銘・精選

NEWS1 働く人の6割以上「今いるところで年越し」

 「お金があってなくても、故郷に戻って年を過ごす」。これが中国人の伝統的な風習だ。2021年の春節(旧正月、今年は2月12日)がまもなく訪れるが、新型コロナウイルス感染症の対策状況を受けて、北京市、天津市、上海市、河北省、河南省、広東省など20以上の直轄市や省が「現在の居住地で年越し」をと呼びかけている。中国新聞網が伝えた。

 中国の人材派遣会社の前程無憂が25日に発表した「2021年新春休暇の移動の有無状況調査報告」によると、調査に回答した人のうち66.7%が、「現在の居住地で年越し」すると答えた。

 21年の春運(春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)は28日にスタートして、40日間続く。中国国家鉄路集団の現時点での予測では、中国鉄道網の春運旅客輸送量は例年のこの時期より60%減の延べ2億9600万人になるという。同報告によれば「現在の居住地で年越し」は66.7%に上り、このうち勤務地が戸籍のある地域ではないという労働者が半数以上を占めた。また16.8%が、「やはり帰省したい」または「帰省を検討中」と答えた。

 「春節連休に勤務するか」との質問に対し、62.8%が「春節は休みたい」とし、「勤務する」とした37.8%の多くはインターネット・EC、サービス業、生産・加工製造業で働く人たちだった。

 「現在の居住地で年越し」の呼びかけを企業も支持している。同報告によれば、回答者の25.6%が働く企業が、「現在の居住地で年越し」する従業員に対し休日出勤すれば手当を支給するという。また多くの企業が春節のギフトや消費券を配り、家賃を補助したり春節連休終了後の帰省に対して有給休暇を付与したりするところもある。

 同報告は、「手厚い待遇で従業員の『現在の居住地で年越し』を奨励する企業は、生産・加工・製造業、都市サービス業のところが多く、奨励の対象は第一線で働く従業員が中心だ。このことは、こうした業界で毎年みられる春節連休前後の人手不足の問題と関係がある」との見方を示した。

NEWS2 航空券ついに9割引き? 「今いるところで旧正月」で観光市場に変化



 これまでは、春運(春節<旧正月、今年は2月12日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間になると、鉄道も飛行機もチケットが手に入らず、人気観光都市への航空券やホテルの値段はうなぎ上りというのが一般的だった。しかし今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、各地が「今いるところで旧正月を過ごそう」と呼びかけている。そんな中、中国国内の長距離旅行の各種予約にどのような影響がみられるだろうか。

 一部のオンライン旅行関連プラットフォームを見てみたところ、春節期間中、北京を出発し、三亜、上海、昆明、成都などの人気観光都市に向かう航空券の価格が大幅に値下がりしており、一部路線は最低価格が正規運賃の1割まで低下した。最近、多くの省・自治区・直轄市が「今いるところで旧正月を過ごそう」と呼びかけると、国内の長距離旅行の問い合わせ件数は目に見えて減少し、航空券やホテルの中には大幅な値引きをするところが出てきた。

 旅行サイト・携程の公共事務部の付茜茜マネージャーは、「当社のプラットフォームで確認できたデータによると、今年の春節期間には、全国の複数の地域で航空券価格が低下傾向にあり、これには一部の人気観光都市も含まれる。北京発・成都行きの航空券は低下幅が48%に達し、ほかの多くの地域の航空券価格も高速鉄道やそれ以外の鉄道の二等席よりもはるかに安くなっている」と述べた。

 業界関係者によると、1年に及ぶ感染症対策の常態化を経て、中国の観光客はより安全で健康面のリスクのない移動スタイルを試そうと考えるようになり、海外旅行や長距離旅行には気軽に行けない状況の中、地元や周辺観光の人気が急速に高まっている。携程が最近発表した報告では、ユーザーの最新の検索行動を分析した結果、「今いるところで旧正月を過ごそう」が上昇率260%で急上昇し、人気検索ワードのうち「地元で出かける」が40%を占めたことがわかったという。

 付さんは、「地元と周辺のこぢんまりした景色のよい観光地が春節旅行で一番人気があり、南方でも北方でもスキーと温泉の検索件数が多い」と述べた。

 業界関係者は、「観光産業はより多くのモデル転換を遂げ、新たな業態を開拓して、複合的収入を増やす必要があるかもしれない。たとえば周辺やアウトドアの短距離旅行などだ」との見方を示した。

NEWS3 中国の外資導入は流れに逆らって増加 20年は世界最多



 国連貿易開発会議(UNCTAD。本部はスイス・ジュネーブ)が現地時間の24日に発表した報告書「世界投資トレンドモニター」によると、英国、イタリア、ロシア、ドイツ、ブラジル、米国に流入した海外からの直接投資(FDI)が急速に減少したという。UNCTADの投資・企業担当局の詹暁寧局長は取材に答える中で、「2020年の中国は外資導入額が流れに逆らって増加し、米国を抜き世界最大の外資流入国になった。20年に米国に流入した外資は49%減少して、1340億ドル(1ドルは約103.7円)になり、英国、ドイツ、日本の多国籍企業の対米投資の減少幅が最も大きかった。世界中に広がった新型コロナウイルス感染症と英国の欧州連合離脱(プレグジット)の二重の影響により、英国に流入した外資は19年の450億ドルが20年は13億ドルに減少した」と述べた。

 詹氏は、「ここ数年、中国に流入する外資は安定した増加傾向が続き、感染症の発生後、中国経済は他国に先駆けて回復して成長を遂げ、外資誘致の注目点になり、さらに地域的な包括的経済連携(RCEP)協定と中国・EU投資協定も投資家に信頼感を与えた。20年に中国は感染症がもたらした深刻な打撃への対応に成功し、世界で国境を越えた直接投資が大幅に減少する背景の中、通年の外資導入額が流れに逆らって増加した。UNCTADの試算では、20年の中国の実行ベース外資導入額は前年比4%増の1630億ドルに達し、外資流入の規模が過去最高を更新した。中国の外資導入が世界に占める割合も大幅に上昇し、すでに19%にも達している」と述べた。

NEWS4 感染症の中 年度末ボーナスは支給される?どれくらい?


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 新型コロナウイルス感染症の影響の中、企業は2020年の年度末ボーナスを支給するだろうか。支給するならどのように支給するのか。ヒューマンリソースの専門機関である中智上海が20日に発表した「2020年企業年度末ボーナス支給計画調査研究報告」によると、調査に回答した企業の70%以上が「年度末ボーナスを支給する」と答え、40%が「支給額は前年より増加する」とし、増加率は10%以内というところが多かった。20年の市場全体の水準からみると、企業の年度末ボーナスの平均は2万1千元(1元は約16.0円)となった。



 同報告書によれば、企業の年度末ボーナス支給はその年の業績と密接な関係がある。調査結果からみると、70%以上の企業が「20年の業績達成率は80%以上」と答えており、目標を達成または基本的に達成したという。

 年度末ボーナス支給については、73%が「支給する」とし、5%が「支給しない」、23%が「様子を見る」とした。様子見をする主な原因は「業績が予想を下回ったから」、「企業の資金やコストにかかる圧力が大きいから」などだった。

 20年の市場全体の水準からみると、企業の年度末ボーナスの平均は2万1千元となった。企業規模別にみると、従業員1千人以上の大型企業は平均支給額が最も高く3万元を超え、500-999人の中型企業はやや低く1万8千元だった。

 年度末ボーナスは2月に支給されるところが多い。調査結果によると、84%の企業が「1回で支給する」とし、「2回以上に分けて支給する」は16%にとどまった。

 20年の年度末ボーナスはいくら支給されるだろうか。

 全体としてみると、20年の企業の支給額は例年より減少しておらず、増加した企業も一部にはある。支給するとした企業のうち、30%以上が「支給額は例年並み」とし、40%は「増加する」とし、増加率が10%以内というところが多かった。「減少する」は20%と少数派だった。



 また同報告書によると、業績が伸びた企業ほどボーナスの総額も増加しており、両者の間には一定の正の相関関係があるという。

 企業の性質別にみると、国有企業の年度末ボーナス支給額は月給の2.1倍にあたり、市場平均をやや上回った。日系企業は1.9倍、欧米企業は1.7倍で、いずれも市場の平均水準に近かった。その一方で、民間企業は1.2倍にとどまり、競争力の低さがうかがえた。

 産業別にみると、年度末ボーナスの産業ごとの変化には大きな違いがあった。金融産業は支給額平均が最高で4万1千元に達し、前年に比べて4%増加した。

 次はハイテク産業の平均3万4千元で、19年に比べて増加幅は6%と高く、各産業のトップに立った。その原因を考察すると、まずハイテク産業の業績が引き続き好調だったことがあり、次にハイテク産業は人材の奪い合いが相対的に激しく、よい人材を誘致し鼓舞し引き留める必要があることから、年度末ボーナス支給額への影響が小幅にとどまったことがある。

 不動産企業の支給額は例年に比べて減少し、減少幅は10%だった。減少幅の大きさは、20年に不動産業が感染症の影響を強く受け、業績が振るわなかったことと関係がある。

 またブルーカラーの年度末ボーナスは16%増加し、営業職はやや減少した。

NEWS5 好きなら買うVS細かく計算 時代がもたらした若者の消費観

最近、若者の消費観をめぐる議論が白熱している。95後(1995年から1999年生まれ)と00後(2000年代生まれ)は盲盒(ブラインドボックス)やスニーカー、流行のトイ、フィギュアなどどんどんお金をつぎ込んでしまうものに夢中になる一方で、損をしたくないので細かく計算して共同購入をしたり価格を比較検討したりし、わずか数元(1元は約16.0円)の送料でさえ払わなくて済むなら払わない。こうした消費観は人々に大きな疑問を抱かせていると同時に、若いネットユーザー自身からも、「当たっている。誰かこっそり家に監視カメラを付けたのでは」との声が上がっている。「中国青年報」が伝えた。

実際にはこうした現象は理解に苦しむものではない。彼らはインターネットの高速発展とともに成長した世代であり、消費高度化のニーズがはっきりしており、一見矛盾しているようにみえる消費観も実際には論理的に整合性があり、日常生活の変化を反映している。

若者は特定の消費分野には思い切ってお金を使う。これは「興味・趣味主導型」の消費観が徐々に流行していることが主な原因だ。詳しくみるとわかるのは、若者のユニークでトレンド重視の消費は単に「ファッションを追いかけ」、「みんなと一緒」を求めているのではなく、往々にして「自分が気に入ったから」という理由だけで消費をしているということだ。ファッションに無頓着な「テクノロジーオタク」も、コンピューターの処理装置(CPU)には最高のスペックを求める。スニーカーをこよなく愛する「スニーカーの達人」は、購入した後で履かずにしまい込んでおく。中国風ファッションの愛好者も大勢いて、流行の服ではなく民族衣装をまとう……好きなものには大金を投入するが、機能重視の消費財には細かくそろばんをはじく、これが95後と00後の消費の大きな特色だ。

こうした消費観は、多様化したニッチなグループの台頭と密接な関係がある。「2020年Z世代(幼いときからネット環境の中で育った世代)消費態度インサイト報告」は、若者の間では「トレンド」、「ヘルスケア」、「ものぐさ系」、「顔面偏差値」、「趣味」、「国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)」が消費に関する最重要のキーワードになり、こうした消費分野はニッチなグループにそれぞれ属しており、インターネット経済における「グループ経済」と関連がある。

 インターネットでは、若者は年齢、所属、家族のつながりと関係なく、純粋に興味や趣味で「グループ」を作ることができるようになった。SNSでつながった大勢の同好の士の中にあって、若者は消費と共有を通じて、自分が所属するグループへの帰属意識やグループの「ラベル」を絶えず強化する。こうした小規模でニッチな文化が新しいパワーとして突如現れ、若者の多様な消費の注目点を形成する。ここ数年、各グループの間にある壁が次々に打ち破られ、ニッチ市場の消費が大衆化し、徐々にネット経済を支える柱の1つになってきた。

 それでは、好きなもののためなら気前よくお金を使う若者は、なぜ共同購入や一定額に達したら割引きするサービスで少しでも節約しようとするのか。

 消費観の変化は、実は新技術の登場と深い関係にある。新技術の登場によって、各種の評価サイトが先を争い、「ネット人気店」に多くのユーザーを引き付け、購買意欲をあおっている。「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)では企業が「キャッシュバックの大規模キャンペーン」を打ち出し、一定額で割引き、「紅包(ラッキーマネー、キャッシュバック)」などさまざまなサービスがあふれた。美団や拼多多などの共同購入アプリが盛んになり、共同購入型消費が注目を集める。ネット店舗はお得感を強調し、若者を少額出費に対してより敏感にさせ、細かい出費は「節約しないと損だ」という気持ちにさせる。つまるところ、若者の出費と節約は、インターネットの中の彼らの生存状態をある程度反映したものだ。

 より広い視点で考えると、若い者に特有な消費の特徴は、中国の個人消費のモデル転換・高度化の一部分だ。生活条件がさらによくなり、選択肢がより多くなり、素晴らしい生活への追求もそれにつれて高まった。マズローの「自己実現理論」によると、人間の欲求には5段階あるという。これを踏まえると若者の消費は主に「社会的欲求」と「自己実現の欲求」に基づく。こうした消費ニーズを満たすには、着実で豊かで物質的な現実に根ざした基礎が必要だ。若者は消費においてますます「勇敢」になっており、これは実は質の高い発展が消費高度化を推進するプロセスにほかならない。

 人々が盛んに賞賛する若者の消費における「普通ではない行動」は、実は時代の発展がもたらした必然的な産物に過ぎない。若者の「理解に苦しむ」ようにみえる「爆買い」も「ケチケチぶり」も、実際には時代と共に生きる中で自然に現れてきた現象だといえる。

NEWS6 【中国キーワード】可愛いことにお金を払う「萌え経済」はどこまで発展?



 「萌え」は単なる好きや趣味の問題ではなく、生産力でもある。携帯電話のケースからお菓子の包み紙まで、おもちゃやぬいぐるみから「猫爪グラス」まで、「萌え経済」がひっそりと台頭し、新たな経済の業態の1つになっている。

 「萌え文化」から生まれた「萌え経済」

 「萌え経済」は一連の萌え商品から派生した経済行為だ。メーカーは売り上げを伸ばすため、漫画・アニメのキャラクターをパッケージに印刷して、消費者の購買意欲をそそる。

 「ピカチュウはすごく萌える。テレビ・映画でみる性格もすごく可愛いし、一日中働いて家に帰ってピカチュウをみると心が満たされる」。消費者からこのような声が聞こえる。データによると、過去20数年間に、ピカチュウを代表とするポケモンシリーズの知的財産権の所有者は、グッズの販売やライセンスビジネスなどで、累計900億ドル(1ドルは約103.4円)以上の利益を得ており、映画・テレビ・漫画・アニメ・ゲーム類のキャラクターのトップに立っているという。小さなピカチュウがこれほどの大金を稼ぐ原因を考えると、ピカチュウの背後にある「萌え文化」とそこから派生した「萌え経済」にたどり着く。

 日本の「萌え経済」が世界を席巻

 「萌え経済」は「萌え文化」から派生したものだ。一般的に、「萌え文化」は日本のアニメ・漫画に起源し、徐々に都市文化のトレンドになったと考えられている。

 新型コロナウイルス感染症が発生した2020年には、各業界が打撃を受けたが、漫画、アニメ、ゲームを土台とする日本のキャラクター市場の規模は2兆5千億円に迫り、その大部分が知財権のもたらした利益(キャラクターのライセンス、ブランドとのコラボ、リメイク)とグッズ化(周辺グッズ)による利益だった。

 日本のアニメ・漫画・ゲーム産業(ACG産業)は「老いも若きも楽しめるもの」とされている。80歳の高齢者が漫画・アニメを見たくてネット通販をマスターし、携帯電話ゲームで遊ぶ人の3分の2が中高年だ。こうしたことから、日本の高齢者の間でキャラクター産業がどれほど受け入れられているかがわかる。日本の1千万人を超えるオタクのACG文化への傾倒ぶりをみると、文字通り「全身全霊を傾けて」おり、新しいキャラクター、プラモデル、フィギュアのためなら、喜んで高額の時間的コストや経済的コストを支払う。

 日本のキャラクター産業の市場規模の大きさは、国民全体の所得水準の高さと大いに関係がある。第二次世界大戦後の経済高度成長とともに、日本は先進国の仲間入りを果たし、国民の平均所得は増加し、消費もこれにともなってモデル転換を果たした。1970年代に、日本社会の消費は大衆的消費から個性を重視する消費へと変化し、多様化、高級化といったトレンドが生まれた。このようなトレンドの中、「かっこいい」、「可愛い」、「萌える」といった記号や要素を備えたアニメ、漫画、ゲームなどの産業が人気を集めた。人口の多い日本の高齢者は「富裕」であることがよく知られており、60代の一人あたり平均貯蓄額は1300万円を超える。資産も余暇もある高齢者は、「趣味の消費」に熱心で、キャラクター産業の繁栄を後押しする上で重要な役割を演じている。

 ACG産業は日本国民の中で絶えずファンを増やし、市場のパイは拡大を続け、ここから日本の二次元文化の発展がうかがえる。世界の中でも、日本の二次元文化には強い動員力がある。今や、インターネットのプラットフォームを利用して、「萌え文化」に関連した消費ブームが世界中を席巻している。

 「萌え経済」はなぜ人気がある?

 「萌え経済」はなぜ人気があるのだろうか。まず、萌えるもの自体にそれぞれの特徴と魅力があり、現代人の審美眼や嗜好に迎合していることだ。「萌え」を主な要素としたスタンプ、至る所にある画像を組み込んだユニークなスタンプが特に人気だ。次に、萌えるものが感情面での満足感を与えてくれることだ。人々は気持ちを萌えるものに託してそこから必要な慰めを得ており、「萌え文化」は可愛らしく、心を安らがせる文化として、現実の暮らしの中で感じるストレスを軽減する「安全弁」になっている。

 中国科学院大学の張増一教授(報道・コミュニケーション学)は、「『萌え文化』が急速に広がり発展した重要な原因の1つは、人々、特に若い人の心理的・感情的な訴求を満たしたことだ。そのため『萌え経済』は消費者の感情的な訴求の満足に基づいた新たなマーケティングスタイルであり、そしてニューメディアの急速な発展も『萌え経済』を後押しした」と述べた。

 「萌え経済」が消費牽引の重要な力に

 この数年間で、「萌え経済」は急速に発展し、消費を牽引する重要な力になった。

 19年の夏、ユニクロと米国のデザイナーのKAWS(カウズ)がコラボレーションした「KAWS:SUMMER」シリーズのTシャツが、ネットで発売されると瞬く間に人気商品になり、実店舗にも熱狂的なファンが押しかけて争奪戦が繰り広げられた。

 同じ19年、スターバックス中国店舗でサクラピンクが華やかな「猫爪グラス」を発売すると、高額であるにもかかわらず、KAWSと同じように若者が争って買い求めた。

 アニメのペッパピッグは16年に11億ドルの小売売上高を達成し、日本・熊本県のPRキャラクターのくまモンは11-13年に68億元の経済効果を生んだ。

 中国の故宮もここ数年で「萌える」ようになり、「萌え経済」の重要な一員になった。1年間で10億元(1元は約16.0円)を稼ぎ出す故宮の「萌えドール」にしても、故宮の伝統的な文化財・モチーフを素材に創作されたシリーズのスタンプにしても、まさに「萌え文化」の力を借りて、600歳の故宮をますます若返らせ、ファッショナブルで親しみやすいものにしている。

 可愛いことにお金を払う「萌え経済」はどこまで発展?

 業界関係者は、「萌えることをビジネスにする道を歩み、『萌え経済』を深く掘り下げるために、できることがたくさんある」と指摘する。それでは「萌え」をめぐるビジネスをどうしたらさらに発展させることができるだろうか。

 張氏は、「業者と企業は『萌え』をめぐるビジネスと体験型消費を結びつけ、消費者との双方向交流を重視し、顧客の参加を呼び込むとよい。特にニューメディアを通じてエンターテインメント化したマーケティングを展開し、顧客がマーケティングの過程に主体的に参加するようにするとよい」とアドバイスした。

 張氏によると、「消費者と商品の間で気持ちが通い合うと、消費者はマーケティング活動に反発を感じなくなるだけでなく、逆に極めて強い熱意をもって参加し、商品を伝えようという気持ちになる。この状態が長く続くと、消費者の萌えるものに対するロイヤリティーが積み上がり、顧客ロイヤリティが増大する。業者もこのチャンスを利用して商品のブランド文化を育成し、消費者を集めて、一種のコミュニティへの帰属感を生み出させるようにし、さらには商品のPR・消費へ主体的に取り組むようにさせるとよい」という。

 「萌え経済」の中で、ある業界関係者が最も期待するのはアニメ・漫画の発展のポテンシャルだ。同関係者は、「アニメ・漫画はクリエイティブ産業の中で極めて創造力に富んだ、新時代の消費の審美眼や嗜好に非常に密着した新興のクリエイティブ産業だ」と指摘した。

 同関係者は続けて、「クリエイティブ産業やデジタルクリエイティブ産業の最もコアな資産はやはり知的財産権であり、アニメ・漫画産業は典型的な知財権創造型の産業だ。アニメ・漫画は生み出したイメージであれ、その世界観に基づいて語られるストーリーであれ、実際にはすべてが最も典型的な知財権だ。アニメ・漫画産業は知財権をめぐって、長い産業チェーンを形成することができる。すべてのクリエイティブ産業の中で、関連グッズの開発が最も上手に行われているのがアニメ・漫画産業だ。そこには非常に明確な知財権があり、周辺グッズの製造や派生商品の開発が相対的に最も成熟し、最も円滑に行われている」と述べた。

 また張氏は、「商品がちょっと萌えるだけでは物足りない。商品の品質こそ生命線であることをはっきり認識しなければならない。心を込めて商品を作ってこそ、長く人気を保っていける。品質で努力しなければ、萌えるビジネスが本末転倒なことになってしまう」と注意を促した。

NEWS7 2021年年越しの10大トレンド! 宅配便式正月用品など



 天猫(Tmall)は19日、2021年度10大春節(旧正月、今年は2月12日)年越しトレンドを発表した。それには、「宅配便式年越し用品」や「間歇式親孝行」、「委託式ペットの世話」、「寝転がり式家事」、「クラウド端末式集まり」、「お気楽式ダイエット」などがある。

 こうしたトレンドには年越しのスタイルと風習の変化の流れが反映されている。

 「宅配便式年越し用品がなんと言ってもトレンドにぴったり」と言うネットユーザーがいる。「宅配便がなければ年を越せない」と言うのはネットユーザーの葉子さん。インターネットでの年越し用品の購入は、今の若者が年越しムードを味わう時の一種のトレンドになっており、年越し用品が配達されて到着すると年越しムードがさらに盛り上がる。

 今年は順豊、申通、圓通など多くの宅配便企業が、春節期間にストップすることはないとしている。ネットユーザーの今天上弦月さんは、「今年の春節は(宅配便がストップしないので)安心して買い物できる。年越し用品はすべて宅配便で揃える」とコメントした。

 このほか、「間歇式親孝行」も多くのネットユーザーの心に「刺さった」。この「間歇式親孝行」とは、長い間故郷を離れている出稼ぎ労働者が、年越しに贈り物をして親孝行の気持ちを表し、一年間の不在の埋め合わせをすることを指す。多くのネットユーザーから、「今年は仕事先で年越しをして、(新型コロナウイルス感染症への対応で大変だった)国に迷惑をかけないようにする。でも1年も両親に会えていないので、贈り物を送って親孝行するしかなかった」といった声が上がった。「でも、できれば『間歇式親孝行』ではなくて、『持続的親孝行』をしたほうがいいけどね」とコメントするネットユーザーもいた。

 「クラウド端末式集まり」も多くのネットユーザーの反響を呼び、「その通り!うなずかざるを得ない」といった声が上がる。昨年に新型コロナウイルス感染症が流行し始めると、人々の年越しスタイルが変わり、実際に顔を合わせて集まることをあきらめ、人々は相次いで動画や音声でつながる方法を選び、クラウドの集まりで旧交を暖めるようになった。距離はできたが、心が離れることはなかった。

 また今年は多くの注目ワードも10大トレンドに登場した。たとえば「5G式年越し」がある。過去1年間、全国各地に5G基地局が次々建設され、5G通信が普通の人にとって身近なものになり、携帯電話の料金プランを5Gパックに切り替える人が続出した。今度の年越しは5Gのバックアップを受けて、画面がフリーズすることも通信が途切れることもなく親しい人とつながることができるだろう。

NEWS8 TikTokペイがリリース アプリ内で使用可能に

 中国の動画共有アプリ「抖音」(TikTok、ティックトック)のモバイル決済サービス「TikTokペイ」が19日にリリースされた。TikTokアプリ内でのショッピングで、支付宝(アリペイ)と微信(WeChat)ペイのほか、TikTokペイでも決済ができるようになった。「北京日報」が伝えた。

 現在、TikTokペイは中国10銀行の銀行カードと紐付けできる。

 TikTokの親会社の字節跳動(バイトダンス)は2020年8月に武漢合衆易宝科技有限公司の買収を完了し、決済業務の営業許可証を取得すると、独自の決済サービスリリースへとペースを明らかに加速させていた。

 業界の専門家は、「バイトダンスは中国国内最大規模のフローのプールをもつようになると、広告のみに依拠した現金化モデルにばかり頼りたくないと考え、他の可能性を探すようになった。ECが張一鳴CEOの出した答えだった」と話した。

 18年の始め、バイトダンスはECサービスツール「放心購」を打ち出した。同じ年には、TikTokの小型店舗機能をリリースした。——小型店舗機能は現在、Tiktokのライブコマースにおける最重要の取り引きルートになっている。

 長らく、中国国内のモバイル決済市場は微信と支付宝がほぼ二分し、それ以外の参入者はほとんどシェアを獲得できなかった。前瞻産業研究院のまとめたデータでは、19年第4四半期(10-12月)の時点で、支付宝の市場シェアは55.10%に達し、微信の財付通(テンペイ)のシェアは38.9%で、3番目の「その他」のシェアはわずか6%だった。——このわずかな6%をよりどころに、京東支付、壹銭包やその他の決済市場のプレイヤーは寄り集まって対抗するしかなかった。TikTokペイの参入でこうした構造が変わるかどうか見守っていきたい。

NEWS9 【中国キーワード】寒波襲来で「ホット経済」が温度上昇 消費の新トレンドを反映



 冬になり、中国全土がシベリア地方からの寒気に包まれ、多くの地域で気温が急降下した。激しい冷え込みは一部のビジネスに火を付け、今、あたたかさを追求する「ホット経済」がヒートアップしている。

 「ホット経済」が消費の新トレンドを反映

 最近、インスタント火鍋がネットで話題の大ヒット商品になり、昨年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には相当の売上を達成したほか、テクノロジーで温度調節が可能なダウンウェアも人気で、たくさんの人の間で「寒さを防ぐ神グッズ」のようになっている。このほか小型のファンヒーター、充電もできるカイロ、温かいマウスパッドなど、仕事中に使える小型家電もホワイトカラーや若者に人気だ……食べ物から着るもの、使うものまで、企業は「寒波が運んできたチャンス」をがっちりつかみ、あたたかさを掲げた商品を大量に売り出し、寒さが厳しさを増す中で、「ホット経済」はかえってどんどん熱を帯びる。従来の商品が新技術や新ルートの力を借りて、人々の日常生活に新たに入り込んだ。

 ネットショッピングの習慣ある若者世代に暖を取るグッズの需要

 ECプラットフォームでは暖を取るグッズが売り上げのピークを迎えており、消費者が例年よりも冬の寒さを避けようしていることがわかる。過去2週間の輸入の電気暖房設備の売上高は前年に比べて230%増加した。カイロは同87%増加し、輸入ダウンウェアは同45%増加した。

 暖房設備の整った北方の人に比べ、湿り気のある寒さの南方の人々が「暖を取る神グッズ」の主力購買層だ。天猫国際(Tmallグローバル)では、上海、広州、杭州、深センの消費者が暖を取るグッズを最もよく購入し、上海のホワイトカラー女性はアロマカイロを最も好み、広東の男性消費者は布団温風機を愛用するという。

 暮らしがますます細やかになり、オンラインで販売される輸入の「暖を取る神グッズ」も進化と高度化を続け、新製品が次々に登場する。暖を取るためのカイロと香りを楽しむアロマオイルが合体し、電気毛布が水洗いできるようになり、布団乾燥機で予約した時間にベッドを温められるようになり、オフィスのデスクにあるスピーカーはなんとファンヒーターといった具合に、さまざまな進化・高度化がある。

 天猫国際の関係責任者は、「世代の違いと消費観念の違いが消費者の暖を取るグッズの選択に影響する。上の世代に比べ、若い人は新しい商品をいろいろ試してみたがり、外観と性能への要求が高い。健康・セルフケアの観念が広がり、抗菌や防ダニといった機能を備えたグッズがより人気だ」と話した。

 中国市場を奪い合う海外ブランド

 防ダニ機能、スマート温度調節機能がある水洗い可能な輸入電気毛布が、今年の冬は目に見えて売り上げを伸ばしている。日本のSrueブランドの関係責任者は、「これまで発熱素材の電気毛布というのが一般的だったが、さらに高度化するために発熱する素材グラフェンを使用し、さわり心地と体に触れた時の感じを向上させ、さらに水洗いできる便利な機能も加えた。この商品は12月に天猫国際で売り出されると一時売り切れになり、この2週間は寒波襲来でさらに売り上げが大幅に伸びている」と話した。

 昔からあるダウンウェアが「布団化」しており、より厚くより長いビッグシルエットが最も人気がある。過去2週間、天猫国際の輸入ダウンウェアの売上高は60%以上増加し、オーバーサイズデザインの韓国ブランドが95後(1995年から1999年生まれ)に特に人気だ。

 実際、越境ECプラットフォームで新品目を育て、新商品を試すのが、多くの海外ブランドが中国市場を開拓する時の重要な手段になっている。「ホット経済」の下で高度化する消費ニーズに応えるため、暖を取るグッズの輸入ブランドは天猫国際を中国市場で最初に進出するプラットフォームだと相次いで考えるようになった。

 データをみると、過去1年間に、天猫国際への海外新ブランド進出ペースは同125%上昇し、新たに発売された輸入新製品は同130%増加した。現在、世界の84ヶ国・地域の海外ブランド2万6千以上が天猫国際に進出し、5300種類以上の品目をカバーし、そのうち8割以上が中国初進出のブランドだ。

 商業施設、外食、銭湯など多くの業界で「ホット経済」がヒートアップ

 グッズだけでなく、商業施設、外食、銭湯など複数の業界もヒートアップしている。

 業界関係者によると、「一般的に言って、女性は温泉とサウナが好きで、男性は湯船に入るのを好み、家族そろって銭湯に行く人もいる。子どもは家にじっとしていられないが、外に出るととても寒いので、週末にみんなで銭湯に行って、一風呂浴びようかということになる」という。昔ながらの銭湯では、女性より男性が明らかに多い。江蘇省揚州市の連運団地の近くに位置する銭湯のオーナーは、「(最近)うちにくるお客様は昨年10月頃に比べて30%増と目に見えて増加した。やはり隣近所の住民たちが中心だ」と話した。

 各大手総合型商業施設は飲食から娯楽までわんワンストップ式のサービスを提供するため、週末ともなると人であふれかえる。揚州のある商業施設の企画部責任者は、「当店にはたくさんのお客様が来るので、セールスプロモーションをしているファストファッションブランドなどでは、試着室に入るのにも列に並ばなければならない状態だ。今は冬物衣料が一番売れる時期で、ダウンウェアが人気だ。冬物のサイズがそろわなくなったり、売り切れたりしているブランドも一部あるが、今は冬物を買うのに一年で一番いい時期だ」と話した。

 暖かい服の次は、温かいもので腹を満たすことが重要だ。衣から食まで、「ホット経済」の影響は随所に見られ、火鍋を食べる人がどんどん増えている。北京市の大手スーパーの従業員は、「気温が下がってから、毎日牛肉・羊肉のスライスパックが何百個も売れている。冬は羊肉がよく売れるシーズンで、寒くなればなるほど、牛肉も羊肉もよく売れる。今年は羊肉がかなり値上がりしている。山東省、甘粛省、内蒙古(内モンゴル)自治区などでは、昨年に比べて30%以上も値上がりし、値上がり幅は5年ぶりの最高を更新した」と話した。

 外で火鍋を食べようと思えば、まず最初に思い切って家から出なければならない。寒くて外には出たくないという「食いしん坊」は、今年の冬はインスタント火鍋に手を出すことになる。「ダブル11」に453万食分を売り上げたという数字から、その人気のほどがうかがえる。蘇寧のビッグデータでは、寒くなってからの昨年12月5-7日には、インスタント火鍋の売り上げが60%増加したという。

 保温インナーが海外で大ヒット 海を渡る「ホット経済」

 「成長とは自分で保温インナーを着るようになったこと」などと言われるように、北風が厳しく吹き付けるようになると、保温インナーをはじめとする基本的な防寒着の売り上げがみるみる増加した。驚いたことに、保温インナーは中国国内で大人気になっているだけでなく、海外市場でも一角を占めていることだ。阿里巴巴(アリババ)傘下の速売通(アリエクスプレス)のデータをみると、今年の「ブラックフライデー」には、速売通での保温インナーの取り引きは前年比130%以上増加した。このうちロシアの消費者は高い消費力で保温インナーへの愛をうかがわせ、「ダブル11」には約1万7千着を購入しただけでなく、「ブラックフライデー」の注文内容からは、保温インナーだけでなくボアや厚みのある衣類を特に好んで購入していることもわかる。

 今年の寒波は特に厳しく、オランダ、ベラルーシ、リトアニア、カザフスタンの消費者も次々に「保温インナー」の輪に加わった。フランスとウクライナでは売り上げが去年の3倍になり、米国消費者の取引額の増加率は160%を超えた。

 北京展覧館で行われた毛皮の展示即売会も黒山の人だかりだった。会場にいた楊さんは防寒用に毛皮の帽子を買いに来たという。どうやら、今年の寒さでダウンウェアの売り上げが伸びただけでなく、保温機能のある服飾品も広く人気になったようだ。黒竜江省黒河市の毛皮帽子メーカーの話によると、昨年12月以降、売り上げがかなり増加し、自社工場はあるものの供給が需要に追いつかない状態だという。

NEWS10 【イラストで知ろう!イマドキ中国】 寒い冬だから

 今年の北京は1月初旬、1966年以降初となる最低気温マイナス19.3度を記録する冷え込みとなり、中国各地でも程度の差こそあれ、厳しい寒さとなった。そんな寒い冬を中国の人々はどんなふうに過ごしているのだろうか?冬ならではの食べ物や遊びとは?今回はそんな中国の冬の過ごし方について紹介していこう!人民網が伝えた。



暖房器具にみる中国

 広大な中国において、冬の過ごし方は南北で大きく異なる。北方エリアには「暖気」と呼ばれる団地やエリアごとのセントラルヒーティングシステムが提供されており、北京市を例にすると、毎年11月15日から3月15日くらいまで提供される。戸外は凍てつく寒さだが、家の中に一歩入ればポカポカどころか半そででもOK!というほどの暖かさに包まれることになる。

 一方の南方エリアには統一的な暖房システムは無く、日本のような各家庭における暖房器具を使用することになる。南方といっても冬場になれば最低気温が零下に達する地域もあり、また北方よりも湿度が高く、底冷えのする地域も少なくない。そのため、毎年寒くなりだすと話題に上る「今年話題の暖房グッズ」の多くは実は南方エリアの人々が買い求めていると言っても過言ではない。



寒い時に食べるのは?

 寒い時に欲しくなるのは熱々の鍋だったり、ホカホカの焼き芋に、ほっと一息つけるホットドリンクなど。中医学的にも体を温める食材の羊肉を使ったしゃぶしゃぶなどは北京の冬の名物であり、まさにこの時期にピッタリな料理と言えるだろう。

 しかし、1月の平均気温はマイナス19度という黒竜江省哈爾浜(ハルビン)の場合、寒い冬にはアイス!なのだ。当然ながら戸外の気温が冷凍庫並みなので、外にそのまま並べて売られているという。この他にも「凍果」と呼ばれる凍らせた(というか、外に置いておいたら凍ってしまった?)果物なども東北地方の冬の名物だ。



バラエティ豊かな冬の遊び

 2022年の北京冬季五輪誘致が決まってから、中国はウィンタースポーツの振興に国を挙げて取り組んできた。こうした動きを受け、ここ数年、スキーがにわかに注目を集めるスポーツとなっている。しかし、こうしたウィンタースポーツだけでなく、北方エリアには手作り感満載な冬の遊びもたくさんある。

 北京でも年が明けて、一段と冷え込むようになると、市内の湖などが天然のスケートリンクとなり、あちこちで氷上スポーツを楽しむ姿を目にすることができる。自転車を改造したタイプや、椅子タイプの氷上ソリ「冰車」などは、誰でも楽しむことのできる乗り物。また東北エリアには「単腿驢」という名のまるでスケート靴のような構造の氷上ソリもある。

 しかし、セントラルヒーティングも防寒グッズも無かった昔の人々は、冬至から9回9日が過ぎたら、つまり81日過ぎたら春がやって来ると、梅の絵や文字バージョンの「九九消寒図」を一筆ずつ色塗りしたり、筆を入れながら、春を待ちわびていた。数年前にはそんな昔の人々の優雅な楽しみを再現した「九九消寒図」を故宮出版社が発売したところ、売り切れになるほどの人気を集め、新たな冬の楽しみの一つとなっている。

 年明け後も新型コロナウイルス感染症流行拡大の勢いは衰えておらず、まだまだ感染対策に気の抜けない日々が続いているが、しっかりと防寒対策をして、食べ物や体調管理に気を付け、冬ならではの遊びも楽しみながら、暖かい春の訪れを待とう!(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。



 人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。


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