銘・精選

NEWS1 中国はどうやってよりよく「世界から買う」か?

 これまでの各界の予想通り、2021年の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)は明確な開放のシグナルを発し、数ヶ月後に開催される第4回中国国際輸入博覧会(輸入博)をますます期待できるものにした。中国新聞社が伝えた。

 今年の政府活動報告は、より大きな範囲、より広い分野、より深いレベルの対外開放を実施するとともに、質の高い製品・サービスの輸入の増加を提起し、輸入博、中国輸出入商品交易会(広交会)、中国国際サービス貿易交易会などの重要な展示会を成功させる必要があることを明確に打ち出した。

 商務部(省)の王文濤部長は今年の全国両会「部長通路」で、「国内と国外の2つの循環をスムーズにする上で、より重要なことは高い水準の開放を推進することで、これを踏まえてこの2つの循環が良好な循環に向かうよう促進する。今後は消費プラットフォームを刷新・高度化して消費を活性化し、強大な国内市場を形成するよう推進する」と述べた。

 複数の代表・委員が、「輸入博の中国経済と世界経済に対する積極的な役割が引き続き顕在化しており、今後は政策と関連設備を整備するなどの面に大いに力を入れ、『輸入博効果』をさらに拡大することが必要だ」との見方を示した。

 全国人民政治協商会議全国委員会委員を務めるデロイトトウシュトーマツアジア・太平洋地域の蒋穎上級副総裁は、「新型コロナウイルス感染症の下、中国が世界で唯一プラス成長を達成した主要エコノミーとして開放を持続的に拡大したことは世界経済に尽きることのない成長の原動力を注入した」と述べた。

 蒋氏は続けて、「輸入博は出展企業を投資企業に変え、投資のプラットフォーム、資金のプラットフォームとなり、外資系企業に中国市場の開拓を続けさせる紐帯となっている。今後5年間、内需を拡大し、中国国内市場のポテンシャルを十分に掘り起こすには、輸入博のような『永遠に幕を閉じない』プラットフォームが必要であり、高品質の商品を中国に進出しやすくする必要がある。これが中国の供給側の機能向上を促進し、良好な循環を形成することにもなる」と述べた。

 公式データによると、第3回輸入博での意向成約額は前回に比べて2.1%増の726億2千万ドル(約7兆9039億6千万円)に上り、成約額が1億元(約16億7千万円)以上の大規模なものも少なくない。

 全国人民代表大会代表を務める東浩蘭生集団上海外経貿商務展覧有限公司の章偉民副社長は、「関連する各種の支援政策のおかげで、輸入博の誘致力と国際的影響力はさらに高まり、出展される商品の販売ルートも大幅に広がり、輸入の拡大を促進した」と述べた。

 一方で、章氏は、「いくつかの政策は情報が明確でなく、実施は条件付きであるため、一部の商品については市場参入の条件の開放レベルが経済発展のペースより遅れている。たとえば第3回輸入博で、ある企業が欧州で幅広く使用されている点鼻薬を初めて中国に持ち込み、できるだけ早く定番の点鼻薬を中国市場に導入したいと期待を寄せた。しかし点鼻薬類製品は中国の越境EC商品輸入目録に入っていないため、越境EC政策の下で輸入することはできず、個人の貨物宅配便として輸入する方法で通関手続きをするしかなく、操作に時間がかかり、手続きも複雑だった」とも述べた。

 章氏は、「今後、政府は輸入博の会期中にぶつかったボトルネックや困難に基づいて、現実的な方向性と先見性のある関連政策を研究制定して、輸入博がますますよいものになるように政策面での保障を提供しなければならない」と提起した。

 全人代代表を務める東方国際集団東方創業股フン有限公司(フンはにんべんに分)の王偉副社長は、「輸入博の波及効果がどれほど拡大するか、まだ検討中だ。今、存在する主な問題には関連のサービス設備の改善が必要であること、貿易円滑化政策の革新性の増強が必要であること、などがある」と述べた。

 王氏は続けて、「今後は越境ECの新小売や多国籍調達などの新業態の産業チェーンを整備し、長江デルタ地域が、さらには全国が国際市場とよりよくマッチングするためのチャンネルを提供しなければならない。また上海の『陸・海・空』の3港建設を強化し、長江デルタ、中国、アジア・太平洋地域をスムーズにつなぐ立体的交通輸送ネットワークを構築し、輸入博が『世界から買う』、『世界に売る』をよりよく行なうために物流面での保障を提供すべきだ」との見方を示した。

 全人代代表を務める聯想集団(レノボ)の楊元慶会長兼最高経営責任者(CEO)は、「輸入博が虹橋国際経済フォーラムをさらによく利用し、真に国際的視野を備え、グローバル化した共通認識を凝集し、国際貿易投資環境の繁栄・安定を共同で守るプラットフォームを構築するとともに、より多くの国と企業が参加して、中国企業がより多くのチャンネルから質の高い技術・設備を導入しやすくなることを期待する」と述べた。

 公式のデータによると、現在、第4回輸入博の契約面積は計画面積の60%を超え、各種の準備作業が計画通り安定的に推進されている。

NEWS2 地下鉄内で高齢女性が背負う大きなカゴを背後でそっと支えた男性が話題に

 四川省成都市の地下鉄3号線の車両で、高齢の女性が背負う野菜がいっぱい入った大きな背負いカゴを、ある若い男性が後ろでそっと支える姿を捉えた画像が最近、ネット上で大きな話題となり、多くのネットユーザーから「心温まる」といったコメントが寄せられている。 中央テレビニュースが報じた。



 席を譲られても断った女性の荷物を背後でそっと支えた若い男性

 大きな荷物を背負っているのを見て、席を譲ろうとした乗客は何人もいたが、その高齢女性は、「1駅か2駅なので大丈夫」と断ったという。

 そして、高齢女性は一人、入り口付近に立っていたが、その時、女性の負担を少しでも軽減しようと、若い男性が後ろからそっと手を伸ばして、背負いカゴを支えていた。

 親切な若い男性は警察官

 この親切な若い男性は、陳■さん(■は火へんに卓)という名の成都高新公安分局の警察官であることがすぐに明らかになった。陳さんはその日は私服で外出し、勤務していたという。



 陳さんは、「おばあちゃんの肩がずっと震えていたので、支えてあげたいと思った」とし、その画像が大きな話題になっていることについては、「当たり前のことをしただけ。きっとこういうことを目にしたら、僕と同じように助けの手を差し伸べようとする人はたくさんいるはず」とした。

NEWS3 若者がオンライン有料知識コンテンツにお金を払うのはなぜか?

 リサーチ会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)がまとめたデータによると、2017年以降、中国のオンライン有料知識コンテンツ業界の市場規模が急速に拡大しており、2020年は392億元(1元は約16.8円)に達し、21年は675元に達すると予想される。オンラインで注文する、商品はバーチャルで形がない、いつでもどこでも消費できる…。こうした一見ささいな変化の背後には、さまざまな要因によって若者の身の上に起きた大きな変化がある。「光明日報」が伝えた。

 ニーズ:実用的、興味があるから知識コンテンツを購入

 検索欄に「公務員試験」と打ち込み、エンターキーを押すと、目に飛び込んでくるのは色彩が氾濫して、見分けがつきにくい大量の広告だ。90後(1990年代生まれ)の公務員の李舟さんは、「私がどうしてお金を払ってレッスンを受けることにしたかわかるだろう。今は情報が多すぎて頭がクラクラするほどで、識別したりふるい分けたりするにも非常にコストがかかる。試験の準備に気力を注がなければならなかった(ので有料コンテンツを購入した)」と話した。

 李さんは個別なケースではなく、実際、大勢の若者が雑多な情報に困惑している。データ分析機関の企鵝智酷がまとめた研究報告「有料型知識経済報告:どれくらいの中国ネットユーザーがお金を払って経験を買うのか?」によると、情報が氾濫し、受け取る情報が多すぎる時代にあって、価値ある情報を迅速に取得することの難しさが、新たな問題点になっている。

 研究者の盧春天さんは「有料型知識:特徴、成因、影響」の中で、「第三次産業革命の後、社会の分業がますます細分化し、技術イノベーションの複雑さと専門化のレベルがますます高まり、知識を生み出す人が独立して働き、個人単位で生産するというスタイルはますます難しくなり、知識コンテンツの生産スタイルも工業生産スタイルへと転換しつつある」と指摘した。こうした背景の中で、消費者のニーズがコンテンツ生産者の基本的な方向性になり、体系的な情報の整理にしろ、趣味的な知識サービスにしろ、お金を払って購入したいという人が出てくるようになった。

 バリュー:競争の中で理想の自分を追求

 現在、競争社会がますます激しくなり、大勢の若者が強い危機感を抱き、「知識を渇望し不安を感じる」のが若い世代全体の特徴だ。

 中山大学社会学・人類学学院の大学院博士課程に所属する池静旻さんは、論文の中でフランスの哲学者ミシェル・フーコーの「企業家的自己」の分析枠組みに基づいて、若い世代の消費行動の背後にある社会的・文化的意味を踏み込んで考察した。それによると、労働者とは人的資本を保有する者であり、労働製品の生産者でもあり、その人的資本こそが収入をもたらす機器である。自身がその中にいる制度・環境が市場の調節の役割をより強調する時には、個人はより多くの責任を自らが背負い、そしてさまざまな努力を通じて自身の市場競争力を高めることを迫られるという。

 商務部(省)国際貿易経済協力研究院サービス貿易研究所の高宝華研究員は、「現在の社会は日進月歩で発展し、若者の生存にかかる圧力が倍増し、競争と挑戦に満ちた社会環境の中で、『企業家的自己』は絶えず自分のために充電して自身の人的資本の価値を高め、自身の競争力を維持しなければならない」とより直接的に現実的問題を指摘した。

 実際、李さんがお金を払って手に入れたいのは仕事に関するコンテンツとは限らない。彼女が予約購読したカリキュラム、購入した書籍の中には、映画、歴史、文学、さらには漫画のテクニカル教育など、アートの範疇に入るものも少なくない。李さんは、「興味があるから購入したし、エゴの心もちょっとあるだろう。なんと言っても現在の社会は発展ペースが速く、より多くの技能を身につけたいと思う。万が一、今の仕事がうまくいかなくなった時には、別の選択ができるようにしておきたい」と話した。

 成長:購入は消費の完了で、学びのスタートでもある

 購入は消費の完了だが、学びのスタートでもある。中国社会科学院財経戦略研究院市場流通・消費研究室の依紹華室長は、「一部の消費者は知識型コンテンツを購入した後の実際の利用率が低く、衝動的、無計画に購入した可能性があり、また実際のニーズと購入した知識型コンテンツとが合わなかった可能性もある」と指摘した。前出の高さんは、「実体ある製品と異なり、知識型コンテンツには主観的という特徴があり、購入後に消費者が関わらなければ消費の全プロセスが完了しない。生産サイドが提供するコンテンツの品質を推し量るには、関係当局が適切な監督管理標準を制定することが必要で、そうすれば消費者も評価や採点などの方法によるフィードバックが可能になる」との見方を示した。

 若い消費者について言えば、「知識のためにお金を払う」としても「積極的」、「博識」ということにはならず、金銭が本当の意味で知識をふるい分ける有効な「フィルター」になったこともない。SNSの豆瓣のユーザー「期限の切れない砂糖」さんがグループで発信したコメントにあるように、「人は物質によって自分を表現することができるが、物質が自分自身を決定することはない。重要なことは自分が何を消費したかではなく、自分が何のための消費をするかだ」。

NEWS4 ペット栄養士、密室ゲームデザイナー…新職業は若さが売りか?

 柔軟な働き方ができる「ギグエコノミー」の時代が到来しつつある。人々にとっても馴染み深いデリバリー配達員が、「ネット注文配達員」という名称で人的資源・社会保障部(省)、国家市場監督管理総局、国家統計局が昨年発表した新職業に加えられた。今や、「ギグワーカー」の概念はどんどん広がり、ライブ配信パーソナリティ、ペット栄養士、密室脱出ゲームデザイナー、漢服(伝統衣装)スタイリスト、ミルクティ試飲担当者、デリバリー運営者、整理収納アドバイザー、創客(アイデアを現実に変える人)アドバイザーといった新職業が、若者の職業選択をますます多彩なものにしている。中国人民大学国家発展・戦略研究院が発表した報告書によると、このような即興性や創造力、柔軟な対応を特徴としているフレキシブルな仕事をする人々は「フレキシブルワーカー」とも呼ばれている。「中国青年報」が伝えた。

 国務院の李克強総理は5日午前の政府活動報告の中で、「各種の労働力市場、人材市場、ギグエコノミー市場の建設を支援し、雇用のルートを広げ、意欲と能力のある人のために公平な雇用チャンスをより多く生み出す」と述べた。

 新職業は若さが売りか?

 全国人民代表大会代表を務める騰訊公司(テンセント)の馬化騰取締役会代表は、「当社の調査研究によると、現在、中国にはフレキシブルな働き方をしている人が約2億人おり、そのうちのかなりの人がインターネットを利用した新職業を選択している。これにはEC・物流、ネットデリバリー、オンライン配車サービス、ライブ配信、ネット文学、個人メディアなどの職業が含まれる」と述べた。

 馬氏からみると、「こうした新職業スタイルには雇用創出キャパシティーが大きい、参入・撤退のハードルが低い、柔軟性が高いといった特徴があり、今や全国民の雇用の『貯水池』と『緩衝装置』になっている」という。

 若者は「ギグエコノミー」時代の中心だ。関連企業のまとめた統計によれば、滴滴出行プラットフォームのオンライン配車サービスの運転手の平均年齢は37歳。オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」のドライバーはさらに若く、平均年齢は31歳で、このうち90後(1990年代生まれ)が47%を占め、95後(1995年から1999年生まれ)の増加率が最も高い。新型コロナウイルス感染症が発生してから、00後(2000年代生まれ)の大学生1万2千人がデリバリー配達員を始めた。このほかライブ配信、動画撮影、密室脱出ゲームのデザインの仕事を選択する若者もたくさんいる。

 中国共産主義青年団中央委員会青少年権利保護部が中国社会科学院社会学研究所と共同で、ネット注文配達員、ライブ配信パーソナリティ、オムニメディア運営者、ネット文学ライター、eスポーツプレイヤー、新興インターネット科学技術担当者、新型職業農民の7つの新職業の若者層を重点的に取り上げて、専門的な調査研究を行ない、「新職業若者の成長発展の促進に関する提案」をまとめた。同提案は、若者の新たな「ギグワーカー」たちは、社会からの要求が非常に細分化している、社会保障が不十分、成長・発展にかかるプレッシャーが大きい、社会の認知度が低いといった現実的な困難に直面している。あるライブ配信パーソナリティの話によると、「最初にこの業界に関わるようになった頃、いつもマイナスの声が聞こえてきた。若さや美しさでお金をもらっているだけだとか、こんなのまともな仕事じゃないとか言われた」という。

 また調査研究によると、新職業に従事する若者の半数近くが、「これから6ヶ月以内に仕事を失う可能性がある」と考えており、この割合は全国の働く若者全体の21.8%を大きく上回った。

 馬氏は、「フレキシブルな働き方をする人々を支援しようとするなら、若さが売りで終わらないようにする必要がある」とした上で、次のように提言した。▽フレキシブルな働き方をする人々の社会保障への加入の道を開く▽フレキシブルな働き方に関する統計と総合的評価メカニズムを整備する▽新職業というスタイルの情報、認定、関連サービスを最適化する▽デジタル社会に対応した生涯学習と職業訓練のシステムを構築する▽就職が困難な人々のために無料のオンラインカリキュラムと就労指導サービスを提供する▽労働者の生涯学習のための「デジタル学堂」を構築する、などだ。

 「ギグエコノミー」の台頭は、中国政府と中国社会に新たな課題を突きつけると同時に、新たなチャンスももたらしている。

NEWS5 20年も国際特許出願件数増加 ファーウェイが4年連続首位

 世界知的所有権機関(WIPO)がこのほど発表した報告書によると、2020年もWIPOを通じて提出された国際特許の出願件数が増加を続け、中国の出願件数が国別でトップだった。

 WIPOの「特許協力条約」(PCT)の枠組みを通じて提出された国際特許出願件数は、イノベーション活動を推し量る重要な指標の1つとされる。関連データによると、20年にPCT枠組み経由で提出された国際特許出願件数は4%増の27万5900件に達し、これまでで最も多い件数となった。中国は引き続き同出願件数が最も多い国で、前年比16.1%増の6万8720件に達した。華為(ファーウェイ)技術有限公司の同出願件数は5464件で、4年連続で申請者の首位に立った。また中国企業10数社が申請者の50位以内に入った。

NEWS6 中日韓スマートシティオンラインシンポジウムが開催

 中国、日本、韓国の三国協力事務局と世界のスマートで持続可能な都市組織(WeGO)は5日に共同で、「中日韓スマートシティオンラインシンポジウム」を開催した。中日韓3ヶ国の中央政府および地方政府の関係当局、企業、シンクタンク、スマートシティ関連団体などから400人近くが、このオンラインシンポに参加した。

 シンポでは、中日韓のスマートシティ関連団体の専門家が、各国のスマートシティ建設の現状及び将来の全体的計画を紹介した。北京、東京、ソウルの政府関係者が、3ヶ国の首都のスマートシティ建設をめぐる経験を共有した。中国の阿里巴巴(アリババ)、日本のNEC、韓国のサムスンSDSの専門家が、各社がスマートシティ建設のためにどのような革新的サービスを提供しているかを紹介し、これから協力が可能な分野について話し合った。

NEWS7 デジタル中国経済のルートマップが明らかに


(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)


 「デジタル発展を加速、デジタル中国を建設」は、第14次五カ年計画と2035年までの長期目標の綱要草案の中でそれぞれ一章が設けられた。デジタル経済のコア産業の付加価値が国内総生産(GDP)に占める割合が経済社会発展の20項目の指標に加えられた……さまざまなな情報から、デジタル経済の発展に力を入れようとする中国の決意が伝わってくる。今や、今後5年間の発展のルートマップが明らかになり、デジタル中国の建設は加速的に推進される見込みだ。

 計画綱要草案は、デジタル経済の新たな優位性を打ち出すこと、デジタル社会の建設ペースを加速させること、デジタル政府の建設水準を引き上げること、良好なデジタル・エコシステムを創出することなどを始めとして、今後5年間のデジタル中国建設のルートマップを描き出した。

 東方証券の邵宇チーフエコノミストは、「計画綱要草案がデジタル中国の建設について独立した章を設けたことは、イノベーションを独立した章にしたことと似ており、中国がデジタル経済へのモデル転換・高度化を今後10年間の重要な機会の窓口と考えていること、デジタル経済が中国経済全体のモデル転換の中核部分になるだろうということを意味する」と述べた。

 計画綱要草案は、「まず2025年までにデジタル経済の中核産業の付加価値がGDPに占める割合を10%に引き上げる」という今後5年間の発展目標を明確にした。同時に、今後のデジタル経済で重点的に発展させる産業として、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、インダストリアル・インターネット、ブロックチェーン、人工知能(AI)、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)の7大産業を確定した。

 邵氏の予測では、今後はAI、ビッグデータ、ブロックチェーン、クラウドコンピューティングの4大技術がすべての従来型業界にエネルギーを与えるという。

 ここ数年、中国のデジタル経済は飛躍的な発展を遂げた。工業・情報化部(省)のまとめたデータでは、中国デジタル経済の規模は第13次五カ年計画初期の11兆元(1元は約16.7円)から、19年は35兆8千億元に増加し、対GDP比は36.2%に達した。

 工銀国際持ち株有限公司の程実チーフエコノミストは取材に対し、「第14次五カ年計画期間のデジタル経済発展は中国経済の計画における重要な切り口になり、また今後の産業体系におけるコア・コンピタンスの主な供給源になる」と述べた。

 第14次五カ年計画がスタートする年に、デジタル中国建設の号令がかけられた。今年の政府活動報告では、デジタル化発展を加速し、デジタル経済の新たな優位性を打ち出すことが提起された。同時に、デジタル経済の複数の重点任務も打ち出され、これにはインダストリアル・インターネットの発展、5Gネットワークとテラバイト級光通信ネットワークの建設強化などが含まれる。

NEWS8 6割の業界で女性比率が上昇 新一線都市が女性に人気

 58同城招聘研究院が8日に発表した働く女性の求職に関するビッグデータによると、2021年1、2月には、女性の求職者が前年同期に比べていずれも上昇傾向を示し、それぞれ7.01%、10.01%増加した。業界別にみると、卸売・小売業が女性の雇用を受け入れる主要な場となっている。BOSS直聘研究院が同じ日に発表した職場の男女間賃金格差に関する報告によると、賃金が年々上昇するのに伴って、インターネット技術、通信、人工知能(AI)などのデジタル技術に関する職業は、女性が仕事でぶつかるカベや賃金格差を打破する重要な突破口になるものと期待されるようになり、昨年以降は女性の職場への浸透率が上昇を続けている。「北京日報」アプリが伝えた。

 58同城が提供したデータでは、21年に仕事を探している女性に人気の業界トップ5は、▽卸売・小売業▽ホテル・飲食業▽製造業▽住民サービス・メンテナンス・その他のサービス業▽情報伝達・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス業だった。ここから新時代の働く女性の活躍の場が広がっていること、第三次産業のサービス関連の仕事をこなすだけでなく、戦略的新興産業に飛び込んで才能を発揮することもできることがわかる。20年は女性の交通輸送業、倉庫貯蔵・郵便配達業への履歴書送付件数の前年同期比増加率が最も高く、25.38%に達した。次は製造業で13%を超えた。

 求職先の都市のアクティブ度を見ると、仕事を探している女性に人気の都市は北京、成都、深セン、重慶、上海、広州、長沙、武漢、杭州、西安だった。北京は人材の「宝庫」として、人材の誘致力でトップに立ち、大勢の女性が北京で就職しようとしている。西安は全国に先駆けて「最も簡便なプロセス、最も低いハードル、最も少ない条件」の定住メカニズムを構築したことから、大勢の女性の流入が急速に進んでいる。

 昨年と比較すると、西安が東莞よりも女性の人気を集め、求職人気都市の10位に入った。20年は女性の履歴書送付件数が前年比増加したところは長沙、鄭州、貴陽、南寧、青島だった。一方で、こうした都市はいずれも中国TOP100都市に名を連ね、経済が安定傾向の中で好調さを維持し、就業チャンスも多い。もう一方で、新一線都市は雇用と生活にかかるプレッシャーが相対的に弱く、仕事を探す女性の安心して暮らし、楽しく働きたいという願いをかなえることができる。

 BOSS直聘研究院のまとめたデータによれば、女性の職場への浸透率が上昇を続けており、20年は全業界の6割で女性の割合が上昇した。同報告書は、「2010年以降、高等教育を受けた女性の割合が男性を上回り、今後もこうした流れは続くとみられる。21年1-2月には、仕事を探している女性のうち、四年制大学卒業以上の学歴をもつ人の割合が41.9%に達し、男性を6.7ポイント上回った」と指摘した。

 ネット・ITと電子通信業界の場合、女性の就業者の割合が上昇を続けると同時に、女性の平均賃金の増加率が高く、それぞれ4.0%、2.7%増加した。

NEWS9 江戸時代の様子描き出すデジタル浮世絵展が北京で開幕 貴重な浮世絵約100点展示


今日美術館より


 「遇見浮世・博覧江戸――江戸時代浮世絵原版珍蔵展」が12日、北京で開幕した。5月6日まで開催され、中国では初の展示となる江戸時代から明治時代にかけての浮世絵の原版古画約100点が展示されている。デジタル技術により、インタラクティブ・パノラマのスタイルで展示されている。中国新聞網が報じた。

 浮世絵の特別展は、中国国内外で頻繁に開催されているものの、今回の特別展では浮世絵の代表作である葛飾北斎が描いた「神奈川沖浪裏」や、「赤富士」とも呼ばれる「凱風快晴」などが展示されているほか、江戸の都市文化を皮切りに、江戸時代の社会の様子や風習、民情、庶民の生活、民間の伝説などを反映したたくさんの作品を厳選して、「入城」、「入室」、「入魂」という3つのパートに分け、3つの時空次元を通してアートと文化をコラボレーションさせ、来場者が日本文化をじっくり味わえるようになっている。


今日美術館より


 展示デザインという点では、チェックポイントとインタラクティブエリアが新設されており、来場者が斬新な視点から原版古画を鑑賞できるよう工夫されている。

 在中国日本国大使館の伊藤直人・広報文化部参事官は、「たくさんの方が特別展に来られているのを見て、とてもうれしく感じている。今回展示されている作品は、非常に価値があり、見どころ満載」と語る。

 中国文物(文化財)交流センターの周明・副センター長は、「浮世絵は、日本独特の民族アートで、特別な芸術的、美的価値があるほか、日本の文化や風習、人文、歴史が記録されている。浮世絵というアート作品を鑑賞しながら、日本の風習・文化、さらに、昔から今に至るまで、中国と日本が緊密な関係を保ってきたことを見ることができる」と話す。

NEWS10 福建省、日本長崎興福寺に「世界平和の鐘」を寄贈


2月26日、長崎興福寺で、「世界平和の鐘」の試し突きをする松尾法道住職(撮影・杜瀟逸)。


 中国福建省が日本・長崎県の興福寺に寄贈した「世界平和の鐘」の設置が2月26日に無事終了し、興福寺の鐘鼓楼に吊るされた。同寺の松尾法道住職は、「梵鐘(釣鐘)は、平和のシンボルであり、殷々と響く鐘の音は、まるで日中友好のように、子々孫々に伝えられる」と話した。新華社が伝えた。

 興福寺は、16世紀に建造された長崎四大唐寺の一つであり、悠久の歴史を誇る中日両国の文化交流史の生き証人といえる。同寺にはかつて、第2代住職である黙子如定(もくすにょじょう)禅師の誓願によって、清朝初期に華僑から寄付を募って鋳造された梵鐘があった。1820年に再鋳造されたが、第二次世界大戦中の1940年に破壊された。2019年11月、当時の福建省委員会書記を務めた于偉国氏を団長とする訪日団が長崎を訪れ、興福寺を見学。興福寺の梵鐘がなくなった経緯を聞いた于偉国氏は、長崎県の中村法道知事に会見した際に、福建省から新しい梵鐘を鋳造して興福寺に寄贈して、双方の友好の証としたいと申し出た。

 「世界平和の鐘」は、直径約1.2メートル、高さ約2メートル、重さ約2.5トン。各方面の協力により、設置工事は2月26日午後、無事完了した。

 松尾法道住職は、「第二次大戦中に興福寺は原爆の影響でほぼ損壊してしまった。先代住職が数十年の月日を費やして、少しずつ境内の建物を修復したが、梵鐘は失われたままだった。梵鐘が戻って来た今、私の中には、ようやく戦争が終わったという感覚がある」と語った。

 長崎県文化観光国際部国際課の永橋勝巳課長は、「梵鐘を寄贈するという中国の行為そのものが、日中両国の友好の証である。長崎市民は、この鐘の音を聞くたびに、中国と現地の友好の歴史を想い返すでだろう」とコメントした。

 興福寺は、中国の高僧・隠元禅師が東方への仏教普及のために住持した最初の寺で、境内には今もなお、隠元禅師が自らしたためた扁額や対聯などの作品が残っている。1654年、長崎の崇福寺や興福寺から住職になって欲しいとの要請を受け、63歳という高齢の隠元禅師が弟子を連れて日本に渡り長崎に上陸、興福寺の住職となった。その後、天皇や徳川幕府の将軍による保護・支援を受け、隠元禅師が京都宇治で黄檗宗を開いた。黄檗宗は、日本禅宗三大宗派の一つとなった。

 隠元禅師が日本にやってきて伝えたものは、仏法に限らず、中国の建築物・彫塑・書道・印刷・書画・彫刻・音楽・医学・料理・茶道など多岐にわたり、世界的にも有名な黄檗文化が形成され、中日文化交流史に多大なる貢献を果たした。


2月26日、長崎興福寺の鐘鼓楼(撮影・杜瀟逸)。


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