銘・精選

NEWS1 インドが中国を抜き世界一の人口大国に その影響は?



 2023年に世界の人口には2つの重大な変化が起こる。世界の人口が年内に80億人の大台を突破する見込みであること、そしてインドが初めて中国を抜き、世界一の人口大国になる見込みであることだ。

 中国はこれまで人口数の指標で世界一が当たり前という状況が長く続いている。そして人口のボーナスは改革開放後の中国の急速な発展のための着実な基礎を打ち立てた。中国にとって、人口数トップの座を失うことは問題になるだろうか。

 中国社会科学院発展戦略研究院の張翼院長によると、インドの人口は若年化しており、製造業、とりわけ労働集約型の企業に対する誘致力は中国より高いが、中国にも中国独自の優位性がある。

 第一に、中国の平均的な人的資本と教育改革により形成された新たな労働力人口全体の高学歴化だ。現在の大学の粗入学率は60%に達している。この数字はインドがはるかに及ばないものだ。こうして中国は人口数の大国から人的資源の強国へと転換している。

 第二に、中国が今や予見性とともに、質の高い発展方式によって、製造プロセス全体を牽引し、科学技術イノベーションを通じて製造ラインの技術水準を速やかに引き上げていることだ。そしてこれによって消費チェーンが短縮された。

 第三に、中国の人口高齢化ペースが加速しているものの、製造業とサービス業における学習・開発の能力とビッグデータの優位性に基づく生産能力が結びついて形成された集積力は、実際に世界トップレベルであり続けていることだ。中国はロボットの製造と再製造を通じて労働力人口減少がもたらした一部の生産力の不足を補完できる。

 第四に、中国が発展過程で形成した地域間の分業と連携、人口集積が生み出した経済の生産能力が今、発揮されつつあることだ。一国の都市化が35-80%になると、都市化によって経済成長を牽引するポテンシャルが高くなるため、中国には人口学的な機会が2つあると言える。1つ目は巨大な人口数が形成した労働集約型産業が国際競争の中で開いた機会だ。2つ目は労働人口の教育レベルの向上、産業集積、技術革命がもたらした2回目の人口ボーナス期で、中国は今、この2つ目の人口学的な機会の段階にある。

NEWS2 【中国キーワード】秩序よく進む人民元の国際化 国際通貨システムの多様化は必然



 中国とブラジルはこのほど、ブラジルに人民元決済機関を設立することに関する協力覚書に署名した。決済機能は通貨の国際化レベルを示す主要な指標の一つであり、この合意は人民元国際化の実質的な進展状況を示している。

 このほど中国を訪問したマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、「マレーシアには米ドルに引き続き依存する理由がない。マレーシア国立銀行(中央銀行)はすでに中国との交渉をスタートさせており、両国の貿易でリンギットと人民元の決済ができるようにする」と述べた。

 実際のところ、現在多くの新興市場国が通貨の多様化を推進し、自国通貨による貿易決済のルートを増強しようと努力している。

拡大し続ける「友達の輪」

 ここ数年、人民元国際化の動きが続いている。今年3月29日、ブラジル政府は中国と合意に達し、今後はドルを中間通貨として使用せず、自国通貨で貿易決済を行うことを明らかにした。その前日の3月28日には、中国海洋石油集団有限公司(CNOOC)とフランスのトタルエナジーズが上海で、人民元建てで液化天然ガス(LNG)の取引を完了。これは中国が石油・天然ガスエネルギー分野で初めて人民元を使用して行った越境決済でもある。2016年には、中国はロシアとの間でも原油貿易の一部について人民建て決済を行うことで合意に達している。17年にはベネズエラが自国の石油価格を人民元建てで計算すると発表した。22年7月には、オーストラリアのBHPグループが初めて人民元建て決済により中国との鉄鉱石貿易を行った。今年2月にはイラク中央銀行も人民元による対中貿易の決済を認めると発表した。現在では、上海協力機構(SCO)や石油輸出国機構(OPEC)などの国際機関でも、加盟29ヶ国が人民元建て決済に同意している。

人民元の国際化レベルが安定的に上昇

 ここ数年、人民元国際化のレベルが安定的に高まっている。中国人民銀行(中央銀行)が発表した「2022年人民元国際化報告」によると、21年末の人民元国際化総合指数は2.80で、前年比で17%上昇した。同期の主要国際通貨の国際化指数はドルが58.13、ユーロが21.81、英ポンドが8.77、日本円が4.93だった。22年第1四半期(1-3月)の人民元の国際化総合指数は2.86で、前年同期比で14%上昇した。

 同時に、人民元の国境を越えた受け取りと支払いも急増した。21年の人民元越境受け払い額は同29.0%増の合計36兆6100億元(1元は約19.4円)に達し、22年上半期は同15.7%増の20兆3200億元だった。人民元越境受け払い額は12年の5千億元前後から急増し、現在は35兆元以上となっている。

 国際銀行間通信協会(SWIFT)がまとめたデータによると、人民元の国際決済シェアは21年12月に2.7%に達し、日本円を抜いて世界4位の決済通貨になった。22年1月には3.2%に上がり、過去最高を記録した。

経済力の上昇が人民元国際化の保障に

 どの国の通貨であっても、その地位は国の経済力によって保障されている。アナリストは、「ここ数年、中国経済が持続的かつ安定的に成長して、人民元国際化のためのしっかりとした基礎を固めた。過去10年間、中国はずっと世界の経済成長の重要なエンジンだった。また、人民元レートは安定しており、国際通貨に求められるリスク回避という属性がますます顕在化している。22年以降、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め政策、ロシア・ウクライナ紛争といった要因の影響により、ユーロや円などの通貨がドルに対して大幅に値下がりしたが、人民元は相対的に堅調で、投資家にとっての魅力が増している」との見方を示す。

国際通貨システムの多様化は必然的な流れ

 人民元の市場シェア上昇は世界各国の「脱米ドル化」の流れにおける氷山の一角に過ぎない。

 米経済学者のロバート・トリフィン氏は早くも1950年代に、「ドルが国際本位通貨であることとその国際支払い能力との間には調和できない矛盾がある」と鋭く指摘していた。簡単に言えば、米国はドルを世界中に流通させるためには、絶えずドルの供給量を増やして常に貿易赤字の状態を維持しなければならない。一方、ドルの流動性が大きくなると、ドルには貨幣価値下落の圧力がかかり、ひいては国際社会のドルに対する信頼を揺るがすことになる。

 国際通貨システムの多様化は必然的な流れだ。複数の国が人民元建て決済に同意したのに続き、インドやアルゼンチン、ASEANなどの国・国際機関が最近、ドルによる決済から自国通貨による決済に変更することを相次いで検討するようになった。また、米国債の売却も世界中で静かな流れになっている。FRBが発表したデータによると、22年に米国以外の世界の投資家が米国債4259億ドル(1ドルは約133.7円)を売却した。そのうち中国は1732億ドル、日本は2245億ドルと、大幅な売却を行った。今年1月、中国はさらに77億ドルを売却して、保有額は8594億ドルまで減り、2009年5月以降の最低を更新した。

 人民元の国際化は急速に推進されており、人民元はより安定した、公平で、多様な国際通貨システムの構築に向けて独自の力で貢献している。この先の道のりはまだ長いが、ブレイクスルーのポイントはすでに近づいている。

NEWS3 データで見る中国の消費回復



 消費は、すでに長年にわたり中国の経済成長のメイン・エンジンとなってきた。各政策が実行に移され、効果を挙げるに伴い、消費は日に日に回復している。

 このほど、国家情報センターは「商業圏消費活発度」「地下鉄旅客輸送活発度」「景勝地消費活発度」「都市配送物流活発度」などの指数を発表した。これらは232の代表的な商業圏の人の流れの量、18都市における地下鉄の1日あたり旅客輸送量、2000余りの景勝地周辺の交通量、都市部の商品配送車両の運行量に基づいている。これによると、3月末時点で「商業圏消費活発度」と「雑貨小売活発度」の3月の1日平均指数はいずれも昨年12月の最低値と比べ大幅に回復した。今年第1四半期(1-3月)、「地下鉄旅客輸送活発度」と「生活サービス業消費活気指数」も前期比で大幅に上昇した。国家情報センタービッグデータ発展部の専門家は、これらの統計について、消費が回復・好転基調を示し、経済の活力が日増しに強まっていることを示していると指摘する。

NEWS4 上海モーターショー2023開幕 世界初公開が100車種以上



 「自動車業界の新時代を抱く」がテーマの第20回上海国際自動車工業博覧会(上海モーターショー2023)が18日、中国国家会展中心(上海)で開幕し、世界の1000社以上の企業が出展し、展示面積が36万平方メートルを超えた。

 来場者の話によれば、今年の上海モーターショーはここ数年で最も新しさに満ちたモーターショーとなり、世界で初めて公開される新車が100車種以上あり、ニュース発表会も100回以上行われ、心ゆくまで楽しめるイベントになっているという。

 今回は新エネルギー自動車も大きな注目点になっている。会場を眺めると、蔚来、理想、哪吒、嵐図、Arcfox(極狐)、零跑、高合(HiPhi)、欧拉などの新エネルギー車ブランドの展示ブースには各種の新エネ車がずらりと並び、新技術を打ち出して、多くの来場者の注目を集めていた。

 新車の発表だけでなく、今回は新ブランド傘下の新車種も複数見ることができる。比亜迪(BYD)の高級車ブランド「仰望」は初めて独立したブランドとしてモーターショーに参加し、100万元(1元は約19.5円)クラスのタフな新エネルギー・オフロード車「仰望U8」、同じく100万元クラスのバッテリー電気自動車(BEV)タイプのスーパーカー「仰望U9」をお披露目した。ハイエンドのBクラスBEV性能SUVの「宋L」は、前衛、スポーツ、科学技術を開発の理念とし、ファッションとスポーツ性能を追求する若いユーザーをターゲットにしている。比亜迪の「海鴎」や「海豹」などのBEVも世界最新の技術を搭載して華々しく登場した。

NEWS5 世界で最も複雑な部品2500万点の中国の国産大型クルーズ船が引き渡しへ



 中国船舶集団有限公司(CSSC)とフランスの海運・コンテナ輸送会社のCMA-CGMはこのほど、北京で協力合意に調印した。合意の内容には、2つの型式の大型コンテナ船計16隻の建造が含まれ、金額は210億元以上(1元は約19.3円)に達し、中国造船業のコンテナ船をめぐる1回の調印での金額として過去最高を記録し、勢いのある中国の造船業にさらにエネルギーを付与することになった。実際、今年1-2月には中国の新造船受注量の世界市場シェアが62.8%に達している。市場シェアが拡大し続けると同時に、製品構造の最適化を通じて、高水準の技術を多く含む船舶が中国の造船業の質の高い発展の新たな注目点になった。

 現在、長江の河口では、中国初の大型クルーズ船が引き渡し前の調整テストの段階に入っている。大型クルーズ船は設計・建造の難度が非常に高いことから、大型LNG(液化天然ガス)運搬船や空母とともに造船工業の「王冠の最も輝きを放つ宝石」などと称えられ、これまで中国人が手にしていない最後の宝石となっていた。現在、この大型船は引き渡し前の調整テストの最後のプロセスを踏んでいるところだ。

 大型クルーズ船はよく海上を移動する都市に例えられる。大海原を航海するには、風や波の試練を乗り越えなければならず、水供給、電力供給、汚物処理といった基本的な問題も自力で解決しなければならない。限られた空間でこのような様々な機能を実現するのがどれほど難しいか、考えればよくわかる。またクルーズ船は一国の設備建造能力と総合的科学技術水準を直接的に示すものでもある。

 目下、世界で最も複雑な構造を持つ単体の電気機械製品としてのこのクルーズ船は、全長323.6メートル、高さは70メートルで24階建てのビルに相当し、最大で約6500人を収容できる。このクルーズ船は、部品数が2500万点にも達し、大型旅客機C919の5倍、高速列車「復興号」の13倍に相当する。使用されるワイヤーケーブルは4300キロメートル以上あり、上海から拉薩(ラサ)までの距離にほぼ相当する。

 現時点で、大型クルーズ船は中国の造船工業がただ一つ完成させていないハイテク・高付加価値の船舶製品だ。国際標準に完全に適合した大型クルーズ船を建造できるということは、中国の造船技術の新たな飛躍を意味する。中国はこれからドイツ、フランス、イタリア、フィンランドに続いて、世界で5番目に大型クルーズ船の建造能力を有する国になる。

NEWS6 中国の農村で大ブームとなっている「村BA」



 今月12日、寧夏回族自治区固原市彭陽県の体育館で、選手のスリーポイントシュートが決まるたびに、大歓声が起こっていた。開催されたのは、寧夏第6回農民バスケットボールチャンピオン決定戦の決勝で、多くの地元の人たちが朝早くから体育館に来て、好きなチームを応援するために長蛇の列を作っていた。

 「地元感」満載で、親しみやすい農村のバスケットボール大会は、ソーシャルメディアなどを通じて瞬く間に拡散し、米国のNBAや中国のプロバスケットボールリーグ・CBAにちなんで、ネットユーザーの間で「村BA」と呼ばれて大人気となっている。

 近年、寧夏回族自治区のほか、甘粛省や河南省、貴州省、広東省などの農村でもバスケットボール大会が開催されており、「村BA」はすでに国民的なスポーツ大会へと発展している。寧夏回族自治区の第6回農民バスケットボールチャンピオン決定戦だけでも、191郷・鎮から1万4000人以上が出場した。

 実際のところ、広く普及し、楽しく遊べるため、バスケットボールは中国の農村でこれまでずっと人気のスポーツだった。そして、農村におけるスポーツ施設の建設や整備が進むにつれて、バスケットボールを含むスポーツがさらに多くの人の生活に溶け込むようになっている。寧夏回族自治区西吉県バスケットボール協会の単明成会長は、「以前、地元の人々は土のコートでバスケットボールをしていた。試合が終わると、選手は泥だらけになっていた。でも今は、たくさんのスポーツ施設が建設され、屋内バスケットボール施設が2ヶ所ある学校もある。週末になると、たくさんの人がバスケットボールをしに体育館にやって来る」と説明する。

 「2022年全国スポーツ施設統計調査データ」によると、同年末の時点で、中国のスポーツ施設の面積は37億200万平方メートルに達している。そのうち、村民委員会が設置したスポーツ施設の敷地面積は7億7100万平方メートルに達している。こうした施設の整備が進むにつれて、中国の農村の人々は、スポーツ大会に参加するさらに多くの機会やプラットフォームを切望するようになっている。

 さらに、ソーシャルメディアで「村BA」の話題が瞬く間に拡散され、その人気に拍車をかけている。例えば、微博(ウェイボー)の「貴州省の村BA決勝戦」の話題は閲覧数が9000万以上に達し、昨年開催された寧夏回族自治区第5回農民バスケットボールチャンピオン決定戦のライブ配信の視聴者数は延べ107万人を超えた。

 また、農村のスポーツ大会である「村BA」は、開催地の文化・観光、特産品PRなどをバックアップしていることも注目に値する。

NEWS7 重慶図書館初の「列車図書室」オープン


列車図書室で、書籍の整理作業の仕上げを行う、中国鉄路成都局重慶旅客輸送区間と重慶図書館のボランティア


 重慶図書館にとって初めてとなる「列車図書室」が4月13日、中国鉄路成都局集団有限公司重慶旅客輸送区間の鈍行列車5610号の3号車に設けられ、重慶と湖南省懐化を結ぶ渝懐鉄道を走行する列車に新しいタイプの読書スペースが誕生した。人民網が伝えた。

 この列車図書室には、人文・歴史・観光・科学技術など各ジャンルの書籍1千冊あまりが所蔵されている。また、乗客に中高生が多いことから、彼らに適した古典名著や科学普及関連書籍も多数用意され、オープンラックスタイルで無料開放されている。重慶図書館は、乗客の好みに合わせ、蔵書を定期的に更新・補充するほか、電子書籍・オーディオブック・ビデオなど様々な視聴覚資料をオンラインで無料提供し、読者の多様な読書ニーズに対応していくという。

NEWS8 「すずめの戸締まり」の中国での興行収入が「君の名は。」超えて日本アニメ作品で歴代最高に



 日本のアニメーション映画「すずめの戸締まり」の中国における興行収入が今月4日、累計5億7500万元(1元は約19.4円)を超え、同じく新海誠監督作品であるアニメ映画「君の名は。」を上回り、中国で公開された日本のアニメーション映画の興行収入歴代最高記録を塗り替えた。この件を報じた記事掲載時点で、その興行収入はすでに7億元を突破している。

 中国でこれまでに公開された日本のアニメーション映画の歴代興行収入トップ5は、上から順に「すずめの戸締まり」、「君の名は。」、「STAND BY ME ドラえもん」、「千と千尋の神隠し」、「天気の子」となっている。そのうち、「すずめの戸締まり」と「君の名は。」、「天気の子」はいずれも新海誠監督の作品だ。

 「すずめの戸締まり」は、17歳の女子高校生・岩戸鈴芽が「閉じ師」の宗像草太と出会うストーリー。2人は日本各地にある災いの元となる「扉」を探して閉め、要石で封印していた日本列島の下をうごめくミミズの暴走を防ぐべく、冒険に出る。「すずめの戸締まり」は、新海誠監督らしい作風となっており、繊細な情景描写が美しく、独特の雰囲気が漂っている。これは新海監督作品の特徴の一つでもある。どのシーンもスマホやPCの待ち受け画像(壁紙)に適しているほどのクオリティのため、中国において新海監督は「壁紙系」監督と呼ばれている。映画に登場する電車や線路、海、空なども、お馴染みのシーンとなっている。

NEWS9 競争?寝そべり?「45度」で生きる中国の若者

 しばらく前から、中国の若者の間で、「内巻(閉鎖的な環境で内部の激しい競争に巻き込まれる状況)」と、そのような社会を拒絶する「寝そべり現象(何もせずに、抵抗しようとしない状態)」という、2つの異なる生き方を示した言葉が流行してきた。最近は、「激しい競争にも追いつけず、寝そべってもすっきりしない」というのが新たな流行語となっている。そして、「45度青年」という言葉も徐々にネットユーザーの視野に入ってきており、多くの人が共感を覚えている。北京日報が報じた。

 「45度青年」とは、端的に言うと、現実の生活において「競争に完全に巻き込まれることも、完全に寝そべることもなく」、45度の姿勢を保つことを指している。0度が完全に「寝そべり」することを指すならば、90度は「激しい競争に巻き込まれる」ことを指し、45度の姿勢は、ストイックに競争に参加することもなければ、完全にだらけてしまうこともなく、一定のバランスをとった状態で生きていくというもう一つの生き方の選択肢を提供して初めて、若者たちは素晴らしいパフォーマンスを見せ、成長し続けられるのだ。

 このように、口では「寝そべっている」とは言っているものの、実際の生活の中では、しっかりと競争に立ち向かっており、実際のところ、心の中では「人並み」の暮らしに甘んじたくはないと考える人は多い。そして競争から一歩先んじたいと強く願っているものの、強いストレスやあまりにも熾烈な競争に耐えることもできず、2つの両極端の間を行ったり来たりしている状態だ。「45度青年」という言葉は、自嘲気味ではあるものの、そこには多くの人が抱える強烈なジレンマと無力さが詰まっている。

 「45度の人生」という流行語は、社会心理をかなり反映していると言えるだろう。ハイスピードでまわっている現代社会では、慌ただしい生活リズムに、不確定要素の多さなどのほか、学業や就職、結婚、出産、高齢の親の世話といった様々なプレッシャーがのしかかり、競争に巻き込まれても、勝ち上がる能力はなく、かといって未練もあるため、「寝そべる」ことに甘んじることができない人が多いのだ。特に、今の若者は自分の価値を非常に重視しているにもかかわらず、理想と現実の差に直面して、自分に自信を無くしてしまうことも避けがたい。それでも、「45度」という言葉から、これらの若者には上を目指す熱意と積極性がまだいくらか残っていることも見て取れる。ただ、「内巻」と「寝そべり」の間を行き来しているほとんどの人は、そのどちらかに留まることも望んでいないが、「そうしたいからやっている」のではなく、往々にして「一方ができないからそうするしかない」というのが現実だ。そして、そうしているうちに「精神的エネルギーロス」になってしまい、疲れ果てて、決断力も失いがちだ。

 この先どうなるか分からない世界において出口を模索するというのは、どの時代の人も避けることができない道だ。中国には人は20歳で成人し、30歳にして「立ち」、40歳にして「惑わず」という言葉がある。どの世代の人にも、責任があり、それぞれにプレッシャーがあるものだ。

 ただいつの時代であっても、最もエネルギッシュで、最も活力にあふれているのは若者だ。夢を持ち続け、それに向かう熱意を保つためのさらに大きな舞台やチャレンジできる機会を提供し、さらに大きな声援を送り、現実的なサポートを提供することで、若者たちには素晴らしいパフォーマンスを披露し、成長し続けてほしいものだ。

NEWS10 エサを食べるパンダの「萌蘭」のライブ配信スタート 可愛い食べ方が人気の的に


4月17日に撮影されたエサを食べるパンダの「萌蘭」。


 北京市西城区西直門外大街にある北京動物園のパンダ館で暮らすジャイアントパンダの「萌蘭(モンラン)」は、「萌萌(モンモン)」の3番目の子供。可愛らしい見た目ながら脱走を企てるといったやんちゃぶりにネットユーザーからは「西直門の三太子(3番目の王子)」と呼ばれている。中国新聞網が伝えた。


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