銘・精選

NEWS1 在中日系企業は長期発展に期待、「新型肺炎は一時的、発展は永遠」

リコー中国株式会社は2020年春節(旧正月、今年は1月25日)連休後の10日、企業活動を再開した。同社の上海市にあるオフィスエリアで、社員はマスクをつけ、それぞれの席に座って静かに仕事をし、他の社員との間隔を1メートル以上開けるようにしていた。新華社が伝えた。

同社は「新型コロナウイルスによる肺炎の感染期間中における安全の手引き」というポスターを作成し、安全標準を踏まえて社員にマスクを支給すると同時に、社員にマスクをしっかりつけるよう注意を促し、自分でマスクを準備することを奨励し、時間をずらして昼食を取ることを奨励するために昼休みの時間を延長し、社員に体調に気をつけるとともに体温測定などに協力するよう注意を喚起した。

同社の説明によれば、10日現在、天津市、深セン市、広州市のオフィスはまだ再開しておらず、その他の支社はこれから企業活動を再開する予定だ。また一部の社員は在宅勤務とし、オフィスに大勢の人が集まる状況を回避するという。

中国各地が打ち出した業務再開の政策や審査の要求に基づき、キヤノン中国有限公司の各支社は業務再開の時期を速やかに調整し、一部は10日より業務を再開するとともに、業務の計画と状況を踏まえて時差出勤、フレックスタイム制、在宅勤務などの方法を採用して、社員により多くの安全上の保障を提供している。

同社の小澤秀樹会長兼最高経営責任者(CEO)は、「各支社が相次いで業務を再開するのに合わせ、当社も各地の支社に消毒液やマスクを支給して、社員の健康と安全を保障している」と説明した。

三菱電機株式会社の富澤克行執行役員兼中国総代表は、「各地の支社がそれぞれ現地政府が打ち出した感染対策のための指導と提言を遵守して、適切な措置を取っている。社員が10日から安心して働けるようにするため、当社は各ルートを通じ、必要な数のマスクやその他の医療用防護用品を確保した。業務を再開した当初は、全社員に在宅勤務を奨励し、一部の社員には状況に応じて自宅で未就学児童の世話をすることも認める」と説明した。

富澤氏は、「一部の支社では、Uターンした社員は自宅で一定期間待機することが必要だ。また当社の一部業務の顧客は武漢市内にいる。そのため、感染状況が当社の業績にいくつかのマイナス影響を与える可能性はある。それでも企業の中国における発展の見通しには引き続き高い期待を寄せている。中国政府は質の高い発展を提唱し、個人消費の拡大、グリーン発展の推進及び供給側構造改革などの分野で、支援のための政策を着実に打ち出してきた」と述べた。

また富澤氏は、「中国市場では、5Gなどの新産業が台頭し、国民の健康に資する食品・医薬品分野への投資が拡大しており、こうしたことも積極的な要因だ。中国は質の高い発展を実現すると確信する」と述べた。

リコー中国の宮尾康士会長兼社長は同社の中国全土にいる同僚と協力パートナーにあてた書簡で、「新型肺炎は一時的なことに過ぎず、発展こそが永遠のものだ」との見方を示した。

宮尾氏は、「新しい年に、たとえさまざまな困難に直面したとしても、私たちは自信を固め、挑戦を迎え入れよう!私たちは安定した経営戦略を通じて、当社の製品と技術の優位性を発揮するよう努力し、デジタル化したオフィスの発展を推進していく」と述べた。

小澤氏は、「キヤノン中国の中国事業は全体として良好な発展の勢いをみせている。オフィスソリューション、プリンター、ITセキュリティソリューション、ヘルスケアの4大事業がキヤノンのこれからの中国事業の発展を支える新しいエンジンになる。キヤノンは中国の優れたビジネスパートナーとの協力を強化していく」と述べた。

また小澤氏は、「今年1月1日に『中華人民共和国外商投資法』が施行されるなど一連の重大措置が実施され、キヤノンを含む多くの外国人投資家や外資系企業にとっては引き続き対中投資を拡大する上での安心材料になった」と述べた。

NEWS2 専門家「新型肺炎の中で中国の資本市場はさらに成熟する」

最近、新型コロナウイルスによる肺炎の影響を受けた中小企業や零細企業および関連業界のために、各部・委員会が相次いでコメントを発表し、金融監督管理機関などはさまざまな措置を打ち出し、各地方政府も関連政策を打ち出すなどして支援を行っている。各方面の専門家を取材した結果、「現在、一部の業界が影響を受けていることは確かだが、影響は短期的なものであり、中長期的にみれば中国経済は依然として好調さを維持するだろう。しかも新型肺炎が資本市場に与える影響はかならずしもマイナスとは限らない」との見方が広がる。「証券日報」が伝えた。

現在、中国経済が全体として新型肺炎の影響をどれくらい受けているかについて、新時代証券の潘向東チーフエコノミストは取材に答える中で、「新型肺炎が経済に与える影響には主に供給と需要の2つのルートへの影響が含まれる。供給サイドをみると、影響は主に各地で操業が停止した結果、第二次産業の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)が正常な生産を行えなくなったことに現れている。しかし新型肺炎が終息すれば、生産を急速に回復することは可能だ。そのため、新型肺炎が供給サイドに与える影響は相対的に小さいだろう。需要サイドをみると、新型肺炎が消費に与える打撃は大きい。現在、中国の経済構造は(重症急性呼吸器症候群<SARS>が流行した)2003年とは著しく変化し、消費サービス業の経済成長への寄与度が03年の35.4%から急速に上昇して19年末は57.8%になった。新型肺炎は主に消費サービス業を通じて拡大しており、経済に与える影響は相対的に大きいだろう。

潘氏は、「新型肺炎は第1四半期の経済に与える影響が大きい。政府はインフラ建設による牽引や関連業界の政策的緩和など安定成長に関わる政策をより多く打ち出し、通年でみれば、新型肺炎が国内総生産(GDP)成長率に与える影響はそれほど大きなものにはならない可能性がある」と予測する。

中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は、「新型肺炎対策で従業員が職場に戻ることが困難になる、企業活動の再開が延期されるなどの問題が起こり、実体経済の企業の生産経営活動は一時的にマイナス影響を被るとみられる。実体経済の企業は投資や新規プロジェクトを実施して生産を回復することができず、金融機関は経営戦略を調整し、非接触型サービスを展開し、資金調達コストを引き下げるなどを余儀なくされている」と述べた。

劉氏は続けて、「資本市場の資金調達ニーズが喚起される可能性がある。というのも、多くの上場企業が現金フロー不足に直面しているからだ。短期的にみれば、資本市場はいくつかの影響を受けることになる」と述べた。

しかし資本市場が受ける影響は必ずしもマイナスとは限らず、逆にプラスの影響の方が多い。潘氏は、「資本市場にとってみれば、新型肺炎の打撃の中で中国資本市場が徐々に成熟に向かっている。株式市場は春節(旧正月、今年は1月25日)連休後に市場が再開した当初は変動がみられたが、その後は安定して反転上昇し、人民元レートは引き続き上下動して、双方向に小幅に変動するという特徴を示している。金融市場と債券市場は全体として安定的に運営されていることから、中国金融市場の強靱性の高まりがうかがえる」と述べた。

資本市場の改革・奨励措置も実体経済の成長を支える上でプラスになる。武漢科技大学金融証券研究所の董登新所長は、「資本市場の改革はまもなく正常な軌道に戻るだろう。これには創業ボード(二板市場)の登録制度改革の着実な実施、店頭取引市場(新三板市場)の分層化とボード変更のメカニズムの着実な実施、科学技術革新ボードの適度な規模拡大が含まれる。このほか、3月1日に施行される新『証券法』が、資本市場の生態系全体に変化をもたらすことになる」との見方を示した。

前海開源基金の楊徳竜チーフエコノミストは、「新型肺炎の影響で大きな打撃を受けた実体業界のために、中国人民銀行(中央銀行)は銀行などの金融機関に対し、十分な貸出支援を行い、期限前償還や貸出の中断をみだりに行わず、こうした企業が破産に追い込まれるような状況が進行するのを防ぐよう求め、経済の安定と市場の安定のための措置はいずれも必要であるとの見方を示した。今後より多くの支援政策を打ち出して、こうした企業の発展を支援する可能性がある」と述べた。

潘氏は、「これまでの感染症をめぐる経験を踏まえると、新型肺炎が中国経済に与える影響は短期的で一時的なものだ。新型肺炎が終息すれば、各業界が生産を再開するため、中国経済の質の高い成長に長期的な影響を与えることはない。次に、最近の中国経済の成長ペースには一定の下ぶれ圧力がかかっていたが、これに対抗するリスクヘッジのツールは十分にあり、経済には強靱性と大きなポテンシャルが備わり、新型肺炎が抑制されれば、経済は急速に常態に戻るとみられる。さらに、供給側構造改革を背景として、中国経済には引き続き好調さを維持する能力と自信があり、引き続き安定した発展傾向を維持し、経済はこれからも質の向上が続くとみられる」と述べた。

NEWS3 2億人がオンライン勤務 止まらない中国の経済活動

新型コロナウイルスの感染による肺炎への対策が進展するのにともない、「人が集まることを減らし、交差感染を避ける」のが社会全体の自覚的な行動になった。「接触を少なくする」ことは経済活動の停滞を意味するのではないかと関心を持つ人が多い。取材を通して、モバイルインターネットが高度に発達した中国では、「ネット会議」や「オンライン勤務」が多くの機関が業務を再開する場合に真っ先に選ぶスタイルになっていることが分かった。多くの企業から、対面での交流ほど親密で自然ではないものの、ネットを利用して業務を再開することで感染状況と生産経営の現実的な要求の両方をかなりカバーすることができ、オンライン勤務は今やさまざまな業務を秩序よく展開するための有力な支えになっているとの声が上がっている。人民日報海外版が伝えた。

ここ2日間、阿里巴巴(アリババ)集団傘下のスマートリモートワークプラットフォーム・阿里釘釘(dingTalk)が発表したデータが検索ワードランキングの上位に躍り出た。そのデータによると、春節(旧正月、今年は1月25日)連休後の業務再開から数日以内に、企業200万社以上がオンラインで健康情報管理を行い、1億人近い人が毎日、阿里釘釘の健康チェック機能を利用して勤務先に「無事を報告」している。また、このプラットフォームでは約2億人が業務を遂行し、ビデオ会議を開いている……。

阿里釘釘の朱鴻最高技術責任者(CTO)は、「インターネットのスムーズさと利用者の快適な体験を確保するため、技術者が阿里雲(アリババクラウド)でインターネット資源と計算資源の容量拡大を急ピッチで行い、エラスティックコンピューティングのリソースオーケストレーションサービス(ROS)を利用して、わずか2時間でクラウドサーバー1万台以上を増設し、爆発的に増加する利用者のニーズに応えた。この数字はアリババクラウドにとって過去最速の容量拡大ペースでもある」と述べた。

迅速さや効率の高さだけでなく、情報セキュリティも非常に重要だ。啓迪国信科技有限公司の侯樹立会長は取材に対し、「企業は主に政府や大手企業にワンストップ式の安全なモバイルオフィスソリューションを提供している。こうした顧客は情報セキュリティへの要求レベルが高いため、企業がサービスを提供する際には、技術が完全に自主的に制御可能であること、国の情報システム等級別保護の要求に合致すること、何重ものセキュリティ防御システムが備わっていること、などの特徴を重点的に際立たせなければならない」と述べた。

NEWS4 商務部「対外貿易企業の困難克服と損失削減を支援」

商務部(省)サイトによると、新型肺炎への対策を積極的に行い、企業が合法的な権利を守り、経済的損失を削減するよう支援するため、商務部弁公室はこのほど、「対外貿易企業の新型肺炎に対処する中で困難を克服し損失を削減することに関する通知」を通達し、各商会に対し、支援が必要な企業を助けて、新型肺炎のため不可抗力により契約通りに製品の引渡しを履行できないという事実の証明書を無償で発行するよう求めた。中国新聞網が伝えた。

同通知によると、現在、全国で新型コロナウィルス肺炎が発生し、対外貿易企業の正常な生産・経営活動が困難に直面している。商務部は繊維、軽工業、金属、食品・特産、電気機械、医薬保健品の6つの商会を指導し、不可抗力の証明書発行、法律コンサルティング、展示会出展をめぐる協力、需給のマッチングなど関連のサービスを全力で提供するよう求めた。

また同通知によると、各商会は支援が必要な企業を助けて、新型肺炎のため不可抗力により契約通りに製品の引渡しを履行できないという事実の証明書を無償で発行するよう求めた。各商会は新型肺炎のために取られた関連の貿易制限措置に対し、企業に必要な法的サービスと情報サービスを提供する。各商会は中国内外の展示会運営機関と協力して、新型肺炎により出国して展示会に参加できない企業がすでに支払った費用といった関連の問題を適切に処理するよう支援する。各商会は企業と地方政府とのコミュニケーション・連携を強化し、関連の製品・サービスの情報を速やかに共有し、需給マッチングのための架け橋を構築する。

NEWS5 江蘇省の企業、海外の注文を断り国内向けマスク生産ラインに専念

数日前、企業家の居黛霞さんは海外の顧客に謝罪のメールを送り、近く輸出されるはずだった生産ライン設備について、「契約に違反」せざるを得なくなったことをわびた。新華社が伝えた。

居さん(39歳)は江蘇省淮安市金湖県にある江蘇金衛機械設備有限公司の社長で、同社は生理用品、紙おむつ、マスクなど使い捨ての家庭用紙製品の生産設備を主に手がける。製造した設備のうち85%が輸出され、輸出先は100ヶ国・地域を超える。

新型コロナウィルスの感染による肺炎の感染が拡大すると、海外で家族と休日を楽しんでいた居さんのところに、中国のマスクメーカー30社以上からSOSの電話がかかってきた。「生産ラインが足りない、生産能力を早急に拡大しなければならない」という。

居さんと夫の陳斌さんは正月6日目(1月30日)の帰国便に変更し、予定より早く帰国して業務を再開し、海外からの注文をすべてストップして、中国国内のマスク工場向け生産ラインの製造に専念することにした。

マスク生産ラインの工場出荷価格は45万元(1元は約15.7円)を上回ることはないが、紙おむつ生産ラインは単価が700万元ほどになる。居さんは、「顧客は一般的に紙おむつの生産ラインを注文するときに、ついでにマスクの生産ラインも注文する。スーパーで野菜を買うついでガムを買うようなものだ」とたとえた。

居さんは、「実は600万ドル分以上の紙おむつや生理用品の生産ラインをまだ納品していない。元々の予定では3ヶ月以内に完成するはずだった。海外のお客様には、引渡しを1ヶ月は延ばしてほしかったが、外国の方は契約を重視するので、腹を立てるのではないか、契約違反と言われるのではないかと考え、それでも仕方がないと思っていた。ところが思いがけないことに、お客様は理解してくれただけでなく、私の健康のことまで気遣ってくれた」と振り返った。

現在、居さんの工場では作業員たちがわずか5日で15本から20本のマスク生産ラインを製造しており、業務再開後に製造された20本は2月10日に全国各地に送られる予定だ。政府の調整を受けて、居さんは必要な原材料をスムーズに調達できており、今あるストックで120本のラインを製造できるという。

居さんは心の中でずっと製造できるマスクの数を数えていたといい、「1本の生産ラインで1分間に医療用マスクを80枚から100枚製造できる。第一弾のライン20本で一日に120万枚から140万枚のマスクを製造できるようになる。これらのラインが稼働して、各地の深刻なマスク不足が解消されることを願う」と述べた。

NEWS6 人民元レートが1ドル=7元台に 値下げ観測にはつながらず

人民元の対米ドルレートが、旧暦ねずみ年の最初の取引日に大幅に下落した。「経済日報」が伝えた。

中国外貨取引センターが最近発表したデータによると、2月3日に人民元の対米ドルレート基準値が1ドル=6.9249元になり、前取引日に比べて373ベーシスポイント低下し、2019年8月6日以降で最大の低下幅を記録した。

3日午後4時現在、オンショアレートは1ドル=7.0209元、オフショアレートは1ドル7.0190元だった。

業界関係者は、「人民元レートは主に新型コロナウィルスの感染による肺炎の打撃を受けたが、これは一時的なものだ。状況が回復し、影響が薄まるにつれ、人民元レートにかかる圧力は軽減されていく」との見方を示した。

瑞銀集団は同日に発表した中国経済の見通しに関する最新の報告書の中で、「このたびの新型コロナウィルス肺炎の打撃は一時的なものであることを考えると、経済活動が正常な状態に戻れば、20201年の中国の国内総生産(GDP)成長率は反転上昇すると予想される。また、消費は今回の新型コロナウィルス肺炎により大きな打撃を受けたが、中国経済のリバランス、サービス業が経済全体に占める割合の段階的上昇、科学技術のバージョンアップといった長期的な流れは変わらない。一連の要因が人民元レートの安定を支える役割を果たすだろう」と指摘した。

昨年末以来、外部環境が緩和され、経済データが予想以上に好調だったことから、人民元レートは上昇を続けてきた。データをみると、今年1月20日まで、人民元の対米ドルレートの基準値(午後4時30分現在のレート)は1ドル=6.8664元に、終値(同)は同6.8613元まで上昇し、昨年の最安値に比べて3.2%と4.6%とそれぞれ上昇し、今年に入ってからは1.6%と1.5%の上昇になった。

業界関係者は、「突発的な新型肺炎が市場のムードを動揺させたが、強い値下げ観測にはつながっていない。海外の1年ものノンデリバラブル・フォワード(NDF)に示された米ドルの対人民元レート上昇への期待をみると、1月21日から23日までの平均は0.7%で、1月初日から20日までの平均値0.1%を上回ったが、昨年8月5日(人民元の対ドルレートが7元台になった日)から10月11日(第13回中米経済貿易協議の段階的合意文書に調印する直前)までの平均値1.1%を下回った。銀行間外貨市場のスポット取引の一日当たり平均成約額をみると、21-23日は289億ドル(1ドルは約109.4円)に上り、1月初日-20日の360億ドルの規模を下回った」と述べた。

中国人民銀行の潘功勝副総裁(国家外貨管理局局長)はこのほど2020年中国経済トレンド年次総会で、「2019年は外部環境が複雑に錯綜し、グローバル経済・貿易の成長は鈍化し、国際金融市場の変動が大きかったが、人民元レートは世界の通貨の中では相対的に安定していたと同時に、レートの弾力性が増大を続け、双方向に変動し、外貨資源の配置、国際収支のバランス、マクロ経済の強靱性増強の面で重要な自動安定化装置の役割を果たした」と述べた。

NEWS7 中国は10日間でマスク2.2億枚を輸入

新型コロナウィルスの感染による肺炎が拡大する中での「マスク不足」に対し、中国は今、海外からの調達を急ピッチで進めている。税関総署が3日に発表した最新のデータをみると、1月24日から2月2日までの間に中国は新型コロナウィルス肺炎対策の物資2億4千万点を輸入し、輸入額は8億1千万元(約125億8千万円)に達し、この中にはマスク2億2千万枚が含まれていた。中国新聞網が伝えた。

公式データによれば、中国は世界最大のマスク生産国であり、マスク輸出国であり、年間生産量は世界の約50%を占め、最大生産量は一日あたり約2千万枚以上に上る。しかし感染が拡大を続けていること、春節(旧正月、今年は1月25日)連休のため中国国内の生産能力がまだ完全には回復していないことから、マスクは深刻な品不足に陥った。

感染症対策のニーズに応えるため、中国は輸入を積極的に拡大するだけでなく、国内のマスクメーカーができるだけ早く生産を回復するようバックアップしている。

中国国家発展・改革委員会の連維新良副主任は同日、「マスクの供給増加はすでに重要な進展を遂げ、ここ2日間に調達した資源はこれまでに提供した資源の2倍以上だった」と述べた。

マスクのほか、中国が輸入を急ぐ感染症対策の物資には医療用ゴーグルや防護服などがある。税関がまとめた統計によると、過去10日間に輸入された防護服は252万9千着、医療用ゴーグルは27万9千個に達したという。

NEWS8 中国昨年12月の国際物品・サービス貿易は1987億元の黒字

国家外貨管理局が3日に発表したデータによると、2019年12月には、中国の国際収支ベースの国際物品貿易・国際サービス貿易の収入は1兆8127億元(1元は約15.5円)、支出は1兆6140億元となり、収入から支出を差し引いた貿易収支は1987億元の黒字だった。このうち物品貿易は収入が1兆6303億元、支出が1兆2854億元、3450億元の黒字。サービス貿易は収入が1824億元、支出が3286億元、1463億元の赤字だった。

米ドル建てで計算すると、同月の国際収支ベースの国際物品・サービス貿易の収入は2585億ドル(1ドルは約108.6円)、支出は2302億ドル、貿易収支は283億ドルの黒字。このうち物品貿易は収入が2325億ドル、支出が1833億ドル、492億ドルの黒字。サービス貿易は収入が260億ドル、支出が469億ドル、209億ドルの赤字だった。

NEWS9 新型コロナウィルス肺炎の中国経済への影響は一時的 人民銀

2月1日、中国人民銀行(中央銀行)、財政部(省)、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)、中国証券監督管理委員会(証監会)、国家外貨管理局は共同で「新型コロナウィルスの感染による肺炎の予防・管理に対する金融による支援の一層の強化に関する通知」を発表した。人民銀は、「新型コロナウィルス肺炎の中国経済への影響は一時的なものであり、長期的な好転と質の高い成長という中国経済の基本的側面には変化がない」との見方を示した。中国放送網が伝えた。

同通知の要求によると、金融部門は一連の措置を取って、新型コロナウィルスの感染による肺炎の予防・管理に対する金融による支援を一層強化し、国民生活を保障し、実体経済の安定発展を支援しなければならない。反循環的調節をしっかりと実施し、新型コロナウィルス肺炎の予防・管理における需要や春節(旧正月、今年は1月25日)連休後に満期を迎える資金の多さを踏まえ、公開市場操作、常設貸出ファシリティ(SLF)、再貸出、再割引といった多くの金融政策ツールを通じ、十分な流動性を提供し、金融市場の流動性の合理的なゆとりを保ち、金融の合理的な成長を促進しなければならない。金融機関が新型コロナウィルス肺炎の予防・管理に関わる分野、感染の影響を大きく受ける地域・産業・企業、社会と国民生活の分野への貸付による支援を強化するよう誘導し、関連産業、発展の見通しはあるが一時的に困難に直面する企業、特にこのような状況にある小規模・零細企業に対して、期限前償還、貸出の中断、貸し出す資金の提供を遅らせることなどを無計画に行ってはいけない。審査の効率を高め、貸出コストを引き下げ、引き続いての貸出の手配を整え、信用貸しと中長期貸し出しを増やし、企業が難関を乗り越えられるよう支援しなければならない。

人民銀の潘功勝副総裁(国家外貨管理局局長)は、「2月3日に金融市場が再開すれば、中国人民銀行は十分な流動性を提供し、反循環的調節の強度を高め、金融市場の流動性の合理的なゆとりを保ち、金融市場の金利の安定した運営を維持していく。特に新型コロナウィルス肺炎の流行という特殊な時期であることと市場再開を延期したこととの二重の影響を考慮し、公開市場操作、常設貸出ファシリティ(SLF)、再貸出、再割引といった多くの金融政策ツールを通じて市場に流動性を提供していく」と述べた。

人民銀は、「内部と外部の環境から考えて、中国経済の発展における積極的要因は増加し、経済に内在する強靱性は増強しており、こうしたことが金融市場の安定した運営を支えている。長期的な投資を行い、バリュー投資の理念をしっかりともって、歴史的経験を総括し、これを参考にして、非理性的ムードが金融市場に無用の影響を与えることを回避しなければならない。中国には新型コロナウィルス肺炎の影響の可能性に対処し、予防・管理で勝利を収め、経済の長期的で安定した発展という良好な状態を維持できるという自信があり、能力もある」と強調した。

NEWS10 マスクなぜ供給不足? 原因は原材料の不足など

マスクが手に入らない状況に直面し、このほど調査した結果、現在の市場におけるマスクや消毒液などの新型肺炎対策製品の供給不足は、主に企業の人手不足、原材料不足と密接な関係があることが分かった。「経済日報」が伝えた。

働ける従業員が少ないということが難問の1つだ。感染の爆発的拡大はちょうど春節(旧正月、今年は1月25日)連休の直前にあたり、ほとんどの企業が操業を停止するか半停止の状態にあった。浙江欧潔科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)は同省湖州市で唯一、使い捨て医療用マスクの免許を持つ医療用機器メーカーであり、中国の主要消毒液メーカーでもあり、感染が突如拡大すると、賃金を3倍にして従業員を働かせるとともに、「値上げしない宣言」をした。同社の責任者は、「当社は旧暦の1月2日からマスクの生産を開始し、医療用マスクの製造ライン2本を毎日2交替で稼働させ、1日に大体10万枚を生産している。しかし感染の影響により、当社では現在、実際に現場で働く従業員は通常の70%にとどまり、賃金が上昇し、コストも上昇しながら、マスクの価格を引き上げるわけにはいかず、生産に圧力がかかっている」と明かした。

マスク不足は政府による生産能力の統一的調整配置とも関係があり、資源が相対的に不足している場合、第一線の医療関係者と感染が深刻な地域への供給が優先的に保障される。欧潔公司の関係責任者は、「当社が生産するマスクの90%は地方政府の統一的調達の対象となっており、主にマスクを最も必要とするところに届けられている。現在のような特別な時期における供給方法は市場に出回る量を大幅に減少させる」と説明した。

医療防護用品メーカーを最も制約するのは、なんと言っても原材料不足だ。多くの企業と同様、河南省戈爾医療機械有限公司はマスク原材料の深刻な不足に陥った。同社の関係責任者は、「当社の生産ラインは半負荷での稼働も保障できず、一時は稼働が停止した。旧暦の大晦日(1月24日)の夜には、原材料を使い果たし、元日は稼働停止にするしかなく、材料が届いてやっと再稼働できた。原材料不足に続いてやって来たのは原材料価格の上昇で、マスクの価格が据え置かれる中、多くの企業は『採算割れでの生産』を余儀なくされている。しかし企業が最も頭を悩ませるのは上昇する原材料価格ではない」と話す。

欧潔公司の匿名の責任者は、「原材料価格が少しくらい高くても大丈夫で、感染流行中には企業も社会的責任を果たさなければならないと考える。しかし今は防護用品や消毒用品を製造するための各種原材料や、さらにはパッケージ材料さえも省外のメーカーには販売されず、これまで順調だった産業の供給チェーンが遮断され、生産効率も供給効率も大幅に低下し、市場のニーズに応えることができなくなっている」と話した。

現在、省・自治区・直轄市によって医療防護用品の生産能力には開きがあり、生産能力は高いが原材料は外部頼みというところもあれば、原材料の生産量は多いが完成品を大規模に生産する能力はないということろもある。省・区・市をまたがった管理コントロールが行われれば、大規模生産の能力を備えた企業が原材料を使い果たし、頑張りたいと思いながらもその気持ちを支えるものがない状態に陥り、市場の供給がさらに逼迫することになる。

こうした状況に対し、複数の防護用品メーカーが、「非常時には地域間の物資の流動を推進・加速し、供給チェーンの整備とスムーズな流れを維持し、効率の高い生産供給システムを形成することが必要だ」と呼びかける。


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