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効果的な面接スキルについて

 前回に次いで、今回も採用問題、中でも効果的な採用面接の仕方を取り上げましょう。職業人は誰でも面接を受けた経験があります。面接の場面を思い出してください。就職先には応募に関する過去の学歴、勤務歴などが記載された履歴書を送ります。書類選考することもありますがほとんどの企業では応募書類を受け取ったら面接を行います。
面接は単なる会話ではありません。
 面接官はこの応募書類に基づいて面接します。
面接を通じてその人の適性や職務遂行能力を見極めるのです。
 従って応募書類に書かれている内容を確認する質問ばかりしていては評価するための情報を入手することはできません。応募書類を見て書かれていることにヒントを得て書かれていない個人の潜在能力を引き出す質問をいかに出せるかがポイントです。図にあるように人のパーソナリティは内面に行けば行くほど
 



 質問には「効果的な質問」と「効果的でない質問」があります。
 質問次第で、相手から引き出せる答えや考え方の質や内容が変わってくる。
 この「効果的な質問」を投げかけることのできる力が「質問力」外面に表れにくくなります。また変えにくくなります。性格は3歳ぐらいまでに形成されると言われますし気質に至っては親から受け継いだもので殆ど遺伝子の世界の話です。ちなみに性格に関しては適性検査をするなどして可視化することは可能です。
採用面接に効果的な質問と効果的でない質問
① 拡大質問→オープンクエスチョンともいわれ、相手が自由に答えられるような質問です。答えが複数ありますし結論だけでなく理由や背景の説明も加わります。相手の心の中にあるものを引き出すのに効果があります。個人の潜在能力を引き出すという面接の目的に最もふさわしい質問方法でもあります。面接官は1割ぐらい話し(質問し)、9割は応募者が話すのが理想形と言われています。
◇質問例:
 「あなたの趣味は何ですか」「あなたが当社を志望した理由をもう少し詳しく話してください」「あなたの父親を尊敬するに至った経緯をもっと詳しくご紹介していただけますか?」

◆限定質問
 面接にふさわしくない質問に限定質問があります。→クローズドクエスチョンともいわれ、Yesか Noで答えられる質問や、答えが1つしかないなどの質問です。
 この質問手法では応募者の内面に深く入ることができません。面接官は聞く耳を持つことが大切です。この質問方法だと面接官は9割くらい話すことになり。得られる情報は少ないと思われます。
◇質問例:
 「あなたの趣味は旅行ですね」「当社を志望した理由は将来性があるからですね」「あなたの尊敬する人は父親ですね」「あなたの採用が決まったら奥さんが喜びますね」

②肯定質問
→否定形の言葉を含まない質問です。
「それはどうしたらできると思ますか?」など応募者の意欲を高めるのに効果的な質問です。
「当社に入社したらいつからできると思う?」と聞かれれば、「○○からやります」ということになり、「○○からやります」と相手が答えます。応募者にとっては「自己宣言」したこととなり前向きの気持ちになります。
◆否定質問
 面接にふさわしくない否定質問→否定形の言葉を含んだ質問です。
◇質問例:
 「どうしてできないのですか」「なぜ、今の会社でなぜ達成できないのですか?」という“なぜ+否定形”の質問は、応募者を萎縮させます。「どうしてうまくいかないのですか?」「その問題が解決しないと前に進まないのですね?」

③ 未来質問→未来に向かって、前向きに行動することを促します。
◇質問例:
 「どんな条件があれば入社後それが実現できますか?」こう聞かれれば、その「条件」について考えます。過去のことではなくでは、未来に向かって当社で「何かがあればできる」と考え、その「何か」を考えさせます。
 「これからどうしていきたい?」「それをやるにはどうしたらいい?」「今後当社でうまくやるにはどうしたらいい?」
◆過去質問→
 この過去質問も面接にふさわしくありません。
 「なぜ、できなかったの」こう聞かれれば、その理由を考えます。
 人間は弱いものです、「できなかった」ことについて、自分の責任ではないと主張します。
 「なぜ、できなかったの」と聞かれれば、一生懸命に「言い訳」を考えます。「なぜ(Why)」は、追求の質問になることがあり相手を追い詰めてしまいます。「これまでは、どうしてきたの?」どうしてそれをやらなかったの?」「なぜうまくできなかったの?」


人事労務の仕事で採用ほど難しい仕事はない

人生の三つの重要な選択とは?
 人生には三つの重要な選択があると言われています。その第一は学校と専攻の選択です。誰でも自分は理科系に向いているのか、文科系なのか考えたり悩んだりした経験があるはずです。第二は仕事と就職先の選択です。学んだことを活かせる仕事は何か、自分の性格に向いている仕事は何かを真剣に考えたはずです。第三はよき伴侶の選択です。
 これがすべて思い通りになれば人生の大部分は成功したと言えるでしょう。ところがおもいどおりに行かないのも人生です。

就職には必ず面接がある
 さて、学校を出てから社会に出るために必ず通過しなければならない関門は就職試験です。ご承知の通り、就職試験には筆記試験と面接試験があります。就職先によって両方実施する場合と片方だけの場合があります。学校は面接試験なしに筆記試験だけで合否が決定されますが就職試験では必ず面接試験があり合否が決定されると考えてよいでしょう。面接試験を受けたときに質問してほしいことを質問してもらえなかったり雑談程度の面接で就職が決まってしまったという方もいるかもしれません。

有能な人材を採用したいのに現実は?
 一方、今度は採用する側の立場で考えてみましょう。採用する側の人たちはできるだけ能力の高い人を採用したいと考えているはずです。優秀でない人を採用したいと考えている人は誰もいません。
 ところが現実は採用したけれど能力が低いと判断される人、その仕事に向いていないと判断される人が非常に多いのです。中には事件を起こす人すら面接試験でパスさせてしまったケースすらあります。いい人材を得ようと必死なっているのに現実は逆行しているのはなぜなのでしょうか。

その原因と対策は?
 原因はいくつか考えられますが、基本的に人の適性や能力を洞察するのは極めて難しいことだということです。ところが採用は難しくないと誤解していることが多いのです。
 私自身も採用で多くの失敗をしました。人事労務の仕事で採用ほど難しい仕事はないことを実感しています。採用面接には高度な面接スキルが必要です。ところが面接スキルを持たない人が面接をすることが多いのです。また、面接に要する時間も15分程度で終わっています。少なくとも三回以上の面接と1回1時間以上の面談が必要です。
 面接官も三人以上の異なった視点での判断が必要です。これだけの対応策を講じても十分だと言えません。慎重にも慎重を重ねた採用をおこなうようお勧めします。
 「迷ったら採用するな」が採用活動の鉄則です。
 また、採用は人事労務問題の先制防止策でもあります。というのも組織内で発生するろう問題の大半は採用に起因することが多いことを私たちはコンサルティング活動を通じて体験しているからです。
 採用スキルは次回に解説したいと思います。


報連相コーチングについて

1.あなたの組織は真報連相機能不全症に陥っていませんか?
• あなたの組織にこのような症状があれば「報連相機能不全症」に陥っている可能性があります!
• 症状例:
– 会社の方針や指示が第一線の現場に伝わらない
– お客様の意見やクレームが経営者に聞こえてこない
– 経営にとってのマイナス情報が経営者の耳に入るのが遅い
– 現場で起こったことが正直に報告されない
– 部門間がぎくしゃくしトラブルが多発している
– 正直に情報を上げたら上司から叱られた
– 同じ室内にいてもメールで連絡し合っている
– 組織の中にコミュニケーションをよくするための方針や決まりがない
– 組織内では本音の会話ができない
– 指示命令を出しても実践されているかどうかの確認がない
• 報連相機能不全症とは組織の血液ともいうべき活動に不可欠な情報が全体に行渡らず閉塞状態に陥っていることを言います。この現象は往々にして自覚症状がなく、気がついたときには取り返しのつかない重大事態になってしまっています。

2.報連相診断システムとは?
• なぜ診断が必要なのでしょうか?
•   組織の健康状態を把握するためです。
–   組織が健康を維持し健全に成長するためには、人と同じように健康診断を受ける必要があります。なぜなら、どのような組織でも業績達成機能と組織維持機能を備えているからです。組織が報連相機能不全症にかかると業績達成機能が低下し、やがては組織維持機能も弱体化して滅亡への道をたどるからです。この病は誰も気がつかないことが多く、たとえ気がついたとしても取り返しがつかない状態になっていることが多いのです。真報連相診断システムはこれらの病を早期に発見し、組織の健康状態を専門的に診断するシステムであり、組織の神経ともいうべき報連相に焦点を当てた診断システムなのです。
•   報連相機能不全の個所を把握し改善するためです。
–   組織の報連相に関する問題点を21の切り口で探索し問題点を特定します。組織運営の機能を以下の七項目、「経営幹部の真報連相」、「真報連相の方針管理」、「真報連相の相手方」、「真報連相の能力向上」、「真報連相の実践」、「真報連相システムの革新」、「真報連相の活動結果」の切り口でみて、さらに報告、連絡、相談の三つの視点からレベルを測定することによりきわめて正確な問題個所を発見して改善・改革を促します。
•   組織内外との円滑な真報連相を行うためです。
–   真報連相診断システムは(対象組織を)単に診断することが目的ではありません。組織の問題点を発見して分析し改善改革することにより活力をもたらし、結果として好業績を確保することにあります。そして、究極の目的は組織の永続的な発展に貢献することです。報連相やコミュニケーションというと組織内の事柄を連想しがちですが、(ますが)組織を取り巻くすべての利害関係者との報連相が特に大切です。営利企業であれば顧客との報連相は企業業績に直結しています。業績の低迷している企業では顧客との報連相を疎かにしていることが多いのです。

3.報連相コーチはどんな人?
  あくまで主役はクライアントです。
  第一には、クライアントに気づきを促すことです。クライアント自身が問題や課題に気づきを促すことです。
  第二に、クライアントがそれらを解決するための主体的な行動を自ら起こすことを支援することです。
  第三に、クライアントが成功体験を味わい、組織としての自信をつけることを目指す手助けを行います。
単なるコーチではありません
  真報連相コーチは単なるコーチではありません。あくまでも、真報連相向上活動を専門とするコーチです。真報連相に関して、他のどのコーチよりも豊かな知識と経験が必要です。また、真報連相コーチングと真報連相診断システムを実践的に使いこなせることが重要です。
変化を起せる人です。
  報連相機能不全症は自組織に問題があることの自覚症状がないのです。だから、真報連相診断で客観的に病状を把握することが不可欠なのです。長い間に組織の隅々にまで染みわたった報連相の機能を不全にしている悪習慣を取り除く必要があります。この活動には相当なエネルギーを必要とします。組織の中に抵抗勢力がいます。今まで通りやることが楽なのです。変化に対する抵抗はとりわけ、真報連相向上活動の初期段階で顕著に表れるでしょう。真報連相コーチは伝道師になって根気よく、真報連相の向上に使命感を持って取り組まなければなりません。
ラポールを築ける人です。
  ラポールとはカウンセラーとクライアントの間に相互の信頼関係が生じることを言います。組織の人間関係にも全く同じことが当てはまります。ラポールがなければ報連相はうまく機能しません。現代の日本の組織社会で何が最も大切であり必要なことかといえば上司や同僚との「ラポールを築くこと」だと言っても言い過ぎではないと思います。
転ばぬ先の杖となれる人です。
  真報連相コーチの役割はクライアントが報連相で困っていることを解決する役割ではありません。あくまでもクライアントが主体的に解決するためのヒントを情報として提供することです。クライアントが解答を求めてきても、「それに関してあなたはどう考えるのですか」と逆質問をしてクライアント自身が考えるようにリードしてゆきます。クライアントが気づかずに間違った方向に進もうとしているときにはさりげなく助け船を出します。


人事労務事業の最新のトレンド

 今日は現場で最近強く感じる人事労務の変化を報告します。

 その第一は人手不足が日に日に深刻になっていることです。ある企業の経営者に会った時にこんな内輪話を聞きました。その人の話によると「ここ2、3年前までは100人採用しようとすれば1000人の応募者がいた。ところが最近になって10人採用するのに3か月もかかるようになった。どうすればこれまでのように採用がうまくできるのでしょうか?」こんな嘆きが聞こえてきました。
 中国の華東地域、とりわけ上海周辺ではますます人材不足が激しくなってきています。私はこの地域の人材不足はますます進行するものと予想しています。中国においては沿海州と内陸部の経済格差が長年問題となってきましたが、昨今その解決策として内陸部の開発が活発になりました。あたらしく企業が誘致されるようになりました。その結果内陸部の雇用機会が一気に拡大しました。内陸部の人たちにとってはこれまでのように沿海州への出稼ぎに行く必要性はなくなりました。給与面では都市部の方が圧倒的に高いのも事実ですが故郷を離れると生活費が相当かかります。それなら、収入は少なくても自宅から通勤できれば家族とも同居でき生活が安定します。多くの方々はそんなわけで沿海州の企業で働く必要性がなくなりつつあるのです。
 地元で雇用機会が拡大していることは少なくとも内陸の人たちには有力な選択肢の一つになっていることは明らかです。
 二番目の現場最新情報ですが、この人手不足がさらに人件費の高騰に拍車をかけることになりました。かつてのように中国は安価な労働力が豊富にあるというのは過去のものになりました。世界の工場として安価な労働力で大量の生産物が輸出されました。貿易摩擦も引き起こされました。貿易摩擦に関しては、しばらくは続くと思われますが、しかしこれからは沈静化するでしょう。安価な労働力を当てにして企業進出しても成功する保証は何もありません。中国に進出しようと考えている経営者の皆さんは、今後は中国に対する見方を根本的に改めてビジネスモデルを構築する必要がありそうです。
 三番目にこれまでの中国では人事管理より労務管理が中心でした。つまり労働者の集団管理が圧倒的に強かったのですがここにきて急激に人事管理へと流れが変わりました。大量に採用して大量に離職させることの繰り返しでした。そこにきめ細やかさや人間性を尊重する概念が全くありませんでした。これからは人事管理の本来の姿である社員の個々人の違いを尊重する人事管理の時代を迎えることになります。

 私どもの正銘はそんな時代の到来を感じとり企業に寄り添うコンサルティング活動を積極的に展開してまいります。


正銘メソッドについて

 今回は当社の人事労務事業のコンサルティングサービスについて紹介させていただきます。
 当社はこのサービス方式を「正銘メソッド」と名付けています。
 皆様は正銘メソッドとはどんなサービスだとお考えでしょうか。
 一口に申しますと貴社の委託をうけて外部人事部として人事労務業務をすべて責任をもって担当することを意味しています。

■このメリットは次の点にあります。
 第一には貴社の人事労務部門が格段に強化されます。しかも、時間をかけずに貴社の人事労務業務に対する専門能力は飛躍的に向上します。
 第二に貴社の人事労務業務のマネジメントコストが削減できます。高度な問題解決能力とマネジメント能力を持ったスタッフを配置するだけで相当な費用が掛かりますし運営コストがさらに追加されます。正銘メソッドを導入することにより相対的な低コストが実現できます。
 第三に貴社の事業発展を支援する包括的な人事労務業務を推進することができます。採用業務、人事管理業務、人事企画業務、人財育成業務を貴社のニーズに応じて計画的に実践してまいります。

■どのような企業に向いているのでしょうか
正銘メソッドは以下のような企業に最適です。

第一は事業を開始したばかりの企業です。
 本業の立ち上げに忙殺され人事労務行にまで目が行き届かないことがあります。また採用されたばかりの社員は会社の風土に慣れていません。早期に戦力化の必要があります。

第二は小規模企業です。
 人事労務事業の専門部署を作るだけの余裕のない企業です。人事労務の事務処理業務はできるが業績を確保できるような人事労務政策を推進する専門家を置く余裕のない企業です。

第三は経営陣は本業の経営には自信があるが人事労務業務には自信が無い企業に最適です。

■正銘メソッドの運営の仕組みとステップ
■正銘メソッドの仕組みは以下の通りです


 ①貴社と正銘が協働し組織によるマネジメント(PDCA)サイクルを回すことことが主要な業務になります。
 ②正銘メソッドの運営責任は正銘が持ちます。運営に関連する方向性や情報は貴社と綿密なコミュニケーションを交わし確立します。
 ③この正銘メソッドの根底には貴社と正銘がウインウインの関係を構築することが不可欠です。

■正銘メソッドのステップ
 正銘メソッドは以下のサイクルを貴社と協働して回します。

 第一ステップ(計画)
 前月度を反省し今月度の業務計画(案)を作成します。
 業務計画は貴社の関係者にヒヤリングし正銘が作成します。

 第二ステップ(承認)
 業務計画を貴社に提案し承認を受けます。
 貴社の事業計画と連動させることが絶対条件だからです。正銘が独断専行することは絶対にありません。

 第三ステップ(実施)
 業務計画を貴社とともに協働し実行します。
 毎週もしくは旬間で実行状況を関係者に報連相し指導、助言、承認を受けます。

 第四ステップ(評価)
 活動結果を評価し月度業務報告書にまとめます。
 客観的に結果を測定し把握するとともに次回以降の反省材料を得ます。

 第五ステップ(改善)
 結果の原因追及を行い次回への改善を行います。

 このようなマネジメントサイクルを毎月貴社とともに回すことにより健全な人事労務管理を貴社に根付かせます。


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