銘・精選

NEWS1 中国の海外直接投資が過去最高水準の1200億ドルに

中国国際貿易促進委員会研究院はこのほど、「中国の海外直接投資戦略研究報告」を発表し、中国の海外直接投資(FDI)の状況を全面的に説明した。各方面のデータから、中国のFDIが過去最高水準に達したことがわかった。
同報告によると、過去10年間に中国のFDIの年平均増加率は27.2%に達し、海外投資大国の仲間入りをした。2017年のFDIフローは約1200億ドル(1ドルは約111.0円)で世界3位となり、FDIストックは1兆4820億2千万ドルで世界8位だった。中国資本の世界的な影響力がますます高まっている。
18年1〜7月には、中国の非金融分野のFDIが累計652億7千万ドルに達し、前年同期比14.1%増加した。18年の世界のFDI増加率が最高で10%と見込まれることを踏まえると、中国のFDIの増加率の高さが際立つ。
現在の中国のFDIのストックもフローも、米国、英国、ドイツ、日本などの先進国の通年同期を上回った。同報告によれば、16年の中国の国内総生産(GDP)の国民一人あたり平均は8123.18ドルで、同年の中国のFDIフローを米英独日のGDP平均が8千ドルだった時期のFDIフローに比べると、米国の9.28倍、英国の2.41倍、ドイツの9.45倍、日本の19.26倍になる。中国のFDIストックを同じように4ヶ国と比較すると、米国の11.16倍、英国の1.86倍、ドイツの13.49倍、日本の24.38倍になる。
FDIの投資先産業分布がより理性的になった。同報告によると、今年1〜7月の中国のFDIは主にリース・ビジネスサービス産業、製造業、採鉱業、卸売・小売業に向かい、全体に占める割合はリース・ビジネスサービスが32.5%、製造が15.8%、採鉱が11%、卸売・小売が9.6%だった。リスクの高い不動産業、スポーツ産業、エンターテインメント産業への投資はゼロ成長となった。FDIの目立った特徴として、数量を増やすことを重視する姿勢から、品質の向上と構造の最適化を重視する姿勢への転換が挙げられる。
FDIの国別配置がさらにバランスの取れたものになった。今年1月末現在、FDIを行う中国企業は2万7497社に上り、投資先企業数の上位10ヶ国・地域は、香港地区、米国、オーストラリア、ロシア、ドイツ、日本、シンガポール、韓国、インドネシア、カナダで、この10ヶ国・地域で中国のFDIの47.85%を占めた。ここからわかるのは、中国のFDIには単一市場に過度に偏るといった問題がみられないこと、またFDIのリスクが相対的に小さいことだ。

NEWS2 17年の世界観光客到着数は13億人 過去最高を更新

国連世界観光機関(UNWTO)がこのほど発表した報告書「ツーリズム・ハイライト(2018)」によると、2017年の国際観光客到着数は7%増加し、10年以降で最高の増加率だった。観光による輸出額は1兆6千億ドル(1ドルは約111.6円)に上り、世界3位の輸出部門となった。「経済日報」が伝えた。
同報告書によると、17年の国際観光客到着数はのべ13億2300万人で、10年以降の最高を更新し、前年比のべ約8400万人増加し、8年連続の増加だった。
統計によると、17年の世界の観光支出は1兆3千億ドルで、16年に比べて約940億ドル増加した。中国は引き続き世界のアウトバウンド観光市場のけん引役で、中国人観光客の17年の国際観光支出は2580億ドルに上り、世界全体の約5分の1を占めた。
統計によると、17年の国際観光収入は同5%増加した。観光地が1兆3千億ドルの収入を稼ぎだしたほか、国際旅客輸送サービスが2400億ドルの収入を生み出し、観光による輸出額は1兆6千億ドルに達した。一日あたり40億ドルを創出し、世界観光輸出の7%を占めている。
同報告書は、「世界各地で観光ニーズが増大したことを受けて、17年の観光産業は力強く成長し、ここ数年は安全面の課題に直面していた国も力強い回復傾向を示した。ブラジルやロシアといった新興エコノミーの観光市場が特に目立った動きをみせた」と指摘した。

NEWS3 90後と00後の大学生比較 消費概念に変化

大学生の頃、あなたの生活費はいくらだったか。親からの仕送りか、自分で稼いでいたか。学生時代には、どんなものを手に入れると暮らしの質が上がったと感じたり、幸せな気持ちになったりしたか。こうした質問を通して、90後(1990年代生まれ)と00後(2000年代生まれ)の消費概念の違いを探ってみた。中国新聞網が伝えた。
▽学費は変わらず、生活費はどんどん値上がり
90後でも00後でも、大学の学費と寮費はほとんど変わらない。
90年生まれの木木さんと00年生まれの宋さんは北京の同じ大学の先輩後輩だ。入学年に10年の開きがあり、大学の教員やキャンパスの設備施設は大きく変化したが、学費はほぼそのままだ。
木木さんは、「2008年に入学した当時の学費は年間4300元(1元は約16.3円)、寮費は1200元で、寮費は当時、他の大学に比べて高めだった。部屋にトイレとベランダがついていたからだ」と振り返った。
18年に00年生まれの宋さんが入学した時には、学費は5千元と少し値上がりしていたものの、寮費は900元に下がっていた。宋さんは、「部屋にはトイレがないけれど、建物に共用のお風呂ときれいで清潔なトイレがある。クリーンキーパーのおばさんがきれいにしてくれるので、とても快適」と話した。
学費と寮費に10年間で大きな変化はないが、物価水準の上昇により、生活費はほぼ倍増した。
木木さんは、「1年と2年の頃の生活費は毎月800元、3年と4年の頃は1千元だった。両親からの仕送りで、毎月少しずつ貯金していた」という。
宋さんは、「今はとりあえず両親から毎月1500元の生活費をもらっているが、何もしないわけにはいかない。できるだけ早く自立して、親に負担をかけたくない」という。
▽電子製品と化粧品は品質重視
一部の男子学生にとっては、食事はしなくてもいいもの、服は買わなくてもいいものだが、電子製品はハイスペックなものでなければならない。また女子学生にとって、コスメとスキンケアの化粧品は不可欠だ。だがこの10年間に、大学生が実際に選ぶ商品は非常に大きく変化した。
「自分の場合、1学期間に服が2セットしかなくても、パソコンは最高のスペックにしたい」。
01年生まれの男子学生・辰さんは、寧波(ニンポー)の中外合弁の大学に通う。学生生活で必要なものについての話になると、「服は2セットでいいが、パソコンやヘッドフォンなどの電子製品、ひざのサポーターなどのスポーツ用品は、一通りそろっていなければダメ」ときっぱり述べた。
女子学生はどうか。大学に入ると、化粧品の出費が上昇を続ける。
00年生まれの女子学生の場合、「今使っているスキンケア製品は欧米ブランドからアジアブランドまで幅が広く、キールズ、イヴサンローラン、ドクターシーラボ、無印良品、ジバンシーなどを使っている。平均的な価格は200元以上するものばかり」という。
10年前に大学生だった木木さんの場合、「新しいノートパソコンを所有することは、ものすごくうれしいことだった。学生時代、寮の同級生が使っていたのは中古のノートパソコンばかりで、携帯電話を買い替える人もほとんどいなかった。生活費も切り詰めていた。使っていたスキンケア製品のブランドは覚えていないが、確か国産で、100元でフルラインがそろい、実用的だった」という。
▽仕送りか自分で稼ぐか
00後の大学生は、個人の生活の質を特に重視し、生活費もゆとりがある。個人の消費額は90後よりも多いが、自立志向が強く、資産運用の意識もこれ以前の学生を大きく上回る。
90年生まれの木木さんも周りの学生と同様、学生時代には資産運用について特別な考えはなく、貯金は親からもらった生活費の一部をやりくりして捻出したものだった。
木木さんは、「大学4年で約1万元を貯めた。今考えると大したことはないが、当時は『一万元長者』は同級生の羨望の的だった。4年生の時には、実習でもらった手当のほか、収入はゼロだった。周りの同級生たちに資産運用という概念はなく、みんな生活費を節約して、とにかく安いものを食べ、外食はめったにしなかった。当時は資産運用というものをまったくわかっていなかったので、1万元は銀行に預けっぱなしだった」と振り返った。
00後の多くが、経済的に早く自立することを、学生時代の目標の一つに掲げる。
00後の宋さんは、「学生時代にはお金を稼ぐことがいつも目標になる」と述べた。
宋さんは、「小さい頃から伝統楽器の古筝を習っていて、先生から演奏する機会を紹介してもらえる時があり、1回の演奏で300元から500元のギャラがもらえる。携帯電話でECの副業もやっているので、大体一日に100元ほど稼いでいる」という。
経済的に早く自立したい。これが多くの大学に入ろうとしている00後学生の考え方だ。10年前に比べて、考え方は大きく進歩したといえる。「お金は稼ぐもので、もらうものではない」というのが00後の資産運用の概念であり、一日も早く自立して親に負担をかけないことを目指している。

NEWS4 北京税関が全国初の関税保証保険証書発行 9/1発効

企業の取引コストをさらに引き下げ、貿易の円滑化を促進し、ビジネス環境を最適化するため、税関総署は9月1日から関税保証の保険・担保業務を試験的にスタートする。全国に先駆けて同業務を試行する税関として、北京税関はこのほど初めて関税保証保険証書を発行した。同日に発効する。
関税保証保険とは、保険会社が輸出入企業のために関税の支払いが保証される保険を税関に直接提供するものだ。税関の担保形式刷新における重要な取り組みであり、全国税関の通関一体化改革における革新的措置でもあり、「1回の申請、段階的処理」の実施を力強く保証するものでもある。
北京税関の高瑞峰副税関長は、「税関のこれまでの税収担保の形式に比べ、この関税保証保険は中小企業が抱える担保申請のコストが高い、手続きが複雑といった問題を効果的に解決し、経営コストを効果的に引き下げることができる。保険会社は企業に『関税保証保険』を提供するが、企業から保証金は徴収せず、保険は企業の銀行における与信限度額には含まれず、輸出入企業の『資金と時間の節約』を真に実現し、発展を促進するものといえる」と説明した。

NEWS5 中国資本銀行の外資による持ち株比率の制限が撤廃

中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は23日に「中国銀行保険監督管理委員会の一部規則規程の廃止・修正に関する決定」を発表し、中国資本銀行と金融資産管理会社の外資による持ち株比率の制限を撤廃し、国内資本と海外資本で統一的な株式投資の比率のルールを実施し、外資系企業の投資の円滑化を引き続き推進することを明らかにした。人民日報海外版が伝えた。
この決定は、内国民待遇原則を遵守しており、外資による中国資本金融機関への出資について単独の規定を設けることはせず、中国資本にも外資にも統一的な市場参入の規定及び行政の許認可の規定を適用する。外資による中国資本銀行および金融資産管理会社への出資での持ち株比率の制限を撤廃する。同時に国内外資本を同等に見なすとの原則を踏まえ、海外金融機関が投資・出資する中国資本商業銀行及び農村部の中小規模金融機関については、出資時の海外金融機関の分類に従って監督管理を実施し、外資が出資調整する銀行の機関としての分類にはよらないことを明確にする。国内外資本の銀行業への出資のために公平で公開された透明性の高いルール体系を構築し、監督管理ルールと監督管理システムの安定性、継続性を維持する。海外金融機関が投資・出資する中国資本銀行は、関連の金融をめぐる慎重な監督管理規定に合致しなければならないほか、海外投資家の中国国内での投資をめぐる中国の外資に関する基礎的な法律も遵守しなければならないことを明確にする。

NEWS6 中国乳業品質報告「国産品のミルクは輸入品より優れている」

過去10年間に発展を遂げた中国の乳業の品質はどうだろうか。8月22日に発表された「中国乳業品質報告(2018年)」によると、17年の生乳のサンプル検査合格率は99.8%に上り、メラミンなどの重点監督対象である禁止添加物の検査合格率は9年連続で100%を保ち、乳製品は99.2%、乳幼児用調整粉ミルクは99.5%で、食品の中でトップレベルを維持した。農業農村部は3年続けてサンプル評価を行い、その分析によると、国産乳製品の品質は明らかに輸入製品よりも優れていたという。「経済日報」が伝えた。
同部乳・乳製品品質監督検査テストセンター(北京)の王加啓センター長(中国農業科学院研究員)は、「世界の先端レベルと比較しても、中国の乳製品の安全性は全体としてすでに高いレベルに達している」と話す。
同報告によれば、17年の中国ミルク類生産量は3655万2千トンに上り、インドと米国に次ぐ世界3位で、世界全体の4.5%を占めた。乳製品生産量は2935万トンで同4.2%増加し、12年との比較では15.3%増加した。
17年のミルク類生産量が同1.5%減少し、12年比でも5.5%減少した。王氏は、「この数字には消費が相対的に力不足であることが反映されている。実は市場が成長していないのではなく、ここ10年間の市場の成長の可能性が基本的に輸入生乳によって奪われたということだ。消費者の多くは根拠もなく輸入ミルク類を追い求める」と指摘する。
輸入のミルク類と国産のミルク類と、どちらを選べばよいのだろうか。同部乳製品品質安全リスク評価実験室(北京)が3年かけて全国大・中都市20数カ所で行った国産液体ミルクと輸入液体ミルクのサンプル評価・比較研究の結果、国産でも輸入でも、評価の指標はすべて中国の食品安全基準をクリアしており、食品の安全性は保証されており、安心して飲めることがわかった。
王氏は、「品質評価と分析により、国産乳製品の品質は輸入乳製品より明らかに優れていることがわかった。輸入液体ミルク類には品質保証期間が長すぎる、アクティブプロテインの含有量が明らかに少ない、フロシンの含有量が多すぎるといった問題がある。消費者は高品質のミルク類を飲みたいなら、国内で生産されたものを優先的に選ぶべきだ。輸入ミルク類は中国に輸出されるまでに、長い輸送距離、長い保存時間、高い加工温度という3つの課題に直面し、品質が目立って低下する。よって中国の消費者にとって輸入ミルク類は最善の選択とはいえない」と話す。
専門家は、「中国乳業の今後の発展の可能性は大きい。17年の全国の一人あたり平均乳製品消費量は生乳に換算して36.9キログラムにとどまり、アジア平均の半分、世界平均の3分の1、先進国平均の10分の1で、発展途上国の平均と比べても約40キログラム少ない。国民の収入が増加し、消費の理念が改善されるのにともなって、乳製品の消費は安定的に、必要不可欠なものとして伸びていくだろう」との見方を示す。

NEWS7 韓国で中国人観光客が大幅増 さらなる取り込みはかる

韓国メディアが発表したニュースによると、韓国最大の免税店・ロッテ免税店の関連部門責任者がこのほど、「中国のオンライン決済プラットフォームと協力合意に調印した。今後は共同で販売促進に取り組む。協力関係が復活した後は、より多くの中国人観光客の誘致に向けて率先して努力する」と述べた。新世界フード傘下の免税店子会社もこのたび、「中国のオンライン旅行予約プラットフォームとの間で営業販売の協力関係を構築し、中国オンライン決済プラットフォームとの協力も計画中」であることを明らかにした。「北京商報」が伝えた。
データによると、今年6月に韓国を訪れた中国人観光客は38万人に迫り、2016年6月の74万8500人には及ばないが、前年同月比49%増加を達成した。観光客の増加により韓国での消費量も激増した。統計によると、今年のメーデー連休期間には、ロッテ免税店全体の売上高が前年同期比45%増加し、このうち中国人の占める割合が70%に達した。また新世界免税店での中国人の消費額が同95%増加した。
今年3月まで、韓国観光産業は一般的に「厳冬期」にあると考えられていた。韓国観光公社が発表したデータでは、17年に韓国を訪れた中国人はのべ416万9353人で、同48.3%減少し、ほぼ半減した。特に17年3~12月期は56.9%減と大幅に減少した。また韓国側がまとめた統計では、ロッテ免税店の昨年の売上高は5兆4539億ウォン(1ウォンは約0.1円)で、前年より10億ウォン減少し、営業利益は25億ウォンで、前年の3301億ウォンに比べて99.2%の減少となり、過去最低を更新した。
観光観光産業には、「現時点で、中国の団体観光客は戻ってきていないが、購買力の高い個人旅行客が増加を続けており、低迷する韓国流通産業に活力を与えている。今後、同産業は中国の個人旅行客のショッピング需要の取り込みを全力ではかるだろう」という見方もある。
中国観光研究院国際観光研究所の蒋依依所長は、「韓流文化の影響により、韓国の美容健康製品は中国で知名度が高く、中国人消費者が免税店で買い求める主力商品となっている。また中国人観光客のインバウンド観光消費ニーズを改めて取り込むため、韓国はこれまでにさまざまな措置を打ち出してきた。韓国の旅行関連機関は中国の観光産業商談会にたびたび参加し、韓国旅行商品を中国で改めて売りだそうとしてきた。たとえば釜山市は今年6月に支付宝(アリペイ)と了解覚書に調印し、市内の主要なビジネス圏、観光スポット、交通機関などで支付宝が全面的に使えるようにした」と話す。
業界の情報によると、現在、韓国の3大免税店はどこも充実した中国語サービスを提供し、街中で購入した商品を空港で受け取れるようにするサービスも提供する。こうした点はいずれも韓国免税店の競争上の優位点だといえる。だが中国人観光客の肖さんは、「最近、ソウルのロッテ免税店で買い物した時にサービスの悪さを実感した。たとえば国際ブランドの大部分は支払いの時まで買った商品を当日持ち帰れないこと、少なくとも翌日までは受け取れないことをはっきり伝えず、中国人観光客の買い物熱を大いに冷ましている」と辛口の評価だ。

NEWS8 イタリア橋崩落は日本に警鐘 高度成長期インフラが寿命

イタリア北部ジェノバの高速道路の高架橋・モランディ橋がこのほど崩落し、自動車数十台が巻き込まれ、43人が死亡した。この橋は1960年代に建設されたもので、老朽化しているのに十分な修繕が行われず、今回の惨禍が起きたという。現地メディアの報道によれば、過去5年間に類似の事故が10回発生している。日本の状況はイタリアと似ており、この事故は老朽化した日本のインフラに対する警鐘だといえる。
イタリアと同じく先進国の日本では、1960~70年代の高度成長期に橋やトンネルなどたくさんのインフラが建設された。65年に当時の大蔵省が打ち出した規定(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)によると、鉄筋コンクリート造の橋の耐用年数は50年。つまり高度成長期に建設されたインフラがそろそろ使用期限を迎えているということだ。このタイミングでイタリアの橋崩落事故が起きたため、日本の各界から橋、トンネルなどのインフラの安全性を懸念する声が上がっている。日本とイタリアの共通点は橋がともに50年の使用期限を迎えようとしていることだけではない。2008年の金融危機を受けて財政が困難に陥り、教育や社会保障などの財政予算を維持しなければならない状況の中、公共予算が削減され、インフラのメンテナンス・修繕への投資が減少したことも共通する。京都大学大学院の藤井聡教授(第2次安倍内閣・内閣官房参与<防災・減災担当>)は、「政府は財政困難でも、行政、教育、医療などの社会保障の予算を削るわけにはいかない。そこで緊急性が相対的に低い公共事業の予算が削られることになる。日本では10年前後に何年も続けて公共予算が半分以上削減された。12年12月には中央自動車道の笹子トンネルで天井板のコンクリート板が落下し、その後の調査で長年にわたり修繕が行われていなかったことが重要な原因であるこあとがわかった」と指摘する。
国土交通省がまとめた統計によると、日本には全国で73万本の橋があり、17年には50年の使用期限を迎えているものが23%に上り、25年には48%に増加する。日本の建築技術はこれまで世界トップクラスで、たとえばトルコの第2ボスポラス大橋は日本企業が建築を請け負ったものだ。だが材料や技術の点で、鉄筋コンクリートには一定の寿命がある。また管理メカニズムをみると、日本の橋や道路の約80%は市町村などの地方自治体が管理しており、その多くには安全管理の専門家がいない。
調査によると、東京国際空港(羽田空港)から市街地へ通じる首都高速道路は、64年の東京五輪に先立って建設された。今や海中にある橋脚や橋台は海水による腐食で老朽化し、橋に亀裂が生じたり、路面状態が悪化したりしている。95年の神戸などで起きた阪神大震災により高架橋の大規模な倒壊が発生すると、日本政府と日本道路公団は特定予算を組んで高架橋の補強修繕を進めたが、一般道路や地方のインフラの修繕は十分には行われなかった。統計資料によると、日本では08年に977本の橋が危険であるとして使用停止になり、16年には2559本に増え、わずか8年で2.6倍まで増加した。
12年の笹子トンネル事故を受けて、国土交通省は全国73万本の橋に対し5年ごとに定期点検を行うことを義務づけた。17年末までに1回目の検査が終わり、4段階評価で最も危険性の高い「緊急措置段階」とされたものが400本あり、その大部分がすでに使用を停止し、建て直しが必要とされた。短期的取り組みとしては、「修繕すれば使用可能」とされた橋の修繕作業を強化することになった。だが地方自治体の負担受け入れ能力には限界がある。16年に行われた調査では、地方自治体で橋のメンテナンス・修繕費用をまかなえるところは42%にとどまり、残りの58%は費用を捻出できないという結果が出ている。
現在、深刻な危機があるとして使用を停止された400本だけでなく、危険要因があり早急に修繕が必要な橋も11%に上る。また緊急性のある不具合はないもののメンテナンスが必要な橋は50%に上り、メンテナンスの必要がないとされたものは39%にとどまった。日本の元総務大臣で岩手県知事を3期にわたって務めた増田寛也氏は、「今後は中央政府が専門家と特定予算を配分して、重要施設の安全点検を強化する必要がある。また民間企業に委託して中小規模の設備の検査メンテナンスを行う必要がある」と指摘する。

NEWS9 4~6月期のモバイル決済業務が73%増加 人民銀

中国人民銀行(中央銀行)が20日に発表したデータによると、今年第2四半期にはモバイル決済の業務量が急増した。銀行金融機関が処理した電子決済業務は437億6800万件に上り、金額は584億9900万元(1元は約16.1円)だた。このうちオンライン決済業務は138億7100万件で前年同期比17.78%増加し、金額は487億3900万元で2.96%増加した。モバイル決済業務の伸びが目立ち、業務量は149億2400万件で73.09%増加し、金額は62億8800万元で60.24%増加した。
同期の非銀行金融機関(ノンバンク)のオンライン決済業務は94.37%増の1230億1400万件、53.35%増の48億2900万元。
ノンバンクのオンライン決済清算プラットフォームの運営状況は正常だった。処理した決済業務は81億4600万件、2兆7千億元に上り、一日あたり8951万2500件、296億3700万元を処理したことになる。

NEWS10 改革開放40周年 中国高速鉄道が距離世界一

交通は経済社会発展の先導役だ。中国では道路の拡張発展にともなって、都市群が形成され、経済圏が徐々に拡大し、人々の生活スタイルが大きく変化した。
改革開放スタートからの40年間に、中国の道路建設は飛躍的な進展を遂げた。1978年には全国の自動車が走行する道路が89万キロメートルに達し、道路密度は100平方キロメートルあたり9.27キロメートルに達した。2017年末には、全国の高速道路は13万6千キロメートルに達して世界一になり、道路密度は同49.72キロメートルになった。交通運輸部の説明によると、今年新たに建設する高速道路の自動車走行距離は5千キロメートルで、第13次5ヶ年計画(2016~20年)末には国の高速道路幹線が基本的に開通する見込みという。
改革開放の40年間、中国の高速道路は無から有への発展を実現し、経済社会の発展にサービスを提供するとともに貧困脱却の難関攻略を支援する加速装置になった。今後も拡張が続けられ、中国の発展の道のりがさらにスムースになることが予想される。


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