銘・精選

NEWS1 「フォーブス」が世界のトップ公開企業2千社発表 上位10社に中国5社

米経済誌「フォーブス」の微信(WeChat)アカウントは13日、世界のトップ公開企業2000社を発表した。今年も中国工商銀行がトップに立って8年連続首位をキープし、2位は中国建設銀行、3位はJPモルガン・チェースだった。中新経緯が伝えた。

今年のランキングに入った企業の総売上高は42兆3千億ドル(1ドルは約106.9円)、利益総額は3兆3千億ドル、資産総額は201兆4千億ドル、時価総額は54兆3千億ドルだった。企業の売上高と資産額は2019年を上回ったが、利益と時価総額は下回った。

「フォーブス」によると、このランキングは企業の売上高、利益、資産、時価総額を分析し、世界で最も規模が大きく、最も影響力が強く、最も価値がある企業を選出したものだ。

ランキングを見ると、ベスト10に中国企業が5社入っている。工商銀行が8年連続の首位、建設銀行が初の2位で、中国農業銀行が5位、中国平安保険が7位、中国銀行が10位だった。この5社は前回もベスト10入りしている。

ベスト10にはこのほか、4位にバークシャー・ハサウェイ、5位に農業銀行とともにサウジアラムコが入り、アップルは前回から3つ順位を下げて9位だった。

注目されるのは、順位を下げた企業のうち、ボーイングが前回の49位から今年は413位と大きく順位を下げたことだ。

「フォーブス」データ統計スタッフのアンドレア・マーフィーさんは、「ランキング入りした企業の時価総額の計算で採用したのは4月30日時点のデータで、企業の時価総額が少なくとも52億7千万ドルに達していなければ、選出の検討対象とはならなかった。この数字は昨年の62億5千万ドルより低くなっている」と述べた。

ランキングをみると、米国企業は588社が選ばれ最多となった。中国企業は367社が入った。日本からは217社、英国は77社、カナダは61社だった。

NEWS2 国連報告書「20年世界経済成長率はマイナス3.2%」

国連経済社会理事会(ECOSOC)は13日に米国・ニューヨークの国連本部で、2020年中期の「世界経済状況・予測」報告書を発表した。それによると、新型コロナウイルスの感染拡大という大きな背景の中、2020年の世界経済成長率はマイナス3.2%になることが予想される。世界経済にとって1930年の大恐慌以降で最も大幅な縮小になる。中国新聞社が伝えた。

同報告書によると、基準値シナリオの下で、先進国の国内総生産(GDP)成長率は20年にマイナス5.0%となり、発展途上国の生産は0.7%減少する見込みだ。世界全体で20-21年の生産の損失は累計8兆5千億ドル(約908兆4800億円)に上ると推計される。

国連のチーフエコノミスト兼経済開発担当事務次長補のエリオット・ハリス氏が、国連本部で行われたWEB記者会見で同報告を発表した。ハリス氏は、「経済が危機の中から回復するペースと力は公衆衛生措置がウイルスの伝播を緩和する上で効果を上げることによるだけでなく、各国の保護活動と税負担能力によるところが大きい。特に社会の最も弱い人々を保護する能力による」と述べた。

同報告は、「ここ数週間は新型肺炎による新たな感染者と死者の増加ペースはどちらも鈍化しているが、感染症の今後の展開と経済社会への影響にはなお不確実性がある。生命を救うことと経済を救うこととの間で、一部の国の政府は制限を慎重に解除し始めており、これによって経済の急速な発展を期す。回復の取り組みは公衆衛生措置と財政政策がどのようにして共同効果を発揮し、それによってウイルスの伝播を阻止し、再感染リスクを最小限に食い止め、雇用を守って消費者の信頼感を回復するかによって決まる部分が大きい」と指摘した。

また同報告書は、「ワクチンの開発と治療措置に急速な進展がみられない状況の中、新型肺炎発生後は世界の貧困と不平等がさらに激化し、回復が遅れ経済が不況に陥る可能性が高まる。予測では、21年になれば世界経済は緩やかに回復上昇する。貿易と観光業がマヒ状態に陥る中、発展のための協力を強化し、新型肺炎を抑制し、感染状況が最も深刻な国に経済面と金融面の支援を提供することが、急速な回復を遂げて世界を再び持続可能な発展の軌道に戻すための重要なカギになる」と指摘した。

NEWS3 李アニキらの「職業」がついに認定される! 新職業10種類が発表

また新しい職業が誕生することになった。

人的資源・社会保障部(省)の委託を受けて、中国職業訓練技術指導センターが11日に「発表予定の新職業の情報の公示に関する公告」を発表し、新たに10種類の職業を追加する予定であることがわかった。

新しい10職業とは、(1)ブロックチェーンプロジェクト技術者、(2)コミュニティネットワーク責任者、(3)インターネットマーケティング担当者、(4)情報セキュリティテスター、(5)ブロックチェーン応用操作員、(6)PCR検査員、(7)オンライン学習サービス担当者、(8)コミュニティ健康アシスタント、(9)高齢者健康評価士、(10)付加製造(3Dプリント)設備操作員――のことだ。

ライブ配信販売員が追加 李アニキの「職業」がついに認定される

今回の新職業のインターネットマーケティング担当者の下に、ライブ配信販売員の職種が設定された。

ネットマーケティング担当者の定義は、デジタル化された情報プラットフォームにおいて、ネットの双方向交流の性質と発信力・信頼性を駆使して、企業の製品についてさまざまなプラットフォームでマーケティング・PRを行う人とされる。

仕事の主な内容は、▽デジタル化マーケティングシーンの構築▽ライブ配信またはショート動画などの形式による製品のさまざまなプラットフォームにおけるマーケティング・PR▽自身の発信力・影響力を向上させ、ユーザー層のアクティブ度を強化し、製品への注目から製品の購入への転換率の向上を促進すること、など。

ネットユーザーからは、「(ライブコマースで大人気の「口紅アニキ」こと)李佳■(王へんに奇)の職業がついに認定された!」、「李佳■がついに自分の職業を見つけた」といった声が上がった。

ブロックチェーン関連の2つの新職業

発表が予定される新職業の中には、ブロックチェーン関連のものが2つある。それぞれ、ブロックチェーンプロジェクト技術者とブロックチェーン応用操作員だ。

前者のブロックチェーンプロジェクト技術者の定義は、ブロックチェーンのフレームワーク設計、基盤技術、システム応用、システム評価、システム配置、運営メンテナンスを担うプロジェクトの技術担当者とされる。

後者のブロックチェーン応用操作員の定義は、ブロックチェーンの技術・ツールを駆使して、政務、金融、医療、教育、介護などのシーンでのシステムの応用操作に従事する人とされる。

オンライン学習サービス担当者も新職業に

新型コロナウイルスの流行中には、オンライン教育市場が爆発的に成長したため、オンライン学習サービス担当者がこのたび新職業に入ったことが注目を集めた。

オンライン学習サービス担当者の定義は、デジタル化された学習プラットフォーム(ツール)を駆使して、学習者に個別化された、正確で、リアルタイムの、効果的な学習計画、学習指導、支援サービス、評価・フィードバックを提供する人とされる。

仕事の主な内容は、▽学習者の学習状況を分析し、的を絞った学習計画と学習アドバイスを提起すること▽オンライン学習のクラス管理の責任を負い、学習者のためにオンライン相互交流グループを構築・保持し、学習者の学習動機付けをし、学習への興味をかき立てること、などだ。

NEWS4 中国の自動車消費は回復したか?

中国自動車工業協会が11日に発表したデータによると、中国の自動車販売量は新型コロナウイルスの影響で低迷した後、2020年4月には207万台に達して、前月比43.5%増加し、前年同期比4.4%増加し、中国自動車市場の18年7月以来21ヶ月続いた減少傾向に終止符を打った。中国の自動車消費は回復したのだろうか。中国新聞社が伝えた。

全国乗用車市場情報連席会(CPCA)が同日発表した4月の自動車販売データによれば、同月の自動車小売販売量は142万9千台で、前月比36.6%増加し、前年同期比は5.6%減少したが、今年最も好調な月になったことが注目される。2組のデータのどちらが正確なのか。

国務院発展研究センター市場経済研究所の王青副所長は取材に答える中で、「2組のデータの統計指標は異なり、CPCAの統計は最終小売販売量について、自動車工業協会の統計は卸売量についてのもので、両データとも流通在庫には触れていない。また自動車工業協会は最も権威ある業界団体であり、分析の際に通常は同協会のデータを使用することが多い」と述べた。

王氏は続けて、「自動車産業の分析では流れを見なければならない。2-3月に比べて、販売量の前年同期比増加率は急速に回復している」と述べた。

方正証券の胡国鵬チーフ戦略アナリストは、「4月の自動車販売データは3月に比べてかなりよくなった。5-6月は引き続きプラス増加を達成する見込みで、段階的な回復がすでにやって来ている」と述べた。

胡氏によると、「中国の企業活動の再開にともない、国民の収入への期待が高まり、金融の流動性も好転傾向をみせる。また今は国が自動車消費を積極的に促進し、地方政府も補助金、ローンの優遇、買い換え促進など自動車消費を喚起するさまざまな政策を打ち出し、こうした財政支援策が自動車消費の回復を着実に促進した」という。

2月以降、感染症対策の必要から、多くの人々は外出や買い物を控え、これまで押さえつけられてきた購買意欲が中国国内で感染症が抑制されると一気に吹き出してきた。また調査会社イプソスがまとめた統計では、感染症前は公共交通機関が主な移動手段だったが、感染症の後は自家用車のニーズが66%に高まり、その一方で公共交通機関・地下鉄のニーズは24%にとどまった。こうした心理も自動車ニーズを後押しすることになった。

具体的な車種をみると、自動車工業協会のデータでは、4月は商用車が前年同期に比べて目に見えて増加し、販売量は53万4千台で過去最高を更新し、前年同期比31.6%増加した。このうちトラックがバスより好調で、増加率は30%を超えた。乗用車はやや不調で、4月の販売量は153万6千台で同2.6%減少した。このうちスポーツ用多目的車(SUV)は生産量も販売量も小幅に増加し、その他の乗用車3大車種(小型車、多目的乗用車<MPV>、クロスオーバーSUV<CUV>)は生産・販売の減少幅が前月より縮小した。新エネルギー車の4月の販売量の前年同期比減少幅は3月より縮小し、販売量は7万2千台で前月比9.7%増加し、前年同期比26.5%減少した。

王氏は、「乗用車に比べ、商用車はマクロ経済の影響をよりはっきり、より直接的に受ける。インフラ投資、不動産投資が回復するにつれて、ダンプカーや貨物車の販売量が目に見えて増加するほか、環境保護政策がますます厳格化するのにともなって、低環境保護標準のトラックは強制的に淘汰され更新されつつある」と述べた。

このほど終わったメーデー連休には、メディアの報道によれば、中国各地の4S店(ディーラー)が爆発的な勢いをみせ、消費者の自動車購入意欲が目に見えて高まったという。商務部(省)の王炳南副部長は今月8日、「自動車や家電などこれまで消費が抑制され凍結されていた耐久消費財の売り上げが目に見えて回復した。メーデー連休には、上海市、重慶市、浙江省の重点モニタリング企業の自動車販売額が前年同期比で、上海が49.6%、重慶が28.5%、浙江が8.8%、それぞれ上昇した」と述べた。

中国自動車消費の今後の発展の見通しは? V字回復が訪れるか?

自動車工業協会の陳士華副事務局長は、「中国の感染症情勢の好転は良好な消費環境を作り出し、自動車メーカーはこのタイミングを利用してこれまでの損失を埋め合わせようとしている。しかしこれは常態ではなく、今後も現在のような成長を維持することは難しい。生産販売が1四半期を通して成長傾向を保てば、自動車市場は本当に回復したと判断できる」と述べた。

胡氏は今後の市場の見通しについて、「自動車販売が過去2-3年間の状態を修復し、小幅のプラス成長を達成するだろう。だが、中国の自動車浸透率はすでに高く、市場が飽和状態にあるという基本的状況は変わらず、自動車販売が大幅回復することはない」と述べた。

王氏は、「今の中国はすでに自動車買い換えのピーク期に入り、昨年下半期から自動車市場の消費には回復の兆しが見えて、減少幅が縮小を続け、19年12月は前年同月の水準に近づいたが、突如やって来た感染症が自動車消費の回復のリズムをかき乱した。成長トレンドを判断するには潜在的成長率をみなければならない。感染症がもらたした問題は長期的な問題ではなく、潜在的成長率を反映しない。現在の3-5%の販売量増加率は実際のニーズに支えられたものだ」と述べた。

NEWS5 在中国日系企業「中国経済を十分信頼している」

中国は目下、新型コロナウイルスへの予防・管理と経済社会の発展を統一的に推進し、国内の感染症対策は重大な戦略的成果を上げて、生産・生活の秩序が急速に回復している。一連の外資安定政策が効果を上げる中で、中国に進出した外資系企業の操業再開が加速し、ビッグプロジェクトの建設が着実に推進されている。人民日報が伝えた。

パナソニック中国北東アジア社の本間哲朗社長は、「3月17日より、パナソニックの中国工場の生産はすでに通常の水準を回復し、復帰した従業員は一人も新型肺炎に感染していない。改革開放の初期に中国へ最初に進出した外資系企業の1つであるパナソニックは、中国の改革開放の発展プロセスを見守ってきた。感染症対策期間中に、私たちは中国政府の効率の高い管理と政策決定能力、企業への支援を目にしてきた。中国経済がみせる巨大な強靱性、特に中国市場の消費ポテンシャルが徐々に発揮されていることから、私たちは中国経済を十分信頼している」と述べた。

日本の野村證券も中国での企業活動を再開した。野村ホールディングス中国委員会主席を兼任する野村證券の飯山俊康副社長は、「野村證券は3月に上海で初めて証券営業部を設立した。ここ数年に新設された外資系証券会社が設立した初の営業部で、現在は社員を募集中だ。中国は各地の状況を踏まえ、時期と段階を分けて生産活動を回復させており、感染状況の『ぶり返し』のリスクを最小限に抑えた。中国の企業活動再開の経験は、世界各国にとっても貴重な参考例となる」と述べた。

本間氏によると、中国は5Gや人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの技術イノベーションで世界をリードすると同時に、強大な国内市場のニーズ、開放的なビジネス環境、優れた人的資源が備わっており、中国の『世界の工場』の地位は他国には代替不可能だ。世界の重要な産業チェーン・サプライチェーンの一部として、中国の迅速な企業活動再開はグローバル経済にプラスの効果をもたらすという。

中国社会科学院世界経済・政治研究所国際投資研究室の張金傑研究員は、「経済グローバル化を通じて構築された国際分業システムには、歴史的な必然性と合理性がある。中国はグローバル産業チェーンの中で独自の優位性を備え、最も整った産業システムと絶えず増強される科学技術イノベーション能力を擁する。対中投資はほとんどの多国籍企業にとって理性的な選択だ」との見方を示した。

NEWS6 ゲームが浸透する中国の生活スタイル そのわけは?

夏■(火へんに華)さんは50歳を過ぎた自分の母親がフィットネスアドベンチャーゲーム「リングフィットアドベンチャー」に夢中になっているのを見て、ゲームの面白さにどっぷりハマっていた自分の子ども時代を思い出したという。「中国青年報」が伝えた。

フィットネスに着目した「リングフィット」は、2019年に発売されるとたちまち人気が出て一世を風靡した。発売の少し前、30歳の誕生日を迎えたばかりの夏さんはすぐにでも体を鍛えなければと思い、小さい頃からゲーム好きだったので思い切って「リングフィット」を買うことにした。しかし思いがけないことに、家族が自分よりも夢中になってしまった。

夏さんの母親が「リングフィット」の前に遊んだことがある電子ゲームは、自分の農場を大きくする「ハッピーファーム」だけだった。ゲームには詳しくなかったが、「リングフィット」は「すぐに反応」すればよいシステムで、母親が得られる達成感が小さくなることはなかった。プレイ中は、しゃがんだり、腕を振ったり、ヨガのポーズをしたりして、敵に勝つためのパワーを蓄える。ゲームが進行するとさらに多くのフィットネス項目が解禁される。母親はあっという間にゲームに夢中になると同時に、家の中で体を鍛えることにも夢中になった。

夏さんは、「自分の世代が小さい頃から受け入れてきた価値観の1つは、興味や趣味は暮らしの中で役に立たなければならないということだが、ゲームから与えられる感覚はほぼ純粋な娯楽という感覚だった。だからこれまでは自分の好きなゲームを家族に勧める自信がなかった。しかし(付属の周辺機器の)『リングコン』を握りしめている母を見た時、ゲームは単なる娯楽ではなく、一種の『機能』でもあり得るということ、正々堂々と家族の生活の中に入り込めるということに気づいた。今では自分の世界がついに母に向かってほんの少し開かれた感じがする」と話した。

人々を夢中にさせるゲームの特徴の1つは、プレイ中に「すぐに反応」してくれることで、「すぐに反応」が返ってくれば、ゲームはより一層楽しくなり、また『リングフィットアドベンチャー』がプレイヤーにフィットネスを始めてみようかと思わせるように、人々の日常生活にも影響を与える。「すぐに反応」、すなわち「即時フィードバック」の概念について、中国伝媒大学アニメーション・デジタル芸術学院ゲーム学部の税琳琳准教授は、「ゲームの中でする1つ1つの動きにすぐに反応が返ってくる。いい反応だと、そのまま続ければよいし、悪い反応だと、すぐに直すことができる。こうした『即時フィードバック』の感覚は、現実の生活の中ではあまりないことだ。たとえば単語を暗記する場合、一気に200単語を覚えたとして、この成果がもたらすメリットを、すぐに感じ取ることは難しい」と説明した。

有名な心理学者のバラス・スキナーはかつて次のような理論を提起した。人や動物は何らかの目的を達成するために、一定の行動を取って環境に作用を及ぼす。その行動の結果が自分にとってプラスであった時には、その後もその行動を繰り返す。結果がマイナスであった時は、その行動はあまり行わなくなるか、まったく行わなくなる。人はこうしたプラスの強化またはマイナスの強化という方法で行動の結果を左右することができ、自分の行動を修正することができる。ゲームはスキナーの理論をある程度柔軟に応用したものといえ、だからこそ「ゲーム化」したライフスタイルが、人々の日常生活を変える可能性をもち得たのだ。

2015年、知識サービス企業の羅輯思維は社員40人のスタートアップ企業に過ぎず、ほぼ全社員がいくつかの仕事を掛け持ちしていた。会社は社員の積極性をかき立てるため、自分を助けてくれた人にプレミアのついた商品券を贈る「節操幣」と名付けた管理モデルを生み出した。表面的には、給料以外の福利厚生や補助のようだが、実際の操作の中ではゲームにも似た独特の使われ方をしている。

羅輯思維は全社員に毎月10枚の「節操幣」を支給し、1枚あたり25元の価値があり、会社の周辺で利用できる。ただ自分に支給されたものを自分で使うことはできず、誰かに贈るか、誰かに贈られたものを使うしかない。誰かに助けてもらった時に自分の手元にある「節操幣」を贈り、理由を明確に伝える。1年間に最も多くの「節操幣」を受け取った社員は、年末に給料の3ヶ月分のボーナスを支給される。この独自の制度は、スタートしてすぐに社内で実際的な効果を上げた。同社の共同創業者の李天田さんは、「もらった節操幣が少ない社員は、ものすごいプレッシャーを感じて、すぐにも自覚的に行動を改善するか、会社を辞めることになる」と話した。

「即時フィードバック」を導入したこのようなゲーム化されたメカニズムを導入して効率的なプラスアルファを達成できるのは、仕事だけでなく、参加者を「激励」することで促進できるすべての事業もそうだといえる。ある意味で、現在非常に流行っている環境保護促進アプリ「アント・フォレスト」は、「ゲームの公益化」の典型例だ。「アント・フォレスト」の公式データによると、これまでに1億人を超えるユーザーが「アント・フォレスト」システムを通じて本物の樹木を1億2200万本植えて、中国の炭素排出量を累計1100万トン削減した。これほど多くの人が「アント・フォレスト」に夢中になる重要な原因として、このアプリがユーザーに豊かな双方向交流と直感的な「即時フィードバック」を与えることが挙げられる。

楊馳さんは「アント・フォレスト」のユーザーで、毎朝顔を洗う時にアプリを起動して「グリーンエネルギー」のポイント(グラム単位で計算)を獲得するのが決まった生活習慣だ。水道代や電気代を払うと262ポイント、地下鉄に1回乗ると52ポイント、路線バスに1回乗ると80ポイント、デリバリー食品を注文して使い捨て容器を選ばないと16ポイントといった具合だ。電子ゲームのプレイヤーがゲーム内の各種ポイントを熟知するように、楊さんは「アント・フォレスト」の各ポイント獲得項目の正確な数字をすらすら言える。自分でポイントを獲得するだけでなく、友だちからポイントを「奪う」こともでき、こうした双方向交流が「アント・フォレスト」のゲーム性を高め、ユーザーの積極性をかき立ててポイントをより多く獲得したいと思うようにさせる。

楊さんが2年間で貯めたポイントは419.4キログラムに達し、これまでに内蒙古(内モンゴル)自治区烏蘭察布市で檸条を1本、甘粛省武威市で梭梭樹を1本、山西省忻州市でシーバックソーンを1本、内蒙古の巴彦淖爾市でタマリクス・ラモシッシマを1本、甘粛の酒泉市でポプラを1本、内蒙古の鄂爾多斯(オルドス)市で花棒を1本植えた。カメラを通じ、携帯電話で自分の木を見ることができる。このような「貯めたポイントを緑化に役立てる」モデルが、楊さんに強烈な現実感を与える。自分の木が一日一日と育つ様子から得られる達成感は、単なるポイント数の増加から得られる満足感とはまったく異なるものだ。

NEWS7 李アニキと洛天依 仮想キャラによるライブコマースの商機は?

このほど、「口紅アニキ」の異名を取るネット有名人の李佳■(王へんに奇)さんと、こちらも有名なバーチャルシンガーの洛天依がショート動画共有アプリ「TikTok」でコラボし、ライブコマースを行ったことが注目を集めた。2つの世界のユーザーを出会わせることになったこのコラボは、どれくらい効果と影響があっただろうか。人民網が伝えた。

バーチャルキャラクターは日本に起源をもち、整って成熟したtoC市場(個人顧客向け市場)を足がかりに、ここ数年日に日に盛んになっている。動画サイト「bilibili」(ビリビリ)のバーチャルリアル(バーチャルキャラクター)プロジェクト責任者の亢亢さんは、「日本のバーチャルキャラ市場の収益化の90%は、周辺グッズなどC市場からきている。プラットフォームでも、たとえばYouTubeのクリック報酬型の広告収入やライブ配信への評価による収入もC市場からの直接的な収入だ」と説明した。

バーチャルキャラシステム「超次元」をリリースした広州創幻デジタル科技有限公司の創業者の陳堅さんは、「現在のバーチャルキャラによるライブコマースはデジタル製品と日用品が中心で、軽食と消費財が特に多い。最近、当社も一部のブランドと一部のバーチャルキャラクターを結び付け、業界の枠を超えたコラボを打ち出した」と説明した。

陳さんは続けて、「李佳■の今回の洛天衣とのライブ配信コラボの意義や価値は、1回の配信でどれだけ商品を売ったかとか、どれだけアクセス数があったかではなく、中国のバーチャルキャラクターあるいはバーチャルアイドル業界に新しい収益化の道を切り開くヒントを与えたことにこそ最大の意義がある。ここ2ヶ月間で、こうしたECライブ配信の応用シーンや、一部の二次元以外のバーチャルイメージによる宣伝は、爆発的にその数が増加し、増加率は数千パーセントにも達した。これまでの業務の基盤はビリビリ、騰訊(テンセント)、網易などのゲーム嗜好の顧客にあり、彼らには二次元だけを好む、もしくは二次元を比較的好むという特徴がある。よってTikTokや淘宝(タオバオ)が最近打ち出したバーチャルイメージ、ECライブコマースのライブ配信イベントが、業界の注目を集めることになった。これに皆が注目し、参加すれば、量から質への変化をもたらせるのではないかと思う」と述べた。

また陳さんは、「発展にともなって、今後数年以内にバーチャルネット有名人が誕生するだろう。こうしたバーチャル有名人は二次元の世界だけを対象とせず、さまざまな属性を帯びるようになり、それにはTikTokや(ショート動画共有アプリの)快手などにみられる汎次元的バーチャルキャラも含まれる。これから細分化が進み、商品に見合ったバーチャルキャラがその商品のライブコマースをするようになるだろう」との見方を示した。

NEWS8 中国の5G基地局19.8万ヶ所に 料金プラン利用者5千万人

工業・情報部(省)がこのほど伝えたところによると、今年3月末現在、中国全土で建設された5G基地局は19万8千ヶ所に上り、5G向け料金プランの利用者は5千万人を超え、5Gの発展は目に見える段階的な成果を上げたという。人民日報が伝えた。

ネットワークの建設が加速すると同時に、スマートフォン製品などの端末も飛躍的発展期に入った。4月22日現在、すでに96機種の5Gスマホがネット接続許可証を取得し、昨年12月末時点の39機種から大幅に増加した。同時に、5Gスマホの販売価格が急速に低下し、2千元(1元は約15.1円)以下の機種がすでに登場している。

複数のアプリが使用が開始され、超高精細動画、クラウドゲーム、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)などの消費分野への応用がさらに広がった。車のインターネット(IoV)、インダストリアル・インターネット、医療などの重点分野ではテスト事業がさらに進展した。

同部は、「今後はさらに端末メーカーの開発・イノベーションを支援して、消費者に向けて種類が豊富でコストパフォーマンスの高い5G端末を提供するようにし、電気通信事業者が5G向け料金プラン設定の最適化、モバイルデータ通信料の段階的引き下げ、通話料先払いによる端末の廉価販売などの措置を通じて、5G消費を喚起することを推進する」としている。

NEWS9 【データは語る】外資は入ってきたのか?出ていったのか?

最近、海外の一部の政治屋やメディアが、外資系企業が中国から大規模に撤退するとか、外部資本が中国との関係を断つ動きを速めていると言って大騒ぎしている。

こうした論調やうわさの類いは、たちまち注目を集めた。しかしこれは事実なのか。現在の中国の外資導入状況はどうなのか。外資は入ってきたのか、それとも出ていったのか。それを判断するには個別の事例だけを見ても無意味で、データを踏まえて考えなければならない。

上海のデータ

上海市では、第1四半期(1-3月)の実行ベース外資導入額は46億6900万ドル(1ドルは約106.9円)に上り、前年同期比4.5%増加した。このうち3月は18億7200万ドルで同20.8%増加した。

1-3月に新たに調印された外資プロジェクトは129件に上り、投資総額は239億ドルに達した。

また同期に新たに設立された多国籍企業の地域本社は10ヶ所、外資系研究開発センターは5ヶ所だった。

蘇州のデータ

江蘇省蘇州市では、同期の実行ベース外資導入額が42億3千万ドルに上り、同増加率は163.3%にも達して、過去最高を更新した。

新規外資系プロジェクトは236件で同9.3%増加し、外資の新規登録額は54億9千万ドルで同68.3%増加した。

厦門(アモイ)のデータ

福建省厦門市の同期の実行ベース外資導入額は59億6700万元に上り、同30.1%増加し、同省全体に占める割合は53.0%で前年同期を6.6ポイント上回った。

この3ヶ所はいずれも経済の発達した地域で、元々外資による投資が活発だという意見もある。では次は全国の状況を見てみよう。

全国の状況

中国3月の実行ベース外資導入額は817億8千万元に上り、新型コロナウイルスの影響を受けて、前年同期に比べて減少したとはいえ、減少率は2月に比べて11.5ポイント縮小した。

注目されるのは、ハイテクサービス業が外資導入の新たな注目点になったことだ。1-3月の同産業の実行ベース外資導入額は同15.5%増加した。

地方でも全国でも、感染症の影響がまだ完全に消えたわけではないが、外資の動きは引き続き活発で、撤退の兆しは見られない。

外資は撤退しないどころか、引き続き増加している。スターバックスは米国以外で最大の生産型投資となるスターバックス中国法人の「コーヒーイノベーション産業パーク」を江蘇省昆山市に建設することになり、米テスラの上海ギガファクトリーも早々に操業を再開した。

最も敏感に反応する資本市場でさえ、このような力強い答えを出している。

4月以降、北京市と上海市の資金がA株市場に大量に流れ込み、2月と3月の流出傾向を逆転させた。

NEWS10 タニシ麺が人気検索ランキング上位に、大人気のわけは?

人気のインスタント食品が次々入れ替わる中、かつて一世を風靡したインスタントラーメンの「干脆麺」や「来一桶」は今ではすっかり姿を見かけなくなった。今年の新型コロナウイルスの流行中には、マスクや消毒液と一緒にECプラットフォームの人気検索ランキング上位に上がったのは、新たな人気商品のタニシ麺だった。「第一財経」が伝えた。

タニシ麺の評価は2つに分かれる。好きな人は何日か食べないといても立ってもいられなくなり、嫌いな人はにおいをかいだだけでその場から逃げたくなってしまう。タニシ麺のすごいところは、これほど好き嫌いが分かれる食品でありながら、2014年に一式入った個包装タイプがECで販売されるようになると、生産地の広西壮(チワン)族自治区柳州市を飛び出して、中国全土さらには世界の人気者になったことだ。

タニシ麺の前にも、中国の地方の食品が地元から外へと広がるケースは少なくなかった。沙県(福建省)の軽食、桂林のビーフン、重慶の小麺、四川の担々麺……こうした軽食は1980年に誕生したタニシ麺より長い歴史があるが、タニシ麺ほどの人気や話題性はなく、感染症流行中のネットでは個包装のタニシ麺の品切れ状態が続いていた。

タニシ麺は本当においしいのか。どうしてこれほど人気があり、人気が続いているのか。

2012年のドキュメンタリー作品「舌で味わう中国」で紹介されたことが高い宣伝効果を上げ、タニシ麺のファンが増えたことは確かだ。しかしさらに重要なことは、タニシ麺それ自体にネットの人気者になる属性が備わっていたことだ。

タニシ麺が好きでネットで繰り返し購入する消費者のほとんどが若者だ。多様化、個性的、新鮮さや特別感、話題性を追求するのが若者世代の特徴で、タニシ麺の特徴がこの世代のニーズのど真ん中を射抜いた。またこれから開発される巨大な「一人ご飯」市場に対し、タニシ麺はその風味が一人で味わうのにぴったりということから、多くの独身者に歓迎されている。ネットの人気者がライブ配信でタニシ麺を食べて注目を集めたことを考えると、社交的な属性も持ち合わせたタニシ麺に人気が出たのももっともだと言える。

ネットで人気が出たタニシ麺が柳州から全国・世界へと羽ばたく上で着実な支えになったのは、その背後の急速に発展した産業チェーンだ。タニシ麺はECやライブコマースの販売ルートに乗って急速に売り上げを伸ばし、現地政府も関連産業を手厚く支援した。

2014年、個包装のタニシ麺を生産する柳州最初の企業が登録を行い、柳州の街角で数年にわたって売られてきたタニシ麺を産業化の軌道に乗せ、ライスヌードルの製造工法、殺菌処理、真空包装などの食品生産技術を導入して、きれいに個包装されたインスタントタニシ麺が市場に出回るようになった。19年末には、柳州の個包装タニシ麺を扱う登録企業は81社を数え、ブランドは200を超え、1日あたり平均売り上げは170万袋に達し、19年の年間売上高は60億元(約900億円)を超えた。14-18年の4年間で、タニシ麺は阿里巴巴(アリババ)プラットフォームの売り上げランキングで1位を獲得したライスヌードル類製品になった。

16年は中国のライブ配信元年と呼ばれ、タニシ麺もこの年に国民に愛されるネットで人気の食品へと成長していった。SNSのタニシ麺に関するスレッド、さまざまなパーソナリティがタニシ麺を食べる動画、スターたちの微博(ウェイボー)での後押し、ECプラットフォームが発信する各地のグルメ地図やグルメランキングなどが、絶えず若い消費者に「タニシ麺を食べてみたい」と思わせ、タニシ麺の売り上げに対して強い牽引効果を発揮した。

タニシ麺の爆発的人気は偶然ではない。その背後には若い世代の消費ニーズの変化と新小売販売ルート・モデルの変化があるが、実際に発展してからはまだ5-6年しか経っておらず、業界全体としてはまだ多くの不確実性を抱えている。異業種からの参入者もどんどん増え、タニシ麺市場の競争はこれからさらに激しくなることが確実だ。


オフィス