銘・精選

NEWS1 【イラストで知ろう!イマドキ中国】 「打工人」とは何ぞや?

 最近、中国のネットを賑わしているワードがある。それは「打工人」。日本語に訳すならば「ワーカー」または「働く人」といったところだろうか?今回は今年のホットワード入りを果たすかもしれない「打工人」を中心に、中国で働く人々にまつわる話題を紹介していこう。人民網が伝えた。



 働く人々を表す中国語の呼び名いろいろ

 「打工」という中国語は雇われて働く、またはアルバイトするという意味。そのため、「打工仔(男性の場合)」や「打工妹(女性の場合)」などは、臨時雇いの職業や地方からの出稼ぎ労働者を指すことが多い。この他にも、「臨時工(アルバイト)」や「農民工(農村からの出稼ぎ労働者)」といった単語もある。また会社で働く人々を指す単語としては、「上班族(サラリーマン)」や「白領(ホワイトカラー)」など。これらの単語はどちらかというと働く人を客観的に表す呼び名と言えるだろう。



 「社畜」や「996」の時代へ

 一方で経済が発展し、競争が激化していくのにつれて、働く中国人たちを取り巻く状況もますますハードになっていき、人々のストレスも増している。それに伴い、働くことにまつわる自虐的な呼び名も使われ始めるようになった。その代表的なものとしては、日本語からそのまま使われるようになった「社畜」がいい例かもしれない。

 さらには、もともとは建築作業に関わる肉体労働者たちのベーシックな仕事である「搬磚(レンガ運び)」を「単純作業でしかも低賃金」の仕事を指す代名詞として使用するようになったり、2016年に大ヒットした上海彩虹室内合唱団の「感覚身体被掏空(まるで体が空っぽになったみたい)」は社畜の悲哀をユーモアたっぷりに歌い上げた。そして2019年のホットワード入りを果たした「996」は朝9時から夜9時まで、週6日勤務という過酷な勤務スタイルを表現している。



 では「打工人」とは?

 現在のところ、「打工人」に定義されているのは、肉体労働から頭脳労働などに携わる働く人全て。建設現場でレンガを運ぶ作業員も、オフィスで働くホワイトカラーも、中間管理職の人も、起業家も、「打工人」を自称できるとしている。「打工」本来の意味から考えると、「雇われ者」となりそうだが、そうなると起業家というのは当てはまらなくなってしまう。そこで人民網では働く人という意味から「ワーカー」という訳語を採用している。

 ただ、実際に「打工人」を使ったスタンプやネタを見る限り、確かに「社畜」のように上司や会社には従わざるを得ない身分でありながら、「社畜」ほど自虐的ではなく、かといって「ワーカー」というほどオシャレでもないのではないかというのが私個人の意見。しかし現在までに「ワーカー」よりもしっくりして、「打工人」のネタにも使える日本語の翻訳を思いつけてはいない。

 自分を「打工」する人だと貶めつつも、やや皮肉りながら、前向きに今の状況を受け入れ、でもちょっとバタ臭さを残した「打工人」という言葉が、イマドキの働く中国人たちの心情を余すことなく表現していたため、ネットで大きな話題を集めたのではないだろうか(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。



イラストで知ろう!イマドキ中国

 人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。

NEWS2 中国民間企業トップ500社 テンセントが5兆元で1位

 中国の調査機関の胡潤研究院は25日に広東省仏山市で、「2020年中国民間企業トップ500社ランキング」を発表した。企業の時価総額か評価額に基づくランキングで、今回は騰訊(テンセント)が4兆9800億元(1元は約15.9円)で、初めて中国で最も価値のある民間企業になった。2位は阿里巴巴(アリババ)、3位は美団だった。中国新聞社が伝えた。

 同研究院がこのランキングを発表したのは今回が2回目。「中国の民間企業」とは、本社が中国大陸部にある非公有制企業を指す。上場企業の時価総額は2020年10月15日の終値で計算し、非上場企業は同業の上場企業を参考にして算出した。

 今年のランク入りの最低ラインは230億元で、前年比64%増となり、90億元上がった。ランク入りした企業全体の総価値は同20兆元増加して56兆元に達した。時価総額(評価額)の平均は同55%増加して1100億元に達した。ランク入りした企業のうち436社の時価総額(評価額)は前年より増加し、うち120社が今回初めてランク入りした。ランク入りした企業のうち53社は時価総額(評価額)が前年より減少した。前年にランク入りした企業で今回のランキングに入れなかった企業は121社あり、陌陌や瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)、神州優車などが含まれる。

 ランキングをみると、首位のテンセントは前年より2兆元増加し、アリババは2位になったものの4兆7800億元で同25%増加した。3位の美団は前年の3倍になり、1兆6300億元に達した。ECの新鋭がベスト10入りし、拼多多は5倍の1兆1400億元に達し、前年の14位から6位に躍進した。京東も4倍の9960億元に達し、12位から8位に上昇した。各種チップの供給不足を受けて、サブブランドの「栄耀」を売却したばかりの華為(ファーウェイ)は1兆1千億元と減少し、7位になった。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、今年は健康に関する産業の時価総額(評価額)の増加が目立ち、初めてトップ500社企業が最も多い産業になった。ランク入りした企業は93社を数え、前年トップの先進的製造業と同2位の不動産業を抜いた。不動産業のランク入り企業は同30%減と大幅に減少した。同研究院のフージワーフ氏は、「不動産業には2つの大きな流れがみられる。プロパティマネジメント(不動産経営代行業)部門の分離上場と、産業のモデル転換だ」と指摘している。

 注目されるのは、今年は新エネルギー車、娯楽、教育が上昇幅の最も大きな産業になった点と、ランク入りした企業の時価総額(評価額)平均の増加幅が2倍を超えた点だ。フージワーフ氏は、「中国の電気自動車(EV)メーカーはこの世界規模の新興産業を牽引している」との見方を示した。

 中国民間企業トップ500社の昨年の売上高は合計22兆元で、中国の国内総生産(GDP)の20%を占め、英国の1年間のGDPを超えた。また、従業員数は計970万人に上った。企業の創業からの年数平均はわずか21年で、創業から5年以内の企業も17社あった。

NEWS3 「中国製造」から「中国ブランド」へ 巨大なチャンス潜む

 米経済誌「フォーチュン」(中国語版)とライズ・ポジショニングストラテジー・アンド・コンサルティングは24日、「フォーチュン」世界500社番付サミットで、「グローバル戦略ポジショニング報告:国家のメンタルリソースの中にある億千万のチャンス」の中国語版を発表した。それによると、世界の認識では、中国は今、「メイド・イン・チャイナ(中国製造)」から「中国ブランド」へと前進しつつあるという。中国新聞社が伝えた。

 同報告書の見方では、「中国ブランド」を真に実現したいなら、中国企業のグローバルなブランド構築が核心になる。茶、中国料理、衣料、スマートコネクテッド電気自動車、植物性スキンケア製品を代表とするカテゴリーには、世界的ブランドに成長し得る極めて大きなチャンスが潜むという。

 「フォーチュン」のグローバル最高マーケティング責任者(CMO)のマイケル・ジョセロフ氏は今回の報告に取り上げられた内容の背景について説明し、「2020年は世界の商業が巨大な試練に直面した重要な節目であり、グローバルブランドがもつブルーオーシャンのチャンスをより一層探求することが求められる」と述べた。

 今回報告されたポジショニング研究はライズ社独自のポジショニング理論の枠組に基づき、「国家のメンタルリソース」に焦点を当て、中国、米国、英国、フランス、ドイツ、インドの6つのコア市場の消費者に対する分析と掘り下げたカテゴリー研究を通して、各国・地域の市場の極めて大きな潜在力を秘めたカテゴリーのチャンスに的を絞るとともに、潜在力あるカテゴリーの世界規模での発展に向けてアドバイスを行っており、世界初のビジネスカテゴリーのポジショニングについての報告となっている。

 同報告書によると、中国ブランドと中国企業は目下、世界へ向かって前進し続けている。2020年8月に発表された「フォーチュン」世界500社番付では、中国大陸部(香港地区を含む)の企業が124社に達し、初めて米国の121社を抜き、歴史的な飛躍を遂げた。20世紀には数多くの米国ブランドが誕生して世界に広がり、コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のような時価総額が億や兆の単位に達するような世界的ブランドが数多く生まれた。そして21世紀は中国ブランドが世界的ブランドに発展する絶好のチャンスだという。

 また同報告書によると、中国ブランドに対する世界の認識では、「低レベル」というレッテルが徐々に剥がされつつあるという。所得が高い層ほど中国ブランドの認知度が高く、メンタルリソースも豊富だ。経済的側面を経て、中国の影響力が上から下へと広がりつつあり、これまでの低レベルの製造業という中国のイメージはハイレベル層によって知らず知らずのうちに修正され、徐々に改善している。また、コストパフォーマンスに代わって、科学技術とイノベーション(革新)が中国ブランドの第一印象になった。同時に、世界の若い世代は中国をより高く評価している。これは、世界の中国に対するこれまでの印象が今後変わっていくことを意味している。

 ライズ社の中国パートナーの肖瑶氏は、「報告書から、海外の消費者にとって、『中国ブランド』という印象が『メイド・イン・チャイナ』を上回ってさえいることがわかる。このことは、『中国ブランド』という印象より『メイド・イン・チャイナ』の印象のほうが強いという従来の認識とは真逆だ。中国は今、世界の舞台でモデル転換を遂げているところで、中国経済の持続的発展は中国ブランドの世界戦略と密接に関連し合い、相互に補完し合いながら成り立っている」と総括した。

NEWS4 イーロン・マスクが世界2位の富豪に! ビル・ゲイツを抜く

 米国で発行される中国語紙「世界日報」によると、米国の電気自動車大手テスラの株価がこのほど急上昇したため、同社の最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏の資産額も急上昇した。ブルームバーグ社が23日に発表した億万長者ランキングでは、マスク氏はマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏を抜いて、世界2位の富豪になった。中国新聞網が伝えた。

 報道によると、最新の同ランキングで、マスク氏の資産額は1279億ドル(1ドルは約104.4円)に上った。2020年になってからの資産増加額は1003億ドルに達し、世界の富豪トップ500人の中で最多だった。20年1月時点でのマスク氏の順位は35位にとどまっていたという。

 マスク氏の資産額が増加した最も大きな原因はテスラ株の高騰だ。現在、テスラ社の時価総額は5千億ドルの大台へと突き進んでいる。

 報道によると、マスク氏の資産額の4分の3は保有するテスラ株によるもので、テスラの株価は同じくマスク氏が保有するスペースX社の株の4倍以上になる。現地時間の23日、テスラ株の終値は前取引日から6.6%上昇と大幅に値が上がり、過去最高値の521.85ドルをつけた。

 ブルームバーグ社によると、世界富豪3位に順位を下げたビル・ゲイツ氏の資産額は1277億ドルだった。世界一の富豪は引き続きアマゾンの創業者のジェフ・ベゾフ氏で、資産額は1820億ドルに上った。

NEWS5 「インターネット発展報告2020」発表、中国のAI特許出願数は世界一

 「2019年には、中国の人工知能(AI)関連の特許出願件数が初めて米国を抜いて世界一になり、件数は11万件に達した」。23日に浙江省烏鎮で行われた「中国インターネット発展報告2020」青書に関する記者会見で明らかにされた。浙江在線が伝えた。

 この日の記者会見では、「世界インターネット発展報告2020」と「中国インターネット発展報告2020」が発表された。この2つの報告書は中国サイバー研究院が編集したもので、北京郵電大学、国家工業情報安全発展研究センター、北京大学、清華大学、中国情報通信研究院、北京航空宇宙大学などの科学研究機関が共同参加した。

 「中国インターネット発展報告2020」によると、2019年に中国ではネットワークのインフラ建設が持続的に加速され、5Gネットワーク、データセンターといった新型インフラの建設が速いペースで進められた。またネット情報技術の自主コントロール技術力が徐々に向上した。情報インフラの分野で、中国はすでに世界最大規模の情報通信ネットワークを構築している。今年5月末現在、中国の光ネットワークは都市部・農村部を全面的にカバーし、ネットワークユーザーのうち光ネット利用者の割合は93.1%に達して、世界一だった。19年の中国デジタル経済の規模と成長ペースもともに世界一で、規模は35兆8千億元(約616兆4千億元)に上り、国内総生産(GDP)の36.2%を占めた。

 インターネット技術は中国社会の発展における応用範囲がどんどん広がり、国民のデジタル化やスマート化への情報の恩恵がますます大きくなり、ネットワークによる支援が目に見える成果を上げ、「健康コード」や「通信ビッグデータ行程カード」などは新型コロナウイルス感染症の予防・抑制を効果的にサポートした。

 「中国インターネット発展報告2020」は全国31省・自治区・直轄市のインターネット発展状況の評価も行った。

NEWS6 ワクチン、健康診断、脱毛防止… 健康関連の消費が中国の若者の硬直的需要に?



 鏡を見て、頭頂部の髪が薄くなっているのに気付き、南京の大学1年の女子大生・雅麗さんは、「ダブル11」当日に、抜け毛を防止できる「ヘルメット」を購入。今月の最大の出費となった。

 梨の果汁を煮詰めて生姜やナツメなどの生薬と蜂蜜を加えた「秋梨膏」の飴、温かくなるナプキン、コラーゲンイオンヘアードライヤー、免疫力が高くなるグミなど、中国の若者の「ダブル11」の買い物かごには、ヘルスケア関連の商品がたくさん入れられていた。専門家は、「多くの商品がうたっている効果は大げさ。それでも、若者は依然として、それらの商品がもたらしてくれる『安心感』を買っている」と指摘する。

 ワクチンを打ち、栄養補給剤をたくさん買い、脱毛防止に気を配り、フィットネスに励むといったように、今の若者はヘルスケア関連の消費をするようになっている。そして、「両親と一緒に健康維持」が新たなトレンドとなっている。

 北京在住の男性・張偉さんは、「まず自分のためにランニングマシンを買った。そして、両親と自分のために、がん検診を含む人間ドックを申し込んだ。新型コロナウイルス流行により、健康に対する考え方が大きく変わった。以前は、病気になったら治療と考えていたが、今は管理して健康を維持したいと思うようになった。今後は家族で1年に1回は人間ドックを受ける」と話す。

 健康診断のほか、口腔ケアも、今年、ダブル11を開催したECプラットフォームで、大人気となった。中国の口腔医療ケアサービス消費の新たなバロメーターとなったほか、多くの人の口腔ケアや維持に対する意識が高まっていることを示している。ECの普及により、より多くの若者が歯の健康や白い歯に関心を持ち、その消費の中心となっている。

 ヘルスケア関連の消費が中国の若者の「硬直的需要」に

 各大手ECプラットフォームの統計もこうした現状を証明している。「ダブル11」の期間中、天猫で「95後」に最も人気となった医薬商品トップ5は、健康診断、医療用ガーゼ、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン、インスタントツバメの巣、コンドームだった。ショッピングサイト・京東健康でも医療サービス系の消費が激増した。うち、ワクチン系のサービスが20倍増、口腔ケアサービスが12倍増だった。ショッピングサイト・蘇寧超市の医薬品系の売上の増加も際立っていた。特に、紫外線殺菌ライト、血糖値測定器、血圧計、小型マッサージ器などの家庭用医療機器が大人気となった。

 ヘルスケア関連の消費が若年化しているのを背景に、ヘルスケア関連の消費全体の傾向にも変化が生じている。天猫のこれまでのダブル11の栄養補給食品の売上高を見ると、最も人気だったのは2018年はクコ、2019年は小豆・ハトムギで、2020年はツバメの巣と生薬・阿膠がかなりの割合を占めた。95後の間で最も人気だったヘルスケア系の商品は、上から順番に健康診断、医療用フェイスパック、HPVワクチン、インスタントツバメの巣、コンドーム、マスクだった。うち、男性に最も人気だった商品ランキングには、発毛系の商品が含まれており、女性に人気の商品ランキングには、意外にも健康診断とHPVワクチンが入っていた。

 小都市のヘルスケア関連の消費の増加ペースが大都市を明らかに上回る

 ヘルスケア関連の消費が小都市に向かって顕著な広がりを見せている点は注目に値する。阿里健康のビッグデータを見ると、小都市のヘルスケア関連の消費の増加ペースは大都市を明らかに上回っており、うち、安徽省宣城市の1人当たりのヘルスケア関連の平均消費額は136%増と、北京、上海、広州などの一線都市を大幅に上回っていた。小都市別の「95後」のヘルスケア関連の一人当たりの平均消費ランキングトップ5は、■陽市(■はてへんに曷)、温州市、贛州市、保定市、阜陽市だった。

 その他、今回の天猫のダブル11のヘルスケア関連の都市別一人当たり消費ランキングを見ると、トップ3の上海、北京、杭州に、南京、舟山、成都、広州、深センが続いた。

 若者の健康問題が話題に

 「爆買い」のほか、「健康診断の結果を見るのが怖い若者」や「『90後』が植毛の中心に」などの話題の検索が大人気になり、若者の健康問題に対する注目度がアップしている。

 あるネットユーザーは、「今年で20歳をちょっと過ぎたところだけど、肩は47歳、膝は51歳、背中は60過ぎ、腰はもうすぐ90歳という感じ。それに、私の髪の毛の多くはすでに『安らかにお眠り』になった……」と、 自分のボロボロの体を自虐的に形容している。2019年に実施された働いている人を対象としたある健康に関する報告によると、「自分の体の状況は良好」と感じていたホワイトカラーはわずか2割にとどまった。ここからも健康問題が若者の真剣な悩みの種になっていることが分かる。

 北京同仁堂健康薬業股フン有限公司(フンはにんべんに分)の趙子強・EC最高執行責任者(COO)は、「ヘルスケア関連の消費が若年化している背後には、自分の健康管理を重視している若者がいる。それは、消費観念の転換、高度化を反映している。『90後』や『00後』と、その上の世代の人々の健康に対する観念は全く違う。上の世代は、『治療と補助』という観念であるのに対して、若者の観念は『養生と予防』だ」と分析する。

 南京医科大学第二附属病院健康管理センターの主検医師・戴瑛氏は、「ヘルスケア関連の消費グループの若年化は、病気の若年化、不健康な行為、ライフスタイルの広がり、社会的プレッシャーによる健康不安の増大などの問題を反映している」と指摘する。

 中国抗癌協会の関連報告によると、現在の若者の食事は牛や豚、羊など哺乳類の肉である『赤肉』が多く、脂分と油分、塩分を多く含む食品を食べ、長期に渡って夜更かしをしているなど、不健康なライフスタイルを送っている。それらは、がんの若年化のリスクを高める要素となる。

 それについて、戴氏は、「まず自分で自分の健康の責任を負わなければならない。若者が健康を追求する場合、まず良好な生活習慣を身につけることから始めなければならない。例えば、長期にわたる夜更かしを避け、プレッシャーに直面した場合は、ポジティブなメンタルで、積極的な対応をする。また平日も運動を心がけ、体質を強化し、ヘルシーな食品をたくさん食べるなどだ」とアドバイスする。

 総合保健産業に黄金時代到来?

 供給側からすると、ヘルスケア関連の消費が、多くの業界の企業に発展の新たなチャンスをもたらしている。最も分かりやすい例は、2016年に阿里巴巴(アリババ)が打ち出した「ダブルH(Happiness&Health)戦略で、健康を将来の2大目標の一つに掲げていた。

 人々が積極的に健康を追求するようになっており、それが、健康食品・グッズ業界の市場に対する見通しに、基礎を築いている。

 データ分析機関の艾媒諮詢(iiMedia Research)が今年4月に発表した調査報告によると、過去6年、中国の健康食品・グッズ業界の市場規模は安定して毎年二桁ペースで拡大し、2019年にはその規模が約2227億元(1元は約15.8円)に達した。

NEWS7 上海・浦東開発開放30周年

 上海市浦東エリアの開発開放は30年間で顕著な成果を上げ、中国の特色ある社会主義制度の優位性を最も鮮やかに証明する事実となり、改革開放と社会主義現代化建設の実践を最も生き生きと伝えるものになった。

 開放は現代中国がはっきりと掲げる旗印だ。改革開放がスタートして以降の40数年間で、海外からの導入から海外への進出まで、世界貿易機関(WTO)への加盟から「一帯一路」(the Belt and Road)の共同建設まで、中国国際輸入博覧会の開催から新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも開放拡大の歩みを加速し続けていることまで、中国は常に国の扉を開いて建設を進め、閉鎖式・半閉鎖式から全方位的開放への偉大な転換の実現に成功し、自国を発展させただけでなく、世界にも幸福をもたらした。

 習近平国家主席が強調するように、「絶えず対外開放を拡大し、対外開放のレベルを引き上げ、開放によって改革を促進し発展を促進することは、中国の発展が絶えず新たな成果を獲得するための重要な切り札だ」。事実が証明するように、過去40年あまりの中国経済の発展は開放の条件下で獲得されたものであり、未来の中国経済の質の高い発展もより開放的な条件下で行われる必要があるということだ。中国の開放の扉は閉じられることはなく、ますます大きく開かれていく。これは中国が現実と長期的な発展のニーズを踏まえて行った戦略的な選択であり、実際の行動によって経済グローバル化を推進し世界各国に幸福をもたらすことでもある。

 「対外開放は中国の基本的国策であり、いかなる時も揺らぐことはない」。習主席は11月12日に行われた浦東開発開放30周年祝賀大会でこのように述べた上で、「挑戦に直面すればするほど、私たちは歴史の前進のロジックに従い、時代の発展トレンドに順応し、国民の期待に応えることが必要になり、より開放的な条件下でより質の高い発展を実現することが必要になる」と指摘した。また習主席は浦東エリアに対し次の5つの重大任務および目標・要求を提起した。(1)イノベーションというエンジンを全力で強化し、独自イノベーションの新たな優位性を構築すること(2)システム集積の改革を強化し、質の高い発展の新たな原動力を活性化すること(3)高い水準の制度型開放を深く推進し、国際協力と国際競争の新たな優位性を生み出すこと(4)グローバル資源配置の能力を増強し、新たな発展局面の構築にサービスを提供すること(5)都市ガバナンスの現代化レベルを引き上げ、人々のための都市建設という新たな局面を切り開くこと、の5点だ。

 浦東エリアは必ずや中国のより高いレベルの改革開放の道を切り開くさきがけとなり、上海は必ずや世界を驚かせる新たな奇跡を生み出すことができる。人々にはこのように信じる十分な理由がある。

NEWS8 「猫かわいがり」で貧乏に? 若者に「ネコノミクス」の波


猫カフェにいる若者。撮影・唐文豪


 利口でかわいらしく、いつでも一緒に出かけられる猫。今、若者の間で猫が大人気で、猫を飼う、猫カフェに行って猫と遊ぶ、「クラウドで猫をかわいがる」ことは、多くの若者にとって日常の一コマになった。「半月談」が伝えた。

 猫のために生活費を稼ぐ若者たち

 「自分は食べなくてもいい、でも猫にはちゃんとしたものを食べさせる」、「猫様のために苦労して生活費を稼ぐ」……「猫の奴隷」たちはこんな投稿を通して猫のいる日常をユーモラスに綴る。

 広東省広州市で働く胡超さんは1年ほど前、周りの友達がみんな猫を飼っているという誘惑に駆られて、茶トラ猫を飼い始めた。毎月の給与は6千元(1元は約15.9円)弱で、家賃と生活費を除くとほとんど残らない。そんな中、今年初めに猫が大きな病気をして、急に出費がかさむようになった。

 何度か検査を受け、1千-2千元の費用がかかった。診断がつくと、毎日決まった時間に病院に行って注射をしなければならず、それが1週間続いて数百元かかった。胡さんは、「今、生活は苦しいけれど、猫を飼うと決めたからには頑張ろうと思う。猫がいることのうれしさや楽しさは何物にも代えがたいから」と話した。

 広州市で実習生をしている楊さんも猫好きで、ブリティッシュショートヘアを飼おうと思ったこともあるが、結局諦めた。「今の実習生の給料では猫に『恥ずかしくない暮らし』をさせることができないから」だという。

 楊さんは「猫をかわいがる」ため、よく猫のクリエイティブグッズを購入し、時々猫カフェに出かける。「コーヒーを飲むためでなく、猫と遊んで、満足したいからだ。毎週、猫のために300元は使うが、それだけの価値はある。暮らし向きがよくなったら、自分の猫を飼って、思いきり遊びたい」という。

 ペット消費が急増中

 ペットSNSの狗民網が発表した「2019年中国ペット産業白書」によれば、19年に全国都市部でペット(犬・猫)を飼っている人は6120万人に上り、前年比472万人増加した。このうち猫の飼い主は2451万人だった。ペットの猫の消費市場規模は780億元で、前年比19.6%増加し、増加率は犬の消費市場を上回った。猫の飼い主の中心は若者だ。

 猫のスタンプや動的画像から、猫の手カップなどのクリエイティブグッズまで、猫文化から発生した猫経済が空前のブームで、今や整った産業チェーンまで生まれている。

 広州市天河区のペットショップでは、猫の繁殖・取引サービスだけでなく、さまざまな猫関連グッズを提供している。キャットフード、猫のおやつ、猫のご飯皿、猫砂、さらには3-4平方メートルのキャットハウスまである。

 猫は好きだが飼う条件がそろっていないという人は多い。大家から許可が下りない、ルームメイトがいやがるなどだ。ここ数年の猫カフェの登場で、飼っていないがかわいがりたいという「猫かわいがり」のニーズが満たされるようになった。広州市の場合、生活関連アプリで「猫カフェ」と検索すると、136軒の検索結果があった。上海市は467軒だった。

 業界関係者は、「これまであったようなキャットフードや関連グッズだけでなく、猫カフェ、預かりサービス、お葬式、クラウドペット飼育アプリなど、新業態が急速に発展している。15年には日本の経済学者が『ネコノミクス』という言葉を発明した。経済的にどんなに苦しくても、猫と関連グッズへの情熱が永遠に冷めることはない、そんな様子を形容した言葉だ」と述べた。

NEWS9 世界最大の自由貿易圏誕生が日本にとって意味するものとは?

 地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が正式に締結され、世界最大の自由貿易圏が誕生しただけでなく、RCEPを通じて中日の自由貿易関係も構築されることとなった。中国が世界トップ10のエコノミーと自由貿易協定を調印するのはこれが初めてであり、これによって中国は自由貿易パートナーとの貿易が占める割合が現在の28%から35%に上がる。では、RCEP協定締結は日本にとって何を意味するのか?そして同時に、東アジア地域全体の経済成長促進にとってどんな影響があるのだろうか?中央テレビ網が伝えた。

 日本メディアはおしなべて、参加国のGDP総量が世界のおよそ3分の1を占めるRCEP協定は、世界屈指の地域貿易圏になると見ている。新型コロナウイルス感染症が世界経済の信頼感に打撃を与えている中で、RCEP協定は日本など参加国だけでなく、世界経済にも原動力を注ぎ込み、自由貿易のさらなる発展も促進するだろう。

 日本経済に新たな成長ポイント 消費者により多くの実益

 現在、日本はすでにASEAN加盟10ヶ国と他の自由貿易協定に調印しており、オーストラリア、ニュージーランドとも環太平洋経済連携協定(TPP)の枠組み下で合意に達している。一方、今回の「RCEP協定」は、日本が主要貿易パートナーである中国・韓国と締結した初の自由貿易協定となる。

 日本の経済界は、関税減免が具体的な産業にどのような影響を及ぼすかに注目している。日本放送協会(NHK)によると、中韓両国はいずれも協定の枠組みの下で、日本の工業製品に対して設定されている関税の約90%を段階的に撤廃するという。現在、日本の工業製品に対する中国の関税撤廃比率は約8%、韓国は約19%で、RCEP協定は日本の工業製品の中国や韓国などへの輸出を大幅に促すと言えるだろう。これは日本にとって新たな経済成長ポイントになることを意味する。特に、自動車部品など日本の優位性が比較的大きい業界は、中国に輸出する一部の製品について、協定発効時に直接関税がゼロになる。

 また、農産品や食品などの業界では、日本の国内市場は近年飽和しつつある。日本が輸出する海鮮や牛肉、日本酒などの農副食品も徐々に関税がゼロまで引き下げられることになり、日本の関連産業にとっては間違いなく朗報だ。

 その一方で、日本は輸入の面で、米や牛肉、豚肉、乳製品など5品目の重要農産品のほかに、中国や韓国からの農産品約5割に対し徐々に関税を撤廃することになり、それによって日本の消費者はより多くの実益を得られるようになる。

 中日韓各分野の協力強化へ 産業発展を促進

 日本・財務省の2019年の統計によると、日本の貿易額のうち中国は21%、韓国は5%を占めている。日本にとって、中国と韓国はいずれも重要な貿易パートナーであり、なかでも中国は現在日本にとって最大の貿易パートナーだ。RCEP協定は中日韓3ヶ国間貿易・投資の促進にとって重要な役割を発揮し、東アジア地域の科学技術、フィンテック、医療、環境保護、観光など各方面での協力展開を推進し、効果的なサプライチェーンを構築し、産業配置戦略を形成するに違いない。日本の学者は、「日本政府は現在デジタル化改革を積極的に推進しているが、デジタル経済分野では中国がリードし、また韓国も非常に積極的に取り組んでおり、今回の協定締結が地域のデジタル経済産業発展の促進に役立つ。この点は注目に値する」としている。

 RCEP協定のほか、中日韓3ヶ国間では自由貿易交渉も進められている。東アジア地域の3つの主要エコノミーとして、中日韓自由貿易協定の基準はさらに高くなるだろう。日本の経済界も、2002年に始まった中日韓自由貿易協定交渉がさらに加速されることを期待している。

NEWS10 中国、動画産業の売上高が今後5年30%以上のペースで増加へ

 今月19日から20日にかけて、湖南省長沙市で開催された2020中国ニューメディアカンファレンスで、中国国家新聞出版広電総局発展研究センターが発表した「2020全国動画文化クリエイティブ産業発展指標体系研究成果」は、「動画文化クリエイティブ産業は今後5年間、売上高が30%以上のペースで増加し続ける」と予想している。科技日報が報じた。

 発表された結果によると、動画文化クリエイティブの生産指数は、前周期に比べて約50%上昇した。動画の生産能力は安定して、健全に増加していることを示している。オンライン消費支出指標値は136.3で、ユーザーがオンラインライブ配信を視聴している時間が増加している。特に、ECライブ配信の統計によると、今年上半期、ECライブ配信は、1000万回を超え、視聴者数は500億人を超えた。ライブ配信の視聴時間は11億5000万時間以上で、ECライブ配信の発展が、消費を力強く牽引している。マーケティング規模指標値は157.1で、伝統的なラジオ・テレビとオンライン視聴が全く異なる発展の動向を見せていることを示している。また、有料コンテンツの成長が主な原動力で、版権收入もより力強い成長ポイントとなっている。

 その他、「馬欄山指数」は、中国の動画文化クリエイティブ産業の発展には、▽今後5年間、動画文化産業の売上高は30%以上のペースで増加し続ける▽動画文化クリエイティブは今後、公共サービスの高度化や新興産業の融合発展の面で多くの成果を挙げる▽オンラインコンテンツや業態は今後、コンテンツ建設サービスの主陣地における主力軍になる▽スマートラジオ・テレビが今後、ラジオ・テレビの構造を再編する▽動画文化クリエイティブ産業は今後、新発展の構造において、新たな方向性、ルートを探す‐‐‐など、5つの動向があることを示している。


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