銘・精選

NEWS1 中国の対外貿易輸出が急速に回復安定


2020年12月11日、浙江省台州市の欧路莎股フン有限公司(フンはにんべんに分)の生産現場はフル稼働で、作業員が市場に投入するスマートバス製品の取り付け・調整作業を行っていた様子。(撮影・蒋友青)


 2021年の元旦、浙江省の対外貿易仲介業者の謝勇さんは残業でずっと働きづめだった。人民日報が伝えた。

 「対外貿易の受注が3月分、4月分までいっぱいで、ここ数日はさらに海外の顧客からしょっちゅう電話がかかってきて、本当に忙しい!」。同省台州市にある台州正立電機有限公司の製品販売業者である謝さんは、対外貿易の輸出が急速に回復し安定に向かう様子を肌で感じるという。

 今、台州で多忙を極める販売業者は謝さんの一社だけではない。台州税関が最近まとめた統計データを見ると、2020年第1-3四半期(1-9月)に、同市の中小規模対外貿易企業(輸出規模1億元以下の対外貿易企業、1元は約16.1円)の輸出成長率は、第1四半期がマイナス20.3%、第2四半期が0.6%、第3四半期が1.9%だった。第1四半期は大幅に減少したが、第2四半期は下げ止まって安定に向かい、第3四半期は安定して回復上昇し、11月には輸出総額と輸出成長率が20年の最高を更新し、総額は89億9千万元、成長率は49.6%になった。

 税関総署がこのほど発表したデータでは、20年11月の中国対外貿易輸出は前年同期比21.1%増加し、1-11月の物品貿易輸出入額は同1.8%増の29兆元を超えた。実際、20年9月以降、中国の物品貿易輸出入額は3ヶ月連続でプラス成長を維持し、下ぶれからの転換に成功し、予想をはるかに上回る好調さだった。

 同市三門県で自動車の減震装置の販売代理店を経営する代紅軍さんは取材に、「当社は欧米など100数ヶ国・地域に販売業者がいて、こうした業者のために受注・製造の状況をいち早く把握するようにするため、24時間対応のサービスホットラインを特に開設して、注文の問い合わせに応じている。20年7月から、当社では対外貿易の受注が増えている。8月から現在まで、基本的に毎月50%前後の成長率が続いた。すでに受けた注文で数ヶ月先まで埋まっている」と話した。


2020年7月12日、対外貿易の貨物船が浙江省台州市温嶺の龍門港でコンテナを積んでいるところ。(撮影・劉振清)


 取材の中で、多くの販売業者が、「20年全体の販売業績を振り返ると、年度末の対外貿易の回復により年初の業績低下による損失は穴埋めされた。通年の状況は、ほぼ例年並みだった」との見方を示した。対外貿易のビジネスが急速に回復したことについては、「全体としてやはり中国国内で新型コロナウイルス感染症対策が大きな成果を上げたこと、企業活動・生産活動が急速に回復したことなどに帰結するだろう」とした。

 この半年あまりの間に、販売業者の李一方さんが最も強く感じたことは、ビジネス商談が変わったということだった。これまではしょっちゅう飛行機で飛び回り、あちこち出かけて顧客と対面して交渉し、そうして契約を取り付けてきた。それが今では商談スタイルがオフラインからオンラインへ変わり、インターネット経由で商談するようになった。「ネットでの商談は、便利でスピードも速いし、誠意を欠くということもない」という。

 李さんが利益を受けているものに、台州市が最近進めている「インターネット+対外貿易」スタイルがある。同市は「クラウド展示会」、「クラウド商談」、「クラウドマッチング」などの方法で、対外貿易企業の市場開拓と注文獲得を支援し、販売の各段階における感染症の影響を軽減した。20年にはオンライン展示会を47回実施し、「台州クラウド展示会プラットフォーム」を立ち上げ、これまでに600社を超える企業が参加し、地域のブランドの紹介、グローバル調達、オンライン商談などの機能を集めて一体化した総合型展示会プラットフォームを構築した。

 同市は新業態・新スタイルを上手に利用するほか、専門の調整メカニズムも構築し、輸出専門チームを立ち上げ、輸出関連のさまざまな作業を統一的に計画した。また最近複数の措置を打ち出し、販売の流れをスムーズにし、通関を最適化し、信用保証をバックアップするなどの各方面から着手して、対外貿易の発展を後押しした。複数の企業オーナーと取次業者が、「販売面のさまざまな問題が解決されたので、貨物がスムーズに輸出できるようになり、このことが最近の対外貿易の回復を後押しする役割を果たした」との見方を示した。

NEWS2 WHOが中国製ワクチン2種類を評価中 「緊急使用リスト」入りを検討

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は今月11日に行われた定例記者会見で、「WHOのチームは現在、中国医薬集団総公司(国薬)および中国科興公司と協力し、両社が開発した新型コロナウイルスワクチンが品質と生産の国際規範に合致するかどうかの評価を踏まえて、WHO緊急使用リストに加えることを検討している」と述べた。人民日報アプリが伝えた。

 テドロス氏は、「来週行われるWHOの執行委員会で、各国が『COVAXファシリティ』の中で行った約束を履行するよう奨励し、国際社会に将来の100日間に共に努力するよう呼びかけ、すべての国の医療従事者と高リスク層に対する新型コロナウイルスワクチンの接種をスタートさせる。同時に、WHOは世界の新型コロナウイルスワクチンに関係のある製薬会社が必要なデータを迅速に提供し、WHOの審査承認を受けるよう要請し、その上で関連の新型コロナウイルスワクチンを緊急使用リストに加える」と述べた。

 すでに多くの国が中国企業の開発した新型コロナウイルスワクチンを承認したり、中国との間でワクチン調達合意を結んだりして、自国民がワクチンを接種して免疫を獲得できるよう準備を始めている。

NEWS3 サプライズをもたらすブラインドボックス ほしいのはワクワク感か


2020年10月12日、陝西省西安市のショッピングセンターに設けられた専用の売り場で販売されるブラインドボックス(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)。


 「パカッ」という音とともに、西安市(陝西省)のホワイトカラーの馮嘉さんは「盲盒(ブラインドボックス)」を開けた。入っていたおもちゃの人形はほしかった種類ではなかったので、ちょっとがっかりした。机の上には大小様々なおもちゃが何十個も並び、すべて最近の「戦利品」だという。中国新聞網が伝えた。

 馮さんは、「でもブラインドボックスってこういうもの。ワクワク、ドキドキした気持ちは蓋を開けた瞬間に消えてなくなるし、期待通りにならないことが多いけれど、このワクワク感はやめられない。新型コロナウイルス感染症の流行中には、集まりなど人との関わりが一時ストップしたので、時々ブラインドボックスを買って開けてみるようになった。頑張っている自分へのご褒美だ」と話した。

 ブラインドボックスとは、箱の中にランダムに物が入った商品で、消費者は開けるまで何が入っているかわからない。大陸部の80後(1980年代生まれ)や90後(1990年代生まれ)が熱中したカード集めやカプセルトイ(ガチャガチャ)、最近の口紅やおもちゃ、さらには本や考古学グッズなど、さまざまなジャンルのブラインドボックスがあり、「すべての物はみなブラインドボックスになる」が消費者の注目を集めるキャッチフレーズになっている。

 ブラインドボックスの単価は数十元(1元は約16.1円)前後と高くないが、欲しいものを手に入れたり、全種類そろえたりするのは簡単ではない。そこで、中古品プラットフォームで高値で買い求める人も多い。あるショッピングサイトのデータによれば、2019年にはユーザー約20万人の1人あたりブラインドボックス平均購入金額が2万元を超えただけでなく、100万元近く使った人もいたという。

 雷暁宇さん(24)は、「ブラインドボックスの世界は海のように深い。そこに入り込むと、もう貯金はできなくなる。今の自分の給料では家や自動車などは買おうと思っても買えない。でも、数十元あれば買えるブラインドボックスは、たくさんの楽しみを与えてくれる」と話した。

 社会のリズムが加速するにつれ、多くの人にとって小さなブラインドボックスがもたらす謎めいた感じや達成感が、生活にかかるストレスを緩和する上で一定の効果を上げることになった。このことは購入意欲をかき立てる主な要因でもある。こうした流れの中、ブラインドボックスの販売を手がけるポップマート社は2020年末に香港で上場を果たし、初日の時価総額は1千億香港ドル(1香港ドルは約13.4円)を超えた。

 ブラインドボックス市場はますます盛んになっているが、ベテラン愛好者の董飛さんはブラインドボックスから卒業することを考えている。董さんは、「ブラインドボックスを買うとお金と気力がなくなるだけでなく、使わないものや無駄なものが増えていく。自分の家にはこれまで出てきたいろいろな靴やフィギュアが所狭しと置かれていて、全く使い物にならないものが多い。ブラインドボックスをやめた後は、ジムや旅行に行って生活の質を高めたい」と話した。

 陝西省社会科学院の専門家の王暁勇氏は、「ブラインドボックスは商品でもありゲーム的な要素の強いものでもある。これまでにない新しいスタイルと運試しの要素が、青少年の新奇性を追う心理にぴたりとはまった。ブラインドボックスを開けるときに得られる喜びは、心理的なストレスを解消してくれる。しかし中身を集めるために無計画に購入したり、借金してまで購入したりすれば、逆に困ったことになる。そのため、関連当局がブラインドボックス企業の販売方式を監督・管理する必要があると同時に、若い人も正しい消費観を確立して、自分の経済力に見合った買い方をすべきだ」と述べた。

 「(ブラインドボックスで)欲しい口紅が出るまでやめない。みんな、見ててね」。95後(1995年から1999年生まれ)の王欣蕊さんがSNSにこんな投稿をすると、たちまち議論が起こった。友人から「欲しいのがあるなら、どうしてその口紅を直接買わないの」と聞かれた王さんは「私が買っているのは口紅じゃなくて、自分へのサプライズ」と答えた。

NEWS4 注目される柔軟な雇用 00後の兼業配達員の7割は現役大学生

 新型コロナウイルス感染症が発生すると、ライドシェア大手の滴滴出行のプラットフォームでは8ヶ月間でオンライン配車サービスの運転手が150万人あまり増加した。オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」でも、00後(2000年代生まれ)の大学生1万2千人がデリバリー配達のバイトをするようになった。こうした新しい変化にともなって、「柔軟な雇用」がより多くの注目を集めている。

 従来の意味での「アルバイト」は柔軟な雇用の一形態に過ぎない。中国人民大学労働人事学院の曽湘泉教授は、「柔軟な雇用といえば通常は労働時間、労働報酬、就業場所などについて、従来の正規雇用スタイルまたは標準的な雇用スタイルとは異なった企業の雇用形態の下で働く人の総和を指す。たとえば自営業での雇用、フルタイムの雇用、一時的な雇用、兼業での雇用、遠隔雇用、フリーランスでの雇用、アウトソーシングでの雇用などがある。インターネットデジタル技術プラットフォームは従来の雇用とは異なる雇用形態を大量に生み出した。たとえば汎エンターテインメント型ライブ配信、ゲームのライブ配信、ライブコマース、ネット文学プラットフォームでの雇用などがあり、こうしたプラットフォーム型雇用は柔軟な雇用の最大の特徴だといえる」と説明した。

 生活サービスプラットフォームの美団の来有為副総裁は、「美団では、生活サービス業の新業態が分布する10大分野は、有料の自習室、室内ペットふれあい体験、漢服(伝統的民族衣装)体験館、植毛、ホルムアルデヒド検査、トランポリン、軽美容医療、民泊、密室脱出ゲーム、生鮮食品の小売だ。新業態が多種多様の新職業を生み出した。たとえばペット用パン職人、密室デザイナー、漢服デザイナー、植毛専門医、ミルクティ試飲担当者、デリバリー運営者、整理収納アドバイザー、創客(アイデアを現実に変える人)アドバイザーなどが生まれた」と説明した。

 滴滴の胡成副総裁は、「滴滴では20年2月1日から9月30日までの間に新たに登録された運転手が150万人を超え、従業員が300人くらいの小規模企業5千社に相当する数字だ。調査によれば、感染症後に増えた運転手の約23%は感染症の影響を受けて運転手になったという。統計では、オンライン配車サービスの運転手の63.7%は滴滴プラットフォームが主な収入源だ。その平均年齢は37歳、40%以上が従来型のサービス業出身で、半分以上が一家の主な稼ぎ手であり、70%以上に借金・ローンがあり、80%以上が未成年の子どもや高齢者を養っている」と話した。

 「Eleme」の配達員は平均年齢31歳とさらに若い。うち90後(1990年代生まれ)が47%に達し、95後(1995年から1999年生まれ)が最も急速に増えている。「Eleme」プラットフォームのサービススタッフの20%以上は、この仕事での稼ぎが一家の収入のすべてだ。

 生活サービスに詳しい張程さんは、「現役大学生が空いた時間を利用してデリバリー配達の仕事をするのが、一種の生活スタイルとなりつつある。感染症が発生してからの新たな重要な特徴として、配達員の一層の若年化がある。20年以降、00後の配達員が前年の2倍増加し、00後のバイトの配達員のうち70%は現役の大学生だ。われわれは、若い人がこの仕事を好む最大の要因は労働時間の柔軟さ、自由さにあることを発見した。この点で美団、滴滴の研究成果と似ている」と述べた。

 20年7月、国務院弁公庁は「マルチルートの柔軟な雇用の支持に関する意見」の中で、「柔軟で多様な雇用スタイルは労働者が仕事に就き収入を増やすための重要なルートであり、雇用の新たなルートを開拓し、新たな原動力を育成・発展させる上で重要な役割を果たす」と指摘した。

 曽氏は今後の動向について、「今後は相当多くの専門的な人材が、たとえばコンサルタント、デザイナー、教員、医師などが、こぞって柔軟な雇用を選択するようになるだろう。こうした雇用スタイルの下で、柔軟な雇用の自由度、収入レベル、満足度、幸福感がより高まる可能性がある」との見方を示した。

 人材派遣会社の人瑞人材の創業者で最高経営責任者の張建国氏は、「柔軟な雇用の概念はまだ固まっていない。特に実際にオペレーションをする過程では、多くのことがまだ曖昧な状態にある。しかし柔軟な雇用モデルの発展は必然であり、多方面の利益に直接関わるのであり、これには国家の利益、企業の利益、労働者の利益が含まれる。そのため将来の柔軟な雇用の規範化も必然だろう」と述べた。

 曽氏は、「柔軟な雇用を立法作業の内容・計画に盛り込むべきだ。長期的にみて、柔軟な雇用の健全な発展には、国民経済計算、統計測量、法律法規などのレベルで議論が必要であり、これにはどのようにして世界の雇用標準とマッチングさせるかという点も含まれる」と提起した。

NEWS5 【中国キーワード】中国のネットが消費高度化に原動力与える 新たな方向性は?



 2020年には、突如として起こった新型コロナウイルス感染症により、人々の消費習慣は思いがけなく変化した。多くの新興のショッピングスタイルと消費スタイルが普通の人々の暮らしに急速に溶け込む一方で、従来型産業の経営者と従事者はより多くの消費者を呼び込もうと、多くの新しいマーケティングスタイルを試みるようになった。

 オンライン消費が急成長

 蘇寧金融研究院の付一夫シニア研究員は、「20年に入ってから、オンライン消費の活況が消費市場全体の最大の注目点になった。特に第1四半期(1-3月)は感染症の影響で、オフライン消費市場と交通輸送、物流配送が深刻な打撃を受けたが、オンライン消費は全面的に成長し、生鮮EC、オンライン共同購入、オンライン教育、オンライン診療、テレワークなどの新興業態が流れに逆らって次々に成長し、『バラスト』のように消費市場を安定させる重りの役割を果たした」と述べた。

 中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は取材に対し、「20年に入ってから、感染症対策の必要により、実物商品のオンライン消費が増加し、感染症対策と供給保障のバランスを取る上で着実な役割を果たした。ここ数年の間に中国がインターネット消費の発展でしっかりした基盤を築いたことを際立たせると同時に、さらに急速に発展する可能性も示したといえる」と述べた。

 かつてない高まりを見せる健康ニーズ

 新型コロナ感染症は全国民にとって健康・衛生意識を高める「公開レッスン」になり、人々の消費理念を急速に変化させ、健康消費ニーズはかつてない高まりをみせた。

 北京に住む王さんは、「感染症対策の期間中、アルコールや消毒用ウェットティッシュ、ハンドソープ、空気清浄機など、家に健康関連グッズをたくさん買い込んだ。出費は少なくなかったが、自分と家族のために投資したと思っている」と話した。

 民は食をもって天となす。人々は暮らしの中でますます健康な食事を追求するようになり、「加点法と減点法」による飲食の観念が人々の視野に入り、低脂肪、糖質控えめ、栄養価の高い食品がより人気となった。養生という概念はもはや中高年だけの関心事項ではなくなった。調査によれば、90後(1990年代生まれ)の栄養補助食品・サプリメント市場での消費成長率が最も注目を集め、燕の巣、阿膠(生薬の一種)、お茶飲料が特に好まれたという。

 健康関連商品だけではなく、健康関連サービスの人気も高い。オンライン診療の場合、ネットユーザーの約18%が「オンライン受付・診療サービスを利用したことがある」と答えた。各大手プラットフォームが薬を家まで届けるサービスを始めると、チェーン全体に及ぶ健康医療サービスが徐々に出来上がっていった。感染症期間中、健康リスクへの注目度は目に見えて高まり、若者やブルーカラー層、四線以下の都市の市場で健康保険が急速に普及した。

 これと同時に、長時間に家にこもる生活で人と家との距離が縮まり、「ステイホーム」を土台に形成された消費習慣と消費ニーズが増大した。たとえば、仮想現実(VR)技術を利用して、オンラインで不動産を見たり買ったりする習慣が急速に根付いた。また、テクノロジー感と高品質化が居住スペースのバージョンアップの方向性になり、スマートドアやスマートスタンドライト、電動カーテンなどの商品がより多様化した住宅のシーンを作りだした。ほかにも、ペット消費がオンライン全体で1.5倍のペースで勢いよく発展した。

 「おうち経済」が引き続きホットに

 感染症の影響を受けて、外食、映画館、旅行・観光などのオフラインビジネスが大きな打撃を受けた一方で、オンライン経済は逆に発展した。

 まず、オンライン教育が急速に普及した。ユーザーの規模が爆発的に増加し、「知識の充電」が盛んになり、大衆の知識欲が大幅に高まった。調査によれば、80後(1980年代生まれ)はカウンセリング講座とキャリアアップに関わるカリキュラムを特に好み、95後(1995年から1999年生まれ)はデザイン、アニメ、情報技術(IT)関連を特に好んでいる。

 今や硬直的需要となっているテレワークは、人々の生活習慣や働き方を大きく変え、釘釘、騰訊(テンセント)会議を代表とするテレワークプラットフォームが感染症対策と企業活動・生産活動再開で重要な役割を果たし、圧倒的多数の企業・事業機関の業務ニーズに応えた。

 オンラインでの食料品の注文も激増した。さまざまな食料品購入方法が広く伝わり、大手生鮮食品プラットフォームでは野菜、肉・卵類の売り上げが目に見えて増加した。また、旺盛な食料品ニーズがコミュニティの団体購入に火をつけた。データによると、利用者の約4分の1は感染症対策期間に新たに増加したユーザーで、21年のコミュニティ団体購入の市場規模は1200億元(16.1円)を超える見込みだ。

 オンライン文化・娯楽が力強く補完した。オンライン観光、オンライン展示会、オンラインディスコ、オンラインコンサートなどの新たなスタイルが消費の新たなシーンを切り開き、オフラインの活動に参加できない人々の欠乏感を埋めた。クラウド端末を利用し、3D360度映像や拡張現実(AR)、VRなどの技術のサポートを受けて、消費者は知識を学ぶだけでなく、より優れた相互交流の体験をすることもできた。

 中国国際貿易促進委員会研究院の趙萍副院長は、「次世代情報技術の応用と普及にともなって、オンライン消費の新業態・新スタイルが次々登場した。ライブ動画配信を代表とする新業態が商品・サービスのオンライン消費の新たな成長源を生み出し、オンライン消費の高度成長実現を後押しした」と述べた。

 ライブコマースは(情報を)瞬時に(消費に)転化することができ、消費市場の大きな注目点になった。調査会社の天眼査がまとめた統計では、20年にはライブ配信関連企業が2万8千社以上増加し、19年の増加数の5倍に達したという。

 より広範な発展の可能性を迎える

 インターネットの応用がますます広がり、人々の生産や暮らしに深い影響を与えるようになると、中国のオンライン消費発展の可能性も広がると予想される。

 前出の付氏は、「感染症の影響を受けて、オンライン消費の形式と業態に大きな変化が起きた。ライブコマースを例にすると、時間と地域に制約がなく、ライブ配信プラットフォームを通じて、消費ニーズ側と製品・サービス側との高効率のマッチングが可能になり、情報の集積効果で需給間の情報の非対称性の問題を緩和され、経営者の販売コストと消費者の購入コストを大幅に引き下げた。こうした手法は消費者の体験を高めると同時に、生産、流通、経営などの各段階の質向上、効果増大、コスト引き下げを促進し、ひいては人々の消費意欲と消費のポテンシャルをかき立てた」と述べている。

 それだけではない。付氏は、「自宅訪問サービス、生鮮食品ECなどのオンライン消費スタイルも感染症対策期間に強化された。また感染症に迫られる形で、オフライン小売もデジタル化モデル転換を加速させ、オンラインと積極的に連携した。ここからわかるのは、オンライン消費は今後も引き続き順調に発展するということだ」と予測する。

 また劉副部長は、「感染症の影響の中で、中国の実物商品のオンライン消費は今後も急速かつ深く発展する可能性がある。特にスマート販売端末が徐々に普及するにつれ、実物商品のオンライン小売とオフライン小売とがさらに深く融合して発展し、ひいてはインダストリアルインターネットの連動的発展を駆動することになるだろう」との見方を示している。

NEWS6 日本の新型コロナ感染深刻に 在日本中国大使館が在日中国人に注意呼びかけ

 日本の菅義偉首相は今月7日夜、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の「一都三県」を対象に、「緊急事態宣言」を発令すると発表した。期間は今月8日から2月7日までとなっている。

 在日本中国大使館は、「日本では現在、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している。直近2週間以内に、日本に住む中国人約100人の感染が確認された。外食やイベント参加が、新型コロナウイルスの主な感染経路となっている」とし、在日中国人に対して、「外食をしたり、集まったり、不急不要の外出をしたりしないように。外出する必要がある場合は、個人で感染防止対策をしっかりと講じ、帰宅後は消毒するように」と呼びかけている。

NEWS7 FAO「2020年の世界食料品価格は3年ぶり高水準」

 国際連合食糧農業機関(FAO)が7日に発表した報告書によると、世界の食料品価格は2020年12月も上昇を続け、通年の食料品価格指数は3年ぶりの高水準になったという。新華社が伝えた。

 同報告書によれば、昨年12月の食料品価格指数は107.5ポイントで、前月比2.2%上昇し、7ヶ月連続で上昇した。2020年通年の食料品価格指数は97.9ポイントで、3年ぶりの高水準となり、19年に比べて3.1%上昇したが、過去最高だった11年の131.9ポイントには及ばなかった。

 昨年12月の各副指数をみると、砂糖が前月比やや低下した以外は上昇した。植物油は同4.7%上昇、乳製品は同3.2%上昇と上昇幅が大きかった。

 FAOの食料品価格指数は毎月1回発表され、グローバル貿易の中で最も活発な動きをする食料品の国際価格の変動状況を測定するもの。穀物、植物油、乳製品、食肉、砂糖の5つの主要食料品の価格指数の加重平均値で構成される。

NEWS8 テスラのイーロン・マスク氏が世界一の富豪に アマゾンのCEOを抜く

 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこのほど個人資産が1850億ドル(1ドルは約103.9円)に上り、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOを抜いて世界一の富豪になった。テスラの株価は4.5%値上がりし、アマゾン株は1.8%値上がりした。海外網が伝えた。

 米CNNのビジネスチャンネルが7日に伝えたところでは、テスラ株はこの日の早い時間に5%以上値上がりし、800ドルの歴史的な高水準に迫ったという。ブルームバーグ社は、「マスク氏は資産額が1885億ドルに増加し、15億ドルの差でベゾス氏を押さえ、ベゾス氏が2017年から4年間続いた世界一の富豪の座に取って代わった」と指摘した。

 現在49歳のマスク氏の資産は2020年にロケットのような勢いで急増した。同年初頭は270億ドルで、ランキングの50位以内に入るだけだったが、企業利益が好調を続けたこと、さらにS&P500種指数に組み入れられたことやウォール街の投資家に高く評価されたことから、テスラの株価は20年に前年比743%と急上昇し、マスク氏は資産の増加ペースがおそらくこれまでで最も速い人物になった。

NEWS9 2021年のライフスタイル10大トレンド うちでご飯・国潮など

 ライフスタイル交流プラットフォーム「小紅書」はこのほど、「2021年ライフスタイルトレンドキーワード」を発表した。ウィンタースポーツブーム、無糖主義、甘いお酒、一人暮らし、ユニセックスなコーディネート、国潮(中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)の隆盛、うちでフィットネス、癒やしの旅行、アウトドア・キャンプ、うちでごはんが、2021年の暮らしを語る10大キーワードになった。

 小紅書には1億人を超える若い月間アクティブユーザーがいて、そのうち70%以上が90後(1990年代生まれ)、さらに50%以上が95後(1995年から1999年生まれ)だ。彼らは小紅書に3億件近いコメントを投稿し、一日あたり検索件数は1億件に上る。今回発表されたライフスタイルトレンドの報告は、こうしたデータを基礎にして行われたものだ。

 2020年には、若い世代のライフスタイルが新型コロナウイルス感染症の流行や開催が近づく2022年北京冬季五輪・パラリンピックといった、社会的な出来事の影響を大きく受けることになった。感染症対策が常態化し、冬季五輪がラストスパートの段階に入るのにともなって、2020年のトレンドは2021年も続くとみられている。

 自宅にこもる生活が長らく続くと、若者はお気に入りに入れたままになっていたフィットネスやグルメレシピの情報を読み返し、汗を流してトレーニングに励んだり、家族とごちそうでいっぱいの食卓を囲んだりするようになった。感染症を受けて多くの若者が単にインターネットにどっぷりつかるのではなく、オフラインの世界に踏み出して、リアルな生活の中における暮らしの息吹や人の心の温かさをじっくり味わうようになった。

 データによると、2020年の小紅書のスポーツ・フィットネスとグルメに関するコメント投稿件数はどちらも前年比300%増加し、2020年はのべ13億人あまりが小紅書でグルメに関する内容を検索したという。

 スキーブームも小紅書で異様なほどの盛り上がりをみせた。2020年のスキー関連のコメント投稿件数は同89%増加し、11月下旬の初滑りシーズンには、スキー関連の検索件数が前年同期比150%増加し、コメント投稿件数も同400%増加した。

 「中国スキー産業白書」のデータでは、2019年の中国国内のスキー人口は2090万人だった。今後、北京冬季五輪の開催が近づき、2021年にはウィンタースポーツがニッチな趣味から大衆的なスポーツに持続的に変化することになるだろう。今や、週末に友達と一緒にスキーをし、数十枚の写真を撮るというのが、若者の暮らしの新たなトレンドになりつつある。

 個性を追求し、自分の価値を主張・表現することが他の世代よりも上手という特徴から、若者世代が牽引するライフスタイルのトレンドは矛盾に満ちていながら、調和がとれたものになっている。

 その矛盾と調和のライフスタイルとはこんな具合だ。穏やかに健康を心がけ、糖分を摂らない無糖主義を追求しているかと思えば、しょっちゅう甘いお酒を飲んでは自分を楽しませている。

 一人暮らしをし、暮らしの向上を一人静かに模索し続けているかと思えば、家から飛び出し、癒やしの旅に出たいとも考えている。

 小紅書のデータでは、過去1年間に、無糖主義に関するコメントの投稿件数が同145%増加し、これと同時に、甘いお酒に関するコメントの閲覧件数も同129%増加した。

 何を着るかは、外見の問題であるだけでなく、何に価値を置いてそれを主張するかという問題でもある。国産品を求めることから国潮を追いかけるにまでなり、2020年には小紅書で国産品ブランドに関する議論や相互交流が28億回行われ、同100%以上増加した。

 コーディネートのトレンドについて、これまで若い人はトレンドを追求する中で仲間を探していたが、今やコーディネートは若者の自己表現の手段となっている。2020年にはユニセックスなコーディネートが小紅書に盛んに登場し、関連コメント閲覧件数は同182%増加した。

 さらに、2020年の春には、ピクニックブームが急速に全国に広がり、4月から5月にかけての1ヶ月間に小紅書でのピクニック関連のコメント件数は13.6倍増加し、ECプラットフォームではピクニックにぴったりの「ギンガムチェックのレジャーシート」が人気商品になった。多くのオフライン実店舗もこの消費の新たな商機を積極的にとらえ、「ピクニック経済」が人々の視野に入るようになった。

 ピクニックブームの後、人々は大自然に親しむライフスタイルをさらに追求するようになり、アウトドア・キャンプが新たな人気になった。データによれば、小紅書のキャンプ関連コメント投稿件数は2020年に同271%増加したという。

NEWS10 日本のグルメドラマが中国でも人気のジャンルになっているワケは?

 日本ドラマにおいて、グルメドラマは独特なジャンルで、近年、中国で人気を集めている日本ドラマのジャンルの一つでもある。その多くは、漫画を原作とし、「孤独のグルメ」や「深夜食堂」、「ワカコ酒」などは、常に柱となる主人公が存在するようにも見えるが、実際には、本当の主役は、主人公が探し求める、または作る料理だ。そのようなドラマには通常、中心となるストーリーはなく、控えめな人物とシンプルなストーリーは、グルメの引き立て役だ。文匯報が報じた。

 日本のほとんどの映画やドラマには、グルメと関係のあるシーンがある。例えば、「グランメゾン東京」の第3話では、木村拓哉が演じるスーシェフの尾花夏樹たちが良質の鹿肉を求めて、山奥に住む伝説のハンターを探す。そして、会っても最初は門前払いにされ、なかなか相手にしてもらえないものの、最終的にようやく試練に乗り越え、探し求めていた鹿肉を手に入れた。そのような鹿肉を使って作られた料理は、単に食欲をそそるおいしさだけでなく、その背後にある物語、その物語に込められた究極の食材にこだわる追求が魅力のありかとなっている。


ドラマ「グランメゾン東京」より


 日本の映画やドラマにおいては、何気なく、それほど特別には見えない食べ物に、重要な意義が込められていることも多い。そこには、主人公の思い出が詰まっていたり、日常から離れてリラックスさせてくれる存在だったり、特別なムードを作り出してくれる存在だったりする。「あなたの番です」の中で、主人公の翔太は、亡き妻との別れの儀式として、毎日料理を作る。「カルテット」では、皿に盛られた唐揚げ全体にレモンをかけるかかけないかという、一見何でもない問題をめぐって、登場人物数人が意見を交わし、そこからそれぞれの性格を見て取ることができる。是枝裕和監督は以前、取材に対して、「映画の隅々に何が込められているのかに注意しなければならない。登場人物のセリフの本当の意味は何なのか?それは、酒や食べ物ではなく、家庭かもしれない」と述べた。確かに、是枝監督のほとんどの作品に、家族の思い出がつまる食べ物が登場する。例えば、「海街diary」では、ヒロインが毎年欠かさず庭に植えた梅を収穫して梅酒を作る。「万引き家族」では、お父さんが万引きしたクレープが、「海よりもまだ深く」では、お母さんが作るカルピスアイスが、「歩いても 歩いても」では、家族で一緒に作るトウモロコシの天ぷらが登場する。日本の映画やドラマにおいてグルメは、日本人が好むミニマリズムが表現され、特に貴重なものでもなく、特別感もなく、何でもない日常の食事に過ぎないものの、質素で、日常的であるからこそ、人々はそこに生活感を感じることができる。そして、そんな平凡なシーンに、最も心が温まる人情が詰まっており、ストレスの多い生活において、慰め、癒しとなってくれる。


映画「海街diary」で梅酒と梅ジュースを味わうシーン


 日本のドラマにおいて、グルメは、「温かさ」と「癒し」を提供してくれる存在だ。「孤独のグルメ」の主人公がいつも一人で食事をするのが好きなのは、グルメの中に幸せを見いだすことができるからだ。「深夜食堂」の人気の理由は、寒い冬の夜に、客はそこで温かさを感じることができるからだ。現在、都市に住むほとんど人は、物質的にはほぼ満たされており、物質的な不足から不安な気持ちになることはほとんどない。しかし、物質的に豊かであるからといって、喜びに満ちているわけでもない。「感情的に満たされない」というのが都市に住む人々の大きな悩みとなっており、生活の中で最も琴線に触れるのは、どこにでもあり注意しないと気づくことはないちょっとした事柄だ。質素な食事をする時に、人々は全ての仮面を外すことができ、何かの役を演じたり、家庭における責任、社会における身分などを気にしたりせずに、人間の最も基本的な欲求を満たすことができるようだ。それは、生まれたばかりの赤ちゃんのように、何の違いもなく、全く平等な個人になれる瞬間なのだ。そのため、グルメの世界において、人の心を最も癒すことができるのは、往々にして、ミシュランガイドで紹介されている店の豪華でぜいたくな料理ではなく、個人の思い出が詰まった家庭料理だ。


ドラマ「カルテット」の唐揚げシーン


 世界でも最も都市化が進んだ国の一つである日本の社会は、現代都市における精神的特徴やその問題を浮かび上がらせている。厚生労働省の報告によると、2007年以降、日本の人口は13年連続でマイナス成長となり、一人暮らしの人が増え、「孤独」が若者の生活において常態化している。

 一人でできることはたくさんあるものの、日本の映画やドラマにおいて、多くの人は一人で美味しいものを食べることを選んでいる。日本人は、グルメをプライベートで楽しめることと見なしているようだ。「孤独のグルメ」というタイトルは、日本人のグルメに対する哲学を表している。多くの日本人にとっては、仕方なく「孤独」になってしまっているわけではなく、人生において自分で「孤独」を選んでいるのだ。


ドラマ「孤独のグルメ」より


 その他、現代都市における生活では強い孤独感を感じるため、一部の人は都市から離れるようになっている。社会学調査では、日本を含めて、都市化が非常に進んでいる国で、「逆都市化」が一つの流れになっている。東京や大阪、名古屋などの日本の主要都市では、20世紀末から何年も人口の流出が止まらない。都市での生活はサプライズや奇観に満ち、それに伴ってドキドキの体験ができるのとは違い、太陽が昇ると仕事を始め、沈むと家に帰る田園生活は、シンプルで、静かで、毎日同じことの繰り返しだ。しかし、そこにある親しい人間関係には、平穏さがあり、長年都市で住んでいる人の憧れとなっている。

 日本ドラマ「凪のお暇」において、ヒロインの大島凪は、常に空気を読んで周囲に合わせて目立たず謙虚に振る舞っているにもかかわらず、人間関係においては「失敗者」となってしまう。同僚たちの陰口を知り、彼氏にも裏切られた彼女は、会社を辞め、家財を処分し都心から郊外へ転居、同僚や彼氏など全ての人間関係を断ち切って、アパートで一人暮らしを始める。そして、自分で簡素な料理を作り、少しずつ自分の心の声が聞こえるようになり、本当の自分を取り戻していく。


ドラマ「凪のお暇」より


 近年、日本のグルメドラマは、中国の若者の間で人気を集め、多くの人がそれを見て癒しを得て、小さな幸せを感じている。日本から海を隔てた向こうにある中国の多くの若者が、慌ただしい平日が終わった後に、日本ドラマを「おかず」にしながら、一人で夕食を楽しんでいる。それは、日本ドラマで描かれるグルメの哲学の実践でもあるかのようで、シンプルであるほど、癒しを感じ、一人で、美味しさをかみしめているのだ。


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