銘・精選

NEWS1 上海自由貿易港の貿易制限を大幅に緩和、各地でも自由貿易港の試み始まる

このほど上海自由貿易試験区の建設担当者や専門家に取材したところ、上海市は今後の自由貿易港の建設についての方案をすでに国の関係当局と委員会に提出したことを明らかにしている。自由貿易試験区と比べ、自由貿易港は国境線でのさらなる開放を目指し、貿易制限措置を取り消しもしくは最大限簡略化させ、通関申告の免除、税金の免除及び中継貿易の手続きの免除を実現させるとみられている。さらに、国際融資やリースなどのオフショア産業も上海自由貿易港の特色となる見込み。経済参考報が伝えた。
第19回党大会報告で、「自由貿易試験区の自主権の改革をさらに進め、自由貿易港の建設を試みる」という提案が注目を集め、現在上海、浙江、福建、広東などの地域で自由貿易港の建設の試みが始まっている。
国内初の自由貿易試験区として、自由貿易港を建設することは上海市の自由貿易試験区3.0バージョンの重要な突破口とされている。
今年の3月に公布された「中国(上海)自由貿易試験区改革開放の全面的な深化に関する改革開放案」によると、上海は洋山保税港区と上海浦東空港総合保税区などの税関特殊監査区域に自由貿易港区を構築する予定としている。
自由貿易港の詳細について、国務院副総理の汪洋氏は11月10日に人民日報に次のように紹介している。自由貿易港は、一国(地域)の国内、税関外に設置され、貨物、資金及び人員の出入りの自由を許し、ほとんどの商品に対して関税免除を実施する特殊な区域であり、世界において開放度が最高レベルの特殊経済区域でもある。中国は、海岸線が長く、離島資源が豊富であるため、中国の特色がある自由貿易港を建設し、開放度がより高く、ビジネス環境がより優れ、周囲の地域に及ぶ影響力がより強い新しい領域を築くことは、開放型経済の革新と発展にとって重要な意義を有していると見られている。
現在、世界的にも有名な自由貿易港には、中国香港やシンガポール、ロッテルダム、ドバイなどがある。シンガポールを例として見ると、貿易の通関申告の電子化が実現されているため、99%の申告は10分以内で処理され、それにより毎年約10億ドルのコストを節約することができる。
自由貿易区の建設に参加した浦東政協委員、洋山税関関長の顧紅梅氏によると、自由貿易試験区と比べ、自由貿易港の一つの大きな変化は一線管理の開放度にあるという。情報技術を活用することで、貿易制限措置を取り消しもしくは最大限簡略化させ、さらに国境線での申告手続きを最大限簡略化させ、貿易を最大限便利化させることが実現できる。
専門家によると、貿易制度のほかに、自由貿易港は国際慣例の金融、外貨、投資、出入国などの管理制度を実施することもでき、「国内のオフショア」環境を作ることができるのだとしている。
上海市金融弁公室の鄭楊主任によると、自由貿易港にとって、金融は重要な役割を果たすことができる。例えば、自由貿易港における資金流動の便利な措置を整え、人民元と外貨を一体化する越境資金サービスを最適化し、越境人民元製品の革新度を高め、金融機関が海外融資の方式を革新することで自由貿易港の発展を支持することを許可するなどが挙げられるとしている。業界内の関係者によると、自由貿易港のこれらの特徴は、市場主体の革新活動に広い発展スペースを与え、資本市場にも高度に注目されているという。
自由貿易試験区と同じく、上海市が建設している自由貿易港は国家の対外開放戦略にサービスを提供する点は注目に値する。「一帯一路」(the Belt and Road)の建設と長江経済帯の発展を結び合うことは上海自由貿易港の新たな使命ともなる。
国務院発展研究センターの隆国強副主任は、今後は更に強い意志と力で、引き続き自由貿易試験区の役割を果たし、それに基づき、新しい開放エリアを築き、自由貿易港の建設を探索するべきだとしている。また、隆国強副主任は、自由貿易港は海港のみではなく、陸港や空港でも可能で、開放程度が更に大きく、より高いレベルの開放試験を展開できる地域であるべきだとしている。華中科技大学自由貿易区研究センターの執行主任陳波氏は、自由貿易港の建設は一歩一歩進め、沿海地域で試験と実行を行った後に、全国範囲で広めるべきだとの見方を示した。
商務部(省)の高峰報道官はこのほど、商務部は関係省・市と関係当局と共に、高い基準と高いレベルの自由貿易試験区を建設することを土台として、自由貿易港構築をめぐる作業を積極的に展開していくことを明らかにしている。

NEWS2 工業設備稼働率が過去5年間で最高水準に

中国国家統計局が14日に発表した調査結果によると、今年の第3四半期の全国の工業設備稼働率は76.8%で、第2四半期とほぼ同じ水準を保ち、昨年同期比で3.6ポイント上昇したとしている。第1-3四半期の累計では、全国の工業設備稼働率は76.6%で、昨年同期比より3.5ポイント上昇し、過去5年間で最高水準に達した。
業種別で見ると、調査対象の41業種のうち、30業種において第3四半期の工業設備稼働率が75%以上に達していた。また39業種が昨年に比べ上昇しており、約半数の業種が前期より稼働率が上昇したとしている。
国家統計局の文兼武工業統計司長によると、第3四半期に入り、7月と8月の高温の天候及び一部の企業による生産停止、検修などの短期的な要因の影響で、工業生産能力の伸び率はやや緩慢になったものの、国家による供給側構造改革の持続的な推進のおかげで、生産能力の削減の効果が明らかになり、需給関係も改善された。また、第3四半期の全国工業生産の稼働率は安定した状態を保ち、同期比でもその回復が明らかとなっている。
そのうち、鉄鋼業界は国の生産能力の削減対象拡大の方針と、特に今年上半期の「地条鋼」の全面的な廃止により、市場の秩序の規範がさらに進み、企業の生産意欲も高まった。第3四半期では、黒金属の製錬と圧延加工業における生産能力の稼働率が76.7%で、同期比と前月比でそれぞれ4.4ポイントと1.0ポイントと上昇し、6四半期連続で回復が続き、2013年以来の最高水準となった
石炭の採掘と選鉱業界における生産能力の稼働率は69.0%で、同期比で10.6ポイント、前期比で1.3ポイント上昇し、5四半期連続で回復状態が続き、2015年以来の最高水準となった。環境保護安全基準において不合格と判断された一部企業の生産や整備の停止、また先進的な生産能力の一時的な停滞による一定の影響を受けたものの、石炭の採掘と選鉱業界の生産能力稼働率には依然として上昇の余地があるとみられている。
今年の第3四半期における備品製造業界の生産能力の稼働率は79.1%、前年比で3.9%上昇、前期比とはほぼ同様の水準を保っている。そのうち、自動車製造業はSUV乗用車と貨物車の需要の増加により、前三四半期の生産能力の稼働率はそれぞれ80%以上を維持し、前年比で3.7ポイント上昇した。電子通信、精密機器業界の第3四半期生産能力の稼働率は共に80.4%に達し、前年比でそれぞれ2.0%、5.2%上昇した。一般設備、専用設備業界の第3四半期生産能力利用率はそれぞれ76.5%、75.0%、前年比ではそれぞれ5.7ポイント、3.8ポイント上昇した。
消費品業界の生産能力の稼働率は77.4%、前年比3.4%上昇、前期比とほぼ同様の水準を保った。そのうち、農産の副食品加工業、食品製造業、飲料製造業などの生産能力の稼働率は75%—76%の間で、前年比、前期比共に上昇している。織物業界や織物製服業、化学繊維業界、家具業界、製紙業界、医薬品業界は今年始まって以来、生産能力の稼働率が比較的高く、第3四半期においては、共に78%以上の水準に達している。
文兼武工業統計司長によれば、今後はこれまで実現してきた供給側構造改革の成果を堅固にしていくのと同時に、劣悪品の再出現を防ぐことに力を入れていくとした。市場の力と法的措置を活用し、低効率な生産を淘汰しつつ、新たな原動力を育み、効率的な供給を増加させることで、工業経済を安定して好転させるほか、その発展の維持を促進するとした。

NEWS3 中国初の独立法人ネット銀行が開業

中国初の独立法人資格をもったネット銀行・百信銀行が、18日に北京で開業したことを明らかにした。同行は中信銀行と百度(バイドゥ)が共同設立したもので、2016年12月30日に認可を受けて設立された。
同行の設立開業は金融科学技術発展の流れに乗ったもので、従来型銀行がインターネット技術のモデルと商業銀行の戦略的モデル転換とを主体的に取り入れる有益な試みといえる。デジタル金融包摂を実践するための積極的な探求であり、銀行産業が国の戦略に呼応する上での重大な革新的試みという意味合いも強い。

NEWS4 中国の決済産業の対外開放を促進 人民銀

中国人民銀行(中央銀行)の範一飛副総裁は16日、「決済産業は金融業対外開放において重要な役割を演じる。中国の決済業界の対外開放は、全面的・バランス・秩序の原則を守らなければならない」と述べた。新華社が伝えた。
範氏は第6回中国決済清算フォーラムで、次のように話した。決済業界の対外開放は、全面の原則を把握し、進出前国民待遇とネガティブリスト管理制度を実施する。市場進出条件を大幅に緩和し、電子決済分野の対外開放を推進する。外資が中国の電子決済事業の発展と競争に参与することを歓迎・奨励する。
総量制御、構造改善、質向上、秩序ある発展の原則を貫き続け、すでに許可を得た機関の管理とマニュアル改善に取り組む。有効期限の延長などの管理措置により自然淘汰を実現し、実力ある持続的に発展できる国内外機関の進出を奨励し、M&Aなどの手段による決済機関の構造改善を奨励する。開放手続きでは、先に窓口での取引と決済を開放し、その後さらにバックグラウンドの決済を開放するという全体的な開放手続きを踏まえる。決済業界の対外開放は、管理とマッチングしなければならない。決済業務は重要な金融業務であり、国有・民間・外資などの業務に従事するかに関わらず、進出する場合は必ず管理を受けるものとする。

NEWS5 2017年重要技術設備に対し23億元の輸入税免除か

中国財政部(財務省)は先日、「2017年重要技術設備の輸入税収政策における執行方案」を公布した。執行方案の実施後は、約23億元(1元は約17円)にのぼる輸入税が免除される見込みだ。人民日報が伝えた。
「設備製造業の調整と振興計画」の要求を着実に満たすため、2009年8月、財政部を始めとする6つの国家部門により、国が支援する重要技術設備や生産に必要な基幹部品と原材料について、輸入関税と輸入段階の付加価値税を免除するといった内容の、重要技術設備の輸入税収政策を共同で公布した。
財政部関税司の責任者は、国民経済の各業界において必要に迫られている重要技術設備は技術要求が高く、長い研究開発期間を必要とするとし、この政策を実施して8年間にわたり、国内の関連基幹製造企業とプロジェクト事業者は延べ約320億元の輸入免税を享受してきたと紹介し、これは国内の設備製造業のグレードアップを力強くバックアップしたとした。

NEWS6 中国、ハイエンドスマート再製造の3年発展計画発表 目標は 2000億元規模

ハイエンド再製造、スマート再製造(以下「ハイエンドスマート再製造」の発展を推進しようと、中国工業・情報化部(省)がこのほど打ち出した「ハイエンドスマート再製造行動計画(2018-20年)」は、中国は今後3年、医療用撮影装置や、重型工作機械、油田・ガス田の装置などのカギとなる分野、付加製造、特殊材料、スマート加工、非破壊検査など、エコな基盤技術の再製造の分野における応用などに的を絞って、再製造産業の継続的拡大を促進するとしている。中国工業・情報化部が取材に対して明らかにした。経済参考報が報じた。
同計画は、発展目標として、▽中国は20年までに、ハイエンドスマート再製造の発展の足かせとなっているい分解、検査、成形加工など、カギとなる基盤技術を進歩させ、スマート検査、成形加工技術などを世界一流のレベルにまで向上させる▽ハイエンドスマート再製造の管理、技術、設備、評価などの基準50項目を制定し、複製・推進可能な再製造製品の応用・市場化メカニズムを構築する▽100のハイエンドスマート再製造モデル企業、技術研究開発センター、サービス企業、情報サービスプラットフォーム、産業エリアなどの設置を推進し、中国の再製造産業が2000億元(約3兆4000億円)規模になるよう牽引する---などを掲げている。
同部によると、同計画の実施を円滑に進めるため、中国は今後3年、ハイエンドスマート再製造のカギとなる技術のイノベーションと産業化・応用の強化、スマート化再製造設備の研究開発と産業化・応用の推進、ハイエンドスマート再製造モデルプロジェクトの実施、ハイエンドスマート再製造産業の共同体系構築、ハイエンドスマート再製造基準の制定の加速、ハイエンドスマート再製造製品の推進・応用の新メカニズム構築、ハイエンドスマート再製造産業の公共情報サービスプラットフォームの立ち上げ、ハイエンドスマート再製造金融サービスの新スタイルの構築など、一連の業務を実施する計画だ。
その他、同計画では、▽エコ製造、技術改造特定項目、特別資金融資などを通してハイエンドスマート再製造技術・設備の研究開発、産業化、応用の推進をサポートする▽再製造製品の認定を展開し、健全な再製造基準体系を構築することで産業発展を規範化する▽ハイエンドスマート再製造分野の国際交流・協力強化を推進し、ハイエンドスマート再製造企業の海外進出を奨励し、「一帯一路」(the Belt and Road)参加国の工業のエコ発展に寄与する▽ハイエンドスマート再製造産業の発展に有利な政策環境構築を推進し、政府・企業・学校・科学研究所・ユーザー資金が協力して計画を推進する局面の形成を促進し、行動計画実施の社会や産業に対する影響力を向上させる---という4分野の対策を実施する。

NEWS7 日本経済回復でも消費が冷え込むのはなぜか

日本の内閣府がこのほど発表した2017年第3四半期(7~9月)のデータによると、物価変動要因を考慮した前期比の実質経済成長率は0.3%増加で、年率換算では1.4%となり、7ヶ月連続のプラス成長だった。増加率はそれほど大きくないが、12年以降続く景気拡大局面は第二世界大戦後2番目の長さで、1965~70年の高度成長期のいざなぎ景気も抜いている。
輸出がこの景気拡大局面に大きく寄与した。同期には自動車と電子部品の輸出が前期比1.5%増加した。その一方で、個人消費は同0.5%減少した。
日本の国内総生産(GDP)に占める内需の割合は6割に上るため、個人消費の不振が同期の景気への評価を大いに目減りさせた。
日本の総務省の家計調査によると、今年1~9月のうち、世帯支出が前年同月を上回った月は6月と8月の二月しかなかったという。
このことを裏付けるのが求人倍率だ。今年9月の有効求人倍率(有効求職者数に対する有効求人数の比率)は1.52で、04年11月以降で最高となった。一般的に、労働力が不足すると賃金水準が上がり、消費や経済の成長につながる。これは「アベノミクス」が内包するロジックでもある。
▽日本経済回復でも消費が冷え込むのはなぜか
賃金上昇ペースが遅いことと未来への不安が「節約意識」を生み出し、これが消費冷え込みの主な原因になった。大和総研の研究報告書によれば、「アベノミクス」が実施されて以来、政府は一貫して賃金上昇を促してきたが、賃金が上昇すると所得税や社会保険料の負担も増えるため、従業員の可処分所得の実際の増加幅はそれほどでもなくなり、経済好転の実感を得ることはできず、消費意欲は抑えられる。海外の需要回復や一部の製造業の回流といった好材料はあるものの、日に日に縮小する日本国内市場に対して企業は信頼感をもてず、投資拡大には慎重な態度だ。
賃金上昇は日本の労働市場の構造による制約も受けている。日本企業は経営状況がどうであれ正社員を解雇するのは難しい。日本総研の山田久理事は、「日本企業は全体として長期雇用の維持を優先的目標とする。将来のポジション調整への対応が柔軟に行えるようにするため、賃金標準を低く抑えている。政府は人手不足を解消するために主婦と高齢者の職場への投入を奨励するが、こうした人々は労働時間に限界があり、賃金は時給制になるので賃金水準が低く、統計の平均賃金水準を引き下げることになる。こうした現象を改善するには、産業のバージョンアップ・モデル転換、人材開発、労働力移転の三位一体を形作る政策が必要だ」と話す。
若い人々の消費意欲をかき立てるにはどうしたらよいかが、日本の社会と企業がともに直面する課題となっている。ニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員の調査によると、「日本の若者は消費したいが『お金がない』のではなく、未来への不安感からお金を使おうとしないのだ。実際、2014年の日本の30歳以下の独身社員の可処分所得は1989年のバブル経済時代の同年代よりも多く、特に30歳以下の独身男性は所得増加率が12%に達する。だが若者の貯蓄の割合の増加率は24%に迫り、平均貯蓄額は190万円で、25年前より52万円増えた」という。
共同通信社は、「日本政府はよい環境作りをして企業の積極的な投資を促すよう努力すると同時に、人々に家計への安心感を与え、消費を増やすようにもっていく必要がある。経済情勢がまだ好調な今こそ、日本経済の持続的成長を維持するために必要な構造改革の推進に力を入れなければならない」との見方を示した。

NEWS8 日本銀行業はこれから大規模リストラ時代を迎える

最近、日本の銀行業にこれまでと異なる動きがみられるようになった。みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループ三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンクグループが相次いで大規模な構造改革プランを打ち出し、全体で3万2千人分の業務を削減すると発表した。つまり、日本銀行業はまもなく大規模リストラ時代を迎えることが予想されるのだ。「経済参考報」が伝えた。(文:姜■<にんべんに肖>梅)
みずほは今月13日に構造改革プランを発表し、グループ全体で2026年度までに1万9千人をリストラし、規模を現在の7万9千人から6万人に縮小することを明らかにした。同時に支店100店を閉鎖し、支店網を現在の500店から400店に縮小することも明らかにした。三菱UFJと三井住友はリストラに直接言及していないが、それぞれ9500人分と4千人分の業務量を削減するとしてリストラをほのめかしている。
3大メガバンクグループが歩調を合わせていることから、日本経済の「金庫番」の苦しい状況がうかがえる。日本銀行(中央銀行)の量的緩和政策の影響により、日本金融市場は資金がだぶつき、貸出の増加が望めなくなっている。また日銀のマイナス金利政策を受けて預金金利と貸出金利の差が縮小し、こうした要因が銀行の収益を大幅に低下させた。みずほが13日に発表した中間決算では、17年度上半期の利益は1807億元で前年同期比40%減少した。三井住友の同期利益も同40%以上減少した。
利益は減少するのに、毎年数億円に上る店舗の家賃と人件費などのコストは変わらず、銀行の利益に占める支出の割合がどんどん上昇している。日銀は10月23日に発表した金融システムレポートで、「日本の金融機関は店舗と人員が多すぎて、収益を低下させている」と指摘。みずほは中間決算で、「利益に占めるコストの支出の割合が72.4%にも達し、メガバンクの中でトップ」であると明かしている。
コンピューターやスマートフォンの普及、インターネットバンキングの応用に伴い、銀行の窓口で手続きをする顧客が減少を続ける。記者が東京で働き始めた頃、携帯電話料金と健康保険料の引き落としのため日本の銀行で口座を作る必要に迫られ、会社の近くにあるみずほ銀行の支店を訪れた。恵比寿ガーデンプレイスの高級オフィスビルにある支店は、入ると窓口が並び、行員6~7人が働いていたが、顧客はまばらだった。行員のサービスはきめ細やかだが効率はよくなかった。外にあるATMにはいつもたくさんの人が並び、顧客はここで現金を直接引き出していた。繁華街の高額の家賃と閑散とした窓口業務が鮮明なコントラストを描いていた。
他産業が預金・貸出業務に乗り出したことも、銀行の経営環境を日に日に厳しくして、従来の業務モデルに脅威を与えている。速やかに有効な構造改革を打ち出さなければ、日本の3大メガバンクの競争力は大いに弱まり、利益は早晩消滅することになる。
アナリストは、「今後数年で日本の銀行業には2つのはっきりした変化が訪れる」と予測する。第1の変化は銀行のサービスモデルが窓口からネットワークに移ることだ。みずほの佐藤康博社長が話すように、「科学技術が未来の銀行のサービスモデルを変える。情報通信(IT)技術の発展とスマート時代の到来により、日本の銀行業はIT技術と金融が結びついた金融技術普及ネットワークを利用して業務を処理するようになるとともに、ロボットを導入して作業効率の向上がはかられるようになる」ことが予想される。第2の変化は国内業務の低迷により、大手銀行の多くが業務の重点を海外に移すようになり、未来の日本の金融業は空洞化がさらに進行するということだ。

NEWS9 一部消費財の輸入関税引き下げへ 平均17.3%から7.7%に

財政部関税司によると、国務院関税税則委員会の審議を通過し、国務院の承認を受けて、12月1日より、一部の消費財に対する輸入関税が調整されることになった。
国務院の要求に基づき、2015年以降、国民の消費高度化のニーズに応え、国民生活と密接な関わりのある一般消費財の輸入を合理的に増やすため、国は衣類、カバン類、靴類、特色ある食品、医薬品などの消費財の一部について輸入関税を順次引き下げてきた。これまでの引き下げを土台に、今回はさらに引き下げ調整を行い、対象は食品、保健用品、薬品、日用化学製品、衣類・靴類、家庭用設備、文化・娯楽製品、日用雑貨など各種消費財に広がり、8けたの税番号の製品187種類に上る。平均税率は17.3%から7.7%に下がる。

NEWS10 「中欧班列」運行実績が6千本突破 良好な発展

中国鉄路総公司は18日、中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」は2011年の開業以来、これまでに運行本数が6千本を超えたことを明らかにした。11月17日現在、2017年の運行本数は3千本を突破し、年間の運行本数の記録を更新するととともに、11ー16年の累計を上回った。人民日報海外版が伝えた。
同公司関連部門の責任者は、「『一帯一路』(the Belt and Road)建設を推進し、沿線各国の道路の連結、貿易の円滑化を加速し、利益共同体を構築する重要な措置として、鉄道部門は国内外の意思疎通と協調を強化し、運輸組織を最適化し、サービスの保障を整えるなどしており、中欧班列は良好な発展の態勢をみせている。中欧班列はこれまでに57本の運行ルートを構築し、国内では35都市、海外では欧州12ヶ国の34都市まで運行するようになった」と説明した。


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