銘・精選

NEWS1 日本で消費税増税をめぐる論争再び

日本の政界では最近、今年10月に予定されている消費税増税が再び争点となっている。引き上げを前提に、新年度予算案が3月の国会で成立し、消費税増税による消費の低迷を少しでも避けるための、関連の対策費も予算に盛り込まれた。このように消費税増税は既に待ったなしの状態となっているが、引き上げを目前に控えて、横やりが入っている。現在の情勢を見ると、今回の論争は、増税問題を武器にして国会の選挙に影響を与え、政局を揺れ動かそうとする目論見が明らかだ。日本の政治は再び霧の中で花を見るような状態に陥る可能性がある。経済日報が報じた。
論争は、自民党の萩生田光一幹事長代行が、インターネットテレビ番組で、10月に消費税が8%から10%に引き上げられることについて、日本銀行(中央銀行)が6月に発表する経済観測調査の結果次第で延期もあり得るとの考えを示し、「本当にこの先危ないぞというところが見えてきたら、崖に向かって皆を連れて行くことはできないので、そこはまた違う展開はあると思う」と述べたことに端を発している。
自民党員で初めて増税の延期に言及した萩生田幹事長代行のこの発言は日本で波紋を広げた。萩生田幹事長代行は、「増税を止めるとなると、国民の皆さんの了解を得なければならないから、信を問うことになる」とも発言。信を問うとは、解散総選挙のことで、7月予定の総選挙が6月に前倒しになるのではとの憶測も流れるなど、政治的戦略のにおいがプンプンする。
萩生田幹事長代行の発言には、日本の政府や経済界、各政党がたちまち反応。菅義偉官房長官はすぐに、「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、10月に消費税率を10%に引き上げる予定。政府の方針に全く変わりはない」と、火消しに努めた。また、麻生太郎副総理兼財務相も、「社会保障の安定財源の確保が極めて重要だ」と強調し、自民党の二階俊博幹事長も会見で、「萩生田氏の発言について、「彼の個人的な見解だ。幹事長代行だからといって、私に相談や了解があったわけではない。党で十分議論して結論を得ている。軽々しくそうしたことに言及すべきものではない」とした。公明党の山口那津男代表も、「短観だけをもって、(延期を)うんぬんするというのは論外だ」と一蹴している。
政界よりもパニック状態になっているのは日本の経済界だ。企業や事業者は既に、パソコンの財務システムを、増税後の基準に合わせて修正するなど、消費税増税に向けた準備を着々と進めているため、もし増税が延期となれば混乱は必至だ。また、政府も増税を前提に、新年度予算の計画を制定しており、増税が延期となれば、不足分は赤字国債で補うしかなく、膨らんでいる「国の借金」がまた増えることになる。
萩生田幹事長代行は、これまでに、内閣官房副長官も務めるなど、安倍首相が非常に信頼している側近中の側近で、その発言には非常に重みがある。そのため、日本の複数のメディアは、増税延期の発言は、安倍首相の代わりに投じたパイボールではないかと分析している。7月、3年ごとに半数を改選する参議院議員通常選挙が実施される計画で、もし同じ時期に衆議院が解散されて衆議院議員総選挙が行われることになった場合は、衆議院選挙と参議院選挙の両方の選挙を同時に行うことになり、地方に強固な組織を持つ自民党にとって有利となる。
安倍首相は、「政府は120%の増税対策を講じているため、増税が経済にマイナスの影響を与えることはない」と自信たっぷりに語っているものの、日本の各界は景気の先行きを不安視している。昨年下半期、米国の保護貿易主義や世界経済の動向の影響を受けて、日本の輸出が減少し、国内消費の成長の力も弱くなっているため、日本社会では増税により、経済が根本的に低迷してしまうのではとの懸念が広がっている。日本銀行が今年3月に発表した全国企業短期経済観測調査の結果によると、代表的な指標の大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス12に悪化し、安倍首相が増税を見送った14年11月の水準を下回った。そのため、消費税増税の延期を求める声が常に上がっている。
14年4月に、消費税が5%から8%に引き上げられて以降、安倍政権は増税を2度延期してきた。14年11月、安倍政権は、15年10月に計画していた増税を1年半延期するとし、それを理由に衆院解散を断行して参院選で圧勝。さらに、16年6月にも、再度、増税を19年10月まで延期するとして、同年7月の参院選で勝利を収めた。
このように、増税延期が選挙で勝利するための重要な手段でして使われてきたのだ。そのため、「増税問題において、経済情勢より、選挙情勢のほうが、政府の決定を左右する」との声もある。
日本の憲法は、「衆議院を解散し、総選挙を実施するというのは総理大臣の専権事項」と定めている。選挙に勝つために、これまでも増税を延期してきた経緯があるため、「二度あることは三度ある」と言えるだろう。また、安倍首相が政権を握ってからの6年半の間、国政選挙が6度行われてきたが、7回目はないとは誰も言えないのではないだろうか。選挙に向けて解散する権限は安倍首相が握っており、各政党は起こる可能性のあるさまざまな局面に対処するための準備を既に進めている。

NEWS2 中国の一、二線都市で住宅購入する女性急増中 その理由は?

中国ではショッピングや旅行、車、マイホームの購入といった分野における女性の消費能力が高まっており、消費観念も大きく変化している。不動産住宅情報サイト・貝殼がこのほど発表した「2019年女性安居報告」によると、女性住宅購入者は近年最高数に達しており、一、二線都市では男性の住宅購入者とほぼ肩を並べている。では、なぜ住宅を購入する女性が増えているのだろうか?人民日報海外版が報じた。
2018年に同プラットホームで行われた中古住宅の取引データを分析し、一、二線都市12都市における女性の住宅購入者を対象にアンケートを実施してまとめた貝殼の「2019年女性安居報告」によると、2018年における女性の住宅購入者は46.7%と、男性とほぼ肩を並べる勢いとなった。年齢別に見ると、30歳以上50歳以下の独身の女性の住宅購入者が大部分を占め、その数は年々増加している。都市別に見ると、一線都市の北京や深センでは、男女の住宅購入者の割合がほぼ1:1となり、二線都市の鄭州や長沙、西安に至っては、アラフォー女性の住宅購入数が男性を大きく上回っている。
住宅購入する女性の資金はどこから?
統計によると、30歳以上の女性の住宅購入者の約45%が親の援助を受けていたのに対して、29%は自分で購入していた。また一線または二線都市に関わらず、独身女性の3割以上がローンを組まない一括払いを選択しており、ここからも女性の経済力が高まっていることがはっきりとわかる。
女性客の対応の経験が豊富な不動産仲介会社・北京鏈家のスタッフ・丁さんは取材に対して、「経済力があるアラサー女性のクライアントが多く、起業している人もいれば、金融やITなど給料の高い業界で働いている人もおり、ほとんどが300~600万元(1元は約16.5円)の住宅を選んでいる。親が一部を援助しているケースも多く、ほとんどは頭金を親が負担して、毎月のローンは自分で返済するという形だ」と説明した。
独身の若い女性の住宅購入意欲が高いほか、夫婦で住宅を購入する場合も、女性がますますその過程で重要な役割を果たすようになってきている。複数の不動産仲介会社のスタッフは取材に対して、「家族揃って家を見に来た場合は、特に女性の意見によく耳を傾け、説得するように試みる必要がある。それは、家が売れるか売れないかのカギだ」との見方を示している。
女性の住宅購入者がますます増えている理由とは?
女性の社会的地位がますます高まっているのがその理由の一つ。住宅を購入する女性が増加していることは、女性の社会的地位が向上し続けていることを反映している。中国社会科学院財経戦略研究院の住宅ビッグデータプロジェクトグループの鄒琳華グループ長は、「これは、社会の分業スタイルの変化と密接な関係がある。近年、中国の第三次産業の割合が高まっている。第三次産業は女性の就職に有利だ。また、大都市の第三次産業の割合は特に高く、それに伴い女性の社会的地位も高まっている。これは、一、二線都市で女性の住宅購入者が年々増加し、男性と肩を並べるほどになっている側面的な原因だ」と説明する。
女性が経済的に一層自立するようになっているというのもその理由の一つ。中国国務院発展研究センター市場経済研究所の任興洲元所長は、「女性が中国の消費市場の主力軍と重要な成長ポイントとなっている。2019年、中国における女性の消費市場の規模は、前年比で大幅に拡大し、約5兆元に達すると予想されている」とする。
中国のこの動向は、世界、特に先進国の動向とほぼ一致している。世界的に見ても、ショッピングや旅行、車、住宅の購入などの分野で、女性が存在感を一層高めている。米金融大手・バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが最近発表した報告によると、現在、女性の財産を貯めるペースが男性の1.5倍に達しており、2020年には、世界の女性が保有する金融資産は計72兆ドル(1ドルは約111.10円)と、10年に比べて2倍に達すると見込まれている。その他、同報告は、「企業の女性に対する待遇が一層改善されれば、世界経済の今後6年の成長の3分の1に寄与するだろう」と予測している。住宅を購入する女性が増加していることは、女性の経済力と消費能力が向上していることの表れだ。
経済力が向上すれば、住宅を購入するというのが、重要な選択肢の一つになる。鄒グループ長は、「マイホームがあれば、安心感が増すと同時に、それは一種の投資でもあり、価格の上昇を期待できる」と分析している。

NEWS3 中国3月の工業利益が大幅に回復・上昇

中国国家統計局がこのほど発表した工業企業財務データによると、今年3月には全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の利益が前年同期比13.9%増加し、増加率は今年1〜2月の同14%減少から大幅に回復・上昇した。今年1〜3月の工業企業の累計利益は前年同期に比べて減少したが、減少率は3.3%となり、1〜2月より10ポイント以上縮小した。「北京青年報」が伝えた。
同局工業統計司の朱虹シニア統計家は今年第1四半期の工業企業利益データを分析する中で、「生産販売の伸びが速く、価格が安定回復したことが、中国の工業利益増加の目に見える回復・上昇を促進した」と指摘。統計をみると、3月の一定規模以上の工業企業の生産額の前年同期比実質増加率は8.5%で、1〜2月を3.2ポイント上回った。工業企業の営業収入は同13.7%増加し、増加率は1〜2月を10.4ポイント上回った。鉱工業生産指数(IPI)は同0.2ポイント上昇し、上昇率は1〜2月を0.1ポイント上回った。速報値の計算によると、物価変動の影響で工業利益は同約268億元(約4442億円)増加し、利益の伸びへの寄与は1〜2月を4.5ポイント上回ったという。
統計をみると、3月には自動車、石油加工、鉄鋼、化学工業などの重点産業の利益が目に見えて回復した。自動車産業は値下げや新車発売などの要因があったため生産販売がともに回復し、自動車製造業の利益が同1%増加し、1〜2月の42%減少というマイナス局面を抜け出した。石油加工産業は工業製品の価格が上昇したため、利益が同13.9%減少となり、減少率は1〜2月より56.5ポイント縮小した。鉄鋼産業は利益同15.2%減少、減少率同43.8ポイント縮小、化学工業は利益同3.2%減少、減少率同24.0ポイント縮小となった。上記4業界全体で一定規模以上の工業企業の利益増加率を1〜2月比12.8ポイント引き上げた。
また付加価値税の税率引き下げによる牽引効果、春節(旧正月、今年は2月5日)が2月になったことの影響、比較の対象となる2月の基数が低かったこと、投資収益増加などの要因も、利益増加率をある程度引き上げた。

NEWS4 18年中国人のぜいたく品消費は約12兆7600億円 世界の3分の1を購入

マッキンゼー・アンド・カンパニー(中国)が26日に発表した電子決済システムの運営会社である銀聯のぜいたく品取引データを参考にした「2019年中国ぜいたく品消費報告」は、中国の消費者の年代、都市、販売拡大ルートの違いによる、ぜいたく品の消費や販売の需要、パフォーマンスの違いを分析している。一財網が伝えた。
18年、中国人の中国国内外のぜいたく品消費額は7700億元(1元は約16.6円、約12兆7600億円)に達し、世界のぜいたく品消費総額の3分の1を占めた。また、ぜいたく品を購入している家庭は、1世帯当たり平均約8万元を使っている 。
12‐18年の間、世界のぜいたく品市場の成長幅に中国は50%以上寄与した。25年までに、中国のぜいたく品消費総額は1兆2000億元に達し、世界のぜいたく品消費の成長幅に対する寄与率は65%に達すると見込まれている。
若い世代である「80後(1980年代生まれ)」と「90後(1990年代生まれ)」がぜいたく品購入者に占める割合はそれぞれ43%と28%で、中国のぜいたく品総消費に対する寄与率はそれぞれ56%と23%に達している。
ぜいたく品を購入する理由について、回答者の大多数と約70%の「90後」が、「独特の雰囲気を楽しみ、自分らしさを表現し、普通の人と違っているため」と答えた。ぜいたく品の購入はそれらの人にとってライフスタイルの一種となっており、オンラインやオフラインでその体験や価値観を友人らに伝えている。
このことから、ぜいたく品ブランドが売り上げを伸ばすためにまず必要なことは、中国の若者の心を捉えることということになる。彼らについてよく理解し、それと足並みを揃え、彼らの交友関係の中に入っていくことができるかが、各ブランドが今後の10年を生き残ることができるかを左右する。一番重要なターゲットとなっている中国人の若者の心を捉えるカギとなるのがデジタル化だ。
中国の若者が好むのはブランド自体ではなく、ブランド商品と人気商品の組み合わせだ。彼らが、一つのブランドの商品だけをいくつも購入することはなく、各ブランドで現在最も人気となっている商品、アイデンティティが確立されている商品を選んで購入し、自分が他の人とは異なっていることをPRすることを好む。
ぜいたく品の購入は今、化粧品の購入と似ているようになっており、消費者にとって最も魅力があるのはブランドの大ヒット商品となっている。中国市場にこれから殴り込みをかけようと計画しているブランドにとって、中国の各年齢層の消費者は目新しいものを好むというのは朗報だ。
最もオープンな気持ちを持ち、いろんなものを受け入れるのは「90後」であるものの、ブランドをPRするだけでは、ブランドを熟知し、SNSを頻繁に使うそれら若者の心を捉えることはできない。ブランドは、新しい商品や商品にまつわる新しい物語を定期的に打ち出したり、新商品に合った動画、画像を作成したり、記事広告やその他の関連のマーケティングコンテンツでPRしたりして、一つ一つの商品を、エルメスを象徴するバッグの「バーキン」のように、絶対にかっておきたい商品にしなければならない。
高齢化が加速している中国社会だが、マッキンゼー・アンド・カンパニーのグローバル・シニアパートナーのダニエル・ジプサー氏は、「ぜいたく品の販売増加に対する顕著な影響はない」との見方を示し、「例えば、携帯や自動車などのデータを見ると、市場全体の成長は鈍化しているにもかかわらず、実際には高級志向が高まっており、ぜいたく品もそのような流れを保っている。 80後や90後は、中国のぜいたく品市場の中心だが、中国の消費者全体を見ると、ぜいたく品を購入しはじめたばかりの人が多く(ぜいたく品消費者である90後の半数と80後の31%が過去1年以内に生まれて初めてぜいたく品を購入し、65後≪1965‐69年生まれ≫と70後≪1970年代生まれ≫の約半数も3年以内にデザイナーズ・ブランドの商品を買い始めている)、社会の高齢化のぜいたく品に対する影響は小さいだろう。80後と90後の消費者のぜいたく品消費は今後も増加し、さらに新しい若者の世代がぜいたく品購入の仲間入りするようになるだろう」と説明する。
そして、「ぜいたく品の消費増加は、人口が多いからではなく、一部の中・高所得者層の増加の流れに乗ったものだ。近年急増中の中・高所得者数の複合年間成長率は18‐25年に28%を保ち、世帯の1ヶ月当たりの可処分所得が1万7450‐2万6180元の間の人口は3億5000万人に達すると予想されている。それらの人が、ぜいたく品の成長に寄与する人々だ」と指摘する。

NEWS5 「アベンジャーズ/エンドゲーム」興収が10億元突破  関連グッズも大ヒット

「アベンジャーズ/エンドゲーム」の興行収入が、中国の映画史上最速の封切りから44時間11分で10億元(1元は約16.6円)の大台達成となった。また、ガレージキット、3C(Computer、Communication、ConsumerElectronics)関連製品、日用品などの公式関連グッズが中国で大人気になっている。ECサイトの淘宝では、マーベル・スタジオが打ち出したミサンガが1ヶ月で600点以上、funkoが打ち出したガレージキットが1000点以上売れている。あるメディアの報道によると、淘宝では、マーベル・スタジオ公認の関連グッズの4月の売り上げが、3月に比べて4割以上増えている。「アベンジャーズ/エンドゲーム」の上映は今後も続き、関連グッズの売り上げがさらに増えると見込まれている。関連グッズの商業的価値が今一度証明された形だ。北京商報が伝えた。
NYの人気アーティスト・ジェイソン・ポランがデザインを務めたユニクロとマーベルのコラボグッズ・マーベルUTを例にすると、ユニクロの天猫公式ショップで今月20日に発売となり、既に1万5000点以上が売れて複数のタイプが売り切れとなっている。
一般的な関連グッズのほか、淘宝にはユニークな「関連グッズ」も登場している。例えば、淘宝のあるショップでは、「ストーリーについて話し合うグループ」という商品が販売されており、値段は0.1元。「アベンジャーズ/エンドゲーム」を見終わった400人近くがそれを既に購入して、提供されているオンラインスペースで、感想などを語り合っている。
言及すべきなのは、2017年、香港地区の「承興国際」(Camsing International Holding)が米国のスーパーヒーロー・ コミックスのライターとして知られたスタン・リーが立ち上げた「Pow! エンタテインメント」を買収し、スタン・リーが手掛けていた約250作品の著作権を手に入れたことだ。「承興国際」傘下のCAMSING旗艦店のアイアンマンやスパイダーマンなどのガレージキットは大ヒット商品で、「アベンジャーズ/エンドゲーム」が爆発的大ヒットとなっているのを背景に、関連グッズの売り上げが同映画公開前よりも67%増加した。微博(ウェイボー)を通して、「アベンジャーズ/エンドゲーム」上映後の関連グッズの販売状況について承興国際に連絡を試みたものの、原稿執筆時点で、まだ返信はない。
海外では、映画と言えば、興行収入よりも、関連グッズや著作権の販売よる利益のほうが多い。例えば、2013年のディズニー映画「アナと雪の女王」を例にすると、エルサとアナになりきれるスカートが、米国だけでも300万点以上売れ、ディズニーはそれだけで4億5000万ドル(1ドルは約111.7円)の売り上げを得た。同作品の北米での興行収入は4億ドルだった。
現状を見ると、中国の映画関連グッズ市場は開拓初期にある。淘宝の映画関連グッズ業務の曲暁航ディレクターは、「80後(1980年代生まれ)が成長するにつれて、映画関連グッズ市場の消費者グループが細分化されるほか、消費者の消費能力が向上し、ブランド意識も変わり、それらを背景に、中国国内の映画関連グッズ市場に発展のスペースがもたらされるだろう」との見方を示す。統計によると、中国のSF映画「流浪地球(The Wandering Earth)」の公式関連グッズ製作に向けて、淘宝上でクラウドファンディングが実施され、開始わずか4分で、目標の4倍に当たる約770万元が集まった。

NEWS6 日本、水素エネルギーの発展を積極的推進

日本の神奈川県横浜市にある横浜臨海公園から瑞穂ふ頭の方を眺めると、巨大な風量発電装置が目に入る。風力発電装置は人気のない郊外に設置されることが多いが、この高さ78メートル、風車の直径が80メートルになる装置は都市部にあり、横浜市と日本の関連企業が協力して展開するモデルプロジェクトだ。発生した電気は水電解装置による高圧水素の生産に利用され、水素は京浜臨海地区の青果卸売市場で活躍する水素燃料電池ターレット式構内運搬車12台に供給されている。風力エネルギーから電力へ、さらに水素エネルギーへというプロセスの中で排出されるのは水だけで、温室効果ガスや有害な気体は排出されない。
このプロジェクトは水素エネルギーの利用を積極的に推進しようとする横浜市の取り組みの1つだ。同市は公用車として水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)を13台購入し、今年はさらに3台を購入するという。また水素燃料電池車を購入した個人と企業へ補助金を交付している。
横浜は「水素エネルギー社会」へ向かって努力する日本の縮図だ。日本はエネルギー自給率が低く、約6%しかない。水素エネルギーは供給源が幅広く、燃焼温度が高く、クリーンで汚染を発生させず、利用範囲が広いといった優位性があり、21世紀に最も発展の潜在力を秘めたクリーンエネルギーとされる。そこで日本は水素エネルギーの発展に積極的で、日本のエネルギー構造のモデル転換を促進し、エネルギーの安全保障をはかり、気候変動に対応しようとしている。
日本政府が温暖化対策の国際的枠組「パリ協定」に基づいて設定した汚染物質排出削減目標は、2030年度の温室効果ガスの総排出量を13年度比で約26%削減するというものだ。日本は水素エネルギーの普及推進、「水素エネルギー社会」の実現を温室効果ガス排出削減に向けた重要な足がかりとしている。
2017年12月、日本政府は「水素基本戦略」を発表した。水素の生産供給、水素の利用の2つの側面から計画を制定し、段階を追って多くの具体的な目標を打ち出した。30年に水素コストを1ノルマルリューベ(Nm3)あたり100円から30円に引き下げる。30年をめどに水素燃料電池車を80万台に増やす。水素を供給する水素ステーションを30年までに900ヶ所に増やす。水素燃料電池で走るバスを30年までに1200台に増やす、などの目標が含まれる。
東京の街中を歩くと、時々ガソリンスタンドの近くに「H2」という巨大な表示があるのを目にする。この表示がある施設には高圧水素を供給する水素ステーションがある。現在、日本にはこうしたステーションが約100ヶ所あり、その半分は株式会社タツノが製造したものだ。
株式会社タツノは1911年の創立で、最近は水素燃料電池車向けの高圧水素充填ステーションの開発・製造に力を入れている。同社の横浜工場を訪れると、同社が製造した日本初の水素屋内充填設備や水素供給設備の精度を測定する測量車を見ることができた。広報担当の森英泰さんは工場内にある水素充填ステーションで、「ガソリンスタンドに比べ、水素は圧縮されているので安全性や気密性に関する要求が高い」と説明してくれた。龍野廣道社長によれば、「中国は水素エネルギーなどの新エネルギーの発展をめぐって独自の優位性があり、新エネルギーの発展を非常に重視してもいる。日本は水素エネルギーの利用率を引き上げたいと考えており、中国との協力強化が必要だ」という。
14年12月、トヨタは燃料電池車の量産車「MIRAI(ミライ)」を日本国内で発売し、業界で広く注目を集めた。これは世界で初めて一般の消費者向けに発売された燃料電池車だ。3分間の水素充填で650キロメートルの走行が可能で、環境保護性能は完全電気自動車に近いが、航続距離はより長い。今年3月末現在、日本での販売量は2800台を超えた。ただ価格が高いことと水素充填ステーションの数が十分でないことが、水素燃料電池車の普及を制約するボトルネックとなっている。

NEWS7 中国のインターネット業界で働く若者 給与は1万元以上

北京市の生活情報サービスサイト・58同城がこのほど発表した「2019年90後青年職場生活状態調査研究報告」によると、90後(1990年代生まれ)の若者たちに最も人気がある就職先はコンピューター・インターネット業界と建築業界で、手取り給与も期待する給与もトップクラスだという。「北京日報」が伝えた。
給与をみると、コンピューター・インターネット・通信業界は手取りも期待も1位で、手取りが1万146元(1元は約16.3円)、期待が1万6285元。建築業界はどちらも2位で、手取りが9741元、期待が1万5759元だった。同報告によれば、働く90後の74.4%が結婚しておらず、このうち43.7%が一人暮らしをしている。彼らの結婚に対する態度は「自然に任せる」が多く、うち14.2%は「結婚するつもりはない」とし、67.2%が「26〜30歳で結婚するのが理想」とした。
一線都市は新一線都市より不動産価格が高いため、一線都市に暮らし、働く90後は賃貸住宅に住む割合が48.4%に上り、新一線都市の37.9%を上回った。注目されるのは、働く90後の女性は住宅の所有率が男性を上回り、男性は自動車の所有率が女性を上回ったことだ。

NEWS8 世界的な投資家・バフェット氏が「今後15年間で中国市場で大規模な投資」を検討

世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの株主総会が北京時間の4日夜から5日早朝にかけて約6時間、本社のある中西部ネブラスカ州で開かれた。総会で同社のウォーレン・バフェット会長(88)は再び「中国市場は非常に大きく、今後も中国への投資を拡大する」と表明した。証券時報が報じた。
総会ではバフェット会長とチャーリー・マンガー副会長(95)が株主からの約50個ほどの質問に答えた。
数十年の投資キャリアを持つバフェット会長にとって、中国市場は今、一層軽視することは決してできない宝の山となっている。総会で、バフェット会長は、「ハサウェイは中国に多額の投資を行っているが、まだ不十分だ。今後15年間に中国市場でより大規模な投資を行う可能性がある」と強調した。また、マンガー副会長も、「全体的に見ると、情勢は好転している。米中両国が良い関係を保つことはとても重要だ。もし、良い関係を保つことができないのなら、それは愚かなことだ」と「参謀役」として発言した。
バフェット会長は、中国石油天然ガスや比亜迪、匯源果汁、東方航空、南方航空などの中国企業に投資をしており、中国石油天然気の株主となって4年の間に、約40億ドル (1ドル=約110.56円)の利益を上げた。また、2008年に株式10%を取得して株主となったことでバフェット会長が中国で一躍有名になった比亜迪の株価はこれまで500%も上昇した。
中国での投資のビジョンを既に描き出しているものの、バフェット会長は「どの企業に投資するかを公表することはしない」と煙に巻いた。しかし、過去の株主総会で、バフェット会長は、中国のインターネットサービス企業である阿里巴巴(アリババ)や騰訊(テンセント)への投資の可能性に言及してことがある。ニューヨークから来た9歳の女の子に、「これまでの投資スタイルを変えて、アマゾンやグーグル、フェイスブック、アリババ、テンセントなどのテクノロジー関連の企業に投資する可能性はあるか」との質問に対して、「もしかしたらある」と答えたのだ。
「テクノロジー関連株はよく分からない」、「時にはミスをすることもあるが、僕とチャーリーは、誰かにこうしたほうがいいと言われて、軽率に新しい分野に進出することはしない」と話すバフェット会長の頭には、アリババやテンセントなどがあるのだろう。中国の英大証券のエコノミスト・李大霄氏は、「バフェット会長は、総資産利益率が20%以上で、安定して10年連続で成長することを見込める企業にしか投資しないというスタンスを貫いている。その条件は企業側にとっては一定のハードルとなる。また、バフェット会長は企業の成長状況の見極め方や株式を買う時期などについても、独自のスタンスがある。そのため、『もしかしたらある』という言葉は、バフェット会長にとってベストな選択だった」との見方を示す。また、前海開源基金のチーフエコノミストの楊徳龍氏は「バフェット会長は、今後の中国にポジティブな姿勢を示している。これは、一部の海外の投資家の中国に対する姿勢を代表していると言うことができ、中国のA株に投資する投資家も一層楽観的になり、外資がA株に流れ込むという情勢が変わることはないだろう」と予想している。

NEWS9 一時間並んで写真撮影1分間 ネット人気レストランが続々閉店のわけ

2018年に一世を風靡したネットで人気のインスタントラーメンレストラン「泡麺小食堂」は最近、各地のネットユーザーから経営がうまくいかず相次ぐ閉店の様子が伝えられている。目新しさがなくなると、グルメたちはわざわざ数十元(1元は約16.6円)も払ってインスタントラーメンを食べようとは思わなくなった。たとえ一手間加わったスペシャルインスタントラーメンだとしてもだ。同じく一世を風靡したカフェ「答案奶茶」やチョコクロワッサン店「贓贓包」と一緒に登場した「贓贓茶」も今は見る影もない。この1年ほどの間に、ショート動画共有アプリ「TikTok」をはじめとするショート動画プラットフォームがネット人気グルメの発生源となり、一夜にして人気者になった食品がトレンドを追いかける若者たちのチェックリストに早速加わり、市場には「ネット人気レストラン」が雨後の竹の子のように次々誕生した。残念なことにネットでの人気は竜巻のように、一気に押し寄せたと思ったらすぐに去っていってしまう。「北京青年報」が伝えた。
日本の人気ドラマ「深夜食堂」とその中国リメイク版には、店の主人が客に温かいインスタントラーメンを出す場面がある。緑の野菜を少しと目玉焼きを加えただけのラーメンが、冷え込んだ深夜に身体も心も温めてくれる―。この光景がいつの間にかきっかけになり、中国国内でインスタントラーメンレストランのブームが起きた。
「泡麺小食堂」の店舗に入ると、壁一面の棚に世界各国の100種類以上のインスタントラーメンが並んでいる。マレーシアやタイのラーメンには異国情調があり、台湾地区の排骨鳥スープ麺は濃厚な肉味噌味で、昔からある出前一丁は日本から香港地区に輸出され、カフェで大人気になったものだ。これだけいろいろな種類がそろっていれば、お気に入りがきっと見つかる。「泡麺小食堂」は店構えは大きくないが、インテリアがしゃれていて、よく見かける手軽なインスタントラーメンに「繊細な感じ」を漂わせ、強烈なコントラストをなして、オープンすると独特なセールスポイントによって急速にネット人気店のど真ん中に躍り出た。検索すると、北京でまだ営業しているラーメン中心の店舗は15店ほどあり、店名は少しずつ違い、価格は平均30元ほどだ。
ただのラーメンが数十元の商品に生まれ変わる「奥義」はその見た目にある。食べる時は器に盛り付け、ハート型や花型の目玉焼き、可愛らしいタコさんウィンナーを飾る。それから写真を撮ってSNSにアップすると、すべてのプロセスが完了する。
しかし、SNSで公開するということは、新鮮味がなくなるということを意味する。グルメの「泡麺小食堂」へのツッコミで最もよく言われるのは価格の高さだ。緑の野菜、肉類、タマゴなどを加えると、1杯で10数元から数十元になる。インスタントラーメンといえば一般的に想定される価格は2~5元ほどで、具材が加わっただけで10倍に跳ね上がるのに多くの人はついていけない。深センの店舗オーナーは、「高いお金を払ってわざわざインスタントラーメンを食べるより、家で自分で作って好きなものを入れた方がずっといい。オープン当初は若い男女が来て写真を撮っていたが、しばらくすると休日でも閑古鳥が鳴くようになった。ネット人気レストランはどこもこんなものだ。自分は痛い出費でいい教訓になったと思っている」と話す。
価格だけでなく、ハードルの低さによる同質化もレストランブランドが持続的競争力をもち得ない原因だ。「泡麺小食堂」が人気になると、同じような店が次々誕生して、独自性が失われていった。人々が見た目に飽きてきたこと、参入ハードルが元々低かったことなどもあり、一時のブームが去ると、「泡麺小食堂」は徐々に低迷していった。
同じく一世を風靡したカフェ「答案奶茶」やチョコクロワッサン店「贓贓包」と一緒に登場した「贓贓茶」も今は見る影もない。
業界関係者は、「新鮮味による一時的な消費だけでブランドに持続的な競争力を注入することはできない。消費者にしてみれば、レストラン(商品)を続けて何度も消費するかどうかを決める根本的な要因は、なんといっても味や品質だ。ネットで人気のメニューが、見た目がよく写真映えするのでSNSに上がっただけなら、それはほぼ一時的な消費に過ぎない。企業が見た目を重視するだけで、本質を大切にせず、ユーザーの基本的ニーズを軽視することになれば、最終的には後からきたもっとよいものに淘汰されることになる」と指摘する。

NEWS10 人口のマイナス成長が日本経済の発展を長らく制約する

日本の総務省が発表した最新のデータによると、2018年10月1日現在、外国人を含む日本の総人口は前年同期比26万3千人減少して1億2600万人になり、8年連続のマイナス成長だった。分析によれば、人口のマイナス成長がもたらすさまざまな経済問題、社会問題は日本を大いに苦しめており、これから長らく日本経済の発展を制約する可能性があるという。
データによると、総人口に占める15〜64歳の生産年齢人口の割合は59.7%に低下し、1950年に比較可能なデータが登場して以来の最低を更新した。70歳以上の高齢者の割合は20.7%となり、初めて2割を超えた。
日本のメディアと経済界の関係者は、「人口の急速な減少は日本経済が緊縮と低迷に陥った重要な原因の1つ」との見方で一致する。その理由として次の3点が考えられる。
(1)人口の持続的減少により、日本の国内市場は縮小し、消費が全体として減少した。市場の見通しは暗く、悪化も予想されることから、企業の投資意欲も減退した。こうした状況がさらに進行して、各産業・各業界には連鎖反応が起きた。その結果、経済全体として内需が振るわず、長期的な緊縮状態に陥った。
(2)人口のマイナス成長により、日本は労働者不足の苦境に深くはまり込んだ。この難問を解決するため、日本政府は女性と高齢者の労働参加の促進に力を入れると同時に、外国人労働者の受け入れも拡大した。しかし日本では女性、高齢者、外国人に対して特殊な採用制度が採用され、正社員とは異なる待遇が与えられる。女性、高齢者、外国人は安価な労働力とみなされ、その存在が多くの企業が賃金を抑え、賃金引き上げを拒否する理由になっており、社員には昇給の望みもなく、減給の可能性すらある。収入が増えなければ消費を抑えるしかなく、緊縮状態をさらに進行させる。
(3)高齢者の割合が急速に増加し、ダブルのマイナス影響を与えている。まず、日本では医療や介護などの社会負担がますます重くなり、長らく財政赤字によって補填してきたため、財政状況は悪化の一途をたどっている。また、若い世代の日本人は社会保障制度を信じることができず、早くから老後に備える必要があり、これも日本の消費の緊縮を招く重要な原因となった。
日本の政界や学術界の関係者の中には、「平成元年(1989年)に日本の出生率は1.57に下がり、少子化問題が非常に深刻になったが、政府は必ず第3次ベビーブームが来るとして、速やかに有効な対策を取らなかった。平成30年ににわたり、少子高齢化はさらに深刻化しており、世界でも前例のない高齢化社会が出現した」との見方を示す人が少なくない。
ここ数年の間、日本経済は回復し、第二次世界大戦以降で最長の景気回復期になると期待された。しかし自然災害やグローバル貿易をめぐる緊張の影響により、18年の日本の実質国内総生産(GDP)成長率は前年の1.9%から大幅に低下して0.7%になった。これと同時に、経済成長率は終始1%程度で推移し、日本の経済学者にとっても一般国民にとっても、現在の経済回復によって未来への信頼感を高めるのは難しい状況だ。
国際通貨基金(IMF)はこのほど発表した最新版の「世界経済見通し」の中で、安倍内閣の内需活性化策は日本経済の大幅な落ち込みは防ぐことができるが、世界経済は引き続き下方リスクに直面し、貿易政策にはなお不確定性が存在しているとして、日本の19年の経済成長率予想を0.1ポイント引き下げ、1.0%に下方修正した。また19年10月に消費税率が引き上げられれば、20年の経済成長率はさらに低下して0.5%になると予測する。
経済協力開発機構(OECD)がこのほど発表した「対日経済審査報告書」は、「日本経済は第二次世界大戦後で最長の拡張期に入っているが、人口高齢化や巨額債務などの挑戦に直面しており、政府は速やかに有効な措置を執り、経済の持続的で包摂的な成長を確保しなければならない」と指摘した。
日本の経済学者竹中平蔵氏は、「安倍内閣は経済復興の促進で確かに努力してきたが、財政再建や社会保障制度改革などでは多くの問題を先送りしている」と述べた。
竹中氏は続けて、「日本の潜在成長率は非常に低い。このまま何もしなければ、日本経済は長期的低迷に陥り、おそらく社会保障の負担に耐えられなくなる。潜在力を呼び起こして日本を取り戻すか、少子高齢化がさらに足を引っ張るようになるか、今は非常に重要な転換点にさしかかっている」と述べた。


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