能力主義人事管理から能力本位人事管理へ

 暑い暑いと言っているうちにもう7月も最終日です。
 明日から8月ですね。
 前回のブログで当社の能力主義人事管理を取り上げました。今回も能力主義を取り上げたいと思います。

能力「主義」の意味
 能力主義という概念を理解することで能力主義人事管理をさらに深く体得してほしいものです。主義という言葉と結合しています。主義という言葉はいろいろな言葉と結合して社会に根付いています。資本主義、社会主義、共産主義、全体主義、個人主義、利己主義、完全主義、功利主義などいくらでもあります。
そもそも、主義ということばにどんな意味があるのでしょうか見てみましょう。
辞書を紐解きますと以下のような解説があります。
1 持ちつづけている考え・方針・態度など。「それが僕の主義だ」「完全主義」「菜食主義」
2 思想・学説・芸術理論などにおける一定の立場。イズム。「実存主義」「自然主義文学」
3 特定の原理に基づく社会体制・制度など。「資本主義」』
 上記を参考にして能力主義人事管理を定義しますと能力を重視する人事管理と考えることができます。言葉としては何となく理解できるのですが、しかし、これでは腹にはまりません。そこで私は能力主義人事管理の定義として最も腹にはまる言葉として「能力本位人事管理」という言葉を作りました。

能力主義人事管理から能力本位人事管理へ
本位について同じように辞書を紐解いてみました。
1 判断や行動をするときの基本となるもの。「人物本位で採用する」「自己本位の生き方」
2 貨幣制度の基準。「金本位制度」
3 もとの地位・位階。「本位に復する」
 主義と本位を比較すると.本位の方がよりアクティブであることが理解できますし、本位には金に最高の価値を置くことを金本位制度というように価値観としての意味が込められています。金と同じように人事労務業務では能力に最高価値を置く能力本位という概念を用いても何の問題もないと信じ、これからは能力を重視する人事管理から一歩踏み込んで人事労務管理のすべての判断基準や行動基準として能力におく能力本位人事管理へと進化させる必要があると考えるに至りました。正銘は、今後一歩前進させ能力主義人事管理を能力本位人事管理の諸制度構築に向けた取り組みを加速化させます。


正銘は能力主義人事を提唱しています

◆人事労務事業に取り組んだのは?
 当地上海では、連日35度をこえる猛暑が続いています。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 暑さを吹っ飛ばすようにご活躍のこととお察し申し上げます。
 さて、正銘は2年前から通関物流事業に加え、人事労務事業へと事業をラインロビングしました。私は、当時、通関物流の事業を主に推進していたのですが直感的に現場の風向きの変化を感じ取りました。その兆候はこれまで豊富だった労働力が人をとりにくくなったという声が聞こえてくるようになったこと。人件費が高騰してきたので日本人社員を日本に戻し現地社員を幹部社員に登用したいという声もちらほら聞こえてきたからでした。
 しかし、その時は多くの経営者から社員を辞めさせたいがどうすべきかといった相談が圧倒的に多くかったのです。「あるセミナーで労務問題を発生させてしまったら、それだけで企業にとって負けですよ。労務上の事件や事故を発生させないように社員をうまく管理することが大切ですよ」と力説したのに参加者の皆さんから発せられる質問は社員はやる気がないのでどうしたらやめさせることができるかの質問ばかりでした。長年労務管理に浸りきった方にはいくら人事管理について解説しても受付けてくれませんでした。集団管理では社員は人手であって人材ではないのです。人事管理は社員の個々人の能力の違いを把握して最適な職務を割り当てることにあります。顧客満足を得るためには新しい価値やサービスを提供しなければなりません。いわゆるQCDでニーズに応えるには提供者である私たちが成長し負ければなりません。そこに人財育成政策の必要性が見出されるのです。

◆正銘の考える能力主義人事とは?
 能力主義人事とは基本的に年齢、性別、学歴などの個々人の属人的要素を排除し仕事の遂行能力(知識、技術、態度)と成果を客観的に評価して処遇することを言います。
年功主義や経験主義と対極にある考え方です。
 具体的には等級制度、評価制度、処遇制度の三本頭で構成されています。そしてそれを包み込むように機能させているのが人財育成制度です。従って社員等級制度、人事評価制、賃金制度等主要制度は一体のものであるので整合性のとれた制度を構築することが大切になります

◆能力主義人事制度の狙いは?
 第一に、会社の発展を支え、組織力を強化するとともに、社員の能力向上を根底にした人事管理のトータルシステムを構築することが.とても重要です。
 第二に、中途入社者がこれまでの価値観を過去のものとして、会社の組織風土に意識や行動を劇的に適応させる人事制度を作り上げることを目標としています。
 第三に、社員全員が会社への帰属意識を高め、将来に夢と希望を持って業務に精励できる人事諸制度を構築することも極めて重要です。

◆能力主義人事制度の三本柱
◇能力主義社員等級制度
 会社の人事労務管理の大黒柱(屋台骨)に相当する制度です。社員等級制度とは社員の職務遂行能力の発展段階を格付けしたもので社員には管理職タイプと専門職タイプがあり適材適会社の発展を支え、組織力を強化するとともに、社員の能力向上を根底にした人事管理のトータルシステムを構築します。

◇能力主義人事評価制度
 社員等級制度と表裏一体をなすのが人事評価制度です。
 人事評価とは上司が部下の考課期間の仕事ぶりを客観的に把握し、能力や成果で会社にどの程度貢献したかを判定することです。人事評価の成否は被評価者より評価者である上司の評価スキルで決まります。導入に際しては徹底して評価者訓練に時間をかける必要性があります。

◇能力主義社員処遇制度
 能力主義社員処遇制度 能力主義社員処遇(賃金)制度は生計給与要素と能力給与要素のバランスがとれた給与体系にすることが重要です。給与水準が全体として低い時代は生計給要素が強く、給与そのものにも大きな格差がありませんでした。給与水準が低いと大きく格差をつけられるほどの配分原資もないし平等主義が蔓延(はびこ)ってしまいます。これまでに正銘が関与した多くの企業では能力差や熟練度に差があっても給与面の差がないことを社員が憂慮しています。

◆能力主義人事導入の五つの鉄則
• 1.導入のタイミングを間違わないこと。
• 会社の発展レベルや社員のニーズに早すぎても遅すぎても成功しません。
• 2.導入の順序間違わないこと。
• ボタンの掛け違いを避けること。制度導入順序を間違わないことです。
• 3.納得性のある制度を構築し導入すること。
• 経営者も、従業員にもなるほどと思うもの導入します。
• 4.会社の空気(組織風土)に合う制度を導入すること。
• 他社の優れた制度をまねても貴社に合うとは限りません。
• 5.これまでの諸制度に慣習や引きずられないこと。
• あくまでも未来志向で会社の発展や社員のやりがいを追求します。

能力主義人事制度のお問い合わせはぜひ正銘へ!


問題とは何でしょう?

 今年も速いもので7月となりました。「光陰矢の如し」です。
 これからは毎日サウナに入った状態が続きます。ご自愛ください。
 さて、今週は「問題」を取り上げました。
ビジネスの社会では問題という言葉ほど毎日俎上に乗る言葉はありません。
 また、問題という言葉ほど使う人によって解釈の幅のある言葉もないと思われます。今回はこの一件厄介な言葉を取り上げました。

ビジネスでの問題ってなんでしょう

問題の意味を拾ってみましょう。「わからないこと」疑問や質問、「困っていること」困難や悶着、「変わっていること」異常や逸脱、「達成すべきこと」課題や仕事、「意見が分かれていること」争点や論点、「議論すべきこと」議題や主題、「差し障りがあること」障害や支障、「どうにもならないこと」拘束、不条理等々いろいろなことを頭に描いて問題という言葉をつかっています。それほど問題という言葉は私たちの日常生活できっても切れない関係であることはわかっていただけるでしょう。
 さて、今回はビジネスの場で用いられる問題を掘り下げてみましょう。
ビジネスでの問題とはあるべき姿と現状のギャップであり解決を要することと理解すると分かり易いと思います。このように考えると問題はそこいらに転がっているのがお分かりいただけると思います。だから問題があるのは決して悪いことであったり、隠したりすることではありません。企業では問題があるのは当たり前で問題が無いのはおかしいくらいです。さらに問題を解決することとはあるべき姿と現状とのギャップを無くすことを言います。問題というと私たちはすぐ事件や事故を連想しがちです。冒頭で述べた様に確かにこれも問題の一つですがこれらは以上または逸脱した事象ですから解決できたとしても原状回復したに過ぎないのです。-αをゼロに戻したにすぎず+α獲得したことにはなりません。解決に要した費用や時間を浪費したに過ぎないのです。人事労務問題にはこの種の問題が多いのも事実です。
 例えば、定着率の悪い企業では頻繁に人員不足を補う採用活動が行われます。募集広告、面接、入社後の教育などすべて費用、労力、時間が必要ですがそれらはすべて-αをゼロに戻すだけの活動に過ぎず浪費です。だから人事管理をきめ細やかに行い定着率を維持する必要があるのです。

問題意識と問題点とは何でしょう?

 問題意識という言葉もしばしば聞く言葉です。問題意識というのはあるべき姿と現状のギャップ、つまり問題に対して敏感である心の状態を言います。そして常に解決策を模索しています。このような人には情報が集まります。現在のような情報過多の時代はよほど問題意識が高くないと必要な情報を取集することはできません。情報が激流のように氾濫しているのですが必要な情報が捕まらないのです。例えば仕事上抱えた問題を解決するための情報はインターネットを通じてほぼすべて入手できるといっても過言ではないでしょう。

また問題点というのはどんな意味なのでしょうか?

 問題点というのは操作可能な原因ととらえることができます。要するに対策をとることができる原因のことです。
 原因には表面的な原因もあれば本質的な原因もあります。さらに言うと原因は一つではありません。通常は複数あると考えるべきです。
 さて、原因はどこに潜んでいるのでしょうか。製品でいうなら原料にあるのでしょうか?製造のプロセスにあるのでしょうか。外部で偶発的に起こったことなのでしょうか。製造容量を上回ってしまったからでしょうか。正確に問題点を確定する必要があります。
 企業の業績や競争力は企業の問題解決のスピードで決まると言われます。そのスピードは問題点を正確に把握できるかどうかで決まるのです。


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