銘・精選

NEWS1 盛り上がる「萌え経済」 知財権の保護がカギ

 故宮の文化的クリエイティブグッズ、ブラインドボックスに入っている人形から、漫画・アニメの関連グッズ、二次元(漫画、アニメ、ゲームなど)の業界の枠を超えたコラボレーションまで、今や「萌えグッズ」がインターネット消費の分野で大流行中で、「萌え経済」がトレンドをけん引する新業態になっている。しかし「萌え経済」の人気と同時に、海賊版の問題や深刻な同質化といった現象もみられるようになった。専門家は、「知的財産権(IP)侵害の問題を解決することこそ、『萌え経済』が繁栄を続けるためのカギだ」と指摘した。人民日報海外版が伝えた。


蘇省蘇州市のポップマートの店舗に展示されたLABUBUシリーズのブラインドボックスのおもちゃ。(撮影・王初、写真提供は人民図片)


「萌え」が消費も駆動

 「故宮が売り出した子猫の置物がすごくかわいくて、ネットで一気に18種類全部そろえた」と話す羅さんは、故宮の文化的クリエイティブグッズの愛好家だ。「全部そろえるのは安くないが、こうしたかわいい置物が机の上にあると、見ていて楽しい気持ちになる」という。

 微信(WeChat)のスタンプを作成するイラストレーターの黄慧さんも、「萌え」の消費駆動力のことをよく知っている。彼女の筆の先から生まれる「天然萌え」のキャラクターのスタンプは高いダウンロード件数と送信件数を獲得したと同時に、キャラのシールやアクリル置物などの関連グッズもネットで販売されるようになった。黄さんは、「かわいいスタンプは投げ銭をもらえる可能性があり、有料でもダウンロード件数を稼ぐことができる。スタンプにとって、『萌え』は競争力の1つでもある」と話した。

 「故宮の猫」やスタンプの関連グッズだけでなく、ブラインドボックスの人形、漫画・アニメのフィギュア、二次元の業界の枠を超えたコラボレーションも消費の新たなトレンドになった。玩具や人形から日用雑貨まで、実体ある製品からバーチャルな製品まで、盛んな勢いの「萌え経済」が新興の経済形態となった。「萌え趣味」のトレンド玩具の場合、業界のデータをみると、中国のトレンド玩具小売市場は目下、急速に発展しているところで、市場規模は2015年の約63億元(1元は約16.9円)から20年は300億元に迫り、複合年間成長率は30%を超え、世界トップクラスだ。また第三者企業情報プラットフォームのデータを見ると、ここ数年、中国のトレンド玩具関連企業の年間登録数が年々増加している。16年に登録数が100社を超え、19年は約115社増加し、20年はさらに約245社増加した。

 若者の心の中にあるニーズに触れる

 中国人民大学新聞学院の韓暁寧准教授は、「『萌え経済』商品の外観の大部分が現在の社会心理で『かわいい』と認められる漫画・アニメのキャラクターなどのイメージをしており、本質的には文化クリエイティブ製品だ。こうした製品の消費層は以前は青少年が中心だったが、徐々に拡大してほぼすべての年代の消費者層に広がっている」と述べた。

 韓氏の指摘によると、「『萌え経済』の誕生発展の最も主要な原因は文化クリエイティブ産業が繁栄し、産業内の各種経営主体と製品の形式がますます多様になり、新製品と新モデルが次々誕生するよう後押しされたことにある。現代の社会・文化は多様な発展を遂げ、社会は漫画・アニメや二次元の文化により寛容的になり、これを受け入れるようになり、新たな消費分野の誕生が促進された。大衆の文化消費ニーズと購買力が高まり、特にインターネットと一緒に成長した世代の消費者はこうした製品に対してより高い消費ニーズと購買力をもち、『萌え経済』繁栄の原動力の1つにもなっている」という。

 モバイルインターネットの急速な発展により、今や映画・テレビ、漫画・アニメ、ゲームなどが徐々に中国の消費者の、特にZ世代(1995年から2009年までの間に生まれた人)のユーザーの主要な文化消費コンテンツになり、それに伴って二次元文化も広がりをみせ、二次元ユーザーの規模が拡大を続けている。データによると、20年の中国の二次元ユーザーの規模は約3億7千万人で、21年は4億人に達する見込みだ。業界関係者は、「新しい文化消費の注目点が『萌え経済』の勢いに乗った発展を後押しした」と指摘した。


甘粛省隴南市成県のECインキュベーションパークで、スタッフが精巧に作られたおもちゃ製品をライブ配信でおすすめしているところ。(撮影・旭春、写真提供は人民図片)


海賊版の「萌え製品」にNO!

 「萌え経済」ブームが起きたが、模倣や海賊版の横行が業界を悩ませる問題点にもなっている。

 韓氏は、「『萌え経済』が目下抱える主な問題の1つは、権利侵害の現象だ。海賊版は正規版の製品の知的財産権を侵害し、正常な市場競争の秩序を混乱させると同時に、文化クリエイティブ産業の発展の原動力を弱め、『萌え経済』業態の健全な発展にマイナス影響を与える」と指摘した。

 韓氏は、「この問題に直面して、宣伝を強化し監督管理を強化することを同時に重視しなければならない。一方で商標、著作権、外観デザインなどの特許分野の法律・法規と政策の宣伝を強化する必要がある。もう一方で権利侵害現象に対して一貫して法律に基づいた摘発を行ない、『萌え経済』が長く繁栄するようにする必要がある」と述べた。

NEWS2 【中国キーワード】新業態が生み出した「百花繚乱」の新職業

 人的資源・社会保障部(省)はこのほど、国家市場監督管理総局、国家統計局とともに、18種類の新職業を発表した。「中華人民共和国職業分類大典(2015年版)」が発表されてから4回目の新職業の発表となる。国の職業標準リストに入っていない新職業はまだ数多くある。今後、新たに生まれる職業もあるだろうし、現在すでにあって、徐々に成熟に向かっていく職業もあるだろう。一方で、こうした新興の職業はすでに労働力市場の新たな力や原動力になっており、経済のモデル転換・高度化の歩みを見つめてきた「証人」のような存在にもなっている。

新職業とは何か?

 新職業とは、経済社会が発展する中で、その職業に従事する一定数の従事者がおり、相対的に独立し成熟した職業スキルを備え、さらに国家職業分類大典に収録されていない職業を指す。新職業として確立されるには一連の厳格な技術的プロセスを踏まなければならず、たとえば技術的な角度や独自性の角度から、その職業が新しいかどうか、新産業や新業態を反映しているかどうかを考えなければならない。次に、社会性も主要な検討ポイントで、その職業がより多くの労働者に雇用をもたらせるかどうかを考えなければならない。

新職業にはどんなものがあるか?

 このほど発表された新職業は、(1)集積回路エンジニアリング技術者(2)企業コンプライアンス師(3)企業金融顧問(4)物々交換師(5)中古車ディーラー(6)自動車救援士(7)飲料調合師(8)食品安全管理師(9)サービスロボット応用技術員(10)電子データ証拠採取アナリスト(11)職業トレーニング師(12)暗号技術応用員(13)建築カーテンウォール設計士(14)炭素排出管理員(15)管廊運用・保守員(16)酒類配合設計師(17)スマートハードウェア設置調整員(18)工業ビジュアルシステムオペレーターの18種類だ。

 炭素排出管理員は技術レベルと総合性が高い仕事であり、炭素排出に関する技術を習得し、関連の政策・標準を熟知して初めて、炭素排出の計画、試算、チェック、評価などの任務は果たせる。

 インターネット技術の発展に伴って、2012年には「電子データ」が新しい証拠スタイルとして「中華人民共和国刑事訴訟法」に組み込まれ、電子データによる証拠採取が新しい採取技術として刑事訴訟活動の中で幅広く応用されるようになった。電子データの調査分析サービスも、司法機関から他の行政・法執行当局や大手の企業・事業機関へと徐々に広がっている。

 デジタル経済の急速な発展を背景として、暗号関連サービスもモノのインターネット(IoT)、スマートシティなどの面へと拡大・発展し、スマートなつながり・スマートな融合といった特徴をみせるようになり、プライバシーの保護、ゼロトラスト、安全なマルチパーティ計算などの新型暗号技術を生み出した。暗号の応用・管理を規範化するため、「中華人民共和国暗号法」は「国は暗号に携わる人材の育成とチームの確立を強化する」方針を打ち出した。説明によると、暗号技術応用員は暗号技術の応用の供給サイド、利用サイド、監督管理サイドの中心として、デジタル経済の安全性、融合、監督管理などを見守る存在になるという。

 ここ数年、中国で高齢化が進んでいくにつれ、生産年齢人口が減少し、人件費が上昇し、各業界、各産業ではサービスロボットへのニーズが急速に高まり、応用シーンが教育、娯楽、物流、セキュリティ・パトロールなどへ広がった。特に新型コロナウイルス感染症が発生すると、サービスロボットは医療や飲食などでの応用が爆発的に増加した。サービスロボット応用技術員はサービスロボットのニーズのフィードバック、応用、普及推進などの任務を担い、サービスロボット産業の発展を推進する重要な人材面での支えとなる。

 スマートハードウェア設置調整員や工業ビジュアルシステムオペレーターなどはデジタル化技術の発展・変革が生み出した新職業で、デジタル経済の健全な発展を促進する上で重要な意義をもつ。

 ここ数年、茶葉や乳製品、フルーツなどをミックスした新スタイルの飲料品が、ますます多くの人に受け入れられるようになり、特に若者層に好まれている。茶葉やフルーツ、ミルク・乳製品などの原料・補助材料を使用し、色合いやデザイン、栄養成分のバランスなどを整え、いろいろな味の飲料品を作るのが飲料調合師だ。人的資源・社会保障部によると、新興の職業の一種として、飲料調合師は柔軟な雇用の促進にプラスになるだけでなく、茶葉や乳製品、フルーツ、野菜などさまざまな産業の発展を促すことにもなるという。

新職業は専門性への新たな要求を突きつけ、雇用の「貯水プール」に

 新職業が注目されているのは、それが新たな方向性を代表し、発展の新たな原動力と新たなニーズを示すものだからだ。たとえば電子データ証拠採取アナリスト、暗号技術応用員などは、デジタル化技術の発展・変革が生み出した新職業であり、企業コンプライアンス師、炭素排出管理員などは、経済の質の高い発展と新発展理念がその登場を後押しした新職業だ。また飲料調合師、酒類配合設計師などは、人々のますます増大する素晴らしい生活へのニーズが相次いで生み出した新職業だと言えるだろう。

 日に日に増大する中国の都市部・農村部住民の多様化・個性化したサービス消費ニーズによって、サービス消費の発展がもたらされ、多くの新職業の登場・発展は中国経済のモデル転換・高度化の歩みを見つめる「証人」のような存在にもなっている。

 2019年以降、人的資源・社会保障部は4回にわたり計56種類の新職業を発表した。国の職業標準リストに入っていない新職業はまだ数多くある。今後、新たに生まれる職業もあるだろうし、現在すでにあって、徐々に成熟に向かっていく職業もあるだろう。こうした新職業の登場は、専門的サービスへの新たな需要・要求を体現している。

 新職業は雇用の新たな可能性を切り開き、雇用の「貯水プール」の容量を拡大した。新職業の登場は、経済のモデル転換・高度化がすでに業界の側面、職業の側面に顕在化するようになったことを示している。政府の関係当局が新職業を認可したことで、新職業で働く人々は仕事への帰属感と自分の職業が認められたという意識をもち、やる気と将来の展望をもつようになり、さらにはより多くの労働者が新たな職業の世界に進み、新たな職業の発展方向や新たなスキル向上の方向を選択するよう促すことにつながる。絶えず登場する新職業は、中国経済の発展と産業高度化の先端にある動きであり、より多くの人に人生で輝く機会を提供しただけでなく、中国経済のイノベーションが駆動する発展の原動力を一層かき立てることもできるだろう。

NEWS3 清明節の中国国内観光客数1.02億人に 感染症前の94.5%を回復 



 中国文化・観光部(省)が5日に明らかにしたところによると、2021年の清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月4日)には、全国の国内観光客数がのべ1億200万人に上り、比較可能なデータに基づくと前年同期比144.6%増加し、新型コロナウイルス感染症前の同期水準の94.5%を回復したという。国内観光収入は同228.9%増の271億6800万元(1元は約16.8円)に達して、感染症前の56.7%を回復した。中国新聞社が伝えた。

 同部によると、国内観光市場は今、秩序よく回復しつつある。近場旅行の占める割合が高いこと、旅行商品の価格が低いこと、観光地が入場料を減額(免除)したことなどにより、観光消費が完全に回復するにはまだしばらく時間がかかるという。

 同部の説明では、清明節連休期間(4月3-5日)には、人々の間で旅行ムードが高まり、赤色観光(革命ゆかりの地をめぐるツアー)の人気が上昇を続けた。伝統的な春の風習「踏青」を楽しむツアー、近郊に出かける近場ツアー、アグリツーリズム(農村観光)、ドライブ旅行などのニーズが急速に高まり、中国観光研究院の調査によれば、観光客のうち57.0%が踏青・近場ツアーに参加し、32.5%が庭園めぐりや花見を体験し、ドライブ旅行の占める割合は60.0%だった。赤色観光の人気が持続的に上昇し、各地で「守護-2021年清明節に烈士を祭る」をテーマにしたPR・教育活動が開催され、観光客は次々に革命記念館を訪れて烈士をしのび、革命の伝統と愛国主義教育を受けた。

 また市場の供給が豊富で、休日ツアーの質が向上した。各地の文化・観光当局は十分な準備をし、市場の供給は観光客のニーズに速やかに応えた。観光地の観光客受入数、リゾートホテル・特色ある民泊施設の稼働率が感染症前の同期の水準に近づき、一部の地域では「量も価格も上昇する」現象が起きた。博物館、図書館、美術館、文化館などの観光客受入数が増加し、展覧会、新劇、詩会、音楽会、舞台劇などは徐々に元の状態に戻ってきた。

NEWS4 人民銀「条件整った時にデジタル人民元クロスボーダー取引を可能に」



 4月1日に開かれた国務院新聞弁公室の記者会見で、中国人民銀行(中央銀行)研究局の王信局長は、「中国のデジタル人民元は主に国内の小売決済用に設計されているが、条件が整った時に市場ニーズがあれば、デジタル人民元を利用したクロスボーダー取引も実現可能だ」とした。

 王局長の説明によると、人民銀行デジタル通貨研究所と香港金融管理局は先ごろ、デジタル人民元の大陸部と香港地区間のクロスボーダーな使用について技術テストを行った。これは人民元の試行における通常の研究開発テストだという。また先ごろ、国際決済銀行(BIS)香港イノベーションセンターの支持の下、人民銀行デジタル通貨研究所と香港金融管理局、タイ銀行(中央銀行)、アラブ首長国連邦(UAE)が共同で「多国間中央銀行デジタル通貨ブリッジ」に関する研究プロジェクトを発起した。その目的は、分散型台帳技術を利用して中央銀行デジタル通貨間クロスボーダー取引の24時間対応同時決済、すなわちPVP決済の実現を模索することにある。

NEWS5 「外見経済」にお金を使っているのはどんな人か

 最近、自分の外見のために喜んでお金を使う人がますます増えており、顔だけではなく、ボディメイクをする人もいる。外見にお金をかけたい若者もますます増え、女性に限ることもなくなった。中国新聞網が伝えた。

 現在、どのような美容医療メニューが人気か。どのような人が美容医療にお金を使いたいのか。美容医療の消費の動機は何だろうか。

男性は生え際としわ取りに注目

 王さんは医学院で正規の教育を受けた女性で、北京の美容医療機関で働いて3年あまりになる。そこでは主に顔面を整える各種注射、ボディメイク、レーザーなどのメニューを提供する。王さんは、「うちは俳優の顧客が多く、自分の外見に対して高い要求がある企業の上層部もいる。また中には友人に勧められて来たという若い男女もいて、顔とボディをどうするかそれぞれプランを立てている」と話した。

 美容の世界に踏み出す男性もどんどん増えている。男性消費者はすでに「外見経済」の重要な支え手となっている。「2020年中国美容医療業界白書」によると、男性の美容医療消費者の占める割合と消費能力は上昇傾向にあり、20年の平均客単価はすでに女性の何倍にも達したという。

 またこうした男性が求める美容医療サービスは、日々後退する生え際とますますあらわになる頭頂部の対策だけではなく、しわ取りや非侵襲の美容機器による顔のアンチエイジングもある。現在のような「顔面重視」の時代には、ますます多くの男性が肌のたるみを改善したり、ハリを取り戻したり、フェイスラインをすっきりさせたりして、自分をより若々しく元気にみせたいと考えるようになった。

ボディメイクが急成長

 これまで美容医療といえば、真っ先に連想するのは美容整形だった。しかし今では理想の体に近づけるボディメイクも同業界の急成長分野の1つになった。太ってはいないが、二の腕のたるみや太ももの内側の贅肉、お尻のたるみなど、体の一部が気になるという人がいる。手術または手術以外の方法によるボディメイクメニューによって部分的なダイエットが可能になり、美を愛する人々に自分の体を「精密に作り上げる」ことのできる可能性を提供した。

 デロイトトウシュトーマツが最近発表した報告書「中国ボディメイク市場業界発展白書2021」の中の次のようなデータの変化が注目を集めた。18年から20年にかけて、中国の消費者が体のために支出した金額が美容医療の各種メニューの総支出額に占める割合が年々上昇しており、18年は28%だったのが20年は46%に上昇し、ボディへの投資意欲が急速に拡大している。

アンチエイジング消費をもたらす「年を取るのが怖い」という不安

 ボディ対策は盛んだが、それでもやはりより多くの人が顔面にお金を使っている。北京に住む李さん(女性)はそんな1人だ。今年1月から毎月1回美容医療クリニックに行き、光によるアンチエイジング対策のフォトリジュビネーションの施術を受けている。李さんはなぜここにお金をかけるかについて、「年を取ったから……肌の問題の中にはスキンケア化粧品で解決できないものもある」と答えた。

 陳さん(女性)は美容医療サービスを受ける理由として、年齢を重ねるにつれて「年を取るのが怖い」と不安に思うようになったことを挙げた。今年34歳になる陳さんは、「自分は心の安定のために美容医療サービスを利用している。まだ老化を心静かに受け入れることはできないし、ほうれい線が深くなって顔全体がだんだんたるんでくるのを黙って見てはいられない」と話した。

 老化のペースを遅らせたいというのが美容医療消費の大きな動機の1つだ。前出の王さんも、「20歳から30歳の美容医療消費者は、主に自分の持って生まれたもので肌質やフェイスラインの調整を行ない、よりよい見た目を追求するためというのが一般的だ。30歳から60歳頃になると、肌の問題を解決した上で、次は異なる程度のアンチエイジングを施術のテーマにする」と話した。

 美容医療消費のもう1つの大きな動機は、他の人から効果があると勧められたから、というものだ。一見、流行を追いかけているだけのようにみえるが、実は別の方向から美容医療に対する人々のオープンな感情を映し出してもいる。

 データでは、19年の中国美容医療メニューの浸透率は3.6%で、米国、日本、韓国などと比べると目立って低い。市場では、美容医療の中国における成長の可能性は極めて大きいという見方が一般的だ。王さんも、「より幅広い層が理性的な美容医療を理解し評価するようになるにつれ、美容医療業界はますます発展し、『外見経済』の可能性もますます広がるだろう」と指摘した。

NEWS6 スエズ運河「世紀の大渋滞」で中国経済への影響は?

 3月23日、エジプトのスエズ運河でコンテナ船の座礁による「世紀の大渋滞」が起こり、全長約400メートルの大型コンテナ船が航路をふさぎ運航が中断してから、すでに1週間がたった。エジプトのスエズ運河管理局は29日、運河で座礁していたコンテナ船の運航が完全に正常化したことを発表した。中国新聞網が伝えた。

 商務部(省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は、「スエズ運河が長時間渋滞するのは、中国経済にとって全体としてよいこととは言えない。影響の最も主なものは中国-欧州間の産業チェーンとサプライチェーンへの打撃だ。中国の沿海地域の商品の多くがスエズ運河を通って欧州に運ばれており、そして中国が欧州から輸入する自動車などの製品もスエズ運河を通るからだ」と述べた。

 また、「スエズ運河の事件が中国に与える影響で最も大きなものは、コンテナ輸送費の大幅な値上がりになるかもしれないことだ」との分析がある。光大期貨有限公司の鍾美燕・エネルギー化学工業ディレクターは、「この運河の大渋滞に伴って、アジア地域のコンテナ不足問題がさらに深刻化し、さらにはコンテナ輸送価格の急上昇を招き、物流コストが跳ね上がる」と指摘した。

 スエズ運河が渋滞して船舶が運航できなくなり、喜望峰を回る迂回路は遠すぎることから、鉄道輸送の人気が高まっている。報道によると、中国の一連の国際物流サービスプラットフォームはここ数日、国際定期貨物列車「中欧班列」についての引き合いが非常に多いという。中央班列の輸送コストは海上輸送より50%高いものの、航空輸送に比べれば大幅に安い。

 白氏は、「中欧班列は確かに圧力を部分的に緩和し、中国の輸出入業者の選択肢を増やしている。今こそ中国は中欧班列の役割をさらに発揮させ、スエズ運河の渋滞による船舶の足止めやそのマイナスの影響を克服すべきだ」と述べた。

 ドイツの大手保険会社のアリアンツの試算によれば、スエズ運河の渋滞によりグローバル貿易は1週間あたり60億ドル(1ドルは約110.0円)から100億ドルの損害を被る可能性があるという。

NEWS7 海南省の離島免税品「郵送サービス」取扱件数が急増中



 中国郵政集団海南省分公司によると、海南省の離島免税店で購入した商品を郵送する業務の取扱件数が月を追うごとに増加し、その量は累計で7万5000件以上に達している。中国新聞網が伝えた。

 同社の資料によると、郵送サービスが今年2月から実施されて以来、海南省の取扱件数は累計で7万5000件以上に達した。うち、三亜市が5万3943件、海口市が2万1172件で、増加を牽引する主な原動力となっている。

 3月単月では取扱件数は5万3679件と、新政策が実施された最初の月と比べると4倍増となり、業務規模は急拡大している。清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月4日)に合わせた3連休中、海南省の郵送サービス取扱件数は5122件だった。

 離島免税店で購入後、旅客は商品を受け取るために長い列に並ばなければならなかったり、持ち歩くのは不便といった問題を解決するため、中国財政部(省)、税関総署、税務総局などは2月2日に、離島を訪問した旅客が免税品を購入した場合、郵送サービスを利用できるようになると、共同で発表した。「郵送サービス」は、離島における免税品購入の顧客体験向上を下支えする重要なサービスとなっている。

NEWS8 「マーダーミステリー」体験店3万店突破 なぜ若者の心をつかんだか

 2016年頃にひっそりと登場した推理ボードゲーム「マーダーミステリー」は、その後わずか数年で多くの若いファンを獲得した。生活サービスプラットフォームがまとめた統計では、2020年末現在、ゲームの世界を体験できるオフライン店舗はすでに3万店を超え、アプリケーションもアップストアの無料ゲームアプリランキングで3位に躍進し、今やすっかりゲーム界の王様のようになっている。「光明日報」が伝えた。

 「マーダーミステリー」はどんなゲームか。「murder mystery game」の訳語から来ているこのゲームは、欧米の若者が好む、複数の人が与えられたキャラクターを演じながら推理を進めていくゲームで、芝居とゲームと2つの要素を兼ね備える。中国の一部のバラエティ番組などで、このゲームのスタイルを参考にしたコンテンツが打ち出されると、中国でも流行するようになった、現在、中国ではこのゲームの遊び方が多様化しているが、シナリオの構成と土台にあるロジックは共通で、「殺人—捜査—推理—真犯人を見つけるまたは無実の人の容疑を晴らす」という流れは変わらない。複数のプレイヤーが1つの事件をめぐり、それぞれに敵味方のキャラクターを演じ、最後には力を合わせて真犯人を暴き出す。こうしたプロセスは中国語で「打本」、「玩本」、「盤本」(ストーリーの世界で遊ぶ)などと呼ばれ、1回のプレイ時間は4-6時間だ。

 現在、「マーダーミステリー」にはオンラインとオフラインの2つの形がある。オンラインアプリが提供するシナリオの大部分は無料で、一部の優良シナリオは有料になる。プレイヤーは1つの「部屋」で音声を通じてキャラクターを演じ、ゲームを楽しむ。オフライン体験型店舗は通常はシナリオに沿って場面が設定され、プレイヤーは実際に1つの部屋に集まって、声や表情、話しぶり、体の動きなどでシナリオの世界を演じる。ここからわかるのは、これが「90後」(1990年代生まれ)と「00後」(2000年代生まれ)が好む流行の文化的スタイルを集めたということで、リアリティショー、ライブ配信、トークショー、コスプレ、ツッコミなどの要素が備わる。異なる点としては、「マーダーミステリー」は一般の観客をシナリオの世界を表現する人へと変身させることで、これによりプレイヤーは全方位的で、さまざまな感覚が揺り動かされ、深く入り込む究極の体験をすることになる。

 チームを作ってシナリオを選び、中身をじっくり読んで演技をスタートする。「マーダーミステリー」は長時間にわたり頭と体を使う没入型のゲームで、周囲を観察し、推理を組み立て、他のプレイヤーとの対話を重ねるそのプロセスは、本質的に人との人との貴重な深い交流とコミュニケーションだ。少しの誇張でもなく、「マーダーミステリー」は今や若者が人間関係を広げるときの有効な媒介になった。チーム作りについて言えば、オンラインでは知らない人同士でチームを組むことが多く、オフラインでは知り合いもいれば知らない人もいる。筆者の研究チームが取材してわかったことは、若い人がオフラインの体験スタイルを好む理由は、ゲームの中で、SNSメディアの「弱いつながり」によって減ってしまったオフラインの本当の自分が顔を出すリアルな「強いつながり」を回復できること、日常生活や仕事の人間関係から飛び出して興味や関心が共通の楽しい人とより多く知り合えること、さらには発展して友達になれるかもしれないことにある。ゲームとは別のプレイヤー同士のオフラインの活動は、「1人でボーリングをしている」ような「空の巣青年」でも断りにくい。

 時代によって遊び方は変わる。石けり、かくれんぼ、レゴブロック、「王者栄耀」……さまざまなタイプの遊びの中で、最も人を夢中にさせるのは「もし自分が○○だったら」と空想し、さまざまなキャラクターを演じることだろう。言い換えれば、すべての人は心の中に「もう1人の自分」がいて、現実の生活の中で自分に割り当てられた役割はいやだと思い、現実の自分を超越するチャンスを待ち続け、探し続けているということだ。「マーダーミステリー」が、平凡な日常生活を送る若者にイマジネーションと飛躍にあふれたゲームの世界を提供することは間違いない。「マーダーミステリー」の大量のシナリオは架空の時代と空間を設定し、本当の自分は伏せておきながら、想像の翼をはためかせる余地を残している。こうした異なる時間、空間、キャラクターは、ある意味で、緊張した関係性を解きほぐし、対立する感情を和らげ、心のバランスを獲得する1つの方法だと言える。

 「マーダーミステリー」で、プレイヤーが自分でキャラクターを選び、想像力を膨らませて肉付けする過程は、自分をゆっくりと解放し、想像の世界に入り込み、「他者」になりきる過程でもある。フロイトの言葉を借りれば、プレイヤーは「エゴ」を忘れ、「スーパーエゴ」を恐れず、「イド」があるだけの状態でゲームに参加していることになる。たとえば、現実の世界における規範、法則、道徳はその拘束力を失い、プレイヤーはゲームのルール、現実とは異なるルール、本能と快楽の原則に基づいた非社会的で非道徳的な原則に従って動く。さらには「エゴ」の最低ラインを絶えず刺激し、「スーパーエゴ」に挑み、ゲームの世界で現実世界では認められない奇妙奇抜な発想やファンタジーを安全に楽しむこともできる。オープン型のシナリオでもクローズド型のシナリオでも、そこに参加するプレイヤーはよりよいゲーム体験と人生体験をすることができる。

 遊びは人間の本能的欲求であり、完全な人格を作り、それを整える上で欠かせない構成要素だ。現代社会のスピードの速い発展に伴うコントロールを失った感じが、完全な人生を打ち破りつつある。私たちは疎外感の脅威に直面せざるを得ないため、こうした束縛から抜け出すために、一面的で功利的な人間から完全な人間に戻っていくことが人々がゲームをしたいと思う重要な動機だ。「マーダーミステリー」はプレイヤーに非日常のゲームとエンターテインメントの空間を提供し、シナリオに没入する過程にはプレッシャーをはねのけ、刺激を追い求め、楽しみを得る一種の癒やし効果がある。ゲームが提供するイマジネーションにあふれた非日常の世界の中で、プレイヤーは日常のしがらみから抜け出し、「他者」となって自由に空を駆け巡るような多彩な人生を体験することができる。媒介としてのゲームは、若者のために深いレベルで他者と双方向に交流し、人間関係を広げる可能性を生み出してもいる。

NEWS9 聖火リレー開始、東京五輪にとってその意味は?

 計121日に及ぶ東京五輪の聖火リレーが25日、正式にスタートした。日本全国を巡る聖火リレーは、決して単なる街角でのショーやデモンストレーションではなく、東京五輪の幕が開いたことを象徴している。さらには、ゴールを五輪開幕式の会場とし、1万人近くのランナーが参加する五輪最初の「競技」とも言える。

 1936年に近代オリンピックの聖火が初めてギリシャの古代オリンピア遺跡で点火されてから80年以上が経った。聖火は早い時点からすでに五輪の象徴になっており、また古代オリンピックと近代オリンピックを結びつけ、そして歴代大会をつなぐ精神的なかけ橋になっている。聖火はオリンピック精神を表している。この精神は国境や人種、民族を超える。そのスタート地点はオリンピアで、ゴール地点は五輪メイン会場の聖火台となっている。

 聖火リレーの開始は、国際オリンピック委員会(IOC)及び各方面がコロナ禍のなかでも五輪を開催する決意が実際の行動に移されたことを意味する。矢はすでに放たれた。3月25日にカウントダウンが始まり、これから121日後の五輪開幕を待ち望むことになる。

 聖火リレーは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が国民の五輪への支持を取り戻す絶好の機会だ。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、日本人の五輪への支持率は過去1年で急落した。最新の世論調査によると、五輪の中止を求める人が依然として4割にのぼっている。コロナ禍で景気低迷し、失業率が上昇し、自信が弱まっており、日本人のこのような考え方は理解できる。聖火リレーは日本の全47都道府県を巡る。同組織委と地方自治体はリレー中にさまざまなイベントを催すことになっており、これは人々の五輪への情熱に再び火をつけ、心を奮い立たせると期待される。人々の支持を勝ち取って初めて、五輪を真に成功させることができる。

 同組織委が多くの感染対策措置を講じても、聖火リレーには必然的に感染のリスクが存在すると予測される。さらに日本で緊急事態宣言解除後、全国の1日当たり感染者数が増加傾向を示しており、感染対策面でのプレッシャーは依然として大きい。聖火リレーは同組織委の感染対策能力にとって試練となり、沿線住民の自己防護の覚悟も試される。リレー中の毎日が五輪の感染対策リハーサルであり、五輪開催期間中の感染対策にとって貴重な経験となる。

 このほか、聖火リレーは東京五輪に再生の機会をもたらす。東京が五輪を招致した主な目的の一つは、東日本大震災及びそれに伴う津波と原発事故の被災地の再建だ。東京五輪を日本は「復興五輪」と位置付けている。新型コロナウイルスとの闘いがあることで、聖火にはグローバルな意義が加えられた。五輪開催はIOCのバッハ会長の言う「暗いトンネルの先にある明かり」となったのである。

 聖火リレーの開始により、人々が相互理解、友情、連帯、フェアプレーというオリンピック精神に対する信念を取り戻すことに期待しよう。こうした精神は今日の世界においてとりわけ尊いものとなっている。

NEWS10 新疆産綿花について何も知らないH&Mやナイキなどのブランド

 中国ではここ数日、「新疆維吾爾(ウイグル)自治区産の綿花」が大きな話題となっている。中国新聞網が伝えた。

 H&Mやナイキなどのブランドが、新疆ウイグル自治区産の綿花を製品に使わないと宣言し、中国で激しい反感を買っている。それらブランドが同自治区産の綿花を使わないとしている理由は、「同自治区に『強制労働』が存在している」という嘘に基づいていることから、なおさら荒唐無稽だと言える。

 同自治区では綿花の収穫はすでに機械化され、自動化を実現しているほか、世界で最高品質の同自治区産の綿花は、中国でも供給が需要に追いつかない状態であることを知っておくべきだろう。

 同自治区産の綿花を製品に使わないと宣言するブランドは、こうした事実を全く理解していない。



新疆産綿花は世界最高品質

 新疆ウイグル自治区は、自然環境に非常に恵まれており、夏は日中と夜の気温の差が大きく、日差しも強く、光合成が十分に行われ、綿花が成長する時間が長い。そのため、同自治区産のロング・ステープル・コットンは世界最高品質で、暖かく、通気性に富み、肌触りが良く、衣類や布団などに適しているため、長年、供給が需要に追いつかない状態となっている。



中国で供給が追い付かないほどの新疆産の綿花

 中国食糧備蓄管理集団の統計によると、世界で2番目の綿花生産国であり、世界最大の綿花消費国である中国は、2020/2021年度の綿花の生産量が約595万トンだったのに対して、総需要量は約780万トンと、約185万トン不足している状態だ。うち、新疆ウイグル自治区の生産量は520万トンと、中国の生産量の約87%を占め、国内消費の約67%を占めている。

 つまり、中国では、新疆産の綿花の需要が供給に追いついていない状態であるということだ。



新疆産綿花の生産量は中国でトップ

 中国国家統計局の統計によると、2020年、新疆ウイグル自治区の綿花栽培エリアは気候に恵まれ、病虫害の被害が少なく、綿花の成長が良く、1ヘクタール当たりの綿花の生産量は2062.7キロと、前年比4.8%増の93.8キロ増加した。1ヘクタール当たりの生産量は、中国全土でトップを占めた。



新疆の機械による綿花収穫率は69.83%

 新疆農業当局が発表している2020年の統計によると、同自治区の機械による綿花収穫率は69.83%に達している。同自治区北部だけを見ると、その割合は95%にも達している。そのため同自治区の綿花の70%は労働者が収穫しているという説は、明らかに間違っている。


収穫のための大量の労働者は不必要

 新疆ウイグル自治区党委員会宣伝部の徐貴相副部長によると、同自治区の綿花の生産は、早くから高度な機械化を実現しており、忙しい収穫期であっても、収穫するための労働者を大量に雇用することはない。

 また、昔から今に至るまで、同自治区で、収穫のための強制労働者が存在したことは一切なく、その必要もない。50日間近くの収穫期には、労働者は一人当たり平均1万元(1元は約16.7円)稼ぐことができる。短期間のうちに、それほどたくさんのお金を稼げるのに、労働者が不満を述べる理由がどこにあるのだろうか?近年、綿花の収穫に携わる漢族が減っているのは、主に、中国大陸部の農民の所得が増加し続けているからで、綿花の収穫のために新疆ウイグル自治区に行く労働者が減り続けているのは、「政府が同自治区の住民に労働を強いている」こととは全く関係がない。

 そのため、H&Mなどのブランドが新疆ウイグル自治区産の綿花について、同自治区に「強制労働」が存在しているので使わないというのは、極めて荒唐無稽と言わざるを得ない。

 色眼鏡で世界を見るなら、どれほど白い綿花でも「黒く」見えてしまうのだ。

 事実を捻じ曲げ、陰険で腹黒いことをし、白を黒と言い、中国の名誉を傷つける者は、自分の間違った行為のために、最終的に代価を払うことになるだろう。

 中国のあるネットユーザーの言葉の通り、「一部のブランドの質は、新疆産の綿花を使うのにはふさわしくない」のだ。


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