郎最高経営責任者(CEO)兼社長は、「ゲーム依存の問題を解決するには、会社が評価システムを構築し、プレイヤーの年齢に合わせて制限を設けることが必要だ。ソニーは暴力の描写などを含むゲームについては、購入者の年齢制限を設けている。ソニー製のゲーム機には、親が操作するコントロールシステムが搭載され、子どものプレイ時間を制限できるようになっている」と話す。
異なる意見を述べる企業もある。報道によると、米国のエンターテインメントソフトウェア協会(ESA)、欧州の欧州ゲーム開発者連合会(EGDF)、またオーストラリア、韓国、南アフリカ、ブラジルなどのゲーム産業団体が共同声明を発表し、「WHOがゲーム依存を疾患に分類した根拠は不十分であり、改めて審査を行うことを願う」としている。

NEWS10 86歳で警備員 超高齢化の日本は「生涯現役社会」へ

日本政府はこのほど、現行の「高年齢者雇用安定法」を改正し、働く意欲のある高齢者が70歳まで働けるよう企業に適切な措置を執ることを求めると発表した。既存の定年退職制度の撤廃、定年延長などのほか、企業に高年齢の社員の他企業への再就職を支援する、高齢者による起業をサポートするなどの措置を執るよう求めることも検討しているという。日本政府は来年同法律の改正案を正式に国会に提出する見込みだ。
日本は世界でも少子化、高齢化が非常に深刻な国の一つだ。統計によると、現在、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は27.7%に達し、75歳以上は13.8%になる、労働者不足をどのように解消するかが、日本社会の直面する重要な課題だ。2018年に生産年齢人口は7545万1千人に減少し、総人口の59.7%になり、1950年以降で最低の割合になった。予想では、2049年にはさらに低下して30%になるという。
日本政府は「生涯現役社会」の理念を打ち出し、意欲ある高齢者が働き続けることを奨励し、経済発展の原動力を維持し、社会保障制度のスムーズな運営を支えようとしている。現行の法律の規定では、企業は働く意欲のある65歳以下の社員を、年齢を理由に退職させることはできない。調査によれば、日本の65-69歳の高齢者のうち、「働きたい」という人は65%に上るが、実際に働いている人は46.6%に過ぎない。日本政府は法改正によって、高齢者の雇用環境を改善しようとしている。
一部の日本企業は改正に期待を寄せている。東京都立川市にある警備会社・日本綜合警備株式会社は、定年年齢を過ぎた高齢者を大量に雇用している。いずれも健康で働き続けたい人々だ。最年長は86歳、60歳以上は184人で全社員の半分を占める。高齢者に安全に働いてもらうため、同社は毎日現場に出る前に社員の身体状況を細かくチェックし、血圧を測るなどしている。責任者は、「警備の仕事は人と関わる仕事であり、豊かな人生経験がある高齢者にぴったりだ。国が70歳以上も働ける法律を作ってくれたら、もっと多くの高齢者を私たちの仲間に入れたい」と話す。
日本の一部メディアの分析によれば、日本の平均寿命の上昇と労働者不足を背景に、高齢者の就業の奨励・支援が非常に重要になっているが、新しい法律を打ち出す際には企業に過大なプレッシャーを与えないよう注意しなければならない。また高齢者は個々人で状況が大きく異なるので、退職年齢を延長する際には具体的な状況を具体的に検討しなければならない。


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