銘・精選

NEWS1 中国・欧州国際貿易デジタル展覧会、クラウドで商機を探る

 中国と欧州の企業のために構築されたオンライン交流プラットフォームの「2020年中・欧国際貿易デジタル展覧会」が28日に開幕した。企業がクラウドで新たな商機を探り、新しい市場を開拓するのを支援する。新華社が伝えた。

 展覧会の会期は10日間。中国国際貿易促進委員会が主催し、中国国際商会と中国サービス貿易協会が実施する。

 同展覧会はオンライン・デジタル方式のコンサルティング、商談、展示、マッチングを一体化したもので、中国国内から1200社を超える企業が出展し、欧州からも1万2千社を超えるバイヤーが登録し「来場」する。出展品には医療機器や電子消費財などの物品貿易のものがあれば、クリエイティブ産業や技術サービスなどサービス貿易のものもある。

 同委員会の陳建安副会長は、「展覧会の期間中には、中国-中東欧経済貿易クラウド商談会並びに成都スペシャルクラウド商談会、中国-欧州(イタリア)サービス貿易クラウドフォーラムなど複数の関連イベントが行われる予定。中国と欧州の企業家が深い交流と商談を行い、協力のチャンスを掘り起こし、より多くの協力の成果を達成することを願う」と述べた。

NEWS2 感染症が海外在住中国人のニーズ喚起、「逆海外通販」が盛んに



 中国人の強大な購買力や海外通販に対する意欲はもう珍しい話題ではなくなったが、多くの中国人が国産品をそれほど重視しないでいる間に、中国から海外通販で商品を購入する海外在住の中国人や外国人がますます増えている。特に新型コロナウイルス感染症に後押しされる形で、「逆海外通販」が日に日に盛んになっている。

 タニシ麺が逆海外通販の幕を開けた

 「逆海外通販」の発展が1杯のタニシ麺から始まったとは、おそらく多くの人には想像もつかなかったことだろう。

 タニシ麺といえば、好きな人は1日でも食べないとまるで何かが欠けたように物足りなく思うし、嫌いな人はちょっとその匂いを嗅いだだけでも吐き気がする。

 タニシ麺好きな中国人留学生は、外国にいるときでもあの味が忘れられない。そこで、最初は親戚や友人に送ってもらっていたのが、その後、中国のショッピングサイトを通じ国際宅急便を利用する「逆海外通販」の形で購入するようになった。そして今、フランスでは中国人が経営する中国食品スーパーに、さまざまなタニシ麺が並んでいる。

 感染症が海外在住中国人のニーズを後押し

 外国にいる中国人は故郷の味をしばしば懐かしみ、味の記憶は脳裏から消し去ろうとしても消すことはできない。そこで、多くの人が中国のショッピングサイトで自分の好きな商品を選び、商品はさまざまな物流・宅配便ルートを通じて今住んでいる外国の各都市まで届けられる。今回の突如襲来し、長引く感染症により、海外在住中国人のネットショッピング需要が爆発的に増加し、これに対応する物流・宅配便、EC企業もますます活況を呈している。

10月初め、フランス在住の中国人の冬戈さんは微信(WeChat)のモメンツでこんなメッセージを発信した。「感染症の間、アリエクスプレス(阿里全球速売通)で『碧螺春』や『雀舌』などの中国茶を買って、お茶好きにとって焦眉の急の問題を解決しました」。冬戈さんは「逆海外通販」を利用する大勢の海外在住中国人の1人で、その息子はさらに頻繁に「逆海外通販」を利用しているという。

「逆海外通販」で人気の商品は?

 フランスに留学中の小観さんはビジネスの才覚があり、普段から「逆海外通販」を手がけてきた。小観さんは、「自分が普段扱っている『逆海外通販』の商品で一番人気があるのは、中国のさまざまな軽食やおやつだ。中国にはおいしいおやつがたくさんあっていろいろ選べるけれど、外国にいると食べたいと思っても手に入らない。そのため『逆海外通販』では、各種の軽食・おやつがかなりの部分を占める」と話す。

 感染症がフランスで拡大すると、連花清瘟カプセルが「逆海外通販」の人気商品になった。また中国製の小型家電製品、携帯電話のネットワークパーツなども人気商品だ。

 外国人も「逆海外通販」の仲間入り

 実は、海外在住の中国人だけでなく、外国人の中にも「逆海外通販」の仲間入りをした人たちがいる。

 「中国越境消費年度指数報告(2017)」によると、17年には中国以外の消費者の中国越境ネットショッピング取引額は約6970万ドル(約72億6483万円)に上り、前年比43%増加した。ここから中国EC産業の対外輸出が急速に発展したことがわかる。米国の利用者が一番のお得意様だ。全体としてみると、欧州各国の利用者の中国ショッピングサイトでの買い物は「高頻度・小規模」で、アジアの周辺国・地域は「低頻度・大規模」だ。

 外国人は何を買っているのだろうか。「2015-2016年中国輸出越境EC発展報告」によると、外国人がよく購入する品目は3C製品(コンピューター、通信機器、家電)、衣類・服飾品、アウトドア用品、健康・美容関連製品、ジュエリー・アクセサリー、ホーム・ガーデニング製品、靴・帽子・カバン類、ベビー・マタニティ用品と玩具、自動車部品、照明器具、セキュリティ対策製品などだ。3C製品が4割近くを占め、一番の人気商品となっている。

 日本、韓国、欧州、米国にいる人々も中国製品を盛んに購入する。たとえば世界的によく売れているラー油系調味料「老干■(女へんに馬)は、ラベルの女性がまるで「マリア様」のようにあがめられ、今では貴重な「贅沢品」だ。米国では1瓶70ドル(約7300円)もするがすぐに売り切れるという。中国ではありふれたスパイシーなスナック菓子の辣条、痔の薬の馬応竜薬膏、虫除け・かゆみ止めの六神花露水などが、中国に来たことがある外国人にも来たことがない外国人にも、東洋の大国の神秘的な魅力を感じさせる商品になっている。

NEWS3 林毅夫氏「中国は30年まで成長率8%を維持するポテンシャルある」

 北京大学新構造主義経済学研究院の院長で、世界銀行の副総裁とチーフエコノミストを務めたこともある林毅夫氏は28日、聯想集団(レノボ)が開催した聯想イノベーション科学技術大会(レノボテックワールド)に出席し、「3つの優位性を上手に利用すれば、中国は2030年まで毎年8%の国内総生産(GDP)成長率を維持するポテンシャルがある」と述べた。中国新聞社が伝えた。

 林氏は、「世界の中での中国の優位性は主に3つの点に表れている。まず伝統的産業における『後発組』としての優位性だ。次はインターネット、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、5G、インターネットで全てのものをつなぐ「IoE」などの新産業革命における優位性だ。3つ目は購買力平価の考えに基づいて計算すると、中国には世界で最大の市場があることだ」と述べた。

 林氏は、「国際情勢がどのように変化しても、中国は2030年までは毎年8%のGDP成長率を維持するポテンシャルがある。通常の年であれば6%前後のGDP成長率を維持して、他国を3ポイント上回ることになる」との見方を示した。

 林氏は、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けても、今年の中国のGDP成長率は2-3%になる見込みだが、世界全体の成長率はおそらくマイナス5%になり、米国はマイナス8%、欧州はマイナス10%になる可能性がある」としている。

 林氏は、「中国は毎年、世界(経済)の成長への寄与度が30%になる見込みで、引き続き世界で最も成長ペースが速い国になり、市場の拡大ペースも最も速い国になり、企業家に力を発揮する最良の舞台を提供することになる」と予測した。

 林氏の見方では、「今年は各国の経済が大きく落ち込んでいる。世界貿易機関(WTO)の予測では、国際貿易は13-32%減少する可能性がある。中国の生産は国内でより多く消化され、循環するようになる」という。

 しかし、より重要なことは基本的な経済の法則だ。林氏は、「エコノミーというものは大きくなればなるほど、輸出の占める割合が低くなる。2006年には中国のGDPに占める輸出の割合は35.4%に達した。2019年はその割合が17.4%にとどまった。GDPの82.6%はすでに国内で消化され、循環している」と述べた。

NEWS4 「欧米日輸出の中古車は高汚染で低品質」UNEP報告書

 国連環境計画(UNEP)は26日、世界の中古車市場に関する研究報告書「中古車と環境——中古小型車の世界的概要:流通量、規模、法規」を初めて発表した。それによると、欧州、米国、日本から発展途上国に輸出される数百万台の中古車、トラック、マイクロバスは品質が低劣なことが多く、大気汚染を進行させるだけでなく、たびたび交通事故を起こし、気候変動対応の努力を無駄にするものだという。中央テレビニュースが伝えた。

 同報告書は、「2015年から2018年にかけて、世界では合計1400万台の中古小型車が輸出された。その80%は低所得国と中所得国に向かい、半分以上がアフリカに流入した。146ヶ国についての踏み込んだ分析に基づくと、これらの国の3分の2は中古車の輸出管理規制政策が『弱いレベル』か『非常に弱いレベル』にとどまる」としている。UNEPのインガー・アンダーセン事務局長は、「効果的な基準と法規がないことが、廃棄された、汚染度の高い、安全性に問題のある車両が不当廉売される主な原因だ。先進国は自国の環境・安全検査に不合格で、自国の公道は走行できない車両の輸出を停止するべきで、輸入国側もより厳格な品質基準を導入すべきだ」との見方を示した。

 また同報告書は、「品質の劣る中古車は道路上で交通事故をより多く引き起こしている。マラウイ、ナイジェリア、ジンバブエ、ブルンジなどのアフリカ諸国では、道路での交通事故による死亡率が高い」としている。同報告書は「各国は現在の政策の空白を埋めて、中古車の最低限の品質基準を統一し、輸入中古車をクリーンで安全なものにするように」と呼び掛けている。

NEWS5 iPhoneはユーザー10億人突破か 史上最も成功した携帯電話

 一番最初の「iPhone」(アイフォーン)が発売されてから現在までの間に、ユーザー数は10億人を突破した可能性がある。「澎湃ニュース」が伝えた。

 企業分析を手がけるアバブ・アバロン社がまとめたデータ報告によると、2020年9月にiPhoneのアクティブユーザー数は10億人を超えた。9月最終日のデータから推計すると、第1世代iPhoneが発売されてから4842日が経った。売り上げペースは鈍化したものの、携帯電話の歴史が始まって以来、これまでで最も成功した製品であることに疑問の余地はない。

 18年以降、アップルはiPhoneの販売データを対外的に公表しなくなり、外部では当時、「iPhoneの売り上げがピークを迎えたためだ」と考えられていた。しかしこのデータ報告を発表したアバブ・アバロンのニール・サイバート氏は、「iPhoneの売り上げはまだピークに達していない。アップルが公表しないと決定したのは、市場が売上数だけを重視しがちで、端末の買い換え周期が長くなったことによる影響を見誤りがちなためだ」と述べた。

 アバブ・アバロンはアップルを研究する米国の分析会社で、サイバート氏は創業者だ。

 サイバート氏は、「iPhoneの売り上げが現状維持だったとしても、または低下したとしても、iPhone事業が全面的に悪化したということではない。それに対し、買い換え周期がより長くなったことが売上減少の主な原因だ。また売上高には消費者のブランド・ロイヤリティや満足度は反映されず、消費者が引き続きiPhoneを使い続けるかどうかがカギだ」と述べた。

 またサイバート氏は、「iPhoneの売上高の鈍化は、スマートフォンの普及率が非常に高くなったこと、及びアップルがスマホ市場の中でも高級機市場に焦点を当てるようになったことが原因だ」と指摘した。

 アバブ・アバロンの発表したデータでは、アップルは引き続き毎年約2千万-3千万人のiPhoneの新規ユーザーを獲得しており、新規ユーザーはその他のアップルのデバイスやサービスを購入してアップルの生態系に入ってくる。新規ユーザーはアップルウォッチやiPad(アイパッド)などのデバイスを購入するだけでなく、その一部が最終的にiPhoneを購入するという。

 サイバート氏が提供したデータによれば、ここ2年間のiPhoneの売り上げには確かに起伏があった。19年初めには、中米貿易情勢が緊迫し、iPhoneの売り上げに実質的な落ち込みが一部みられた。過去12ヶ月間に、iPhoneの売上は19年初めと比べて12%減少し、例年2億1800万台に達していたのが1億9100万台になった。ただ、新型コロナウイルス感染症の前に、iPhone業務は徐々に改善する兆しがみられ、特に19年下半期から20年初めにかけてそういう傾向がみられたという。

NEWS6 ダブル11の男性消費に変化 ダサい系からオシャレ系へ

 インターネット上でずっと話題になっている「消費投資と市場価値ランキング」によると、少女>子ども>若い既婚女性>高齢者>犬>男性、の順に並ぶという。中国新聞網が伝えた。

 「父の日に、ECや商業施設で何かセールが行われることはなく、ここから男性層の商業的価値が気の毒なくらい低いことがわかる」との声が聞かれる。男性層にとって、お金を使わないことが一種の共通認識のようになっているが、まもなくやってくる今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)でも、男性たちはやはり部外者のままなのだろうか。

 李佳■(王へんに奇)のワーテルローの戦い——「彼にはもったいない」

 昨年10月、「口紅アニキ」として知られるライブ配信パーソナリティの李佳■はライブ配信中、男性用高級スキンケア製品をおすすめし、女性ファンに「旦那様や彼氏に買ってあげて」と呼びかけた。50%オフで500元(約7770円)あまりの商品だ。その後、書き込み欄は「(こんな高級品は)彼にはもったいない」というコメント一色になった。

 李佳■のこの「ワーテルローの戦い」(ナポレオンが敗北した戦争)から、男性が購買力という点で女性と非常に大きな開きがあることが容易に見て取れる。特に中年男性は「悲しくて目にいっぱい涙をためている」ような状況だ。企業の上層部でどんなに仕事ができても、年収百万元を稼いでいても、500元の化粧品すらもったいないといわれる。

 「もったいない」に逆襲——男性用コスメ3000%増加

 そして1年が過ぎ、「彼にはもったいない」は今でも李佳■のライブ配信室で笑い話になっているが、実際には、男性は少しずつ「顔」を重視するようになってきた。

 ネットショッピング・配送プラットフォームが今月21日に発表したデータによれば、ダブル11向けの商品1千万トン近くが天猫(Tmall)の物流倉庫・菜鳥倉に運び込まれた。中国人1人あたり7.1キログラムの商品がストックされていることになり、昨年のダブル11の2倍近くだという。

 輸入商品のストックでは引き続き化粧品、健康食品、ベビー・マタニティ用品が多く、化粧品の企業在庫データをみると、フェイス用スキンケア製品、生理用品、家庭用洗剤類商品が今年の3大ストックだ。

 思いがけないことに、今年は男性用輸入メイク製品のストックが大幅に増加して、前年比3000%以上増加した。

 ダサい系からオシャレ系への転換は、ここへ来ていきなり始まったことではない。

 2018年に某ECサイトでは男性用化粧品の消費額は同89%増加し、そして男性用メイク製品の売上高増加率が各種化粧品の中で首位に立った。19年のダブル11プレセールの時期には、男性用メイク製品のプレセール初日売上高が前年同期比56%増加し、最もよく売れたのは男性用BBクリームで、累計8万人以上が購入した。

 今や、「男性用メイク製品のストックが3000%以上増加」とのデータから、「メンズメイク」の発展が必然的な流れであることがよりはっきりとわかる。某ECで世界のブランド品買い付けとサプライチェーンを担当する図先さんは、「2020年に高度成長を遂げた男性用品の細目をみると、男性用のフレグランス、アイブロー、ファンデーション、ラウンディングパウダー、シェーディングブラシが並んだ」と話した。

 男性の「変貌」はなぜ?

 蘇寧金融研究院の付一夫シニア研究員は、「多くの人が抱く『男性はショッピングが好きではない』という固定観念は、男性が普段あまり街をぶらぶらしないことから生じたものだ。しかし、ネットの発展やECの普及、自宅への配送やモバイル決済の持続的な成熟に伴って、効率と迅速さを求める男性消費者のョッピングニーズが大いに満たされるようになり、こうしたことが男性の購入意欲を喚起し、男性がオンライン消費市場で『優位』を確立するのを後押しすることになった」との見方を示した。

 また付氏は、「個人の消費意識の目覚めが、男性消費市場の繁栄を促進した。経済社会の発展にともなって、男性は経済力が向上を続け、事業展開の必要から社交分野での発展を絶えず追い求めるようになり、やがて見た目の印象、ファッションコーディネート、品位の向上などにもますます注意を払うようになった」と説明した。

NEWS7 アント集団がIPO 馬雲氏は世界で11番目の富豪に


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 2020年10月27日、アント集団は新規株式公開(IPO)の価格を設定したことを明らかにした。最終的なA株発行価格を1株68.8元(1元は約15.5円)に確定し、時価総額は2兆1千億元になり、先に複数の投資銀行が予測した約2兆5千億-3兆元より20-30%低い。同発行価格に基づけば、アント集団の社員と顧問は計1376億9千万元を獲得し、1人あたり平均800万元を超える見込みだ。環球網が伝えた。

 アント集団の上海市場と香港市場での発行価格に基づくと、馬雲(ジャック・まー)氏は保有する同集団の8.8%の株式の価値が274億ドル(1ドルは約104.4円)になり、資産総額は716億ドルに達して、世界で11番目の富豪になる。馬氏だけでなく、今回のIPOによって資産額が1億元を超える人が少なくとも18人いるという。

NEWS8 ポストコロナの中国経済は安定回復できるか?



 国家統計局が発表した今年第3四半期(7-9月)の経済データによると、中国経済はすでに復興の軌道を歩み出したという。今後の中国経済を展望すれば、どのようなリスクに直面するだろうか。復興の勢いを保つことはできるだろうか。中国社会科学院経済研究所が主催した「ポストコロナの経済の質の高い発展:2025年の中国経済に向けて——『経済研究』創刊65周年・『経済学動態』創刊60周年記念学術シンポジウム」では、多くの専門家が中国経済の見通しを議論した。中国新聞社が伝えた。

 学界では、外部リスクが今後の中国経済が直面する最大の挑戦になり、未来の発展戦略の中では、「安全」が重要な位置に置かれるとの見方が広がる。

 清華大学中国経済思想・実践研究院の李稲葵院長は、「2021年の中国経済はなお数多くの不確実性に直面することになり、中でも最大の不確実性は国外からやってくる。米国の大統領選挙を中心とした国際政治情勢の変化、世界の新型コロナウイルス感染症の新たな拡大や変化は、いずれも中国にとって打撃となる可能性がある」と述べた。

 中国社会科学院の高培勇副院長は、「中国は国内の大きな循環を主体としつつ、国内と国外の2つの循環が相互に作用し合う新たな発展局面の構築を打ち出した。これは中国経済の安全が脅威にさらされる中で打ち出した計画構想であり、中国の産業チェーン、サプライチェーンは感染症の中で脅威にさらされており、国内の大きな循環の確実性によって国外の大きな循環の不確実性に対処しなければならない。外部リスクに直面して、第14次五カ年計画(2021-2025年)時期の中国経済は規模、成長ペース、質、効果と利益に焦点を当てるだけでなく、安全にも焦点を当てて、発展に『安全』の2文字を加えなければならない」と述べた。

 外部の挑戦に直面する中で、経済の安定した発展を実現するために、中国の上層部は新たな発展局面の戦略的配置を打ち出した。新たな発展局面をどのように構築するかが、中国経済の目下の重要課題となっている。

 中国人民大学の劉偉学長は、「新たな発展局面の構築とは協調してバランスの取れた発展を実現し、供給と需要の新たな発展段階における動態的バランスを実現し、発展モデルを転換し、供給側を中心に据え、国民の生産システムを固め、増強し、流れをスムーズにし、供給側の効率を高める。それと同時に、内需の拡大を基点とし、市場ニーズによって供給側構造改革を牽引し、『一帯一路』(the Belt and Road)のさらなる開放を進め、国内と国外の2つの循環が相互に作用し合う局面を実現する」と述べた。

 中国深セン総合開発研究院の樊綱院長は、「2つの循環の局面で最も重要なことは供給側の問題だ。カギとなる産業への供給が断たれた状況に直面して、中国は独自イノベーションによる弱点分野の補強をさらに重視する必要がある」と述べた。

 供給側とカギとなる産業の向上に全力を尽くすだけでなく、内需の拡大も中国経済が内在的原動力を回復し、国内の大きな循環の流れをスムーズにするための重要なプロセスになる。専門家は、「これからの中国経済の取り組みの重点はさまざまな方法で内需を発揮させることにある」との見方を示した。

 国務院発展研究センターの馬建堂副センター長は、「新型コロナの影響により、今年中国人の消費傾向が明らかに低下している。消費は経済の遅い変数であり、第14次五カ年計画の期間中、さらにはもっと長期にわたって経済発展を促進し、『2つの循環』の新たな発展局面を構築し、中国の極めて大規模な市場の優位性を発揮するには、消費をさらに高度化することが必要だ。所得分配の調節を次の段階の戦略的目標とし、低所得層の所得水準の向上に努力し、産児制限を撤廃し、消費の長期的ポテンシャルを発揮させ、公共サービス分野の改革の推進を加速し、消費環境を持続的に最適化し、さまざまな手段で個人消費を喚起することを提案する」と述べた。

 李氏は、「ポストコロナの中国経済の復興における一番最初の任務は内需の喚起であり、そのためにカギとなるのは個人の所得水準の向上、中所得層と中低レベルの所得層の可処分所得のさらなる引き上げ、労働をめぐる減税政策を強化し、消費者のポテンシャルを発揮するために良好な環境作りをすることだ」と述べた。

 度重なる挑戦に直面して、中国経済は持続的な回復を実現することができるだろうか。
 
 中国社会科学院の蔡■(日へんに方)副院長は、「中国はすでに感染症を抑制し、経済活動の再開を順調に推進し、世界各国の中で最も順調に経済が回復した。今年の世界経済がV字回復を達成するとすれば、V字回復に最も近いのが中国であることは間違いない。しかし同時に、回復の中にはアンバランスさもあり、社会保障メカニズムをさらに改善し、再分配に一層力を入れ、一部の層に対する感染症の持続的な打撃を回避し、勝利に乗じて中所得レベルの段階を乗り越える必要がある」と述べた。

 李氏は、「2020年の経済成長の基数が低いため、2021年に一連の政策がうまく調整され、一連の取り組みがうまく実施され、国際情勢に重大な打撃や変化がなければ、来年の中国経済は好調な軌道を歩み、成長率が7%以上に達する可能性がある」との見方を示した。

NEWS9 輸入博に出展する日本製産業用ロボットが上海から入国

 第3回中国国際輸入博覧会に出展される日本製の産業用ロボットが23日未明、上海の外高橋の通関地から入国した。日本の出展企業が40フィート標準コンテナ2基と40フィートハイキューブコンテナ4基で産業用ロボットを運び込んだ。中国新聞網が伝えた。

 これらのロボットは電気溶接、パレタイジング、輸送、組み立てなどの機能を果たすロボットで、工業製造、倉庫貯蔵など複数の業界で利用できる。展示品を積んだ船は今月13日に日本の横浜を出発し、航海中、全乗組員の健康状態は良好だった。

 外高橋検疫所が23日に取材に対し、「ドイツ、ポーランド、カナダ、フランス、英国及び中国の香港・マカオ・台湾地区など20あまりの国・地域からの出展品が、今月末に集中的に入国する予定だ。出展品には技術装置、農産品、化粧品、医療機器、医薬品・サプリメントなどが含まれる」とした。

 また同検疫所によると、検疫所は事前に逐一検査を行う、停泊位置で検査を待つようにするなどの措置を講じて、展示品の通関プロセスのゼロ遅延・ゼロ待機を保障し、新型コロナウイルス感染症の対策措置を厳格に実施することを前提に、展示品の安全で迅速な通関をサポートする。航海中に全乗組員の健康状態に問題がなかったことを確認した後、防疫措置を厳格に実施し、展示品が速やかに船から降ろされ、搬出されるよう環境を整えるという。

NEWS10 【イラストで知ろう!イマドキ中国】 中国でミルクティーブーム再び?第22回

 日本では2018年頃から生じたタピオカミルクティーブームが今年に入って下火になり、新型コロナの影響も重なり、東京・原宿界隈から次々とタピオカ専門店が姿を消しつつある。一方の中国でも新型コロナの影響は避けがたく、一時期ほどの熱狂的な人気は見られなくはなっていたが、ここにきて「秋入りして1杯目のミルクティー」というネタがきっかけとなり、再びタピオカミルクティーへの注目が集まっている。今回はそんな中国のミルクティー事情について紹介していこう。人民網が伝えた。



 中国におけるタピオカミルクティーブームも実は初めてではない?

 中国では台湾地区から生まれたタピオカミルクティーが1990年代後半頃に大陸部に進出し、ちょっとおしゃれな香港・台湾地区資本系のカフェなどを中心に流行し、次第にドリンクショップや屋台村などにも登場して、全国的に広がっていった。その後は、目立った盛り上がりは見せなかったものの、スイーツやミルクティーにおけるトッピングとしての地位を守り続け、SNSなどで「写真映え」しやすいアイテムとして再び注目を集めている。その後、ミルクフォームティーやチーズティー、フルーツなどが入ったフレーバーティーといった様々な種類のティードリンクが登場し始めても淘汰されることなく、ミルクティー店の一角を担うメニューであり続けた。さらにここ数年は日本でのタピオカブームが反映される形で、中国でもその人気を再び盛り返しつつあり、タピオカミルクティーアイスなどの派生商品も登場している。



 お茶発祥の国・中国におけるミルクティー

 中国各地には実は様々なミルクティーが存在する。内モンゴルの「スーテーツァイ」は紅茶ではなくプーアル茶にヤギなどのミルクと岩塩を加えたしょっぱいミルクティー。またチベットで飲まれているバター茶はこれにヤクなどの乳で作られたバターが入り、こちらもコクのあるしょっぱいミルクティーとなる。海南島では牛乳の代わりにココナッツミルクを使った「椰香ミルクティー」が飲まれており、香港式ミルクティーは濃いめに入れた紅茶にエバミルクを加えた濃厚タイプ。香港式としてはこのほかに滑らかな味わいの「シルクストッキングティー」やコーヒーと紅茶にエバミルクを加えた「鴛鴦茶」もある。台湾式ミルクティーはタピオカミルクティーに代表される甘みの強いタイプで、茶葉には紅茶の他、ウーロン茶やジャスミンティーなどが使われている。



 中国ではミルクティーが話題になることがしばしば

 タピオカミルクティーだけでなく、「ミルクティー」自体がたびたび話題になっている中国。古くはミルクティーを片手に持った写真で「奶茶妹妹(ミルクティー娘)」と呼ばれて一躍人気を集めるようになった章澤天さん。この他にも、次々登場する新商品に並んで飲むのは大変だという人々のために、代わりに並んで購入するだけでなく、代わりに飲んで写真撮影までしてくれるといったミルクティー代行サービスや、昨年は、ミルクティー・ソムリエという新たな職業も話題となった。

 また今年に入ってからは秋分だった9月22日を境に、「秋入りして1杯目のミルクティー」というネタがたちまちネットで話題となり、彼氏から彼女に52.0元(「520」の中国語の発音が「愛してる」と似ていることから)のWeChatお年玉を贈ったり、ミルクティーのデリバリーを注文して彼女に贈ったりしたため、注文が殺到したミルクティー店のデリバリーが一時混乱をきたしたほどだった。さらにはこの「秋入りして1杯目のミルクティー」を使って、警官が自殺しようとしていたティーンエイジャーを思いとどまらせた事件まで報道されるなど、話題は事欠かない。

 このように中国において、ミルクティーはすでに単なる飲み物ではなくなってきていると言ってもいいかもしれない。SNSなどの「写真映え」による爆発的な人気を維持しつつも、そうした見た目だけでなく、健康志向を意識したメニューや厳選された原材料にスポットをあてたり、中国伝統の要素を取り入れた「国潮」風のパッケージや地方色といったブランドの個性を際立たせるなどの努力も見られるようになっている。秋も深まる今日この頃、ひとまず、「秋入りして1杯目のミルクティー」を飲んでみてはどうだろうか?(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。



 イラストで知ろう!イマドキ中国

 人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。


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