銘・精選

NEWS1 中国のクルーズ市場が世界4位の規模に WTCFクルーズ分会の報告 

第5回中国(青島)国際クルーズサミットが1日、山東省青島市で開催された。会期中、世界観光都市連盟(WTCF)クルーズ分会が発表した、「世界クルーズ観光都市の概況と中国クルーズ観光発展報告」によると、10年の発展期間を経て、中国のクルーズ市場は急成長しており、現在、世界で4番目に大きいクルーズ市場になっている。中国新聞社が報じた。

報告の統計によると、2016年、中国のクルーズを利用した観光客の数は延べ439万4000人、寄港したクルーズは955隻で、中国で利用者数が最も多い港は上海港、天津港、三亜港だった。中国は現在、北米市場、欧州市場、アジア太平洋市場に肩を並べる世界4番目の市場になっている。

報告によると、国際クルーズ業は中国において目を見張るような速さで発展を遂げている。世界の利用者数が年間4.4%のペースで増加しているのに対して、中国は70%のペースで増加している。現在、ロイヤル・カリビアンやコスタ・クルーズなどの世界の大手クルーズ会社が中国市場に一層力を入れるようになっており、16年には、中国の港を母港にするクルーズが17隻にまで増加している。

報告は、中国のクルーズ産業の全体的な規模が急速に拡大しているのは、中国のクルーズの港の配置が日に日に整備され、関連のクルーズ産業発展の法律・法規・基準も整備され、さらに、世界のクルーズ会社が中国市場の成長をチェックし、重視していることが原因と分析している。

アジアクルーズ協会は、中国は現在、世界で最も魅力ある重要な市場となっており、20年には、クルーズ市場が米国に次ぐ世界2位の規模になるほか、今後30年は観光の分野が急速に発展する黄金期が続くと予測している。

NEWS2 モバイル決済、第1四半期も高成長

中国人民銀行がこのほど発表した「2017年第1四半期決済システム運行全体状況」によると、モバイル決済事業は第1四半期に高い成長率を維持した。経済日報が伝えた。

全体的に見ると、全国で今年第1四半期に処理された非現金決済業務は前年同期比24.53%増の2333億7100万件、金額は928兆6300億元(1元は約16.2円)に達した。

銀行業金融機関が第1四半期に処理した電子決済業務は374億100万件、金額は756兆8400億元。うちオンライン決済業務は8.17%増の112億9700万件、金額は0.14%増の658兆7800億元。電話による決済業務は25.30%減の4007万2700件、金額は26.33%減の2兆3400億元。

注目すべき点は、第1四半期にモバイル決済業務は65.71%増の93億400万件、金額は16.35%増の60兆6500万元に達した点だ。また非銀行決済機関が第1四半期に処理したオンライン決済業務は60.13%増の9470億9000万件、金額は42.47%増の26兆4700億元だった。

クレジットカードの信用不良率も上昇を続けている。第1四半期末時点のクレジットカード半年延滞総額は、前四半期比12.89%増の604兆7000億元にのぼった。クレジットカードの消費者信用の1.50%を占め、前四半期末比で0.10ポイント上昇となった。

NEWS3 中国銀聯 40銀行と提携でQRコード決済に進出

携帯電話でQRコード決済をする時、これからは支付宝(アリペイ)や微信(WeChat)などのアプリケーションだけでなく、普段使っている銀行のアプリも利用できるようになる。支付宝と微信が90%以上のシェアを占めるQRコード決済市場には、このたび中国銀聯が参入した。「北京成年報」が伝えた。

中国銀聯はこのほど商業銀行40行と連携し、北京で共同発表を行った。それによると、銀聯の決済サービス「雲閃付」のQRコード決済商品が登場し、銀聯カード保有者は銀行アプリを通じた雲閃付のコード読み取りによって支払いができるようになるという。現在、このサービスに対応する第1弾の銀行は40行を超え、中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行といった全国規模の商業銀行が含まれる。また商業銀行約60行がサービスに対応するためのテストを急ピッチで進めており、まもなく対応できるようになる見込みで、年内にはその他の主要銀行もすべて基本的に対応可能になる予定だ。

銀聯の関係者によると、「市場に出回るほかのQRコード決済方式に比べ、銀聯の雲閃付による決済サービスには3つの主な特色がある。第1に、安全性がより高いことだ。(ワンタイムパスワードを生成する)『トークン』技術を採用し、安全レベルがより高くなり、消費者に資金面での安全性を提供できる。第2に、サービスがより整っていることだ。整ったリスク保障メカニズムを備えており安心して利用できることを約束する。第3に、国内でも海外でも使えることだ。銀聯インターナショナルは目下、香港地区、シンガポール、タイ、インドネシア、韓国、オーストラリアといったカード保有者がよく出かける国・地域でQRコード事業を積極的に展開しており、計画ではまず香港とシンガポールで雲閃付QRコード決済サービスを開始する予定だ」と話す。

同サービスの受け入れ状況をみると、国内の60万店近い店舗が雲閃付QRコード決済サービスに対応しており、約266万店が雲閃付QRコードサービスに技術的に対応しており、36省・直轄市・自治区に商業エリア40ヶ所が同時に構築され、カード保有者は雲閃付QRコードサービスを深く知り、利用できるようになった。携帯電話を持っていれば、卜蜂蓮花、屈民氏、世紀聯華、好利来、煌上煌などの全国的チェーン店や有名店の1万店近い指定実店舗でサービスを体験できる。また銀聯商務、快銭、通聯、拉■(上と下が上下に組み合わさった字)拉、随行付など60近い決済機関で処理端末の改修作業が終わり、今後はさらに多くの店舗の参入が予想される。

NEWS4 中国のインターネット産業、世界が注目する「モデル」に

急速に台頭する中国のインターネット産業はその圧倒的な勢いと持続的な革新で世界の視線を集めている。オンラインエンターテイメントやモバイル決済、交通ツールのシェアリングを始めとする一連の見所が次々と登場し、中国は世界インターネット業界の「研究モデル」になった。このほど発表された国際インターネット業界の権威ある分析報告書と一連の海外メディアの評価は、中国インターネット産業の「新たなエネルギー」への驚嘆を示した。人々は中国というこの「モデル」から、インターネット技術の発展により創られる「未来の生活」を目にしているようだ。中国日報網が伝えた。

米ウォール・ストリートの有名アナリストで老舗ファンドKPCBのパートナー、「インターネットの女王」と呼ばれるメアリー・ミーカー氏は現地時間5月31日のCode Conference 2017で、2017年度の「インターネット・トレンド・レポート」を発表した。ミーカー氏はこのインターネット業界で注目を集める権威ある年間報告書の中で、中国のインターネット発展状況の分析に章を設け、「中国のマクロ経済が安定的に前進する流れを受け、中国のネットユーザーが着実に増加しており、革新駆動が拡大している。オンラインエンターテイメントや交通ツールのシェアリング、モバイル決済、電子商取引、広告などの発展の勢いは驚異的だ」と指摘した。

ミーカー氏は、中国のインターネットはすでに「オンラインエンターテイメントや交通ツールのシェアリングの黄金時代」に入ったと表明。中国の2016年のモバイルネットワークユーザー数は、前年比12%増で7億人を突破し、2015年の11%という伸び率をやや上回った。中国のモバイルネットユーザーの、2016年のネット接続時間は1日平均で25億時間以上となった。伸び率は30%で、ネットユーザー数の伸び率を大きく上回った。

ミーカー氏は報告書の中で「中国は2016年に米国を抜き、世界最大のゲーム市場になった。交通ツールのシェアリングの分野で、中国は世界に先駆け最大規模のカー・自転車シェアリング市場になった。毎年の利用回数は100億を超え、世界市場におけるシェアは67%に達した。モバイル決済に関しては、中国の2016年の第3者モバイル決済規模は5兆ドル(1ドルは約110.4円)を突破した」と指摘した。

また電子商取引(EC)、オンライン広告の革新と成長も同じく注目されている。ミーカー氏は報告書の中で「中国の2016年のB2C取引規模は6810億ドルを上回り、うち71%がモバイル端末。オンライン広告の売上は、前年比30%増の400億ドルに達した」とした。

業界の権威ある分析報告書の他に、一部の国際主流メディアも最近、中国のインターネット業界の発展における新たな流れに注目し続けている。ブルームバーグは中国のシェアリングエコノミーに注目する「中国はまさにシェアリングエコノミーの未来」と題した論評で、中国国内で流行中のシェア自転車、携帯充電器や傘のシェアといったモデルに言及し、「これらのベンチャー企業の動向がどうであれ、中国のシェアリングエコノミーモデルは他国よりも、よい未来を手にする可能性が高い」と論じた。

記事は「中国のシェアリングエコノミーの未来をこれほど楽観視できることには、3つの理由がある。まず中国の人口の特徴だ。ミレニアル世代はEC産業及びその後のシェアリングエコノミーの発展を促進した。中国の若者は、生活の体験をより重視する。次に、中国消費市場の変化だ。消費者は質の高い製品とサービスにより関心を持っている。最後に、最も重要な点だが、中国の消費者はモバイル決済など、革新を受け入れようとする点。中国の消費者らは現在、ショップなどでQRコードによる決済をすることに慣れている。このような時代の流れにより、傘をシェアリングすることですら、珍しいことではなくなった」と分析した。

フォーブス誌(電子版)もこのほど、中国のモバイル決済の流行に関する記事を掲載した。記事は、「今日の中国では現金をまったく携帯しなくても、携帯電話だけでスムーズな生活を楽しむことができる。中国人消費者の消費習慣には大きな変化が生じている。ITの発展により、朝食の購入や旅行といった一連の活動が、この上なくシンプルでスムーズになっている」としている。

そして、「中国のモバイル決済規模は爆発的な成長を遂げた。関連データによると、昨年の決済規模は1兆8500億ドルにのぼる。インターネット技術により、現金というモノは中国で本当に過去と化したかのようだ」との見方を示した。

NEWS5 中国の経営環境の改善続く、日本企業の4割が事業拡大に意欲

数ヶ月前、「外資撤退ブーム」が大変な話題となったが、この説はマクロな事実とデータによって間違いであることが証明されており、さらにグローバル企業などのミクロ主体の対中投資により打ち砕かれている。第一財経日報が伝えた。

日本経済新聞は先ごろ、日本企業の中国での生産能力拡大の傾向が強まっていると報じた。日清食品ホールディングスはカップラーメンの新たな生産工場を稼働させ、パナソニックとリンナイも、中国で工場を新設。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、日本企業の約4割が中国事業の拡大を検討中と回答し、3年ぶりに増加した。

スイスの高級車メーカーであるボルボは、中国大慶工場で最高級セダンを生産し、中国を世界輸出拠点に育て上げることを検討中だ。2020年には中国全体の生産能力を、現在の1.5倍になる30万台に拡大する予定だ。

中国の高級レジャー市場の将来性への期待から、仏Pierre et Vacances Center Parcs Groupも中国企業と事業提携し、中国で高級レジャー施設2ヶ所を新設する予定だ。

これらの動きは、アーンスト・アンド・ヤングの最新の調査結果に合致する。大企業の高級管理職の人々にとって、中国は米国に次ぐ世界2位の投資目的地だというのだ。

中国商務部(省)のデータによると、今年1−4月の全国新設外資系企業数は、前年同期比17.2%増の9726社に達した。実質ベースの外資使用金額は0.1%減の2864億1000万元(1元は約16.32円)。

中国国際経済交流センター研究部の劉向東副研究員は「外資の中国における流動は、中国の経済構造調整に適応するための過程であり、進出があれば撤退もある。この転換の過程において、外資導入の全体額はやや減少するが、企業新設数が増加している。これは多くの企業が依然として中国を重要な投資目的地としており、中国の変化を意識し投資構造を調整していることを説明している」と指摘した。

◆チャンスを迎える先端製造
この「一進一退」はどのように変化するのだろうか。劉氏は「一部の要素費用が高騰していることから、労働集約型もしくは輸出中心型の外資系企業の中には、確かに投資撤退の現象が存在する。しかし中国の発展の需要と合致する、例えば先進的なサービス業や先端製造業は、中国で理想的なチャンスを迎えている」と指摘した。

中国商務部のデータによると、中国の外資導入の目立った特徴としては、ハイテクサービス業の外資導入の高い成長率が挙げられる。ハイテクサービス業の1−4月の実質ベース外資使用額は、前年同期比12.4%増の365億6000万元。うち情報サービスは3%増、研究開発・デザインサービスは3.8%増、科学技術成果転化サービスは62.9%増、環境観測・ガバナンスサービスは172.8%増。

中国商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は「中国の先進製造業、現代サービス業などの先端分野の外資導入は近年、高い成長率を維持している。『中国製造2025』は欧米諸国により多くの機会をもたらした。中国経済のモデルチェンジとアップグレードにより新たに参入した外資系企業は、中国の弱点を補完できる」と述べた。

劉氏は「外国企業の対中投資拡大は、中国が経営環境の改善を続けているからだ。中国は発展の需要を見据え、投資・自由貿易の利便性向上に取り組んでいる」と話した。

中国は年初、外資導入を拡大する20の措置を発表した。これにはサービス業・製造業・鉱業などへの外資進出の大幅な規制緩和、外国企業の先端・スマート・グリーン製造への投資の奨励、外国企業のフランチャイズ型インフラ整備への参入の支持などが含まれる。

2017年政府活動報告によると、中国は今後、外国企業の自由度を高める。これにはサービス業・製造業・鉱業などへの外資進出の大幅な規制緩和、外国企業の国内上場・債券発行の支持、資格認可・標準制定・政府調達などの国内外企業の同一視などが含まれる。

劉氏は「政策的にはほぼ問題がなく、今後の実施状況を見ることになる。中国の経営環境には改善の余地が残されており、政府も力強く改革に取り組んでいる。中国が便利な、法整備された、国際的で透明な経営環境を構築することに期待できる。外国企業は過度に懸念する必要はない」と語った。

NEWS6 カタール断交事件 中国経済にも一定の影響 専門家

バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、イエメン、モルジブ、リビアが5日にそれぞれ、カタールとの国交断絶を発表した。カタールがテロ組織を支援して、地域の安全保障を脅かしているというのが理由だ。カタールは世界3位の天然ガス貯蔵国であり、断交は世界の石油・天然ガス資源を取り巻く情勢に一定の脅威を与えることになり、短期的には値上がりにつながる可能性がある。市場で湾岸地域が権力構造の再編に直面する可能性があるとの予測が広がっているからだ。

国交断絶の中国への影響について、上海外国語大学中東研究所の孫徳剛副所長は、「中国は中東の外交でどこかのグループに入ったり、同盟を結んだりすることはなく、各方面とそれぞれにうまく関係を処理している。イランとも、サウジとも、カタールとでも、中国は政治的な同盟を結ぶことはない。この点において中国への影響は大きいとはいえない」と述べる。

だが断交が中国経済に与える影響は大きい。たとえば湾岸協力会議(GCC)の加盟6ヶ国と中国との自由貿易圏をめぐる交渉は目下、非常に重要な段階にさしかかっており、加盟国の間で分裂が起きると、交渉に大きな影響を与えるとみられる。

孫副所長は、「中国と各方面との関係は悪くない。これは中国独自の優位性だ。よって今後、必要な場合には、カタールとサウジ、イランとサウジとの間で一定の調整の役目を担い、間を取り持つ役割を演じることになるだろう」と予測する。

NEWS7 グローバル都市ランキング 起業投資環境がカギ

英国に本社がある国際管理コンサルタント会社のA.T.カーニーはこのほど、2017年のグローバル都市ランキングを発表した。都市の総合力ランキングの「グローバル都市指数」と「グローバル潜在力ある都市指数」の2つの部分に分かれる。「グローバル都市指数」ランキングでは、香港が5位、北京が9位、上海が19位に入り、成都と武漢の上昇ぶりが目立った。「グローバル潜在力ある都市指数」ランキングでは、広州が前回の78位から56位に上昇し、杭州も大幅に順位を上げた。「経済日報」が伝えた。

今年はどちらのランキングも起業投資環境という同一の指標に基づいて作成された。「グローバル都市指数」の関連研究によると、トップレベルの起業環境かどうかは4つのカギとなる要因によって評価判断され、その4要因とは起業の協力パートナー、人材資源、現地の支援政策、優れたインフラ設備を指すという。

カーニーのグローバルパートナーで中華圏社長の石徳瑞氏は、「中国の国力の増強、経済の発展、『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブの実施は、各都市のさらなる発展に向けて堅実で力強い土台を提供することになった。中国の二線都市と三線都市は指数ランキングの順位が目立って上昇し、安定した発展を持続させると同時に世界トップレベルの都市の仲間入りをしつつあり、これら二線・三線都市と世界の他都市との協力や相互連動の動きがこれからの中国の都市の発展のカギになる」と話す。

NEWS8 在中国EU企業 半数が中国の投資環境に疑問か

中国EU商会がこのほど発表した調査報告書「商業信頼感調査2017年」によると、在中国の欧州連合(EU)企業のうち半数以上が中国の投資環境に失望しているという。これについて商務部(商務省)の孫継文報道官は8日に行われた記者会見で、「中国は一貫して欧州企業の対中投資を歓迎している。中国と欧州は経済発展レベルが異なり、1対1の対等な開放を単純に追求することはできず、カギは双方の利益が全体としてバランスがとれているかどうかにある」とコメントした。新華社が伝えた。

孫報道官は、「中国の外資誘致に対する開放的な態度は初めから終わりまでぶれることはない。中国の開放のドアが閉じられることは永久になく、ますます大きく開かれていくだろう」と強調した。

孫報道官はEU企業が中国の投資環境に対する厳しい見方をすることについて、「中国は一貫して欧州企業の対中投資を歓迎している。中国と欧州は経済発展レベルが異なり、産業構造が異なり、対外開放の重点や取り組みの強弱やリズムも何もかも異なり、開放の分野や程度を単純に比較したり、1対1の対等な開放を単純に追求したりすることはできず、カギは双方の利益が全体としてバランスがとれているかどうかにある」とコメントした。

注視されるのは、同報告書が在中国のEU企業の大多数が中国での業績が改善したことだ。回答した企業のうち、55%が16年の営業額が増加し、71%が16年の税引き前利益が過去最高だった11年の水準に近づき、51%が中国での経営規模を拡大する計画でこの割合は前年より4ポイント上昇し、55%が企業の成長見通しに楽観的な態度を示して同11ポイント上昇し、61%が企業のグローバル戦略における中国の位置づけがますます重要になっているとの見方を示した。

孫報道官は、「こうしたことからEU企業の対中投資への信頼感や収益状況は低下しておらず、それどころか明らかに上昇したことがわかる」と述べた。

実際、同部をはじめとする関連部門は開放の拡大と外資の積極的利用を目指して努力を続けてきた。たとえば外資系企業の投資管理体制改革の推進を加速させたり、外資の参入制限措置を大幅に削減したりしてきた。

孫報道官は、「商務部もこれから中国EU商会の報告書に示された意見と提言を真剣に検討し、タイミングをみて在中国の外資系企業と商業団体を招いて座談会を開き、コミュニケーションを強化し、関連部門と積極的に協力して報告書で指摘された合理的な問題の解決に努めたい」と述べた。

NEWS9 上海協力機構のメンバー間の貿易がエネルギーから資源まで一層盛んに

中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン6ヶ国による多国間協力組織・上海協力機構(SCO)は2001年6月に設立されて今月で丸16年を迎えた。16年の間に、SCOのメンバー間の貿易が一層盛んになり、協力の分野も当初のエネルギーメインから、商品や人員、物資、サービスなど地域間の自由な流動へと発展し、資源のやりとりが実現している。

SCOの中国以外の5ヶ国はオイル・ガス資源が豊富で、中国市場の開拓を進めているほか、中国を通してアジア太平洋経済との融合を実現して、輸出の多元化戦略の重要な一部となっている。06年5月、全長962キロの中国とカザフスタンを結ぶ石油パイプラインが全線開通した。これにより、中国は初めてパイプラインを通して原油を外国から輸入するようになった。その後、他の数ヶ国も中国とのエネルギー分野の協力を強化し、石油パイプラインや天然ガスパイプライン、鉄道などの建設を通して、エネルギーの輸出を拡大し、中央アジア、東アジアを貫通する「エネルギーの道」が形成されつつある。

SCOのメンバー間のエネルギー分野の協力は日に日に密接になり、各国の経済成長を力強くサポートしている。今年5月31日、中国石油天然気集団傘下の中国石油工程建設公司のウズベキスタンの子会社が請け負うカラクリ区のガス田開発工事が始まり、その着工セレモニーがウズベキスタンの首都ブハラで行われた。ウズベキスタン石油天然気公司の副総裁はこのほど、「ウズベキスタン政府は中国企業がウズベキスタンで行う投資を非常に重視している。同プロジェクトが円滑に実施され、生産が始まることで、ウズベキスタンのオイル・ガスの需要を満たすことができるほか、天然ガスの輸出を増やすことができる。また、雇用をさらに創出し、現地の税収を増やすことにもつながり、ウズベキスタンの経済・社会に大きく貢献する」との見方を示した。

その他、SCOのメンバーはエネルギーの分野でオイル・ガスの安定した運用を確保できる協力メカニズムを構築し、需要と供給の変動や価格変動などを含むエネルギー市場のリスク軽減にも努めている。

多国間との協力システムを有するSCOは、中国が現在推進している「一帯一路(the belt and road)」の建設やユーラシア経済連合のマッチングにもメリットを与えている。SCOのメンバーやオブザーバー国、対話パートナー国のほとんどは、「一帯一路」沿線の新興エコノミーや発展途上国で、それらの国はインフラ建設の強化やコネクティビティの推進、生産能力の協力、金融プラットフォームの構築などの面で大きなニーズがある。
交通、エネルギー、電気通信、農業、家電、軽工業、紡績などを優先分野とし、地域内の貨物、資本、サービス、技術の自由な流動を少しずつ実現し、最終的に、SCOを枠組みとした自由貿易区の構築を実現するというのが各メンバーの共通の願いだ。現在、中国とロシアはエネルギー、交通、航空・宇宙飛行などの分野のビッグプロジェクトにおいて、数々の協力を進めている。また、カザフスタンは「一帯一路」の生産能力協力のモデルとなっており、中国とキルギスタンの発展戦略のマッチングも新たな進展を見せている。中国国務院発展研究センター・対外経済研究部の趙晋平部長は、「SCOは将来の地域経済協力を推進する面で、巨大なポテンシャルを秘めている」としている。

NEWS10 東京でシェア自転車が広がらない理由は?

日本の古い友人が北京に観光旅行にやって来た。レンタカーであちこち見て回ろうと思ったが、意外にもこのプランは拒否された。中国で今、最も人気のあるシェア自転車を試してみたいのだという。新華社が伝えた。

(文:陳言・日本企業<中国>研究院執行院長)
私は不思議だった。友人は中国にシェア自転車があることを知っているし、実際、1年前に阿里巴巴(アリババ)をはじめとする中国企業に投資して巨額の利益を手にした日本の有名企業家の孫正義氏がすでに東京でオープンストリートという名前のシェア自転車事業を展開している。

シェア自転車は東京の人にとって別に目新しいものではない。おまけに日本では高級車を乗り回し、高級バッグを持って富をひけらかす発展段階はすでに過ぎ去り、環境保護意識が人々の心に浸透しており、シェア自転車の普及はごく自然な流れといえるのだ。

だが興味深いことに、日本のシェア自転車は中国の隆盛ぶりにはるかに及ばない。自分はしばしば東京に行くが、シェア自転車を見かけたこともないし、自分で乗ったことももちろんない。

それはなぜか。理由の一つはおそらく孫氏の打ち出すシェア自転車があまり便利でないことにある。日本で都市交通機関を利用すると最低運賃は5キロメートルまで約130円で、10キロ乗れば150~200円だ。孫氏のシェア自転車は最低料金が200円で、1時間ごとに200円が追加される。

中国と異なり、東京のシェア自転車は好きなところに駐輪できず、必ず指定された車庫の決まった自転車ラックに置かなければならない。もちろん、携帯電話のアプリでどこのラックに空きがあるかチェックすることはできるが、いっぱいなら別の空いているラックを探さなければならない。真面目な日本人は携帯電話を手に町中をうろうろと置き場所を探し回ることになり、車の駐車場を探す方がずっと簡単だ。

だが東京の街角ではシェア自転車の大群を見かけることはない。より重要な原因は、孫氏のシェア自転車が高いことでも、駐輪場が見つけにくいことでもなく、孫氏も直面する最もやっかいな問題で、事故が起きた場合に損害賠償をどうするかということにある。

日本で企業を運営する場合、まずサービスを打ち出し、手探りで少しずつ進み、問題があれば解決方法を探すというやり方はできない。初めに十分に考えをめぐらし、あらゆる準備をしてからでなくてはだめだ。東京で中学生の乗る自転車が高齢の女性にぶつかったことがある。その結果、裁判で中学生の家族に1億円を超える賠償金の支払いを命じる判決が出た。シェア自転車に法律問題や賠償問題がしばしば起きたなら、孫氏がアリババへの投資で手にした資金のおそらく大部分がシェア自転車の賠償に回ることになる。

総じていえることは、日本の大都市は中国の大都市と多くの点で似ているが、公共空間の管理や事故の賠償をめぐる法律という点では中国よりかなり厳格で、あまり融通がきかず、このことがシェア自転車の日本での歩みを困難にしているということだ。

日本の友人が北京でシェア自転車を体験した感想はこうだ。「日本のようにたくさん制限がないので、とても便利だった」。だがもう一方では、制限がなければ、「無計画な成長」をもたらし、利用者や社会に悩みと課題を突きつけることにもなる。

中日で異なるシェア自転車の状況から、両国社会の集団心理の違いが浮かび上がる。中国人は便利さと利益を重視し、日本人は秩序を守ることをより重視する。


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