「先人に学ぶ不況時の経営者の心得」

2020年が幕開けてから、コロナウイルスCOVID19が世界中で荒れ狂っています。そのあおりを受けて政治、経済、教育、文化とあらゆる分野で大混乱に陥っていると言っても言い過ぎではないと思います。
米国では有名な百貨店ニーマンマーカスやJCPENNYも倒産が報道されました。倒産まで行かなくても業界を問わず大幅な減収、減益が予想されています。このような厳しい環境下で経営者は何をなすべきなのでしょうか。
先日、友人が不況時を乗り切るための経営者の心得を送ってくれましたのでご紹介+したいと思います。これは、日本の松下電器産業株式会社(現パナソニック)を創業した松下幸之助氏の言葉です。かつては経営の神様と言われ自ら設立したPHPを通じて多くの著作も発表しています。

第一条: 「不況またよし」と考える。
不況に直面して、ただ困った、困ったと右往左往していないか。不況こそ改善、発展へのチャンスであると考える前向きの発想から、新たな道もひらけてくる。

第二条: 原点に返って、志を堅持する。
ともすれば厳しさに流されて判断を誤りやすい不況時こそ、改めて原点に返り、基本の方針に照らして進むべき道を見定めよう。そこから正しい判断も生まれ、断固とした不況克服の勇気と力が湧いてくる。

第三条: 再点検して自らの力を正しくつかむ
ふだんより冷静で念入りな自己評価(自己観照)を行ない、自分の実力、会社の経営力を正しくつかみたい。誤った評価が破綻を招くのである。

第四条: 不退転の覚悟で取り組む
なんとしてもこの困難を突破するのだという強い執念と勇気が、思いがけない大きな力を生み出す。不況を発展に変える原動力は、烈々たる気迫である。

第五条: 旧来の慣習、慣行、常識を打ち破る
非常時ともいえる不況期は、過去の経験則だけでものを考え行動してもうまくはいかない。これまで当然のこととしてきた慣習や商売の仕方を、徹底的に見直したい。

第六条: 時には一服して待つ
あせってはならない。無理や無茶をすれば、深みにはまるばかりである。無理をせず、力を養おうと考えて、ちょっと一服しよう。そう腹を据えれば、痛手も少なくなる。終わらない不況はないのである。

第七条: 人材育成に力を注ぐ
「苦労は買ってでもせよ」というが、不況とはその苦労が買わずとも目の前にあるときである。好況のときにはできない人材育成の絶好の機会としたい。

第八条: 「責任は我にあり」の自覚を
業績低下を不況のせいにしてはいないか。どんな場合でも、やり方いかんで発展の道
はある。うまくいかないのは、自らのやり方に当を得ないところがあるからである。

第九条: 打てば響く組織づくりを進める
外部環境の変化に対する敏感な対応は、よい情報も悪い情報も社員からどんどん上がってくる、お互いの意思が縦横に通いあう風通しのよい組織であってこそ可能となる。

第十条: 日頃からなすべきをなしておく
不況時は特に、品質、価格、サービスが吟味される。その吟味に耐えられるように、日ごろからなすべきことをなしていくことが必要である。

すべての項目に含蓄がこもっています。十分味わっていただければ幸いです。


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