銘・精選

NEWS1 東京五輪で沸き上がる中国国産スポーツブランドの消費ブーム

 東京五輪が始まってから、中国では国民全体でスポーツ・トレーニング関連の消費ブームが巻き起こり、中国ブランドがスポーツマーケティングを集中的に行い、スポーツウェアブランドの鴻星爾克(HONGXING ERKE)も旗艦店のトップページに「中国チームがんばれ」と応援メッセージを掲げた。そんな鴻星爾克は最近、売り上げが「突出」しており、消費者に繰り返し「理性的な消費を」と呼びかけ、「商品発送が追いつかない」と訴えている。その前に破産のうわさが流れていた鴻星爾克がこのような状態になった原因は、同社が河南省の豪雨被災地に5千万元(約8億5千万円)の寄付を行い、支援のため被災地に向かったことを受けて、人々が同社の製品を買おう、同社の話題を広めようと熱い気持ちになったからだ。「鴻星爾克はネットでのアクセスによる棚からぼた餅のブランド」という見方もある。しかし業界での一般的な見方は、「鴻星が今回ボーナスを獲得したのは、災害発生後ただちに正しいことをして、世論の方向性を正確に判断できたからだ」というものだ。「広州日報」が伝えた。

 国産ブランドのスポーツ用品のマーケティングのカテゴリーが広がり続ける

 7月22日夜、鴻星爾克は呉栄照会長を送り込み、ライブコマースに出演させた。呉氏は23日早朝にライブコマースに登場して視聴者に感謝の意を伝えるとともに、「理性的な消費を」と繰り返し呼びかけた。

 中国日用消費財業界アナリストの朱丹蓬氏は、「鴻星爾克は民族ブランドの役割と使命を体現した。同社がこのきっかけをつかみ取れれば、会社の起死回生にとって大きな力になる。鴻星爾克は三線都市、四線都市に転戦して店舗を拡張しているが、今回の出来事の後で、チャンスをつかまえて再び一線都市、二線都市の市場争奪戦に加われるかどうか、しばらく様子を見る必要がある」と述べた。

 業界のウォッチャーは、「今年はスポーツイヤーだが、イベントごとに口コミと売り上げの両面で抜きん出るブランドは極めて少数だ。新型コロナウイルス感染症が発生して、人類の健康に密接に関わるスポーツ・運動は、ブランドが広く定着するための『マーケティング言語』になろうとしている。主流の文化として、スポーツのマーケティング対象の範囲は広く、そしてスポーツのタイプによってそれを好む人にも大きな差がある。このことがスポーツマーケティングを全体的でカバー範囲が広く、ターゲットを正確に探り当てるものにしている」との見方を示す。

 オンラインもオフラインもトレーニング消費が熱い

 同時に、夏休みや五輪の到来に伴って、国民を挙げてオンライン、オフラインのスポーツ消費ブームが巻き起こっていることだ。EC大手の京東によると、23日と24日の2日間で、京東のスポーツ「国潮」(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)ブランド全体の取引額は前年同期と比較した増加率が500%を超え、ランニングシューズ、バスケットボールシューズ、トレーニングシューズ、スポーツパンツ、スポーツアクセサリーはよく購入された品目だ。うち、ランニングシューズの取引額は同500%増加し、バスケットボールシューズも100%以上増加し、トレーニングシューズは500%以上増加し、スポーツパンツとアクセサリーはどちらも300%以上増加した。

 オフライン消費も同じく活発だった。広州市にある数ヶ所のデパートやショッピングセンターを訪れると、スポーツブランドの直営店は来店者が目に見えて増加している。広州友誼商店はこのほど夏の感謝大セールをスタートし、スポーツブランドの売れ行きが特に目を引くという。同店の関係責任者は、「全体として、スポーツ関連製品は10%前後伸びている。中でも国潮ブランドの安踏集団傘下のFILAブランドの売り上げが40%増加した」と述べた。

NEWS2 中国の新職業が若者に大人気


2020年10月21日、全国人工知能(AI)応用技術技能コンテストの安徽省予選の現場で、「スマートセンサー技術応用」の試合に出場した選手たち。(撮影・王彪、画像提供は人民図片)


 中国の人的資源・社会保障部(省)など3当局がさきに共同で、集積回路工学技術者、企業コンプライアンス師、飲料調合師など18種類の新職業を発表した。2019年以降に発表された新職業はこれで56種類になった。

 ここ数年、デジタル技術が中国の各業界へ急速に浸透し、企業はデジタル化モデル転換の必要に迫られるようになった。そしてデジタル化管理士、オンライン学習サービス担当者、オムニメディア運営士などの新職業が機運に乗じて誕生した。一方で、デジタル技術が発展して、プラットフォーム経済が勢いよく発展するとともに、ネット注文配達員、オンライン配車運転手など一連の新職業が誕生した。

 製造業のモデル転換・レベルアップのペースが加速し、先進的製造業、スマート製造業へと絶えずレベルアップするのに伴って、一連の技術のウェイトや技能の要求水準の高い新職業が誕生した。たとえば先端技術の応用に伴って、産業用ロボットシステムオペレーター、量子アルゴリズムエンジニアなどの「SF的キャラクター」が現実になり、「中国製造(メイド・イン・チャイナ)」を駆動して「中国智造(中国のスマート製造)」に向かわせている。

 中国国民の生活レベルが向上し続けるのに伴い、社会のニーズがレベルアップする流れが明確になった。ヘルスケアプランナー、呼吸治療士、リハビリ・補助技術コンサルタント、高齢者能力評価士など一連の新職業が誕生し、健康、ヘルケアプラン、介護、食品の安全性などに対する社会的ニーズの高まりを反映している。

 同時に、「興味の経済」をめぐる一連の新たなニーズも、細分化された消費分野の新職業を生み出した。若者が好む密室エンターテインメント業界からは、密室推理ゲームのシナリオライター、音響効果スタッフ、運営スタッフなど一連の職業が誕生した。



 「90後(1990年代生まれ)」の若い男性の陳小龍さん(右)の指導の下、スマートサービスロボットがAI学習、2本のロボットアームの調整・訓練、視覚訓練などの方法で、コーヒーを入れるといった複雑な動作の模倣を実現した。2018年末、陳さんはマン・マシン・インタラクションを手がけ、ロボットの動きのプランニングと実行を担当する応用技術者になった。(撮影・許維娜)

 自由に働けて、興味関心と仕事が融合し、自己実現のできる舞台……新職業にはこのような若者の好むさまざまな要因が含まれている。「青年新職業アドバイス」の調査研究によると、若者の5割以上が「新職業を試しにやってみたい」と考えており、2割近くが「すでに関連の仕事を始めた」と答えたという。

 黄祖勝さんはデジタル管理士という新職業に就いた最初の人々の1人だ。2014年以来この仕事をしており、年収はかつての数万元(1元は約16.9円)から現在の35万元になり、常にいろいろな企業から熱心な引き合いがあり、仕事が見つからないという心配はまったくないという。

 黄さんは取材に、「多くの中小企業が今も小さな工場式の管理を行い、すべてが社長任せで、どこもデジタル化管理の必要に迫られている。自分の仕事は企業を支援して組織体制、人事制度、管理システムを構築し、デジタル化した事務管理によって企業のコスト引き下げと収益増加をサポートすることだ」と話した。



 2021年3月7日、上海市の第1期「産業用ロボットの操作と運営・メンテナンス」(上級)クラスが、新橋職業訓練学校で順調にスタートし、第1期受講者は計40人だった。画像は受講者が産業用ロボットの操作を学んでいるところ。(撮影・姜輝輝、画像提供は人民図片)

 黄さんのキャリアから新職業の魅力がうかがえる。同部が発表した「新職業——デジタル化管理士雇用景気現状分析報告」によると、デジタル化管理士の87%が現地平均の1-3倍の給料をもらっており、10対1の割合でデジタル化管理士を置いている企業は、置いていない企業より仕事の効率が35-50%高いという。中国で19年に新職業に入ったデジタル管理士は、今ではこの仕事をしている人は200万人を超える。

 黄さんのキャリアは特別なケースではない。某サイトで科学技術ブロガーとして活躍する「影視颶風」さんは、この仕事をするようになっても、動画制作は業務の合間の趣味と考えていたが、今では約50人のクリエイターからなる制作チームを立ち上げ、過去1年間の営業収益は2千万元を超えた。昨年末現在、このサイトの月間アクティブブロガー数は190万人に達した。

 ニーズの規模を考えると、新職業の前には大きな可能性が広がっている。人社部中国就職訓練技術指導センターが発表した「新職業オンライン学習プラットフォーム発展報告」によると、今後5年間で新職業の人材ニーズの規模が巨大なものになる。クラウドコンピューティング工学技術者は150万人近く、モノのインターネット(IoT)の設置調整士は500万人近く、ドローン操縦士は100万人近く、農業マネージャーは150万人近く、人工知能(AI)人材は500万人近く、建築情報模型技術者は130万人近く、産業用ロボットシステムのオペレーターと運営管理者はいずれも125万人が必要になり、全部合わせると約1千万人近い人材が不足するという。

NEWS3 「管理しづらい90後」は職場の文化をどれだけ揺るがすか?

 「90後(1990年代生まれ」)が職場に進出してきたにつれ、「若者がますます管理しづらくなった」との声がしきりに聞こえてくる。「自己実現を求める」、「個性を発揮したがる」、「説教されるのを嫌がる」、「転職を繰り返す」、「仕事と生活のバランスを追求する」……こうしたよく耳にする表現は、今や若者の「標準装備」になっている。「中国青年報」が伝えた。

 中国だけの現象ではない。最近のメディアの報道によると、韓国の「90後」もそうだという。書籍「90年生まれが来る」に書かれたエピソードによれば、韓国CJグループのブランドマネージャーのイム・ホンテックさんは、韓国の「90後」が職場に進出するようになって、これまでの韓国の職場文化に激しい衝撃を与えている状況に気づいた。「90後」にとって「定時退社」と「有給を取る」は当たり前、権威主義や説教には抵抗し、企業に対する忠誠度は低く、自分の選択への忠誠度だけ高く、残業文化に反対する……。

 「90後は管理しづらい」という話題は、これまで社会で数多く議論され、その原因を世代間の思考様式の違いに帰結するのが主流の見方だ。「70後(1970年代生まれ)」や「80後(1980年代生まれ)」の先輩たちは決定権と発言権を握り、「90後」に対しても従来の管理の考え方とスタイルを採用し、そこで一種の食い違いや不釣り合いが生じる。つまり、「90後」が管理しづらいのではなく、企業の管理がよくないのだ。

 このような状況の中で、管理の問題を認識するようになり、若者に対応するための制度と戦略の調整を考えるようになった企業が現れた。こうした事例から、「管理しづらい90後」は固有の職場文化を揺るがすだろうかという問題を考えざるを得ない。中には、「これから『90後』が成長して管理職になり、職場の発言権を完全に握るようになると、職場文化が完全に変わるだろう」と予測する人もいる。こうした見方は楽観的すぎるのではないか。

 まず、若者の要求には合理的な面もあれば、不合理な面もある。すべての職場が自分のイメージするような素晴らしい状態になると期待するのには無理があり、そのような期待は一方的な願望や思い込みに過ぎない。

 働く若者の要求に直面して、企業の中には一部の調整を行ったところもあれば、転換が難しいところもある。管理は思考と構造であるとともに、技術と能力でもある。雇用機関の中には元々根深い体制の問題に直面し、管理がうまくいかず、長期にわたる悪習を改めるのが難しく、重大な危機に遭遇するまでは、なかなか調整や変化に踏み出せない。

 次に、職場の文化が育んできた職場のルールには、相対的な安定性があり、時には凝り固まってもいて、個人の意思でどうにかできるものではない。

 さらに、「90後」の層も多様化しており、分けて考える必要があり、画一的に考えてはいけない。メディアの報道によって、この層を画一化し、誇張するところがある。調査によると、「90後」の平均転職率は1年に0.91回で、1.09年に1回転職している計算になるが、転職経験のない人は40%を超え、1回だけ転職したことのある人は34%と、「90後」のほとんどは転職を頻繁に繰り返してはいない。言い換えれば、調査サンプルがどれくらいあるか、対象となった業界・企業をどう選択するかが、この層に対する総括と判断に影響するのであり、私たちの理解もまた全面的ではないということだ。

 否定できないのは、「管理しづらい若者」は職場文化に何らかの衝撃を与えるだろう。しかし、雇用機関はこの影響に対処し、変化する時、段階的に行い、ラディカルに行うべきではない。たった一晩ですべてを徹底的に変えるのは不可能だ。職場の文化や生態圏が一度形成されれば、そこには革新的な側面もあれば、保守的な側面もあり、若者は既存の職場文化に大きな衝撃を与えることはできるが、総合的な判断が難しい時は、やはり管理者と若者との接触やぶつかり合いの中で、相互に適応・調整し、変化していかなければならない。一方的に相手に譲歩させるのではなく、期待を抱きつつ、より長いスパンで検証していく必要がある。

NEWS4 魯迅ゆかりの「内山書店」が天津で復活



 1917年に内山完造が上海に開業した内山書店は、文豪の魯迅や郭沫若、田漢、郁達夫などが通ったことで知られている。そんな内山書店が今月、天津のドキュメンタリー監督・趙奇氏と内山家の人々の熱い思いが実り、天津で復活した。

 「内山書店」復活のきっかけは、趙氏が「海外書店」という番組を手掛けた2013年にまで遡る。趙氏は番組の取材で東京の「内山書店」を訪れ、「内山書店」の4代目店長・内山深氏をはじめとする内山家の人々と知り合うことになった。

 2015年4月3日、趙氏は内山深氏と、上海の万国公墓にある内山完造の墓参りをした。内山深氏は、内山完造の弟で東京の内山書店を創業した内山嘉吉の孫にあたる。内山深氏は内山完造の墓前で涙を流しながら、「祖父らの夢は中国で内山書店を再び開店させることだった」と語り始めたという。

 2019年、天津市党委員会宣伝部の指導者らが趙氏と連絡を取り、幾たびもの話し合いを経て、天津市は、天津出版伝媒集団が内山書店の開店と運営などを担当することを承認した。そして2020年に、内山深氏らは、「内山書店」の商標を中国で独占排他的に使用する権利を天津出版伝媒集団に授与することを認めた。同年8月、天津出版伝媒集団は子会社の「天津内山書店有限公司」を立ち上げた。

 天津内山書店有限公司の総経理に就任した趙氏によると、天津の内山書店には現時点で、6000種類以上の本が並び、うち、中日文化交流関連の本が2000種類以上を占めるという。



 「日本文学作品では、村上春樹や夏目漱石の作品のほか、樋口一葉や永井荷風などの作品も選んだ。文学史において、これらの作家も重要な地位を占めている。その他、太宰治のベストセラー作品、さらに、その小説『惜別』も選んだ」と趙氏。

 こうした図書のほか、日本文化関連の文化クリエイティブグッズも天津の内山書店に並んでいる。「例えば、日本の若者の間で人気の知恵の輪や、日本から輸入した日本製の文房具がある。また、茶葉も販売しており、玉露という日本茶を特別に選んだ。なぜなら、内山完造が魯迅をもてなした時に入れたのが玉露だからだ。入れる茶が中国の緑茶・龍井茶に変わると、魯迅らはすぐに分かり、冗談交じりに、『茶葉を変えたの?僕たちを歓迎していないみたいだね』と言っていたという。また、スミスキーのブラインドボックスも販売しており、中国の人々にも日本の若者のある種自嘲的な一つのライフスタイルを知ってもらえたらと思っている」と趙氏は言う。



 魯迅の孫で、魯迅文化基金会の秘書長を務める周令飛さんは、「魯迅は上海にいた頃、ほとんど毎日内山書店に通い、内山完造と固い友情を築いた。内山書店が天津で復活したことで、私と父の夢を叶えることができた」と感慨深げに語る。

 李彤さんは、仕事以外のほとんどのエネルギーを読書や本の購入に費やしている。内山書店が天津で復活したことについて、李さんは、「普段いろんな本屋に行く。並ぶ本は同じものもたくさんあるが、店によって雰囲気が違う。内山書店には、奥深い歴史的背景があり、文化的シンボルだ。魯迅は読書家の精神的世界のレジェンド。内山書店は、魯迅と深いつながりがある。そんな内山書店が天津で復活したということは、天津の出版環境、読書環境、都市文化などが認められていることの表れだ」と喜ぶ。

 樊霓さんは、内山書店が天津で復活するというニュースを随分前に聞いて、開店するとすぐに足を運んだといい、「日本の内山書店に行ったこともあるし、上海にあった内山書店や魯迅とのつながりなどについても知っている。この書店は本の推薦や本のジャンルの選択などの点において、読者にたくさんの収穫を与えてくれると感じている。実店舗の書店のほうが、静かに、本の雰囲気の中に入っていくことができる」と語った。

NEWS5 中国で最も人材不足の100職業とは?


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 人的資源・社会保障部(省)は22日、2021年第2四半期(4-6月)に全国で最も人手が不足する100職業ランキングを発表した。中国新聞網が伝えた。

 それによると、上位10位にはマーケティング担当者、飲食店のホールスタッフ、警備員、清掃員、マーケティング専業者、商品販売員、不動産ブローカー、機器計器製造工、家事代行サービス担当者、配達員が並んだ。

 今回はマーケティング専業者、商品販売員、機器計器製造工がベスト10入りし、顧客サービス管理者、自動車製造スタッフ、パッケージ担当者が圏外になった。

 求人倍率がさらに上昇

 同期は第1四半期(1-3月)と比較すると、求人数も求職者数も前期に比べて減少し、求人倍率(求職者1人あたり何件の求人があるかを示すもの)はさらに上昇し、需給関係は全体として人手不足の状況が続いた。

 最も人手不足の100職業を見ると、求人は1-3月期の166万5千人から同7.63%減の153万8千人になり、求職者は60万9千人から同15.11%減の51万7千人になり、不足する人手は105万5千人から同3.22%減の102万1千人になった。全体の求人倍率は1-3月の2.73から同8.79%上昇の2.97になり、市場全体として需給関係は人手不足の状況が続いた。

 高技能人材の不足現象が目立つ

 新たにランク入りした上位30職業を見ると、半数近くが製造業、情報伝達、ソフトウェア・情報技術(IT)サービスなどに関連した職業で、求められる専門性のレベルが高い。

 たとえば機器計器製造工が今回ベスト10に入り、スマート製造工学技術者、ツール組立工、多結晶シリコン抽出工、通信工学技術者、自動生業工学技術者などの職業が新たに入り、機械修理組立工、プレス工、金属熱処理工などは人手不足が加速している。

 生活サービス関連の職業が人気

 ランキングを見ると、生活サービス関連の職業の求人が盛んな勢いを保っている。

 これまでトップ10に入っていた清掃員、飲食店のホールスタッフ、家事代行サービス担当者に代わり、美容師、乳幼児発展誘導員、介護担当者などの順位が上昇しており、人手不足が加速する状況がうかがえる。

 「美しさを求める経済」や高齢者と子どもをめぐるニーズの拡大に伴って、関連の職業の人気がますます高まっている。

NEWS6 ライトミールが「新たな社交スタイル」に 食べているのは何?

 平日の昼休みになると、北京のオフィスビル・盈科センターの地下1階にある「スーパー碗健康ライトミール」の店には長い行列ができる。ここでは炭水化物、タンパク質、食物繊維、トッピングから飲み物、ミニデザートまで、日常の食卓に並ぶ米や肉、野菜に違う名前を与えられている。近くで働く若者は、「こういう見た目がよくて栄養バランスのいいライトミールのランチの写真をSNSに投稿するのが好き。『いいね』がもらえるうえに、『同好の士』も見つかる」と話す。糖質ゼロ、脂肪ゼロのコンセプトが一世を風靡する今、「ライトミールを通じた社交」が若者に好まれる新しいスタイルになった。「中国青年報」が伝えた。

 中国に上陸して10数年の「舶来品」のライトミールは、今やますます多くの若者におなじみの、いつもの選択肢になっている。新しい物好きの若者がライトミールを選ぶ時、食べているのは一体何だろうか。

 若者がけん引するライトミールの新たなトレンド

 北京の金融企業で働く「90後(1990年代生まれ)」の女性の魯さんは、「夏に可愛いスカートをはきたい」の一念で、同僚たちと一緒に複数のライトミールの店を訪れている。「よくどの店のライトミールがおいしいか情報を交換している。低カロリーセットが一番好き。野菜や肉、雑穀のご飯も入っていて、食べても体に負担がかからない。周りの友だちもライトミールを食べている人が多い。時間の節約になるし、おいしいし、痩せられるから」という。

 見た目においしそうで、食べれば栄養があり、油分が少なく塩分控えめで雑穀を使用しているというのが、人々がライトミール業界に対して抱く直感的な印象だ。冗談で「草を食べている」などと言われるライトミールだが、実際には単なる野菜だけ、あるいはサラダばかりではなく、ある特定の食べ物を指すのでもなく、新しい飲食スタイルのことを言う。

 中国農業大学食品科学・栄養工程学院食品栄養・安全学部の范志紅准教授は以前に公式アカウントで発表した文章の中で、「ライトミールの『ライト』の部分が現代の若者の心の隙間にするりと入り込んだ。女性は体が軽くなりたい、スタイルがよくなりたいと願い、男性も爽やかな、『油ギッシュ』とは無縁の人になりたいと思う。ライトミールだと台所の熱い火や煙、ベタベタする油から開放され、食事を作る面倒くささを忘れることができ、生活がより楽で身軽なものになる。ライトミールは健康の概念さえ変えてしまった」と述べた。

 消費の高度化と人々の健康意識の高まりに伴って、特に新型コロナウイルス感染症の中で、健康業界が人気を集め、ライトミールは徐々に若者たちの新たな「食のトレンド」になり、次々に登場する各種のライトミールの店やデリバリーは若者の「行くべき場所」、新しい「おすすめスポット」になった。ここ数年、北京大学、清華大学、四川大学、揚州大学、雲南師範大学など多くの大学の食堂が、このブームに狙いを定め、相次いでライトミールのカウンターを設置した。

 かつてはニッチ市場の飲食スタイルだったライトミールだが、低カロリーで顔面偏差値が高くそしてその背後に健康の理念があることから、若者の中でどんどん存在感を増している。「最近の新スタイルの茶飲料のように、若い人は顔面偏差値の高いミルクティを買うとSNSに写真をアップして交流するのが、一種の習慣になっている」と指摘する華旦天使投資の創業者でCEO(最高経営責任者)の張潔氏は、自身もライトミールの愛好者だ。「最近気づいたのは、SNSで自分の食べたライトミールセットの写真をアップすると、男性も女性もたくさんコメントを残してくれることだ。おいしいのかとたずねてくる人がいれば、自分の経験を書いてくれる人もいる。ライトミールはある種の社交的な属性を与えられており、これも若者を引きつける原因の1つだ」という。

 ライトミールはどうやって若者の胃袋をつかんだか

 ユーロモニターのデータによると、2022年には中国のライトミール・食事代替品市場の規模は1200億元(約2兆435億円)に達するという。

 広大な市場が広がるが競争も激しいライトミール業界は、どうやって若者の胃袋をつかんだのか。

 浙江省杭州市で単品メニューから予約制デリバリーへと5年にわたりライトミールを手がけてきた檬悦軽食は、現地の若いホワイトカラーの中に大勢の「忠実なファン」を抱えている。創業者の劉宸さんは取材に、「最初は若いホワイトカラーをターゲットにしていた。お客様は女性が中心なので、うちの栄養士が中国人女性の体質的特徴に合わせて、炭水化物、野菜や食物繊維、肉類のバランスを考え、カロリーを厳しくコントロールしている。新鮮な食材、安全な食品が基本ラインだ。お客様は1回の注文で1週間から20日間分のセットを注文できるけれど、私たちは当日に調理して、正午前にお客様のところへ届ける。今は繁忙期で、1週間に200人から300人分の注文がある。利用者は累計で4-5万人に達した」と話した。

 デリバリー中心の檬悦軽食とは異なり、ネットで人気の北京のライトミールブランドの蔬小盒はすでに直営店を11店舗構え、最近また5店舗を開設する契約を結んだという。創業者の張笑松さんは、「スパイスや料理法を独自に開発してから、季節ごとに異なる飲食習慣に合わせて、秋から冬のシーズンには低カロリーセットを開発して打ち出す。これは穀物主体で、野菜と肉も入っていて、満腹感と同時に健康面の付加価値を得られる。サラダ類は春夏シーズンの売り上げの約60%を占めるが、秋冬シーズンは低カロリーセットが60%を占める」と話した。

 劉さんは、「去年の感染症対策の期間中に、経済活動が再開された最初の週の注文数は50%近く増加した。その頃交流したお客様から健康をより重視するようになったということを聞いた。チームと一緒にずっと考えてきたのは、この流れの中で競争力がどこにあるかつかまえることだった。商品は絶えずバージョンアップして、目新しさを保たなければならない。そこで開発能力と裏方の厨房の能力を高めてきた。ライトミール産業は実のところ中華料理と鶏の唐揚げには永遠に及ばないが、うちの店は、ライトミールを冷たい野菜ばかりの料理にするのではなく、できるだけ『中華料理化』している」と話した。

NEWS7 中国上半期の個人所得ランキング発表 トップ3の地域は?

 国家統計局はこのほど、全国31省・自治区・直轄市の2021年上半期個人平均可処分所得のデータを発表した。トップ3には上海市、北京市、浙江省が並んだ。中国新聞網が伝えた。

 上海市の可処分所得は約68万円超で全国一

 個人の可処分所得とは、所得のうち最終消費支出と貯蓄に回せる金額の合計、つまり個人が自由に使えるお金を指す。中には現金収入と実物収入が含まれる。

 データによると、上海市の上半期平均可処分所得は4万357元(1元は約16.9円、約68万円)に達し、全国1位で、前回のランキングに続いて他の地域を圧倒している。

 上海市は上半期に4万元を超えた唯一の地域でもあり、「魔都・上海」の人々の稼ぐ力はやはり相当なものだとわかる。

 北京市と浙江省の可処分所得は50万円超

 北京市の上半期平均可処分所得は上海市に次ぐ全国2位だった。

 北京市統計局が発表したデータでは、上半期の同市の平均可処分所得は3万8138元だった。名目で前年同期比10.3%増、2年間の平均増加率は6.1%。価格的要素を排除すると、実質で同9.8%増、2年間の平均増加率は4.4%となる。

 浙江省は3位で、平均可処分所得は3万998元に達した。

 北京市と浙江省は3万元を超えたただ2つの地域で、第2集団に入る。

 可処分所得が全国平均以上は10省・市

 国家統計局のデータでは、上半期の全国の個人平均可処分所得は名目で同12.6%増の1万7642元だった。

 上半期の個人可処分所得が全国平均を上回った地域は上海市、北京市、浙江省、江蘇省、天津市、広東省、福建省、山東省、遼寧省、重慶市の10省・市だった。

 給与所得が個人所得の伸びをけん引

 データを見ると、給与所得が急速に伸びており、個人の所得増加の着実な基礎固めをしていることがわかる。

 上半期の個人の給与所得の全国平均は同12.1%増、2年間の平均増加率が7.2%増の1万104元だった。

 同局住戸調査司の方暁丹司長の分析では、国民経済が回復を続けるのに伴い、個人の雇用情勢が好転を続け、給与所得が急増したという。

 個人消費支出が回復的な増加

 新型コロナウイルスの感染状況が全体として安定し、個人所得が持続的に回復・増加していることを土台として、個人の消費支出も回復的な増加傾向を維持して、2年間の平均増加率も上昇した。

 21年上半期の全国個人平均消費支出は、名目で同18.0%増、物価要因を考慮した実質で同17.4%増の1万1471元となった。

 地域別にみると、上海市は稼ぐ能力が最も高いと同時に、使う能力も高く、上半期の個人平均消費支出は2万3644元で全国トップだった。

NEWS8 奄美・沖縄世界自然遺産登録、中国は日本に約束順守を望む



 外交部(外務省)の趙立堅報道官は28日の定例記者会見で、日本の奄美・沖縄の島々の世界自然遺産登録が決まったことについて質問に答えた。

 【記者】7月26日に開かれた第44回世界遺産委員会で、日本の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産への登録が決まったことについて、中国側としてコメントは。

 【趙報道官】日本は、中国を含む世界遺産委員会の委員国やユネスコに対して、今後いかなる理由があっても、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の内陸部以外に遺産の範囲を拡大しないことを口頭及び書面で繰り返し約束しており、遺産委員会で採択された決定でも日本側の約束が再確認された。

 日本が約束を誠実に守り、世界遺産リストの評判と世界遺産委員会の決定の権威を実際の行動によって守ることを希望する。

NEWS9 「大きな流れ」を把握 将来の中国経済の見通しは?

 「今の大きな流れは何だろうか。不動産、金融、教育、インターネットなどでの利益と独占、及びこれににより引き起こされていた過去の長期にわたる民生と実体経済への圧力とコストを引き下げ、製造業、ハードテクノロジー、実体経済、新エネルギー、資本市場などの発展に力を入れることだ」。中国の経済学者の任沢平氏がこのほど示したこのような見方が注目を集めている。中国新聞社が伝えた。

 任氏によると、現在は過去100年にもなかったような大きな変化の局面であり、また過去100年にもなかったような大きなチャンスの時期でもある。この情勢全体をはっきり見定めることが非常に重要だ。どの企業も、どの個人も、最終的にはこの時代の産物なのだという。

 実際、2021年に入ってから、中国の経済環境に変化が生じている。反独占の政策が引き続き強化され、市場の監督管理で重要な措置がたびたび繰り出され、「二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラル)の目標」がグリーン発展を推進し、サイバーセキュリティはごくわずかな「土地」も必ず守り抜く構えで、「ボトルネック」になっている分野への技術投資が特に重視されるようになった。

 不動産はどうか。全国社会保障基金理事会の王忠民・元副理事長は、「今日、私たちは『不動産は住むためのもので投機のためのものではない』ことを強調するのに対し、現在では昔のような軒並み値上がりするというロジックで、投資すればもうかるということはなくなった」と述べた。

 22日に行われた社会保障対策としての賃貸住宅の加速的発展と不動産市場調整・コントロール業務をめぐるテレビ電話会議で繰り返し示されたのは、不動産は住むもので、投機のためのものではないという位置づけを堅持すること、不動産を短期的な経済活性化の手段にしないことだった。

 その翌日、中国住宅・都市農村建設部(省)が公式サイトで伝えた情報によると、同部、国家発展改革委員会、公安部、自然資源部、国家税務総局、国家市場監督管理総局、中国銀行保険監督管理委員会、国家インターネット情報弁公室など8当局がこのほど、「不動産市場の秩序を持続的に整理・規範化することに関する通知」を発表した。その中で、これから約3年間かけて不動産市場の秩序が目に見えて好転するよう努力することが打ち出された。

 それでは中国経済の見通しはどうだろうか。興業銀行の魯政委チーフエコノミストは、「2021年の中国経済について、私個人は新経済のジュグラーサイクルに入ると考えている。いわゆるジュグラーサイクルとは、新たな社会投資を行う周期のことである。新経済とは主に新型コロナウイルス感染症が経済のデジタル化とグリーン化の新たな原動力を極めて大きく活性化したことを指す」と述べた。

 魯氏はさらに進んで、「デジタル化から見ると、5G、ビッグデータ、人工知能(AI)などの業界が現実の暮らしの中で感染症のため幅広く応用されるようになり、各方面に非接触型経済と電子政務の発展を加速させることが必要と認識させた。これがソフトウェアとハードウェアの両面及び新インフラ建設への大量の投資をもたらすだろう。グリーン化という角度から見ると、中国政府はCO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの行動プランを統一的に計画・推進する予定で、これは大量のグリーン投資が必要になることを意味する」と述べた。

 中国企業研究院の李錦首席研究員は、「今後の中国経済発展の中では新興業界と新興消費のチャンスが多くなる。たとえば、環境保護産業、新エネルギー自動車、新興サービス業、装備製造業のデジタル化モデル転換・改造などでチャンスがある」との見方を示した。

NEWS10 中国2020年のクラウドコンピューティングの市場規模3.5兆円に

 中国2020年のクラウドコンピューティング市場は爆発的な成長を遂げ、全体的な規模が前年比56.6%増の2091億元(1元は約16.9円、約3.5兆円)に達した。中国新聞社が伝えた。

 中国情報通信研究院は27日に開催した2021年可信雲大会で、2021年の「クラウドコンピューティング白書」を発表し、上述したデータを明らかにした。

 同研究院クラウドコンピューティング・ビッグデータ研究院の栗蔚副所長は、「中国2020年のクラウドコンピューティング市場の成長は世界の成長率を大きく上回り、中国国内経済が発展してクラウドコンピューティングのニーズが十分に放出された」と述べた。

 工業・情報化部(省)情報通信発展司の陳家春一級巡視員は大会の席上で、「第12次五カ年計画が始まった頃、クラウドコンピューティングはまだ萌芽したばかりの模索の段階にあり、市場規模は10数億元にとどまっていた。その後、中国クラウドコンピューティング市場は爆発的な成長期を迎え、年平均増加率が50%を超えた」と発言した。

 陳氏によると、中国のクラウドコンピューティング生態圏の産業チェーンはますます整備され、クラウド、ネットワーク、エッジの協同融合プロセスが加速し続け、広く存在するフレキシブルなアルゴリズムサービスモデルが徐々に成熟し、クラウドコンピューティングサービスはEC、政務、金融の分野から、製造、医療、農業などの分野へと伸びて広がり、応用レベルも絶えず深化しているという。

 同研究院は11年にクラウドサービスの認証体系である可信雲の関連作業を開始した。21年7月までに、評価件数は1198件に達した。陳氏は、「中国のクラウドコンピューティング評価システムは日に日に成熟している」と述べた。

 栗氏はクラウドコンピューティングの今後の発展トレンドについて、「クラウドコンピューティングはソフトウェアアーキテクチャを変え、情報技術(IT)の新局面を構築する▽クラウドコンピューティングに新技術が融合し、クラウドネイティブを黄金発展期にけん引する▽クラウドコンピューティングはソフトウェアネットワーク、エッジ、端末のオペレーションシステムを統合して、アルゴリズムサービスモデルを定義し直す」との見方を示した。

 クラウドサービスの浪潮雲の顔亮副社長は、「政務のクラウド分野は、資源の物理的集中、業務のクラウド化の2段階を経た後、21年にデータ要素を中核としたクラウド上のイノベーションの段階に向けて歩き出し、データの要素化、計算の周辺化、応用のネイティブ化、運営の一体化が政務クラウド発展の新たなトレンドになる」と述べた。

 顔氏は、「インダストリアル・インターネットの分野で、クラウドのインフラが周辺に向かって拡張している。23年になると、モノのインターネット(IoT)の周辺産業の各データ処理企業が70%増加し、企業の周辺応用プログラムの数は800%増加する。政務のクラウドでもインダストリアル・インターネットでも、分布式クラウドが今後の発展トレンドになるだろう」と述べた。


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