銘・精選

NEWS1 中国の12の自由貿易試験区における5つの「一番」

2013年に上海自由貿易試験区が設立されてから、中国の自由貿易試験区建設は5年の時を経た。5年の間に、広東・天津・福建・重慶・四川自由貿易試験区が相次いで設立された。北から南へ、沿岸部から内陸部へと広がり、12カ所の自由貿易試験区による中国の対外開放の新たな「陣形」が形成された。新華社が伝えた。
◆1番最初に設立された上海自由貿易試験区
中国(上海)自由貿易試験区は2013年9月29日に設立された、中国の第1陣にして唯一の自由貿易試験区だ。上海自由貿易試験区は国際貿易、金融サービス、海運サービスなどの発展を重点とし、金融革新、科学技術革新、長江デルタ・長江経済ベルトの共同発展の推進を重視する。
設立から5年が経ち、上海自由貿易試験区の新設企業数は累計5万7000社に達し、同地域のそれまでの20年にわたる新設企業数の1.6倍となった。うち新設外資系企業は1万社以上で、全体に占める比率は自由貿易試験区設立当初の5%から20%弱に上昇した。実行ベース外資導入額は累計250億元(1元は約16.3円)で、域外投資プロジェクトは累計2200件以上。
◆面積が1番広い中国(海南)自由貿易試験区
海南自由貿易試験区は今年4月13日に設立された。既存の11カ所の自由貿易試験区は、面積が120平方キロメートル前後となっているが、海南自由貿易試験区は「全域的」自由貿易試験区であり、より広大な試験空間、より多元的な試験の基礎、より全面的な試験内容を持つ。中国が対外開放を拡大し、経済グローバル化を積極的に推進する重大な措置だ。
海南省は現在、基礎保障類、産業類、生態文明建設類という3つの面で、12件の先導的プロジェクトを確定している。海南自由貿易試験区は将来的に、観光業、現代サービス業、ハイテクなどの産業に焦点を絞り、開放をさらに拡大する。
◆香港・マカオとの協力で1番先を行く中国(広東)自由貿易試験区
中国(広東)自由貿易試験区は、2014年12月に設立された。香港・マカオに近い広東自由貿易試験区は、広東・香港・マカオ協力模範エリアであり、本土と香港・マカオの金融協力の橋頭堡になっている。現地は3年にわたり全国初の越境人民元貸付、本土初の香港における地方都市投資類企業債の発行許可など、全国初の広東・香港・マカオ金融協力プロジェクトを実現した。
広東自由貿易試験区で設立された香港・マカオ資本企業は9月現在1万2000社で、HSBC、東亜銀行、周大福などの香港・マカオ企業が入居している。広東自由貿易試験区内の企業のうち、域外直接投資により設立された企業は600社を超える。中国側の投資額は100億ドル以上。
◆陸上シルクロードで1番東の端にある中国(陝西)自由貿易試験区
陝西自由貿易試験区は2017年4月1日に正式に営業開始となった。陸上シルクロードのスタート地点である陝西自由貿易試験区は、「一帯一路」(the Belt and Road)建設の西部大開発へのけん引的役割をより良く果たし、西部地域の窓口都市の開放を拡大するという中央政府の要求を実行に移し、内陸型改革開放の新たな高地を構築する。内陸部と「一帯一路」沿線国の経済協力や人的・文化的交流の新モデルを模索する。
◆海上シルクロードで1番の要衝となる中国(福建)自由貿易試験区
中国(福建)自由貿易試験区は、2015年4月21日に発足した。「海上シルクロード」のスタート地点、台湾に最も近い本土の省にある福建自由貿易試験区は両岸経済協力の深化を立脚点とし、福建・台湾間の投資・貿易自由化及び資金・人的往来の円滑化を率先的に推進している。福建自由貿易試験区はさらに「一帯一路」の建設に貢献し、21世紀海上シルクロード沿線国・地域との経済・貿易協力を積極的に開拓している。
福建自由貿易試験区の開放体制は3年にわたり徐々に拡大し、金融、付加価値通信、医療など50以上の分野を先行的に対外開放している。7月までに、福建自由貿易試験区全体計画で確定された186件の重点試験のうち178件が完了している。310件の革新的な措置を打ち出し、111件の革新実践例を発表している。

NEWS2 17年賃金上昇率は10年ぶり低水準 ILO報告

国際労働機関(ILO)が26日に発表した「世界賃金報告」によると、世界では賃金の伸びが鈍化しており、2017年の世界の賃金上昇率は08年以降で最低の水準に落ち込んだ。また男女の間に世界全体で約20%の格差があるという。国連のウェブサイトの26日付情報として、中国新聞社が伝えた。
同報告によれば、17年のグローバル賃金上昇率は16年の2.4%より低下して1.8%となった。この数字は世界136ヶ国の調査データに基づくものだ。
主要20ヶ国・地域(G20)の実質賃金上昇率は16年の0.9%から17年は0.4%に低下し、このうち新興国と発展途上国は16年の4.9%と17年の4.3%の間で変動した。
ILOのガイ・ライダー事務局長は、「高所得のエコノミーでは、国内総生産(GDP)が回復増加し、失業率も低下したが、賃金の伸びは鈍化した。こうした停滞し上昇しない賃金は経済成長と生活水準向上の障害になるので、各国は社会的にも経済的にも持続可能な賃金上昇の道筋を見いださなければならない」と述べた。
同報告によると、世界の女性の平均賃金は男性より約20%少ない。ライダー氏は、「賃金の性別格差は現在の社会における不平等の最も顕著な現れの一つだ。すべての国は格差の背後にある原因をよりよく理解して、性の平等を実現するプロセスを速めなければならない」との見方を示した。

NEWS3 上海の輸出入の40%以上が自由貿易試験区から

上海税関が25日に発表した最新の情報によると、120平方キロメートルの面積しかない中国(上海)自由貿易試験区が、今年1〜10月には上海市の輸出入額のうち42.9%を生み出したという。新華社が伝えた。
同税関の統計によれば、同試験区が設立されてから5年が経ち、税関に登録された新規設立企業数は累計1万9千社を超え、税関登録企業数は全体で2万8千社を超えた。今年1〜10月の同試験区の輸出入額は1兆2100億元(約19兆7155億円)に上り、前年同期比5.8%増加した。
説明によると、税関が同試験区で率先的に推進してきた「先に試験区に入居し、後から税関に報告する」、「個別に配送して集中的に報告する」、「倉庫に保管された貨物を状態に応じて分類して監督管理を行う」、「原産地証明を円滑化する」といった一連の革新的制度がすでに成熟して固定化され、このうち33項目は全国でも再現され、普及している。
ドイツのマン・ディーゼル・アンド・ターボ上海ロジスティクス社は、上海自由貿易試験区の洋山保税港区における船舶保税メンテナンス業務の最初の実証実験企業だ。これまでにマングループが同試験区で行った増資の規模は1億5千万元(約24億4511万円)に達する。

NEWS4  「ブラックフライデー」オフライン消費に引き続きパワー 米国

ここ数年、オンラインショッピングがますます好まれるようになってはいるが、「ブラックフライデー」には多くの米国の消費者が昨年に引き続いてオフラインショッピングを選び、14時間も行列に並んだ人もいる。
米国の商業施設は毎年11月の第4金曜日にセールを開始する。この日は「ブラックフライデー」と呼ばれ、クリスマスの買い物シーズンの始まりでもある。今年の「ブラックフライデー」は23日、感謝祭は22日だった。
米AP通信の報道によれば、ミネソタ州ブルーミントン市のショッピングセンター「モール・オブ・アメリカ」では、感謝祭の22日午後4時頃、店の外に行列が出現した。翌23日午前6時の開店時には、行列は約3千人にふくれあがっていた。
オハイオ州では、商業施設から近ければ近いほど買い物に有利として、感謝祭の夜にホテルに泊まる人までいたという。
メイシーズ、ウォルマート、ターゲットなど各社は、感謝祭の夜に一部店舗でセールを開始すると決定。ところが、コロラド州デンバー市のミシェル・ワイズさんは、企業のこうした決定を快く思っていない。
ミシェルさんは、「木曜日の買い物はボイコットする。(金曜日は)家族にとって大事な日で、みんなで楽しく過ごす」と話し、ブラックフライデー当日は、16歳と14歳の娘たちをつれて街歩きを楽しんだという。
AP通信によれば、クリスマスの買い物シーズン消費は米国経済にとって一つの「挑戦」だといえる。個人消費支出は米国経済で約70%を占めるからだ。
米商務省が10月26日に発表したデータでは、第3四半期の米国の経済成長に対する個人消費支出の寄与度は2.69ポイントになる見込みだ。
全米小売業協会の予想では、クリスマスの買い物シーズンの小売額は7200億ドル(約81兆4680億円)を超え、17年同期に比べて4.8%増加するという。
「ブラックフライデー」当日の午前5時40分頃、デンバー市のジーン・ブライアンさんは娘と娘の友だちと一緒に商業施設の前に並んでいた。6時に店が開くと、3人は一斉に店内に駆け込んだ。
ブライアントさんによると、「これでクリスマスシーズンが来たという感じがする」のだという。

NEWS5 中国はWTO改革を支持し、基本3原則と5主張を提起

商務部の王受文部長(国際貿易交渉副代表を兼任)は23日に開催された世界貿易機関(WTO)の改革問題に関するブリーフィングで、「多国間貿易体制が今、深刻な打撃を受けており、中国はWTOが必要な改革を進めることを支持するが、3つの基本原則と5つの主張は堅持する」と述べた。新華社が伝えた。
王部長は、「目下、多国間貿易体制が一国主義と保護貿易主義の挑戦を受けており、WTOは3つの生存の危機に直面している。その危機とはWTO紛争解決制度の上級委員会の委員が空席になっているにも関わらず、個別メンバーの妨害により今でも埋めることができておらず、この状況が進行すれば制度が機能しなくなる脅威に直面していること。個別メンバーがWTOルールの安全保障例外を乱用して、関税を引き上げていること。個別のメンバーが一国主義的措置を執り、WTOの多国間ルールを無視していることだ」と指摘した。
王部長は、「中国はWTOが必要な改革を進めることを支持し、WTOの権威と有効性を高めることを目指す。また改革の3つの基本原則と5つの主張を提起する」として、次のように述べた。
「3つの基本原則とは、WTOの改革は多国間貿易体制の非差別的、開放的という2つのコアバリューを維持しなけらばならないこと。発展途上国の発展で得られる利益を保障し、発展途上国が経済グローバル化に融合する上で抱える困難を解決しなければならないこと。全会一致により決定するメカニズムを遵守しなければならず、ルールは国際社会が協同で制定したものでなければならず、少数のメンバーの言いなりになったりしてはならないことだ」。
王部長は中国の5つの主張について説明し、「WTOの改革では多国間貿易体制が主流であるとの立場を守り、WTOの生存を脅かす重要な問題を優先的に処理し、貿易ルールの公平性の問題を解決して時代の要求に応え、発展途上国メンバーへの特別のかつ異なる待遇を保障し、メンバーそれぞれの発展モデルを尊重しなければならない」と強調した。
王部長によると、「中国は個別メンバーが新たな概念や新たな表現で多国間貿易体制の権威を混乱させたり、否定したりすることに反対する。現在、個別メンバーが上級委員会委員の選任プロセスの発動を阻んでおり、国家の安全保障例外を乱用して課税措置を執り、また国内法を理由に一国主義的措置を執り、多国間貿易体制のルールの基盤を揺るがしている。改革ではこうした問題を早急に解決して、WTOの各機能と正常な運営を確保しなければならない」という。
王部長は、「改革では先進国メンバーの過剰な農業への補助金が国際農産品貿易に与える長期的で深刻な歪みを解決し、貿易救済措置の乱用を、とりわけアンチダンピング調査での『代替国措置』が正常な国際貿易秩序に対する深刻な妨害を是正しなくてはならない。改革ではWTOルールが時代と共に歩むことを推進し、21世紀の経済の現実を反映する議題をカバーするようにしなければならない」と述べた。
また王部長は、「中国はWTOの中で中国自身の発展水準と能力にふさわしい義務を引き受けたいと願い、他のメンバーが中国の享受すべき発展途上国メンバーとしての特別のかつ異なる待遇を奪い取ることを認めない。中国も一部のメンバーが発展モデルの多様性を否定し、異なる発展モデルに差別的態度を取ることに反対し、発展モデルの問題をWTO改革に持ち込むことに賛成せず、事実の裏付けがない非難をWTO改革の議題に取り上げることに同意しない」と述べた。

NEWS6 日本の消費税引き上げの影響緩和はたやすくない

日本政府は計画通りに消費税の税率を再び引き上げ、現行の8%から10%にすることを決定した。2014年に5%から8%に引き上げられた時は、個人消費に打撃を与え、日本経済は2四半期連続で縮小した。今回の引き上げにあたり、日本政府は事前に対策を整え、消費と経済成長に与える衝撃を緩和しようとしている。「経済日報」が伝えた。
日本政府がこのほど開催した経済財政諮問会議では、19年10月の消費税率引き上げ増税後の景気対策を検討した。増税はこれまで2回先送りされており、これ以上の引き延ばしは許されない状況だ。安倍晋三首相の話では、「リーマン・ショック級の大きな金融危機が起こらない限り、増税の時期を変更することはない」という。だが、増税は経済発展に打撃を与えるとみられ、いかにして影響を緩和するかが日本政府の急務となっている。
消費税の引き上げ政策の推進は日本の財政改革の重要な柱であり、製造業における川上の税負担を削減し、消費段階での徴税に切り替えるのが目的だ。これは日本が20年以上にわたって進めてきた供給側改革の重要な柱でもある。特にここ数年、日本政府は産業の競争力を高め、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の問題を解決するとの観点から、税制改革を行い、法人税率を引き下げ、消費税率を引き上げてから、法人税率は12年の37%から18年は29.74%に下がり、資本金10兆円以上の大手企業の経常利益は12年の26兆9千億円から17年は46兆7千億円に増加し、増加率は73.6%だった。しかし一方で、日本の個人消費者の負担は増え続けている。
消費税率引き上げは基礎的財政収支の問題の解決が狙いだ。日本の消費税率は1989年の実施当初の3%から現在の8%に引き上げられた。少子高齢化の進展により、社会保障負担がますます重くなり、財政赤字は増える一方で、増税はごく自然な成り行きとなっている。消費税率が1%上がると、政府の財政収入は2兆7千億円増加する。今回の2%の引き上げは日本の社会保障費の大幅な支出超過や基礎的財政収支の深刻なアンバランスへの対策としては一定の効果を上げるとみられるものの、14年の増税時の教訓は手痛いものだった。消費税率が8%になって、個人の消費支出に大きな打撃を与えただけでなく、日本経済を2四半期連続で冷え込ませ、冷え込みは15年まで続いた。経済学の世界では2四半期連続で国内総生産(GDP)がマイナス成長になることを自律的景気後退と定義しており、日本は14年の増税後、2年間で2回の自律的景気後退に陥った。今回、日本政府が19年10月の増税を選択したのは、20年の東京五輪の消費ブームが増税のマイナス影響を相殺すると見越してのことだ。
ところが、政府が増税の時期を確定すると、日本経済界は相次いで懸念を表明した。日本自動車工業会は、「増税で日本国内の新車販売量が約30万台減少し、9万人が失業した」とコメント。日本の小売商店も大きな打撃を受けるのではないかと懸念し、政府に対し早めに対策を取るよう要請した。日本政府は目下、今年度の補正予算と来年度の予算に経済対策費用を盛り込む方向で検討中だ。
同会議が日本政府に実施を求める主要措置には、十分な予算を組んで、増税が消費に与える打撃を効果的に和らげること。増税が形を変えた収入の減少になることから、増税にあたり引き続き最低賃金の引き上げを行うことなどがある。「政府予算の経済対策の規模は10兆円以上にすべき」と提案する専門家もいる。
消費税は生活の基本的支出のほぼすべてに課されるため、中・低所得層の負担が最も重くなる。そこで日本政府は税負担軽減のためにさまざまな措置を検討中で、自動車や住宅を購入した場合の税負担軽減措置、低所得層への商品券配布、野菜や半製品などの食品への軽減税率(8%)適用などがある。
一方、日本政府は増税をきっかけに、電子決済の普及も考えている。モバイル決済が世界を席巻する昨今、日本の消費シーンの多くは現金決済の習慣を維持し、日本は典型的な「現金大国」だ。日本の金融庁が3大メガバンクの個人給与口座について調査したところ、資金の45.6%が現金で引き出され、口座振替や電子送金による決済率は54.4%だった。分析によれば、キャッシュレス決済の資金フローでは、クレジットカードによる家賃の決済やクレジット返済の自動引き落としが32%を占め、ネットバンキングなどのキャッシュレス決済による決済率は22.3%だった。大量の現金による決済はビジネス流通シーンの現金管理の負担を増やすだけでなく、政府による資金フローのコントロール管理にもマイナスだ。
そこで日本政府はクレジットカード、電子マネー、ネットバンキングで決済を行う消費者に対し、消費税率2%引き上げ分を「ポイント還元」の形で会員カードなどにバックし、負担軽減をはかるとしている。この計画を推進するため、日本政府はあらゆる店舗が新型POS(販売時点情報管理)端末、電子決済システムを設置するのを支援し、費用の3分の2を負担するという。
今回の増税により日本は5兆円を超える税収を得て、これを財政建て直しに充てることができるが、安倍首相は昨年の衆議院議員選挙での公約で新たな税収の半分を幼児教育・保育無償化に充てると明言した。その結果、20年に達成するはずだった基礎的財政収支の改善目標は25年に先送りされた。「基礎的財政収支を本当に改善しようとするなら、消費税率をさらに引き上げなければならないかもしれない」と指摘する専門家もいる。

NEWS7 中国の越境ECに監督管理政策の再延長など5つの好材料

中国国務院常務会議が21日に開催され、来年1月1日から、越境EC小売輸入をめぐる現行の監督管理政策を延長し、越境ECの小売輸入商品について初輸入に際しての許可文書や登録をめぐる要求を実施せず、個人が自分で使用するために中国に持ち込んだ物品として監督管理を行うことを決定した。「中国証券報」が伝えた。
過去2年半の間に、中国政府が越境EC小売輸入監督管理の過渡期政策を延長するのはこれが3回目だ。
▽EC小売輸入は引き続き「個人の物品としての監督管理」を
2016年4月8日、産業の発展を規範化するために、財政部(財務省)や国家発展改革委員会など11の機関が制定した越境EC小売輸入政策が正式に施行され、携行品・郵送品に課される税金が総合税に改められたほか、輸入貨物に対して一般貿易の監督管理が実施されるようになった。だが施行から1ヶ月あまりが経つと、新政策の監督管理の要求をめぐり1年間の過渡期が設けられた。その後、過渡期は17年末まで延期され、さらに18年末まで延期された。
対外経済貿易大学国際ビジネス研究センターの王健センター長は、「このたびの過渡期の再延長政策は、越境EC企業にとっても消費者にとっても好材料だといえる」との見方を示した。
▽政策の適用範囲が15都市から22都市に拡大
越境EC監督管理政策の懸念材料は出尽くし、同委は延長以外にも好材料となる4つの政策を明確に打ち出した。
会議では、政策の適用範囲をこれまでの杭州など15都市から、越境ECビジネス総合試験区を新たに設立した北京、瀋陽、南京、武漢、西安、厦門(アモイ)など22都市に拡大することと、世界で通用する方法で、越境ECの輸出を支援し、輸出時税還付などの政策を検討し改善することを決定した。
会議では、越境EC小売輸入リストに上がった商品について、限度額以内でのゼロ関税、および輸入付加価値税と消費税について法律で定められた納税額の70%の徴収を実施することを基礎として、優遇政策を適用される商品の範囲がさらに拡大され、ニーズの高い63品目が加えられた。また優遇政策を適用される商品の限度額が引き上げられ、1回の取引での限度額が現在の2千元(1元は約16.3円)から5千元に、また年間取引額の上限が一人あたり年間2万元から2万6千元になった。今後は個人所得の伸びに合わせて引き上げ調整するという。
また会議では、世界で通用する方法で、越境ECの輸出を支援し、輸出時税還付などの政策を検討・改善することが打ち出されると同時に、包括的で慎重な監督管理の原則を踏まえ、法律に基づいて越境ECの企業、プラットフォーム、決済、物流サービス企業などの責任の遂行を強化し、商品の品質・安全性のモニタリングとリスク対策を強化し、公平な競争が行われる市場環境を維持し、消費者の権利を保障することが打ち出された。
王氏の分析では、「国が政策の適用範囲を広げ、個人による調達の限度額を引き上げたことは、越境ECネット小売輸入政策に対する支援をさらに拡大することを示している。一方で、消費者が高品質・低価格の優れた海外製品を利用できるようになり、消費高度化のニーズに対応することが可能だ。また一方で、中国の産業に高度化を促し、供給側改革を加速的に推進することにもつながる」という。
ここ数年、中国の越境EC市場は急速に発展してきた。銀河証券の予測では、「今年は全国の越境ECの規模が9兆1千億元に達し、海外通販ユーザーは1億100万人に達する見込みだ。また19年に『EC法』が執行されると産業の発展がさらに規範化され、ミドルクラス・ハイクラスのニーズが喚起されることになる」という。

NEWS8 日本経済は年末控え下ぶれ圧力に直面 貿易収支は赤字

海外メディアの報道によると、日本の財務省が19日に発表した10月の貿易統計(速報値、通関ベース)では、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が4493億円の赤字だった。分析によれば、原油価格の上昇により輸入額が増加したため、貿易収支が2ヶ月ぶりに赤字に転じ、日本経済は年末を控えて下ぶれ圧力が増大することになったという。「経済参考報」が伝えた。
▽原油価格上昇で貿易赤字が増大
分析によると、国際原油価格は10月には相対的に高水準を保ち、日本の輸入コストを増大させ、これが貿易赤字に転じた主要因だったという。共同通信社の報道によると、同月の日本は中東地域の原油、オーストラリアの液化天然ガス(LNG)、中国のアパレル製品の輸入が大幅増加し、輸入額は前年同期比19.9%増の7兆6927億円に達した。輸出では、自動車、エンジン、半導体などの電子部品の増加が目立ち、輸出額は同8.2%増の7兆2434億円となった。輸入増加率が輸出増加率を大幅に上回り、最終的に日本の10月の貿易収支は4493億円の赤字になった。
貿易相手国・地域をみると、日本の10月の米国に対する貿易収支は5734億円の黒字で、黒字額は同11%減少して、4ヶ月連続の減少となった。対欧州連合(EU)は731億円の赤字、対アジア地域は2239億円の黒字だった。
米国、EU、アジア地域のいずれとの貿易でも、日本は10月に前年同期比輸入額の過去最高を更新した。このうち対アジア輸入額は単月の輸入額としても過去最高を更新した。
原油価格が高止まりし、貿易収支が赤字になったことが、日本経済に下ぶれ圧力を与えた。同省がこのほど発表した2018年上半期国際収支データでは、国際原油価格の大幅上昇を受けて、輸入額が増加し、今年4〜9月には、日本の国際収支における経常収支の残高は約10兆6500億円で、同8.3%減少した。データによると、今年度上半期の日本の輸出額は40兆200億円で同6.5%増加した。そして原油価格が同約40%上昇したため、輸入額は同11.5%増加して38兆8500億円になった。最終的に上半期貿易収支は1兆1700億円の黒字で、黒字額は同57%減と大幅に減少した。
▽さまざまな要因が日本経済の足を引っ張る
国際原油価格の高止まりだけでなく、一連のマイナス要因が第3四半期に「爆発」し、日本経済の低下傾向を助長した。日本の内閣府が今月中旬に発表した今年第3四半期(7〜9月)の国内総生産(GDP)の速報値データによると、物価変動要因を考慮した実質GDPは前期比0.3%減少し、年率換算では1.2%減少で、1四半期ぶりのマイナス成長となった。
共同通信社は、「第3四半期の実質GDPの減少幅は2015年第4四半期以来の高い水準にあり、内需と外需の寄与度をみると、どちらも日本経済の足を引っ張ったことがわかる」と指摘した。
GDPマイナス成長の主要因は、今年の夏に頻発した自然災害により内部需要も外部需要も減少したことだ。内需をみると、消費者は酷暑や豪雨などの厳しい天候を受けて外出や娯楽、外食の回数を減らした。災害により野菜の生産量が減り、生鮮食品が値上がりし、消費者の心理に影響を与えたこともある。天候が思わしくないため、レジャー産業や外食産業は苦戦を強いられ、生鮮食品価格の上昇が消費者心理に打撃を与えた。こうして第3四半期の個人消費は前期比0.1%減少した。
外需においては、日本の第3四半期輸出は前期比1.8%減少し、4四半期ぶりに減少した。アジア地域向けスマートフォン部品などの輸出が鈍化しただけでなく、9月に上陸した台風21号(チェービー)の影響で関西国際空港が閉鎖され、電子部品などの物流が滞った。また西日本を襲った豪雨により工場が操業を停止して、設備の引き渡しが遅れ、民間企業の設備投資は第3四半期に同0.2%減少して、8四半期ぶりの減少となった。
現地メディアの指摘によれば、「第3四半期のマイナス成長は自然災害などが原因でもたらされたもので、市場の予測に合致している。被災地の再建ニーズなどが、日本のGDPの第4四半期における反転上昇を支えることが期待される」という。
▽日銀は引き続き緩和政策
目下の日に日に緊迫する経済情勢を前にして、日本銀行(中央銀行)は超緩和政策を続行すると表明した。
アナリストは、「インフレ率が日銀の特に注目する経済指標であり、インフレ率2%という目標を半分しか達成できていない現在の状況の中で、同行が今後も資産の買い入れを続けることが予想される。2020年の東京五輪による建設ラッシュが終われば、日本の国内需要は減少するとみられ、これはつまり日銀が引き続き経済を支えるという重任を果たし続けるということだ」との見方を示す。
また別の分析では、「日銀の超緩和政策だけでは、日本経済にとっては『焼け石に水』であり、また日本により重い債務負担をもたらすことになる」という。日銀の指摘によると、11月10日現在、日銀の総資産は553兆6千億円に達した。データによれば、今年6月末現在の日本の名目GDPは552兆8千億円だった。

NEWS9 中国10月の70都市不動産価格 一線都市の中古が値下がり

国家統計局はこのほど2018年10月の全国の大中都市70都市の分譲住宅の価格変動に関する統計データを発表した。同局都市社会経済調査司の劉建偉シニア統計家の解説によると、「10月の分譲住宅価格は全体的に安定しており、一線都市は新築分譲住宅価格が前月並みの水準で、中古住宅価格は前月比低下した。二線都市は前月比上昇幅が新築も中古も縮小し、三線都市は新築の前月比上昇幅がやや拡大し、中古はやや縮小した」という。中国新聞網が同局サイトの情報として伝えた。
速報値による計算では、前月と比較した場合、一線都市4都市は新築分譲住宅価格の水準は変わらず、中古は0.2%低下し、低下幅は前月を0.1ポイント上回った。北京と上海と広州は0.2%低下し、深センは0.6%低下した。二線都市31都市の新築は1.0%上昇して上昇幅は前月を0.1ポイント下回り、中古は0.3%上昇で前月を0.5ポイント下回った。三線都市35都市は新築が1.1%上昇して前月を0.2ポイント上回り、中古が0.5%上昇して前月を0.3ポイント下回った。
一線・二線・三線都市の分譲住宅販売価格の前年同期と比較した累計平均上昇率は前年同期を下回った。劉氏は、「10月には、一線都市の新築住宅販売価格が同1.2%上昇し、上昇幅は同0.2ポイント拡大した。1〜10月の平均は同0.2%上昇で、同11.7ポイント縮小した。中古は同1.0%上昇し、上昇幅は同2.1ポイント縮小し、1〜10月平均は同0.7%上昇で同13.1ポイント縮小だった。二線都市の新築は同10.4%上昇で同5.8ポイント拡大、三線都市の新築は同10.0%上昇で同2.8ポイント拡大し、1〜10月平均は二線都市が同6.8%上昇で同3.1ポイント低下、三線都市が同7.3%上昇で同0.7ポイント低下した」と説明した。
10月には、人気の高い15都市のうち新築住宅価格が前月を下回ったところが2都市で前月と変わらず、最大低下幅は0.5%だった。上昇したところは13都市で前月より2都市増え、最大上昇幅は2.5%だった。前年同期に比べて低下したところは3都市で前月より1都市多く、最大低下幅は1.0%、上昇したところは12都市で前月の水準を維持し、最大上昇幅は13.3%だった。

NEWS10 中国1〜10月実行ベース外資導入額が7千億元超 日本は24%増

中国商務部(省)への15日の取材によると、今年1〜10月には、中国の実行ベース外資導入額が7011億6千万元(1元は約16.3円)に上り、前年同期比3.3%増加した。増加率は1〜9月の2.9%を上回り、外資導入は引き続き安定した増加傾向を保った。新華社が伝えた。
同部のデータでは、1〜10月の全国の外資系企業新規設立数は4万9545社に上り、同89.3%増加した。10月の新規外資系企業は3623社で同37.6%増加し、実行ベース外資導入額は644億6千万ドルで同7.2%増加した。
同部の高峰報道官の説明によると、「ハイテク産業が持続的に成長し、特にハイテク製造業の成長が目立った。1〜10月の製造業の実行ベース外資導入額は2202億6千万元で同12.4%増加した。ハイテク製造業は737億8千万元で同30.6%増加した。このうち電子製品・通信設備製造業は同34.3%増加、医療機器・計器製造業は同153.4%増加、コンピューター・オフィス設備製造業は同130.1%増加だった」という。
西部地域の外資導入の増加幅が大きく、自由貿易試験区が増加幅でトップを維持した。1〜10月の西部地域の実行ベース外資導入額は494億1千万元で同16.8%増加した。自由貿易試験区の外資系企業新規設立数は7844社で同39.8%増加し、実行ベース外資導入額は同10.5%増加して、全体のうち12.5%を占めた。このうち中国(福建)自由貿易試験区の実行ベース外資導入額が同136.2%増加した。
1〜10月の主要投資供給国からの実行ベース外資導入額ということでは、韓国が同36%、日本が同24%、米国が同4.1%、英国が同175.9%、ドイツが同31.2%、フランスが同19.3%、それぞれ増加した。このほか、「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国が同11.9%増加し、ASEANは同13%増加し、欧州連合(EU)が同15.3%増加した。


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