銘・精選

NEWS1 商務部が1~5月の対外投資データ発表 53%減

商務部(商務省)が発表したデータによると、今年1~5月に中国国内の投資家が世界145ヶ国・地域の企業3121社に金融分野以外の対外直接投資を行い、累計投資額は345億9千万ドル(1ドルは約111.3円)に上り、前年同期比53%減少した。5月単月では82億2千万ドルで同38.8%の減少だった。ラジオ放送「中国之声」のニュース番組「央広新聞」が伝えた。
昨年の対外投資データは相当なもので、通年で1600億ドル以上に達し、同44.1%増加した。昨年の企業の海外進出が猛烈な勢いをみせたことから、国家発展改革委員会、商務部、中国人民銀行(中央銀行)、国家外貨管理局の責任者たちが昨年末、対外投資の監督管理を強化し、記者会見で質問に答えた。その中で特に強調されたのは、不動産、ホテル、映画館、娯楽産業、スポーツクラブなどの分野で一連の理性を欠いた投資の動きがみられたこと、大口の主業務以外の分野への投資、リミテッドパートナーシップ(有限責任組合)企業による対外投資、親会社の資本金よりも巨額の投資、設立されたばかりで実態のない企業による投資(快設快出)といったタイプの対外投資にリスクが潜んでいることに注意深く目を向けなければならないということだった。これはつまり、今年のデータが昨年より大幅に減少した主な原因は、投資の方向性に対する関連部門のとらえ方と指導にあるということだ。
1~5月の対外投資は主に、ビジネスサービス産業、製造業、情報伝達・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス産業に向かい、3産業を合わせると全体の60%に迫った。前年同期に比べ、建築産業への投資は同88.8%増加し、情報伝達・ソフト・IT産業は45%以上増加した。対外直接投資の国別分布状況をみると、1~5月には「一帯一路」(the belt and road)沿線45ヶ国に新規の投資が行われ、投資額(金融分野を除く)は49億9千万ドルに達して全体の14.4%を占め、割合は同6.7ポイント上昇した。

NEWS2 李克強総理「中国経済の好転は世界に一層のチャンスをもたらす」

李克強総理は27日午前、2017年度ニュー・チャンピオンズ年次総会(夏季ダボス会議)の開幕式(大連国際会議センター)で挨拶を述べた。
李総理は「新たな産業革命が経済グローバル化を背景にはぐくまれ、勃興している。これは各国経済の成長に力強い原動力を与え、平等な参加の機会を一層もたらしており、包括的な成長の実現、社会の公平性と発展の普遍性の強化にプラスだ。今年初め、習近平国家主席は世界経済フォーラム2017年度年次総会(ダボス会議)で基調演説を行い、揺るがず経済グローバル化を支持し、自由貿易を支持するとの中国の主張を深く明らかにして、国際社会の広範な賛同を得た。今回の会議のテーマ『第4次産業革命における包括的な成長の実現』は、現実的対応性が高い」と表明。
「現代において、包括的な成長を推し進めるには経済グローバル化を維持し、より良く適応かつ誘導し、多角的体制の権威と有効性を維持し、貿易と投資の自由化及び円滑化を促進すると同時に、国際経済・貿易ルールを改革し、完全なものにし、国際経済協力における各国の権利・機会・規則の平等を保障しなければならない。中国側の『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブは共に話し合い、共に建設し、共に分かち合うことに立脚する、あまねく広がる成長の大きなプラットフォームであり、各国が互恵協力の中で連動式発展、ウィンウィンの発展を実現するうえでプラスだ」と指摘した。
李総理は中国経済の現状を説明。「今年、中国経済は安定の中で好転する発展の基調を継続し、主要経済指標は好転を続けている。ここ数年、中国は改革開放と革新によって経済構造調整を推し進め、過度の輸出・投資依存の経済成長から、消費が牽引し、サービス業が先導し、内需が支える経済成長への重大な転換を実現した。最近、複数の国際組織・研究機関が中国経済成長の予測値を上方修正し、中国は発展の新たな原動力を蓄え続け、経済のリバランスを着実に推し進めているとの認識を示した。これは市場の楽観的な見方を反映している。中国は積極的、自発的に対外開放を拡大し、内資と外資を平等に扱い、国際競争力を備えるビジネス環境を築く。経済運営の合理的範囲での中高速成長の維持、中高水準への移行を確保する。中国経済は長期にわたり好転し、日増しに開放され、世界各国に一層のチャンスをもたらし、引き続き最も魅力ある投資先となる」と指摘した。

NEWS3 製造業バージョンアップが日系企業の投資に新チャンス
中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(1)

2016年以降、中国と日本の関係は全体として改善傾向を維持し、双方の各レベルの接触や対話や交流もより密接になり、実務的な協力が緩やかに推進され、両国の国民感情にも回復の兆しがみえている。これと同時にしっかりと目を向けなければならないのは、目下の中日関係改善の動きはやや脆弱であり、引き続き複雑で敏感な要因に直面しており、両国関係は今、坂を上り関門を乗り越えようとする重要な段階にさしかかっているということだ。2017年は中日国交正常化45周年にあたり、18年は「中日平和友好条約」締結40周年だ。中日はお互いに重要な隣国であり、経済協力は両国関係の重要な安定装置になる。両国経済は異なる発展段階にあり、中日企業の間には強い相互補完性があり、未来の協力の潜在力はとてつもなく大きい。「汽車人伝媒」が伝えた。(文:呂克倹・雑誌「汽車人」論説委員、全国日本経済学会副会長、元在日本中国大使館公使、元商務部<商務省>アジア司司長)
現在、中日両国政府はいずれも投資環境の改善に向けて努力しており、このことが両国の工商界の交流協力強化に貴重な歴史的チャンスをもたらすとみられる。
▽製造業のバージョンアップ・改良のチャンスをしっかりつかまえる 省エネ・環境保護などでの協力を引き続き推進する
第13次五カ年計画期間に、中国は革新が駆動する発展を加速させ、「メイド・イン・チャイナ2025」を実施し、製造業の自動化、スマート化、サービス化への転換、および粗放型から集約型への転換を推進した。中国の産業はミドル・ハイクラスへ進み、製造業はバージョンアップと改良に直面し、技術水準の大幅な向上と省エネ・環境保護ニーズへの対応が必要になるとみられ、これはつまり、中国企業は目下、生産設備・技術の次なる更新・代替わりの時期に入りつつあるということを意味している。
日本には精密な工作機械、機器・計器、スマート製造、クリーン設備、バイオ技術などの優位性があり、中日双方がこうした分野における技術革新をめぐる交流や人材育成などで行う協力には無限の商機があるといえる。現在、経済構造調整を加速させ、発展モデルを転換させることが、持続可能な発展の道筋であり、中日が直面する共通の課題であり、両国の経済貿易関係の発展にとっては挑戦でもありチャンスでもある。両国企業が省エネ・環境保護、新エネルギー、循環型経済などの分野での協力を強化することは、双方が新たな市場を開拓する上でプラスであり、相互利益・winwinをよりよく実現できるとみられる。
日本は省エネ・環境保護、グリーン循環型経済、ハイテク技術などの分野で世界先端の省エネ・環境保護技術を有するだけでなく、生産や技術輸出の成熟した経験も備えている。中日両国企業にとって、それぞれの優位性を発揮して、グリーン技術と市場資源の有機的な結合を実現することは、この分野における協力展開の根本的な方向性だ。
ここ数年、日本経済団体連合会、日中経済協会、日本国際貿易促進協会などの業界団体が大規模な経済界の代表団を相次いで中国に送り込み、中国の省や市も経済貿易代表団を日本に送り、双方は環境保護、省エネ、グリーン、低炭素、防災減災などの分野で実務的な交流と協力を進めている。双方は中日省エネ・環境保護総合フォーラムや中日グリーン博覧会などのプラットフォームを利用して、相互補完ニーズを引き続き発掘し、「現実的ニーズ」を絶えず「実際的成果」に転換させ、省エネ・環境保護の中日経済貿易協力において最前線に立つ存在という役割をしっかりとつき固める必要がある。

NEWS4 中日経済貿易協力 高齢化が消費の新成長源
中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(2)

2016年以降、中国と日本の関係は全体として改善傾向を維持し、双方の各レベルの接触や対話や交流もより密接になり、実務的な協力が緩やかに推進され、両国の国民感情にも回復の兆しがみえている。これと同時にしっかりと目を向けなければならないのは、目下の中日関係改善の動きはやや脆弱であり、引き続き複雑で敏感な要因に直面しており、両国関係は今、坂を上り関門を乗り越えようとする重要な段階にさしかかっているということだ。2017年は中日国交正常化45周年にあたり、18年は「中日平和友好条約」締結40周年だ。中日はお互いに重要な隣国であり、経済協力は両国関係の重要な安定装置になる。両国経済は異なる発展段階にあり、中日企業の間には強い相互補完性があり、未来の協力の潜在力はとてつもなく大きい。「汽車人伝媒」が伝えた。(文:呂克倹・雑誌「汽車人」論説委員、全国日本経済学会副会長、元在日本中国大使館公使、元商務部<商務省>アジア司司長)
▽国民生活改善と質の高い消費というチャンスをしっかりつかまえる サービス貿易分野での協力を展開する
2020年には、中国は中所得層が4億人から5億人に達すると同時に、高齢化社会に足を踏み入れることが予想される。中国では「1組の夫婦が2人まで子どもを産み育ててよい」とする「二人っ子政策」をすでに実施している。試算では、50年までに20~60歳の労働力人口は3千万増加する。このことは人口ボーナスの予備軍になるだけでなく、現実的な消費の成長源でもある。
国民の消費は生きるための消費から、生活を改善し個性を発揮するための質の高い消費へと転換しつつある。財政金融、健康、教育研修、文化娯楽、観光、物流、介護などの多様なサービス消費が需要の新たなホットポイントだ。
消費の新たな成長源に関して次の4つのことが指摘される。
(1)第13次五カ年計画の観光に関する計画によると、20年をめどに中国観光市場の全体的規模はのべ67億人に達し、海外への観光客はのべ6億人に上る見込みだ。15年には日本を訪れた観光客が500万人に達し、16年は再び記録を更新してのべ637万人に達し、日本の多くの人々は中国人の購買力に舌を巻いた。
(2)中日両国はともに人口高齢化という課題に向き合っている。中国は目下、人口高齢化が急速に進行する段階にあり、16年末現在、60歳以上の人口は2億3千万人に達し、総人口の16.7%を占めた(65歳以上は1億3千万人で総人口の9.4%)。中国は世界で唯一、高齢人口が1億人を超えた国であり、関連市場のニーズと協力の潜在力は極めて大きい。日本は高齢者への介護サービスと医療保険技術・設備などで世界トップレベルにあり、両国の介護産業での協力は今、発展を遂げつつある。
(3)金融協力の面では、債券市場を育成し、国債を相互に買い増しするなどの措置が金融市場の安定と貯蓄資産の安全性の向上にプラスになり、巨額の外貨準備を保有する中日両国に積極的な意義をもつ。早く実施すれば、それだけ早く利益を得られることになる。
(4)クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)、デジタル設計、遠隔制御、市場での営業販売といったサービス貿易分野での協力を強化することで、中日経済貿易協力の中身がさらに充実し、相互利益に基づく協力の水準がさらに向上することになる。

NEWS5 中日副大臣級定期協議 経済貿易で多岐にわたる協議

第18回中国商務部-日本経済産業省副大臣級定期協議が27日に東京で行われた。商務部(商務省)の高燕副部長と経済産業省の片瀬裕文審議官が共同で主催した。
中国側は「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブを説明し、日本側は「質の高いインフラパートナーシップ」を説明し、双方はアジアのインフラ建設の相互連携について建設的な話し合いを進めた。中国側は日本側に対し、中国から輸入する炭素鋼突合せ溶接式継手にダンピング調査を行う際は国際的な義務を着実に遵守し、「代替国」基準の適用を全面的・徹底的にやめるよう求めた。
双方は両国が省エネ・環境保護、現代型サービス産業、知的財産権、自動車の流通といった重点分野での協力を強化することや、中国・日本・韓国自由貿易圏、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、世界貿易機関(WTO)などの地域間・多国間の議題について意見を交換した。

NEWS6 女性指導力フォーラム 職場でもっと潜在力発揮できる

2017年中国指導力フォーラムが26日に開催された。テーマは「多様な視野の下での女性の指導力の発掘」で、現代の社会生活における女性パワーの発展について話し合った。中国新聞網が伝えた。
フォーラムでは参加者から、「ここ数年で大きく進歩したとはいえ、女性は職場でもっとたくさん潜在能力を発揮できるはず」との意見が出た。
就職サイト・智聯招聘の郭盛・最高経営責任者(CEO)は、「職場での女性はある面ではより優位性を備えているといえる。みなさんはAI(人工知能)についてしばしば耳にすると思うが、この分野では女性に非常に大きな優位性がある。現在の国際学術界で活躍する中国人でAI分野で最も優れた研究を行っている李飛飛教授は、(米国の)スタンフォード大学の教授であり、女性だ。またEQ(心の知能指数)でも女性は男性を上回る」と述べた。
女性がこのような能力と優位性を備えていながら、十分な指導力を持ち得ないのはなぜか。郭CEOは、「これはある程度、女性自身の仕事に対する考え方と関係がある。女性は職場において相対的に保守的であり、一種の安定性をより追求する傾向があるが、こうした保守性こそ往々にして女性たちに多くの機会を失わせるものだ」と指摘した。
オランダに本部を多く大手会計事務所KPMGのグローバル中国業務発展センター(GCP)のパートナー沈瑩さんは、「女性の指導力を向上させたければ、やはりそれにふさわしい社会環境作りを重視しなければならない」とした上で、「社会は女性にたくさんのレッテルを貼る。たとえば『売れ残り』といったようなレッテルで、女性にたくさんの圧力をかける。指導力向上、公平な就職、公平な昇進という点で、女性にはまだたくさんの潜在力が備わっている」との見方を示した。

NEWS7 中国・NZのAEO相互承認制度スタート 通関にかかるリードタイム半分に

中国とニュージーランドのAEO(認定事業者)相互承認合同説明会が27日に上海市で行われた。7月1日より実施スタートとなるこの相互承認は、中国のオセアニア地域における初のAEO相互承認となる。両国の税関がAEO相互承認を実現した暁には、中国のAEO事業者の対ニュージーランド輸出は、両国の通関優遇措置を同時に享受できるようになり、その通関にかかるリードタイムは約50%短縮される見込みだ。中国とニュージーランド両国のAEO相互承認に関する規定によると、相互承認が正式に実施された場合、約4千社の中国企業が通関での優遇措置を享受できるようになる。人民日報が伝えた。
AEOとは、Authorized Economic Operatorの略で、「認定事業者」を意味する。世界税関機構(WCO)が提唱するこの制度によって、税関の認定業者に対する利便性を向上させ、企業の通関及び物流コストを削減することでその国際競争力を高めることが可能となる。

NEWS8 なぜ現代日本人の起業意欲が低いのか

日本ではシリコンバレー風のチャレンジ精神は主流ではない。人材サービス会社のランスタッドがこのほど行った労働者の意識に関する最新の調査では、日本人の起業への意欲は33ヶ国・地域の中で最低で、70%近くが「起業の意志はない」と答えたという。「新民晩報」が伝えた。
実際のところ、日本はかつて成功した企業家を数多く輩出し、パナソニックの創始者の松下幸之助氏やホンダを創業した本田宗一郎氏といった「経営の神様」がいた。日本で100年以上続く企業は2万5千社に上り、起業の経験は決して乏しくはない。では今の日本人は見本となるようなグローバルビジネスの案件を生み出すことができないのはなぜか。先人たちに比べ、今の日本人が起業をあまり好まないのはなぜか。
時代が英雄を作り出す。起業の分野も例外ではない。古い世代の企業家たちはかつての日本経済の飛躍的発展や当時の起業へのあふれる情熱をその目でみてきたが、その後、日本経済が停滞し足踏みをするようになると安定した生活を求める「安定志向世代」が登場した。
経済が力を失った時代には、最も起業に熱意を抱くとみられる若年層が安定志向になる。英国の人材コンサルタント会社ヘイズplcの調査では、日本の若年層の多くが茨の道を行く厳しい起業の人生を選ぼうとしなかった。13ヶ国の若年層を対象にした調査では、「起業に興味がない」と答えた日本人の若者の割合は58%と高く、調査対象国の中で最高だった。楽天の三木谷浩史社長は、「20年に及ぶ経済停滞期を経て、日本の若い人は非常に、極めて非常に保守的になった。これはよいことではない」と話す。
こうした傾向とあいまって、チャレンジ精神の乏しさが起業の歩みを停滞させている。日本政策金融公庫総合研究所の調査では、回答者が起業をあきらめた主な理由には、資金、人材、技術・知識といった起業に必要な要素のほか、「起業のリスクに不安を感じるから」が多く挙がった。
不安の根源を追求すると、日本の伝統的文化にみられる失敗への不寛容さが最大の障害だと考えられる。日本のベンチャー投資・育成会社WiLの伊佐山元代表は、「失敗への不寛容さが日米の起業環境における最大の違いだ。農耕社会を源流とした安定追求の傾向が日本のリスクに対する独特の見方を形成した。日本の投資家はリスクを回避するため『起業家に株式の買い戻しを要求する』条項を加え、金融機関は資金を貸し出す際に起業家に重要な個人資産を担保に入れるよう再三要求する。米国であれば、リスクは『想定内の動き』ととらえられ、たとえ失敗しても『クレバーな失敗』であれば、やり直しの可能性は大いにある」と話す。
だがウォッチャーによると、日本ではここ数年、起業の精神がゆっくり復活しているという。東京都品川区にあるインキュベーター企業・サムライインキュベートの創業者・榊原健太郎氏は米紙「ニューヨーク・タイムズ」の取材に答える中で、「サムライ精神とは冒険に挑戦しようとする精神だ。自分の目標はサムライインキュベートを起業家の聖地にすることだ。沖縄では、起業への情熱が上昇を続け、過去1年間に独立した企業法人が1867社誕生し、前年比約10%の増加で、7年連続の日本一だった」と述べた。沖縄紙「琉球新報」の報道によると、人口増加、観光経済の隆盛、現地の人々による起業への支援などが、沖縄でのかつてない企業法人の相次ぐ誕生という現象を後押ししているという。
だが民間の積極的な起業の奨励は引き続き政府にとって難題だ。日本メディアは、「日本の現在の起業率は4%で、欧米諸国の半分にも満たない」と指摘。ランスタッドの調査では、「自国の起業環境は優れている」と考える日本人はわずか20%で、最下位だった。インドや米国の労働者と比較すると、「自国は起業に適している」とみる日本人労働者はごく少数だった。
起業の長い道のりに足を踏み入れ、ついに成功にたどり着いた人々は、日本では今なお少数派だ。ここからわかるのは、起業大国になるには持続的なチャレンジに寛容な環境が必要だ。冒険精神を許容する社会になることが、日本のこれからの重要な課題だといえる。

NEWS9 日本企業の対中投資回復か?「一帯一路」が日本企業のキーワードに

2012年以降、日本の対中投資は年々下降し続け、日本企業の撤退が勢いづいている。日本企業の対中投資はなぜ下降し続けたのか?また将来的な対中業務はどうなっていくのだろうか? 21日に中国日本商会が行った「中国経済と日本企業2017年白書」発刊記者会見において、こうした問題に対する答えを得ることができた。人民網が伝えた。
日本企業の対中投資に変化、投資額が回復か?
白書によると、日本の対中投資の実行額は2012年に約74億ドル(1ドルは約111.2円)でピークに達し、その後年々減少し続けているとしている。中国日本商会の田端祥久副会長は、これらの変化の主な原因は日本企業の対中投資の質の変化との見方を示した。また同商会の上田明裕会長も、「日本企業の中国に対する取り組みが大きく変化し、従来は加工基地として捉えていた中国を、今は市場として捉えている。この中国の巨大な市場に対しての内販を強く意識している」とした。
その内販に関して上田会長は、「ここ数年、中国政府は経済構造のアップグレード転換を大いに促進させており、第二次産業から第三次産業への転換が進んでいる。日系企業もこの機会を捉えて、第三次産業に進出している企業が増えている。ただし内販といっても、何のノウハウも無く中国企業と競争し勝ち残ることは難しいので、トータルソリューションをその切り口として内販に進出しようとする意識が強まっている」とした。
また近年、日本の対中投資は下降傾向を示しているが、中国における業務拡大の流れは徐々に回復しつつあると見られている。
田端副会長は、日本の対中投資と在中国の日本企業の事業拡大の傾向には非常に強い結びつきがあるとの見方を示した。
白書に収録された日本貿易振興機構(JETRO)が日系企業に対して行った今後の中国における事業拡大方向に関する調査結果によると、「拡大する」と回答した企業は2011年から下降し始めたが、2016年には「拡大する」と回答した企業が40.1%と再びやや上昇傾向を示した。2011年のピーク時と比較するとまだまだ差があるものの、前年の2015年と比べると2ポイント増となった。
田端副会長は、「日本からの対中投資は2016年が底打ちとなり、今後は上向きに向かう傾向にあると見ている」とした。
実際、今月9日に中国社会科学院日本研究所と社会科学文献出版社が共同で発表した「日本経済青書:日本経済と中日経済貿易の関係研究報告(2017)」でもその傾向が論じられている。報告では、日中の経済関係は近年、貿易と投資が共に減少するという状態が続いており、日系企業の中国事業を拡大したいという意欲も低くなっているが、最近、中国経済がニューノーマルへ移行している過程で、底打ちしたことを示す材料も明らかに増えている。両国の貿易関係は依然として、互いに依存し合う関係を保っており、日系企業の中国における事業拡大も同様だ。中国市場を開拓するための投資の意欲は低くなっていないため、日系企業は現在、事業環境が変化しているのを背景に、新しい市場の拡大を模索する段階に入っているといえる。
「一帯一路」が中日協力のプラットフォームに、連絡協議会の立ち上げも
今月初めに日本の安倍晋三首相が中国の「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブについて、条件さえ整えば、協力を進めることが可能と発言したことを受けて、今回の記者会見でも「一帯一路」がメディアの注目する話題の一つとなった。
この件について、上田会長は、「日本政府が『一帯一路』は両国の経済協力における重要なプラットフォームになると発言したことで、日中関係改善の一つの大きなポイントになると考えており、両国関係の改善は今後の企業の経営活動にとっても非常にプラスの作用を及ぼす。そのため『一帯一路』は日本の民間企業にとっても中国日本商会にとってもまさにキーワードとなっている」とした。
さらに上田会長は、「現在、日中関係改善の機運を受けて、中国日本商会も『一帯一路』連絡協議会を設置し、『一帯一路』に対する理解を深めようとしている。この連絡協議会の主な任務は二つあり、一つは『一帯一路』に関する貿易、投資、技術交流、金融、流通といった分野に関する調査研究と関連資料の収集。もう一つは関連の講演会やセミナー、商談会の開催を通じて、企業の『一帯一路』に関する疑問に答え、理解を深めると同時に、中国の関連部門との『一帯一路』に関する交流を深め、意見交換を行いたい」とした。

NEWS10 「研学旅行」が親子旅の注目点に 市場規模1千億元超

新疆自治区に住む等等ちゃんのお母さんは、まだ夏休みにならないというのに大手旅行社のツアー商品をチェックし始めた。今年8歳の等等ちゃんは上海ディズニーランドに行ったことがあり、今年もまた行く予定という。ママいわく、「うちの子は『アナと雪の女王』が好き。景色なんか興味ない」のだそうだ。「経済日報」が伝えた。
ママは続ける。「娘には意義のある楽しみ方をしてほしい。(観光地を)あちこち走り回るだけの旅行はだめ。一番いいのはディズニーみたいな場所で、ここなら普段読んでいる本や見ているアニメの世界につながる。ミッキーマウスや白雪姫を見た時の様子を思い出すと、船に乗って海外に行った時よりもずっと喜んでいた」。
観光産業では、夏休みの親子旅は必勝のジャンルだ。これまでの親子旅商品は比較的均一で、動物園やビーチでの水遊びなどのほかは、有名大学などを見学するといったものばかりだった。ディズニーの人気が高いのは、子どもの興味に合う数少ないテーマパークだからだ。また観光市場をみると、各社が遊学、夏キャンプ、社会体験などの商品を打ち出しているが、いまだに主流にはなり得ていない。だが今年の夏休みは、こうした商品の特徴ををひっくるめたような学びの旅「研学旅行」が突然、親子旅のキーワードに浮上した。
変化が起きた直接の原因は1つの文書にある。2016年末、教育部(教育省)をはじめとする11部・委員会が共同で「小中高校生の研学旅行の推進に関する意見」を発表し。各学校に対し各地の実際の状況を踏まえ、学びの旅・研学旅行を学校の教学プランに組み込むよう提言するとともに、児童生徒が集まって研学旅行に参加した状況や成果を学校の総合的評価システムの重要な内容とするよう求めた。
業界関係者の多くはこの意見を「棚からぼた餅」と受け止め、少なくとも1億人の小中高校生が潜在的ターゲットとなる研学旅行市場に火をつけることになった。
体験型教育サービスを提供する北京世紀明徳教育科技有限公司の会長で、キャンプイベントのブランド「青青部落」の生みの親の王学輝さんもその一人だ。王さんは、「研学旅行市場の潜在力が一体どれくらいなのか見積もるのは難しい。遊学、研学、キャンプ、社会での総合体験などさまざまな要素があって正確に定義することができない。自分はリーディングカンパニーの市場集積度から逆に業界の規模を推測するやり方をとる。計算してみたところ、海外遊学の分野で筆頭の新東方教育科技集団(新東方国際遊学ブランドを運営)の年間売上高は4億元(1元は約16.3円)から5億元ほど。筆頭企業の市場シェアは大体1~3%になるという業界の規律を踏まえると、海外遊学市場の規模は200億元から300億元くらいになる。国内遊学のトップはうちで、年間売上高は4億元だから、国内遊学市場の規模は200億~300億元程度になり、海外と国内を合わせると400億元から600億元ほどの市場規模ということになる」と話す。
11部・委員会が発表した意見は産業の爆発的発展の外的要因であり。根本的原因は研学旅行に対する親たちのニーズにある。王さんは、「今の親は1980年代生まれ(80後)や90年代生まれ(90後)がほとんどで、教育に対する考え方がそれまでの世代と異なり、より開放的な心理状態にあり、テストや課外活動を通じて子どもの成長を実りあるものにしたいと考える」と指摘。旅行では景色を見たり観光地に行ったりするだけではもはや満足せず、たくさん学んで知識を得ることとあちこちを旅して視野と見聞を広めることを結びつけ、旅行を通じて子どもによりたくさんの収穫を得てほしいと考えるという。
王さんは、「内的要因と外的要因が1億元規模の市場の誕生を促した。この意見が発表されから、各種投資機関が次々に現れた。資本に深く接してみて、研学旅行の市場規模は1千億元を超えており、今後10年から20年の間は成長産業になると判断した」と話す。


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