銘・精選

NEWS1 大学院の試験対策や目覚まし係……人生監督師が人々をサポート

 ちゃんと計画を立てても、スマートフォンを見るとやめられなくなる。目覚ましが鳴っているのに、体が言うことを聞かなくて暖かい布団から出られない……こうした「あと1分だけ」の後で、「ああしまった!」と猛反省することは数え切れないほどある。「銭江晩報」が伝えた。

 テンポの早い現代生活の中で、あと少し、あと少しと引き延ばす「引き延ばし症候群」は多くの人にとって共通の悩みになっている。

 「自分が監督師の仕事をしていると知った友だちはみんなびっくりする。でもよく考えると、こういう仕事には確かにニーズがある」と笑いながら話す余本欽さんは、温州大学でネットワーク工学を専攻する大学3年生であると同時に、監督師というもう一つの顔ももつ。2018年に一人で起業し、今では3店舗のオーナーだ。

 大学院の入学試験、資格取得、目覚まし係……余さんの話によれば、「およそ考えつく内容であれば、うちの店で監督できないことはない」という。

塾の先生役や、ついでにカウンセラー役になる時も

 余さんの店には専門の作業ルームが設けられ、学校の中にある。こじんまりしたルームには事務机がいくつか並び、壁にはさまざまな監督サービスの広告ボードがかかっていて、なかなか様になっている。取り扱う商品コンテンツはそれほど多くなく、題字の上に「監督」の2文字が躍る。ルームで販売する商品はそれほど多いようには見えないが、実際にはなんでもありだ。

 余さんは、「うちの監督サービスは全体として普通バージョンの監督と強化バージョンの監督に分けられる。モーニングコールにも普通バージョンと強化バージョンがある。一般的には、監督サービスを購入する顧客は前日までに計画を立てる必要があり、翌日の朝昼晩3回、計画任務の達成状況を監督師に報告しなくてはならない。強化バージョンの場合、監督師は計画を立てるのを全面的にサポートしたり、計画任務を達成するよう顧客に注意したりする」と説明した。

 余さんの店はそれほど目を引くわけではないが、一か月の利用者は500人から600人いる。その中では試験を受ける学生が多く、特殊な監督を希望する顧客も一定数いる。

 余さんは、「こんなお客様に出会ったことがある。仕事が忙しくて子どもの相手が出来ないので、うちのスタッフに子どもを監督してほしいと言われた」と振り返った。

 「監督」とは言っても、実際には遠隔の「子守」のようなものだ。監督師は動画を通じて子どもが宿題をする様子を監督し、わからない問題があれば、塾の先生役も務める。本来は親がすべき宿題のチェックのようなことも、監督師が代わりに行う。

 監督サービスを依頼する中で、監督師に心の中を打ち明ける人もいる。「ある男子学生は、高校時代から好きな女の子がいたが、大学生になっても打ち明けることができず、友だち以上・恋人未満の状態がずっと続いていた。ちょうどうちの監督師が感情面のサポートに詳しいため、毎日、監督サービスのほかに、カウンセラー役も務めるようになり、この男子学生が新たな一歩を踏み出すのをサポートした」という。

すべての監督師がこれほど全面的な技能を備えているのだろうか。

 余さんは、「顧客の需要に応える監督師を手配する」と笑った。

 監督師に応募するのは女子が多い 出身業界はさまざま

 余さんが監督師の店を始めようと思ったきっかけは、自分をよりしっかりと律するためだった。大学に入ったばかりの頃、ゲームに夢中になって自分を見失ったが、ある時突然気がつき、自律的な生活に戻るよう自分を監督し後押ししてくれる人が欲しいと痛切に思った。時間がたつうちに、余さん自身は外からのサポートが必要なくなったが、店舗の監督師チームは徐々に規模が拡大していった。

 余さんは、「今では監督師の仕事に応募してくる人が毎日十数人から20人ほどいる。学生、公務員、ファイナンス、教員など、出身業界はさまざまだ。応募者はテストとして実際の業務を1回担当し、顧客が満足すれば採用する」と説明した。

 監督師に求められることは非常にシンプルだ。自律的であること、細かいところまで気がつくこと、時間があること、人を助けるのが好きなことだ。しかし実際のサービスではうまくいかないこともある。

 余さんは創業当時を振り返って、「最も印象深かったのは初めてもらった悪い評価だ。当時、監督師に対する審査が甘かった。あるお客様が約束した時間に監督師からモーニングコールを受けられず、いろいろなことが間に合わなかったため、大変腹が立って、非常に低い評価をくださった」と話した。

 余さんはこうしたケースについて非常に残念な思いをし、そこから経験と教訓をくみ取って、店の監督師に対する要求をより厳格にするしかなかった。

 監督師に応募してくれるのは大半が若者で、女性が多い。余さんは、「おそらく女性はより細かいところまで気がつくからだろう」との見方を示した。店ではフルタイムの監督師を募集したこともあるが、現在は全員が兼業の監督師だ。監督師たちは毎日、約3-4件の依頼を受け、月収は1千元(1元は約17.2円)から2千元もあればよい方だ。

 余さんは、「フルタイムだと一般の監督師より値段が高くなり、サービス内容もより全面的になるが、今の市場ニーズはそこまで多くない」と述べた。

 余さんは、「監督師のサービスは自分を自律的な人間に変えたい人をサポートするというものだ。将来はより多くの人がこの業界に参入するだろう」と断言した。

 余さんには、「監督サービスをブランド化し、監督を必要とするより多くの人をサポートする」という小さな目標がある。

NEWS2 任天堂など日米ゲーム機メーカーが部品不足に直面

 新型コロナウイルス感染症の影響が続いていることから、ソニー、任天堂、マイクロソフトなど日米のゲーム機メーカーが部品不足に陥っている。市場で人気のゲーム機を新しく発売したものの、今後の業績の伸びは部品不足による生産力低下の影響を受ける可能性がある。「経済参考報」が伝えた。

 海外メディアの報道によると、日本の任天堂は米国で行われたゲーム見本市「E3」で次世代ゲーム機の主力商品「Switch Pro(スイッチプロ)」を出展する予定だ。スイッチシリーズは昨年から現在まで目覚ましい売り上げを達成し、「おうち経済」の受益者になった。しかし部品不足が続いているため、ソニーの「PS5(プレイステーション5)」やマイクロソフトの「Xbox(エックスボックス)」シリーズなどと同じく、品切れ状態になる可能性がある。

 昨年以来、「おうち経済」の恩恵を受けて、自宅でフィットネス、エンターテインメント、SNSなどの機能を備えたスイッチが、任天堂の歴代ゲーム機の中でも最高の売り上げを記録した。ハードウェアのバージョンアップに伴い、スイッチプロの価格は現行の標準版スイッチの299ドル(約3万3千円)より高くなる可能性があり、ここにも部品の供給不足による値上がりの影響がうかがえる。

 ソニーとマイクロソフトも感染症を受けてニーズが大きく増加したが、昨年下半期に発売されたPS5とXboxは売り上げが止まり価格が上昇している。その主な原因は、部品不足のために生産量が大幅に縮小して、市場のニーズに応えられなくなったことだ。ソニーはこのほど、市場のニーズが旺盛なところへ、部品不足の問題が起こったため、PS5は2022年まで品切れ状態が続く可能性があり、サプライチェーンの再構築にも数年かかる見込みであることを明らかにした。

 日本メディアによれば、任天堂は今年の出荷量を小幅に下方修正した。半導体が不足する中で、次世代ゲーム機のスイッチプロは当初の生産量が相当限られたものになる可能性もある。

 「日本経済新聞」の報道では、部品不足により生産能力が不足し、日本の主力ゲーム機は中古市場で価格が高騰し始めており、中古ゲーム機のニーズも非常に旺盛だという。

 PS5は20年に発売され、ソニーグループが7年ぶりに発売した新型ゲーム機で、性能の高さにより消費者の間で高い人気を誇る。報道によると、世界的な半導体の供給不足で、PS5の生産が追いつかない状態が続いているという。ソニーグループの十時裕樹代表執行役副社長兼最高債務責任者(CFO)は、「本年度は半導体を中心に、部品の供給をめぐる制約が続くだろう」と指摘した。

NEWS3 習近平総書記が称賛した青海産「チベットじゅうたん」の秘密は?

 2021年6月7日午後、青海省を視察中の習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は西寧市にある青海聖源地毯集団有限公司を訪れ、製造現場とデザイン部門に足を踏み入れて製品の製造やデザインの工程を視察した。習総書記は、「西蔵(チベット)じゅうたんは特色ある産業であり、みなさんは伝統的工芸と現代の工芸をよく1つに結びつけ、個性化、多様化を求める市場のニーズに一致させた。青海がより多くのこのような特色ある産業を発展させ、イノベーションをよりどころにしてよりよい発展を実現することを願う」と述べた。


6月7-9日、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が青海省を視察した。写真は7日午後、習総書記が青海聖源地毯集団有限公司を視察する時の様子。(撮影・謝環馳)


一見普通のじゅうたんに見えるチベットじゅうたん その隠された秘密は?

 1959年、青海省海西蒙古(モンゴル)族藏(チベット)族自治州都蘭県諾木洪村の塔里他里哈遺跡から紀元前10世紀の毛織物とスピンドル渦巻きが大量に出土した。その中には毛で作られた縄や布、彩色された毛織りの敷物の残片もあった。この残片は3千年の時を経ながら、黄、茶、赤、青など色とりどりの毛で織り出された縞模様がはっきり見られる状態だった。考証の結果、原材料は青海省のチベット系羊の毛であることがわかり、青海の先住民が数千年前にチベットじゅうたんの製作技術を確立していたことが証明された。そして今、幾千年にわたり伝えられたチベットじゅうたんの技術は絶えずイノベーションと発展を遂げ、青海省の特色ある産業のシンボルになった。

 中国(青海)チベットじゅうたん国際展示会が今月6日に同省西寧市で開幕した。2004年に初めて開催されてから今年で18年目になる。17年だけでも取引の契約額は1億9600万ドル(1ドルは約109.4円)に上った。

 チベットじゅうたんは典型的な労働集約型産業で、試算によれば、チベットじゅうたん産業の輸出額が1万ドル増えるごとに、16人の雇用が生まれるという。同省の農牧業エリアは現代型工業が少ないが、労働力は豊富にあり、じゅうたん製造と産業による貧困者支援とを結びつけて、農牧業従事者の持続的で安定した収入増を支援し、現地の農牧業従事者の就職難の問題を解決することができただけでなく、チベットじゅうたんの継承者を増やし、民族文化の伝承力を増強することにもなった。


青海チベット文化博物院に展示されたチベットじゅうたん。(撮影・楊霆)


 青海省は中国の5大牧畜エリアの1つとして、発達した牧畜業がチベットじゅうたん産業に豊富な高品質の原材料を提供した。青海聖源地毯集団有限公司の薛■(女へんに亭)会長は、「当社は毎年、青海省各州・県の牧畜エリアで原材料を回収し、農牧業従事者の収入を増やすと同時に、現地の資源を発掘し、青海オリジナル製品のさらなる開発のための基礎を打ち立てている」と述べた。

 原材料は無染色、無添加で、手紡ぎの「西寧大白毛」やヤクの毛糸を使い、手作業で織り上げたじゅうたん製品について、中国じゅうたん協会の陳亜麗副事務局長は、「原材料の選択にしろ、手工芸の技術にしろ、チベットじゅうたんの加工製造は生態環境への汚染ゼロをほぼ達成している。チベットじゅうたんは誕生した時からエコノロジー産業だった。多くの農牧業地域がチベットじゅうたん産業の発展を通じて、経済発展スタイルを転換させ、その他の汚染をもたらす従来産業の就業者を減らし、地域の生態環境を改善した」と指摘した。

 またチベットじゅうたんの消費では「個性に合わせたオーダーメイド」が新たなトレンドになりつつある。薛氏は、「ビッグデータの計算を通じて、消費者のためにそれぞれのインテリアの雰囲気に合わせた模様をデザインできる」と述べた。

 薛氏は今後の取り組みについて、「広大な牧畜エリアとの交流協力をさらに深化させて、原材料の現地ならではの価値を深く掘り下げ、労働者が自宅での就労するスタイルを周囲にも広げていく」と述べた。

NEWS4 商務部報告「中国の対外貿易情勢が複雑で厳しい」

 中国の輸出入は高度成長を続け、5月の前年同期比増加率は26.9%に達した。しかし商務部(省)の関連機関が9日に発表した報告書「中国対外貿易情勢報告(2021年春期)」によると、現在の中国の対外貿易情勢は引き続き多くの不安定で不確実な要因に直面しており、通年の情勢は依然として複雑で厳しいものになる」という。中国新聞社が伝えた。

 同報告書は、「目下、各国で新型コロナウイルスワクチン接種の進展状況が異なっている。これにウイルスの変異が加わって、世界の感染状況にはリバウンドがみられ、世界経済・貿易の安定回復の基礎を脅かしている。特にインドで大規模な感染が発生し、自国経済の回復が遅れているだけでなく、世界の海上輸送、医薬品、繊維、金融サービスなどの業界のサプライチェーンにも影響を与えている」との見方を示した。

 同報告書は、「現在、各国は引き続きさまざまな保護貿易措置を執っており、保護主義、一国主義の傾向が高まり、産業チェーンとサプライチェーンの配置が地域化、現地化、短縮化に向かい、グローバル経済・貿易の持続的で安定的な回復が挑戦に直面している。こうした状況の中、中国の対外貿易の発展が直面する外部環境は引き続き錯綜し複雑で、挑戦とチャンスがともに存在する」と指摘した。

 しかし同報告書は、「中国の輸出入の量の安定と質の向上には引き続き多くの有利な条件が備わっている。国内経済は安定回復傾向を示し、主要経済指標が安定回復し、経済の長期的に好転する基本的側面(ファンダメンタルズ)は変わらない。対外貿易企業の発展の強靱性が増強され、すでに一連の国際競争力を備えた業界・企業が育成され、市場開拓と国際化された経営の経験を積み重ねている。対外貿易を安定させる各種政策が市場の信頼感を高めた」とも指摘した。

 同部は、今後は対外貿易の基盤の安定に全力を挙げ、政策の連続性、安定性、持続可能性を保つ。対外貿易企業が直面する共通の問題と突出した困難に対し、対外貿易企業向けのサービスを強化して対応するとしている。

NEWS5 中国の若者はなぜこんなに「国潮」が好き? ニーズを探り当てる老舗

 個性を身にまとうのを好む現代の若者「Z世代」(1995年から2009年までの間に生まれた人)たちは、キッチンにはセルフ火鍋、タニシ麺、アイスコーヒー、プロテインバーが置かれ、「完美日記」の口紅、「瑪麗黛佳」のマスカラ、「花西子」のパウダーなどの国産化粧品を日常的に使用する………天猫(Tmall)がまとめたデータによると、「90後(1990年代生まれ)」は国産品の平均消費額がすでに6千元(1元は約17.2円)を超えたという。「銭江晩報」が伝えた。

 「今時の若者は消費の大きな波の上に乗って、1つまた1つと非常にボリュームの大きな消費市場を生み出している」と感慨深げに話す人がいる。若者たちは中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」が、なぜこれほど好きなのだろうか。

天猫618で勢いある若者たち 755の新ブランドが1日で100万元の売り上げ

 若者が熱心に追いかける国産品は、「ブレイクの年」を迎えた。今年の天猫のショッピングイベント「618」には、25万のブランドが参加し、前年同期の2.5倍になった。イベント期間中に初お目見えの新製品140万種類が登場。その中には誕生したばかりの国産品ブランドのものが少なくない。イベント初日の6月1日には、新しく誕生した755ブランドの取引額が100万元を超え、中でも消費者層の新たなニーズを鋭く察知した、ニッチな小規模ブランドが多く、細分化した競争の中でトップを走っている。

 阿里研究院の「中国ブランド発展報告2021」によると、「2016年に供給側改革がスタートして以来、新ブランドが年々増加した。2020年の天猫における新ブランドの売上高は2016年の17.9倍になった」という。

創業300年以上にしてイノベーション満載の老舗 4千万人の「95後」はネットで購入

 天猫プラットフォームのデータ記録によると、創業59年のブランド「大白兎」と創業56年の「美加浄」が手を組み、天猫でミルクキャラメルフレーバーのリップクリームを売り出すと、2秒で完売した。「80後(1980年代生まれ)」と「90後(1990年代生まれ)」が子ども時代に使っていた「六神」とカクテルの「RIO」が手を結び、オーデコロンの香りがするカクテルを売り出すと、これも17秒で完売した。殻を破って新たな姿を見せる国潮の国産品は、若い新興ブランドだけでなく、その多くが年月を重ねてますます盛んな老舗によるものだ。

 統計データによると、毎年、4千万人の「95後(1995年から1999年生まれ)」が天猫で老舗の商品を購入する。老舗が若者に人気の理由は、長い歴史があり、精巧なつくりの商品を打ち出しているからだけでなく、老舗が時代と歩調を合わせ、新たなニーズに応えているからだ。

 若者は重い包丁は使いたがらない。そこで、創業393年になる刃物ブランド「張小泉」は新たな挑戦に踏み出し、なんとキッチンばさみの刃を菜切り包丁と同じ厚さにした。

 張小泉の夏乾良社長は、「モノの研究からヒトの研究に移った。『95後』の姿からヒントを得て、異論を排除してとにかく試してみると決めた。菜切り包丁の『たたき切ることも普通に切ることもできる』をコンセプトに、いろんな切り方ができる『キッチンばさみ』を売り出すと大人気商品になった」と振り返った。

 ネットで人気の黒ごま団子から化粧品まで、ネットユーザーは喜んで購入している。商品を販売する杭州胡慶余堂集団有限公司の劉俊明社長は、「老舗はもはや『高齢者』や『古くさい』とイコールではなくなり、現代の若者が暮らしの質向上を追い求め消費のレベルアップをはかるためのものになった」ことをはっきり感じるという。

 5月24日、天猫「618」プレセールが始まってから1時間で、上海家化連合股份有限公司傘下のスキンケア製品ブランド「玉沢」が初めて人気商品トップ10に入った。6月1日未明にイベントが始まると、わずか1時間で昨年の1日分の売上を達成した。またプレセールから現在までの間に、かつて旅客列車で人気があったチキン料理の「徳州扒鶏」が売り出した新ブランド「魯小吉」は、スパイシーな醤油味ベースの商品4種類が一気に売上を伸ばした。ネットユーザーからは、「老舗で最も成功した新ブランド」と賞賛する声が上がった。

ショッピングカートには国産品がいっぱい 若者はなぜ「国潮」が好きなのか

 天猫のデータによれば、国産品は今では「90後」、「95後」、「00後(2000年代生まれ)」が消費をするときに真っ先に選ぶものになった。過去1年間に天猫では、「00後」の国産品消費の増加率が最も高く、50%を超えた。現在の若者たちはなぜ、これほど「国潮」を好むのだろうか。

 あるネットユーザーは、「国産品の品質はもう海外のビッグブランドに負けていない。デザインもブランド力も海外ブランドに十分太刀打ちできる。新しい国産消費財ブランドは、品質と価格の間で絶妙なバランスを取ることが非常に上手で、若者の心の中にある素晴らしい生活への憧れの一部分を十分に満たすようになった」との見方を示した。

 天猫の「国潮」事業責任者の錦雀さんは、「中国人の消費力向上、消費への自信と文化的自信の高まり、産業チェーン・サプライチェーンのさらなる成熟、インターネット環境が整った商業インフラ、国際的視野を持った人材が次世代の起業家になったことなどが、すべて新しい国産品ブランドの爆発的発展のための着実な基礎固めをした」と述べた。

 業界では、国産品ブランドが飛躍する舞台の幕は開いたばかりとの見方が広がる。国産品ブランドは「95後」の間で根付き始めたところで、これから徐々に拡大し、やがて「90後」、「80後」、「70後(1970年代生まれ)」の消費観にもゆっくり影響を与えるだろうという。

 1つのブランドがネットの一時的な人気者から末永い人気者になれるかどうかは、アクセス量が示す導入の部分を見るだけでなく、人気商品を作り出す能力があるかどうかを見なければならない。錦さんは、「過去10年間は中国の従来の商業、ブランド、業者がインターネットを全面的に取り入れる10年間だった。これからの10年間は、中国ブランドと国産品が生まれ変わる『黄金の10年間』になると確信する」と述べた。

NEWS6 「Harmony OS2.0」1週間でユーザー1千万突破

 華為(ファーウェイ)技術有限公司はこのほど、スマートフォンなどのモバイル端末に対応可能な独自開発の基本ソフト(OS)「鴻蒙(Harmony、ハーモニー)2.0」について、6月9日までにアップデートしたユーザーが1千万を突破したことを明らかにした。ファーウェイは今月2日に「Harmony OS2.0」とこれを搭載したスマートウォッチとタブレットなどの新製品を発表した。また同日より、ユーザーに新OSを勧めるメッセージを送り、「ファーウェイMate40」シリーズ」、「ファーウェイMateX2」などのユーザーに新しい「Harmony OS2.0」を真っ先に試せるとアピールした。

 ファーウェイのこれまでの推計では、2021年末に「Harmony OS」を搭載したデバイスは3億台に達し、そのうち自社製品のデバイスが2億台以上、第三者協力パートナー向けに生産した各種デバイスが1億台以上になるという。

 「Harmony OS2.0」を真っ先に試したスマートフォンユーザーから、「スムーズさで言えば、アンドロイド(グーグル)をはるかにしのぐ」「エネルギー消費も減った」といった高い評価と賞賛の声が次々に寄せられている。

NEWS7 中日韓スマートシティ・オンラインシンポジウムが開催

 中国、日本、韓国の三国協力事務局とWeGO(世界のスマートで持続可能な都市組織)が5日、「中日韓スマートシティ・オンラインシンポジウム」を共同開催した。中日韓3ヶ国の中央政府と地方政府機関、企業、シンクタンク、スマートシティ関連団体などから400人近くが参加した。

 シンポでは、中日韓3ヶ国関連団体の専門家が各国のスマートシティ建設の現状と将来の総合的計画プランを紹介した。北京市、東京都、ソウル市の政府関係者が3ヶ国の首都におけるスマートシティ建設の経験を共有した。中国の阿里巴巴(アリババ)、日本のNEC、韓国のサムスンSDSの専門家が、スマートシティ建設で企業がどのようなイノベーションサービスを提供するかを説明し、今後の協力が可能な分野について話し合った。

NEWS8 ぜいたく品報告2021 「自己表現」を重視する若者

 2020年には新型コロナウイルス感染症が発生して経済に重大な影響を与えたが、中国のぜいたく品市場は第1四半期(1-3月)に低迷した後で急速に回復し、最終的に高度成長を達成した。

 広報会社ルーダー・フィンと市場調査会社の精確市場研究センターがこのほど共同で発表した「中国ぜいたく品報告2021」によると、大陸部の回答者の36%と香港地区の回答者の31%が、「20年のぜいたく品消費は前年に続き予定の支出額を上回った」と答えた。このうち三線以下の都市の回答者の割合が41%にも達して、中小都市の購買力の力強さを改めて示した。同時に、大陸部の19%、香港地区の37%が、「昨年の購入額は予定の支出額を下回った」と答えた。一方で、大陸部の12%、香港地区の21%が、「感染症発生以来、中古のぜいたく品をより多く購入するようになった」と答えた。全体として、大陸部回答者がより楽観的な消費への信頼感を示したと言える。

 感染症で海外旅行が制限されたため、大陸部消費者は海外で予定していたショッピングの場所を国内に移し、上海、北京、広州、深セン、三亜が大陸部の5大ぜいたく品ショッピング都市になった。

 オンラインショッピングプラットフォームの選択では、ブランドの公式サイトが香港地区で引き続きトップに立ったと同時に、大陸部でも徐々に割合が上昇し、今では最もよく利用されるオンラインショッピングプラットフォームとなり、利用率は54%に達した。またぜいたく品ブランドが自社で運営するEC業務に対し、消費者の注目がますます高まっている。

 海南省の開放型経済の発展に後押しされて、海南の免税店は消費者がショッピングする場所として急速に台頭した。三亜の勢いは今や二線都市、三線都市、それ以下の都市をしのぎ、国内5大ぜいたく品ショッピング都市の一角を占めるようになった。

 同報告の調査研究サンプルは大陸部と香港地区の消費者2千人で、内訳は大陸部の異なる都市が1500人、香港地区が500人となっている。平均世帯年収は大陸部回答者が143万5千元(約2470万円)、香港地区回答者が100万9千香港ドル(約1430万円)だった。調査は今年1月に行われた。

回答者の多くが「持続可能な製品にお金を使いたい」

 同報告によると、大陸部回答者の84%と香港地区回答者の63%が、「持続可能な発展の重要性を認識している」と答えた。同時に、大陸部の85%、香港地区の62%が、「ぜいたく品ブランドは持続可能な発展を奨励する上で重要な役割を担うべき」と考えていた。低汚染またはゼロ汚染の製造技術と倫理的・道徳的な原材料の調達が、回答者が最も関心を寄せた持続可能性に関する主張だ。一方、最も重要度が低かったのは毛皮を使用しないことだった。

 回答者の約9割が、「社会・環境の持続的発展に対するぜいたく品の実践を支援するためにより多くのお金を使いたい」と答えた。このうち、「支出を今より5-10%増やしたい」が一番多く30%を超えた。持続可能な発展のために何もしないブランドに対しては、大陸部の92%、香港地区の81%が、「そのブランドの製品の購入を減らすかやめる」とした。

若い消費者は独自の理念と行動

 現在21-25歳の消費者が今ではぜいたく品消費の重要な担い手で、彼らの消費理念と消費行動は年齢が上の消費者とでは多くの違いがある。ぜいたく品を購入する理由について、同世代の1位は年長者と同じく「生活の質を高めるため」で52%だった。「自分を表現するため」は年長者より多い38%に達し、「自分の品を示すため」はより少なく33%にとどまった。またテレビを通じてぜいたく品情報をキャッチする人は最も少なく、6%しかいなかった。高級レストランや高級志向の旅行では、年長者よりもKOL(キーオピニオンリーダー)のアドバイスに従うことが多い。スターに対しては、「香港・台湾地区のスターが好き」の割合が年長者より明らかに低く、「日本・韓国・米国のスターが好き」の割合は明らかに高かった。同世代は感染症以降、中古のぜいたく品を購入する人の割合が高くなり、年長者の割合を大きく上回った。

NEWS9 人民銀がMLFで2千億元の資金供給

 6月15日、中国人民銀行(中央銀行)は中期貸出制度(MLF)により2千億元(1元は約17.2円)の資金供給を実施したほか(同日に期限を迎えたMLFと同額の資金供給を含む)、売却条件付き債券購入(リバースレポ)を通じて100億元の資金供給を実施した。同行の公式サイトが伝えた。

 同行はMLFとリバースレポについて、「銀行システムの流動性の合理的なゆとりを維持するため」と説明した。

 発表された公告によると、2千億元のMLFは、期間1年、金利は2.95%。100億元リバースレポは、期間7日、金利は2.20%。いずれもこれまでの水準に据え置いた。

 金融データサービスのWindのデータによると、今週(6月15-18日)には、計500億元のリバースレポと2千万元のMLFが期限を迎える。このうち15日には200億元、16-18日にはそれぞれ100億元が期限を迎える。15日にはMLF2千億元も期限を迎える。

NEWS10 「ゾウの出没」で注文した商品が予定通り発送されない事態に!?

客「注文したミニトマトがまだ発送されてませんけど」

店「ゾウが来たからです」



 毛さんは淘特(淘宝<タオバオ>の特価品サイト)プラットフォームで生鮮食料品を扱う業者で、産地直送の店舗を経営し、雲南省のさまざまな農産物を販売している。ミニポテト、枝豆、唐辛子、ミニトマトの栽培農家と梱包スタッフはほぼ全員同省玉渓市紅塔区洛河郷で暮らしている。

 5月30日午後6時10分、アジアゾウ15頭が洛河郷大弯村尖山哨坡の近くに移動してきた。毛さんは、「政府から外出しないよう事前に通知があった。現地の人はみんなゾウがこっちにやって来る様子を確かめた」と話した。



 しかし農業従事者は外に出なければ、畑でトマトを収穫できない。スタッフも村から出て、倉庫に行って荷造りすることができなかった。

 毛さんは、「トマトに影響が出ただけでなく、サヤエンドウもこの辺一帯で栽培している。農家が栽培し、私たちが買い取って販売しているが、畑に出てゾウと鉢合わせしたら危険だ。スタッフも外に出て荷造りして、それから発送する手順になっている。外に出られなければ、野菜は発送できない」と話した。



 淘特プラットフォームの要請によれば、消費者が注文してから、店舗側は48時間以内に商品を発送しなくてはならない。しかし、ゾウの群れが玉渓市をあちこち移動している間、洛河郷一帯でEC企業への調達を請け負う張さんは、「前後約10日間、ミニトマトの収穫ができなかった」という。

 毛さんの店舗だけでも、3万件以上の発送の遅延に直面している。毛さんの大まかな計算では、発送の遅延による賠償額が10万元(約171万円)に上り、「うちにとっては大きな出費なので、淘特プラットフォームと連絡を取った」という。

 淘特事業部生鮮食品類の梱包スタッフの方恬蕊さんは、「今のところ、北に移動するゾウの群れによって店舗が損失を被り、賠償に関わるのは一部の業者に限られる。ゾウによる商品発送への影響は突発的な事態であることを考慮して、プラットフォーム側から賠償を主体的に行っている。今後も業者側にこの状況による影響が出た場合は、具体的な状況に基づいて具体的に分析していく」と話した。

 ECへの影響だけでなく、移動するゾウの群れはこれまで農作物に直接損害を与えている。ゾウの出没による農作物の損失は、「野生動物保護法」に基づいて、現地政府が賠償する。



 雲南省では野生動物による被害が比較的多く、同省林業庁は2009年末にアジアゾウをめぐる公衆への損害賠償責任保険の業務構想を打ち出し、10年には西双版納(シーサンパンナ)などのエリアでテスト事業を展開し、商業保険モデルを導入し、補償メカニズムを整えた。

 中国太平洋財産保険股フン有限公司(フンはにんべんに分)雲南支社非自動車保険損害賠償部の責任者の高海さんは、「2010年に、全国初の野生動物による事故の損害賠償責任保険の保障が始まり、主にアジアゾウによる農家の一部の被害を補償するようになった。2011年には対象が国の保護を受けるあらゆる野生動物に広がり、2014年には雲南省16州・市に範囲が拡大された」と説明した。

 また高さんは、「このアジアゾウ15頭は普洱エリアで368万元の損失を出している。その大部分を占める昨年の損失分はすでに補償が行われ、今年の分はわずかで、目下、農家の損失状況を確認しているところだ。6月にはすべての保険金払い込みが完了するだろう」と述べた。


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