銘・精選

NEWS1 中国は防疫物資の輸出を制限するのか?

国務院共同対策メカニズムは26日午後、感染対策医療物資の輸出品質監督管理強化についての記者会見を行い、商務部(省)対外貿易司の李興乾司長が質問に答えた。中国新聞網が伝えた。

【記者】世界貿易機関(WTO)が23日に発表した報告によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界の累計80ヶ国がマスク、手袋などの医療用防護用品の輸出を禁止または制限して、自国での物資不足の苦境を打開しようとしている。中国政府は(2020年)第5号公告に続いて第12号公告を迅速に打ち出した。これは中国も防疫物資の輸出を制限することを意味するのか。

【李司長】人類は運命共同体であり、One world one fight(1つの世界、1つの闘い)だ。感染症との闘いで、各国は同じ戦場に立っている。中国は全国規模で生産の再開、ビジネスや市場の再開が急速に進み、国内の感染対策任務は引き続き非常に大きく重大であるが、中国政府はこれまでずっとさまざまな方法とルートを用いて感染症と闘う国際社会へできる限りの支持と支援を送ってきた。中国はこれまで防疫物資の輸出を制限したことはないし、あらゆる手を尽くして世界各国の調達に便宜を与え、支持を送ってきた。

第1に、各国が中国でビジネスとして防疫物資を調達するルートは完全に開かれている。商務部の業務統計によれば、4月25日現在、世界の74ヶ国・地域と6つの国際機関が中国と医療物資のビジネス調達契約192件に調印し、契約額は累計14億1千万ドル(約1513億4千万円)に達した。また72ヶ国・地域と8つの国際機関が現在、中国とビジネス調達商談129件について話し合いを進めている。中国の31省(自治区・直轄市)は市場化された調達方法によって、これまでに191ヶ国・地域に防疫物資を輸出した。商務部は関連当局とともに、ニーズのマッチング、物品調達ルートの確保、物流・輸送、輸出通関手続き、標準・認証などで積極的な支持を送ってきた。

第2に、税関の統計データからわかるように、医療物資の輸出規模が安定的に拡大している。4月24日には、中国からマスク10億6千万枚を輸出した。この数字は3月31日に第5号公告を出す前の2億2400万枚と比較すると、4.7倍増加したことになる。

第3に、多くの国が中国から調達した防疫物資を高く評価する。多くの国の政府はさまざまなスタイルで中国に感謝を伝え、中国から調達した防疫物資の品質を高く評価する。中国が生産した防疫物資は連日最速のスピードで物資をすぐにも必要としている国・地域に輸送されている。私たちは世界各国の人々が一日も早く難関を乗り越えることを心から願っており、いわゆる「中国の輸出制限」は完全に曲解であり誤解だ。

人の命に関わることは何よりも大事であり、防疫物資の品質と安全性には少しでもいい加減なところがあってはならない。品質検査に合格しなかった防疫物資について、中国政府が放任したり管理を怠ったりすることは絶対にない。2つの公告はそれぞれ医療用と医療用以外の防疫物資の品質監督管理を厳格化するもので、防疫物資の輸出を制限することはまったくない。各国の人々の生命と健康への強い責任感に基づく主体的な行動であり、中国の検査に合格した製品を国際市場により効果的に提供することを確保し、各国のエンドユーザーを安心させ、実際の行動によって世界の感染症との闘いに積極的に寄与することが根本にある。

NEWS2 感染症の打撃受けた世界産業チェーン その影響を受ける中国の業界は?

上海財経大学高等研究院が23日に発表した「2020年第1四半期中国マクロ経済情勢分析・予測報告」によると、新型コロナウイルスによる感染が世界的に拡大し、グローバル化した世界経済に大きな打撃を与えるとともに、多方面で中国経済へのマイナス影響が生じているという。澎湃新聞が伝えた。

同報告によれば、世界の産業チェーンという角度からみると、感染症は先進エコノミーの消費への信頼感を大きく損ない、生産活動が急激に縮小した。こうした外部ニーズの急激な減少は中国の輸出の大きな妨げとなった。特に電気機械、繊維、衣類などの業界への影響が大きい。このほか感染症はグローバル産業チェーンの中で生産を行う一部の中国の対外貿易企業の生産にも影響を及ぼし、中国からグローバル産業チェーンへの供給が減少した。

20年第1四半期(1-3月)には、人民元建てで計算すると、物品輸出入総額が6兆5742億元(1元は約15.2円)で前年同期比6.4%減少した。米ドル建てでは、輸出入総額は9432億2千万ドル(1ドルは約107.7円)で同8.4%減少、うち輸出総額は同13.3%減の4782億1千万ドル、輸入総額は同2.9%減の4650億1千万ドルだった。

同報告によると、より深刻なことは、感染拡大が資源の国境を越えた流動を阻み、中国国内生産の供給チェーンにとって非常に大きな挑戦になったことだ。感染症の打撃は個別の業界や対外貿易に影響を与えるだけでなく、供給チェーンを通じて国内にも波及効果を及ぼし、川上から川下に至るつながりを通じて感染症の影響を蔓延させ、最終的にすべての業界へと拡散し、経済全体を全面的な下ぶれという厳しい状況に直面させるという。

同報告は、感染症によって起きた国際産業チェーンの供給断絶に対応するため、各国はやむを得ず各国国内の生産ラインを補強することになり、これが客観的にグローバル産業チェーンを縮小させ保護貿易主義の流れを強化すると予想する。同時に、グローバル貿易のリスクが増加して海外直接投資(FEI)をさらに減少させ、世界の生産資本は長期にわたり再分配とリバランスが行われることになるという。

(自国の輸出に海外の中間財がどれくらい使用されるかを示す)「後方への参加度」という角度からみて、同報告は次のように分析した。輸出に海外の生産付加価値額が含まれる割合が高い業界であるほど、感染症の影響を強く受けることになる。現在の主要業界とそれに含まれる海外の生産額の割合は、コークス・石油製品製造(約35%)、コンピューター、電子製品・光学製品製造、電力設備製造(約30%)、ゴム・プラスチック製品、一般的金属製造、その他の輸送設備製造(約18%)となっている。

このうちコンピューター、電子製品・光学製品製造、電力設備製造は海外での生産付加価値額が中国の海外生産付加価値額全体の50%近くを占めるため、外部産業チェーンの供給断裂のリスクは主にこうした業界への影響となって現れる。

またもし一部の業界において輸出用の中間財に使用される輸入品の割合が高ければ、外部からの影響も大きくなる。こうした業界及びその輸出における中間財の輸入品が占める割合は、コンピューター、電子製品・光学製品製造、電力設備製造(約53%)、繊維製品製造(約43%)、電子設備、化学工業、一般的金属の製造(約30%)となっている。同報告はこうした業界も大きな影響を受けると予想する。

同報告は、「新型肺炎が国際産業チェーンにもたらした打撃は、短期的に中国経済の下ぶれ圧力を増大させただけでなく、中長期的発展にとっても挑戦になった。別の角度からみると、このことは成長モデル転換の必要性と緊急性をより一層明らかにし、サービス業の発展と経済構造のモデル転換の加速に対しより高い要求をつきつけた。経済成長が外需主導型、要素駆動型から、消費牽引型、効率駆動型へと動力スイッチを切り替えられるかどうかがカギになる」との見方を示した。

NEWS3 新型コロナウイルスの影響で日本経済は急速に「悪化」

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、日本経済はいま急速に「悪化」している。しかし、ウイルスとの闘いに対して「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」の対策を続けている日本政府だが、経済の苦境に関しては、次々と緊急経済対策を打ち出し、局面を打開しようとしている。中国新聞社が伝えた。

日本政府は23日に発表した4月の月例経済報告の中で、日本経済の現状を、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」とした。

日本政府が基調判断に「悪化」という表現を用いたのは、リーマンショック後の2009年5月以来、初めてとなっている。

同報告では、「感染症の影響で、日本の個人消費が大きく落ち込んでいるほか、生産と輸出も減少しており、企業の売り上げが急激に減少し、破産する企業も増えている」としている。また報告は、先行きについても「極めて厳しい状況が続く」としており、日本及び世界経済が感染症の影響によるさらなる下振れリスクに十分に目を向け、金融と資本市場の変動に注目する必要があるとの見方を示した。

商務部研究院の唐淳風研究員は、「日本経済は現在確かにやや深刻な苦境に直面している。一つは日本の内需には限りがある点。もう一つは感染症の影響による世界的なニーズの萎縮と、産業チェーンやサプライチェーンの不安定さもまた世界経済に依存する日本経済に極めて大きな影響をもたらしている」とした。

上海対外経済貿易大学日本経済センターの陳子雷センター長も同様の見方を示している。陳センター長は、「現在の日本経済はまさに『弱り目に祟り目』。日本の公式データによると、2019年第4四半期、日本経済は明らかなマイナス成長となった。2020年第1四半期、新型コロナウイルス感染症の蔓延とともに、外国人観光客が急激に減少し、日本のホテル・宿泊施設や観光、外食、ショッピングといったサービス業に大きな影響を与えた。同時に国外ニーズの持続的な減少も日本の対外輸出に追い打ちをかけ、日本経済の2020年第1四半期のマイナス成長はほぼ確実となっている」とした。

陳センター長は、「第2四半期の初めに日本が『緊急事態宣言』を発令したことで、営業や操業を停止する国内企業が増加し、中小企業の倒産や従業員の失業リスクも急増している。また『緊急事態宣言』が5月に解除されなかった場合、今年第2四半期の日本経済が引き続きマイナス成長の局面を打開することは非常に難しくなる。このような状況下での東京五輪の延期もまた日本経済に大きな打撃を与えた」と指摘した。

国際通貨基金(IMF)が4月14日に発表した経済見通しでは、日本の経済成長はマイナス5.2%としており、日本政府により積極的な財政政策を実施するよう呼び掛けている。

苦境にあえぐ日本経済への対策として、日本政府はすでに迅速な行動を見せている。20日に開かれた臨時閣議では補正予算案を再決定し、4月7日に決定した約108兆円規模の緊急経済対策を約117兆円規模にまで拡大させた。

この緊急経済対策の規模は2019年の日本の国内総生産(GDP)の20%に相当し、リーマンショック時の緊急経済対策の規模を上回っているだけでなく、GDPに占める割合からみても、米国が先ごろ発表した2兆2千億ドル規模の緊急経済対策がGDPに占める割合10%を上回っている。

この点について陳センター長は、「感染症の影響で東京五輪がすでに延期となり、日本経済のマイナス成長は避けられない状況。さらに日本国内の感染状況も緊迫した状況が続いており、今回の緊急経済対策は、止むに止まれぬ情勢に追い込まれ、出さざるを得なかった」としている。

また、陳センター長は、「日本の今回の緊急経済対策は、実体経済の運営を絶えず確保し、雇用と産業チェーンの安定を図ると同時に、感染状況がもたらした貧富の格差と民生救済にも全力を尽くすということがその中核となる。内需の不足と世界経済の不況という現状において、世界経済に依存しがちな日本経済は独善を貫くことも難しいため、こうした大規模な刺激策を実施していくことは完全に正しい方向性だ」との見方を示した。

緊急経済対策の効果について唐研究員は、「現在、日本と世界における感染状況はその先行きがまだ明らかでなく、日本経済への打撃も前例がないため、緊急経済対策の効果に対して判断を下すまでにはまだ時間を要する。しかし、日本の感染状況は欧米のような爆発的な拡大にはならないだろうと予想されている。これは主に日本国民の優れた自己抑制力にある。そのため、日本経済を悲観しすぎる必要はないだろう」とした。

国家発展改革委員会のマクロ経済研究院の崔成処長は、日本の深刻な高齢化現象を考慮すれば、人口の高齢化は経済成長へのマイナス影響が大きいだけでなく、感染症の影響を受けやすいと指摘。また、「財政政策や通貨政策から見ても、日本政府の政策的余地はG7の他のメンバー国に及ばない。さらに2019年末に米国と日本が新たに日米貿易協定を締結した後も、米国は日本からの輸入自動車に対して撤廃が見送られた関税をいつ発動してもおかしくない。これは日本経済にとって泣きっ面に蜂となるかもしれない」と指摘した。

NEWS4 中国がGDPマイナス成長でも経済発展に自信がある理由は?

新型コロナウイルスの打撃を受けて、今年第1四半期(1-3月)の中国の国内総生産(GDP)は20兆6504億元(1元は約15.2円)となり、不変価格に基づく計算では前年同期比6.8%減少した。国民生活をみると、生産や生活の秩序が次第に回復するにつれ、雇用情勢は全体として安定をみせ、全国的に大規模なリストラは行われていない。同期の全国都市部の新規雇用者数は229万人だった。3月の都市部の調査失業率は5.9%で、2月より0.3ポイント低下した。(文:屈暁東・陝西省社会科学院副研究員、西北大学公共管理学院博士課程在学中。「経済日報」に掲載)

客観的にみて、感染症の流行中にこうした数字を達成することは決して簡単なことではない。経済成長率は低下したものの、産業チェーンは全体として打撃を耐え抜き、14億人の基本的生活は力強く保障された。

感染症が発生し、食料の安全保障をめぐる複雑な情勢に直面して、中央政府は相次いで的を絞った政策措置を打ち出し、春の耕作シーズンへの感染症の影響を最大限軽減し、今春の穀物作付面積が全体的に安定し、農業用物資の供給が全体として保障されるよう確保した。同期の農業(作物栽培業)の付加価値額は同3.5%増加した。現在、全国の主要農業エリアは全体として農業に適した気候条件になり、春の耕作は順調に行われ、冬小麦の生育状況は全体として前年と通年を上回り、夏季収穫穀物は豊作が期待できる。

感染症の打撃を受けて、経済は下ぶれ圧力が増大し、多くの企業や業界の経営発展がこれまでに経験したことがない困難に見舞われた。現在、各地域の各当局が一連の政策措置を打ち出すのにともなって、全国的に企業活動と生産活動の再開が加速的に推進されている。4月15日現在、全国の中小企業業務再開率は84%に達した。業界別にみると、第二次産業の再開率は生産型サービス業を上回り、生産型サービス業の再開率は生活型サービス業を上回った。地域別にみると、各地域の業務再開率は同時進行の状況となり、25省(自治区、直轄市)で再開率が80%を超え、湖北省も急上昇の勢いをみせる。企業のタイプ別にみると、「専門性が高く、技術力が高く、独特で、イノベーション型の」中小企業は再開率が中小企業全体の水準を上回った。

経済発展が直面する困難が大きければ大きいほど、新しい原動力の育成を重視する必要がある。感染症発生後、テレワークが業務再開を支え、クラウドビジネスやクラウドサービスが社会生活に便利さをもたらし、スマート製造は発展が加速し、こうしたことはすべて「新インフラ整備」の力強いバックアップと切り離せない。

「新インフラ整備」とは、通常は5G、人工知能(AI)、産業のインターネット、モノのインターネット(IoT)を代表とする新しいタイプのインフラを指し、本質的に言えば情報がデジタル化されたインフラのことだ。長年にわたる大規模な投資を経て、従来のインフラのストックは基数が高くなり、その一方で「新インフラ整備」は初期段階にあって、広い発展の可能性がある。関連機関の試算では、2025年になると、中国の5Gネットワーク建設投資は累計1兆2千億元に上る見込みだ。20-25年には、5G商用化が直接もたらす経済効果が10兆6千億元に達するとみられる。一方で巨大な投資とニーズをつなぎ、また一方で高度化を続ける消費市場をつないでいる。「新インフラ整備」は感染症がもたらしたマイナス影響を払拭するのにプラスで、経済の下ぶれ圧力に効果的に対応するための重要な支えを提供することになる。

企業の生産スタイルをみると、デジタル化モデル転換は企業の質の高い発展にエネルギーを与えることができる。感染症の流行中に、宝山鋼鉄集団は自身の幅広く掘り下げて実施したデジタル化モデル転換を基礎とし、ビッグデータとAIの遠隔操作技術を利用して、宝山基地の冷間圧延溶融亜鉛めっきのスマート生産現場を、24時間操業で多くの人手の監視を必要としない「無灯工場」に作り替えた。富士康の「無灯工場」は産業のインターネット、スマート製造を導入して、完全自動化を実現し、人がいなくても生産を行うことができる。富士康も宝鋼も、緊急事態の中で流れに逆らって進むことができたのは、デジタル化モデル転換があってこそのものだ。関連機関の試算では、中国企業のデジタル化モデル転換の割合は約25%で、欧州の46%や米国の54%を大きく下回り、今後の発展の可能性は大きい。

全体として言えることは、感染症が中国経済に与えた影響は受けとめることができる範囲のものであり、中国経済の長期的に好調さを維持するという基本面に変わりはない。

NEWS5 買い物ブーム引き起こす消費券 各地で相次ぎ発行

国家統計局はこのほど全国31省(自治区、直轄市)の第1四半期(1-3月)の個人支出平均データを発表した。それによると、同期の全国の個人支出は平均5082元(1元は約15.2円)だった。3月に入ってから、全国複数の地域が消費券を相次いで発行している。市商務局のまとめた統計データによれば、早い時期に発行した杭州市は4月17日0時までに同市政府が支給した補助金が3億2100万元に上り、これまで4回の発行で消費34億2200万元を喚起したという。

国家統計局国民経済総合統計司の毛盛勇司長(報道官)は第1四半期の国民経済運営状況に関する記者会見で、「浙江省と江蘇省の一部地域をみると、関連政策が打ち出されてから、消費券は現地の個人消費や市場の拡大で優れた役割を果たしている」と述べた。

北京大学国民経済研究センターの蘇剣センター長は、「消費券の発行は主に短期的な消費ニーズの増加を喚起する役割を果たした。単純に生活保護世帯や低所得者への補助金を増やすよりも、一層正確に、より方向性をもって一部製品の消費ニーズの伸びを喚起したといえる」との見方を示した。

中国民生銀行研究院の応習文シニア研究員も、「消費券発行で、すべての住民が等しく福祉の恩恵を享受できるようになった。消費券は財政補助金と業者による利益還元ができるだけ連携して行うべきだ。同時に、消費券のルールはシンプルでわかりやすくし、透明性を高め、使い方を単純にするべきで、消費者に誠意を感じ取ってもらわなければならない」と指摘した。

NEWS6 感染症の前と後で中国人の消費意識は変わったか?

春も終わりに近づいてきた4月、新型コロナウイルスの対策が引き続き行われている。今回の感染症を経験して、第一線を守っている人々も、家にこもっている人々も、暮らしの中の本質的ニーズを改めて見つめるようになり、消費に対する態度や消費行動にも静かに変化している。中新経緯が伝えた。

4月21日、ユニクロと第一財経、復旦大学管理学院政策決定・行動科学研究センターは共同で「2020年健康な生活力報告」を発表した。全国から5983件の有効サンプルを集め、感染症の前と後で人々の消費への態度や消費行動などでどこが変わったかを詳しく掘り下げたものだ。同報告によれば、消費者は現在、心身を自分でコントロールする感じ、帰属感、確かな感じ、何かを所有している感じがほしいと強く願い、生きていることの意味をより大切にするようになり、消費に際しては安心感、健康的、高品質、持続可能性のある商品、安心感、健康的、高品質、持続可能性のあるサービスを受けられる商品を選ぶ傾向があるという。

いつでもどこでも体を動かしたい

同報告によると、一線都市と新一線都市の労働者で長時間勤務を余儀なくされている人が70%以上に上り、たとえば事務職や行政管理担当者などは、「スキマを見つけて体を鍛えたい」という欲求が強い。このうち一線都市または新一線都市の35-45歳の女性の75%は、「いつでもどこでも体を動かせる快適な衣類をより多く購入する」と答えた。長時間勤務の人の間では、「リズムの速い仕事のプレッシャーとのバランスを取り、病気ではないが不調な状態を改善したい」というニーズがとりわけ高かった。

強い帰属感 本当の人とのふれあいにはかなわない

同報告によると、三線・四線都市の18-29歳の男性の81%が、「感染症が終息したら家族や友人とオフラインでしばしば集まりたい」と答え、「実店舗で製品の細かい説明や質の高いサービスを受けたい」と思う気持ちが強かった。

また一線都市と新一線都市の19-29歳の人の60%が、教育市場、コンサルティングなどの仕事に従事しており、「感染症終息後は、芸術、ファッション、文化に関わる社会活動により多く参加する計画」であるほか、「ほかの人がすすめる製品を買いたい」と強い意欲を示した。

短期的な満足感から細かな品質の追求へ

同報告によると、一線都市と新一線都市の独身女性の回答者は、「感染症の前より自分の健康に気をつけるようになった、優れた品質のケア用品を消費することで安心感と安全感を得たい」と答えた。データをみると、一線都市と新一線都市の18-29歳の女性はケア用品をよく購入することがわかる。

三線以下の都市の19-29歳の80%以上が、「社会活動により注目し、健康で快適で活力あふれるライフスタイルを追求したい」と答えた。商品ニーズをみると、若い人はより品質にこだわり、長期的な健康と快適さを重視する傾向があることがわかる。

感染症からインスピレーション 持続可能な暮らしを追求

同報告によると、北京、上海、広州、深センの一線都市の19-24歳の女性の60.3%と、三線以下の都市の19-29歳の男性の61.1%が、「感染症終息後は美しいものを追求するのにより多くの時間とお金を使いたい」と答え、例としてグルメ、美しい風景、衣類、芸術などを挙げた。一線都市で大きなプレッシャーを抱える19-29歳の男性の72%以上が、「ファッションナブルでオリジナリティのある衣類」を購入したいと答えた。一線都市と三線以下の都市の男性は、「芸術や文化的クリエイションをよりどころにして、未来への楽観的な見方や自信を再構築していきたい」と答えた。

また新一線都市の19-24歳の女性の60%が、「持続可能なソリューションを真剣に追い求め、社会的責任を果たし、社会問題に注目するブランドがより好きだ」と答えた。感染症の影響で、新一線都市の若い女性は、「現地化ブランド、文化的に近い地域・国のブランドをより好むようになった」という。

NEWS7 香港地区北角匯に一田「桜まつり―日本食品期間限定ショップ」がオープン

毎年、桜のシーズンになると、香港地区北角匯(ハーバー・ノース)桜まつりは、臨海という地理的条件を活かし、東京の隅田公園「桜まつり」を手本に、4月16日から5月31日までの間、ショッピングモール第二期地下にある屋外海浜公園に、香港地区で初めての商業施設屋外バーチャル桜ガーデンを設営しており、市民たちはリラックスしながら、薄いピンクの桜が織りなすロマンチックなエリアをそぞろ歩くことができる。ハーバー・ノースは施設内地下1階にある一田スーパー内バーチャル桜ガーデン隣接スペースに、「桜まつり―日本食品期間限定ショップ」を特設し、様々な春季限定の人気桜関連商品を集めて販売している。これらの商品には、春季限定の人気スナック・調味料、限定版桜風味銘茶・ビール、桜仕様パーソナルケア用品などが含まれている。

NEWS8 31省(区、市)の第1四半期消費データ 一番買い物したのはどこ?

国家統計局はこのほど、全国31省(自治区、直轄市)の第1四半期(1-3月)の個人消費支出の平均データを発表した。どの省(区、市)が一番買い物をしただろうか。消費の新たな注目点は何か。中新経緯が伝えた。

9省(区、市)が全国平均上回る

データによると、同期の全国の個人消費支出の平均は5082元(1元は約15.2円)だった。このうちタバコ・酒類、住居関連、交通・通信類が上位3位を占め、全体に占める割合は順に33.6%、24.4%、11.9%だった。

省(区、市)別では、上海市、北京市、浙江省、天津市、広東省、江蘇省、福建省、重慶市、湖南省の9省(市)が全国平均を上回った。

具体的にみると、上海市は1万410元で全国のトップに立ち、旺盛な購買力をみせた。2位は北京の1万3元、3位は浙江の7891元。上海と北京が非常に接近していることがわかる。

国家統計局住戸調査弁公室の方暁丹室長は、「新型コロナウイルスが住民の商品消費とサービス消費に大きな打撃を与えたが、オンライン消費と健康のための消費が急速に伸び、新たな消費経済のもつ優位性がはっきりと現れた。第1四半期には、全国国民のインターネット経由の商品・サービス購入回数は前年同期比21.2%増加した」と述べた。

北京大学国民経済研究センターの蘇剣センター長は、「オンライン消費は便利な買い物スタイルであることから家に隔離された時期の買い物の大変さを解消し、第1四半期には普段のオフライン消費の多くがオンライン消費に移行して、同期のオンライン消費は目に見えて増加した。具体的な消費パターンをみると、ライブコマースとサービス消費に人気があり、新興消費のポテンシャルの巨大さがうかがえる」と指摘した。

NEWS9 中国1-3月の人手不足100職種ランキング発表 最も不足するのは?

今最も人手が不足している職種は何か。4月21日、中国職業訓練技術指導センターが2020年第1四半期(1-3月)の全国就職市場人手不足100職種ランキングを発表した。3年連続で今回が3回目の発表となる。中国新聞網が伝えた。

同ランキングによると、人手が不足している職種のトップは販売員で、以下、宅配の配達員、レストランのサービス担当者、警備員、梱包作業員、溶接工、清掃員、商品の営業担当者、荷下ろし・積み込み・運搬担当者、旋盤工が並んだ。

販売員は3年連続1位

今回のデータは、全国102ヶ所の定点モニタリング都市公共就職サービス機関が記入・報告した人的資源市場の求人データおよび求職データに基づく。

人手不足100職種のうち、生産・製造業および関連の職種が44、社会生産サービス・生活サービスの職種が34、専門的技術の職種が15、事務および関連の職種が4、党の機関・国家機関・社会団体・企業と事業機関の責任者の職種が2、以上のどの分類にも属さないその他の職種が1だった。

このうち販売員が3回連続で1位になった。販売員のニーズが高い典型的な都市には上海、北京、広州などがある。

宅配の配達員が2位に躍進

前回と今回を比べるとランキングには大きな変化がみられた。29職種が初めてランキング入りし(前回より5職種増)、順位が上がったのは32職種、変わらなかったのは4職種、下がったのは35職種だった。

このうち宅配の配達員は前回の13位から今回は2位に躍進した。

また今回は「家事サービス担当者」、「不動産業者」、「会計係・レジ係」の3職種がトップ10から脱落した。

感染症対策ですぐ必要とされる職種の人手不足が拡大

今回は「内科医」、「医療用材料製品製造担当者」、「縫製機械調整担当者」、「薬剤調剤担当者(薬剤師)」、「裁断担当者」の5職種が新たにランキング入りした。

感染症対策のため通常の営業ができないレストラン、ホテル、交通などの業界で人手不足が緩和され、「中華料理シェフ」、「調達担当者」、「旅客自動車運転手」、「客室サービス係」、「庶務係」、「会計係・レジ係」、「自動車修理工」など15職種が大幅に順位を下げた。

製造業の雇用ニーズが引き続き不足気味

「通信システム設備製造担当者」、「機械整備士」、「電子専用設備調整担当者」、「パンチプレス作業員」など15職種は人手不足が拡大し、これは春節(旧正月、今年は1月25日)に出稼ぎ労働者が帰郷し、新型肺炎で移動が制限されて予定通り職場に戻れなかったことなどが関係している。

人手不足の絶対数が増加

人手不足の絶対数をみると、1回目は68万2千人、2回目は66万4千人、3回目は85万人となっている。全体での求人倍率(求職者数に対する求人数の割合)は順に2.41倍、2.32倍、2.62倍だった。

人的資源・社会保障部(省)によると、こうした数字は感染症が拡大する前の「春節市場」で雇用ニーズがピークに達したこと、2月末から3月初めにかけて企業活動と生産活動が再開されるのにともなって、市場の雇用ニーズが急速に回復したことなどと関係しているという。

NEWS10 「人工肉」商品はヒットする?中国のスターバックスとKFC発売へ

スターバックスは22日から中国で植物タンパク質を利用した人工肉を使ったランチセットを新商品として発売することを明らかにした。また、ケンタッキーフライドチキン(KFC)も20日に、植物由来の人工肉を使った新商品「ゴールデンチキンナゲット」発売を発表した。同2社の新商品はいずれも昨年から世界で話題となっている「人工肉」を使っていることは注目に値する。

スターバックスとKFCが「人工肉」を使った新商品を発表すると、資本市場はすぐさま反応し、人工肉関連の中国概念株(中国の企業が海外で直接あるいは間接的に発行している株式)が次々上昇した。

スターバックスとKFCが「人工肉」関連商品を発売

スターバックスは、人工肉を使ったランチセットを中国の各店舗で22日から発売する。人工肉を生産しているのは、植物由来の人工肉を製造・開発する米国の食品テクノロジー企業・ ビヨンド・ミートだ。

スターバックスのカスタマーサービスのスタッフによると、発売された新メニューは「新善食」という名称で、新善肉キノコ・穀物、新善肉広東スタイルサラダなど全5種類。今月22日から5月6日まで、実店舗で購入することができる。

スターバックスは現時点では、人工肉を使ったランチセットのサンプルを披露していないのに対して、KFCは人工肉を使った「ゴールデンチキンナゲット」のポスターを既に公開している。

今月20日、KFCは公式微信(WeChat)アカウントで、今月20日から22日に、植物由来の人工肉を使った「ゴールデンチキンナゲット」のテスト販売を行うことを発表した。この人工肉は大豆や小麦、エンドウのタンパク質を利用し、コレステロールを含んでいない。つまり、この「チキンナゲット」は、実際にはチキン風味の人工肉となる。大豆タンパクは、一般的な人工肉製品の主な原料となっている。

KFCの人工肉を使った「ゴールデンチキンナゲット」は現時点ではテスト販売となっており、価格は5個入りで1.99元(1元は約15.20円)。今月28日から30日まで、クーポン券を持っていれば上海、広州、深センの指定の3店舗で購入することができる。

北京朝陽区にある店舗のKFCの店員は「新発売の人工肉を使ったチキンナゲットの北京における販売はまだ予定されておらず、その原料や宣伝グッズなども今のところ受け取っていない。私たちは『高級チキンナゲット』と呼んでいる。現在、他の都市の3店舗のみの販売で、本社は客の反応を見たいと思っているのだろう」と話した。

「人工肉」のメーカーが多忙に

スターバックスとKFCが「人工肉」関連の商品を発売したことについて、あるネットユーザーは、「多くのベジタリアンにはいいニュース」や「やっぱり本物の肉がいいな」などの声を寄せている。

実際には、「人工肉」は昨年から大きな話題となっている。2019年5月、ビヨンド・ミートがNASDAQ市場に新規株式公開すると、初日の終値が163%高を記録し、食品業界や各資本の間で「人工肉」に対する注目が一気に高まった。

中国の人工肉メーカー双塔食品と珍肉食品も昨年9月に、人工肉を使った月餅を発売し、瞬時に売り切れとなった。その後、ドリンクショップ・奈雪の茶も人工肉ハンバーガーを試験的に販売し、人工肉関連商品を店舗で発売した初の飲食ブランドとなった。今月17日、中国の植物由来の人工肉ブランド・星期零(STARFIELD)は、宅配ピザチェーン・パパ・ジョンズ・ピザと提携し、人工肉を使った新商品「未来肉ピザ」を打ち出し、中国全土16都市にある約150店舗でデリバリーの形式で発売した。ピザチェーンで人工肉関連商品を発売したのは同社が初めてだ。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策が実施される中、今年2月以降、人工肉関連の中国概念株の価格が上昇の一途をたどり、現時点で上昇幅は約34%に達している。天風証券は、「都市化が進み、農耕牧畜が縮小しているのを背景に、経済発展においてタンパク質摂取のニーズが高まり、加えて豚コレラなどの蔓延、環境保護団体からの圧力などがあるため、代替肉市場の規模は今後急速に拡大するだろう。19年、世界の人工肉市場は約121億ドル(1ドルは約107.74円)規模だったが、25年には279億ドルに達する見込み」と予想している。

専門家「消費者が受け入れるかは動向観察が必要」

食品産業アナリストの朱丹蓬氏は、「スターバックスとKFCが打ち出した『新善肉』や植物性『チキンナゲット』は本質上『人工肉』食品であり、原料は主にエンドウのタンパク質。『人工肉』は、本当の鶏肉や豚肉ではないため、鳥インフルエンザや豚コレラなどがもたらす食品安全リスクを根本的に回避できる。その他、食材が本当の肉類でないため、ベジタリアンに受け入れられやすく、多くの消費グループをゲットできるだろう」と予測する。

そして、「今回、スターバックスとKFCが打ち出したテスト販売により、消費者の反応を集めることができ、中国人の好みに応じて、エンドウタンパクの割合や風味を調整できる。また、肉類の価格が不安定な現在、『人工肉』関連の新商品を打ち出すことでコストを抑え、メニューの差別化も実現できる」との見方を示した。


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