銘・精選

NEWS1 大学新卒者就職競争力報告 最も給料が高い専攻は?



 求人プラットフォームのBOSS直聘研究院はこのほど「大学卒業生専攻別競争力報告2021」を発表した。それによると、2020年下半期以降、中国経済が徐々に回復するのに伴い、雇用市場の情勢が急速に好転している。21年の大学新卒者は909万人に達し、大学での求人の規模が目に見えて回復し、新卒者全体として雇用情勢は20年よりも大きく改善したという。

 研究チームは各専攻の大卒者の平均初任給、今後3年間の賃金・キャリアアップ予想、雇用サイドから見た履歴書の評価などの側面からモデルを構築し、短大・高専、学部、大学院それぞれの専攻の就職競争力上位30ランキングを作成した。

AI専攻の大学院生の初任給は約32万8千円

 大学院の雇用市場では、理工系の専攻の競争力がとりわけ力強い。
 
 工学系では、人工知能(AI)とマシンラーニングを専攻した大学院生の平均初任給が1万9298元(1元は約17.0円、約32万8千円)に上り、各専攻の中でトップに立った。理学系で就職競争力が突出しているのは主に数学・統計学、確率論・数理統計の専攻で、ランキングは4位だった。ランク入りした専攻の卒業生は主にビッグデータ・AIのアルゴリズムの研究開発に関連した仕事に就いている。

 AI専攻の高い人気と現在の関連人材の供給不足の現状とは密接な関わりがある。深セン市人工知能産業協会がこのほど発表した「人工知能発展白書2021」は、「2020年に中国のAI中核産業の規模は3251億元に達し、中国のAI関連分野の従業員数は60万人を超えたが、人材はまだまだ不足している」と指摘した。

 工学・理学系専攻の大学院生の競争力が持続的に上昇していることは、同じように新インフラ整備の発展によるハイレベル人材の切迫したニーズと密接な関わりがある。調査によると、21年にランク入りした専攻は、新インフラ整備の重点分野のコア技術に関連したポジションをめぐり盛んに人材募集が行われているものばかりだ。

 農業工学・情報技術(IT)の専攻が初めてランク入りしたことが注目される。同専攻は農業機械化、農業情報化、農業スマート化など先端の工学分野と深く結びついたカリキュラムをカバーしている。同研究院のデータによれば、この3年間近くで、同専攻卒業生の平均賃金上昇幅は31%に達したという。

フィンテック専攻が初めて学部生の初任給トップに

 学部生の専攻別の雇用状況を見ると、金融業のデジタル化モデル転換の流れが加速することにより、17年に正式に開設されたフィンテック専攻が最大の「ダークホース」になった。21年のフィンテック専攻の就職競争力は学部生のランキング4位で、第1期学部卒業生の平均初任給は1万547元と、学部生のすべての専攻の中でトップだった。

 コンピューターサイエンス、AI、ビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、電子通信、バイオテクノロジーなどの主要な新しい工学系専攻の就職競争力は引き続き優位性が突出し、3年連続で高い水準を維持した。同研究院のデータでは、工学系専攻の学部卒業生が希望する賃金は平均7022元で、平均値を800元近く上回る。これは主に新インフラ整備が勢いよく発展していることと関係があると考えられる。同報告によれば、この分野全体で100万人単位の人材が不足しているという。

 ホワイトカラーのポジションが中心の雇用市場で、短大・高専の卒業生は劣勢に置かれることが多い。しかし高等職業教育大学(学院)は製造業のコア人材育成拠点として、スマート製造関連専攻の卒業生は引く手あまただ。

 人的資源・社会保障部(省)の張紀南部長が先に記者会見で指摘したところによると、21年の雇用に求められる総量の圧力は軽減されず、雇用機会の創出が必要な都市部で新たに増加した労働力は引き続き1500万人前後に達し、今年の大卒者は909万人に上り、過去最高を更新した。同時に、構造的問題が引き続き突出し、就職難と求人難がともに存在する。製造業、サービス業の一般労働者がなかなか集まらず、技術者が不足し、技術者・技能労働者の求人倍率は2を超えている。

 同報告によると、中国には現在、産業用ロボット技術、スマートコントロール技術などスマート製造に関連した高等職業専攻が150以上あり、セキュリティ技術・管理、電機・電器技術、デジタル制御技術などに関連した専攻はいずれも短大・高専のランキング上位30に入った。

 このほか、ここ数年は動画コンテンツとライブ配信産業の急速な台頭が、汎娯楽分野の人材ニーズを直接拡大させ、短大・高専の芸術関連の専攻が強い勢いを示し、8つの専攻がランク入りした。そのうち演劇・映画・演出専攻は5位、ランク入りした専攻の卒業生の平均初任給は6千元を超えた。

「専攻のマッチング」は雇用の絶対的ハードルではなくなった

 ここ数年、新技術や新モデルが次々に登場するのに伴って、雇用市場に数多くの新職業が登場した。若者に広く人気のあるニューメディア運営士、インターネットマーケティング担当者(ライブコマースのパーソナリティ)、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)プレイヤーなどがあり、学校を卒業した人の選択肢がますます多様になった。

 技術が高速でアップデートされ、社会の分業がますます細分化し、新職業が次々誕生するなどさまざまな要因が、若者の職業選択に影響を与え、「専攻とのマッチング」が今や雇用の絶対的ハードルではなくなった。

 同研究院の常濛院長は、「激しい競争と急速に変化する外部環境を受けて、雇用主は採用候補者の基本的な教養と学習能力に対する要求を絶えず引き上げていることがわかった。読み書きの能力、表現能力、データ処理能力、論理能力などをはじめとする基本的な教養は、キャリアアップの中で長期にわたり価値を提供でき、高等教育と学生個人の発展においても、より重視されるべきだ」との見方を示した。

NEWS2 今年の夏休みはどこへ?新たな旅行先が大人気

 世界シェア型宿泊施設運営機関の斯維登(スイートム)は5日、今年の夏休みシーズンの「攻略法」を発表した。予約状況を見ると、夏休み旅行の予約ラッシュがすでに始まり、中でも一線都市と人気旅行先の勢いが弱まることなく、成都、重慶、北京、上海、広州、杭州を含む人気旅行先に予約が集中している。千島湖、古北水鎮、白洋淀、青城山、武夷山、莫干山、塩城東台黄海森林といった新たな旅行先が夏休み旅行で人気になり、予約が急速に増加している。

 このうち千島湖や青城山などはこの1週間ほどで予約が50%以上増加し、莫干山は予約増加率が80%を超えた。

 旅行に行く人の特徴を見ると、家族と学生が引き続き2大主力層で、宿泊施設の部屋タイプや予約時期についてそれぞれの好みを持っている。衣食住の住についていえば、プラットフォームの予約データから、農村の別荘タイプを予約する人が主に30歳以上の層だ。農村の別荘タイプ商品は家族旅行にとりわけ好まれ、2ベッドルーム以上の部屋タイプを選ぶ人が7割近くを占め、「85後(1985年から1989年生まれ)」が旅行者の中心で5割近くを占めた。

 別荘タイプ商品の予約時期を見ると、利用者の4割近くが2週間以上前に予約し、出かける前に計画を練り上げるという。一方で、都市部の民泊タイプ商品の予約はシングルルームとツインルームに集中して9割近くを占め、「95後(1995年から99年生まれ)」が旅行者の中心だ。若い旅行者には「思い立ったが吉日」式の旅行に出かける思い切りの良さがあり、出発してから計画を調整し、4割近くが都市部で泊まる民泊施設をその日になってから決定するという。

 複数の旅行プラットフォームが最近、夏休み旅行報告を発表した。馬蜂窩がこのほど発表した「旅行の新国潮ビッグデータ報告」(国潮とは中国伝統の要素を取り入れたおしゃな国産品のトレンド)によると、「95後」の若い旅行者が「旅行の新国潮」をけん引し、76.92%が赤色観光(革命ゆかりの地をめぐるツアー)ルートの体験を好んでいるという。若者の51.7%が歴史博物館を旅行の不可欠な部分とし、50.6%が美術館を「行くべきスポット」とし、その他の総合博物館、民族博物館、軍事博物館も人気だった。

 旅行予約プラットフォームの同程がこのほど発表した「2021年夏休み移動・旅行トレンド予測報告」によると、今年の夏休みの旅行先として人気がある都市は主に成都、重慶、昆明、上海、北京、哈爾浜(ハルビン)、西安、貴陽、海口、烏魯木斉(ウルムチ)、長沙などで、親子旅行、避暑旅行、赤色観光などの細分化されたニーズに基づく主要人気観光地をほぼカバーしている。

 回答した人の64%が「今年の夏休みに出かける計画がある」と明確に答え、そのうち87.4%が省や市をまたぐ旅行を計画し、周辺のドライブ旅行、大型テーマパーク・娯楽施設、水に親しむ旅行などは最も人気のある夏休み周辺旅行のコンテンツだ。公園に行ったり水辺で遊んだりといったこれまでもあった楽しみ方だけでなく、キャンプ、ウォーキング、サイクリングなどニッチな楽しみ方への注目度も大幅に上昇中だ。

 同程の報告は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、これまで夏休みに人気があった海外クルーズ旅行のニーズが中国国内の長江クルーズに取って代わられたことを特に取り上げた。旅行予約サイトの携程のチャーター船による「長江クルーズ船——米ビクトリア・ジェナ号」が近々就航する予定で、長江を運航する初の1万トン級クルーズ船になる。初航海の出発日1週間前に定員378人はすべて予約で埋まった。今回予約した人でエグゼクティブルーム以上のデラックスタイプ船室を予約した人のうち、若年中産階級の家庭、「80後(1980年代生まれ)」、「90後(1990年代生まれ)」の親子旅行が6割以上を占めた。

NEWS3 中国建設銀行、日本で初めて円・元対応デビットカード発行


在日本中国大使館の宋耀明経済商務公使(左から3人目)、在日中国企業協会の王家馴会長(右から3人目)、日中投資促進機構の岡豊樹事務局長(左から2人目)、中国国際貿易促進委員会在日本事務所の鞠文永総代表(右から2人目)、同支店の解陸一社長(右から1人目)、銀聯国際日本支社の潘東社長(左から1人目)が発表会に出席した。(画像は中国建設銀行東京支店が提供)


 中国建設銀行東京支店はこのほど日本・東京で、日本円と人民元の2種類の通貨に対応したデビットカードの発表会を行った。このカードは国境を越えた顧客に円と元での金融サービスを提供する。人民網が伝えた。

 発表会には、在日本中国大使館の宋耀明経済商務公使、在日中国企業協会の王家馴会長、日中投資促進機構の岡豊樹事務局長、中国国際貿易促進委員会在日本事務所の鞠文永総代表、同支店の解陸一社長、銀聯国際日本支社の潘東社長など、中日両国の主要金融機関の代表が出席した。

 宋氏は発表会で、「中国建設銀行東京支店がデビットカードの発行を契機として、在日中国資本企業、日本の現地企業に質の高い金融サービスをより多く提供し、中日間の経済往来と文化交流の架け橋になることを願う」と祝辞を寄せた。岡氏は、「建設銀行が日本でのデビットカード発行を祝う。日中双方が新たな金融協力を強化し、日中経済交流を促進するためにともに貢献することを願う」と述べた。

 解氏は、「今回デビットカード業務を打ち出したことで、東京支店のリテール業務システムが一層整備され、今後は各種の金融商品と金融サービスを媒介として、顧客とともに発展し、社会とともに繁栄していきたい」と述べた。潘氏は、「銀聯国際と建設銀東京支店が手を携えて顧客により質の高い金融サービスを提供することを期待する」と述べた。

 これは建設銀行が日本で初めて打ち出したデビットカードで、SMSでの取引内容通知サービス、取引のスマート決算、銀聯の非接触決済を利用できる。

NEWS4 再びW杯に挑むサッカー中国代表!そこにある商機とは?

 2022年にカタールで開催されるFIFAワールドカップ(W杯)のアジア最終予選に進出する12ヶ国の組み合わせ抽選会がこのほど、マレーシア・クアラルンプールで行われ、中国は日本、オーストラリア、サウジアラビア、オマーン、ベトナムとともにグループBに入った。抽選の結果が決まり、サッカー中国代表は再びW杯最終予選に向けた戦いをスタートした。

 W杯経済の金脈を掘り当てようとする戦いもスタートした。大きなものでは入場料収入、放映権収入、スポンサー収入、小さなものではサッカーファンが買い求めるビールやザリガニ、ユニフォームなどがW杯経済の主戦場になる。



ザリガニとビールの売り上げがまた爆発的増加?

 ザリガニを食べながらビールを飲んでサッカーを観戦する。これは多くのサッカーファンにとっての夏の一番の楽しみだ。

 実際、4年に一度のW杯はサッカー界の一大イベントであるだけでなく、飲食業界にとっての一大イベントでもある。業者はこの時期になるといつも一連のマーケティング手法を繰り出し、サッカーファンから大いに「しぼり取ろう」とする。こうした傾向は今年の欧州選手権の期間中にもみられた。

 北京市にある牛啤堂精醸啤酒餐吧(NBeerPub)の店員は、「最近うちの店はとても繁盛していて、午後6-11時だと整理券を取って並ばなければならない状況だ」と述べた。また火鬼披薩(PyroPizza)五棵松店の店員は、「うちは平日は大体深夜2時頃に閉店するが、欧州選手権の開催中は消費者のニーズに応えるため、状況に応じて閉店時間を遅らせている。午前0時や3時に始まる試合を見たいなら、うちに来れば観戦できる」と話した。

 オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」がこのほど発表したデータでは、欧州選手権のグループリーグが始まると、深夜・早朝のデリバリー受注量が大幅に増加した。ミルクティ、ザリガニ、肉の串焼きなど観戦のお供に人気のグルメはどれも受注量が2倍かそれ以上増加し、特にミルクティは前年同期の3倍増となった。



 中国中央テレビ局(CCTV)ビジネスチャンネルの報道によると、一部の関係者が、「2021年はスポーツのビッグイヤーで、五輪・パラリンピックも欧州選手権も今年開催される。こうしたイベントにけん引され、夜のイベントや夜市などのルートを通じてビールの消費が大幅に増加し、集まって飲む機会も増加するとみられ、ここ数年は売り上げが振るわなかったビールが今年は息を吹き返す見込みだ」との見方を示す。

 前出の調査データによると、このほかにも京東プラットフォームではサッカーボール、ユニフォーム、シューズなどの受注量が選手権開催期間に前期比75%増加し、体組成計の売り上げも前年同期比65%以上増加した。さらに、ぜいたく品の受注量が前期比18%増、化粧品が前期比35%増だったことが注目される。業者にとって、このサッカーの祭典はサッカーファンのお祭りであるだけでなく、これを契機に消費を促進できる絶好の商機でもあると言える。

スポンサーの争奪戦の場所は

 4年に一度のW杯は知名度を上げたい企業にとって、顔を売るまたとない機会でもある。

 欧州選手権の公式サイトによると、今年の欧州選手権公式スポンサーは12社あり、中国企業が3分の1を占め、家電の海信集団(ハイセンス)、キャッシュレス決済の支付宝(アリペイ)、ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」、スマートフォンのvivo(ビボ)が名を連ねる。

 現在、この4社はスポンサー契約金額を明らかにしていないが、2016年欧州選手権のデータが参考になる。そのデータによれば、16年のスポンサー収入は4億8300万ユーロ(1ユーロは約130.1円)で、スポンサー8社が6千万ユーロずつ拠出した計算になり、当時のレートで人民元に換算すると約4億4千万元(1元は約17.0円)だ。分析では、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえ、今回も従来の水準を維持するならスポンサー料金はそれなりの金額になり、大体6千万ユーロから8千万ユーロになるという。

 再びW杯アジア最終予選に挑む中国チームを、大勢の観客とサッカーファンたちが待ち受けている。市場調査会社の艾瑞諮詢(iResearch)の予測では、中国のサッカーファンは約2億人で、定期的に試合を観戦する人は約3千万人に上る。感染症の影響により、5月30日に中国チームがホームでグアムチームと戦ったゲームは、実に1年半ぶりに中国チームがホームで迎えたビッグゲームとなった。統計によれば、当日の観戦者は2万9千人を超えた。アジアサッカー連盟(AFC)の規定によると、この試合の観戦者の上限は3万人で、定員の96%に達したことになる。

 「わいわい騒ぎながら試合を見る」中国のサッカーファンたちは、中国チームへの愛を持ち続けている。企業にとってみれば、露出度の極めて高いこのチャンスをみすみす逃す手はない。中国チームがカタールW杯に出場できるかどうかに関わらず、カタールの競技場を取り囲む広告ボードが企業の「兵家必争の地」になることは確実だ。実際、企業の中には動き出したところもある。21年4月、海信は国際サッカー連盟(FIFA)と契約を結び、カタールW杯の公式スポンサーになった。

過去5年でサッカー育成企業が新たに4千社近く増加

 サッカーファンの活発な動きがサッカーに関わるさまざまな関連産業の発展を促すとみられる。同時に、ビッグゲームを行うと、開催都市には複数の経済推進力がもたらされる。たとえば関連措置のさらなる完備、スポーツ施設の改修やメンテナンス、周辺の交通網の構築や改善などがあり、都市のサッカーインフラ建設なども見込まれる。

 またW杯などのイベントは育成産業の発展ももたらした。天眼査アプリのデータでは、中国には現在、サッカー育成関連企業が5400社以上あり、7割近くにあたる4千社は過去5年間に設立されている。地域分布を見ると、広東省が最も多く32.96%を占め、浙江省が2位で17.75%、北京市が3位で16.9%となっている。

NEWS5 中国の再生可能エネルギーモデル区はどんなもの?


2020年8月4日、一台の燃料電池路線バスが、張家口寧遠空港の第2ターミナルビル前の広場を走行中。(撮影・陳暁東/写真提供は人民図片)


 「張家口は冬の外気温がいつも氷点下20度あまりまで下がるが、この車は軽快に走り出す」。このように話す河北省張家口市の路線バス運転手の李宝生さんは運転歴30年以上のベテランで、これまでにディーゼル車、ガソリン車、電気自動車(EV)を運転し、今は燃料電池車の市内路線バスを運転している。水素エネルギーを電気エネルギーに転換して走る路線バスで、「加速が普通の乗用車より速いし、満員で動き出しても圧力を感じない」という。

 7月の張家口壩上地区は、青空に真っ白な雲が浮かぶ。李さんの運転する水素エネルギーの路線バスに乗ると、走行が安定していて、音の静かなドライブを楽しめる。「排気筒」から出てくるのは水の滴だけだ。

 壩上地区では、太陽光パネルと風力発電の風車を至る所で目にすることができる。2015年7月、張家口市は国家級再生可能エネルギーモデル区の建設を認可された。昨年末までに、同市の再生可能エネルギーの設備容量は2003万キロワットに達し、規模はさらに拡大している。


2021年7月6日に撮影された河北省張家口市の壩上地区の草原の景色。(撮影・陳暁東/写真提供は人民図片)


 2022年に北京市は張家口市と共同で冬季五輪・パラリンピックを開催し、「グリーン」が理念のトップに置かれる五輪・パラになる。「グリーン五輪・パラ開催」のため、張家口市は18年7月に第1弾となる燃料電池市内路線バス74台を購入し、公共交通の運営に投入した。現在は304台に増え、市内を走る路線バス全体の約40%を占める。

 張家口市公共交通集団有限公司の霍俊青副社長は、「水素エネルギー路線バスは耐寒性能が高く、動力が十分にあり、航続距離が長く、最も重要な点は二酸化炭素(CO2)を排出しないことだ。2021年2月、『EXPERIENCE北京』を掲げたウィンタースポーツのシリーズテストイベント期間中、当社の水素燃料路線バス80台が張家口の競技エリアのサービス保障テストに参加した。フル充填すれば一台当たり水素約20キログラムが必要で、その航続距離は400キロメートルに達する」と説明した。

 今年7月初旬、張家口市水素エネルギー路線バスの総走行距離は1500万キロメートルに達し、旅客輸送量は延べ4300万人余りに上った。今年10月になると、同市はさらに水素エネルギー路線バス140台を投入する計画だ。

 張家口市緯三路の水素ステーションで、張家口市公共交通水素エネルギー新エネルギー科技有限公司の水素ステーション業務責任者の白岩さんは、「ここでは4台同時に水素を充填でき、5-10分で自動車1台分のフル充填が終わり、電気自動車の充電より何倍も速い」と話した。同ステーションは昨年2月に完成し、正式に商業化運営が行われる固定の水素ステーションだ。冬季五輪にサービスを提供するため、張家口はこのほか水素ステーション7ヶ所を建設する計画で、すでに3ヶ所が完成している。


2021年6月28日、河北省張家口市宣化区の京新高速道路と張石高速道路が交差するところを空から眺めた様子。(撮影・陳暁東/写真提供は人民図片)


 張家口海珀爾新エネルギー科技有限公司の技術責任者の趙輝さんは、「水素を作るのに必要なのは主に水と電気で、張家口には豊富な風力発電と太陽光発電資源があり、『グリーン電力』を利用して『グリーン水素』を生産できる。水素エネルギーを消費すると排出されるのは水で、自然に戻せば再利用が可能なため、水素エネルギーの生産・使用の全プロセスはグリーンで汚染ゼロだ。市では水素エネルギー産業が支持され、企業に電力を特別価格で提供している。私たちは市場価格よりも安く水素を供給し、水素関連市場を育成している」と説明した。

 中国はCO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラルの目標をすでに設定し、張家口市は「グリーン電気」で「グリーン水素」を生産し、全プロセスでCO2排出量をゼロにした。また同市は「壩上地区水素エネルギー建設第14次五カ年計画及び2035年までの長期目標(2021-2035年)」を制定し、計画、政策、産業、企業など多方面が協同する総合プランをほぼ構築した。海珀爾だけでなく、河北建設投資集団の新エネルギー有限公司が建設する沽源風電水素生産総合利用モデルプロジェクトがすでに完成して調整の段階に入り、日産能力は6トン近くに達する。河北交通投資集団のグリーン水素エネルギー一体化モデル拠点などのプロジェクトも秩序よく進められている。現在、張家口市の水素エネルギープロジェクトは7件が生産をスタートし、23件が建設中で、水素の生産、充填、貯蔵の設備製造、燃料電池の中核部品、水素エネルギー自動車の製造などによる総合的産業チェーンがほぼ形成されている。

NEWS6 商務部が新疆綿でコメント「他国は道理のない企業抑圧の覇権主義をやめよ」

 商務部(省)が8日に行った定例記者会見で、「日本メディアの情報によると、無印良品を展開する良品計画の責任者がこのほど、『引き続き新疆維吾爾(ウイグル)自治区産の綿花を使用する。当社の調査では、綿花農場に人権侵害の状況は見られなかった』と述べた。中国側のコメントは?」との質問が上がった。中国中央テレビが伝えた。

 同部の高峰報道官は、「中国は、新疆の『強制労働』問題と言われているものは完全に事実に反するものであると繰り返し強調してきた。個別の国がいわゆる『人権』なるものを名目に、実際には保護主義や覇権主義を行うことは、国際経済貿易秩序をひどく損なうものだ。これは国の力を動員した中国新疆の企業への道理のない抑圧であるだけでなく、新疆と正常な貿易往来を行う世界中の多国籍企業に対する道理のない抑圧でもあり、『自国ファースト』を実現するための悪辣な手段だ」と述べた。

 高報道官は、「関連の国際的業界団体と海外企業の中国事務所は近く新疆で現地視察を行い、新疆の綿花畑や紡績工場などを訪れ、状況をその目で確かめる予定だ。百聞は一見にしかず。より多くの企業と機関が、事実と真相を尊重し、市場のルールを遵守するだろうと確信する」と説明した。

 また高報道官は、「中国は他国に対し道理のない企業抑圧という覇権主義のやり方を直ちにやめるよう強く促す。中国は引き続き海外企業と新疆が貿易投資を展開するために積極的な支援を提供していきたい」と述べた。

NEWS7 日本の三菱重工が成都ハイテク区と提携 低炭素イノベーションセンター建設へ

 成都ハイテク区は14日、日系企業の三菱重工空調系統(上海)有限公司と成都ハイテク投資集団有限公司が戦略的協力合意に調印したことを明らかにした。双方は今後、合弁会社を設立し、投資総額は58億元(約986億円)に上り、中日(成都)地方発展協力モデル区の建設をサポートする計画だという。中国新聞網が伝えた。

 同プロジェクトの主な内容は、エネルギー産業の集積を実現することを目指して、中日デジタル低炭素都市科学技術イノベーションセンターを建設し、成都の情報技術(IT)開発とモノのインターネット(IoT)における優位性と結びつけ、デジタルエネルギーなどの研究開発を展開し、川上から川下の産業チェーンに専門的なサポートを提供することだ。

 また同プロジェクトは三菱重工の総合エネルギー分野のグローバル化プロジェクトにおける優位性をバックに、投資コンサルティング、プラン設計、設備製造、プロジェクトの一括請負、施設運営などを集積したワンストップサービス式総合産業チェーンを形成し、成都ハイテク区の総合エネルギー産業の集積及び技術高度化を後押しし、成都市と重慶市の、さらには中国西南地域のスマートシティ・低炭素の将来の建設に深く参加する。

 三菱重工空調の親会社の三菱重工業株式会社は世界でもごく少数の、世界規模で都市建設の総合ソリューションを提供できるメーカーの一つであり、主な業務はエネルギー、工業・社会インフラ建設、航空などの分野に広がり、製造する製品は700種類以上あり、世界でも数少ない大型総合設備製造メーカーの一つだ。成都ハイテク投資集団は1996年の設立で、成都ハイテク区党活動委員会管理委員会が設立を認可した国有独資企業だ。

 成都と日本の間では長年にわたり密接な交流協力が行われてきた。2020年5月、国家発展改革委員会の承認を受けて、全国に中日地方発展協力モデル区が6ヶ所設立された、そのうち、成都モデル区は唯一の沿海地域以外の都市に設立されたモデル区であり、中日企業の発展に肥沃な土壌を提供した。

NEWS8 新型Nintendo Switchは微妙 真打のProは来年発売


(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)


 ここ数年、世界中のゲーマーたちは任天堂が新型Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)を発売し、性能が大幅に向上することを期待してきた。そして今月6日、任天堂はついに新型スイッチの発売を突然発表した。「期待に応えて鳴り物入りで登場した」新型スイッチ。ファンを大いに興奮させるはずなのに、スペックを見た人からは次々に、「これだけ?」、「新型スイッチは買う価値があるのか」などのコメントが寄せられ、人気検索トピックにもなった。そこからはファンの複雑な心境が伝わってくる。「北京青年報」が伝えた。

 というのも、新型スイッチは性能をレベルアップしたわけではなく、これまでのバッテリー持続時間の長いタイプとほとんど変わっておらず、ベースの細かい点を少し改良しただけで、性能はレベルアップしていないからだ。それよりも重要なのは、多くのネットユーザーがツッコミを入れているように、新型はある面ではレベルダウンさえしている点だ。たとえばディスプレー解像度などが低下した。新型は7インチ有機ELディスプレーを採用し、画面がより大きくなり、色彩がより美しくなり、これまで以上の体験を提供するとうたうが、解像度は依然720ピクセルのままで、ディスプレーのサイズが7インチに拡大したためにかえって解像度が低下した。

 任天堂もユーザーたちの「怒り」を感じたのか、その後発表した最新の情報では、今回の有機EL版スイッチは過渡期のモデルであり、次世代モデルのSwitch Pro(スイッチプロ)ではないとしている。スイッチプロはまだ開発中だが、関連の機種のパラメータの一部が明らかになっている。

 現時点の最新の情報では、スイッチプロには米半導体メーカーのNVIDAが製造した5nmプロセスのCPUコアA78とAmpereベースのGPUを搭載し、性能が質的に大きく飛躍すると期待される。また8GBのメモリが搭載され、流暢性と大型AAAタイトルゲームのプレイがより向上するとみられる。こうしたコアになるスペックのほかにも、新型チップへの高度化により、スイッチプロのドックはTV出力モードが4K対応で、テレビ派にとっては最も重要なレベルアップであることは確かだ。大きな画面でこそスムーズで高画質のゲーム体験ができるのであり、これまでの1080ピクセルの画面は現在の大型化して60インチ以上にもなろうとしているテレビに出力してもそれほど素晴らしい体験にはならない。

 任天堂の長谷川俊太郎社長は、「スイッチプロが発売されれば画期的な新機種になる」と自信を見せた。情報によると、任天堂は来年正式に新機種スイッチプロを発売する予定で、「ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド」の新作が巻頭を飾るビッグタイトルになるとうわさされている。

NEWS9 孔鉉佑駐日大使「日本と多様な五輪・スポーツ協力を」



 孔鉉佑駐日大使は12日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と会談した。在日本中国大使館ウェブサイトが伝えた。

 孔大使は、「東京五輪・パラリンピックが近く開幕する。中日両国首脳は五輪開催の相互支持について重要な共通認識に至った。オリンピックの大家族の一員として、中国は日本の東京五輪開催を積極的に支持しており、引き続きできる限り助力したい考えだ。中国は強大な陣容の選手団を東京五輪に派遣する。東京五輪組織委員会が中国の五輪選手の順調で安全な競技参加を確保するよう望む」と表明。

 また孔大使は、「北京冬季五輪の準備作業は順調に進展しており、国際オリンピック委員会(IOC)から十分に評価されている。中国には簡素で安全かつ素晴らしい大会を開催する自信がある。中日両国が相次いで五輪を開催することを契機に、多様な五輪・スポーツ交流及び協力を繰り広げ、両国関係の改善と発展に新たな弾みをつけ、国際オリンピック事業にも貢献することを希望する」とした。

 橋本会長は東京五輪・パラリンピックの準備の進展状況を説明。組織委員会として安全・安心な大会の開催を全力で確保し、各国選手団の安全な競技参加にサポートするとした。また「日本は中国との五輪協力の強化を重視しており、東京五輪が北京冬季五輪に順調にバトンを渡し、両大会が共に申し分のない成功を収めて、両国の人的・文化的交流及び協力の促進に重要かつ積極的な役割を果たすことを心から期待する」とした。

NEWS10 中国の学者が恐竜の足跡に「のび太」と命名、日本メディアも注目

 中国地質大学(北京)の恐竜足跡研究チームは6日、米コロラド大学デンバー校の教授であるMartin G. Lockley氏、ドイツの足跡学者のHendrik Klein氏、自貢恐竜博物館の彭光照氏、葉勇氏ら学者と協力し、四川省瀘州市古藺県黄荊鎮で保存状態が良好な恐竜の足跡を発見し、白亜紀の四川盆地の古生態を理解する重要なものになると発表した。論文は5日付の「古地理学報」に掲載された。

 中国メディアの報道によると、中国地質大学(北京)と自貢恐竜博物館の古生物専門家は昨年8月25日、チームを率いて金魚渓を訪れ、足跡の詳細について考察を行った。それによると、金魚渓の足跡エリアには少なくとも4本の竜脚類の連続歩行跡、2本の獣脚類の連続歩行跡、4つの単独の足跡があった。足跡が残っている砂岩の表面には水と波の痕跡があり、シルト岩に干割れ痕が見られた。これは曲流する川の沈積物と小型網状流路の沈積物が重なり合う層であることを示している。また金魚渓の足跡があるアルコース砂岩の中には、無脊椎動物の痕跡が豊富に含まれていた。

 報道によると、金魚渓の足跡エリアで最も重要な発見は、エウブロンテスの新種の記録だ。この新種は「エウブロンテス・ノビタイ」と名付けられた。

 「エウブロンテス・ノビタイと名付け、野比のび太に捧げたのは、『のび太の恐竜』(1980年)と『のび太の新恐竜』(2020年)が恐竜をテーマとした優れた映画であり、多くの子供を恐竜好きにさせたからだ」。

 澎湃新聞によると、「エウブロンテス・ノビタイの足跡」が中国メディアによって報じられた後、日本メディアからも注目された。

 例えば日本メディアのANNニュースは8日、文字付きの動画で「(中国で発見された)新種の恐竜の化石には、アニメ作品『ドラえもん』ののび太の名前がつけられた。論文を発表した中国地質大学の学者である邢立達氏はドラえもんのファンで、昨年上映された映画の中でのび太が自分の名前を恐竜に付けたのを見て、夢を実現させようと思い(化石に)エウブロンテス・ノビタイという名前を付けた」と伝えた。



 「ドラえもん」の原作者である藤子・F・不二雄氏を記念した藤子・F・不二雄ミュージアムもこのほどツイッター公式アカウントで、「中国四川省で新種の肉食恐竜の足跡化石が発見!その化石に、なんと『のび太』に由来する名前がつけられました!今後、ミュージアムでも足跡化石のレプリカを公開予定です。お楽しみに!」と投稿した。


オフィス