キャリアプログラムについて

 春節が過ぎてあっという間に三月を迎えました。いよいよ間もなく春本番を迎えます。
春は芽吹きの季節です。すべての物が動き始め伸びる季節でもあります。ビジネス社会では人事異動の季節を迎えます。
 今回は人財育成の大切な施策であるキャリアプログラムについて考えてみたいと思います。キャリアというとこれまで積んできた職歴という過去形のイメージが強いのですが、本来は成功の連続を意味する未来志向概念です。これから将来に向けてどのような職務を経験して自己成長させてゆくのか計画することをキャリアプログラムと言います。そのためには自己の職務適性を正確に把握する必要があります。これをキャリアアセスメントと言います。人間は管理職向きの人と専門職向きの人とに大別されます。自分がどんなタイプなのか客観的に把握することがとても重要でタイプに沿った自己の成長計画を持つことが成功への近道になります。
 キャリアプログラムを専門的に定義すると以下のようになります。
 「企業目標と個人目標を統合させ、長期的視点で経験教育と知識教育をバランスさせる人材開発プログラムである」
 経験教育とは人事異動を通じていろいろな職場を体験し学習することを言います。知識教育というのは経験する職務の遂行能力を高める知識を習得することを言います。どちらか一方でなく両方を個々人の成長段階にマッチさせることがカギとなります。能力の蓄積にはどんな順序で経験しそれに合わせてどんな知識を習得するのか学習の原則があるからです。
1. キャリアプログラムの意義について
キャリアプログラムには意義が三点あります。
① 長期的な人材育成プログラムである。
会社の長期ビジョンと連動させ、5年から10年の開発期間を設定する。
② 総合的な人材育成プログラムである。
OJT(職場内教育)プログラム、OFFJT(職場外研修)プログラム、自己啓発プログラムを体系化して個別に運用するのではなくトータルで推進する。
③ 統合的な人財開発プログラムである。
前述したように経験教育と知識教育をバランスさせ相互に補完関係を確立して学習効果を最大限発揮させる。
2. キャリアプログラム導入の目的について
① 自分で考えた成長目標とキャリアプログラムを連動させる。
② 若手育成や40代のマンネリ化した社員の再点火をねらったポジティブなジョブローテーションを制度化する。
③ 上司のコーチングで部下に考えさせる能力、問題解決能力を醸成する。

3. キャリアプログラム導入のメリット
① 社員に個人的な計画を作る機会を提供することで能動的なキャリア管理を行える
② 社員に対して長所と短所と能力開発ニーズを提供することで自己啓発を刺激することができる。
③ 組織内外のキャリアの選択に関してキャリアパスを形成するための自己啓発情報を提供することができる。
④ その結果人材活性化された組織風土を形成することができる。

4. キャリアプログラムのフレームワーク
① キャリアコース
上司やキャリアカウンセラーとの対話を経て下記のキャリアアンカーからコースを選択する。ただし一度選択したコースは永久のものでなく定期的に見直す。
五つのキャリアアンカー
 スペシャリストコース(技術職)
 ゼネラリストコース(管理職)
 プロフェショナルコース(専門職)
 ベンチャーコース(起業職)
 ローカルコース(地域職)
② キャリアパターン
•  キャリアフィールドごとにどの職務(職位)からどの職務(職位)に異動もしくは昇進できるのかの経路を明確にする。
 職務(職位)のタイプ、数、職務間の関連性
 同種職務内の上位レベルに進む場合、同一キャリアフィールド間の多種職 
務に移る場合にそれぞれ必要とされる経験と知識教育の内容とレベル
 キャリアカウンセリングで業績の評価、長期と短期の2つキャリア目標を設定する。
 個別訓練スケジュール、育成のための業務割り当てスケジュールを決定する
 キャリアレベルに応じた教育体系を明示する

③ クリティカルパス
 クリティカルパスとは長期ゴールに到達するために欠かすことのできない職務もしくは職位経験。
 クリティカルパスはあらかじめキャリア開発センターで設定したものを社員に公開する。
 どのキャリアコースにも必ず1か所以上設定する。

④ キャリアサイクル
 ローテーションサイクルは特に決まったものはない。
 標準的には2年から3年とされている。
 個人ごとに学習力に差があり、経験法則で決められている
 若い世代ほどキャリアサイクルは早く年次が高くなるにつれてサイクルが遅くなっている

• 5.まとめ
•  キャリアプログラムの構築と運用は人事管理スキルの中でも最高度に難しいスキルである。しかしながら、長期的視点から人材育成すには避けて通れないスキルであるともいえる。ぜひ検討されることを進めたい。


春節明けに事業活動が本格稼働その②

 2019年の春節も明けました。中国全土で四億人ともいわれる大移動が大都市に向かって始まっています。帰省した人たちがUターンしてきて上海も再び活気を取り戻しています。故郷で心身ともにリフレッシュした人々の表情は仕事への意欲にあふれています。
 実は私もその一人です。故郷の山西省太原市で両親と春節を祝いました。ところで私は帰省中にとても感銘を受けた出来事と出会いました。
 それは、なんとかつて日本留学時代に知り合った旧知の中国人の友人と連絡がとれたのです。その方とは東京のレストランでアルバイトをしていた時に知り合いました。20年以上前の話ですがとても頑張り屋さんでしたので私の心から離れることは一度もありませんでした。その方を仮にAさんとしましょう。人は誰でも仕事をはなれた緩やかな環境に身を置くとこれまでの懐かしい日々の思い出が甦ります。
 「Aさんは今どうしているのだろうか」とふと私の頭をよぎりましたのが今回の再交流のきっかけでした。WECHATで連絡を取り合ったのですが、なんとAさんは今アメリカのニューヨークで幸せな生活を送っているとのことでした。
 日本にいるときは朝から夕方までは工場で汗にまみれて働き、夜はレストランでアルバイトする一日14時間も労働する過酷な日々でした。また、一間に三人も入居するアパートで切り詰めた生活をしていました。
 実はこれには深い訳(わけ)があったのです。Aさんは、自分は学歴がなく異国での厳しい逆境と戦いながら苦しい思いを募らせていましたので、一人娘にはアメリカの大学の医学部に進学させて医者にすることが人生の目標だったのです。そして、かれはその目標を達成するために生活のすべてを「娘を医者にする」との一点に集中させました。
 なんと、Aさんは目標を見事に成就させていました。娘さんはアメリカで医師の資格を取得しニューヨークの病院に勤務、結婚もして幸せな家族を築いているとのことでした。Aさんの話を伺って、日本時代の想像を絶するばかりの苦労を知っているだけに、私は打ちふるえるばかりの喜びに心が揺さぶられました。
 Aさんから目標をもって生きることの大切さを思い知らされました。これほど飽くなき目標達成行動を実践して成功した人をAさんの他に私は知りません。まさに「素晴らしい!」の一語につきます。
『成功とは目標を設定して達成するプロセスを繰り返し続けること!』
 これはSMIという自らのセールスマンの体験を教育プログラムとして開発し事業化して実業家としても成功したアメリカ人のポール・J・マイヤーの言葉です。マイヤーは成功とは単に経済的豊かさを獲得することではなく目標を達成するプロセスに成功の秘訣があり、成果はあくまでも結果でしかないと提唱しています。
 今年の春節はAさんが私に何よりも大切な「目標を持って生きる」というプレゼントをしてくれました。この一年、否(いな)、これからもずーっと私の座右(ざう)の銘(めい)として心の灯(ひ)を点(とも)し続けたいと思います。
 Aさんに勇気と元気をもらい、今年の残された二つのエンジンを前回の第一エンジンマーケティング革新、第二エンジンのマネジメント革新に続き述べたいと思います。

第三エンジン:サービス革新
2019年度はすべての顧客に「正銘サービス五つのお約束」を実践します。
以前にご紹介した通り「正銘サービス五つのお約束」とは以下の通りです。前回より詳細にご紹介させていただきます。
◆正銘サービス五つのお約束
①制度が軌道に乗るまで責任を持ちます。
 制度は作ることが目的ではありません。制度改革は作りっぱなしで終わることはあせん。軌道に乗るまで面倒を見ます。
 このサービスの実践を決意したのは多くの企業で多大な労力と資金を投入しながら新制度を作成しても導入できない場合と導入しても定着させられない場合との二つのケースがあります。私たち正銘はその理由を明確に把握しています。必ず軌道に乗せるまで支援し続けます。

②貴社の発展に貢献する制度を導入します。
 新制度が機能して貴社の発展に貢献して初めて意味を持ちます。貴社の発展に貢献しないものはすべて排除します。
 私たち正銘の人事労務事業の存在意義はお客様の事業の発展に貢献することだと認識しています。制度がいくら立派であっても企業の発展に貢献できなければ何の意味もありません。貴社の組織風土、管理職や社員の能力を把握しレベルにあった使いこなせる制度構築をします。

③貴社のどんな注文にも応える制度を導入します。
 正銘は基本的にお役立ち業です。お役にたってこそ存在意義があります。
痒いところに手が届くというのが正銘のサービス精神です。お客様のどんな無理難題と思われる要求や要望にも誠心誠意を尽くします。お客様のわがままと言われる要求にもこたえます。不可能を可能にするのが正銘のサービス精神の一つでもあります。

④貴社にのみ通用する制度を開発し導入します。
 貴社のためのフルオーダーメイドの制度を構築します。貴社の職場風土になじむオンリーワンの制度を構築するのが正銘の信念です。
 人事制度ほど汎用性の利かない仕組みはないと思います。それは一人ひとりの社員が唯一の人格の持ち主であるように法人である企業組織も組織風土という唯一の法人格を持っているからです。従って正銘は貴社の現状をきめ細やかに調査し貴社の組織と個人の能力を把握し最適な貴社にしか通用しない制度を設計し導入します。

⑤どんな問題にも逃げずに対応いたします。
 貴社内で発生する人事労務問題はすべて真正面から受け止め解決します。問題から逃げることは絶対にありません。
 貴社内で発生する問題に解決不可能な問題が発生すことが絶対にないというのが正銘の信念です。もちろん正銘が独断的に対処することはありません。貴社と正銘がしっかりと信頼関係を構築して協働して進めることが前提です。

第四エンジン:コンサルティングスキル革新
 正銘には大きく三つのコンサルティングスキルがあることはすでに紹介しました。
第一は組織診断スキル
 診断スキルにはさらに三種類のスキルがあります。一つ目はモラール診断、二つ目はマネジメント能力(リーダーシップ)診断、三つ目は報連相診断です。
 今年度は分析処理をシステム化を行い、少なくとも第一段階の簡易診断ではすべての診断プロセスを電子化します。これらはすべてアンケート方式による調査手法ですが一人ひとりの回答も電子入力できるシステムも開発準備を行います。
第二は問題解決スキル
 組織診断の結果判明した抱える問題を原因究明し解決するのが問題解決スキルです。このプロセスは医学のプロセスに似ています。
 問題解決スキルには二種類のスキルがあります。第一は人事制度設計スキルです。第二は組織開発スキルです。
 第一の人事制度設計スキルでは能力本位人事制度を設計します。具体的には社員等級制度(職能別等級基準、格付けガイドライン)、人事評価制度(職能別階層別能力評価基準、能力評価表・職能別階層別業績評価基準、業績評価表)、能力本位賃金制度(月例能力給与制度・賞与制度)を設計します。
 第二の組織開発スキルでは組織の三要素(ハードウエア・ソフトウエア・ヒューマンウエア)ごとに問題解決案を企画し提案します。解決案策定のポイントは診断結果を正確に把握することです。診断結果にマッチしない解決策は内容がいかに正確を得ていたとしても無意味です。このように正銘が提供するコンサルティングスキルは論理的で科学的な手法であると自負しています。
第三のスキルは経営品質診断スキルです。
 経営品質というと耳慣れない言葉でご存じでない方も多いと思います。
 経営品質とは良い結果を生む出す経営のプロセスを言います。1990年代のアメリカ再生のカギとなったマルコムボルドリッジ国家経営品質賞を起源としています。どんな企業でもいい結果を出すためにはいいプロセスを持たなければ絶対に実現しません。経営者は誰でも利益はのどから手が出るほど欲しいのですが利益を出すための仕組みには無関心です。経営品質診断では「人財の視点」「プロセスの視点」「顧客の視点」「財務の視点」から経営の有効性を検証します。正銘は経営人事という通常の人事管理から視野を広げて経営から見た人事管理を提唱していますので経営品質診断は不可欠なコンサルティングスキルなのです。
 2019年度の正銘のコンサルティングスキル革新の目標はこれらのスキルを正銘メソッドとして体系化することです。
 冒頭に引用させていただきました通り「目標を持って生きること」を法人である正銘と一人ひとりの社員の行動指針とすることで激動の時代を乗り切りたいと思っています。
 2019年が皆さんにとり輝かしい年でありますことを衷心より祈念します。


春節明けに事業活動が本格稼働その①

 2019年が明けてから一段と寒くなりいよいよ冬本番を迎えることとなりました。皆様その後お変わりありませんか。
 春節を前にして、この時期の上海ではどの交通機関のターミナルも背中にナップザック、右手に大きな旅行鞄、左手には土産の紙ケースを持って足早に乗り物に向かう帰省客でごった返しています。故郷へ帰るどの人の表情も家族と再会する喜び、仕事をやり遂げた喜び、幼馴染と久しぶりにバカ話に興じる喜びに眼が輝いています。これは、毎年大都会上海で繰り返される春節前の風物詩ともいえる光景です。
 中国では政治も経済も社会も一年のサイクルは太陽暦よりも春節で始まる旧暦のサイクルが今でもしっかりと根付いています。
 というわけで、2019年の本格稼働は春節明けの2月11日からになりそうです。正銘も春節明けから本格的な活動を始めます。
 前回のブログでは「年頭所感」を述べさせていただきました。今年度の正銘は「巡航飛行へと加速させる年」と位置づけ「四つのエンジン」で推進することも述べました。四つのエンジンをもう一度確認させていただきます。いずれも「革新」がテーマになっています。
第一エンジンンは「マーケティング革新」です。
第二エンジンは「マネジメント革新」です。
第三エンジンは「サービス革新」です。
第四エンジンは「コンサルティングスキル革新」です。
 今回のブログでは年頭所感をより具体的に述べたいと思います。

「マーケティング革新」について
 第一の革新は正銘のマーケティング活動エリアを革新します。
 これまでの正銘のコンサルティング活動の範囲を上海市とその近郊都市に加え内陸部の有力都市へと拡大します。中国における沿海州と内陸部の経済格差は指摘されてから久しいのですがこの経済格差を無くすために政府主導で内陸部の開発に取り組んでまいりましした。その結果、武漢をはじめ有力都市では著しい発展を遂げました。新しく開発された地域は日欧米をはじめとする有力企業が進出し有望事業機会が生み出されています。
 このまま発展を続ければ内陸部で沿海州と並ぶ経済圏が出現することになるでしょう。正銘はこれらを商機と捉え2019年度の営業活動を展開します。正銘のモットーはお客様に来てもらうのでなくお客様のところに出向くことです。今後もこのお客様に寄り添う姿勢を堅持し続けたいと思います。
 第二の革新は顧客ターゲットを中国国内企業に拡大します。正銘はここ数年労務管理から人事管理へと人事労務管理の革新を提唱してきました。これまでの中国国内企業や日系企業は労務管理が主流でした。つまり、集団管理が中心でしたので社員等級制度や人事評価制度を必要としませんでした。もちろん、人財育成制度もありませんでした。低コストの豊富な労働力が確保できたからです。しかし、今や時代が変わりました。沿海州などでは高コスト人材不足時代を迎えることになったのです。正銘がこれまで日系企業で培ってきた能力本位の人事管理制度を中国国内企業にも積極的に展開します。労働力を単に人手とした時代から人的資産とする時代へと変化したしたのです。
 第三の革新はお客様への情報提供の革新です。
 これまでは、お客様には正銘が公開セミナーを通じて単独で情報提供することが主流でした。2019年度からは友好企業との連携による情報提供の場を設定します。加えて一方的ないわゆるセミナー形式による情報提供でなくワークショップ的な情報提供、懇談会風の対話型の情報提供の場も作りたいと考えています。

「マネジメントの革新」について
 私はお客様の管理職や監督職の中堅幹部の皆さんにマネジメント能力向上の研修プログラムを担当しています。マネジメントについては人様よりは知識も経験も豊富にあると自認しています。しかしながら、実務面でマネジメントを行うことは言うほど生易しいものではないことをしみじみと感じるこの頃です。正銘の経営に携わってから7年経ちました。この間に最も苦労したのはマネジメントだと言っても言い過ぎではありません。前回も述べましたようにマネジメントの定義はいろいろありますが、私は「マネジメントとは部下が自ら心のエンジンを始動させて上司から指示されなくてもあるいは上司がいてもいなくても目標に向かって前向きに挑戦する職場環境を作りあげることである」と信じています。
 では実際にどうすれば部下が自立してこのような行動のできる職場にすることができるのでしょうか。私は「目標による管理」を置いてほかにないと思っています。2019年度のマネジメント革新はこの一点に集中したいと思います。
 目標による管理を導入する目的は次の三点です。


第一は全員参画による業績向上への取組みです。
 マズローの欲求5段階が示すように個人欲求には高度な欲求と原始的な欲求に分かれますが、私たちが注目しなければならないのは高度の欲求です。
 現在のような高度文明社会では「自尊欲求」や「自己実現」

の欲求が主流になります。その中身を見ますと右図にありますように「自己実現の欲求」では能力を発揮したい、自己啓発を続けたい、創造的でありたいという事ですし、「自尊の欲求」では認められたい、自信を持ちたい、独立したい、達成したいという内容になっています。何れも参画意識に関係する欲求内容です。
目標による管理では自ら自主的に目標を設定し、自主的に達成プロセスをコントロールします。人間の持つ究極の欲求を充足するマネジメントシステムであることが分かります。
第二点目は面談による上下の円滑なコミュニケーション
 目標による管理は面談に始まり、面談に終わるといっても過言ではありません。また、通常のコミュニケーションでは上司が一方的に話すことが多いのですが、目標面談では上司は聴くことに徹しなければなりません。
 上司と部下の業務上のコミュニケーションでは、普通95%以上を上司が話し、5%しか部下は話さないと言います。目標管理の面談では95%以上を部下に話させてください。目標面談のことを別名目標カウンセリングとも言います。本格的なカウンセリング場面ではカウンセラーはただひたすらクライアントの言葉を聴き続けます。カウンセラーはほとんどしゃべりません。クライアントが沈黙してもじっとつぎの発言を待ちます。
 目標面談でも上司はカウンセラーとほぼ同じような態度が求められます。また、部下が発言しやすい環境を作るのも上司の大切な役割です。

第三点目は目標達成行動による能力開発です。
 目標による管理では自主性が非常に重視されます。たとえば、目標設定も原則的には自主的に設定します。目標設定後の達成プロセスも自主コントロールが原則です。このような目標管理システムが目指す「組織の束縛」からの開放と言うすばらしい狙いを理想論と思われる人がいるかもしれません。そのような人は基本的に「人は成長を求めることが本性であること」を信じていないからです。
 人は誰でも押しつけられたことにはあまり責任を感じません。自ら決めたことに対してはそれが規則である場合は守ろうとしますし、目標である場合は達成しようとします。そして、より高い目標やより厳しいルールに挑戦する意欲が湧いてくるのです。スポーツ選手が暑くても寒くても記録の達成を目指して苛酷な練習にひたすら耐えられるのも自ら設定した目標だからです。そして、その目標に向かって、監督やコーチの厳しい要求や指導に耐え練習を重ねます。私たちのビジネスの場も全く同じことなのです。目標達成プロセスは自己を磨くプロセスでもあるのです。
 第三エンジン「サービス革新」と第四エンジンは「コンサルティングスキル革新」は次回に紹介させていただきます。


2019年「年頭所感」

「新年明けましておめでとうございます」
今年も皆様にとって最高の一年でありますよう衷心より祈念いたします。
今年も引き続きご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

年頭に当たりご挨拶申し上げます。

2019年の正銘(上海)は「巡航飛行へと加速させる年」と位置づけしました。

 正銘商務諮詢(上海)有限公司が設立されたのは2012年です。幾多の紆余曲折を克服して大きく通関物流事業と人事労務事業の二大体制に集約できたのが2年前です。まだまだ、発展途上の未完成な企業です。
2018年を回顧した前回のブログでは以下の人事労務事業の課題を認識していると述べました。
第一は人事労務事業を「起業期」から「発展期」へとシフトさせることです。
第二はそのためにも人財の量と質を充実させることです。
第三は積極的なマーケティング活動の実践です。
 人事労務事業を立ち上げてから2年経過しました。昨年、漸(ようや)く事業としての形態が整ってきました。大きく「人財育成事業」「人事諸制度改革支援事業」「組織活性化事業」の三事業と分けられます。
これから、正銘を「巡航飛行へと加速させる」には四つのエンジンが必要と考えています。
第一、マーケティング革新です。
第二、マネジメント革新です。
第三、サービス革新です。
第四、コンサルティングスキル革新です。
以下四つのエンジンの概要を申し述べさせていただきます。

第一エンジン:マーケティング革新

マーケティング4Pすべてにわたって革新に取り組みます。
① 活動エリアの革新です。
顧客に来ていただくのではなく、顧客のところに出かけてゆくのが正銘の一つ目のモットーです。正銘を必要とする顧客の求めに応じて中国国内はもとよりどこにでも出かけて顧客の抱えている問題を解決いたします。決して責任転嫁や責任放棄することはありません。
② 安心価格で痒いところに手が届くサービスを提供するのが正銘の二つ目のモットーです。そのために事前の調査を徹底的に行い正確に.現状を把握します。よりお値打ち価格で問題解決し顧客の要望を実現します。
③ 正銘が提供するサービスは貴社にのみ適用するオーダーメイド商品です。どこにでも通用するような汎用品を提供しないことが正銘の三つ目のモットーです。他社のどんなに優れた制度や仕組みであっても貴社にそのまま通用することはありません。なぜならそれを運用する人の能力や職場風土が全く異なるからです。正銘はこれまでにこのような失敗事例を数多く見てきていますので、同じような過ちをすすめることは絶対にありません。
④ 正銘はできることとできないことを明確にして顧客と信頼関係を築くことを四つ目のモットーとしています。決して安易に引き受けることはありませんし過大広告をして集客活動をすることもありません。顧客に正直であり続けることが正銘の一番大切な信条です。

第二エンジン:マネジメント革新

 2019年は抜本的なマネジメント革新に取り組みます。
 マネジメントにはいろいろな定義がありますが、私はこのように定義づけています。「マネジメントとは部下が自ら心のエンジンを始動させて上司から指示されなくてもあるいは上司がいてもいなくても目標に向かって前向きに挑戦する職場環境を作りあげることである」とマネジメント革新には二つの視点があります。第一の視点は個人能力をどのように発揮するかです。第二の視点は組織能力の向上をどう図るかです。
 まず、第一の視点である個人能力の発揮に関しては「目標による管理」の推進しかないと私は考えています。私はこの六年間の正銘の経営を通じてある種のディレンマに陥っていました。成果を急ぐがあまり一所懸命指示をして部下を動かそうとしていました。しかし、指示すればするほど部下は動かなくなり「指示待ち族」が増えました。組織全体が考えることを放棄したとたんにどんな恐ろしい結果が待っているか痛いほど経験しました。
 第二の視点は組織能力の向上についてです。それは組織能力の発揮にとって「方針を明示することが」死命を制するほど重要だということです。2018年のコンサルティング活動を通じて得た貴重な教訓です。ある会社の現場で深刻な問題が発生しているのに上位職位の方針が出されないために個人の独断によるバラバラな対応しかできないまま抜本的解決が先送りされていました。しかも誰も方針の重要性に気が付いていないのです。業績は悪化するばかりです。そもそも組織というのは平凡な個人の集合体が非凡な成果を上げることにあります。組織が烏合の衆か達成動機集団になるかはそこに目標と方針が存在するかしないかで決まります。とりわけ離職率の高い企業では社内での経営理念や事業方針の浸透が難しく組織能力が発揮できていない企業が多いように思われます。2019年度は方針の重要性と目標の必要性を訴え続けたいと思います。

第三エンジン:サービス革新

 顧客に徹底的に寄り添って要望に応えるというのが正銘のこれまでの存在意義でした。顧客のわがままにも応えるというのが一貫して取り組んできた正銘のサービス方針でした。これらをさらに深耕させ体系化したのが以下の「正銘サービス五つのお約束」です。
2019年度はすべての顧客に「正銘サービス五つのお約束」を実践します。

◆正銘サービス五つのお約束
①制度が軌道に乗るまで責任を持ちます。
制度は作ることが目的ではありません。制度改革は作りっぱなしで終わることはあせん。軌道に乗るまで面倒を見ます。

②貴社の発展に貢献する制度を導入します。
新制度が機能して貴社の発展に貢献して初めて意味を持ちます。貴社の発展に貢献しないものはすべて排除します。

③貴社のどんな注文にも応える制度を導入します。
正銘は基本的にお役立ち業です。お役にたってこそ存在意義があります。

④貴社にのみ通用する制度を開発し導入します。
貴社のためのフルオーダーメイドの制度を構築します。貴社の職場風土になじむオンリーワンの制度を構築するのが正銘の信念です。

⑤どんな問題にも逃げずに対応いたします。
貴社内で発生する人事労務問題はすべて真正面から受け止め解決します。問題から逃げることは絶対にありません。

第四エンジン:コンサルティングスキル革新

 正銘には大きく三つのコンサルティングスキルがあります。
 第一は組織診断スキルです。診断スキルにはさらに三種類のスキルがあります。一つ目はモラール診断です。二つ目はマネジメント能力(リーダーシップ)診断です。三つ目は報連相診断です。
これらはすべてアンケート方式による診断ですがすべての診断には集計、分析、判定というステップがあります。また診断には簡易診断と精密診断の二段階あります。現在は診断の集計以外はすべて人力に頼っていますが診断件数や診断企業の規模の拡大とともに人力だけでは処理不可能の事態が発生することも予想されますのでシステム化を行い、少なくとも第一段階の簡易診断ではすべての診断プロセスを電子化することを検討します。
 第二は問題解決スキルです。組織診断の結果判明した抱える問題を原因究明し解決するのが問題解決スキルです。このプロセスは医学のプロセスに似ています、
問題解決スキルには二種類のスキルがあります。第一は人事制度設計スキルです。第二は組織開発スキルです。
 第一の人事制度設計スキルでは能力本位人事制度を設計します。具体的には社員等級制度(職能別等級基準、格付けガイドライン)、人事評価制度(職能別階層別能力評価基準、能力評価表・職能別階層別業績評価基準、業績評価表)、能力本位賃金制度(月例能力給与制度・賞与制度)を設計します。
第二の組織開発スキルでは組織の三要素(ハードウエア・ソフトウエア・ヒューマンウエア)ごとに問題解決案を企画し提案します。解決案策定のポイントは診断結果を正確に把握することです。診断結果にマッチしない解決策は内容がいかに正確を得ていたとしても無意味です。このように正銘が提供するコンサルティングスキルは論理的で科学的な手法であると自負しています。

 年頭に当たり、2019年の活動の概要をご紹介しました。
 皆様の喜びは正銘の喜びでもあります。皆様のお役にたてる正銘であることを改めて決意して年頭のご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。


2018年を振り返って

 「光陰矢のごとし」と言いますが、月日の経つのは早いもので今年もあと残すところ半月となりました。やや早いのですが2018年の正銘の人事労務事業を振り返ってみたいと思います。

正銘の実績
大きく三点に絞りたいと思います。
第一は人事労務事業の基本戦略が確立できたことです。
第二は能力本位人事管理制度のコンセプトを構築できたことです。
第三は新戦略及び新コンセプトを実際に現場で実践して手ごたえが得られたことです。

1.人事労務事業の基本戦略について
 正銘の人事労務事業の三本柱は「人財育成事業」「人事諸制度改革支援事業」「組織活性化事業」です。「人材育成事業」は日系企業の現地化を支援する管理職の育成プログラムと職場の問題解決能力向上プログラムと職場の風通しを良くするための報連相プログラムで構成されています、
 「人事諸制度改革支援事業」は集団管理が中心の労務管理から個別管理が中心の人事管理へと転換させるための事諸制度改革支援事業です。


 具体的には社員等級制度、人事評価制度、人事処遇制度の改革があります。これらの改革に際しては必ず正銘メソッドによる事前調査を行い、他社にはない貴社に最適な制度をオーダーメイドで構築します。
 「組織活性化事業」は組織風土の改革支援事業です。組織はハードウエア(組織機構)、ソフトウエア(制度と規則)、ヒューマンウエア(構成員)の三要素で成り立っています。そして、組織風土を決めるのは企業の経営理念や方針などの規範と経営幹部の価値観です。正銘ではこれらを定量的、定性的に調査分析し貴社の抱える問題点を解消するとともに最適な組織風土を構築します。

2.能力本位の人事管理制度のコンセプトについて
 「能力主義」ではなく「能力本位」人事管理制度を提唱し始めたのは世界的にみても正銘が初めてです。「能力主義」と「能力本位」との違いはこのブログで以前に取り上げましたように、能力本位とは「企業にとり人事管理上の最高価値を「能力」に置くことを意味しています。能力主義にはこのような強い意味はありません。
 別の言葉でいえば、人事管理上のすべての判断基準を「能力」に置くことです。人事評価制度や人事処遇制度、人財育成制度などすべての人事諸制度は能力を基準に決定され運用されることになります。
正銘がなぜここまで踏み込んで人事管理制度の改革を主張したのでしょうか?
第一点は労務管理と早く決別してほしいからです。
第二点は多くの社員がそれを望んでいるからです。
第三点は社員の能力と会社の発展は一体のものだからです。

3.現場での実践で成果を出すことができたことについて
 上記の「基本戦略」と「能力本位の人事管理制度」を柱として2018年の正銘のコンサルティング活動を展開してきました。今年度正銘が担当したすべての企業の社員は能力本位人事管理制度の構築的でした。とりわけ、正銘が今年度担当した世界的な自動搬送設備の会社では、能力本位の人事制度に全面的に賛意を表するとともに正銘が提案した社員等級制度、人事評価制度の改革案を導入することになりました。
 以上のように成功事例が確実に正銘の実績となって蓄積されて厚みを増しつつあります。

正銘の課題
 一方、未解決の問題や課題も山積しています。来る2019年度にはこれらを解決して次なる発展軌道への地歩を築きあげていきたいと考えています。
この課題に関しても三点取り上げたいと思います。
第一は人事労務事業を「起業期」から「発展期」へとシフトさせることです。
第二はそのためにも人財の量と質を充実させることです。
第三は積極的なマーケティング活動の実践です。

1.事業のシフトについて
 以下の記述は以前に汪旸ブログで紹介した記事です。「正銘は2年前から通関物流事業に加え、人事労務事業へと事業をラインロビングしました。私は、当時、通関物流の事業を主に推進していたのですが直感的に現場の風向きの変化を感じ取りました。その兆候はこれまで豊富だった労働力が人をとりにくくなったという声が聞こえてくるようになったこと。人件費が高騰してきたので日本人社員を日本に戻し現地社員を幹部社員に登用したいという声もちらほら聞こえてきたからでした。
 しかし、その時は多くの経営者から社員を辞めさせたいがどうすべきかといった相談が圧倒的に多くかったのです。「あるセミナーで労務問題を発生させてしまったら、それだけで企業にとって負けですよ。労務上の事件や事故を発生させないように社員をうまく管理することが大切ですよ」と力説したのに参加者の皆さんから発せられる質問は社員はやる気がないのでどうしたらやめさせることができるかの質問ばかりでした。長年労務管理に浸りきった方にはいくら人事管理について解説しても受付けてくれませんでした。集団管理では社員は人手であって人材ではないのです。人事管理は社員の個々人の能力の違いを把握して最適な職務を割り当てることにあります。」
 今から思うとこの時が正銘の既存の事業ドメインンの曲がり角だったように思います。経営にとって既存の事業の定義を見直すことの重要性は頭で理解できても実際に変更するとなると勇気が要ります。これまでの事業をただ踏襲していたとしたら正銘の未来はなかったでしょう。2019年度は卵から孵(かえ)ったばかりの雛鳥を大切に育ててゆきたいと思います。

2.人財の量と質を充実させること。
 正銘の将来の発展のカギを握るのは人財だと認識しています。人事管理を専門とするコンサルティング企業であっても最も難しいのは人財の量と質をどのように確保していくかという課題です。正直に申し上げますと私も多くの失敗を重ねてきました。最も失敗したのは採用の失敗です。人材を確保することの難しさは身に染みてわかっているつもりです。
 失敗したからと言って人財の確保を避けることはできません。正銘の事業の発展は人材確保にありと肝に銘じて2019年度は人財確保に取り組みたいと決意を新たにしています。

3.積極的なマーケティング活動を実践すること。
事業に成功した経営者の話です。事業成功の秘訣は以下の三つであると…。
第一は優れた事業コンセプトを創造すること。
第二は優れた経営者及び経営幹部を担当させること。
第三は顧客に積極的に商品を訴求すること。
 2019年度の正銘の最大の課題はここにあると自覚しています。現場の実践で証明された能力本位の人事管理制度という質の高い商品のをいかに正確に顧客に届けられるかどうか正銘が成長軌道に乗せることができるかどうかのカギを握っているといっても言い過ぎではないと思っています。


RSS 2.0 Login