銘・精選

NEWS1 世界銀行報告「中国経済成長率は21年に7.9%まで回復へ」

 世界銀行(本部・米国ワシントンD.C.)が現地時間の28日に発表した報告「中国経済ブリーフィング:切磋琢磨しながら前進:新型コロナウイルス感染症の影響に対応し、中国の改革アジェンダを推進」の中で、感染症は中国経済に大きな影響を与えたが、その後の経済回復が中国に経済のリバランスを推進し、より包摂的で持続可能でグリーンな成長を実現するチャンスを与えたとの見方を示した。中国新聞社が伝えた。

 同報告によると、感染症の影響により、今年のグローバル経済は大幅に後退し、新興市場と発展途上のエコノミーの90%以上は1人あたり平均収入が減少する見込みだ。各大規模エコノミーはこれまでにない経済活性化政策を打ち出したが、世界は引き続き目に見える下ぶれリスクに直面する。ベースライン予測によると、中国の経済成長率は今年は1.6%に鈍化し、2021年に7.9%まで回復するという。 

 同報告は次のような見方を示した。たとえ経済活動が回復しても、感染症の打撃が経済に持続的な影響を与える可能性もある。下ぶれリスクについて、中国はこれを予防・コントロールするために非常に大きな努力をしているが、感染症のぶり返しのリスクもあり、経済活動を混乱させるとともにビジネス界の信頼感と消費者の信頼感を引き下げる可能性がある。外部からみると、もしも予想よりも深刻で長期的なグローバル経済の衰退や中国とその主要貿易パートナーとの二国間の緊迫した局面がさらにエスカレートする事態が生じれば、経済が回復の軌道を外れることも予想される。

 また同報告は次のように指摘した。中国経済は高いリスクに直面してはいるが、将来を見据えた回復戦略に優れた政策が加われば、部分的にリスクを緩和することができる。感染症後の経済回復は中国経済にリバランスを推進し、より包摂的で持続可能でグリーンな成長を実現するチャンスを与えた。このうち通貨・金融当局の政策は柔軟さを維持しなければならず、財政政策は経済回復において中心的な役割を果たさなければならず、構造的政策は感染症後の資源再配置と経済調整を促進することに重点を置かなければならない。

 同報告は、今年2月下旬以降、中国は感染症の新たな感染者数が目に見えて減少し、経済や社会生活における制限も徐々に緩和されている。新たな感染をすべて効果的に抑制することが引き続いて安全な回復を確保するための短期的な重点になる。長期的には、複数の当局が協力する方法によって、公衆衛生のリスクを見つけ出し、減少させ、患者のモニタリングとリアルタイム報告を積極的に展開し、対応力を増強し国際協力を強化することが可能だと指摘した。

NEWS2 中国のユニコーン企業は218社 時価総額7964億ドル

 企業戦略コンサルティングの長城戦略諮詢が28日に発表した「2019年中国ユニコーン企業研究報告」によると、2019年に中国のユニコーン企業は218社に達し、時価総額の合計は7964億ドル(1ドルは約105.1円)に上り、1社あたり平均36億5千万ドルになったという。中国新聞網が伝えた。 

 時価総額100億ドル以上のスーパーユニコーン企業は7社あり、アントグループ(1500億ドル)、字節跳動(750億ドル)、滴滴出行(580億ドル)、菜鳥網絡(300億ドル)、快手(286億ドル)、京東数科(200億ドル)などが並んだ。

北京・上海・深セン・杭州がユニコーン企業の集積地
 19年の中国ユニコーン企業は28都市に分布し、このうち北京、上海、深セン、杭州には156社が集まった。広州は11社、南京は10社、天津、成都、武漢、青島はそれぞれ4社以上。済南、張家口、嘉興の3都市に初めてユニコーン企業が誕生した。

 北京、上海、深セン、杭州の4都市で中国ユニコーン企業の71.6%を占めたが、18年の77.2%よりはやや低下した。ここから中国の各エリアのイノベーション活力が上昇を続け、イノベーション型都市が次々に現れて、より多くの都市がイノベーション・起業の生態圏作りを重視するようになり、イノベーション型企業の育成と誘致を進めていることがわかる。

 ユニコーン企業は26分野に分布する。スマート物流、医療・ヘルスケア、人工知能(AI)、新文化娯楽、新小売、オンライン教育が企業数の上位6位に並んだ。その以外では、自動車サービス、産業のインターネット、ビッグデータ、クラウドサービス、スマートコネクテッドなどの分野にユニコーン企業が多く分布する。

ユニコーン企業の技術イノベーション能力が増強
 19年中国ユニコーン企業のうち、先端科学技術企業の数が増加した。次世代情報技術(AI、ビッグデータ、クラウドサービス、スマートハードウェア、量子通信)、医療・ヘルスケア(新薬開発、精密医療<プレシジョン・メディシン>、医療機器)、新エネルギー自動車、スマートコネクテッド、新材料、新エネルギーなど先端の科学技術を手がけるユニコーン企業は69社に上り、18年より4社増えた。

 19年末には、有効な発明の特許を保有するユニコーン企業は113社あり、有効な特許数は3737件で、有効な特許総数の25%を占めた。19年にユニコーン企業の発明、実用新案、意匠の特許取得件数は5204件に上り、16年の5.9倍になり、年平均増加率は80.6%だった。

NEWS3 ポストコロナ時代 若者の金銭感覚にどんな変化が?

 お金を使うべき時には使い、使わなくてもいい時は使わない。実のところ、これは若者の「ポストコロナ時代」における一般的な考え方だ。「中国青年報」が伝えた。

 平安銀行がこのほど2020年上半期の90後(1990年代生まれ)の金融消費行動について調査研究を行った。その関連データをみると、90後が平安銀行のクレジットカード、デビットカードで京東や拼多多などのECプラットフォームで消費する金額が企業活動・生産活動再開後に急速に増加し、6月の取引額は2月の5.5倍に増えた。

 これと同時に、海外で新型コロナウイルス感染症の厳しい状況が続いていることから、海外での「爆買い」に慣れ親しんできた90後の多くが、海南省に目を向けるようになった。3月以降、90後の三亜国際免税城での消費総額は感染症発生前の水準に戻り、6月の消費総額は2月の32倍近くと激増した。暮らしをこよなく愛する若者は、もう待つことをやめ、消費を享受するのが1つの習慣になっている。

 米マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した「2020年中国消費者報告」は、「中国の若くて自由な消費者は多くの項目で支出を増やしている。新鮮な牛乳、スキンケア、ファーストフード、レジャー用の衣類などだ。実際、この年代は人口の約4分の1でありながら、支出増加の60%をになう」と伝えた。

 感染症の収束後、若者の消費行動がより理性的になった。同データでは、今年6月にソーシャルメディアを使った共同購入プラットフォームの拼多多で買い物をした90後の人数が1月の12倍近くに増えている。感染症の後で、ますます多くの若者が新商品の発売や値下げをただ「待っている状態」から、共同購入者を誘って安く商品を買おうと「拼多多でたくさん買い物をする状態」へ変わり、「お得なショッピング」を心ゆくまで楽しんでいることがわかる。

お金を使うのが上手で稼ぐ力もある 若者の資産運用は柔軟で堅実

 別の調査研究によると、「ポストコロナ時代」の若者はお金を惜しまず、またお金を稼ぐ力もあるという。 上述した平安銀行の調査研究データによると、今年上半期には90後の多くが貯金の習慣を維持し、6月に定期預金をした人の数は年初に比べて約12%増加し、若い人も特殊な時期には貯金が保障の役割を果たすことを認識したことが見て取れる。また調査に回答した90後は銀行の資産運用商品を選択することが多く、1回当たりの投入金額は平均で6万元(約90万円)を超え、運用期間が180日以内で、相対的に柔軟で安定した商品を選ぶ傾向があるという。

 広州市出身の90後の陳映華さんは「お金を使うのが上手で稼ぐ力もある」若者の1人だ。同市の老舗レストラン「陳添記」の3代目で、祖父の代に始まった同店は40年間1日も休んだことがなかったが、感染症のため初めて店を閉め、2ヶ月間休業した。

 感染症で商売ができなくても、払うべき家賃が減るわけではなく、多くのレストランのオーナーが店を閉めるか商売替えすることを考え始めた。陳さんも非常に不安で、毎日隣の店のオーナーと世間話をしては、お互いに励ましあっていた。感染症予防・抑制の対応レベルが引き下げられると、この老舗レストランはついに再び客を迎え入れるようになった。

 店を守り続けることは店を始めることよりも難しい。今回の感染症により、陳さんは味を守り続けることの大切さをよりはっきりと自覚し、技術を守り続けるだけでなく、時代の流れに応じて速やかに計画を立て、「老舗も時代に追いつくようにしなければ、店がさらに発展し、味がさらに向上することはない」と考えるようになった。

NEWS4 日本企業は中国経済をどう見ているか?

 国家統計局は今月16日に2020年上半期の国民経済運営状況を発表した。それによると、第2四半期(4-6月)にはマイナス成長がプラス成長に転換し、中国の経済運営は着実に回復している。商務部(省)が最近まとめたデータでは、上半期の全国の実行ベース外資導入額は4721億8千万元(1元は約15.1円)に上り、第2四半期は前年同期比8.4%増加し、外資系企業の投資への期待と信頼感が安定・好転していることがわかる。人民網が伝えた。

 今年に入ってから、新型コロナウイルス感染症と保護貿易主義の影響を受け、世界経済が低迷状態に陥り、グローバル市場は縮小を続け、外資系企業を含めたマーケットエンティティが多くの困難と試練に直面している。こうした状況の中、グローバルサプライチェーンにおける中国の地位の安定性に疑問の声を上げ始めた人や、「外資が中国から撤退しつつある」と騒ぎ立てる人もいる。しかし、中国経済の半年間の優れた成果にしても、 中国政府が打ち出した一連の外資安定・対外貿易安定の政策にしても、すべて中国が引き続き世界の経済回復を牽引する主要な力であることを十分に証明するものだ。

 世界銀行がこのほど発表した予測報告によれば、2020年世界の国内総生産(GDP)成長率はマイナス5.2%になり、主要先進エコノミー(米・日・欧州連合<EU>)がすべてマイナス成長になるという。しかし中国経済の半年の成果は低迷する世界経済の中の一筋の光であり、第2四半期のGDPは前年同期比3.2%増加して、経済成長率はマイナスからプラスに転じ、上半期の主要経済指標は回復的上昇を遂げた。

 パナソニック中国北東アジア法人の本間哲朗社長(最高経営責任者<CEO>)は、「パナソニックは1978年に中国市場に進出しており、中国のビジネス環境改善の生き証人だといえる。現在、外資系企業が中国市場を評価するのは、中国市場には他の市場と比べようもない優位性があるからだ。具体的には、 (1)中国の市場規模が巨大であること、(2)全国民がスマートフォンを使いこなし、新技術を急速に取り入れられること、(3)イノベーションを尊重し、失敗を許容する社会のムードと土壌があること、(4)中国には大量の技術者がおり、強大な産業サプライチェーンがあることが挙げられる。パナソニックは中国が単に製造大国、消費大国であるだけとは決して考えていない。現在の中国はイノベーション大国であり、プロジェクト大国でもある」と述べた。

 1995年に中国市場に進出した日本のダイキンの中国法人である大金(中国)投資有限公司の王■(奇にりっとう)副社長は、「中国政府は外資系企業の投資を後押しするメリットのある政策を絶えず打ち出し、企業が厳しい経済環境の中で勇気をもてるようにした。政府は地方レベルのビジネス環境最適化を打ち出し、企業に補助金や求人などの経営支援を提供し、各工場の迅速な生産再開を全力で支援し、これが企業と社会経済の安定、原動力蓄積の重要な支えとなり、また未来の発展を向上させ促進するコア競争力でもある」と述べた。

NEWS5 中国企業500社番付で一番稼いでいるのは?

 米経済誌「フォーチュン」の中国語版サイトが27日に発表した、2020年版「フォーチュン」中国企業500社番付によると、売上高のトップ3には中国石油化工股フン有限公司(フンはにんべんに分)、中国石油天然ガス股フン有限公司、中国建築股フン有限公司が並び、昨年と同じだった。収益力の状況も昨年と変わらず、最も稼いだ上場企業10社には商業銀行と保険会社が数社並んだほか、今年も阿里巴巴(アリババ)集団持ち株有限公司と中国移動有限公司、騰訊(テンセント)持ち株有限公司が入った。中新経緯が伝えた。

 今年の500社番付に入った上場企業の売上高の合計は50兆5千億元で、前年比11%増加し、純利益は4兆2千億元で同16%以上増加した。今年の番付入りした企業の年間売上高のラインは178億元に迫り、同10%近く上昇した。昨年の中国の国内総生産(GDP)は99兆元を超えており、これはつまり、上場企業上位500社の収入の合計が同年の国のGDPの半分を超えたということだ。

 今年もトップ3の顔ぶれは変わらず、1-3位は中石化、中石油、中国建築が並んだ。4位は中国平安保険で、非国有企業ではトップだった。ともに民間上場企業でインターネットサービスと小売を手がける京東とアリババは順位が上昇し、京東は13位に、アリババは18位に躍進した。

 業界別にみると、一部のインターネットサービスのトップ企業が徐々に収益を上げるのにともなって、番付入りした同業界企業の生み出した純利益の前年同期比増加率が300%を超えた。2019年は「新インフラ整備」元年だったが、固定資産投資に占める絶対的な割合はまだ低く、「従来型インフラ整備」が引き続き不可欠の役割を果たした。今回の番付では「従来型インフラ整備」の関連業界であるインフラ、建築、電力、工作機械、港湾、物流などの収入の合計は8兆6千億元に達し、前年の7兆4千億元に比べて17.7%増加し、同業界は引き続き経済の安定成長を支える重要な柱の1つであることがわかる。

 また登録制とハイテク企業向けの株式市場「科創板」など複数の政策の後押しを受けて、ますます多くの優良企業が中国国内の資本市場での上場を選択するようになった。今年の上場企業のうち、海外から中国資本市場に進出した企業は366社に達し、過去最多だった。

 今年は新たに番付入りまたは再び番付入り入りした企業が39社あり、その中では拼多多が初めて番付入りを果たし、総収入301億元で321位だった。ネット分野で指摘しておかなければならないのは、ゲームの実況中継を主業務とする歓聚集団も新たに番付入りしたことだ。売上高は256億元で順位は359位だった。また新たに番付入りした企業には不動産投資・不動産管理の大悦城持ち株集団や「アフリカのスマートフォンの王様」と呼ばれる深セン伝音持ち株股フン有限公司の名前もあった。

NEWS6 中国の「小店経済」とは? なぜそれほど重要?

 数人の友人と連れだって街中の歩行者天国をそぞろ歩き、久しぶりに「小店」(小規模店舗)を見て回る。近くの横丁からは何かを炒める良い香りや蒸しあげている熱気が漂ってくる。あちらこちらから聞こえてくる客引きの声からそんな「小店経済」の復活を実感することができる。新型コロナウイルス感染症が落ち着きを取り戻すのに伴い、大通りや横丁にも日々の営みが戻りつつある。

 商務部(省)など7当局がこのほど共同で通達した「小店経済の推進行動の展開に関する通知」は、「2025年をめどに、小店経済モデル都市(区)を100ヶ所を育成し、サービス企業100社を支援し、人気が高く、生活密着型の小店集積エリア1千ヶ所を形成し、『百都市千エリア一億店舗』の目標を達成する」ことを提起した。小店経済の活性化は、なぜそれほど重要なのだろうか。

「小店経済」とは?

 「全国小店経済発展の手引き」は小店を、「小店とは小型店舗であり、登記・登録の形式では自営業者と零細企業を中心とする」と明確にしている。

 同局の「統計上の大・中・小・零細企業区分規定(2017年)」は小店についてより詳細な定義を打ち出しており、「小店とは通常は個人消費向けの卸売、小売、宿泊、外食、家事サービス、クリーニングサービス、美容院・エステサロン、修繕、撮影・印刷、配送サービスなどの業界の自営業者、従業員10人以下または年間売上高100万元(約1516万円)以下の零細企業、および年間売上高1500万元(約2億2740万円)以下のネット店舗を指す」としている。

小店経済はなぜ重要か?

 小店経済は雇用の重要な供給源となっている。データによると、2019年末現在、全国で登録された小店は8千万店を超え、約2億人の雇用を生み出した。このように小店経済は軽視できない重要な力となっている。その規模・数量が大きく、受け入れ雇用が多く、産業のカバー範囲も広く、サービスと業態が多様で、その集積発展は市場に活力を与え、商業文化を豊かにしている。

 特殊な状況にある今年、小店経済が極めて強い強靱性と活力をみせている。小店はその開店も雇用のハードルも相対的に低いため、経済の活力の回復を促進する重要な役割を担っている。同時に、取り扱う商品の価格も相対的に安く、現段階での人々の消費ニーズに合致しており、消費者には小店で消費する力があり、消費する意欲もある。小店は「小規模・零細企業」の中でもより小さな規模であるため、市場経済における「毛細血管」であり、下は億単位の消費者に関わり、上は複雑な産業チェーンに関わる存在だ。小規模商店であれ、小規模雑貨店であれ、小規模レストランや小規模理髪店であれ、こうした非常に小さな市場主体はどれも、億単位の人々の仕事と生活に欠かせないものとなっている。

 小店経済は都市経済の中における非常に小さなパーツであるものの、全局に対してもつ意義はとても大きい。通り沿いや横丁に分布する特色ある小店は、経済の基本面を支える重要なミクロの力だ。先ごろ開かれたショッピングイベント「第1回五五ショッピングフェスティバル」は、都市に潜む原動力を再起動させ、都市の「ナイトタイムエコノミー」を活性化し、大量の小規模ビジネスも活性化し、それによってもたらされた好材料は、人々がその目で見てきた飲食、レジャー、観光、ショッピング、娯楽など街角の小店の再度の発展であり、また目には見えないところで最先端のサプライチェーンを供給する一連の実体ある企業につながっている。

 新型コロナウイルス感染症が中小零細企業にもたらした対外貿易の受注減少、物流の人件費高騰、キャッシュフローの逼迫など多くの難問は、まさしく実際の国内消費1つ1つによって解決されなければならない。こうした点から言えば、小店経済が好転することの意義は、単にこうした小店が企業として維持できるということだけにとどまらず、より多くの雇用を維持すること、さらには産業チェーンを維持することにもつながる。現在とポストコロナの時代の中で、小店に対する一見ごくごく小さな関心と支援は、実は一連の企業を救い、業界に恩恵を与え、よりスムーズな経済循環を形成する可能性を備えている。

科学技術が小店経済にエネルギーを注入

 またデジタル情報技術が小店の組織化によって経営水準を向上させる契機をもたらしたことは注目に値する。阿里巴巴(アリババ)と京東はそれぞれ「零售通」と「新通路」という事業部門を立ち上げ、小売分野の小店に店舗管理、オンラインでの発注・決済のツールを提供している。小店はデジタル化プラットフォームに接続することで、大手ブランドメーカーやサプライヤーとのマッチングの機会を得る。また「ネットを利用する」小店の数が徐々に増加するにつれて、そのフロー効果が現れ始めている。ブランドメーカーは小店を取り込んで販売促進キャンペーンを展開することや、試供品や新製品を提供することを考えるようになる。アリババが構築したビジネス生態圏の中で、庶民的な小店は対外貿易加工企業の質の高い商品に「輸出から国内消費への転換」のためのルートを提供することもできる。京東金融や支付宝(アリペイ)の機能をよりどころに、小店には暮らしの中の様々な料金支払いの窓口を手にし、セルフプリンターや家事サービスの予約、宝くじ購入などの機能も実現し、より全面的なサービスを提供する「コンビニ」的存在になっている。

 公開されたデータによると、デジタルライフプラットフォームの食品デリバリー・配達サービス、オンライン販売促進キャンペーンなど柔軟な経営手法を通じ、小店は順調にその業務や操業を再開している。4月下旬以降、毎週平均で100万軒の自営業者や夫婦で営む商店などの小店がアリペイプラットフォームを利用してQRコード決済を行い、デジタル化モデル転換を模索し、これまでに1200万軒の小店が収入の前年同期比増加を達成した。

 小店は新技術や新モデルをよりどころに収益力を増強すると同時に、小店が担うべき役割もよりしっかりと担っている。安くて質の高い商品や豊富で便利なサービス、より開拓が進んだ機能がもたらす「サプライズ」は、小店の近所に住む人々の暮らしの中の幸福感を高めることにつながる。電子製品に不慣れな「シルバー族」も、家の近くの小店を通じて実店舗のサービスモデルとデジタル時代の効率の高さや便利さを味わうことができる。

 小店は規模こそ小さいが、小店経済の発展には中国経済の強靱性の強さ、活力の豊かさという大きなロジックが体現され、民生を保障・改善し、デジタル化建設を進め、調和的で住みやすい都市を建設するという大きな筋道が内包されている。ポストコロナ時代には、中国は小店経済の強靱性と活力によって、経済の強靱性と活力をより充実させ強固にし、消費、経済、社会生活の全面的な回復をサポートすることになる。

NEWS7 ファーウェイ「世界での5G展開が一段落」

  華為(ファーウェイ)の郭平輪番会長は27日に開催されたグローバルオンラインサミット「2020年ウィンウィンの未来」で、「世界での5G展開が一段落した。業界の応用を発展させること、5Gのもたらすメリットを発揮することが、次の段階の重点だ」と述べた。「環球時報」が伝えた。

 ファーウェイはこのほど20年上半期の決算を発表し、各社が業績を落とす中でファーウェイが成長を達成できるのかといぶかしむ外部の懸念にデータで答えを示した。郭氏は、「ファーウェイの上半期の売上高は4540億元(1元は約15.0円)に上り、前年同期比13.1%増加した。これほどの成長の達成はそれほどたやすいことではない。今年6月末現在、世界の通信キャリア81社が5G商用ネットワークを展開し、世界の国内総生産(GDP)のおよそ72%を占める国と地域をカバーした。現在、世界の5Gユーザーは9千万人を超え、70万ヶ所を超える5G基地局が設置されており、年内に150万ヶ所を超えることが予想される」と説明した。

 また郭氏は、「これまでの30数年間に、ファーウェイは世界の170を超える国と地域で1500を超えるネットワークを建設し、6億人の消費者にスマート端末機器を提供し、世界の30億人を超える人々にサービスを提供するとともに、世界のトップ500社のうち228社にサービスを提供した」と述べた。

NEWS8 AIIBの友人の輪がますます拡大するのはなぜか

 習近平国家主席はこのほど行われたアジアインフラ投資銀行(AIIB)第5回理事会の年次総会のビデオ会議による開幕式で、「AIIBは創設メンバー57ヶ国から6つの大陸からの102ヶ国の加盟メンバーへと発展し、またメンバーに200億ドル(約2兆1036億円)近くのインフラ投資を提供した。世界経済が深い衰退に陥り、グローバル化が逆行する流れに直面する現在、AIIBのめざましい動きは紛れもなく非常に貴重な光明だ」と述べた。新華網が伝えた。

 AIIBの「友人の輪」がますます拡大しており、これは開放・包摂というAIIBの協力の初志に基づくものだ。AIIBは発展途上国メンバーを主体としながら、先進国メンバーも多く、こうした優位性がAIIBの多国間主義に独特の性格を付与し、AIIBを各方面の協力を推進する架け橋や紐帯にしている。新型コロナウイルス感染症が世界に与えた打撃に直面して、AIIBは迅速な行動を取り、緊急支援基金の設立から、国際機関が集団で協力する動きの中で重要な役割を果たすに至るまで、こうした危機・困難に際しての力強い行動には、AIIBの責任を引き受ける態度が現れており、AIIBは世界の感染症との闘いに団結協力のプラスのパワーを注入したといえる。

 AIIBの「友人の輪」がますます拡大するさらに大きな理由は、AIIBが民生・福祉という最大公約数にしっかり取り組んでいることにある。「投資プロジェクトは現地の人々の生活を改善し、現地の人々に幸福をもたらすものでなければならない」。これはAIIBがプロジェクトへの投資を評価する際の重要な標準であり、また発展の温度の生き生きとした現れでもある。バングラデシュでは配電システムのバージョンアップ・改良プロジェクトが1千万人を超える農村人口に恩恵を及ぼし、インドネシアではインフラの改善・バージョンアップにより、100万人以上の人々がきれいな水を飲めるようになった。こうした1件1件の協力プロジェクトが、AIIBの共同発展を推進し、各国国民に幸福をもたらすための実際の行動を物語るものであり、大勢の普通の人々に夢を与えていることがわかる。

 「国際社会が信頼感を固め、共通認識を増進し、協力・ウィンウィンの姿勢を貫けば、私たちは何かをしようと考えることができるだけでなく、必ず何かを成し遂げることができる」。習主席がAIIB開業式典で述べた言葉を今、もう一度かみしめてみると、さらに深い意味が感じられる。今年の年次総会で、習主席は共同発展に焦点を合わせ、開拓・イノベーションに踏みだし、最良の実践モデルを創造し、開放・包摂を堅持するという4つの提言を行い、AIIBがメンバー国の共同発展を促進し、人類運命共同体の新たなプラットフォーム構築を推進するとの構想を打ち出した。これは協力の初志の確認であり、未来の発展の計画でもある。ポーランドの外交官は、「こうした提言は今、世界が直面するグローバルな課題の解決を助けるもの」と感想を述べ、ここから各国のAIIBへの支援、AIIBの運営に対する信頼と決意がうかがえる。

 今回の年次総会の期間中に、よいニュースが伝えられた。リベリアの加盟申請が可決され、103ヶ国目の加盟メンバーになったことだ。AIIBは大きく発展し、時代の流れに乗り、開放協力が人々の望む方向であることを映し出す。グローバル経済が困難に陥ったこの時期にあって、第3回中国国際輸入博覧会が開幕100日前カウントダウンを開始し、企業から続々と出展申込みが寄せられ、「ブースの申請が難しい」状態が今回も出現した。「一帯一路」(the Belt and Road)建設が緩やかに推進され、各地を縦横に走り回る国際定期貨物列車「中欧班列」は経済貿易の「血管」の流れをよくしている。第8回中国EU(欧州連合)経済貿易ハイレベル対話で達成した豊富な成果と共通認識が、業界に信頼感をもたらした。

 保護主義と一国主義の暗い影に直面して、中国が推進する1つ1つの協力に現れる熱い思いから、互恵・ウィンウィンを提唱し、多国間主義を実践することが、中国の揺るぎない選択であるだけでなく、国際社会の普遍的な共通認識であることもわかる。苦楽をともにし、力を合わせて困難に打ち勝とうとする今の世界の中で、お互いを結ぶ相互接続の橋を壊せる人はいないし、協力・ウィンウィンの道を遮ることのできる人もいない。習主席が指摘したように、平和と発展が引き続き私たちのこの時代のメインテーマだ。感染症対策でも経済回復でも、各国が相互に支援し合い、団結協力しなければ、力を合わせて危機に打ち勝ち、ともに明るい未来を創り出すことはできない。

NEWS9 不動産による経済活性化なし 今後の成長を牽引するのは?

 このほど開催された不動産業務座談会で、「不動産を経済活性化の短期的な手段としない方針を堅持する」ことが改めて言及された。関連当局のこうした態度表明が放つシグナルは何か。世界では新型コロナウイルス感染症が収束しない状況の中、不動産による経済の短期的活性化を行わずに、中国の経済成長を牽引しようとすれば、どのような短期的手段と長期的手段が利用できるだろうか。中新経緯アプリが伝えた。

今再び言及したことには重要かつ現実的な意義がある

 中国の感染症管理・抑制と企業活動・生産活動再開の成果を見て、市場の信頼感が回復しつつある。上半期の中国株式市場は大きく上昇し、一部の都市では不動産市場も上昇し始め、販売量が大幅に回復した。こうしたことも関連当局が再び「不動産を経済活性化の短期的な手段としない方針を堅持する」ことに言及した重要な背景かもしれない。

 中国政策科学研究会(CAPS)経済政策委員会の徐洪才副会長は、「これは何度も言われてきたことだ。今再び言及したことには特殊な現実的意義がある。最近、一部の中心都市で不動産価格に上昇の兆しがみられたため、転ばぬ先の杖で、大幅で強力な反転上昇の出現を防止しようとしたのだ。不動産価格の大幅上昇は経済への副作用が大きく、実体経済の安定した発展にマイナスになるからだ」と述べた。

 徐氏は、「このほか、高い不動産価格は庶民の消費能力を極めて大きく損なうものでもあり、将来バブルが崩壊すれば、潜在的なリスクとなる。そこであらかじめ微調整をし、正確に調整コントロールする必要がある。今改めて『不動産を経済活性化の短期的な手段としない方針を堅持する』と言及したことは、方向性の絞り込みであり、予防接種のようなものだ」と補足した。

 また徐氏は、「『不動産を経済活性化の短期的な手段としない方針を堅持する』ことを強調するのは不動産市場の安定した健全な発展を促進する上でプラスになり、資金の実体経済への秩序よい流入を誘導する上でプラスになり、特に小規模・零細企業にとって、産業構造の調整と新たな原動力育成を促進する上でプラスになる」との見方を示した。

中国経済の振興 短期的・長期的手段は何か?

 不動産市場はかつては中国経済の急成長を牽引して非常に大きな役割を果たした。それではこの巨大な「加速装置」なしでこれからの中国経済の回復を牽引しようとすれば、次はどんな「加速装置」を用いればよいだろうか。

 中泰証券の李迅雷チーフエコノミストは取材に答える中で、「短期的な活性化手段は主にインフラ建設により、長期的には内需によらなければならない。中国の経済成長を牽引するには主に投資による必要があり、投資にはインフラ建設投資、不動産投資、製造業への投資が含まれる。感染症の影響で、製造業への投資が今は総需要が減少しており、インフラ建設投資が主導的役割を果たさなければならないはずだ。内需については、これから政府当局が引き続き一部の政策を打ち出して消費を喚起する可能性がある」と指摘した。

 中新経緯アプリによれば、中国で感染症の状況が徐々に安定するにつれて、関連の消費分野が次々開放されるとともに、省境をまたぐ旅行、2.5日間の短期休暇など消費を奨励・促進する政策も打ち出された。北京市政府はこのほど政府が企画した消費券150万枚を2回にわたって発行し、消費シーズンの活動を再開した。
徐氏は、「経済回復のためにはやはり長い時間がかかる」との見方を示した。

 そのために必要なことは何か。第一に産業チェーンとサプライチェーンを回復することだ。産業チェーンは中国経済の内部循環と外部循環のスムーズな結びつきを実現することができる。第二により多くの雇用を生み出すことだ。これは消費を安定させる前提だ。消費の安定成長は個人の収入の安定増加をよりどころとするからだ。第三に改革の深化を通じて、より高水準のビジネス環境を創出し、マーケットエンティティの原動力と活力を活性化することだ。第四にイノベーションにさらに力を入れ、技術の進歩を促進し、新たな原動力を育てることだ。第五に各種の政策を実施することで最後の1キロ問題を解決することが極めて重要だ。そのために政策の執行力を高める必要がある。

NEWS10 日本の雑貨大手LOFTが上海同楽坊に進出

 「百年の同楽坊、百年の上海弄堂(路地裏)工業」がテーマの歴史文化展並びに日本の株式会社ロフト(LOFT)の中華圏本部同楽坊進出記念式典が、このほど上海市余姚路66号で行われた。「解放日報」が伝えた。

 ロフトは日本の大手雑貨専門店で、日本国内の店舗数は131店を数え、年間売上高は1200億円に上る。庄野桂一郎取締役兼執行役員海外事業部長は、「今年に入ってから中国は新型コロナウイルス感染症に効果的に対応しており、生産活動・企業活動の再開を促進するために取った一連の力強い措置を見て、日本のロフト社は中国市場をより高く評価し、予定通り中国市場に進出して中華圏本部を(上海市)静安区に置こうという決意を固めた」と述べた。

 同楽坊は今から100年前に誕生した路地裏の工業集積エリアだ。ここ数年、所在地の静安区政府は優良企業資源の導入を進め、空いている工場の建物を再開発して、暮らし、仕事、娯楽が一体化した同楽坊文化クリエイティブパークを構築してきた。現在、多国籍企業の本部が続々と進出して以前の小規模工場に取って代わり、個人のアトリエが次々に登場してかつての学校に取って代わった。


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