正銘発行 2026年8月下期 「銘・精選」
NEWS1 「トークンローン」とは何か? 常識を覆すAI企業の新・資金調達ルート
大規模AI(人工知能)モデルが文章を理解・生成するための最小単位「Token(トークン)」は今、金融サービスシーンに加速度的に浸透しており、与信判断の参考指標の1つにしている銀行もある。最近、複数の銀行が「トークンローン」商品を次々に打ち出し、従来型の担保を十分に持たない軽資産のハイテク企業に資金調達の新たな可能性を切り開いた。
浙江省温州市の温州金酷網絡科技有限公司は最近、過去のトークン決済データ、演算能力調達契約、川下の業務受注状況、独自の知的財産権などに基づいて、農業銀行から20万元(1元は約23.2円)の融資を受けた。この資金の用途は演算能力の調達に限定され、企業の資金繰りの必要性を満たすものとなる。
同社の責任者の葛斌斌氏は、「当社が独自開発したインタラクティブ映像創作プラットフォームは普及と利用が進んでおり、毎月のトークン呼び出し量も増加し続けている。演算能力の調達では先払いが求められるが、当社が実施する川下のプロジェクトでは代金回収までに一定の期間があるため、この融資によって資金のミスマッチという悩みが軽減された」と述べた。
デジタル経済のうねりの中で、演算能力はAI企業の生産要素の中核となり、トークンの消費量も急速に増加している。国家データ局がまとめたデータによると、中国の1日あたりトークン呼び出し量は3月に140兆を突破し、2年前の1000倍以上に達した。
旺盛な演算能力需要の裏側で、AI企業の資金調達難が日増しに顕在化している。ここ2年間、多くの銀行がAI企業向けに「トークンローン」などの融資商品を開発し、トークン消費量、演算能力サービスの契約状況、業務受注状況などのデータを与信判断の指標に組み込み、工場や設備など実物を担保としてきた従来の融資におけるリスク管理の常識を覆した。
「担保や財務諸表を見る」から「演算能力やトークン使用量を見る」へ。多くの銀行で「トークンローン」の導入ペースが加速している。
注目されるのは、取材に応じた複数の銀行が、「トークンをどれくらい使用したかによって融資額を決定する」のではなく、演算能力の契約状況や売掛金などのデータを多角的に照合・確認するとともに、企業の経営状況、財務状況、信用情報などを総合的に検討して与信限度額を決定するとしていることだ。
NEWS2 アジア最大の大型機整備格納庫が稼働スタート 上海
中国東方航空は、アジア最大の大型機整備格納庫が2日、上海で運用を開始したことを明らかにした。同格納庫内の大ホールは、大型機9機と小型機2機を同時に格納して機体全体の整備作業を行うことが可能という。
NEWS3 2025年版の中国ドラゴン銀貨がコイン・オブ・ザ・イヤー大賞を受賞
第43回コイン・オブ・ザ・イヤー(COTY)の審査結果がこのほど発表され、2025年版の中国ドラゴン銀貨が、最高賞にあたる「コイン・オブ・ザ・イヤー(年度最優秀コイン賞)」を受賞したほか、「ベスト・クラウン・コイン(最優秀クラウン貨幣賞)」の部門賞も獲得した。新華網が伝えた。
今回受賞した2025年版の中国ドラゴン銀貨は、中国人民銀行が発行し、中国金幣集団有限公司が総販売代理を務める中華人民共和国の法定通貨。表面のデザインは万里の長城で、国名および年号が刻まれており、裏面のデザインは、中国の竜に祥雲の模様が組み合わされている。純銀31.104グラムを含み、最大発行枚数は2百万枚。
NEWS4 太陽光発電が初めて石炭火力発電を超えた! 中国のエネルギー構造転換は「後半戦」へ
中国のエネルギー構造に歴史的な転換点が訪れた。7月末時点で、中国の太陽光発電の設備容量が初めて石炭火力発電の設備容量を上回り、太陽光発電が中国で設備容量の最も大きな電力供給源になったのだ。
中国のエネルギー構造転換の輪郭が徐々にはっきりと現れてきた。2026年上半期には、中国の発電量に占める石炭火力発電の割合が史上初めて50%を割り込んだ。電力使用量でも、今年1~7月に全国で使用された電力において、8キロワット時(kWh)のうち1kWh超が太陽光発電によるものだった。また、今後5年間で、中国の太陽光発電産業への投資額は2兆元(1元は約23.6円)を超える見込みだ。
当局によると、第15次五カ年計画(2026~30年)期間中、太陽光発電を「天候任せ」から「出力調整・予測が可能」なものに転換させ、「発電でき、安定的に送電でき、有効に利用できる」ようにするという。
エネルギー安全保障の角度から見ると、今年は中東情勢の混乱が続き、ホルムズ海峡が封鎖され、世界的にエネルギー供給が逼迫する中で、中国人は「エアコンを使いたいだけ使える自由」を享受している。その背後には、中国国内で石炭が電力供給を確保するとともに、新エネルギーが急速に発展して輸入石油・天然ガスに徐々に取って代わっているという状況がある。
華北電力大学エネルギーインターネット研究センターの王永利副主任は、「将来の電力システムについては、どれか一つの電力供給源が別の電力供給源に取って代わるという単純な論理で理解できるものではない。成熟した新型の電力システムとは、どちらかがどちらかに取って代わるというものではなく、異なる電力供給源がそれぞれの技術的特性を活かして役割を再分担し、協調的に運用されるものになる」と指摘した。
NEWS5 演算能力に注文殺到! 川上から川下まで供給が需要に追いつかない状態
中国のAI半導体企業・壁仞科技がこのほど発表した半期決算によると、同社の売上高が前年同期の21倍近くに急増した。また、寒武紀(Cambricon)と摩爾線程智能科技(Moore Threads、ムーア・スレッズ・テクノロジー)の売上高もそろって急増した。こうした目覚ましい業績の背後には、ハイエンド演算能力をめぐる「チップ供給不足」がある。
内蒙古(内モンゴル)自治区烏蘭察布(ウランチャブ)市にある遠景星河基地インテリジェントコンピューティングパークには、建築面積が世界最大の独立型データセンターがあり、ここではAIアクセラレーターカード100万枚規模に対応できる並列処理能力が計画されている。
遠景人工知能演算能力センターの李軍副社長は、「手元にある受注は現在、3年先の分までびっしりで、計画では、顧客の数と受注量はこれから数年間で倍増する見込み」と述べた。
川下のインテリジェントコンピューティングセンターで供給が需要に追いついていないだけでなく、川中のシステムインテグレーションの部分にも注文が殺到している。
太初(杭州)集成電路有限公司の最高製品責任者(CPO)兼上級副社長の洪源氏によると、「この1年ほどの間に、当社の演算能力製品の顧客数は10倍に急増し、中でも科学研究・教育分野の演算能力需要が際立った伸びを見せ、昨年から今年にかけての売上高は前年比で26%増加した」という。
川上のAIチップ分野でも同様に需要が急増し、受注の量が増え、価格も上昇している。
業界調査データによると、2026年の国産AIチップの需要規模は約400万個だったが、実際に出荷されたのは約300万個で、100万個分の生産能力の不足があることになる。
供給が需要に追いつかない状況の中、国産チップ企業の業績は好調に推移している。
8月に相次いで発表された国産AIチップメーカーの半期決算を見ると、各社ともに売上高が急増している。
川下のインテリジェントコンピューティングセンターから、川中のシステムインテグレーション、さらには川上のチップ設計に至るまで、産業チェーン全体が「相次ぐ注文への対応」に追われている。国産演算能力の供給能力は今、需要に追いつくために予想を超えるスピードで走り続けている。
NEWS6 「新三種の神器」に続き、中国製AIグラスやロボットが海外で売れ行き好調
新エネルギー自動車、リチウム電池、太陽電池の「新三種の神器」に続き、人工知能(AI)、ロボット、イノベーティブ医薬品といった「新・新三種の神器」が海外市場を急速に開拓しており、中国の貿易における新たな「看板商品」的存在になろうとしている。
データによると、2026年上半期(1-6月)には、中国の産業用ロボットの輸出額が前年同期比で18.6%増加し、輸出先は世界141ヶ国・地域に上った。手術支援ロボットの輸出先は前年同期の23ヶ国・地域から49ヶ国・地域に増えた。イノベーティブ医薬品の対外ライセンス契約額は約1100億ドル(1ドルは約160.3円)に上り、2025年の総額の8割に達し、過去最高を更新した。
1本わずか49グラムのAIグラスに、中国語やフランス語、英語など89言語をリアルタイムで相互翻訳する機能が備わり、これをかければレンズがモニターになってリアルタイムで翻訳文を見ることができる。少し前にフランス・パリにあるイベント展示会場のパリ・エキスポ・ポルト・ド・ヴェルサイユで行われた展示会では、霊伴科技(杭州)股份有限公司(Rokid)が開発したこの「楽奇」ブランドAIグラス(Rokid Glasses)が注目を集めた。体験した同国のマクロン大統領は絶賛するとともに、会場にいた同社のスタッフにその場で名刺を求めたという。
楽奇AIグラスには撮影、リアルタイム翻訳、ナビゲーション、スマート物体識別、AIによるQ&Aなどさまざまな機能が搭載され、目下、量産化を実現した世界最軽量の多機能型AIグラスとなっている。
ここ数年、新エネルギー自動車、リチウム電池、太陽電池の「新三種の神器」が、中国のグリーン製品の持つ競争力を内外に示してきた。
今では、ベルギーの外科医が上海微創医療機器人(集団)股份有限公司(MedBot)の開発した内視鏡手術支援ロボットを操作しながら前立腺ガンの遠隔手術を行い、スイスの原子力発電所は中国製四足歩行ロボットを導入して設備の密集した発電所内の危険度の高いエリアで日常的に点検・パトロールを行い、米国の映画監督チャールズ・カランは字節跳動(バイトダンス)の開発した動画生成AIモデル「シーダンス2.0(Seedance2.0)」を利用して映画の予告編を制作した。中国の貿易における一連の新たな製品は好調な売れ行きを示しており、こうした製品を通して海外の消費者は中国製品に対する認識を新たにしている。
NEWS7 第11回東方経済フォーラムがロシアで開幕
ロシア・ウラジオストクの極東連邦大学で1日、第11回東方経済フォーラムが正式に開幕した。4日間の会期中、80の国および地域の各界から5000人以上が集まる。多くの国はハイレベル代表を派遣している。
NEWS8 新エネルギー車産業の台頭、自動車の新基準を定義
「中国のスマート製造」は、中国式現代化の新たな「輝かしい名刺」となっている。中国の新エネルギー自動車産業はその象徴だ。第15次五カ年計画(2026~30年)を足場とし、2035年までに社会主義現代化を基本的に実現するという目標に向けて邁進する中で、中国の新エネ車産業は世界市場における競争優位を絶えず揺るぎないものにし、産業の飛躍という質の高い発展の道を歩んでいる。
中国の新エネ車産業が急速に台頭できたのは、複数の優位性が相乗効果を発揮した結果だ。中国は社会主義市場経済という制度上の優位性を持ち、「一枚の青写真を最後まで描き切る」という戦略的な揺るぎなさによって全体を統括し、有効な市場と有為な政府を緊密に結び付け、トップダウンの計画、財政・税制面の補助金、インフラ整備を含む一連の政策の実施と効果発揮を推進し、新エネ車産業の飛躍に強力な戦略的支えと制度的保障を提供してきた。
中国は自動車保有台数が世界最多で、膨大な市場需要を有し、自動車販売台数は毎年2000万台以上を維持している。大都市から地方の郷・鎮まで、平野部から山間部まで、エントリーモデルからミドル・ハイエンドモデルまで、内需市場の規模の大きさ、階層の多様性、利用シーンの豊富さが、新エネ車産業を育成し、作り上げるうえでの大きな強みとなっている。
整った産業システムは、中国が持つ供給面での際立った優位性だ。10年余りの発展を経て、中国の新エネ車産業は、基礎材料、主要部品、完成車、製造設備、充電インフラなどの重要部分をカバーするまでになり、産業チェーンの網羅性、システム性、完全性において世界をリードしている。
中国は研究開発人材の総数が世界最多であり、エンジニア人材の豊富さによるメリットが顕在化し続けている。中国の新エネ車産業が今日の成果を収めることができたのは、まさに、学際的で困難な課題にも果敢に挑む高い資質を備えた多くの労働者と、新たな分野に長年取り組んできた企業家のたゆまぬ努力があったからである。ハイレベルな科学技術の自立・自強は、中国の新エネ車産業を「大」から「強」へと発展させ、グローバル・バリューチェーンの頂点へと邁進するための重要な原動力となっている。統計によると、過去10年間、中国の新エネ車分野における特許公開件数は年平均17.1%増加した。東部・中部・西部各地域がそれぞれの産業基盤と資源面の強みを活かし、新エネ車の完成車及び部品の生産拠点を計画的に配置し、長江デルタ、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)、京津冀(北京・天津・河北)、鄂豫湘(湖北・河南・湖南)、成渝(成都・重慶)という5大新エネルギー完成車産業集積地域を徐々に形成している。
質の高い発展という全く新たな軌道において、中国の自動車メーカーは新たな競争を繰り広げ、世界の自動車業界の「新たな標準化」をリードしている。中国は世界で最も厳格な駆動用バッテリー安全基準を導入し、熱拡散が発生しても2時間は発火・爆発しないようにすることを明確に定めた。新たに公布されたインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の国家標準では、L3、L4レベルの自動運転について、安全水準が適格かつ、注意深く運転する人間のドライバーを下回ってはならないと定めている。長安汽車は「新たな安全」という理念を打ち出し、安全の範囲を車体衝突から健康、心理、データプライバシーにまで拡大し、ICV・新エネ車の全領域安全に関する国家標準作りを主導した。今年8月初旬時点で、華為(ファーウェイ)の「乾崑智駕」は累計の運転支援走行距離が130億キロメートルを突破し、アクティブセーフティと全領域安全を中国発のソリューションの基調とした。
自動車による移動シーンは広がり続け、生活における価値も拡大し続けている。深センでは、一汽紅旗の「天輦1号」が最終組立を完了してラインオフし、初飛行を実現した。広州では、小鵬匯天の「陸地航母」が量産試作ラインオフと複数機による試験飛行を完了した。2019年には理想汽車が冷蔵庫、助手席エンターテインメントスクリーン、超快適シートを初めて車両に搭載した。比亜迪(BYD)の「仰望」や、江淮汽車と華為が共同開発した「尊界」は、テクノロジーと中国的美学によって高級車の概念を再定義し、自動車に対する美意識を一新した。蔚来(NIO)は世界に先駆けて「充電・バッテリー交換・アップグレードが可能」な充電・バッテリー交換システムと、「車両とバッテリーの分離」によるバッテリーレンタルサービスを打ち出し、8年間で4000ヶ所以上のバッテリー交換ステーションを整備し、充電・バッテリー交換を差別化された競争優位性へと変えた。
第15次五カ年計画期間がスタートし、新エネ車産業は新たな質の高い発展サイクルに入った。2025年末、長安汽車と北汽集団の2車種が国内初となるL3レベルの条件付き自動運転製品市場参入許可を取得した。中国の自動運転は現在、「技術検証」から「量産・実用化」という新たな段階へと急速に移行している。北汽集団傘下の「極狐アルファS(L3版)」は、大興空港高速道路など、北京市指定の道路区間で公道走行の実証試験を行っている。
中国の新エネ車産業の台頭は、単なる産業発展の方向転換にとどまらず、それ以上に制度上の優位性、市場の活力、産業の強靱性、人材面の恩恵が、強国建設という時間軸の中で一挙に成果として結実したものだ。この産業飛躍の道を、我々は正しく、着実に歩んできたのであり、これからもさらに遠くまで歩み続けていくことになる。
NEWS9 世界最大のメタノール二元燃料鉱石運搬船が遼寧省の大連で命名
中国の造船大手・恒力重工が独自に研究開発し、建造した載貨重量トン数が32万5000トン型の超大型鉱石運搬船(VLOC)2隻の命名式が30日、遼寧省大連市で行われた。この2隻は現在、世界最大のメタノール二元燃料鉱石運搬船となる。
今回「韋立創世(WINNING CREATION)号」、「韋立摯誠(WINNING DEVOTION)号」と命名された鉱石運搬船は、恒力重工がシンガポールに本社を置く中国船社の韋立(ウイニング・インターナショナル・グループ)の注文を受けて建造した新世代の船舶だ。
同シリーズの船舶の全長は329.9メートル、型幅は60メートル、型深さは30.5メートル。「海上の鉱石倉庫」と呼ばれており、鉄鉱石やボーキサイトなどの外航海運のために建造された。鉱石スラリーを積載することができるほか、デッキに積載することもできる。
業界内の同じタイプの船舶と比べると、「韋立創世号」と「韋立摯誠号」は、重量が2000トン余り軽いものの、積載量は多くなっている。その他、速力は14.17ノットで、業界内の同じタイプの船舶より速い。
恒力重工が現在建造中の船舶は180隻以上あり、加工する鋼板は年間300万トン。手持ち工事量は2030年までいっぱいになっており、世界で単体規模が最大で、関連施設が最も整っている造船拠点となっている。
NEWS10 中国製新エネ車の海外進出によって構築される新たな優位性とエコシステム
東南アジアのタイやシンガポールでは、中国製新エネルギー車の人気モデルを購入するため、長時間列に並ぶ消費者が見られる。
欧州では、今年5月に中国の自動車メーカー5社が欧州31ヶ国で計13万8000台を販売し、前年同期比で64%を超える伸びを記録した。中国の自動車メーカーの欧州における月間新車登録台数が、初めて日本メーカーを上回った。
南米では、ブラジルが中国製新エネ車の最大の輸出先となった。今年7月には、比亜迪(BYD)のブラジル工場で10万台目の新エネ車がラインオフした。
こうした活気溢れる光景の一つ一つは、中国の自動車産業が新たな発展モデルの構築を加速させていることを鮮明に示している。国内と海外をつなぎ、相互に促進し合うことで、国内市場と国際市場、国内資源と国際資源が互いを高め合っている。
中国自動車工業協会のデータは、中国自動車産業のグローバル化を物語っている。
中国の自動車輸出台数は、2013年の97万7300台から2025年には709万8000台へと増加し、7倍以上となった。
今年1~7月の中国の自動車輸出台数は614万台に達し、前年同期比で66.8%の大幅増となった。
中国が世界最大の自動車輸出国へと躍進するうえで、新エネ車の力強い牽引効果が不可欠だった。
2020年から2025年にかけて、中国の新エネ車輸出台数は6万9000台から261万5000台へと増加し、5年間で37倍以上となった。
量的な拡大の背後には、品質の飛躍的な向上がある。中国製新エネ車の海外進出を後押ししているのは、先進的な生産能力と高品質な製品だ。
輸出されている車種はいずれも国内市場での競争という試練を経た主力のミドル・ハイエンドモデルであり、その多くが各ブランドのフラッグシップモデルだ。最終販売価格も一般的に国内市場を上回っている。ブランドの評判という点でも、中国製新エネ車は「ハイエンド・高品質」の代名詞となり、かつてのガソリン車の「ローエンド・低品質」という固定観念を完全に払拭している。
中国製新エネ車は海外進出の過程で、「完成車輸出」から「産業チェーンの海外進出」、さらに「エコシステムの海外進出」へと三段階の飛躍を実現し、生産拠点の展開、技術標準、ブランド発信を網羅する「体系的な現地定着」へと急速に向かっている。
中国の自動車メーカーはグローバルな思考とローカライゼーションの行動を堅持し、各国の道路事情、気候、法規制に合わせて製品を改良するとともに、現地工場やサプライチェーン、研究開発、アフターサービスの体制を構築している。BYDはブラジルで完成車や電池材料の生産を展開し、現地サプライヤーを育成している。上汽集団は整った海外運営体制を構築し、奇瑞汽車は南米や中東の走行環境に合わせて車両性能を最適化している。寧徳時代はバッテリー交換技術を欧州に輸出し、多国籍企業も中国の電動駆動技術や自動運転技術を積極的に導入し、提携している。
海外進出の道のりは決して平坦ではない。トルコ、EU、米国、メキシコが相次いで保護貿易政策を打ち出し、関税障壁、コンプライアンス上の課題、文化の違いが現実的な試練となっている。中国の自動車メーカーは互恵・ウィンウィンの理念を堅持し、一方的な市場拡大を目指すのではなく、現地の発展と積極的に融合し、雇用を創出し、産業人材を育成し、現地の工業化水準を高めることで、グローバル・サウス諸国がコストパフォーマンスが高く、環境にやさしい移動手段を手に入れることを支援している。国際自動車工業連合会(OICA)のデータによると、世界の自動車市場における今後の増加余地の80%近くがグローバルサウスに集中している。中国製新エネ車は、電動化・AI化における先発優位性と、産業チェーン全体がもたらすコスト優位性を活かし、多くの発展途上国にスマート電動化モビリティへ移行する環境配慮型の道筋を提供している。
2025年、BYDはテスラを抜き、純電気自動車(BEV)の年間販売台数で世界首位となった。今年6月9日には、BYDの創業者で会長兼社長の王伝福氏が株主総会で、5年後には規模において真の「世界一」を目指すという壮大な志を改めて表明した。
中国長安汽車の賈立山副社長は、2030年までに欧州で1000ヶ所を超える販売・サービス拠点を構築するという同社の計画を明らかにした。
上汽集団の賈健旭社長は、中国の自動車メーカーが海外進出において追求する価値は、すでに市場の奪い合いから、グローバルな産業共同体の構築へと移行しているという考えを示した。
より多くの新エネ車が世界各地の道路を走り、インテリジェント・コネクテッド・ビークルのモビリティ体験がより多くの発展途上国の人々に恩恵をもたらすようになる時、中国製新エネ車の海外進出は、単なる産業発展の成果にとどまらず、グリーン・低炭素発展と生態文明という理念を体現する生き生きとした実践例となるのである。







