銘・精選

NEWS1 価格全面上昇で米企業・消費者が貿易戦争終結を呼びかけ

米国は中国からの輸入品に追加関税を課して、中国に打撃を与えようとしたが、まさかこの「関税の弾」が米国の企業と消費者に当たり、自国の企業・消費者がつけを払う羽目に陥るとは想像もしていなかった。中国新聞網が伝えた。
▽「足元まで」軒並み値上げ
米国は中国からの輸入品2千億ドル(1ドルは約109.6円)相当に関税を上乗せして税率を25%とし、これによってもたらされたのは米国国内の商品価格の値上がりで、そのつけは米国国民が支払うことになる。
たとえば靴なら、米国の消費者は1足あたり50ドルほど余分に支払うことになる。米靴業界団体のフットウエア・ディストリビューターズ・アンド・リテーラーズ・オブ・アメリカの試算では、関税引上でスニーカーの販売価格はこれまでの150ドルから206ドルに値上がりするという。
デパートはどうか。米デパートチェーンのメイシーズは、「中国との貿易戦争により、一部商品の価格を引き上げる」といい、同デパートの最高経営責任者(CEO)は、「値上げを避ける方法を見つけるのは難しい」と明かす。米最大の小売チェーンのウォルマートも、「トランプ政権が商品に追加関税を課したため、一部商品を値上げする」と発表した。
米国の物価をみると、ここ2ヶ月は上昇幅が拡大している。データによれば、消費者物価指数(CPI)の上昇幅は2月は1.5%だったのが、3月は1.9%に上昇し、4月はさらに上昇して2%になった。
物価上昇で真っ先に打撃を受けるのはもちろん米国の消費者だ。米貿易コンサルティング会社の研究・推計によれば、中米貿易摩擦により米国の世帯支出は平均2300ドル増加するという。
▽つけをはらうのは自国の消費者
トランプ大統領は長らく関税を支払うのは中国側だと強調し、「追加関税は米国に有利」としてきた。それでは米国の一般民衆が追加関税から何も利益を得ないのはなぜか。それどころか追加関税のつけを払うのはなぜか。
経済に法則に従えば、輸入関税の上乗せは貨物の輸入コストを上昇させ、輸入貨物の市場価格を上昇させ、海外からの貨物輸入量に影響を与える。よって輸入関税の引き上げは海外の貨物の輸入を制限する1つの手段となる。
中国の商務部(省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は、「トランプ大統領は関税を支払うのは中国だと強調するが、実際はそうではない。輸入関税は輸入業者が支払うのであり、関税上乗せ後、上乗せ部分のほとんどは米国国内の消費者に転嫁されることになる」と述べた。
白氏は、「中国製品には代替不可能性があり、中国にはスケールの優位性、産業集積の優位性、川上から川下に至る整った産業チェーンといった強みがあり、他のどの国も中国のようになることも、中国の代わりを務めることもできない」と指摘した。
米国の小売産業に関する統計によると、中国は今や米国にとって衣類、靴・靴下類、旅行用品の1番目の輸入源だ。2017年には中国から米国への輸入が米国の当該製品の輸入全体に占める割合は、衣類が41%、靴・靴下類が72%、旅行用品が84%だった。
白氏は、「米国の消費者は消費の硬直的需要が大きく、多くの必需品や耐久消費財は中国抜きでは成り立たない。関税を上乗せすれば、米国政府の税収は確かに増えるが、多くの商品が値上がりすることが前提で、米国の消費者はより多くつけを支払うことになる。よって米国が実際に被る社会的損失は税収の増加分をはるかに上回る」と述べた。
清華大学国際経済研究センターの鞠建東センター長は、「米国の中国商品に対する関税率引き上げは、米国国内の商品価格を引き上げただけで、追加関税のつけは主に米国の消費者と企業が支払うことになる。実際には自国の消費者と企業から税金を徴収しているのと変わりない」と指摘した。
▽貿易戦争終結を呼びかけ
関税のマイナス影響を受けて、米国の多くの企業、協会、機関が立ち上がって声明を出し、貿易戦争をできるだけ早く終結するよう呼びかけている。
このほどナイキやアディダスなどを含む靴類企業173社がトランプ大統領に連名で書簡を出し、「追加関税は消費者、企業、米国の経済全体に災害レベルの影響をもたらす」と訴えた。
これらの企業はトランプ政権に貿易摩擦を即刻停止するよう呼びかけ、「トランプ大統領がすべての輸入商品に追加関税を課すよう提起したが、それは主として米国の消費者につけを支払わせることを意味し、また現在の貿易戦争を集結させるタイミングがきたことを意味する」と述べた。
上記の米靴類企業は、「生産拠点を中国からいきなり移転させる力はない」とした上で、「靴類は資本の集約レベルが非常に高い産業であり、長年にわたる計画を経なければ調達計画を打ち出すことはできず、工場の移転は簡単ではなく、変化についていけない」と述べた。
白氏は、「米国政府は企業に代わりの輸入源を探すよう求めるが、中国の産業集積効果には代替不可能性がある。ある種のおもちゃなどなら、ベトナムで工場を作ればいいが、中国の数百種類に上る部品の産業チェーンをすべてベトナムに移すことはできないし、関連産業を丸ごともっていくわけにはいかない。結局、グローバル調達を行わないわけにはいかず、中国に頼らざるを得ないのだ」との見方を示した。

NEWS2 中国の航空会社11社がボーイング社相手に損害賠償請求

中国東方航空と中国国際航空、中国南方航空、廈門(アモイ)航空に続いて、山東航空と深セン航空、昆明航空、海南航空、福州航空、祥鵬航空、奥凱航空の7社も「737 MAX」型機の関係する一連の事故の影響で、同型機の運航を停止したほか、購入した同型機が納期までに引き渡されなかったりしたことにより損害が発生したとして、米ボーイング社を相手に損害賠償請求を起こしたことが23日明らかになった。中国新聞網が伝えた。
本稿執筆時点で、「737MAX」型機の運航を停止している中国の航空会社12社のうち、九元航空を除く11社がボーイング社相手に損害賠償請求を起こしている。
インドネシアのライオン・エアとエチオピア航空が運航する737MAX 8型機がそれぞれ2018年と2019年に起こした墜落事故を受け、中国民用航空局は今年3月11日に、中国の各航空会社に対して同型機の商業運航を停止するように命じたと発表した。
統計によると、中国の航空会社が所有する737MAX型機96機が運航を停止している。所有する全ての飛行機に占める割合は4%となっている。内訳は、中国国際航空1機、南方航空24機、東方航空14機、海南航空11機、廈門航空10機、深セン航空5機、山東航空7機、祥鵬航空3機、奥凱航空2機、福州航空2機、昆明航空2機、九元航空1機となっている。
ボーイングの最新型機である737MAXは、中国航空会社が注文している小型ジェット旅客機の大部分を占めている。計画では、中国国際航空は年内に737MAX型機を新たに22機導入することになっていた。
ある業界関係者によると、上記の航空会社の損失には、運航停止により発生した直接営業損失のほか、それを埋め合わせるための飛行機導入コストなどが含まれ、航空会社1社当たりの賠償請求額は1千万ドル(1ドルは約109.6円)以上になるとしている。
オフシーズンであれば、737MAX型機の運航停止が航空会社や市場に与える影響はそれほど大きくはないが、6月にオンシーズンを迎えるため、その時点で問題が解決されていなければ、中国の航空輸送能力が大きく制限されることになる。
同型機の運航再開の条件として、中国民用航空局は、もう一度耐空性を証明し、必要な設計変更や乗務員訓練を確実に実施し、事故調査結果で指摘されている安全をめぐる問題を的確に解決し、二度と事故が起こらないよう安全を確保しなければならないとしている。

NEWS3 中米貿易で米国が損?追加関税で米国が利益? 専門家が反論

北京大学国家発展研究院は22日、「中米貿易および中米関係:挑戦と見通し」と題したフォーラムを開催した。専門家たちは、「協力こそが中米双方にとって唯一の正しい選択であり、関税という大きな棒を好き勝手に振り回す米国の誤ったやり方は、経済貿易問題の解決に少しも資さない。中国はこれまでずっといかなる圧力も恐れたことはないし、いかなるリスクと挑戦にも対応できるという自信があり、そして決意があり、能力がある」という見方で一致した。人民日報が伝えた。
▽米国の追加関税は米国内の輸入企業・卸売企業・小売企業を通じて、最終的には米国の消費者にしわ寄せがいく
中国国際経済交流センターの陳文玲チーフエコノミストは、「米国が貿易戦争を発動したことは、米国経済におけるポピュリズムの産物であり、米国の利益を至上とする考え方を全世界に押し広げようとするものだ」との見方を示した。
清華大学中米関係研究センターの周世倹シニア研究員は、「追加関税は諸刃の剣であり、関税上乗せは保護貿易主義の最も簡単なやり方だ。米国の追加関税は米国内の輸入企業、卸売企業、小売企業を通じて、最終的には米国の消費者にしわ寄せがいく」と述べた。
北京大学国家発展研究院党委員会の余■(品の口が水)傑書記(副院長)は、「貿易赤字は米国にとって損していることを意味しない。赤字は両国の経済構造が決めるものだ」と述べた。
同研究院の林毅夫名誉院長は、「貿易がウィンウィンであるというのは、経済学の基本中の基本だ。米国が対中貿易で赤字になった大きな原因は、米国の貯蓄の少なさにある。貿易赤字を解決したいなら国内の問題から出発し、貯蓄を増やし、消費を減らさなければならない。関税によって赤字を解決しようとしても、かえって反対の結果を招くだけだ」との見方を示した。
▽米国が貿易戦争を発動して、乱したのは世界全体の産業発展の歩みであり、人類の歴史的発展の流れに背いている
中国現代国際関係研究院世界経済研究所の張運成所長は、「米国は自国の問題を理性的に分析し、自国の競争力が二極分化し、経済の活力や従来型労働力が革新経済に吸収されないといった現実的問題を真剣に考えるべきだ。矛盾を外国に転嫁してはならないし、『自分たちでパイを作らず、海外に行ってパイをかすめ取ったり、パイをぶんどったりする』ことは決してしてはならない」と指摘した。
陳氏は、「中米の国交樹立からの40年間、両国関係の主流は協力・ウィンウィンであり、米国が生み出してきた富は中国を含む全人類の知恵と切り離せないものだ。米国が貿易戦争を発動して、乱したのは全世界の産業発展の歩みであり、人類の歴史的発展の流れに背いている」と述べた。
中国社会科学院世界経済・政治研究所国際貿易研究室の東艶室長は、「極限まで圧力をかけるやり方は絶対にしてはならない。中国は現在、輸入を拡大する必要があるが、中国がどんな方法で輸入するか、何を輸入するか、どれくらい輸入するかは、米国が決めることではない」と述べた。
国際関係学院の立巍学院長補佐(国際政治学部長)は、「目下の米国の貿易などの分野における諸々の言動は、貿易覇権主義が集中的に現れたもので、国際社会の断固たる反対に遭うことは確実だ」との見方を示した。
▽中国の産業システムは整い、市場規模は巨大で、圧力に対抗する力は強く、波瀾の試練に耐える能力が完全にある
米国は5月10日、2千億ドル(約22兆520億円)分の中国からの輸入品に対する関税を上乗せして、関税率を10%から25%に引き下げた。フォーラムに参加した専門家は、「中国の産業システムは整い、市場規模は巨大で、強靱性は強く、融通の可能性は大きく、圧力に対抗する力は強く、波瀾の試練に耐える能力が完全にある」との見方を示した。
林氏は、「中国が戦略の定力を維持して、自分たちのことをしっかりやりさえすれば、中国経済のグローバル経済成長への寄与は引き続き世界最大のものになる。米国市場は中国の輸出市場のうち20%を占めるに過ぎず、中国は欧州連合(EU)や日本・韓国や『一帯一路』(the Belt and Road)沿線国・地域との経済貿易往来を幅広く開拓し展開している」と述べた。
余氏は、「中国には中米経済貿易摩擦に対応するための十分な政策ツールがある。同時に、中国は高いレベルの対外開放を引き続き推進し、EU、ASEAN、新興5ヶ国(BRICS)などのパートナーとの貿易関係を絶えず深化させるとともに、世界貿易機関(WTO)などの多国間組織を通じて自国の権利を断固として守り抜く」と述べた。
また林氏は、「中国は自国の発展を代償として米国の一方的なニーズを満たすことは絶対にしない。中国がやるべきことは戦略の定力を維持して、改革を全面的に深化させ、新たな段階の高い水準の対外開放の推進に力を入れ、新しい発展の理念の要求に基づいて、革新、協調、グリーン、開放、共有の発展を追求することだ」との見方を示した。
北京大学国際関係学院の査道炯教授は、「グローバル資源配置の能力を高め、中国の全要素の生産性を高め、中国の技術、製品、サービスの国際競争力を高めると同時に、開放を絶えず拡大し、全世界に中国の発展チャンスと発展成果を共有してもらうことが必要だ」と述べた。

NEWS4 中国で一押しを他人にシェアする「レコメンド経済」が人気の理由とは?

もともとは「草を植える」という意味の「種草」という中国語が、現在中国ではネットで「自分の好きなことを他の人にシェアし、それを他の人にも好きになってもらう過程を指す」意味で使われるようになり、すでにネット流行語の一つとなっている。今年の母の日には、多くの人が母親への感謝の気持ちを表すためプレゼントを贈ったが、新浪微博(ウェイボー)では、一押しプレゼントをレコメンドする「母の日の『種草』プレゼント」という投稿のクリック回数が2000万回を超え、花やスキンケア商品、アクセサリー、家具、健康食品などが紹介された。
このように消費者はどんなものでもレコメンドすることができる。では、「レコメンド経済」とは一体何なのだろう?消費者はレコメンドをどのように見て、そしてどんなメリットとデメリットがあるのだろうか?
ネットにおける「レコメンド」の新たなスタイル
「種草(レコメンド)」は、通常の消費とオンラインのコミュニケーションが結びついた行為と言える。多くの若者は、「草」にはどこにでもあるという意味が含まれており、どんなものでも他の人に勧めることができるため、何でもレコメンドの対象になると考えている。
街を歩いていて、オシャレなコーディネートをしている人を見かけた場合、それを覚えておき、友達とおしゃべりしている時に、それを勧め合う。しかし現在では若者を中心にSNSを使ったレコメンドが盛んに行われている。調査会社・艾瑞諮詢(iResearch)が発表した「レコメンド世代・95後のファッション消費報告」では、「95後」(1995年から1999年生まれ)は、「レコメンド世代」と呼ばれている。上海で働くホワイトカラーの劉暁敏さんは、「クチコミアプリ・小紅書、動画共有サイト・bilibili(ビリビリ)、新浪微博、Q&Aサイト・知乎などのオンラインプラットホームにはレコメンドに関わる内容がたくさんある。体験の紹介やランキング、おススメや一押し商品といったタイトルをよく目にする。使用体験を他の人にシェアする人は、『up主(投稿主)』、『博主(ブロガー)』、『達人』などと呼ばれ、フォロワーが多い場合、フォロワーグループを立ち上げて、意見交換をしたり、推薦しあったりもする」と説明する。
友達同士でいろんなものをレコメンドすることは、そのほとんどがソーシャルコミュニケーションの一種と考えられている。例えば、「アイドルと同じアイテム」、「同系カラー」などをテーマに、自分と趣味が同じグループを見つけることができると、自分の居場所を見つけた気分になれる。こうしたグループではレコメンドの内容が一種の「話のタネ」となっており、今の若者独特の交流スタイルの一つとなっている。
キー・オピニオン・リーダーのセールスポイントはその人物設定
専門家は、「消費構造が変化すると同時に、消費行為も衣食住や移動といった生活必需品を確保するところから、質の高い生活スタイルや個性的な生活といった精神的満足感を追求するスタイルへと変化している。多くの若者にとって、レコメンドは、単なる機能の選択ではなく、生活スタイルや個性、ブランドの背後にあるシンボル化された意義の選択でもある」と分析する。
一般のネットユーザーがレコメンドしているほか、強い影響力を持つキー・オピニオン・リーダーがなにかの商品を推薦したりすると、大きな注目を集め、それがトレンドとなることさえある。
中国人民大学商学院の丁瑛准教授は、「ネット有名人やキー・オピニオン・リーダーの核となるセールスポイントは『人物設定』、つまり、その人物的イメージと生活のコンセプトにある。消費者は何を買うかを決める時、往々にして他の人がどうしているかを考える。その主な原因はその人自身の『自己認識』にある。つまり自分はどんな人間で、どんな生活を送るべきかという点にある。もし、あるネット有名人の人物設定に『自己認識』を覚えた場合、消費者はその人の勧める商品を買いたいと思うようになる」と分析する。

NEWS5 アジア3地のディズニーが熾烈な拡張競争 東京も参戦

上海ディズニーランドと香港ディズニーランドが相次いで新たな拡張計画を発表してからそれほど経たない今月21日、東京ディズニーシーは公式サイトの中で、2022年に開業する8つ目のテーマポート建設計画が確定したことを明らかにした。新ポートの名称は「ファンタジースプリングス」で、3つのエリアがあり、そのうちの1つは世界中のディズニーファンの間で高い人気を誇る「アナと雪の女王」がテーマだ。ホテルも新たに建設される。シーは今年7月末に新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」をオープンする予定もあり、ここから上海と香港が拡張計画を大々的にお披露目したのに対抗して、シーも顧客争奪戦に乗り出そうと意欲満々であることがうかがえる。「北京商報」が伝えた。
ここ数年、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは確かに集中的な拡張期に入っていた。統計によれば、20年の東京五輪の前後に複数の新施設をオープンする予定で、シーでまもなくオープンする「ソアリン」のほか、ランドも20年春に「美女と野獣」をテーマにした新エリアと21年度に「トイ・ストーリー」をテーマにしたホテルを、それぞれオープンする予定だ。
注目されるのは、日本メディアが17年にランドとシーの入場者数が3年ぶり増加に転じたと報じたことで、背景にはシーで新アトラクションがオープンして観光客誘致力が高まったことがある。データをみると、16年にシーは15周年を迎えたが、運営会社のオリエンタルランドが発表した来場者数は目標の3040万人に届かず、2年連続減少して3千万人にとどまった。しかし拡張建設が進むと、18年度のランドとシーを合わせた来場者数はのべ3255万人に達して、前年度比8%増加し、過去最高を更新した。オリエンタルランドが4月下旬に発表した決算によれば、18年度の売上高は同9.7%増加、営業利益は同17.2%増加、純利益は同11.2%増加となった。
ウォッチャーによれば、「ランドとシーが拡張計画を打ち出し、昨年度は好調だったとしても、上海と香港のディズニーに『挟撃』されている状態にあって、やすやすと『漁夫の利を得る』ことはできないし、拡張のペースを速めていく必要がある」という。さきに発表された分析報告には、「中国大陸部の顧客資源は東京、香港、上海の3ヶ所のディズニーランドにとって通年の来場者の重要な部分を占めており、3ヶ所が熾烈な戦いを繰り広げる様子がうかがえる」とあった。実際に最近は上海と香港が相次いで拡張計画や新アトラクションを発表しており、1月下旬には上海が「ズートピア」をテーマにした8つ目の新エリアを建設すると発表し、それから2ヶ月後には香港がマーベル映画「アントマン&ワスプ」をテーマにした新アトラクション「アントマン&ワスプ:ナノ・バトル!」をオープンし、今月初めには香港が新たな拡張計画を発表した。アジアエリアのディズニーランド間のスピードを競う拡張競争が、もう後戻りできないところまできていることがわかる。
専門家は、「これまでの長い経過を振り返ると、ディズニーが収入と利益の持続可能な成長を実現できたのは、なんといっても新しいコンテンツやアトラクションを絶えず投入し、『リピーター』の割合を引き上げてきたからだ。ディズニーにとって、現在の巨大な文化観光システムを支えてその安定成長を持続させるには、絶えず新たな成長のエンジンを見いだしていくことが必要だ」との見方を示した。中国観光研究院の呉麗雲副研究員も、「テーマパークは確かに常に変化し常に新しいことが必要であり、消費者のニーズの変化に合わせて、新たなキャラクターを商品に落とし込み、地位をキープしなければならない」と述べた。

NEWS6 ファーウェイが独自OS「鴻蒙」商標登録 アンドロイドと互換性を図る

米国が華為技術(ファーウェイ)を「エンティティリスト」(輸出規制対象リスト)に加えると、グーグル、クアルコム、アームなど各企業がファーウェイへの製品の供給を停止すると相次ぎ決定した。このほどの取材によると、ファーウェイは圧力を受ける中で自力救済の道を選択。中国国家知的財産権局(知財局)商標局のサイトによれば、ファーウェイは独自開発OS「華為鴻蒙」の商標登録を正式に申請した。「鴻蒙」は今年秋にもリリースされ、アンドロイドのシステムと互換性を実現する見込みという。「北京日報」が伝えた。
同局はサイトで、ファーウェイが「鴻蒙」の商標登録を正式に申請したこと、申請日は2018年8月24日、商標の公告日は2019年5月14日、商標権の存続期間は2019年5月14日から2029年5月13日までであることを明らかにした。
ファーウェイの余承東・消費者事業最高経営責任者(CEO)がこのほど述べたところによれば、早ければ今年の秋に、遅くとも来年の春には、独自開発OSが世に出ることになる。携帯電話、コンピューター、タブレットコンピューター、テレビ、自動車、スマートウェアラブル機器などのプラットフォームを一つのOSに統合し、アンドロイドのアプリケーションやウェブアプリケーションのすべてと互換性を持つものになる。同OS上でアンドロイドアプリをコンパイルすると、動作性能が60%向上するという。これは次世代向けに設計されたOSでもある。
科学技術は独立していなければ規制を受けることは避けられないが、ファーウェイの独自開発の道は困難が予想される。周知の通り、グーグルのアンドロイドシステムは2007年に発表され、10数年にわたる発展を遂げ、これまでにノキアのシンビアンOSやマクロソフトのウィンドウズフォンの2大システムを打ち負かして、今や世界市場で8割を超えるシェアを達成したとともに、アップルのiOSシステムと合わせた世界の携帯電話OSのシェアは約99%に達した。
業界関係者の間で一般的な見方は、「ファーウェイの鴻蒙システムがアンドロイドとどれくらい互換性を持っているか、アンドロイドが基盤技術を通じてファーウェイが互換性を持てないようにするかどうかが、鴻蒙システムの生死を分ける絶対的な中核になる」というものだ。
グーグルが以前、ファーウェイに対してアンドロイドのアップデートをサポートしない態度を明らかにし、ファーウェイはアンドロイドのオープンソースのコードを利用して自力でアップデートを行わざるを得なくなった。グーグルはファーウェイ端末への各種サービスの提供も停止し、「既存のファーウェイ端末でグーグルのサービスは正常に動作しているが、今後発表されるファーウェイの新端末ではグーグルのサービスは正常に利用できなくなる」とのコメントも発表した。
OSの独自開発は非常に困難であるだけでなく、莫大な費用を投入する必要もある。データによれば、マイクロソフトは関連のシステム開発に200億ドル(約2兆1890億円)以上を投入し、リナックスのシステム開発には100億ドル(約1兆945億円)あまりを投入した。ファーウェイにとって、技術開発への資金投入を増やすことが必須になる。

NEWS7 歴史の流れの中で民族の気風示す座標となりうる華為

華為技術(ファーウェイ)の任正非最高経営責任者(CEO)はこのほど、深セン市にある同社本部でメディアの取材を受けた。任氏の発言内容には、多くのネットユーザーたちから、「度量の大きさと大局を見据える姿勢に感激した」といった称賛コメントが寄せられただけでなく、「ファーウェイの実力を目にしてファンになった」といった激励コメントも寄せられている。
任氏への称賛はその言葉の妙にあるわけではなく、ファーウェイの名分を正しているからだけでもない。その言葉に客観的で理性的な事実がうかがえ、思考の力が充ち満ちていることがより大きな理由だと言える。
「国はより開放されなければならないし、開放されて初めて未来が開ける」とする任氏は改革開放の目撃者であり、改革開放に関わってきた者でもある。改革開放は中国企業の気風を作り上げ、中国の企業家も改革開放のスタイルを絶えず「更新」してきた。任氏自身から発せられる開放的な度量は、中国の改革開放世代の総体としての精神・気風を映し出している。こうした精神・気風は、中国企業が絶えず発展拡大していく精神的な支えであり、中国の発展に内在する原動力でもある。
世界の潮流は滔々と流れていく。国のドアを開けるのか、それとも閉めるのか、答えは言わずとも明らかだ。ファーウェイを代表とする中国企業は、グローバル化を背景とした世界の発展の大きな流れに順応し、歴史の発展の流れにぴたりと寄り添い、必然的により多くのポジティブフィードバックを獲得してきた。中国企業は学ぶことを得意とする企業であり、中華民族は学ぶことを得意とする民族だ。このような大局を見据える姿勢と感慨を胸に抱いた中国は局地的な発展の利益にこだわるという古いやり方に陥ることはありえず、それどころかより豊富な成果を獲得することができる。世界のインターネット企業上位10社のうち、中国企業は4社を占めている。また中国企業が次々と中国国内で勢いよく発展し、海外へも積極的に進出し、グローバル経済にあるべき寄与をしていることが、何よりもの証拠だ。
愛国とはスローガンを叫ぶことではなく、空疎で抽象的な言葉で表現するものでもない。ファーウェイが中国の企業であり、中国内外で高く評価される中国のブランドであることは、争えない事実だ。しかしファーウェイの携帯電話に使われているハードウェアとソフトウェアは世界の先端的科学技術の結集であり精華だ。任氏の、「ファーウェイを買わないことが国を愛さないことだというなら、私たちの子どたちは国を愛していないことになる。彼らもアップル製品を使っているからだ」という言葉からも、彼の高い認識と深い含意をうかがい知ることができ、ゆっくりとその言葉を斟酌する価値があるだろう。
今日、中国はこれまでの歴史のどの時期よりも、中華民族の偉大な復興という目標実現により近づき、より自信をもち、そのための能力をより備えている。中国の企業家がより開放的な精神・気風を示す時、大国の国民がより成熟した理性的な品格を示す時、革新(イノベーション)が民族全体の価値をめぐる共通認識になる時、私たちには中国がよりしっかりと落ち着きをもって世界の舞台に進んでいくと信じるだけの理由がある。数年後、歴史の流れを振り返ってみた時、ファーウェイは今の時期における民族の気風を備えた座標の1つになっていることだろう。

NEWS8 どうなる日本の高齢化問題 「生涯働き続ける」のか

高齢化に苦しむ日本は、思い切って高齢者にターゲットを定めた。より多くの高齢者が働き続け、中には70歳近い人もいる。出勤ラッシュ、帰宅ラッシュにはこざっぱりした服装だが背中の曲がった高齢者の姿がみられ、銀髪のサラリーマンは日本ではもはや珍しくない。現在のような「定年になっても働き続ける」から未来に予想される「生涯定年なし」まで、こうした動きの背後に隠れているのは、よりはっきりと現れているのは、労働力不足に直面して進退窮まった日本の現状だ。「北京商報」が伝えた。
▽定年のない社会
「生涯働き続ける」は、日本では大まじめに言われていることだ。日本政府は今月15日、働く意志のある高齢者が70歳まで働けるようにすることを目指す「高齢者雇用安定法」改正案の概要を発表した。日本政府は目標達成に向けてエンジン全開で、企業に定年を70歳まで延長するよう求めるほか、高齢の社員の他企業への再就職や起業を支援するよう求める。
現行の「高齢者雇用安定法」では、企業は働く意欲のある65歳以下の社員を雇用しなければならない。2013年に安倍晋三首相が就任すると法案を後押しして可決させると同時に、この規定を企業の義務として普及させた。そして今、安倍政権は再び高齢者をめぐって動き出した。
データによると、17年の日本では70歳以上の人口が100万人増加して2618万人に達し、総人口の20.7%を占めた。65歳以上は28.1%に達し、このうち807万人が現役で働き、過去最高を記録した。世界保険機関(WHO)の基準では、65歳以上の人口が総人口に占める割合が7%に達した国家は、「高齢化社会」に突入したことになる。20%を超える日本は紛れもなく「超高齢化社会」に突入している。
高齢化の負担の下、安倍首相は65歳以上の高齢者の雇用促進を「新経済成長戦略」の柱の1つとした。昨年9月にはインタビューに答える中で、何歳になっても働きたい人が労働に参加できて「生涯働き続ける」、「生涯活躍する」社会を作ると述べた。これを前提にして、医療や年金などの社会保障制度も含めた総合的な改革を進めるとした。
▽高齢化の苦難
日本では「定年になっても働き続ける」のは当たり前になっている。17年に日本の働く高齢者は前年比5%増加して807万人になり、雇用者数の12.4%を占めて、過去最高を更新したと同時に、日本の高齢者雇用指数が14年連続で上昇することにもなった。
日本では多くの企業が60歳になった社員のために退職手続きを取り、それから再雇用という形で働き続けられるようにするが、給与は退職前の約70%に減額される。元の職場で働き続ける人の中には、家計を助けるためという人もいれば、社会貢献のためという人もいる。
日本の総務省が発表したデータをみると、18年の外国人を含む日本の総人口は1億2644万3千人で、前年比26万3千人減少し、8年連続の減少となった。このうち15~64歳の生産年齢人口は51万2千人減少し、1950年以降の最低を更新した。昨年10月、日本政府は新政策を積極的に推進し、外国人労働者の受け入れ拡大の方針を打ち出した。
若い人は子どもをほしがらず、高齢者はますます長寿になり、高齢化と少子化が同時に起こって、日本の「人口危機」を招いている。「高齢者雇用安定法」の施行からの5年間に、国の社会保障負担が重く、財政状況がますます悪化するという問題は依然として解決できていない。日本の18年度予算の執行計画によると、通年の予算総額は95兆円で、年金や医療保険などの社会保険には32兆円が回され、実に国家予算の3分の1を占める。
中国現代国際関係研究院の胡継平院長補佐(日本問題が専門)は、「退職年齢を引き上げるだけでは日本の高齢化問題は緩和することしかできず、問題の根本的な解決には不十分だ。ここ数年、日本は解決に向けて動き出し、外国人の日本での就労の制限を緩和するなどしている。現在、日本で働く外国人労働者は労働者全体の約2%に過ぎず、今後も緩和の余地は大きい」と述べた。
▽人口と高齢化のループ
日本の経営コンサルタントで「ミスター・ストラテジー」などと呼ばれる大前研一氏は著書「低欲望社会:『大志なき時代』の新・国富論」の中で日本高齢化の様子を描き出した。若い人は結婚せず、子どもをもたず、家も車も買わない。高齢者は花を育て、犬の散歩をし、年金で暮らし、3500万円の遺産を残してこの世を去る。こうした状況の中、出生率は低迷を続け、国家経済は停滞して前に進まない。
日本政府は消費の喚起を考えないわけではない。昨年11月には、10兆円規模の経済活性化プランを打ち出し、自動車税の引き下げ、買い物ポイント付与などによって、消費税率引き上げの影響を相殺しようとしている。消費税率引き上げという国内消費への打撃が大いに予想される措置を、日本は2回にわたって先送りしてきた。
より重要なことは、日本が直面する人口問題は状況が複雑で、単に高齢化の問題にとどまらないということだ。昨年末、日本では国籍に関係なく「無償で住宅を提供」のニュースが話題になった。ますます多くの若者が都市部に押し寄せ、それまで暮らしていた家は空き家になって取り残され、家と人とのアンバランスな状態はもやはコントロール不可能だ。日本の関連部門の予想では、40年までに日本では900の地方都市や村が消滅するという。
農村部には「空き家」が広がり、都市部は人が多すぎる。人口や資源が大阪や東京といった大都市に過度に集中していることから、人口が都市部に大量に流れ込む。データをみると、16年に首都圏の総人口は4千万人に迫り、その一方で日本の総人口は約1億2千万人にとどまった。
地域の発展は軌道から大きく外れ、日本はこれをなんとかしなければならず、住宅提供は対策の1つだ。今年から日本は補助金政策を打ち出し、東京から地方へ移住する人に最高で300万円の補助金を支給することにした。これまで4年連続で東京への流入人口が10万人を超えたことが背景にある。つまるところ、人口不足と高齢化は1つのループを描き、答えのない袋小路に向かっているといえる。
胡氏は、「労働力の経済への影響が現れ始めている。まず企業に影響がある。科学技術が進歩しても、完全に人に取って代わることは不可能である上、自動化のコストは高く、小規模企業にとって困難であることは間違いない。労働力減少は人件費の上昇も意味する。次に多くの国と同じく、日本の年金制度も現役世代が納める保険料でリタイアした世代を養うが、今は高齢者が増加し、労働力が減少して、保険料を支払う人がどんどん減り、年金を受け取る人はどんどん増え、社会保障システムは危機に瀕して、システムを維持できるかどうかが大きな問題になっている。最後に、高齢者の割合がますます増え、社会全体に与える最も深いところでの影響は内需不足による社会全体の消費不足だ。ひいては日本経済の発展の原動力にも影響を与えるからだ」と述べた。

NEWS9 中国国家発展・改革委員会「中国経済は風や雨に直面しても必ず成長し続ける」

外部の不確定要素が拡大しているが、中国経済は安定性を保つことができるのだろうか?中国は今後、どんな対応策を講じるのだろう?中国国家発展・改革委員会が今月17日に開催した記者会見で経済をめぐるそれら疑問に答えた。
国家発展・改革委員会の孟■報道官(■は王へんに韋)は、「貿易摩擦は中国経済の発展に一定の影響を与えるが、全体的な影響はコントロール可能だ。現在、企業の業況判断は日に日に安定し、市場も少しずつ理性的な予測をするようになっている。中央政府が講じている政策、対策は効果的で、外部の逆風に対応する各方面の能力は継続的に強化されている。中国経済は非常にタフで、巨大なポテンシャルを秘め、勢いは弱まっていないことが示されている」と強調した。
そして、「自分たちがしなければならないことをしっかりするといのが、外部からの逆風に対応するカギだ。経済運営が直面している下振れ圧力に対して、当委員会は、関連当局と共に今後、高い品質の発展を促進することに立脚し、現代化経済体系を構築し、マクロ政策の連続性、安定性を保ち、逆周期的調整を強化し、減税及び費用削減政策を実行し、流動性、合理的な余裕を保ち、改革の深化、開放の拡大を通して、市場の活力を刺激することに一層力を注ぐ」とした。
消費を拡大させるために、発展・改革委員会は今後、消費を促進する体制、メカニズムを整え、さまざまなルートを通して、高品質の商品やサービスの供給を増やし、都市部と農村部の消費供給をめぐるウィークポイントを補い、農村の消費の質の向上、高度化を促進して、消費の安定した成長を促進する。
投資を安定させるために、同委員会は今後、中央政府の予算内での投資、インフラ、公共サービスなどの分野のウィークポイントを強化、整備し、製造業の技術革新、設備のアップグレードを実施し、インフラなどのプロジェクトの資本金の割合を適度に下げる計画だ。

NEWS10 最も稼ぐキャラは90年代生まれのピカチュウ カワイイ経済確立

世界で最も稼ぐ2次元のキャラクターは何か。20後(1920年代生まれ)のミッキーマウスか、70後(1970年代生まれ)のハローキティやマーベル・シネマティック・ユニバース(架空の世界)のスーパーヒーローたちか。正解は90後(1990年代生まれ)のピカチュウだ。「北京日報」が伝えた。
最近は実写版映画「名探偵ピカチュウ」が好調で、世界的人気コンテンツ・ポケットモンスターの主役キャラのピカチュウは、押しも押されもしないネットの人気者だ。商業施設でピカチュウ展が行われれば、平日でも長い行列ができる。ピカチュウのイラストが入ったストロー付きタンブラーを手に入れるために、いくつも映画館をはしごする人がいる。スニーカー、Tシャツ、ペンなどのピカチュウ人気にあやかったコラボ商品が次々登場し、相当な売り上げをみせる。老若男女を問わずに人気の「カワイイ」カルチャーがSNSでも人気者を集め、今や無視できない経済の新ジャンルとなった。
▽高い「集金力」 コラボ商品が一日で3千万元を売り上げ
ポケモンは1996年に誕生して23年が経つ。メディアのまとめた統計では、今年3月末現在、ポケモンはグッズで著作権者が手にした利益が累計900億ドル(1ドルは約109.5円)に達し、映画・アニメ・マンガ・ゲーム類のキャラクターでトップに立ち、世界で最も「集金力」のあるキャラクターとなっている。
今回の映画が公開されると、昔からの大勢のポケモンファンが喜んで見に行っただけでなく、ポケモンをあまりよく知らない若い世代もピカチュウのかわいらしさでファンになった。映画館で販売されるピカチュウの形をしたストローボトルは若いカップルの大人気商品になった。あるネットユーザーはボーイフレンドからボトルを送られた話をアップしたため、微博(ウェイボー)の人気検索ランキングに登場した。一部の映画館ではボトルが完売したため、マニアが都市全体をかけずり回って探す光景が見られた。
人気にあやかってコラボ商品を出すブランドが雨後の竹の子のように、次から次へと登場した。
アディダスはピカチュウのアパレルとスニーカーを限定発売し、ネットの人気者をキャラクターにして商品を宣伝する。ラミーもピカチュウのペンセットを限定発売し、ランチョンミートのブランド・スパムも99元(1元は約15.9円)のピカチュウセットを発売した。すでに2年前、阿里巴巴(アリババ)影業集団傘下のキャラクターグッズプラットフォーム・阿里魚が中国でのポケモンのグッズと営業販売のライセンスを取得しており、2017年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)だけで3千万元の売り上げを達成したという。
アリババとの協力もピカチュウブランドを後押ししてより広大な市場を開拓することにつながり、単価が2元に満たない得力の中性ボールペンにも正規のルートでピカチュウが登場するようになった。
▽利益を出すのは難しい 中国の2次元キャラはまだこれから
カワイイだけで見通しが明るいだろうか。実は優良キャラクターの成功には長い道のりがある。
ピカチュウは日本企業・任天堂のゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターとして誕生した。ゲームが爆発的な人気になると、続いてマンガやアニメが登場して多くの視聴者を獲得し、ポケモン人気は一種のブームになった。ピカチュウは最初はゲームのわき役だったが、アニメでは主役に抜擢された。視聴者の好みに合わせて外見を改良し、女性デザイナーの意見も取り入れて、どんどん可愛くなっていった。
ブランドが成熟してくると、ポケモンはライセンスグッズ、電子ゲーム、カードゲーム、コミック、アニメ映画、ホームエンターテインメントなど多くのジャンルに広がり、立体的な総合型キャラクターに育っていった。統計によると、ポケモンの総売上900億ドルのうち、ライセンスグッズの売り上げが600億ドルで60%を占めるという。
ディズニーとラインフレンズもキャラクター商品戦略の典型例だ。レインフレンズの場合、直営店、カフェ、テーマパークなどを構えただけでなく、商品が生活雑貨、文具、玩具、アクセサリー、電子製品、書籍などさまざまなジャンルを横断し、400品目・7千種類以上あるというところに特徴がある。
ウィキペディアのランキングによれば、中国で最も稼ぐのは騰訊(テンセント)が買収したゲームのリーグ・オブ・レジェンドと網易傘下のゲームシリーズの夢幻西遊だが、これらのキャラクターはまだゲームの枠を出ていないという点はよく考えなければならない。中国映画市場では、コラボグッズの売り上げが占める割合はまだ10%ほどしかない。また中国マンガ・アニメ産業はスタートが遅く、業界を見渡せば継続的な開拓の取り組みやコラボグッズの開発が不十分で、こうした問題は早急に解決されなければならない。


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