銘・精選

NEWS1 2019年中国の外貨準備高は3兆ドル前後をキープ

中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁はこのほど、中央為替業務センターは2018年、外貨準備リスクと收益のバランスを実現し、国の発展戦略や経済・金融の安定に重要な貢献をしたと強調した。
昨年11月末の時点で、中国の外貨準備高は約3兆900億ドル(1ドルは約108.2円)で、ここ2年はほぼ安定した水準となっている。格付け会社・東方金誠のマクロ経済チーフアナリスト・王青氏は、「国際通貨基金(IMF)の異なる為替レート制度やクロスボーダー資金流動管理スタイルの基準に基づくと、中国の外貨準備高は余裕がある水準と判断できる。そのため、外貨準備高は、中国のマクロ経済の安定した運営を強くサポートする要因となっている」と指摘。
そして、「外貨準備高を一番反映しているのは、国の対外支払い能力や対外債務返済能力。そのため、適度に余裕のある外貨準備高は、国内外市場の中国のマクロ経済や人民元の為替レートに対する信頼を安定させる助けになり、国内のマクロ経済運営に、正常で有利な外的環境を提供し、マクロ経済を安定させる役割を果たす」との見方を示す。
中国銀行国際金融研究所の為替研究員・王有■(■は品の口が金)氏は、「外貨準備高は、先進国が中国のリスクを判断するための重要な指標だ。外貨準備高が持続的に減少すると、市場では中国の外貨準備高に余裕があるのか、対外債務返済能力があるのか、人民元の為替レートは安定するのかなどに対する懸念が高まる。ハイレベルな管理体制下で、中国の健全性の目安となる外貨準備高の下限は約1兆6000億ドルと試算されている。現在、中国の外貨準備高は3兆ドルを超えており、さらに、中国の金融機関や住民が2兆ドル以上の海外資産を保有している。そのため、国際收支や外債返済、住民の海外資産の配置ニーズに十分対応することができる。過度に懸念する必要はない」としている。
中国国家為替管理局の統計によると、18年1‐11月期、中国の為替市場では累計171兆9600億元(1元は約15.7円)の取引があった。銀行の外貨買い取りは累計11兆3754億元、外貨売却は11兆7166元で、3412億元の赤字だった。
チーフエコノミストである中国国家為替管理局の王春英報道官は、「最近、国際環境が複雑に錯綜し、外的プレッシャーが持続的に存在している。しかし、中国の為替市場は全体的見ると、上下に変動し、基本的に安定しており、情勢の変化は見られない。これは安定して運営されている中国経済の根本的役割を示している一方で、為替市場に関与している主体が理性的で、外的環境の変化に適する能力が向上し続けていることを示してもいる。今後、中国は市場化改革の深化、ハイレベルな開放の拡大を堅持して、経済の持続した健全な発展を保ち、中国の為替市場の安定した基礎を築いていく」と述べた。
王有■氏は、「19年、外貨準備高は3兆ドル付近で変動し、それを超える月もあれば、下回る月もあるだろう。人民元のグローバル化が進み、人民元建てのクロスボーダー決算が増え、貿易黒字が減少するにつれ、外貨取得源が減る可能性もあり、それはネガティブなシグナルに見えるかもしれないが、正常な現象で、自国の通貨で決算するシーンが増えれば、過度に外貨準備高が増える必要はなくなる。ポジティブな面を見ると、中国の金融市場は開放が拡大しており、海外の機関や個人の人民元建て金融資産に対するニーズは高まっている。クロスボーダー資本流動を見ると、引き続き流入が上回る傾向が続き、外貨準備高を支えることになるだろう」との見方を示している。
王青氏は、「19年、中国の外貨準備高は3兆ドル前後を保ち安定した水準になり、引き続き余裕のある状況となるだろう。具体的には、中米の貿易摩擦が存在しているのを背景に、19年、中国の経常収支は、支出のほうが上回る状況も起きる可能性が高い。一方で、中国の金融市場の対外開放が拡大され、資本と金融収支が黒字となる局面も続く。経常収支が赤字で資本と金融収支が黒字という局面により、中国の国際收支も全体的にバランスが取れた状態を保つことになるだろう。19年、ドルインデックスを引き上げる動きは弱まる可能性が非常に高く、人民元安となる予想が強まることもなく、銀行の外貨買い取りと売却のバランスも統制が取れるだろう。また外貨準備高と為替レート換算による影響は小さい。それら3つの主な要素が大きな逆風となることはなく、中国の外貨準備高の安定を保つための基礎は固い」としている。

NEWS2 2019年の世界経済における5つの見所

2018年下半期から、世界の主要エコノミーは回復の原動力が乏しく、成長のスピードが減速傾向を見せており、世界経済に暗雲が垂れ込めている。さまざまな不確定要因を前に、各国際経済組織も予測を次々に下方修正している。国際通貨基金(IMF)は10月に、世界全体の経済成長率見通しを3.7%と、これまでの予測から0.2ポイント下げた。新華網が伝えた。
19年、一部のアナリストが懸念しているように、世界経済は本当に減速するのだろうか?今年の世界経済における見所5ポイントを基に、世界経済の方向性の一端をうかがい知ることができるかもしれない。
見所1:中国から発せられるシグナルをどう読むか
世界ナンバー2のエコノミーである中国の経済は、外部の環境が複雑化し、経済が下方圧力に直面する中、引き続き健全に発展することができるかどうかが、多くの人の注目ポイントとなっている。
中国は多くの分野の改革を深化させ、ハイレベルの開放を推進しており、最近閉幕した中央経済政策会議でも経済政策運営の方針が決まり、経済の「安全係数」や「信頼感指数」の向上に取り組むことにより、市場に明確なシグナルを送り、外部の中国経済の発展に対する信頼が強化されている。
専門家は、「中央経済政策会議は、ポジティブな姿勢で経済の下方圧力に対応しようとしており、中国経済が世界経済における「安定化装置」と「バラスト」のような役割を果たすのに資するだろう」との見方を示している。
世界銀行中国局の■福満局長(■は赤へんにおおざと)は、「世界に目を向けると、中国より良いパフォーマンスを見せているエコノミーは極めて少ない。また、中国経済の成長ペースが鈍化しているからといって、中国の世界経済に対する寄与率が下がっているわけではない。寄与率は約30%を保っている」と指摘している。
見所2:米国経済がどうなっていくか
統計によると、昨年第三四半期(7-9月)から、世界のいくつかの主要エコノミーの成長が明らかに減速傾向を見せている。ドイツや日本のほか、経済が勢いよく成長しているように見える米国でさえも、いつ減速してもおかしくない状況となっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月に発表した統計によると、19年、米国経済の成長ペースは2.3%減速し、18年を大きく下回ると予測している。ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストJan Hatzius氏は、「金融市場の環境が緊迫していることと経済を刺激するための措置の效果が減少していることが、米国経済の成長ペースが減速する主な原因となるだろう」と予測している。
世界ナンバー1のエコノミー・米国の成長ペースが減速すれば、世界経済の成長にとって足かせとなるのは間違いないが、FRBがどのような金融政策を打ち出すかにより注目が集まっている。日本のみずほ総合研究所のチーフエコノミスト・長谷川克之氏は、「米国経済が明らかに減速するようなことがあれば、FRBは金利の引き上げペースを下げることができるが、同時にインフレ率が上昇すると、FRBは金利引き上げを優先せざるを得ないだろう。そうなると、過度な縮小が生じ、最終的に経済が後退する可能性がある。また、FRBが金利引き上げを継続すると、ドル高が続くことになり、新興エコノミーは、通貨下落や資本流出、債務返済負担拡大など多くの問題に直面することになるだろう」との見方を示している。
見所3:泥沼化する欧州の行方
欧州統合が進められるようになって今年で62年目を迎えたが、英国、ドイツ、フランスというかつての「3本柱」が泥沼にはまっている。英国はまもなくEUを離脱し、軸となっていたフランスとドイツは国内政治が原因で、EUで指導力を発揮するのが難しくなっている。19年、さらに多くの政治の不確定要素が欧州統合に試練をもたらし、世界経済にとっても、直接的、間接的な逆風となると予測されている。
ドイツのハンブルク世界経済研究所(HWWI)のヘニング・ファペル所長は、「現在、英国のEU離脱の影響は先行き不透明で、イタリアとEUの溝も深まっている。また、欧州の債務問題においてまだ妥当な解決策が見つかっていない。欧州は安定、制度、規則などの面で依然として大きな問題に直面しており、経済は大きな下方圧力に直面している」と指摘している。
欧州中央銀行(ECB)は19年のユーロ圏の経済成長を1.7%と予測し、以前の予測から0.1ポイント下げた。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、「地政学や保護主義の脅威、新興市場の脆弱性、金融市場の変動などの不確定要素が依然として存在しているため、ユーロ圏の経済成長の前途は暗くなっている」と明確に指摘している
見所4:経済貿易摩擦の行方
昨年から、世界中で経済貿易摩擦が激増し、政策リスクが再び高まり、ルールに基づく多国間貿易体制が崩れたことが、世界経済を脅かす主な要素となっている。経済貿易摩擦がエスカレートすると、19年の世界経済に大きな打撃となると分析されている。
IMFは、「貿易摩擦による緊迫がエスカレートし、それが原因で政策の不確定性が増すと、商業や金融市場の懸念材料となり、金融市場が不安定になり、貿易や投資が減少することになるだろう。貿易障壁の増加は、世界の供給チェーンを切断することにつながるほか、新技術の普及の障害となり、最終的に世界の生産率が下がり、人々にもたらされる利益も減少する」と警告している。
米コンファレンスボードのチーフエコノミスト・バート・ヴァン・アーク氏は、「国際的な貿易摩擦のエスカレートなど、極端な状況が生じなければ、今後半年、世界経済は引き続き力強く発展するだろう」と予測している。
見所5:債務リスクを解消できるか
IMFが昨年10月に発表した「財政モニター」によると、世界の非銀行業の公的・民間債務総額は182兆ドル(1ドルは約107円)に達し、07年と比べて1.5倍増加した。また、40%以上の低所得エコノミーが債務リスクを抱えている。
世界が抱える債務がこれほど膨張していることを背景に、市場や企業は一層金融環境の縮小の影響を受けやすくなっている。実際には、先進エコノミーの金融政策の正常化に適応する過程で、新興市場や発展途上エコノミーはすでに大きなプレッシャーを感じるようになっており、そのプロセスが突然加速するようなことがあれば、そのプレッシャーはさらに大きくなるだろうとみられている。
専門家は、「債務リスクを緩和できるかが、世界経済が安定するか左右するカギとなる。デフォルトが大規模に発生すれば、消費や投資が縮小し、経済が後退するだけでなく、世界的金融危機が起きる可能性もある」と指摘している。

NEWS3 海南省、「離島免税」が追い風となり元旦連休の免税店売上が過去最多に

18年12月1日に「離島免税」政策の5度目の調整が実施されたことが追い風となり、元旦に合わせた3連休期間中(2018年12月30日-19年1月1日)、海南省では免税品の売上高が過去最高を更新した。海口税関の2日の説明によると、同期間中、管理下となる三亜と海口の免税店で離島免税対象の商品が前年同期比16.85%増の14万4100点販売され、購入者の数は同17.25%増の延べ3万1900人、売上高は同19.44%増の1億2900万元に達した。中国新聞網が伝えた。
昨年12月1日から新たな「離島免税」政策が実施されてから約1ヶ月が経った今月2日午前0時の時点で、海口税関が販売を管理・監督する免税品の販売数は前年同期比11.39%増の138万9000点、売上高は同16.12%増の11億1300万元、購入者は同12.04%増の延べ27万9100に達した。また、海南省の国際観光消費センター建設を促進するために、中国財政部(財務省)と税関総署、税務総局は共同で、18年12月28日から、クルーズ客船に乗って離島に行く観光客を海南省の離島旅客免税ショッピング政策の適用対象範囲に盛り込むことを発表した。その2つの政策が功を奏した形となっている。
海口税関監督管理処の責任者は、「離島免税販売の持続的な人気により、税関の監督・管理業務が忙しくなっている。元旦に合わせた連休中の監督・管理業務をしっかりと行うために、海口税関は企業の商品仕入れの需要を前もって把握し、連休中の役割分担や人員の配備などを行い、『テクノロジー+制度+職員』による監督・管理体制を敷き、離島免税監督・管理システム、スマート通報システムなどの設備・施設を通して、免税品の輸入、出入庫、販売、配送、離島などの全プロセスに対する監督・管理を行った」と説明している。統計によると、元旦の3連休期間中、海口税関の離島免税の監督・管理ポストで残業をした職員は延べ150人以上に上った。
新政策の実施や祝祭日には観光客が増えるなどの実際の状況に合わせて、海口税関は空港の制限エリアや港の制限エリア、免税店などの主な場所に、離島免税政策や購入の流れなどを示すPR資料を置き、中堅職員を現場に配置して利用客の問い合わせや質問に対応させて、便宜性を向上させ、離島免税関連の各業務がスムーズに行われるよう全力で取り組んだ。
海口税関は今後、離島免税政策の対象商品の受け取りスタイルをさらに最適化し、テクノロジーを活用した情報管理を離島免税の監督・管理にさらに応用し、離島免税政策の最適化、高度化を進め、海南省の離島免税政策が一層大きな効果を発揮するよう取り組んでいくという。

NEWS4  中国の中央企業が 「一帯一路」沿線国で雇用を促進

中国国務院国有資産監督管理委員会と中国社会科学院は2018年12月27日、初の「中央企業(中央政府直属の国有企業)の海外における社会的責任青書(2018)」を発表した。それによると、中央企業の多くが「一帯一路(the Belt and Road)」建設に参加しており、海外で積極的に社会的責任を果たしているものの、海外での管理責任は強化が必要だとしている。人民日報海外版が報じた。
青書の課題グループの執行リーダーである張■湘氏(■は門がまえに虫)によると、調査を通して、中央企業の92%が「一帯一路」建設に参加し、63%が「一帯一路」沿線国で株式投資を行っている。また、中央企業は「一帯一路」沿線国で主に製造業、採鉱業、建築業に関わっていることが明らかになっている。
国務院国有資産監督管理委員会総合局の巡視員・劉源氏は、「現時点で、中央企業約80社が『一帯一路』沿線国で3116プロジェクトを実施している。インフラ建設においては、中央企業がプロジェクトの50%を担い、契約額全体の70%以上を占めるなど、『一帯一路』建設の推進において、パイオニア的役割を果たしている」と説明する。
青書によると、海外で社会的責任を果たす中で、中央企業は安全リスク管理を特に重視している。「一帯一路」沿線国に進出している中央企業のうち、ここ3年にわたり、従業員が大病を患ったり、大きな事故に遭ったりしたことがない企業は99%に達している。ここから海外に進出している中央企業は、従業員の健康や安全な生産、建設という面で優秀な成績を収めていることがうかがえる。
中央企業は協力、ウィンウィンを堅持している。調査によると、中央企業は「一帯一路」沿線国の現地の従業員およそ36万人以上を雇用している。中央企業海外機関の96%は、中国人と現地人にとって平等な雇用制度を確立し、76%が育成・昇進の面で平等な雇用制度を、75%が給与・福祉の面で平等な雇用制度を確立している。
また、交流、相互参考を堅持している。調査によると、中央企業の85%が海外への寄贈管理制度を確立、または制定を計画している。つまり、中央企業の海外への寄贈が常態化しており、その制度化も進んでいることを示している。
さらに、エコ・低炭素も堅持している。ここ3年にわたり、中央企業の97%が「一帯一路」沿線国において、環境問題が原因で地元メディアに報道されたことはなく、2%が地元メディアから好意的に報道され、高く評価されている。
張氏によると、中央企業が海外で発展している過程において、いくつかの課題にも直面している。例えば、中央企業の海外における管理責任は次の3つの点で強化が必要であることが分析から明らかになっている。まず、海外支店の社会的責任の管理体系が弱く、中央企業の36%がまだその管理体系を確立していない点。次に、情報公開の面で強化が必要な点。海外における社会的責任報告書や国別報告書を不定期に発表している中央企業は22%にとどまっている。3つ目に、専門組織や専門人材のサービスが不足している点。中央企業が海外において社会的責任を果たすうえで障害となっている要素において、中央企業の75%が「専門組織や専門人材のサービスが不足している」、70%が「海外で社会的責任を果たすための理論・指導、実践するためのサポートが不足している」、50%が「海外事業の責任者の環境や社会問題に的を絞った審査メカニズムが整っていない」と回答していた。

NEWS5 訪日観光客は日本経済に一筋の光明 今年は3千万人突破

2018年の日本は夏の豪雨や非常に強い台風21号の上陸に見舞われ、さらに大阪や北海道で起きた地震など一連の自然災害に追い打ちをかけられ、訪日外国人観光客が一時は大幅に減少した。だが日本の国土交通省観光庁がこのほど発表したところによると、12月18日の時点で今年の訪日外国人観光客がのべ3千万人の大台を突破して、過去最高を更新したという。「経済参考報」が伝えた。
日本の菅義偉内閣官房長官と石井啓一国交相は、「2018年には豪雨や地震、台風など一連の自然災害が起きたが、それでも訪日外国人観光客がのべ3千万人の大台を突破したというニュースは非常に喜ばしい。次の目標は2020年までにのべ4千万人を達成することだ。日本政府は外国人観光客の日本観光を全力で誘致し、19年には500億円規模に達する見込みの『国際観光旅客税』を活用して関連設備の充実をはかる計画だ」と述べた。
明仁天皇が19年に退位するため、平成30年は平成の元号の最後の1年間になる。平成がスタートした30年前、訪日外国人観光客は年間のべ283万人にとどまり、現在のわずか10分の1だった。だが中国や韓国など周辺国・地域の経済が好転したこと、格安航空会社(LCC)の路線が増えたこと、日本が訪日観光ビザ(査証)の要件を緩和したこと、円が値下がりしたことなどの影響により、東アジアなどの地域からの外国人観光客が増加を続け、13年に初めてのべ1千万人の大台を突破すると、16年にはのべ2千万人を突破し、1千万人から3千万人への飛躍にはわずか5年しかかからなかった。
日本では19年にラグビーワールドカップが開催され、20年は東京五輪が開催される。こうしたスポーツのビッグイベントが訪日外国人観光客の大幅増加を後押しすることは確実で、今から2年後ののべ4千万人達成の目標は決して絵空事ではない。
日本政府は08年に観光庁を設置し、観光関連政策を打ち出して外国人観光客の誘致を進めることにした。来年1月7日から、日本では出国する観光客から1人あたり1000円を徴収する「国際観光旅客税」が始まり、その税収はWi-Fiなど通信環境の整備、国立公園や文化遺産を紹介する多言語解説の充実などに充てられる予定だ。
現時点で、日本政府が「2020年に訪日外国人観光客のべ4千万人を達成」の目標を達成するには、アジア以外の観光客源を開拓すること、訪日観光ルートを「ゴールデンルート」以外にも広げることが必要だ。現在、外国人観光客の訪問先は東京、大阪、京都のいわゆる「ゴールデンルート」に集中し、観光客源は中国と韓国が圧倒的だ。また20年東京五輪の開催時には宿泊施設が3500室不足する見込みで、民泊産業を発展させて問題を解決することが主に検討されている。
訪日観光客は日本の消費を効果的に促進している。統計をみると、17年の訪日外国人観光客の消費額は4兆4千億円に達した。過去数年間、中国人観光客が日本で腕時計、ジュエリー、家電製品などを「爆買い」することが大きなニュースになったことは、外国人観光客の日本における消費が日本の国内消費の増加と地域の経済振興に寄与し、日本経済にとって無視できない存在になったということを意味する。今年7〜9月には、一部の外国人観光客が日本での自然災害の頻発を受けて旅行の予定をキャンセルしたため、日本経済の発展は一定の影響を被り、同期の日本の国内総生産(GDP)はマイナス成長になった。
ただ、訪日外国人観光客の大幅増加は「両刃の剣」でもある。観光客が増えると、京都などの人気観光地では交通渋滞、路線バスの遅れ、混雑といった問題が起こるようになった。また外国人観光客が宿泊する施設では夜間の騒音やゴミの不始末といった問題が発生し、地元住民を悩ませている。こうした問題について、関連の政策を打ち出して十分に対策を練らなければ、観光客を誘致する力を保証し続けることはできない。

NEWS6 日本がIWC脱退表明 商業捕鯨再開に各方面から批判

日本は26日、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、来年7月から日本の領海内と排他的経済水域(EEZ)内での商業捕鯨を再開すると発表した。日本が商業捕鯨を行うのは約30年ぶりで、反捕鯨国や国際機関からの批判を招いている。新華社が伝えた。
▽「もう一緒にやっていけない」
日本の菅義偉内閣官房長官は同日の記者会見で脱退を決定したことを明らかにし、年内にIWCに通知すると述べた。これはつまり、日本が来年6月30日にIWCを正式に脱退するということを意味している。
日本は、IWCは保護と利用という「2つの職責」を担うべきであると主張し、ミンククジラなどの種類は「相対的に豊富」であるとして、委員会に商業捕鯨を認めるよう働きかけてきたが、欧州連合(EU)、米国、オーストラリアなどに反対されてきた。
IWCは9月にブラジルで開催した総会で投票を行い、日本が主張する商業捕鯨の再開、IWCの方針決定ルール改革の提案を否決した。その後、日本は捕鯨について加盟国間に「深刻な隔たり」があるとして、たびたび脱退をちらつかせてきた。
菅官房長官は、「日本にはクジラの肉を食べる伝統がある」と述べた。フランス通信社(AFP)は、「クジラの肉は日本国民にとって1950〜60年代は主要な動物性タンパク質だったが、最近では献立からほぼ消滅しており、消費量も大幅に減少した。日本の安倍晋三首相が所属する自民党などの保守政党のメンバーは商業捕鯨を支持し、『伝統の保護』を理由に国際政治の場で強硬な態度を取っており、これは一部の保守的な有権者に迎合するのが目的だ」と伝えた。
▽脱退しても制限あり
菅官房長官は、「日本はIWC脱退後、領海内とEEZ内に限って商業捕鯨を行う。南極海域や南半球のその他の海域では今後は捕鯨は行わない」と述べた。
日本はIWC脱退により、これからは「科学調査」の名目での南極における捕鯨活動は行えなくなるが、日本の領海内にいるクジラには「手を出す」権利がある。
IWCは48年に「国際捕鯨取締条約」に基づいて設立され、海洋ほ乳類であるクジラを保護し、捕獲を規範化してきた。日本は51年に加盟し、86年には同年に可決された「1986年からの商業捕鯨のモラトリアム」に従って商業捕鯨を停止した。
日本は翌年、同条約の抜け穴を利用して、科学調査の名目で南極大陸周辺の海域で捕鯨を行い、捕獲したクジラの肉は日本水産市場に姿を現した。国際海洋生物保護団体は、「日本は科学調査に名を借りて、実際には商業行為をしているのであり、毎年100頭以上のクジラを捕獲している」と批判してきた。
国際連合国際司法裁判所は2014年、日本の科学研究機関が南大洋で行う捕鯨は同条約に違反するものとして、捕鯨の停止を命じた。だが日本は翌年に「科学調査捕鯨」を再開した。
▽多方面から批判
日本は「海洋法に関する国際連合条約」の締結国だ。共同通信社の報道によれば、第二次世界大戦の終結後、日本が国際機関を脱退した例はほとんどなく、非常にまれな行動で、反捕鯨国・国際機関の批判はおそらく免れないという。
オーストラリア政府は日本の脱退と商業捕鯨再開について、「極めて失望している」とコメントした。同国の外務省と環境省が同日に出した共同声明では、「日本の脱退の決定は非常に残念である」としつつ、「来年夏から南極大陸の海域でIWCが保護するクジラ類に手を出さなくなることを歓迎する」ともしている。
菅官房長官は、「日本はIWCを脱退してもオブザーバーとして参加する。クジラの捕獲数量はIWCの規定を超えることはない」と述べた。

NEWS7 老後資金を蓄え始めた2000年代生まれの中国の若者

資産運用プラットフォームの騰訊(テンセント)理財通と騰訊金融科学技術シンクタンクが26日に共同で発表した報告書「騰訊理財通5周年ビッグデータ」によると、中国では1990年代に生まれた90後の人々が騰訊理財通の年代別ユーザー規模でトップに立ち、2000年代に生まれた00後の人々はすでに老後資金を蓄え始めているという。中国新聞社が伝えた。
同報告は騰訊理財通ユーザーの行為データを分析し、資金保有量、人々の地域分布、年齢、老後資金の準備状況など複数の角度から研究を進め、ユーザーの現状を明らかにしたもの。
ユーザーの年齢分布をみると、若年化の傾向がうかがえる。中でも90後の資金力は軽視できない。90後は人数が初めて70後(1970年代生まれ)と80後(1980年代生まれ)を抜き、ユーザー数最多の層になり、全体に占める割合は38%だった。次は80後の35%。また成人年齢に達したばかりの00後が同プラットフォームを利用するようになり、ネット資産運用の仲間に加わった。
分析によると、80後が目下直面する生活のプレッシャーが非常に大きい。年代別の住宅ローンおよび自動車ローンの利用者ランキングをみると、80後と70後が最も多く、ローン返済の中心層になっている。
また80後と90後は老後への関心が非常に高く、同プラットフォームで年金基金を購入したユーザーのうち、80後、70後、90後が数は最多で規模も最も大きい。さらに18歳になったばかりの00年代も老後資金を貯め始めている。同プラットフォームがこのほど発表した80後と90後の資産運用報告も「80後と90後の70%以上が20年後には老後の問題が誰の身にも降りかかる問題になるとの見方を示した。80後と90後は一般的に老後への危機意識が他の年代よりも高く、年金基金を最も積極的に申し込み、購入している」とし、こうした傾向を裏付けている。
騰訊理財通は2014年に微信(WeChat)の銭包(ウォレット)を通じて開設され、資金保有量は当初の0元(1元は約16.1円)から現在は5千億元以上になり、ユーザーは1億5千万人を超えた。

NEWS8 ネットコーヒーブランド瑞幸が急速に拡張 2千店舗に

中国のインターネットコーヒーブランドの瑞幸コーヒー(ラッキンコーヒー)が驚異的なペースで事業を拡張している。12月25日には、今年の目標の2千店舗を前倒しで達成したことを明らかにした。瑞幸は福建省厦門(アモイ)市に本社があり、新小売コーヒーブランドとして今年1月にテスト営業を開始し、店舗はすべて直営店だ。「北京晨報」が伝えた。
瑞幸はオンラインとオフラインが連動した新小売モデルを採用し、大々的な資金投入によって市場開拓を急速に進め、国内2位のコーヒーチェーンになった。ライバルは世界一のチェーンのスターバックスで、こちらは1999年に中国市場に進出し、20年ほどかかってようやく約3600店舗を開設した。
瑞幸は急速に拡張しているが、いつ黒字を達成できるのかが大きな疑問だ。瑞幸のBラウンドビジネス計画書によると、18年1〜9月の累計売上高は3億7500万元(1元は約16.0円)、純損失は8億5700万元、粗利益は4億3300万元の赤字で、粗利益率はマイナス115.5%になる。
瑞幸の関係責任者は取材に答える中で、「はっきりしていることは、弊社の通年の損失はこの数字よりもだいぶ大きくなるということだ。1年足らずで、瑞幸はユーザーが1200万人に達し、8500万杯以上のコーヒーを販売した。資金投入によって急速に市場を固めるのは既定の戦略で、損失も予想通りだ」と述べた。
また同責任者は、「今後、弊社はさまざまな時期にさまざまな方法でユーザーを見据えて資金を投入していく」と述べた。

NEWS9 中国の個人による越境取引、来年から20万元以上は報告必要に

来年1月1日から、個人の第三者決済機関を通じた単日で5万元(1元は約16.0円)以上の現金収支、または国内での50万元以上の送金、あるいは越境での20万元以上の送金について、決済機関は中国人民銀行(中央銀行)に大口取引報告を行うことを義務づけられる。同時に、インターネットバンキングも5万元以上の大口現金取引の報告を義務づけられる。業界関係者は、「この新規定はマネーロンダリング対策、テロ融資対策の観点から必要になったもので、個人や企業の正常な口座取引に影響することはない」と指摘する。「北京青年報」が伝えた。
▽第三者決済機関の大口取引は人民銀に報告必要
今年6月、人民銀は「中国人民銀行の非銀行決済機関による大口取引報告活動展開に関わる要求に関する通知」を発表し、2019年1月1日より、非銀行第三者決済機関(支付宝<アリペイ>や微信<WeChat>など)はユーザーの大口取引に対し、人民銀への報告を義務づけることを明記した。
同通知の要求に基づき、非銀行第三者決済機関は次の4種類の取引について報告が義務づけられた。
(1)一日に1回の取引で、または累計で、人民元にして5万元以上、外貨はドル換算にして1万ドル(1ドルは約110.4円)以上の現金収支の取引。
(2)自然人以外の顧客の決済口座とその他の口座との間で発生した、一日に1回の取引で、または累計で、人民元にして200万元以上、外貨はドル換算にして20万ドル以上の送金の取引。
(3)自然人の顧客の決済口座とその他の口座との間で発生した、一日に1回の取引で、または累計で、人民元にして50万元以上、外貨はドル換算にして10万ドル以上の送金の取引。
(4)自然人の顧客の決済口座とその他の銀行口座との間で発生した、一日に1回の取引で、または累計で、人民元にして20万元以上、外貨はドル換算にして1万ドル以上の越境送金の取引。
新規定は、顧客の一日に1回の取引で、または累計で、人民元にして5万元以上、外貨はドル換算にして1万ドル以上の現金収支について、金融機関と非銀行決済機関以外の業務取扱機関は、取引発生から5営業日以内に大口取引報告を行わなければならないことも定めた。
▽新規定は個人顧客の正常な取引に影響しない
市民の中には、この2つの新規定が実施されると、個人が第三者決済機関を通じて行う送金や消費が制約されるのではないかと懸念する人がいるが、実際にはこうした懸念は不要だ。
新規定の条文をみると、機関に対する規定と要求が中心で、企業と個人には報告の義務はない。正常な取引であれば、規定の影響を感じることはない。
業界関係者は、「支付宝や微信など人々がよく利用する第三者決済機関は現金収支を取り扱うことはできないので、第三者決済機関にしてみると、報告する可能性が最も高いのは国内での一日あたり50万元以上、越境での一日あたり20万元以上の取引となるが、ほとんどの顧客の口座の数字はこの標準に達していない」と指摘する。

NEWS10 中国が輸出入関税を一部調整 94品目の輸出関税撤廃

国務院関税税則委員会の審議可決と国務院の認可を経て、2019年1月1日より、一部商品の輸出入関税が調整されることになった。人民日報が伝えた。
財政部関税局の関係責任者は、「輸入を積極的に拡大し、輸入段階の制度的コストを削減し、供給側構造改革を後押しするため、中国は700品目以上の商品について輸入暫定税率を実施し、これには粕類と一部薬品の生産原料に対するゼロ関税措置の追加、綿花に対するスライド税率と一部の毛皮に対する輸入暫定税率の適宜引き下げ、マンガン系スラグなど4種類の固体廃棄物に対する輸入暫定税率の撤廃、塩化チオニル、新エネルギー自動車用のリチウムイオン電池の単体に対する輸入暫定税率の撤廃、最恵国税率の復活実施が含まれる。国内の発展にぜひとも必要な航空機エンジン、自動車製造ライン溶接ロボットなどの先進設備、天然飼料・牧草、天然ウランなどの資源性製品については、低水準の輸入暫定税率を引き続き実施する」と述べた。
輸出管理制度の改革ニーズに対応し、エネルギー資源産業の構造調整、質と効率の向上を促進するため、2019年1月1日から、化学肥料、リン灰石、鉄鉱、スラグ、コールタール、パルプなど94品目の商品に対する輸出関税の徴収は行わない。
「一帯一路」(the Belt and Road)と自由貿易圏の建設を支援し、中国と関係国との経済貿易協力の推進を加速させ、経済の長期的で健全で安定的な発展にプラスとなる外部条件を整えるため、2019年から中国は23ヶ国・地域が原産の一部商品に協定税率を適用し、このうち関税がさらに下がるのは中国と自由貿易協定(FTA)やアジア太平洋貿易協定(APTA)を締結したニュージーランド、ペルー、コスタリカ、スイス、アイスランド、オーストラリア、韓国、グルジアの商品だ。中国大陸部と香港地区、澳門(マカオ)地区の間で調印された貨物貿易緊密化協定(CEPA)に基づき、香港、澳門が原産の輸入貨物に対してゼロ関税を全面的に実施する。最恵国税率の引き下げにより、APTAの下でのバングラデシュとラオスに対する特恵関税が適宜調整される。
19年7月1日より、中国は情報技術(IT)製品209品目に対する最恵国税率について4回目の引き下げ調整を行うとともに、一部IT製品に対する暫定税率の調整も行うとしている。


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