銘・精選

NEWS1 海南国際炭素排出権取引センターが承認を受けて設立へ

 海南国際炭素排出権取引センターの設立が承認され、海南省三亜市で登録されることになった。今月18日、海南省地方金融監督管理局は同センターの設立準備推進会を開催した。そこで明らかになったところによると、同センターの設立準備チームが目下、各種の準備作業に全力で取り組んでおり、今年下半期に開業し、業務運営をスタートする予定だという。

 同センターは市場化された生態環境補償メカニズムを構築し、カーボンファイナンスを通じて経済社会の低炭素へのモデル転換を推進する。同センターはまた海南自由貿易港が重点的に推進する「6+3」取引所(エネルギー、水上輸送、知的財産権、株式などの分野の取引所)の1つでもある。2022年2月7日、海南省政府の承認を経て、同金融局は「海南国際炭素排出権取引センター有限公司の設立に関する回答」を通達して、同センターの設立に同意するとともに、設立準備をスタートし、センターを三亜で登録することにした。

NEWS2 中国の新エネルギー車が大規模な急速発展の新たな段階に

 3月14日、浙江省金華市にある零跑汽車有限公司のスマート工場は繁忙を極めていた。2月の引き渡し量は前年同期比で447%増加し、3月の生産計画スケジューラ(APS)では生産台数が1万台に達した。

 同社の創業者の朱江明氏は、「現在、当社の中大型のバッテリー電気自動車(BEV)『零跑C01』は3四半期の大量生産と引き渡しに向けて急ピッチで準備を進めている。『零跑C01』は世界初のバッテリーと車体が一体化構造になったバッテリー技術を採用した量産型車種であり、搭載した自動運転用チップ『凌芯01』は独自の知的財産権を完全に備えたものだ」と述べた。

 吉利汽車傘下の湖北芯擎科技有限公司が開発した初の国産自動車規格ランクの半導体となる7ナノメートル(nm)スマートコックピット用チップは、昨年6月にテープアウト(設計の最終段階に到達)し、現在は川下の企業と協力して大量生産前のテストとデータの集積が行われている。比亜迪汽車(BYD)と寧徳時代新エネルギー科技はブレードバッテリーなどの技術が市場に人気となっており、今年1-2月にはリン酸鉄リチウム電池を搭載した車両が組立車に占める割合が55.9%に達した……バッテリー、モーター、電子制御などのキーテクノロジーが次々にブレークスルーを達成し、スマートコネクテッド、自動運転のコア技術とアルゴリズムが勢いよく後を追いかけ、追い越そうとしている。

 ここ数年、新エネルギー自動車産業が加速的な発展を遂げた。昨年の中国の新エネ車の累計販売量は前年比1.6倍増の352万1千台に上り、7年連続で世界一だった。そのうち、中国ブランドの新エネ乗用車の販売量は247万6千台で、新エネ乗用車販売量全体の74.3%を占めた。技術力がさらに高まり、BEV乗用車の平均航続距離は2016年の253キロメートルから21年は400キロメートルを超えた。輸出がブレークスルーを達成し、昨年の新エネ車輸出量は同3倍増の31万台に上り、それ以前の輸出量の合計を上回った。中国の新エネ車は今、大規模な急速発展の新たな段階に入りつつあるところだ。

NEWS3 長期的な睡眠不足は国に経済的損失をもたらす可能性



 睡眠は心身の健康に関わるだけでなく、実は経済とも密接な関係がある。国民全体が睡眠不足だとその国の経済成長を遅らせるとの調査結果がある。

 科学研究プロジェクトが経済協力開発機構(OECD)加盟国の5種類のデータを使用してモデリングしたところ、次のようなことがわかった。1日の睡眠時間が6時間に満たない人は、7時間以上寝ている人に比べて死亡率が13%高い。しかも睡眠不足がもたらす経済的損失、睡眠不足がもたらす経済的損失は国内総生産(GDP)の3%に相当する。

 睡眠の問題は個人の健康にも社会経済にも大きなマイナス影響をもたらすことを踏まえ、睡眠問題を改善する各種の商品やサービスの市場も規模が拡大を続けている。広い意味での「睡眠サポート経済」には、主に睡眠環境の改善、生活時間の調整、薬品・治療の3つの大きな方向性がある。業界のまとめた報告によると、世界の睡眠サポート市場は2020年は約812億ドル(1ドルは約119.3円)となり、2025年は1127億ドルに達する見通しで、この間の複合年間成長率は約6.8%になるという。

NEWS4 東方航空のボーイング機が墜落 東方航空とボーイング社がコメント



 東方航空公司が運航するMU5735便は21日、雲南省昆明市から広東省広州市に向かう途中、広西壮(チワン)族自治区梧州市の上空で連絡が途絶えた後に墜落した。乗っていた計132人のうち、乗客は123人、乗員は9人だった。

 東方航空によると、すでに緊急対応メカニズムを発動しており、現場に作業チームを派遣するとともに、乗客・乗員の家族をサポートする緊急ホットラインも開設した。

 同社は21日夜に公告を発表し、「今回の墜落事故の原因は現在調査中であり、今後は関係調査に積極的に協力する」とした上で、「今回の事故の犠牲者の皆さまに深い哀悼の意を表します」とした。

 同社は事故発生後、保有する事故機と同型のボーイング737-800型機をすべて運航停止にし、飛行中の同型機は着陸後に運航を停止した。

 同社が21日夜に明らかにした内容によると、フライト情報では事故機には乗客123人が乗っており、現時点では外国人の搭乗は確認されていない。今後は情報の確認作業をさらに進めるという。

 ボーイング社の公式サイトの情報によれば、737-800機は座席数162席、最大座席数189席、全長39.5メートル、全幅35.8メートル、全高12.5メートル、搭載するエンジンはCFM-56。

 ボーイング中国法人は、「米国の国家運輸安全委員会(NTSB)と連絡を取っており、ボーイングの技術専門家も中国民用航空局の調査に協力するための準備を整えた」と発表した。

NEWS5 中国が1.5兆元規模の未控除付加価値税の還付政策をスタート

 「ブラックスワン」が駆け回り、予想が弱まる目下の状況の中、「安定」が中国マクロ経済の大局と資本市場への重要性がますます突出するようになった。中国新聞網が伝えた。

 3月21日に開催された国務院常務会議では、財政政策と金融政策を同時進行させ、大規模な未控除付加価値税の還付の政策計画を実施することを決定した。これはマクロ経済の大局の安定にとって力強い支えを提供するものとなる。また総合的施策を計画して市場の予想を安定させ、資本市場の安定した健全な発展を維持することも決定した。

 2022年の「政府活動報告」では、過去最大規模となる2兆5千億元(1元は約18.8円)の税金還付・減税計画が打ち出され、そのうち減税が筆頭に置かれ、規模は1兆5千億元を超えた。

 また同会議では、中央政府から地方政府への1兆2千億元の移転支出による3つの特定項目を設定し、基層レベルの税金還付・減税・費用削減、雇用の保障、基本的民生の保障などが着実に行われるよう支援することを明確にした。

 財政部(財務省)は21日、小規模・零細企業の未控除付加価値税の還付を支援するための特定項目への第1期移転支出として4千億元が同日午後に拠出されたこと、他の2つの特定項目の資金も関連作業の進み具合によりできるだけ早く拠出することを明らかにした。

 粤開証券の羅志恒チーフエコノミストは、「未控除付加価値税の還付は減税・費用削減における重要な措置であり、マーケットエンティティの安定や微視的な企業の予想の活性化に対して大きな支援となり、企業の資金占用を減少させ、企業の資金調達コストを引き下げ、企業のリスク対応力を高めることができる。とりわけ経済が下ぶれする時期には、資金とキャッシュフローが企業の存続を決定する大きく直接的な要因になる」と述べた。

NEWS6 第5回輸入博の出展ペースは過去最高 出展企業リスト第1弾発表

 第5回中国国際輸入博覧会の出展企業・機関リスト第1弾が21日に正式に発表された。中国国際輸入博覧局によると、今回は出展を希望する企業からの申し込みが非常に多く、現時点での出展ペースはこれまでの同期の水準を上回るという。中国新聞網が伝えた。

 今回発表された出展リストのうち、企業は182社、国・地域の出展チームは8チームに上り、いずれも今年1月末までに出展契約を終えている。展示面積の大きなところのうち、半数近くが5年連続で出展する「昔からの友人」だ。

 第5回輸入博の企業商業展の食品・農産物エリアに出展する有名企業には、CPグループ、カーギル、ネスレ、ダノン、明治などがある、自動車エリアの出展企業には、トヨタ、フォルクスワーゲン(VW)、ポルシェ、ゼネラルモーターズ(GM)、ボッシュなどがある。サムスン、キヤノン、ゼネラル・エレクトリック(GE)、カール・ツァイス、ハネウェルなども技術装備エリアに出展する。

 このほか消費財エリア、医療機器・医療保健エリア、サービス貿易エリアにも、業界トップクラスの企業が多数出展する。

 第5回輸入博に参加が確定した国・地域の出展チームには、日本貿易振興機構(ジェトロ)、ドイツ商工会議所、コスタリカ貿易開発局、セルビア開発庁(RAS)などがある。

 第5回輸入博企業商業展は2022年11月5-10日に行われる。今回の展示では専用エリアの最適化・細分化がさらに進み、農産物種苗業や人工知能(AI)など新たな専用エリアも設置されるという。

NEWS7 若者が「国潮」に夢中になるのはなぜ?

 2022年北京冬季五輪は終わったが、マスコット「ビンドゥンドゥン」のグッズはまだ手に入りにくい状況が続いており、オンラインでは買えず、実店舗では1時間以上並ばないと手に入らないという。

 阿里研究院がこのほど発表した「中国消費ブランド発展報告2020」によれば、中国国産ブランドのオンライン市場シェアが72%に達した。また「百度(バイドゥ)国潮の誇り検索ビッグデータ2021」報告によれば、「国潮」(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)は過去10年間に注目度が528%上昇した。国産品がトレンドになり、「国潮」消費が新世代の消費者にとってますます重要な選択肢になっている。

 東洋風の浮き彫り技術が化粧品に溶け込み、敦煌の壁画モチーフがスニーカーにスタンプされ、大白兎ミルクキャラメルがトレンドのフレグランスを発売した……こうした、以前なら現代のファッションとは結びつかなかったような要素が、今やさまざまな消費シーンに登場して、新たなトレンドを形成している。

 中国伝媒大学広告学院の王昕副院長は、「『国潮』とは中国の製品、中国のブランド、中国の美学、中国の文化が総合的に現れるものだ。『国潮』はさまざまな記号が統一され再現されたもので、その中には中国の伝統文化のアイデンティティを示す記号もあり、民族のトーテムマークに見られる記号や中国伝統文化と現代のファッションが融合して出来た記号もある。また中国の国家イメージを表わす記号もあり、たとえば『中国』や『中華』の字形は中華民族のアイデンティティを強く意識させる記号だ。(北京冬季五輪マスコットの)ビンドゥンドゥンとシュエロンロンは中国イメージに対して抱く感情が投影された存在で、消費者があれほど熱を上げて買い求めるのは、このマスコットたちに豊かな感情が投影され、象徴的な価値を持つことを重視するからだ」と総括した。

 「国潮」の「潮」はどこにあるか?

 1995年生まれの胡睿さんは以前にフランスに留学していた時、スポーツウェアブランドの李寧の「国潮」風パーカーをよく着ていたという。「赤い四角いはんこ風のマークの中に、レトロ感ある繁体字で『中國李寧』のロゴが浮かび上がり、いかにも流行りのスポーツスタイルらしい。『中國李寧』とプリントされたパーカーを着てパリの大通りを歩いていると、すごくかっこよかった」と胡さん。Z世代には胡さんのように「国潮」の若いファンが少なくない。21世紀経済研究院が発表した「新一線都市のZ世代若者消費トレンド報告2021」によると、回答した「95後(1995年から1999年生まれ)」のうち、「国潮のコラボ商品が好き」という人は43%に上った。

 「中国李寧」のロゴ入りパーカーはなぜこれほど人気があるのか。

 王氏は、「『中国李寧』のロゴは国家としてのアイデンティティ、文化的なアイデンティティを示すと同時に、一目見てすぐわかるという特徴がある。新世代の消費者には強力な世代のラベルが張られ、自分の世代への帰属感があり、親や兄世代とは異なる自分たちの世代ならではの特徴を確立したいと切実に願っている。新世代の若者の、特にZ世代の重要な特徴は、試して見る勇気があること、新しい物事を好んで受け入れるが深入りはしないことだ。このことは現代の情報収集手段などの原因と大きな関係がある。たとえばショート動画は2秒間で視聴者の注意を引き付けることができなければ、すぐに次の画面に切り替えられてしまう。そのためブランドという角度から見ると、中身が外に顕在化することが非常に重要であり、一目でわかる『国潮』商品はとりわけわかりやすく人気が出やすい。今、『国潮』の流行のデザイン要素が内面を外見に表わしたい若者のニーズに応えている。若者は『国潮』を身にまとうことが好き、外の世界に人とは違う自分を一目でわかってほしいと考えている」と分析した。

 王氏は、「中国の国力がますます強大になるにつれ、文化もますます発展を遂げている。こうした大きな背景が現代の若者に強い時代的な感化を与え、若者は今の時代ならではの文化的帰属感を確立したい、そうして自分の所属する層が他の社会層とは違うことを明らかにしたいと考える。これが『国潮』がより深層レベルで発展を遂げた原因だ。過去には、多くの若者が香港・台湾地区や海外の文化的製品を好んでいた。しかし今、『国潮』文化が現代の若者にこれまでとは違った追求の目標をもたらした。こうした要素が相まって、若者たちの間で『国潮』文化の発展を後押しした」との見方を示した。

NEWS8 ロシア・ウクライナ紛争が欧州に大きな打撃を与え世界に波及

 最近、複数の国際機関がロシア・ウクライナ紛争に関する研究報告書及び専門的テーマの文章を相次いで発表している。こうした各方面の研究を総合すると、ロシア・ウクライナ紛争は世界経済の見通しを急速に悪化させており、短期的には欧州経済に深刻な影響を与えることが予想され、長期的にはグローバル経済と地政学の秩序を根本から変えることが予想されるという。「経済日報」が伝えた。

 国際通貨基金(IMF、本部は米国・ワシントンD.C.)のアジア太平洋局の李昌鏞局長を含む複数の幹部が現地時間の3月15日に共同で文章を発表し、「ロシア・ウクライナ紛争はグローバル経済に重大な打撃を与え、世界の経済全体がウクライナ情勢と対ロシア制裁のマイナス影響を受けている。こうした影響はこれから成長の鈍化とインフレの激化という形に総合的に現れることになる。IMFは来月に発表する最新の『世界経済見通し』の中で、グローバル経済成長率の予測を引き下げ調整するだろう」と指摘した。

 IMFの幹部は、「ロシア・ウクライナ紛争が世界各地の経済に与える影響は主に3つのルートを通じて伝わる。1つ目は食品やエネルギーなどのコモディティ価格上昇がインフレをさらに進行させ、ひいては個人所得を侵食していってニーズを押さえ込むこと。2つ目はロシア、ウクライナの近くに位置するエコノミーが貿易、サプライチェーン、送金の中断、そして難民の歴史的な大幅増加などの問題に直面すること。3つ目は企業の信頼感の低下と不確実性の高まりが資産価格に圧力を与え、金融環境の逼迫を招くとともに、国際資本が新興市場から流出するのを後押しする可能性があることだ」との見方を示した。

 国連貿易開発会議(UNCTAD、本部はスイス・ジュネーブ)は現地時間の3月16日に発表した報告書の中で、ロシア・ウクライナ紛争が世界の貿易や発展に影響を与え、食品、燃料、化学肥料の価格上昇をもたらし、世界経済の成長率予測に大きな打撃を与え、アフリカ諸国と後発開発途上国の情勢にとりわけ深刻な懸念をもたらすだろうと指摘した。

 経済協力開発機構(OECD)の最新の予測では、ロシア・ウクライナ紛争は今年のグローバル経済成長を少なくとも1ポイント低下させ、インフレ率を2.5ポイントを上昇させる可能性がある。ロシアとウクライナの経済規模が世界の国内総生産(GDP)に占める割合は2%しかないが、両国は各種原料の主要な生産国、輸出国であり、エネルギー市場とコモディティ市場に非常に大きな影響力を持つ。ロシア・ウクライナ地域のサプライへの懸念が大いに高まっていることから、石油、天然ガス、金属、そして化学肥料の生産に必要な化学品の価格が大幅に上昇した。これから国際原油価格は引き続き33%上昇し、天然ガス価格は85%上昇し、小麦価格は90%上昇するという。

NEWS9 「漢服+花見」が新たなトレンドに 関連企業登録の増加率16.7%に

 中国伝統の民族衣装である漢服は、ここ数年にわたり大衆的なレベルで高い関心を集め、若者の間で人気となっており、今や爆発的な勢いを見せる注目分野だ。調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)がまとめた2021年報告書によると、漢服愛好者の増加率は4年連続で70%を超え、中国漢服市場の売上高は100億元(1元は約19.0円)前後に達したという。環球網が伝えた。

 春が訪れ、多くの若者が漢服を着て花見に出かけたり写真を撮ったりしている。国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)の影響もあって、漢服を好む人はますます多くなっている。調査会社の天眼査のデータによれば、現時点で名称に「漢服、漢代服飾、漢代服装、漢衣冠」が含まれたり、またはその経営範囲もしくは製品・サービスに「漢服、華服、漢装、漢代服飾、漢代服装」が含まれている上で、その企業状態が経営中・存続・登記機関転入・登記機関転出にある漢服関連企業は計3400社以上ある。そのうち自営業者が4分の3、有限責任公司が5分の1近く、設立から5年以内の企業が8割近くを占めている。

 地域分布を見ると、広東省は企業数が310社を超えて9.2%を占め、全国トップに立った。2位は安徽省の7.8%、3位は湖北省の7.4%。21年に新たに設立された企業は773社に上り、登録件数の増加率は16.7%に達した。

 艾媒諮詢のアナリストは、「漢服の愛好者は人数としては相対的にニッチな消費者層ではあるものの、その層が支える消費の規模は大きい。そこからその消費力と消費意欲の高さ、そしてロイヤルティの高さがうかがえる。今後の市場には引き続き大きな発展の可能性がある」との見方を示した。

NEWS10 中国、2035年に水素エネルギー産業体制を形成へ

 国家発展改革委員会と国家エネルギー局は23日に共同で通達した「水素エネルギー産業発展中長期計画(2021-2035年)」の中で、2025年に燃料電池自動車(FCV)の保有台数を約5万台にし、35年に水素エネルギー産業体制を形成し、交通、エネルギー貯蔵、工業などの分野をカバーする多元的な水素エネルギー応用生態圏を構築する方針を明確に打ち出した。中国新聞網が伝えた。

 同計画によると、中国は現在、世界最大の水素生産国であり、年間の生産量は約3300万トン、そのうち工業用水素品質基準に達したものが約1200万トンに上る。再生可能エネルギー発電設備の容量は世界一で、クリーンで低炭素の水素エネルギー供給には極めて大きなポテンシャルがある。産業チェーン全体で一定規模以上の水素エネルギー関連の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)は300社を超え、主に長江デルタ地域、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)、北京・天津・河北などの地域に分布する。

 しかし全体としてみれば、中国の水素エネルギー産業はまだ発展の初期段階にあり、世界のトップレベルと比較した場合、産業のイノベーション力の弱さ、技術設備の水準が低さ、産業の発展を支える基礎的制度の立ち遅れ、産業の発展形態と発展ルートに一層の探求が必要などの問題や挑戦が引き続き存在している。また一部の地域の無計画な追随、同質化競争、低水準の建設などの兆しも見える。

 同計画は水素エネルギー産業発展の段階ごとの目標を打ち出した。

 まず25年に、比較的整った水素エネルギー産業発展の制度的・政策的環境を形成し、産業のイノベーションを目に見えて向上させ、コア技術と製造技術をほぼ確立し、比較的整ったサプライチェーンと産業体制をほぼ構築する。水素エネルギーのモデル応用が目に見える成果を上げ、クリーンエネルギーによる水素生産と水素エネルギーの貯蔵輸送技術が大きな進展を遂げるようにし、市場競争力を大幅に高め、工業の副産物としての水素および再生可能エネルギーによる水素の生産と生産地から近い場所での利用を中心とした水素エネルギーサプライ体制をほぼ構築する。燃料電池車の保有台数を約5万台にし、複数の水素ステーションを計画建設する。再生可能エネルギーによる水素生産量を年産10万-20万トンにし、これを新たに増加する水素エネルギー消費への重要な供給源とし、二酸化炭素(CO2)の排出量を年間100万-200万トン削減する。

 次に30年に比較的整った水素エネルギー産業技術イノベーションシステム、クリーンエネルギーによる水素生産・供給システムを形成し、産業構造を合理的で秩序あるものにし、再生可能エネルギーによる水素生産を広い範囲で応用し、二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトの目標実現を力強く支える。

 さらに35年に、水素エネルギー産業体制を形成し、交通、エネルギー貯蔵、工業などの分野をカバーする多元的な水素エネルギー応用生態圏を構築する。再生可能エネルギーによる水素生産が末端のエネルギー消費に占める割合を大幅に上昇させ、水素エネルギーがエネルギーのグリーンモデル転換と発展を支える重要な役割を果たすようにする。


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