人事労務の仕事で採用ほど難しい仕事はない

人生の三つの重要な選択とは?
 人生には三つの重要な選択があると言われています。その第一は学校と専攻の選択です。誰でも自分は理科系に向いているのか、文科系なのか考えたり悩んだりした経験があるはずです。第二は仕事と就職先の選択です。学んだことを活かせる仕事は何か、自分の性格に向いている仕事は何かを真剣に考えたはずです。第三はよき伴侶の選択です。
 これがすべて思い通りになれば人生の大部分は成功したと言えるでしょう。ところがおもいどおりに行かないのも人生です。

就職には必ず面接がある
 さて、学校を出てから社会に出るために必ず通過しなければならない関門は就職試験です。ご承知の通り、就職試験には筆記試験と面接試験があります。就職先によって両方実施する場合と片方だけの場合があります。学校は面接試験なしに筆記試験だけで合否が決定されますが就職試験では必ず面接試験があり合否が決定されると考えてよいでしょう。面接試験を受けたときに質問してほしいことを質問してもらえなかったり雑談程度の面接で就職が決まってしまったという方もいるかもしれません。

有能な人材を採用したいのに現実は?
 一方、今度は採用する側の立場で考えてみましょう。採用する側の人たちはできるだけ能力の高い人を採用したいと考えているはずです。優秀でない人を採用したいと考えている人は誰もいません。
 ところが現実は採用したけれど能力が低いと判断される人、その仕事に向いていないと判断される人が非常に多いのです。中には事件を起こす人すら面接試験でパスさせてしまったケースすらあります。いい人材を得ようと必死なっているのに現実は逆行しているのはなぜなのでしょうか。

その原因と対策は?
 原因はいくつか考えられますが、基本的に人の適性や能力を洞察するのは極めて難しいことだということです。ところが採用は難しくないと誤解していることが多いのです。
 私自身も採用で多くの失敗をしました。人事労務の仕事で採用ほど難しい仕事はないことを実感しています。採用面接には高度な面接スキルが必要です。ところが面接スキルを持たない人が面接をすることが多いのです。また、面接に要する時間も15分程度で終わっています。少なくとも三回以上の面接と1回1時間以上の面談が必要です。
 面接官も三人以上の異なった視点での判断が必要です。これだけの対応策を講じても十分だと言えません。慎重にも慎重を重ねた採用をおこなうようお勧めします。
 「迷ったら採用するな」が採用活動の鉄則です。
 また、採用は人事労務問題の先制防止策でもあります。というのも組織内で発生するろう問題の大半は採用に起因することが多いことを私たちはコンサルティング活動を通じて体験しているからです。
 採用スキルは次回に解説したいと思います。


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