銘・精選

NEWS1 上海ディズニー再開から1ヶ月 どんな変化があった?

上海ディズニーランドは5月11日に世界に先駆けて営業を再開してから、ちょうど1ヶ月が経った。再開後の30日間に、どんな変化があっただろうか。中国新聞網が伝えた。

再開後、上海ディズニーにやって来た大勢の来園者が最初に感じたことは、人と人との距離が「遠くなった」ことだ。各エリアの並ぶ通路の調整でも、アトラクション設備でも、グループとグループの間は1つ空けるルールになり、小型の乗り物のアトラクションでは、1つの乗り物に1グループしか同乗できなくなった。来園者に安全な距離を保つよう呼びかけるため、キャストが各エリア、ショップ、レストランなどに距離キープのマークを2千ヶ所以上設置し、手持ちのプラカードも300点以上作成した。

距離が遠くなり、予約もオンラインに変わり、予約待ちカードも登場した。指定されたエリアの予約待ちカードを手に入れなければ、選択した時間帯にエリアに入って列に並ぶことはできない。

普段なら来園者とふれあい、一緒に記念写真を撮るディズニーの仲間達との距離も遠くなった。彼らは今は新しいスタイルで来園者と対面し、たとえば優雅なプリンセスたちはお城のバルコニーからあいさつを送り、毎日の閉園時間にはミッキーと仲間達が時計台に立って、「さようなら、また会いましょう」と手を振る。安全な距離を保つため、ミッキー達との直接の交流や近い距離での記念撮影はしばらくお預けだ。

変化はバージョンアップした消毒作業にもみられる。上海ディズニーの各エリア、レストラン、ショップには、水不要の消毒薬が設置された場所が400ヶ所近くあり、来園者にこまめな手洗いを呼びかけるマークも500ヶ所近く設置した。ディズニーランドの清掃作業は元々高い水準だったのがさらに回数が増えて、来園者が触れる可能性のある場所、たとえば手すり、肘掛け、屋外の休憩用イス、トイレ、アトラクションの乗り物などは、すべて消毒されている。

距離が遠くなり、消毒の回数が増えても、ディズニーランドの楽しさが減じることはない。それどころか、感染症で家に隔離されていた来園者たちは、上海ディズニーが送り出すワクワクドキドキをあますところなく体験できる。例えば、ウォルト・ディズニー・グランド・シアターでは毎日「ディズニー・カラー・フェスティバル」のショーが上演され、「マーベルユニバース」も華麗に変身し、マーベルのキャラクターをテーマにしたよりクールな没入体験ができる。再現のレベルが高い「アイアンマンのコーナー」、品揃えの充実した「マーベルグッズ」のショップ、みんなに愛されてきたマーベルのヒーローたちとの出会いなど、さまざまな楽しみがある。

6月9日はドナルドダックの誕生日で、上海ディズニーも一連のお祝いイベントとサプライズを用意した。翌日10日には、ダッフィーの仲間の音楽好きでウクレレが上手なオルメルが初めて上海ディズニーにやって来た。

営業再開からの1ヶ月間、上海ディズニーでは毎日大きな変化や小さな変化があり、持続的な改善も新たな試みもすべて、世界中の人々がこの「世界で一番楽しい場所」に再びやって来ることを歓迎するためのものだ。

NEWS2 株式市場なぜ一夜で暴落? トランプ大統領はFRBを批判

米国現地時間の11日、このところ相次ぎ過去最高を更新していた米株式市場が「暗黒の木曜日」を迎えた。3大株価指数は軒並み大幅下落して取引を終え、ダウ平均は1861.82ドル(1ドルは約106.8円)安となった。株価下落に直面して、トランプ大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)に対して、「FRBはいつも誤りを犯す」と批判した。中国新聞網アプリが伝えた。

FRB予測「2020年米国経済はマイナス6.5%」

状況を整理してみると、多くのアナリストが、「市場が公衆衛生上の緊急事態の第2波を懸念すると同時に、FRBが経済の見通しに悲観的な見方をしているのが、米株急落の主要因」との見方をしていることが分かる。

FRBは10日発表した最新の経済見通しの中で、20年の米国経済成長率はマイナス6.5%になると予想した。FRBのパウエル議長は、「今年第2四半期に、米国の実質国内総生産(GDP)の減少はこれまでで最も深刻な水準になる可能性がある」と述べた。

オーストラリアの金融サービス企業Axicorpのグローバルチーフマーケットストラテジストのスティーブン・イネス氏は、「短期売買とファスト・マネーの取引担当者は、何らかの悲観的なデータによる暗示があれば直ちに投げ売りするか、わずかでも利益が出ればよしとする傾向が非常に強い」と述べた。

また米国で人種差別への抗議デモが続いていることから、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は10日、「抗議デモにより新型コロナウイルス感染症の患者が増加する恐れがある」と警告した。

ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによると、北京時間の12日午前7時33分現在、米国の新型コロナウイルス感染による肺炎患者は201万8875人で、死者は11万3774人となっている。

米国各地で感染対策のための制限措置が徐々に緩和され、ディズニーランドは7月から段階的に営業を再開する計画だ。しかし大勢の人が集まることで感染症が爆発的に広がることを懸念して、カリフォルニア州の衛生担当者は10日、「今年はコーチェラ・フェスティバル、ステージコーチ・フェスティバルを中止する」と発表。また8月に予定されていたアイオワ・ステート・フェアも、第二次世界対戦以降で初めて中止になった。

米メディアの報道では、テキサス州で10日に新たに2504人の患者が確認され、1日の患者数の最多を記録した。今週フロリダ州で確認された患者は8553人で、1週間の患者数の最多を更新した。カリフォルニア州は入院患者数が5月13日以降で最多になり、過去10日間のうち増加した日が9日に上った。

しかし米メディアのCNBの報道によると、米財務省のムニューシン長官は11日、「新型肺炎の患者が再び激増しても、米国は経済を止めるべきではない。経済を止めればより多くの損害が出る。経済の損害だけでなく、これまで手つかずだったことで顕在化した医療問題もある。私たちは再び経済活動を閉鎖してはならない」と述べた。

NEWS3 日本で広がる「脱中国」論 どのように考えるべきか

日本では新型コロナウイルス感染症がほぼ抑制され、経済活動が続々と再開している。日本のキャノングローバル戦略研究所(CIGS)の瀬口清之研究主幹はこのほど取材に答える中で、「『ポスト感染症時代』には中日間の経済協力が『より緊密に』なるだろう。両国はグローバル化プロセスの中で巨大な使命をともに担うことになる」との見方を示した。同研究所は日本の有名な「回転扉式のシンクタンク」と呼ばれる研究機関で、所属研究員は日本政府の機関で働いた経験がある人がほとんどで、日本政府の政策決定者と良好な双方向の関係を維持している。

感染症の流行中に、中国人観光客が激減して日本の観光産業は非常に大きな打撃を被り、中国の工場が生産を停止したことも日本製品のサプライチェーンに供給がストップするという直接的な打撃を与えた。日本国内では問題の責任は「中国への過度の依存」にあるとの声が上がり、突如として「脱中国」の論調が広がっていた。中国に進出した日本企業の中には、「中国から撤退」して日本に回帰すると発表したところもあった。

「『脱中国』を主張するのは経済がわかっていない人であり、『中国から撤退する』というのは競争力のない企業だ」。瀬口氏はこのように率直に指摘した上で、「こうした人々は中日間の経済交流の重要性を十分に理解しておらず、自分たちの中国での発展状況が順調でないので、日本に帰らざるを得なくなった。本当に優れた企業はどこも中日間の緊密な貿易関係から利益を得ており、『脱中国』を考えないばかりか、対中投資を拡大しようとしている」と述べた。

事実は確かにそうだ。「日本経済新聞」の報道によると、日本電産株式会社の遼寧省大連市での新工場プロジェクトは3月に着工し、来年には完成して操業を開始する予定で、電気自動車(EV)用の駆動モーターを毎年最大で360万台生産できるようになるという。着工したのはちょうど感染症対策が最も差し迫った時期で、日本電産は500億円だった投資額を1千億元に増やして、中国市場に対する信頼感を表した。このほか、トヨタ自動車も1億3千万円を投入して天津市に新エネルギー自動車の工場を建設する計画だ。

「ポスト感染症時代」の中で、中日経済協力に新たな変化が訪れるだろうか。

瀬口氏は筆者からの質問に対し、「緊密に、より緊密になる」というシンプルでポジティブな答えを出した。

瀬口氏によると、「日本企業はこれまでリスクを回避するため、分散投資を行うのが一般的で、中国だけでなく、ASEANなどの国にも工場を建設した。技術の流出を恐れて、重要な部品はとりわけ中国で製造しようとしなかった。中国で感染症が発生すると、日本企業を含む多くの在中国の外資系企業が経営困難に陥った。意外だったのは、中国の各地方政府が3月上旬から経済回復に向けて動き出し、外資系企業を積極的に支援したことだ。感染症が世界中に拡散すると、米国などでも日本企業は同じような問題にぶつかったが、支援は受けられなかった。そのため、各国企業は中国の支援システムを高く評価し、中国で集中的に製品を生産するのが最も安全なやり方かもしれないと考えるようになった。さらに今年施行された『中華人民共和国外商投資法』は知的財産権に対する保護を強化しており、ここから中国の投資環境が徐々に改善されていることがわかる」という。

また一方で、感染症流行中に日本はEC、遠隔医療、オンライン教育、人工知能(AI)、モバイル決済などのハイテクの重要性を認識し、こうした分野で中国がはるかに先行していること、インフラ建設のレベルも日本を上回ることを認識した。瀬口氏は、「未来に着目する日本企業はどこも手を尽くしてこうした分野で中国とリンクしようとし、中国に研究開発センターを設立することを考えるところも多く、以前にも増して中国市場を重視するようになった」と述べた。

瀬口氏には「チャイナノミクス」というオリジナルの理論があり、「中国との経済協力を強化することが、日本が経済復興を実現するための最良の方法」と主張する。瀬口氏は、「中国の経済規模は2009年に日本に追いつき、2010年に日本を追い越して世界2位のエコノミーになった。中国の現在の経済規模は日本の3倍で、将来はさらに差が拡大するだろう。日本にとってみれば、機会がこれまでよりも多くなる。また中国企業はここ数年は製品の品質をより重視するようになり、品質こそまさに日本企業の十八番であり、両国経済の双方向の動きを持続的に推進すればウィンウィンの局面をもたらすことに疑問の余地はない」と述べた。

瀬口氏は、今年の中国の政府活動報告で国内総生産(GDP)成長率の数値目標が提示されず、中国経済が高速発展ばかりを強調しなくなったことについて、「今年はGDP成長率の数値目標を設定しなかったのはごく当たり前のことだ。中国とグローバル経済との関係はますます緊密になり、海外で感染症がまだ抑制されていないこと、経済活動が制限されていること、輸出をめぐる状況が不透明なことなどによりGDP成長率の予測が難しいからだ。今は中国経済は確かに感染症の影響を受けているが、今年下半期から徐々に正常な軌道に戻るはずで、中国経済は全体として安定した状況を維持するとみられ、GDP数値目標を発表しなかったことは問題にはならない」と分析した。

このたびの感染症の破壊力は「世界大戦」にも引けを取らず、「反グローバリゼーション」のプロセスを加速させるとみる学者がいる。瀬口氏は、「このたびの世界的な感染症で深刻なのは『経済グローバル化への副作用』だ」として「反グローバリゼーション」の見方には賛同せず、「グローバル化が引き続きポスト感染症時代の主流だ」と述べた。

瀬口氏は、「情報の交流、人の往来、金融投資などの分野での双方向の動きがますます密接になるにつれ、多くの人がそこから利益を得て、グローバル化が大きな流れになり、誰にもこの流れを阻止することはできない。しかし人類が直面する共通の課題は今後ますます多くなり、新たな矛盾点を生み出すこともあるだろう。一部の国が引き続き『自国ファースト』を強調したり、自国の利益のためにいくつかの問題を『政治問題化』しようと画策したりするなら、時代の流れに順応することはできない」と述べた。

瀬口氏は取材に答える中で、「未来のグローバル化は国の枠を超え、全ての人類と社会の持続的な安定を重視しなければならない。この目標を実現するために、『規則』に完全に頼ることはおそらく不可能で、『道徳』にも頼ることが必要になる。その時には『仁義礼智信』という東洋思想が重要な役割を果たすだろう。これは西側の強権政治にはできないことだ。この思想は中国の古典思想を源流とし、日本で発展し継承されてきた。よって中国と日本は未来のグローバル化プロセスにおいて非常に大きな使命を共同で担うことになるだろう」と述べた。

NEWS4 日本のオンライン文学の作者はどうやって稼いでいるか

安定した巨大な文化産業の伝統に支えられて、日本のオンライン文学は伝統的産業とは異なる独自発展の道を歩むのではなく、伝統的出版業界にぴたりと寄り添うとともに、伝統的出版業界に新たな活力を絶えず注入してきた。

「君の膵臓をたべたい」(以下「君の膵臓」)をはじめとする人気のオンライン小説の作家たちは、作品が人気になると相当な収益が期待でき、「座ったままお金を稼ぐ」などとも言われる。

この小説は膵臓がんになった少女の日記帳を拾った少年と少女との物語を時間軸を交差させながら描いた青春小説で、作品のそこかしこに現れる繊細で深みのある感情描写が大勢のファンを虜にした。2015年に双葉社から単行本が出され、17年には文庫化され、18年にジュニア文庫版が発売された。累計発行部数は260万部を超えた。

日本の書籍出版スタイルは主に単行本、新書、文庫の3種類がある。単行本は四六判とも呼ばれ、全紙の約32分の1の大きさで、ハードカバーとソフトカバーがある。ハードカバーの販売価格は2千円ほど、ソフトカバーは1500円ほどだ。一般的に小説はまず単行本か新書として出版され、売れ行きがよければ3年後に文庫化され、新たな装丁で再出版される。

16年に連載が始まった「君の膵臓」は1年後に単行本が出版され、同名の映画も18年に公開されて大ヒットし、封切り第1週は興行収入1位となり、興行収入は第2週までで12億円、第4週までで20億円に達し、累計で30億円を突破した。

出版社の小学館の法律事務責任者によると、日本の出版界で慣例となっている印税の税率は約10%だ。印税の計算方法は書籍の価格に税率をかけ、さらに販売部数をかける。しかし「販売部数」とは実際に販売した部数ではなく、印刷した部数だ。一度印刷されてしまえば、その本が倉庫でほこりをかぶっていても、出版社は作者に印税を支払う必要がある。再版時の印税も部数に応じて作者に支払われるため、作者の意欲を維持することにもつながっている。

たとえば販売価格が千円の本を1万部印刷したとすれば、印税率が10%なので、作者は100万円を手にすることになる。イラストが入っていれば、イラストレーターと作者で印税を分け合い、仕事の量や使用量に応じて5対5や6対4の割合で分けることになる。

日本では著作権の保護期間は契約に調印した著作者の死後70年で、出版社は一種のサービス機関の役割を演じ、著作者のために出版から二次利用までをサポートし、著作者の利益が損害を受けないよう保証する。

前出の法律事務責任者は、「日本では、出版社と作者の関係は通常は前者が後者の代理を務めるというもので、海外の顧客との交渉や会議など各種の業務を処理し、アニメやゲームへのリメイクにおける著作権使用料、海外著作権収入の分配、派生商品のライセンス料の分配などを交渉する」と説明した。

文化産業の伝統による支え

整った法律法規は日本の文化産業政策の非常に重要な一部分だ。02年2月、日本は「知的財産立国宣言」を打ち出し、日本を発明や創造を尊ぶ国にすることを目指し、製造業だけでなく、技術、工業設計、商標、音楽作品、漫画・アニメ、映画などの価値ある「コンテンツクリエイション」も重視して、日本の経済社会の活力を求めるとした。

この宣言から「知的財産基本法」とその後の「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」が生まれ、絶えず整備される法律法規の産業全体に対する促進効果は明らかだ。

2010年の日本の文化産業の規模は1兆1070億ドル(1ドルは約107.3円)を超え、国内総生産(GDP)の約20%を占め、アニメ(animation)、漫画(cartoon)、ゲーム(game)、ライトノベル(novel)の4本柱がそろって前進し、高度に連動し成熟したACGN産業チェーンを形成した。

このことはオンライン小説が漫画やアニメ、ゲームにスムーズにリメイクされるための良好な基礎となった。

日本にはギャルゲー(美少女が登場するゲーム)と呼ばれるジャンルがあり、日本独自のテキストアドベンチャーゲームだ。プレイヤーはゲーム上のキャラクターといろいろ対話しながら選択を行い、選択した内容によってストーリーとアイテムが変わり、そのスタイルは相互連動式のライトノベルに似ている。文学性と叙事性が極めて高いため、オンライン小説はアニメ産業に豊富なシナリオ資源を提供している。

こうしたコンテンツリメイク方式は日本ではメディアミックスモデルと呼ばれ、中国映画産業で盛んに用いられているキャラクター(IP)の考え方に似ており、通常は何らかのメディアの作品をベースとなるオリジナル版とし、一定の人気と認知度を獲得した後、プラットフォームを超えたリメイクを行い、さまざまなメディアの作品を派生させる。

業界関係者は、「安定した巨大な文化産業の伝統に支えられて、日本のオンライン文学は伝統的産業とは異なる独自発展の道を歩むのではなく、伝統的出版業界にぴたりと寄り添い、また伝統的出版業界に新たな活力を絶えず注入してきた」との見方を示す。

日本のサブカルチャー記者の飯田一史氏の著書「ウェブ小説の衝撃」で紹介された調査結果によると、日本のウェブ小説市場の付加価値が非常に急速に増加しており、大型書店の蔦屋書店のベストセラーランキングでは、ウェブ連載発の小説が半分以上を占めるという。公開されたデータでも、ウェブ小説専門出版社のアルファポリスは、14年から16年にかけて収益が徐々に増加し、利益率は30%前後に達し、業界全体としてもかなり目を引く成果を上げている。

サイトと直接協力して設立される文学賞もかなり増えた。「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」は12年から小説投稿サイト「e☆エブリスタ」に連載されたミステリー小説で、13年に同サイトと角川書店が共催するコンテストで受賞した。

飯田氏の調査によると、「この小説はネットに連載されたものだが、文字の密度が非常に高く、ネット連載作品によくみられる大量の余白もなく、オンライン小説よりも、紙の小説の創作方法を参考にしており、『トレンドの逆をいく』作品だと言える。しかし受賞のポイントはネット連載時のクリック数ではなく、受け手と作品のブランドが融合しているかどうかがより考慮される。そうして、『トレンド逆行』のニッチ小説『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』があまたあるオンライン小説の中で抜きんでた存在となり、日本の書籍、映画、漫画アニメの伝統との融合に成功した」という。

また飯田氏は、「これまで日本の作者は雑誌や新人賞への応募で注目を集めてきたが、日本では今、出版業界が全体として不況で、オンライン小説がこうした役割を代わりに担い、より多くの小説家が発掘されるようにしている」と述べた。

NEWS5 中国、「リベンジ的」住宅購入が出現するか?

コロナ後の時期に、「リベンジ的」な住宅購入が出現するだろうか。交通銀行が9日に発表した調査結果「交銀中国資産景気指数報告」(総第59期)によると、新型コロナウイルス感染症が収束に向かうにつれ、不動産業が秩序よく業務を再開し、小康世帯(ややゆとりのある世帯)の住宅購入ニーズが顕在化しているという。中国経済網が伝えた。

同調査は5月7日から5月20日にかけて行われた。その結果によると、4月には大中都市70ヶ所の不動産市場で不動産価格がわずかに上昇したが、全体としては安定した状況で、同期における現在の不動産投資行動指数は前期に比べて2ポイント上昇し、不動産投資意欲予想指数も1ポイント上昇し、安定ぶりがうかがえる。

現在と将来の不動産投資意欲をみると、持ち家数が0-1戸の世帯にとって住宅購入は硬直的需要であり、感染症が収束した後の不動産投資意欲は前期より高まっているが、持ち家数2戸以上の世帯の不動産投資意欲は前期とほぼ変わらなかった。

国家統計局が発表した4月の分譲住宅販売価格変動状況によると、4ヶ所の一線都市では新築分譲住宅販売価格が前月比0.2%上昇し、上昇幅は前月と同じだった。中古住宅販売価格は同1.1%上昇し、上昇幅は前月より0.6ポイント拡大した。二線都市31ヶ所の新築分譲住宅価格は同0.5%上昇、中古住宅価格は同0.4%上昇し、上昇幅はどちらも前月より0.2ポイント拡大した。同期の中核都市および非中核都市の小康世帯の現在の不動産投資意欲はいずれも2ポイント上昇した。

不動産市場が回復するにつれ、一線都市の不動産価格は前月比やや上昇し、二線都市は埋め合わせ的に上昇した。同期における中核都市および非中核都市の小康世帯の現在の不動産投資意欲は、前期に比べて中核都市が1ポイント上昇、非中核都市が2ポイント上昇した。

今後の不動産投資意欲をみると、中核都市および非中核都市の小康世帯はいずれも前期比1ポイント上昇した。

NEWS6 「618」でアップルに対抗 ファーウェイ栄耀が5G検温スマホ

米アップル社はこのほど、中国でECサイト「京東商城」が開催する「618セール」に初めて参加すると発表し、iPhone(アイフォーン)の全ラインナップが実質最大約20%オフになるとした。華為(ファーウェイ)はすぐにアップルを正面から迎え撃つと決め、3日には、低価格モデルには聯発科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)が開発した天璣(Dimensity)800チップを搭載し、高級モデルにはファーウェイの旗艦チップの麒麟990を搭載した、「栄耀Play4」シリーズのスマートフォンを発売し、アップルとの「618の戦い」の火ぶたを切った。

最近、中国国内で消費が回復しているのにともない、5Gスマホはまもなく始まる618セールで多くの消費者が購入予定の人気商品になっている。

中国携帯メーカーの最大のライバルであるアップルは、今年初めて公式値下げという「出血大サービス」をひっさげて中国の618セールに初参戦する。今年はアップルの天猫(Tmall)公式旗艦店でiPhone全ラインが複数店舗での購入額が一定額を超えると割引きになるサービスの対象になり、その場で使える150元(1元は約15.4円)の優待券ももらえ、全ラインが実質最大20%オフになる。

中国携帯メーカーのリーディングカンパニーとしてのファーウェイも、アップルへの対抗に力を入れる。

ファーウェイは今月1日に「暢享Z」シリーズの5Gスマホを発売したばかりで、今度は傘下ブランド「栄耀」も最新機種を打ち出してiPhoneを迎え撃つ。

3日には「栄耀Play4」シリーズ5Gスマホが発売された。海外の製品と異なり、ファーウェイの最新機種はより中国の消費者に親しみ安いものになっている。

ファーウェイは最近、新型コロナウイルス感染症の研究に焦点を当てて積み上げてきた最新の科学技術成果を「象牙の塔」から解き放って初の民間化を実現し、「栄耀Play4」シリーズの業界初の赤外線温度計付き5Gスマホを発売した。

ファーウェイのイノベーションではスマホで初めて体温測定と物体の温度測定機能を実現した。「栄耀Play4 Pro」赤外線温度計付きモデルには赤外線温度計が搭載され、赤外線エネルギーの吸収量によって対象の温度を測定する。

栄耀アルゴリズムチームはスマホの特徴について、「実際のサーマルモデルに合わせ、専門的なキャリブレーション(調整)アルゴリズムによってさまざまなシーンでの温度測定の正確さを保証する」と説明した。

日常生活の中で、「栄耀Play4 Pro」の赤外線温度計機能は、リアルタイムで体温を計り、ユーザーの健康を見守るだけでなく、各種物体の温度も測定することができ、たとえば水の温度も測れる。非接触型赤外線測定方式は人もモノも測定でき、測定範囲は-20℃~100℃。

アップルによりよく全方位的に対抗するため、「栄耀Play4」シリーズには種類の異なるチップが搭載された。「Play4」には聯発科技の天璣(Dimensity)800チップシリーズの「5G SoCチップ」を搭載したほか、ベイパーチャンバー(VC)冷却システム、4300ミリアンペア(mA)バッテリー、22.5ワット(W)急速充電などのスペックを搭載し、価格は1799元からとなっている。

NEWS7 イマドキの中国の若者は「いくつの顔」をもつ?

動画サイト「bilibili」(ビリビリ)でこのほど注目を集めた若者の生活を伝える動画を見ると、若者には「サーキットレース、スカイダイビング、本格的な写真撮影、ダイビング……」といったこだわりを示す一面もあれば、「深夜まで夜更かしし、最も高いサプリを飲みながら、定期健診では毎回何もありませんようにとビクビクしている」という一面もあった。一体、中国の若者には「いくつの顔」があるのだろうか。

実際的

今の若者はスカイダイビングで世界のあちこちに出かけながら、お金を稼ぐことにも関心があり、古風でもあれば現代的でもあるなど、変化に富んだ世代だといえる。

百度(バイドゥ)の「五四青年節(5月4日の青年の日)検索ビッグデータ」によると、若者はよく言われるように「娯楽に熱狂する」だけでなく、経済関連コンテンツへの注目度が高く、「株のやり方」や「今何に投資したら儲かるか」、「2020年の不動産価格の動き」といった「俗っぽい」キーワードにも注目している。

過去90日間に、00後(2000年代生まれ)は起業や経済的自由をより熱心に検索しており、各年代の中でトップだった。「パートナー制度はどうか」についても踏み込んで検索しようとしていた。

別の一面もある。00後はさまざまなレシピを熱心に検索し、どれも注目度が上昇した。80後(1980年代生まれ)や70後(1970年代生まれ)が主に鶏肉のカシューナッツ炒めや紅焼肉(豚三枚肉の煮込み)といった料理の作り方に注目していたのに対し、00後はもっと簡単な「玉子チャーハン」の作り方を熱心に調べていた。また湖北省商品の団体購入には年代による目立った違いはなく、どの世代も「湖北省のためなら太っても構わない」という「手切族」(ネット通販で過剰な衝動買いをしてしまう人々)になっていた。

理想

多くの人は無意識のうちに、スターを追いかける若者が科学者を崇拝するはずがないと考える。しかし検索ビッグデータ報告をみると、(スターの)華晨宇や楊■(幕のくさかんむりがわかんむり)の人気が高いのはもちろんだが、90後(1990年代生まれ)と00後は鍾南山、李蘭娟、袁隆平といった「実力派」の院士(アカデミー会員)に対しても熱心に検索し、その検索件数の急速な増加はスターを超えるほどだ。

90後と00後が人生で追い求めるのは単に楽しむことだけではなく、彼らはそれぞれ理想や抱負を抱いている。新型コロナウイルス感染症が発生してから、00後はそれまで人気の専攻だった金融より、医学に一層注目するようになった。百度の検索ビッグデータでは、過去約90日間に、00後の「医学系大学ランキング」の検索件数は前年同期比で182%増加した。

人文分野への関心

過去約90日間、「ボランティアサービス」の検索件数では90後が最も多く、00後がこれに続いた。同じように、百度知道で「ボランティア募集」の話題に関心を寄せた人を年代別にみると、90後が47%とほぼ半数を占め、次は00後の25%だった。

検索ビッグデータ報告では、「野生動物保護」、「公衆衛生管理」などの検索件数で、00後と90後が80後、80前(1980年以前生まれ)を著しく上回った。

死ぬのは怖いけど生活は気まま

肥満や脱毛を気にし、夜更かしすると体に悪いのではと心配するというように、若者は健康に心を砕く。サプリや育毛剤を好み、モグサのお灸パッドを愛用し、いろいろな健診やワクチンを受ける。感染症の流行中には、マスクやアルコールを買い占めるなど、若者は「何をやってもダメ。とにかく死ぬのが一番恐い」と自嘲する。

「今の若い人はものすごく死ぬのを怖がっている」と話す浙江省杭州市の杭州市中医院皮膚科の陶承軍主任医師は、たくさんの若い患者を受け持つ。「若い人たちは自分の健康を非常に重視しているように思う。20代の女性は肌に小さなほくろを見つけ、メラノーマか皮膚がんではないかと心配してパニック状態になった。20代の男性は髪の毛が20-30本抜けたのに気づき、心配でじっとしていられなくなって受診し、髪が全部抜けてしまうのではないかと言っていた」という。

では、死ぬのを怖がっている若者は健康的な生活を送っているのか。

陶氏が挙げる実例をみると、答えはノーだ。「多くの若い患者は日光皮膚炎(日焼け)で受診する。日に当たらないようにして、出かける時は日よけに注意するように言うが、ちゃんとできる人は非常に少ない。また日に当たって悪化し、病院に来ることを繰り返し、病院に来ると気がせいてすぐに薬で治そうとする。でもいったん落ち着くと、また注意しなくなる」。

華燕吟医師も「自己矛盾」している若い患者を診察したことがあるという。華医師は、「昼ご飯に代替食やダイエット食を食べ、食べ終わると水晶餅やお焦げ風揚げ煎餅などの高カロリーのおやつを食べる」と言う。

責任を引き受ける

若い人にはよく「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」とか「小確幸」(小さくても確かな幸せ)、「二次元」といったレッテルが貼られ、親の目からみれば子どもだ。しかし感染症に直面して、若者は親しい人に別れを告げ、「戦闘服」に身を包み、自分に与えられた責任を勇敢に引き受けた。

新型肺炎が猛威を振るっていた頃、武漢に支援に赴いた医療従事者4万人あまりのうち、1万人以上が90後以降の若い世代で、うち95後、00後が相当な数を占めた。「感染症の中で、90後と00後が急に成長したことに気づいた」と感慨深く語る人もいる。しかし本当のところ彼らは突然成長したのではなく、多くの人が彼らを十分に理解していなかっただけだ。感染症期間中に「現場ライブ配信」のように彼らの様子が伝えられたことで、凝り固まった偏見が払拭された。

現実的

90後、00後の多くは生活に直面してもいる。学校を出たばかりの新入社員で、給料は少なく、何でもやらされる。毎朝早くに満員の地下鉄に乗り、夜は残業で996(朝9時から夜9時まで週6日間働く)の日々を送る。彼らは自分たちのことを自嘲気味に「社畜」と呼ぶ。

若者には学業でもプレッシャーにさらされ、仕事では大変な思いをし、住宅価格という難題にも直面する。いつも生きるために心を砕き、力を尽くすが、得られるものはわずかだ。

若者は一見、一日中笑顔を絶やさず、何でも笑い飛ばしているように見えるが、これは何でも順調だからではなく、問題に向き合う勇気があり、うまくいかないことを上手に忘れることができ、喜びを大切にする賢明さを備えているからに他ならない。

若者は自分の置かれた立場で真剣に毎日を暮らし、日々努力し、努力を続ける。それほどきらびやかではないが、苦労を重ねながら価値を生み出していく。

人というものはある時代やある層にレッテルを貼りがちだが、今の若者も普通の人として普通の生活を送っている。その「普通」が少し若者仕様になっただけだ。

NEWS8 中国人消費者が好む商品は? カートの中身は国産品が8割

「爆買い」と言われるように、中国人消費者の購買力は世界的によく知られている。

中国の消費者はどのような商品やブランドを好むのだろうか。阿里研究院がこのほど発表した「中国消費ブランド発展報告2020」によると、過去1年間に、中国人の(ネットショッピングの)ショッピングカートに入った商品の80%以上が国産品だった。携帯電話なら華為(ファーウェイ)や小米、家電なら海爾(ハイアール)や格力、アパレルなら李寧や太平鳥などだ。ここ数年は、国産品の品質が高まり続けており、これに魅力的なマーケティングスタイルが加わって、多くの若い消費者の心をがっちりつかんでいる。

国産人気ブランドを一番好むのは誰?

近年、国産ブランドの多くが古いものを受け継ぎながら新しいものを打ち出し、市場シェアを拡大させている。データによれば、2019年に阿里巴巴(アリババ)の小売プラットフォームの消費財16大カテゴリーのうち、中国ブランドの市場シェアが72%も占めた。天猫(Tmall)の「5・1ショッピングカーニバル」では、美的の取引額が10億元(1元は15.3円)を突破し、前年同期比100%増加した。格力の取引額は6億元に迫り、同300%以上増加した。小型家電分野では小熊電器、米家、艾美特などの売上高がいずれも2倍増加を達成し、活力を示した。

北京に住む唐さん(女性)は化粧品が大好きで、大学生の時からさまざまな商品を試してきた。「以前は国際大手ブランドの化粧品が好きで、値段が高ければ品質も確かだと思っていた。最近は完美日記や橘朶などの国産ブランドもなかなかよく、コストパフォーマンスが高い。この2つのブランドのアイシャドーやチーク、チップは日常的に愛用している」という。

アパレルブランドでは、李寧が鮮やかな復活を遂げた。以前のファッション性と無縁なスポーツブランドから、「新たな国産人気ブランド」へと華麗に変身し、「中国李寧」のロゴ入りTシャツを着た若者がどんどん増えている。スポーツウエアが好きな北京の大学生の陳さん(男性)は、「これまでの印象では、李寧はスポーツウエアを売っている会社で、そんなにかっこよくなかった。でもここ2年ほどの間に李寧のウエアはデザイン性が高まり、徐々に新たな人気ブランドになっていった」と話した。陳さんは普段から人気ブランドの服を着ているが、海外人気ブランドは価格が高めで、まだ学生の陳さんはやや手を出しにくい。だがトレンドをおさえつつ価格はほどほどの「中国李寧」シリーズが登場して、ニーズにしっかり応えてくれたという。

携帯電話と家電製品の分野では、中国ブランドの認知度がさらに高い。携帯電話を買うなら、ファーウェイや小米、OPPOなどの国産ブランドが消費者にとっての選択肢となっている。大型家電ではハイアールや格力などのブランドがますますよくなっており、小型家電では北鼎や小熊などの新ブランドが次々登場している。

では、国産品を一番よく買っているのは誰か。アリババがまとめたデータによれば、新鋭国産品ブランドを購入する消費者のうち、女性が90%を超え、95後(1995年から1999年生まれ)が過半数を占め、三線都市以上の都市住民が60%に上る。同報告は、「中国ブランド、特に国産人気ブランドの消費者には3つの傾向がある。若者が多く、大都市の人が多く、女性が多いことだ。大都市に暮らす若い女性は、文化消費ニーズがより明確で、国産人気ブランド文化商品の主力購買層だ」との見方を示した。

市場は静かに変化している。ますます多くの国産品が人々の視界に入り、ますます多くの若者が国産品を好んで買うようになっている。

NEWS9 街の魂「屋台」が復活 奇数・偶数による出店規制や5つ星ホテルの参加も

「一番恋しい道ばたの屋台は何?」をたずねるネット投票で、焼肉、中国風クレープ、マーラータン(麻辣湯)が圧倒的な票を集め、果物や野菜、携帯電話の保護フィルムなどは順位がはるか下の方だった。中国新聞網アプリが伝えた。

そして今、道ばたの屋台が帰ってきた。

注目を集める屋台経済

2020年の「政府活動報告」では、「雇用を安定させ、収入を増やし、民生を保障することを通じて、国民の消費意欲と消費能力を向上させる。外食産業、商業施設、文化、観光、家事サービスなど生活に関わるサービスの回復発展を支援する」ことが提起された。

路上の屋台に真っ先にゴーサインを出した四川省成都市は、李克強国務院総理の注意を引いた。李総理は5月28日に行われた記者会見で、「中国の西部の都市では、現地の規範を踏まえて、移動式屋台3万6千軒を設置し、その結果、一夜にして10万人の雇用が生まれた」と述べた。

中央精神文明建設指導委員会弁公室はこのほど発表した文章の中で、今年は道路を占拠して行う経営活動を文明都市の査定内容に組み込まないことを明確に要求した。

このニュースが流れると、ただちにネットの人気検索ワードになった。「みんなの楽しみがもうすぐ帰ってくる、待ちきれなくてノドがゴクリと鳴るのをお許しください」「最高!また屋台で食べられる!」「道ばたに小さな店や屋台がないと、本当に活気がなくて寂しい」といった声が聞こえたほか、多くの人が、「道ばたの屋台こそ街の魂そのもの!」と発信した。

5つ星ホテルも屋台を出した

道ばたの屋台経済に目をつけたのは成都だけにとどまらず、湖北省の武漢市も目をつけた。武漢では、5つ星ホテルが相次いで道ばたでの屋台経営に乗り出した。

武漢の有名5つ星ホテルは入り口前の広場にテーブルをずらりと並べ、屋台を始めた。焼肉のライブには、多くの市民が集まり、それを楽しんでいる。

別の5つ星ホテルも入り口の前に朝食の屋台を出した。それからすぐに焼肉も売り始めた。同ホテル飲食部の副マネージャーはメディアの取材に対し、「5つ星ホテルにとって、朝食、午後のお茶、夜食の売り上げは新型コロナウイルス感染症の前とでは比較にならないが、従業員を動かし、ホテルが経営状態を維持することで、やる気をかき立てることができる」と話した。

また同副マネージャーは、「ホテルが絶えず新しい経営プロジェクトや経営モデルを試みているのは、非常時に生き残りを図るための持続的な試みだ」と述べた。

最近、多くの都市が屋台経営を許可した。浙江省杭州市は一部の道路を屋台業者の経営場所として開放し、河南省の許昌市は裏通りや横丁の一部を開放し、業者に縁石より上の場所で商売をするようにさせた。南京は臨時の屋外屋台1千軒あまりを統一的に計画した。

奇数・偶数で交替出店、「グリーンカード」経営

ここ数年、道路を占拠して行う経営活動、許可証なしで行う経営活動は景観の悪化や食品の安全性の問題などを引き起こすため、屋台経済はこれまでずっと地方政府に歓迎されていなかった。しかし現在、地方政府は屋台経済を再開すると同時に、起こる可能性のある各種のリスクや問題についても対応する政策を打ち出し、特定エリアの制定から、屋台エリアの安全・予防、業者や屋台オーナーの衛生管理まで、さまざまな手を打ち出した。

合理的で有効な管理を通じ、屋台経済はもしかしたら経済的価値を創造するだけでなく、都市のソフトパワーを構成する要素になる可能性もある。

全国人民代表大会(全人代)の代表を務める楊宝玲氏は、「各地の状況に合わせて適切な措置を取り、屋台経済の活力を最大限に発揮すると同時に、統一的な屋台経済の参入許可基準、経営資格・条件、商品の市場進出の手続きを制定し、資格証明書や許可証を発行するなどのやり方で、屋台経済とその従事者に合法的な地位を与えるべきだ」と提起した。

これまでの実施過程での道路を占拠して行う経営活動がもたらす交通や食品の安全性に関する一部のリスク、街の景観と環境や衛生に及ぼす影響などの問題を効果的に規範化するために、成都は先月28日に「都市管理の『8項目メカニズム』を構築しソフトマネジメントサービスを深化させて『6つの保障』任務の着実な実施に助力を提供することに関する意見」を発表し、「一時的に道路を占拠して屋台を出す時はどこに出してよいか。いつ出してよいか」といった問題に答えた。

屋台経済を規範化するため、奇抜なやり方を打ち出す地方もある。例えば、成都市武侯区では、屋台オーナーの手元に番号入り「グリーンカード」がある。カードには経営場所と営業時間が明記され、責任と義務も明確に記されている。オーナーの1人は、「このカードを受け取ってから、自分の衛生状態に責任をもつ必要があるし、好き勝手に店を出すわけにはいかない」と話した。

河南省鄭州市は日付で出店を規制する。同市は先月30日に健康路の夜市を復活させたが、感染症対策のため、人の流れを規制する以外に、店側には奇数番号と偶数番号で出店を規制する措置を取り、奇数日には奇数番号の屋台、偶数日には偶数番号の屋台が出店し、屋台同士の間隔は2メートル以上空けることとした。

鄭州市では、「今回の政策は、時代の流れに応じて変化したものだが、関係方面が考え直したり、働き方を変えたりする契機にならないとも限らない。活気と秩序は両立できる」という声も上がっている。

NEWS10 マスクがこの夏一番の「苦行」? 涼しいマスクの効果は?

日増しに気温が上昇し、マスクをつけて出かけるのがますます苦痛になってきた。ネットユーザーの中には、「(マスクは)今年の夏一番の苦行」などと言う人もおり、マスクにも「クールダウン」効果を期待する人が増えてきた。するとたちまち、このビジネスチャンスに目をつけた企業が現れた。中国新聞網が伝えた。

方針転換のユニクロ 夏に「エアリズムマスク」発売

報道によると、日本の大手アパレルブランド「ユニクロ」の親会社ファーストリテイリングの柳井正社長はこのほど取材に答える中で、「今年の夏にマスク事業をスタートする」と述べた。この「夏に特別に提供する」マスクの主なセールスポイントは、夏のマスク装着時の暑苦しさを解消するというものだ。

どうやって暑苦しさを解消するのか。日本の英字新聞「ジャパンタイムズ」の報道によると、ユニクロが今回打ち出した大技は、独自の機能性商品「エアリズム」を利用するというものだ。ユニクロの看板素材であるエアリズムは、これまで下着類に使用されることが多かった。主な特徴は乾きやすい、通気性が高い、涼しい、防臭効果があるという4点で、確かにこれは夏のマスクに求められるポイントでもある。

価格をみると、エアリズムシリーズの商品は600円(約39元)から3000円(199元)ほどで買える。日本メディアの報道によれば、ユニクロは今回のマスクの価格をまだ決定していないが、日本円で千円くらいになるだろうという。この予想価格に対し、多くのネットユーザーから「高すぎる」と「ツッコミ」が入っている。

ユニクロがこのたびマスク生産にも乗り出したことには、その変わり身の早さがよく表れている。柳井氏は4月の決算会見では、「新型コロナウイルス感染症に直面しても、これまでの方針を堅持する。マスク製造の考えはない。服をつくるのが本業だ」と述べたばかりだった。

日本のNHKの報道によると、安倍晋三首相は5月25日に、同日より東京都を含む首都圏4都県と北海道の緊急事態宣言を解除すると発表し、これにより日本全国の緊急事態宣言がすべて解除された。

ファーストリテイリングによると、日本各地で感染症の緊急事態宣言が続々と解除されたが、感染予防措置として、消費者のマスクに対するニーズは引き続き大きい。好転する日本国内の情勢を前にして、ユニクロは前言を撤回しても、マスク市場に参入することにしたという。

しかし、ネットユーザーの中には目ざとく重要な問題に気づき、「マスクをするのはウイルス予防のためなのに、通気性のいいマスク?何のためにつけるのか……」と指摘する人もいる。

マスクのウイルス防御機能について、ユニクロは多くを語らなかった。

服からマスクへ アパレル産業が生産転換の中心に

感染症の中、業界の枠を超えてマスクを生産するのが盛んになった。「今マスクを作っている工場が元々何の工場だったのかわからなくなった」と言う人もいる。

同じく繊維産業に属するアパレル産業は、既存の生産のノウハウと豊富な人手があり、マスク市場参入のハードルは他の産業より低く、生産ラインの変更も相対的に難しくはなく、今回のクロスオーバーで重要な力になった。

プラダやシャネル、ルイ・ヴィトン、ディオールなどのハイブランドから、ギャップやZARA、H&Mなどのファストファッションブランドまで、どこも生産能力の一部をマスクに投入した。

そんな中、感染症が収束した後、生産転換した企業は過剰な生産能力という危機に直面する可能性があると多くの人が懸念している。

国家衛生健康委員会など3当局はこのほど発表した「公衆衛生予防・管理・救急・治療能力開発プラン」の中で、品質が検査に合格した十分な数の医療用マスク、防護服、ゴーグルなどの防護用品を医療機関が確実に備蓄するようにし、一般的な状況では10日分以上を備蓄することを提起した。このマスク備蓄の指示が通達されれば、マスクの需要と生産を大きく牽引することは間違いない。

しかし業界関係者の中には、「感染症は社会の特殊な緊急事態であり、こうした状況の中での市場ニーズはやはり一時的なもので、投機的心理は非常に危険だ。マスクへの生産転換を行うかどうかは実際の状況を踏まえて決めるべきであり、既存の資源を十分に活用してこそ、自分たちの優位性を適切に発揮できる」と見る人もいる。

暑い夏が近づき、出遅れたユニクロが涼しいマスクで反撃に転じるのは変化への対応だといえる。しかし多くのアパレル企業にとっては、撤退するか長期的に続けていくのかが、参入するかどうかよりも難しい選択になるだろう。


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