問題とは何でしょう?

 今年も速いもので7月となりました。「光陰矢の如し」です。
 これからは毎日サウナに入った状態が続きます。ご自愛ください。
 さて、今週は「問題」を取り上げました。
ビジネスの社会では問題という言葉ほど毎日俎上に乗る言葉はありません。
 また、問題という言葉ほど使う人によって解釈の幅のある言葉もないと思われます。今回はこの一件厄介な言葉を取り上げました。

ビジネスでの問題ってなんでしょう

問題の意味を拾ってみましょう。「わからないこと」疑問や質問、「困っていること」困難や悶着、「変わっていること」異常や逸脱、「達成すべきこと」課題や仕事、「意見が分かれていること」争点や論点、「議論すべきこと」議題や主題、「差し障りがあること」障害や支障、「どうにもならないこと」拘束、不条理等々いろいろなことを頭に描いて問題という言葉をつかっています。それほど問題という言葉は私たちの日常生活できっても切れない関係であることはわかっていただけるでしょう。
 さて、今回はビジネスの場で用いられる問題を掘り下げてみましょう。
ビジネスでの問題とはあるべき姿と現状のギャップであり解決を要することと理解すると分かり易いと思います。このように考えると問題はそこいらに転がっているのがお分かりいただけると思います。だから問題があるのは決して悪いことであったり、隠したりすることではありません。企業では問題があるのは当たり前で問題が無いのはおかしいくらいです。さらに問題を解決することとはあるべき姿と現状とのギャップを無くすことを言います。問題というと私たちはすぐ事件や事故を連想しがちです。冒頭で述べた様に確かにこれも問題の一つですがこれらは以上または逸脱した事象ですから解決できたとしても原状回復したに過ぎないのです。-αをゼロに戻したにすぎず+α獲得したことにはなりません。解決に要した費用や時間を浪費したに過ぎないのです。人事労務問題にはこの種の問題が多いのも事実です。
 例えば、定着率の悪い企業では頻繁に人員不足を補う採用活動が行われます。募集広告、面接、入社後の教育などすべて費用、労力、時間が必要ですがそれらはすべて-αをゼロに戻すだけの活動に過ぎず浪費です。だから人事管理をきめ細やかに行い定着率を維持する必要があるのです。

問題意識と問題点とは何でしょう?

 問題意識という言葉もしばしば聞く言葉です。問題意識というのはあるべき姿と現状のギャップ、つまり問題に対して敏感である心の状態を言います。そして常に解決策を模索しています。このような人には情報が集まります。現在のような情報過多の時代はよほど問題意識が高くないと必要な情報を取集することはできません。情報が激流のように氾濫しているのですが必要な情報が捕まらないのです。例えば仕事上抱えた問題を解決するための情報はインターネットを通じてほぼすべて入手できるといっても過言ではないでしょう。

また問題点というのはどんな意味なのでしょうか?

 問題点というのは操作可能な原因ととらえることができます。要するに対策をとることができる原因のことです。
 原因には表面的な原因もあれば本質的な原因もあります。さらに言うと原因は一つではありません。通常は複数あると考えるべきです。
 さて、原因はどこに潜んでいるのでしょうか。製品でいうなら原料にあるのでしょうか?製造のプロセスにあるのでしょうか。外部で偶発的に起こったことなのでしょうか。製造容量を上回ってしまったからでしょうか。正確に問題点を確定する必要があります。
 企業の業績や競争力は企業の問題解決のスピードで決まると言われます。そのスピードは問題点を正確に把握できるかどうかで決まるのです。


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