銘・精選


NEWS1 中国、TPP参加要請には冷静に対応




最近、中国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を話題とする人々が少なくない。今月14日と15日、TPP署名国や中国と韓国の代表らによる2日間の「ハイレベル対話」がチリのビニャデルマルで行われた。中国は中南米事務特別代表の殷恒民大使が率いる訪問団を同会議に派遣しており、チリのほか、ほとんどの参加国がTPPメンバー国であるため、中国の参加はTPP参加の意向を示すシグナルではないかと見られている。北京日報が報じた。




 




中国の参加が大いに歓迎されたのは、米国が離脱し、リーダー格を失ったTPPメンバーの強い焦りを反映している。しかし、中国が招きに応じて同会議に参加したことと、中国がTPPに参加することは、全くの別問題だ。




 




TPPの協定は既に発行しており、それをそのまま受け入れるのか、それともその内容を協議し直し、中国を考慮に入れた協定を作成するのかなどのハードルを考えると、どのような方法を選択する場合でも、短期的に中国がTPPに参加することは現実的ではない。今回中国を招いたのはTPPメンバー国の便宜上の措置と言えるだろう。中国の立場から考えても、今回の会議に参加することで益はあっても害はない。少なくとも、情報の交換や理解が可能で、自由で平等な貿易を推進し、開放型経済を建設し、地域経済の一体化を促進する面で協力するという中国の姿勢を行動で世界に示すことができる。




 




「中国に狙いを定めていた銃を、中国に奪われた」といったこのような逆転劇は、世界経済における勢力図の変化をうまく例えているのではないだろうか?現在、中国は世界2位のエコノミーとなっており、空高くそびえ、大きく涼し気な木陰を作り出す大樹となっている。実践において、中国は終始、協力、ウィンウィンの姿勢で国際ガバナンスに参加しており、オープンで寛容な姿勢で他の国を迎えている。そして、経済のグローバル化、地域の一体化の提唱者、参加者、推進者となっていると言える。一方、今の米国は、アンチグローバル化の代名詞となっており、保護貿易主義路線を歩み、これまでになく孤立した主義を取るようになっている。




 




この点から見て、一部の国が中国を新たな希望と見なしているのは、中国に発展の実力とポテンシャルがあるからだけではなく、中国が自分の力で発展を遂げると同時に、世界と協力しウィンウィンの平和な発展の道を追求しており、他の国と共に物事を行い、共に発展し、共に繁栄しようという堅い信念を抱いているからだ。




 




実際のところ、中国のTPP参加にはリスクが伴い、そのリーダーになることには慎重な姿勢を示さなければならない。中国には自身の責任があり、自国にどれほどの忍耐力があるのか、どのように発展しなければならないのかなどについて、はっきりと熟知しており、他の国のおだてに乗って気をよくし、軽率に行動することはないだろう。TPPについて米国は「役に立たない」と判断して捨てたのであり、それは罠となる可能性があり、米国の盟友らが参加するよう熱烈に中国を誘うということは、何かたくらみがあるという強い疑いをぬぐいきれない。オバマ前大統領政権の「アジア太平洋回帰」政策の重要な部分を担っていたTPPには、保護主義の血と覇権主義の遺伝子が詰まっており、多くの規則は、中国を考慮に入れて制定されている。中国の参加を促す声には、期待や称賛はほとんど含まれておらず、むしろ多くのたくらみが含まれている。中国の力を重視し、信頼し、借りたい一方で、たくらみが潜んでいるのではないかという複雑な空気が、依然として一部の国、特に米国の盟友には蔓延している。中国は、高度な戦略を定めなければ、これほど複雑で微妙な局面にうまく対応することはできないだろう。




 




「好むと好まざると、我々はグローバルエコノミーという誰も逃れることのできない大海の中にいる」と言われているように、予測できないほど激しく移り変わる情勢であるものの、引き続き経済のグローバル化を指示する側に立ち続けるという中国の立場に変わりはない。これこそが、中国が今回、TPPの各メンバー国に伝えたシグナルなのかもしれない。結論を言うなら、逆巻く大波となり、暗礁の潜む世界経済を前に、中国はその知恵を世界と積極的に共有し、中国の提案を提供するなど、自分にできることを着実にこなすことこそが、世界に対する最大の貢献であると考えている




 




 




NEWS2 金融シンクタンク「中国は債務危機にはほど遠い」




国家金融発展実験室の李揚理事長は24日、ボアオアジアフォーラム2017年度年次総会で、報告書「中国金融発展報告‐‐管理の構造性減速プロセスにおける金融リスク」に関連した内容について発表した際、「中国は債務危機にはほど遠い。「同実験室の研究に基づくと、中央政府にはほぼ負債がなく、地方政府の債務リスクは引き続き緩和されつつあり、中国で債務危機が発生する確率は非常に低い」との見方を示した。中青在線が伝えた。




同実験室の研究によると、世界では通常、マーストリヒト条約で設定された(債務残高の対国内総生産比)60%の警戒ラインを参考基準としており、中国はラインまでまだ10数%の開きがある。ここから考えても、中国政府の債務リスクは受け入れ可能な水準にあることがわかる。また国際間の比較という観点で考えると、中国政府当局の債務率水準は主要市場経済国と一部の新興市場国の水準も下回っており、ここから中国は債務危機にはほど遠いと判断することができる。




李理事長は、「中国政府の債務と海外政府の債務とで異なる点は、外国政府の借金はその多くが消費分野に利用されていること、たとえば社会保障費や公務員の給与の支払いなどに充てられていることだ。中国政府は消費のために借金をするということが少なく、債務は主に投資分野に利用される。投資すれば収益が上がり、リスクは低下する」との見方を示した。




李理事長は一連の中国の主権国家資産データを示した後、「緩い基準でみても厳しい基準でみても、中国の主権国家資産額は正常だ。これらの資産は主に外貨準備、金などの貴金属の備蓄、世界の主要資本市場に上場する中国企業の資産といった流動性の高い資産で構成されている。よって中国で債務危機が発生する確率は非常に低いといえる」と述べた




 




NEWS3 金融政策への過度の依存は禁物 人民銀総裁




中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は26日に行われたボアオアジアフォーラム2017年度年次総会における「金融政策の『度』」と題した分科会で、「長年にわたる量的緩和を実施した後、多くの国は流動性が過剰になり、金融当局が流動性のひきしめをはかり始めたが、それは徐々に行われるプロセスとなる。現段階で、私たちは構造改革と長期的な戦略調整を重点的に強調すべきであり、金融政策に過度に依存することは禁物で、このシグナルは極めて重要だ」と述べた。「経済参考報」が伝えた。




 




人民銀の関係者が「金融政策は万能ではない」と強調したのは、これが初めてではない。周総裁によると、「ここ数年、各国の中央銀行はみな金融政策が万能薬ではないこと、金融政策にあらゆる問題の解決を期待してはならないことを強調し、その後、金融政策がマイナス影響をもたらす可能性があることに気づいた。私たちは、どの政策にもそれに見合った作用があるからこそ、政策ツールの選択を最適化する必要があると考える。理性的な観点から考えて、現段階では政策の組み合わせを財政政策や構造改革などの他の政策と調整することが必要だといえる」という。




 




また周総裁は、「財政政策は構造改革にとって重要であり、財政状況が順調でなければ、引き続き財政政策を応用する必要がある。今後は、より多くの国々が財政政策と構造改革に方向転換するとみられる。国際通貨基金(IMF)は財政政策の利用を奨励するが、国ごとに政策の可能性には差があるので、各国がそれぞれの国情を踏まえて政策の選択を決定することが必要だ。たとえば日本の債務の国内総生産(GDP)に対する割合は高く、中国中央政府の対GDP比はそれほど高くない。だが中国は大国であり、中央政府と地方政府の関係のバランスを取らなくてはならない。一方では、地方政府に債務規模を拡大し、構造改革を推進し、インフラ投資を展開し、サービス業の発展を促進することを認める必要がある。また一方では、地方政府の責任や制約を強化し、債務の上限をコントロールする必要がある。最近の研究によりわかったことは、中国地方政府の財政状況にはそれぞれ違いがあるということだ。一部の地方政府は債務が過剰で、一部にはまだゆとりがあり、具体的な状況は今後の研究を待たなければならない」と述べた。




 




 




NEWS4 中国の税制改善は日本にならい「減点法」で




日本政府は法律に基づいて企業などの法人に税金を課しているが、企業が実際に納める税金の負担はそれほど重くない。長年にわたり、日本は税制の改善で主に「減点法」を採用し、さまざまな減税政策によって日本企業に投資や雇用を増やすよう奨励し、そうやって日本経済をよくしようとしてきた。「経済参考報」が伝えた。




 




日本の西村あさひ法律事務所の錦織康高弁護士の説明によると、「日本では、法人が納めなければならない税金にはまず法人税がある(中国の企業所得税に相当)。法人税には狭義の法人税と地方法人税とがあり、さらに法人住民税、法人事業税もある。このうち国税は法人税だけで、税率は23.4%。地方税は地方法人税、法人住民税、法人事業税の3種類あり、税率は約7%だ」という。




 




また何か手続きを行うたびに税金を納める必要がある。不動産を購入すれば不動産所得税を納め、賃貸契約を交わす時には印紙税を納めなくてはならない。法人が資本金を増加(増資)する時には登記を変更し、登記に係る税金を納める必要がある。だがこうした税金はどれも大きな金額ではない。日本企業の税負担では法人税が中心で、所得の30%あまりを納めることになる。




 




とはいえ日本企業が実際に納める法人税は通常、30%を大きく下回る。錦織弁護士は、「日本の小規模企業の法人税率は低く、一般企業は23%あまり、小規模企業は15%だ。また日本には設備投資に対する優遇税制もあり、投資額を翌年から耐用年数に応じて分割して費用計上(減価償却)できる。設備投資をたくさん行えば、相対的に実際に納める税金が少なくなる」と指摘する。




 




愛知大学国際中国学研究センターの李博研究員(経済学博士)はパナソニックのケースで試算を行った。李研究員が入手したデータによると、パナソニックの2015年度の営業額は4157億円、税引き前利益は2170億円。




法人税額は税引き前利益に約30%の基準税率をかけて計算するので651億円になるはずだが、実際に納めた法人税は145億円で、税引き前利益の7%にも満たなかった。これは日本の法人税に各種の減免措置があり、減免額が非常に大きいことが原因だ。




 




李研究員は、「日本の税金の減免の内容には大きく3種類ある。1つ目は赤字なら税金を納めなくてよいこと。2つ目は投資すれば税金を減免すること。3つ目は株の収益が納税の対象外であること」と説明する。




 




赤字が出ればその年は税金を納めなくてよく、その後89年間は損失を一定の割合で計上することができる。




 




錦織弁護士は次のように説明する。「企業が15年度に100億円に赤字を出し、16年は50億円、17年は10億円の税引き前利益を出したとする。この100億円のうちの50億円の半分、つまり50億円×50%=25億円の部分を損失として計上できるので、16年の法人税は(5025)×30%=75千万円になる。17年の10億円の利益の50%、つまり5億円も損失として計上できる。するとこの年は1055億円の所得になり、これに30%の税率をかけると、納税額は15千万円になる」。




 




日本はここ数年、法人税の減免に力を入れてきた。他の先進国と比較して、日本企業の負担は重い。錦織弁護士は、「3年くらい前まで、日本の法人税率は40%だったが、今は30%に引き下げられた。先進国の中では米国と日本が法人税を中心に置くが、他の国は消費税が主な財源だ。日本も今後、消費税に転換していくだろう」と予想する。




 




専門家は、「今後の中国の優遇税制は日本にならって『減点法』で行うのがよい。まず費用を圧縮し、根拠のない費用徴収を撤廃すると同時に、費用を税金に置き換えて徴収するようにし、徐々に減税を進めていくことだ。次に一刀両断といった局面を改め、企業への課税は企業の規模や産業の種類に応じて行い、小企業の税負担を軽減させる必要がある。また各種の制度設計を通じて流通税が流通過程で企業にもたらす可能性のある実質的な負担をできる限り軽減させることも必要だ」と指摘する。




 




 




NEWS5 日本のモバイルゲーム事情、中国企業の日本進出が難しい理由




中国のモバイルゲーム市場は目下、成長ペースが徐々に鈍化しており、企業は海外市場開拓の必要性に一層迫られるようになった。だが市場規模で中国に劣らず、ユーザーの支払いデータが好調な日本市場では、中国制作のモバイルゲームがランキングの上位を独占し続けるという状況は長らくみられない。伽馬データ(CNG中新ゲーム研究院)はこうした状況を踏まえ、調査研究を重ねて、このほど「日本モバイルゲーム市場発展チャンス研究報告」をまとめた。日本のモバイルゲーム市場の概況を総括し、ユーザーの習慣を詳細に分析し、今の日本市場で主流の製品、メーカー、チャンネルの状況を踏まえ、普及の方法や特殊性を分析し、中国ゲームメーカーに日本市場に切り込む上での提言を行っている。中国新聞網が伝えた。




 




この最新の報告の中で、伽馬データは次のように調査分析する。日本では18歳以上のスマートフォンユーザーのうち69.7%がモバイルゲームを利用するが、日本のモバイルゲームユーザーはゲームの品質に対する要求が高く、1つのゲームでつまらない思いをした場合、そのゲームの制作メーカーのすべてのゲームを利用しなくなるという傾向がある。市場は長期にわたって「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」といったトップクラスの製品に独占されており、市場の集中度が高い。




 




伽馬データの王旭チーフアナリストは、「長らく、日本はモバイルゲームユーザーの支払い能力や意欲が高い国であり続けているが、ランキングの固定化、トップ製品への人気の集中といった問題は中国よりも深刻だ。日本市場に進出しようとする場合、中国ゲームメーカーが直面するのはゲームの品質の問題、またユーザーの心理、習慣、タブーなどへの理解といった現地化の問題だ。(中国制作の)『陰陽師』と『戦艦帝国』の日本市場での好調ぶりからわかるのは、この2つの問題をうまく解決できれば、日本市場は中国モバイルゲームの豊かな鉱脈になりうるということだ」と話す。




 




報告は次のように指摘する。日本の有料ユーザー一人あたりの月間平均売上金額(ARPPU)、ユーザー一人あたりの月間平均売上金額(ARPU)、ARPU消費指数はいずれも、同レベルの比較対象の中でトップクラスにある。ARPPUなどは中国の7倍以上だ。ここから日本のモバイルゲーム市場には非常に高い支払い能力が備わり、中国モバイルゲームの海外における「ブレイク地点」となる先天的な条件が整っていることがわかる。




 




伽馬データがまとめた統計をみると、ユーザーの消費について次のようなことがうかがえる。日本の未成年者はモバイルゲームの支払いにクレジットカードを利用する傾向が強く、成人はデビットカードを利用する傾向が強い。年平均支払額が10万円以上になる人の割合が、未成年者は56.7%で成人の33.5%を上回った。日本の未成年者はモバイルゲームに耽溺する割合が高く、支払い能力も高い。




 




またユーザーのモバイルゲームダウンロード数も増加傾向にある。12種類のゲームを利用するユーザーの割合は201512月の40.4%から、166月は27.9%に低下した。モバイルゲームの利用回数が増加しており、伽馬データの統計によれば、毎日ゲームをする人は1512月の49.6%から166月は57.5%に増え、モバイルゲームの重要性の高まりがよくわかる。




 




伽馬データは報告の中で、日本モバイルゲーム市場で主流の製品、メーカー、チャンネルを分析し、中国制作ゲームの日本市場での成功事例も挙げる。普及方法をみると、日本のモバイルゲーム市場では製品の営業販売のタイミングを踏まえてこれに対応した普及方法を採用するという調整を行わなければならず、調整にはオフラインでの普及の取り組み、テレビ動画広告といった中国ではモバイルゲームの普及方法としてあまり用いられない方法も含まれるという。




 




報告は日本市場の特殊性を詳しく説明し、日本のモバイルゲームユーザーがゲームの現地化に高い要求をつきつけていること、ゲーム市場が知的財産権をしっかりと保護していることなどを踏まえ、中国制作ゲームが日本市場に進出する場合には、日本のユーザーのゲーム習慣を踏まえ、ゲームの内容をめぐってできるだけ日本らしさを打ち出し、国柄の違いを乗り越えることが必要であり、そうしなければ日本市場で飛躍を遂げることはできないと述べる。




 




 




NEWS6 今年の日本大手企業のベア 昨年に及ばず




日本の主要大手企業が15日に労働組合に一斉に提示した賃上げ要求への回答をみると、米国の経済貿易政策への懸念から、17年は賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)の引き上げ幅が前年を下回った。




 




データによると、日本の安倍晋三首相が企業にベアを再三促し、経済の「好循環」によって長期的に日本の経済成長を停滞させてきたデフレに対抗しようとしたにもかかわらず、米国の経済貿易政策からくる重い圧力を受けて、日本企業はベアに慎重な態度を取ってきた。日本の主要企業は4年連続でベアに応じたものの、引き上げ幅は徐々に縮まっている。




 




日本最大の自動車メーカートヨタ自動車の回答は月収の1300円引き上げというもので、これに育児手当の増加分を合わせても、月あたり2400円の増加にしかならず、労組の求めた3千円を大きく下回り、15年の実績の4千円にも及ばなかった。




 




これと同時に、日本2位の自動車メーカー日産自動車の回答は1500円にとどまり、昨年のわずか半分だった。




また電子製品製造産業では、パナソニックやNECを含む主要企業で1千円のベアにとどまり、労組の要求した3千円に遠く及ばなかった。米国での原子量事業で巨額の損失を出した東芝などはベアそのものがなかった。




 




米国のトランプ大統領はさきに日本の自動車貿易は不平等だと非難し、自動車輸入税を引き上げると述べ、メキシコなどに製造工場を建設する日本企業に難題をつきつけた。1月にはトヨタに圧力をかけ、メキシコでの工場建設に反対し、米国で工場を造って製造しないなら、高率の国境税を徴収すると述べた。トヨタはこれを受けて、今後5年間の米国への100億ドル(約11325億円)投資計画を発表せざるを得なくなった。




 




メキシコ国内で年間80万台の自動車を製造し、そのうち約30万台を米国に輸出する日産は、さらに困った立場に追いやられている。米国経済に保護貿易主義が台頭する中、日本企業は、とりわけ輸出企業は「細かくそろばんをはじく」ことを余儀なくされ、「不測の事態に備える」ための措置を執ることが必須となっている。




 




 




NEWS7  対外投資が924億元突破 12月 商務部




商務部(商務省)がこのほど発表した最新のデータによると、今年12月には、国内の投資家が世界122カ国地域の企業1475社に非金融分野の直接投資を行い、累計投資額は9242千万元(1元は約16.1円)に達して、前年同期比52.8%減少したという。対外請負工事事業の営業額は1154億元、新規契約額は8249千万元だった。




 




12月の対外投資は主に製造業、情報伝送ソフトウェア情報技術(IT)サービス産業に流れ込み、製造業は投資額が同1.6%増加して、同期の対外投資全体に占める割合は昨年の13.2%から29.7%に上昇し、同サービス産業は投資額は同44.6%増加、割合は3.9%から12.6%に上昇した。レンタルビジネスサービス産業の投資額は同74.4%減少、不動産業は同84.9%減少、文化スポーツ娯楽産業は同91.6%減少だった。




 




「一帯一路」(the belt and road)の沿線国は中国の対外投資における重要な投資先だ。12月に中国から沿線41カ国に新たに行われた非金融分野の直接投資は合計179千万ドル(1ドルは約111.3円)に上り、対外投資全体の13.3%を占め、割合は前年同期比5.8ポイント上昇した。




 




企業の対外投資の資金源が多様化している。12月に中国企業が海外での収益を再投資に回した金額は約30億ドルに上り、同期の対外投資に占める割合は22.3%に上った。今年1月に比べて2.9ポイント上昇し、前年同期比では12.3%上昇している。




 




 




NEWS8  シャープがスマホで中国市場に再進出 アナリスト「成功は難しい」




日本製のスマートフォンの代表的な存在であるシャープのスマートフォンは以前に中国でも一時人気を博した。そんなシャープは今月20日、公式微博(ウェイボー)アカウントで中国にスマートフォンを再投入することを明らかにした。証券日報が報じた。




 




ここまでのところ、長きにわたりシャープのスマートフォンというと、中国では「負け組」、「悪循環に陥った」、「人員削減」などのニュースが目立った。しかし、7ヶ月前に転機が訪れ、電子機器受託製造サービス(EMS)大手の鴻海精密工業(富士康の親会社)がシャープに3888億円の出資を行い、約66%の株式を獲得しただけでなく、シャープブランドの実質的な運営権も獲得した。




 




アナリスト「シャープの中国における成功は難しい」




今年でその創立から105年目を迎えたシャープは、家電や液晶、スマートフォンなど多くの業務をカバーしている。シャープのスマートフォンは、業界では「元祖美形携帯」と言われているガラケーの905SHやアクオスシリーズなどが、女性に大人気となった。




 




しかし、アップルが発売したスマートフォンが大ブームを起こしたのを背景に、2008年に中国に進出したシャープのスマートフォンは伸び悩み、この数年間は新機種の投入も全く無く、ひっそりと中国から撤退したかのような状態だった。そして、シャープのスマートフォンは「中国では負け組」、「巨額の赤字を出し悪循環に」、「大規模リストラ」などのニュースが中国で次々と報じられ、ついに16年に上記の買収劇が生じた。




シャープは長年、経営難に陥り、12年には倒産の危機にまで立たされた。153月期の決算では、純損失2223億円を計上した。そして、163月期決算では、営業損失が前の期の約481億円から1620億円に激増し、純損失が前の期の2223億円から2560億円に増加した。




 




今回のシャープの中国市場再参入に当たり、中興通訊の元副総裁である、中国のスマートフォンメーカー酷派の海外事業を担当する羅忠生最高経営責任者(CEO)が、そのスマートフォンの研究開発やサプライチェーン、ルート、ブランドなどの業務を担う。




 




その、羅CEOは、「競合他社がひしめき合っている中国のスマートフォン市場にもチャンスは残っているものの、そのチャンスがどこにあるのかは、スマートフォン業界全体でもはっきりしておらず、霧の中を模索するような状態」と厳しい戦いを予想している。




 




シャープの中国市場再参入はほぼ0からのスタートとなる。その再参入のために、羅CEO3年計画を策定し、商品の試投、ブランド力強化、ルートの統合、規模拡大などを一歩一歩進める予定だ。「一つのモデルの販売台数が100万台レベルであれば失敗」と羅CEOは語る。




 




米市場調査会社IHS Technologyの中国研究総監王陽氏によると、「シャープのスマートフォンは日本でずっと販売を続けているものの、販売台数は少ない」とし、「シャープが中国市場で成功することはないだろう。特に、今はサムスンでさえそのシェアを失っており、日本の商品となればもっとチャンスはない」と指摘する。




 




シャープの中国市場再参入はディスプレイの生産能力消費のため?




実際には、数ヶ月前から、シャープは中国に再投入するスマートフォンの研究開発を行っていた。しかし、中国工業情報化部(省)が公開している最新情報によると、シャープが再参入に当たり投入するスマートフォンはFS8009で、その外見やスペックは多くの人の期待に応えるものとは程遠く、失望感が漂う。




 




一方で、シャープが来月にさらに競争力のある全面ディスプレイのスマートフォンを打ち出すという情報もある。




 




中国のスマートフォンメーカー小米が最近発売した全面ディスプレイのハイエンドスマホ「Mi Mix」について、羅CEOは微博で、「小米のMIXはレベルがまだ低く、同じ土俵で競争する必要はない」との見方を示している。




 




しかし、実際に説得力ある商品がない状態では、それらはメーカー同士の単なる駆け引きにすぎない。熾烈な競争が繰り広げられる中国の市場で成功を目指すならば、さまざまな要素を考慮しなければならない。外資系のブランドにとって、中国市場における販売ルートが大きな足かせとなる。中国市場でどのようにそのルートを開拓するかに関して、メディアを見る限り、シャープから明確な戦略は見えてこない。




 




CEOは、メディアに対して、「シャープのスマートフォンのターゲットはミドルハイエンドのグループ。全ての部分における意思決定者は全て中国人で、シャープはイノベーションにおいて、一層ローカライズな方法で物事を進めることができ、サプライチェーンも富士康の生産能力のサポートを得ることができる」としている。




 




特筆すべき点は、シャープのスマートフォンの中国再参入の背後に、ノキアの再参入と同じく、富士康の影があることだ。




 




EMS以外に、富士康は事業拡大を試みており、スマートフォンもその分野の一つだ。




 




現在、富士康のスマートフォン業務には、EMSのほか、ミドルローエンドブランド「富可視」やその傘下の富智康が担当するノキアのフィーチャーフォンの組み立てと販売もある。




 




富士康がシャープを買収したのは、主にシャープの液晶の分野の技術と能力がほしかったからとの声もある。




しかし、王氏は、「シャープにはOLEDディスプレイがない。スマートフォンにおいても、シャープのLCDは人気が落ちている。一方、液晶パネル中国最大手京東方科技集団(BOE)が急速に台頭している」と指摘している。




 




そのため、王氏は、「シャープのスマートフォンは、自社のディスプレイをなるべく使い、その生産能力を消化しなければならない」と語った。




 




 




NEWS9   iPhone「レッド」登場 今年は赤と緑の戦い?




アップルが初めて赤色のスマートフォンを打ち出したというニュースが、「微信」(WeChat)のソーシャル機能「朋友圏」(モーメンツ)を瞬く間に駆けめぐった。携帯電話メーカーの「カラー戦争」がさらに過熱する勢いだ。「北京晨報」が伝えた。




 




アップルは22日、iPhone7iPhone7Plusの「レッドスペシャルエディション」を初めて打ち出した。衣装替えはしたものの、中味は同モデルの従来のカラーのものと全く同じで、32Gモデルはない。




 




この「レッド」は中国市場向けに製造された「チャイナレッド」というわけではなく、「レッドリボン」への協賛の意味が込められたものだ。アップルがグローバルサイトで明らかにした情報によると、この赤色の77プラスは本体に「RED」のロゴが入り、売上の一部が世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)に寄付され、エイズの予防治療プロジェクトに役立てられる。ただ中国大陸部はこの社会公益活動の対象には入っていない。




 




▽今年は「赤」と「緑」の戦い




赤い携帯電話はアップルが最初ではなく、oppoや華為の栄耀なども赤い製品を出している。とはいえアップルがカラー戦略を得意とすることは否定できない。過去に打ち出した「ゴールド」や「ローズゴールド」、昨年の「ジェットブラック」は、いずれも業界全体が後に続くものとなった。




 




携帯メーカーはなぜ「カラー」にこだわるのだろうか。カウンターポイント社の■(門がまえに三)占孟研究総監は、「携帯産業のカラーゲームは業界全体で革新が力不足に陥っていることの必然的な結果だ。消費のバージョンアップを背景として、携帯の中味にはあまり差がなくなり、外観やカラーが販売促進の有効な手段になる。見た目の変化によって、消費者に買い換えを促すのだ」と分析する。




 




携帯産業の流行色は毎年変わる。データによると、16年はピンクとブルーが最も人気を集めた。今年は「赤と緑の戦争」になるとみられる。華為はまもなく今年の主力製品「P10」を大陸部市場で発売し、大きなセールポイントはこれまでなかった「グリーン」が登場することだ。世界の携帯産業に初めて登場する色合いのグリーンで、ライバル他社がすでに追随する動きをみせている。




 




 




NEWS10 中国シェアリングエコノミー驚異の成長、時価総額高いユニコーン企業




北京でこのほど発表された「2016年中国ユニコーン企業発展報告」によると、中国には現在、非上場で時価総額10億ドル以上の企業である「ユニコーン企業」がすでに131社あり、その時価総額は計4876億ドル(551000億円)に達している。業界別に見ると、ユニコーン企業が集中して驚異の成長を見せている分野は、インターネット金融とトラフィックで、全体の56%以上を占めている。このように現在、プラットホーム経済やシェアリングエコノミーが多くの「ユニコーン企業」を生んでいる。四川新聞網が報じた。




 




急成長がユニコーン企業の特徴。なかでもインターネット金融の分野では借貸宝が769000万ドル(8690億円)、トラフィックの分野では滴滴快的が338億ドル(38194億円)、摩拜単車が20億ドル(2260億円)OFOシェア自転車が10億ドル(1130億円)という時価総額でランキング上位に立っている。どの企業も爆発的に成長するユニコーン企業の特徴が際立っている。うち、シェア自転車業界の摩拜とOFO 2017年に入って以降、融資を複数回受けており、時価総額はさらにワンランクアップしていると予想されている。




 




ベンチャー企業の時価総額ランキングでトップに立つのは、自社車両を持たない世界最大のタクシー会社とも言える配車アプリを提供するUberで、設立5年でその額が500億ドル(56500億円)を超えている。同ランキング3位は、自社不動産は持たず世界各国の人たちが自宅などを宿泊施設として提供するインターネット上のサービスを提供するAirbnbで、設立7年でその額が255億ドル(28815億円)に達している。自社が資金を提供することはなく、インターネットを介して個人と個人がお金を貸し借りする個人間貸付プラットフォームを提供する中国の借貸宝は、設立2年で時価総額が769000万ドル(8690億円)を超えている。上記3社はいずれも「シェア」をテーマにしたユニコーン企業で、その急速な成長は、「シェアリングエコノミー」という新業態がにわかに台頭していることを示している。




 




インターネットプラットホームを利用するシェアリングエコノミーは、眠っている資源の所有者とそれを必要とする人をうまくマッチングさせ、資産を活用することで使用効率を向上させ、社会全体の持続可能な発展を促進する。シェアリングエコノミーというビジネススタイルは14年以降、さまざまな業界に浸透し、瞬く間のうちに拡張期に入った。そして、すぐにさまざまな分野や細分化された市場に浸透していった。




 




産業の再編の必然の結果として強大なスペースが生まれた。14年、世界のシェアリングエコノミーの五大業界(P2Pレンディングクラウドファンディング、インターネットによるフリーターの臨時雇用、シェアハウス、カーシェアリング、音楽ビデオ配信)の市場規模は150億ドル(16950億円)に達し、25年までにその規模は3350億ドル(378550億円)にまで拡大すると予測されている。




 




シェアリングエコノミーは従来の経済の壁を打ち破り、サービス提供者と利用者がスピーディにコミュニケーションを取り合うことを可能とし、情報のバランスが取れているほか、社会で多くの遊休資源が活用されるようになった。そしてこれらがお金の貸し借りや外出の方法に変化をもたらすと同時に、遊休資源の利用率を大きく向上させた。




 




ワシントンで経済動向研究財団を主宰するジェレミーリフキン氏は、「シェアリングエコノミーは現在、世界的に最も広く影響力を有し、議論が最も多い分野の一つ。数十億人が生産者となり、消費者にもなる。使用権が所有権に取って代わり、『シェアバリュー』が『交換価値』に取って代わるようになっている。人類は『シェアリングエコノミー』という新たな段階に入った」との見方を示す。




 




今回発表された「2016年中国ユニコーン企業ランキング」をまとめた中国科学技術部()トーチセンターの張志宏センター長は、「現在、中国の経済はニューノーマルに入り、今は発展スタイルや新旧の成長エネルギーが転換する重要な時期。中国政府が『大衆による起業革新』を掲げた政策を実施しているのを背景に、爆発的に成長するユニコーン企業が、経済を中高速で、ミドルハイエンドに向かって成長させる重要な原動力となっている」との見方を示す。




 




シェアリングエコノミーやプラットホーム経済は、ユニコーン企業を生む新たな経済分野。新経済の代表であるユニコーン企業は今後、中国の経済の見通しを占う材料となり、中国経済の発展を牽引する存在になる可能性がある。また、シェアリングエコノミーの分野で代表的な存在である滴滴や借貸宝、シェア自転車業界などの企業はその豊富な資金、資源の統合、システム管理における能力などを活用して、爆発的に成長するユニコーン企業の特徴を備えるようになり、その時価総額も次々に新たな高みへと達している。




 




北京の中関村科技園区管理委員会の郭洪会長は、「ユニコーン企業は既に中国の新経済の発展を牽引しており、新旧の成長エネルギーのモデルチェンジも牽引している。滴滴や借貸宝などのユニコーン企業を支えるその背後にある強大な技術をよく研究することで、将来の中国経済の転換高度化の動向や方向性を把握すれば、高度成長を見せるさらに多くの企業を生むことができるだろう」との見方を示す。




 




経済発展や消費理念の変革に伴って台頭した新業態であるシェアリングエコノミーは、他のどの新興産業と同じく、初期に巨額の資金投資が必要であることや体験に対する高い要求、取引の信頼性や安全性、政策によるモニタリング管理などの不十分さ、地域によって変える必要のあるそのスタイル、收益の価格に対する敏感性など、その発展の初期には必ず多くの課題にも直面する。しかし、消費理念が変化し、業界にそれが急速に浸透するにつれ、シェアリングエコノミー関連の企業がさらに発展するという流れがとまることは無いだろう。



オフィス