銘・精選

NEWS1 中国が金融を安定させるプラスのエネルギーを世界に発信

7月14日と15日に中国で全国金融政策会議が開催された。中国の現在と今後の金融関連業務に関する取り組みが発表され、世界で注目を集めている。「実体経済に寄与」、「金融リスクを防ぐ」、「金融改革深化」、「経済と金融の良い循環、健全な発展を一層促進」などのキーワードが、世界経済金融の舞台で大きな反響を呼び、世界でこれらの取り組みの重要性が強調されている。また、中国の取り組みが世界経済の発展を促進する上で果たす積極的な役割に一層注目が集まっている。人民日報が報じた。
20年前にアジアで起こった金融危機が、多くの国で依然として色あせない記憶となっている。その時、多くの人が恐らく初めて、経済のグローバル化が「諸刃の剣」であることを身にしみて感じ、グローバル化時代には金融の安全性を一層重要視しなければならないことを悟った。
経済グローバル化時代である今、金融リスクを予防し、食い止めるための各国の知恵、能力、債務などが試されている。アジア金融危機を目の前に、自国の利益のために何もせずにただ傍観しているだけの国もあったことを多くの人が依然として覚えている。また、危機に拍車をかけることになるにもかかわらず、借金返済を催促したり、資金を撤退させたりする国もあった。当時、中国も数々の課題に直面し、世界の評論家は人民元安へと誘導して、自国を守るようにと声をそろえていた。しかし、中国は、自国の輸出に損失が生じるにもかかわらず、人民元安誘導はしないという立場を守り、東南アジア諸国の金融秩序の安定と経済発展のために、良い環境を作り出すという驚くべき決定を行った。
中国のこの断固とした行動に、海外メディアは、「強固な防火壁が構築され、危機の拡大が食い止められた」と評価した。当時の英国首相のトニー・ブレア氏とフランス大統領のジャック・シラク氏は、声を合わせるかのように称賛の声を上げ、「北京は安定と、責任ある行動の支柱」と語った。米国の格付け機関・スタンダード&プアーズのアジア太平洋地域の経済学家ポール・グルンワルド氏も、「人々はアジア危機が拡大することを心配していた。しかし、中国は為替の安定を図る取り組みを保ち、地域の大きな安定の源となった」と評価した。
中国の取り組みは、西洋の利己主義哲学では全く説明がつかない。しかし、それにより、中国の構想、知恵が明らかになり、責任感ある中国の大国としてのイメージが確立され、アジア諸国の長期にわたる発展のために強固な基礎が築かれた。危機が発生した後、アジア諸国は、経済の持続可能な発展を確保するために、危機への対応から、長期的に効果のあるメカニズムを構築することへと協力のポイントを移行し、東アジア地域の協力を継続的に安定して加速させた。そして、ASEAN+3首脳会議の開催がスタートし、東アジア諸国の政治、金融、貿易、交通、観光、およびその他の分野の網羅的な協力が推進されるようになった。アジア金融危機が勃発した際、「アジア経済が立ち直ることはできない」と予想した評論家もいた。しかし、事実はそのネガティブな予想が間違いであることを証明している。数年の努力を経て、東アジア諸国の経済は1999年から好転し、 2000年からは安定して発展するようになった。シンガポールの華字紙「聯合早報」は、「中国の東風に乗って、自国を発展させる」、「歴史を振り返ると、これらは実際には、世界経済の秩序に出現した新たな兆し」と説明している。
現在、新たな秩序がその通り到来した。米ブルームバーグはユニークな観点から、アジア金融危機発生から20年の間に起きた変化を評価し、「中国は世界第2位のエコノミー、世界最大の貿易国となり、20年前には『夢』であった世界金融における『VIP席』に安定して座っている」と指摘している。
中国の習近平総書記は、金融関連の業務は重要な原則に沿って行わなければならないことに言及し、「本源に回帰し、経済・社会の発展に寄与し、従う」、「構造を最適化し、金融市場、金融機構、金融商品体系を整備する」、「監督・管理を強化し、金融リスクを予防し、回避する能力を向上させる」、「市場原理の基準に合わせ、金融資源の配置における市場の決定的役割を果たす」などの必要性を指摘した。
国際メディアは、これらは、中国の自国の金融体系を整備するための必要に応じた取り組みで、中国のプラスのエネルギーを世界に発信することができると評価している。

NEWS2 日欧EPAが大枠合意 中国への影響は大きくない

欧州連合(EU)と日本はこのほど4年に及ぶ交渉を経て、経済連携協定(EPA)を結ぶことで大枠合意した。日欧の貿易の専門家らは、「目下のグローバル貿易は保護主義が台頭し、多国間貿易体制が試練に立たされている状況の中、欧州と日本が手を結んで自由貿易と市場開放を支持するとの積極的なシグナルを発したことは、欧日間の貿易投資をある程度促進することになり、中国もまたより高いレベルの開放という課題とチャンスに立ち向かうことになる」との見方を示す。「経済参考報」が伝えた。
EUと日本の国内総生産を合わせると世界全体の約3割を占め、欧日EPAが最終合意に至れば双方のいずれにとっても最重要の二地域間貿易協定になる。
欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のフレデリック・エリクソン所長は、「EUと日本が主要20ヶ国・地域(G20)のハンブルクサミットに先立ってEPA交渉で大枠合意したことは、双方が外部からの圧力を受けており、G20というプラットフォームを借りて自由貿易を支持する態度を表明する必要に迫られていたことを物語る」と述べた。
エリクソン所長によると、「米国が環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を表明して以来、日本はEUとの自由貿易協定(FTA)に重点を移すとともに、これを将来における他の発達したエコノミーとのFTA交渉の土台にしようと考えた」という。
商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院の元院長で中国世界貿易機関研究会の副会長を務める霍建国氏は、「欧日のEPA交渉での大枠合意は、自由貿易と市場開放を支援するとの積極的なシグナルを発し、高水準の対外開放を追求することが引き続き世界の主流であると表明するものにほかならない」との見方を示した。
EUが発表した公告によれば、欧日EPAが発効すると、商品の9割以上が関税を減免され、欧州の輸出企業にとっては年間約10億ユーロ(約1292億円)のコスト削減になる。
欧日EPA交渉は2013年にスタートし、関税、知的財産権、EC取引ルールなど27分野について話し合いが行われてきた。だが交渉はスムースに進まず、双方の相違点は、日本側は自動車、EU側は農産品の相手市場への輸出に際しての関税の減免問題などに集中的に現れていた。
EUも日本も中国の重要な貿易パートナーであり、欧日EPAが中国に一定の影響を与えることは間違いない。
エリクソン所長は、「プラスの影響はEPA当事国にもたらす経済拡大が当該国とその貿易パートナーとの貿易の伸びも牽引すること、マイナスの影響は貿易転換効果を生じて、一部分野における他の貿易パートナーの競争で一層難しくなる可能性があることだ」と指摘した。
だがエリクソン所長は次のように続けた。「欧日EPAが中国に与えるマイナス影響は決して大きくないとみられる。欧日の貿易障壁の解消は主に自動車と農産品などの分野でのことであり、この分野に強い中国企業は少数だからだ。よってEPAが発効しても中国企業にそれほど大きな競争の圧力をもたらすことはあり得ない」。
霍氏は、「欧日がEPA交渉で合意すれば中国が新たな高水準の開放という課題とチャンスに立ち向かうことになる」との見方を示した。

NEWS3 高所得層の6割以上が中国経済に楽観的な見方

胡潤研究院と移民サービス企業・匯加移民がこのほど共同で発表した「2017年中国投資移民白書」によると、高所得層の60%以上が今後3年間の中国経済の発展に楽観的な態度を示したという。「経済参考報」が伝えた。
この報告は同研究院と匯加が2017年4月から7月にかけて、資産1千万~2億元(1元は約16.6円)の中国の高所得層304人を対象に行った専門的な調査研究に基づいている。
同報告によると、高所得層の60%以上が今後3年間の中国経済の発展に楽観的かつ慎重な見方を示し、「中国経済は引き続き高速で発展していく」とした人も22%に上った。また34%の人が、「国内で別の都市に移り住むことを検討中」と答え、その主な原因では、「居住地の環境汚染が深刻」が52%、「教育の質が理想に届いていない」が44%、「理想的な環境で暮らしたい」が37%、「食品の安全を考えて」が24%、「医療水準」が21%と多数を占めた。国内で居住する都市を選ぶ際には、「経済の発達した一線都市(北京、上海、深セン)を選ぶ」とした人が46%に上った。

NEWS4 中国、海外の廃棄物輸入を全面禁止へ 国務院が実施方案発表

中国国務院弁公庁はこのほど、「海外の廃棄物輸入を禁止し、固体廃棄物の輸入管理制度改革の実施推進に関する方案」を発表し、海外の廃棄物の輸入を全面的に禁止する方針を示した。固体廃棄物の管理制度を整備し、固体廃棄物の回収、利用管理を強化することで、循環型経済の発展に力を入れるほか、環境の質を確実に改善し、中国の生態環境の安全性や国民の健康を守るのが狙いだ。人民日報が報じた。
同方案は今後、業界・種類ごとに、固体廃棄物の輸入を禁止する時期を定め、固体廃棄物の輸入管理リストを種類ごとに段階的に調整し、法律、経済、行政の手段を総合的に活用して、輸入されるものの種類と数を大幅に減らすと同時に、中国国内の固体廃棄物の回収、利用、管理を強化し、循環型経済の発展を促進するとしている。また、今年末までに、生活ゴミである廃プラスチック、分類されていない古紙、紡績原料の廃棄物、バナジウム・スラグなど、環境への害が大きく、国民が強く懸念する固体廃棄物の輸入を禁止するほか、2019年末までに、中国国内資源で代替できる固体廃棄物の輸入を段階的に停止するとしている。その他、輸入固体廃棄物管理リストを種類ごとに、段階的に調整し、輸入される固体廃棄物の種類の数を段階的に、秩序立てて減らすとしている。

NEWS5 世界経済 米国の牽引の役割低下し中日欧の重要性増大

海外メディアの報道によると、国際通貨基金(IMF)は最新の予測の中で、世界経済における米国の牽引車としての役割が低下し、英国の役割も同じく低下する一方で、中国、欧州、日本の重要性が増大している。トランプ大統領の就任と欧州連合(EU)からの離脱が英米両国のムードにマイナス影響を与え、中国と欧州が英米に代わってグローバル化された経済のエンジンの任務を引き継いだという。参考消息網が伝えた。
オーストリア紙「ディ・プレス」の25日付報道によると、IMFの専門家が、英米相対的に落ち込んだ原因はトランプ政権の問題と英国のEU離脱がもたらした混乱による動揺だ。過去数週間を振り返ると、米ドルのユーロやその他の通貨に対する価格は14ヶ月ぶりの最安値を更新した。だたIMFは全体としてはグローバル経済の今後の発展に楽観的な見方をしており、今年の成長率は3.5%、来年は3.6%と予測する。16年は3.2%にとどまっていた。
IMFのチーフエコノミストのモーリス・オブストフェルド氏は、「グローバル経済はより大きな活力を得ている」と話す。IMFはユーロ圏の成長率予測を0.2ポイント上方修正し、今年の成長率を約1.9%とした。具体的にみると、IMFはドイツ、フランス、イタリア、スペインの成長の状況は改善するとの見方を示す。
IMFは、中国の今年の成長率は6.7%に達すると予測する。米国は今年も来年も2.1%になるとし、今年の予測値を0.2ポイント、来年を0.4ポイント、それぞれ下方修正した。
現在、EUと離脱をめぐり交渉している英国は、今年の成長率は1.7%になり、4月の予測値を0.3ポイント下回ると予想される。IMFによれば、2018年に英国の成長率は1.5%に達するという。米国の見通しが明るくない主な原因はトランプ政権の経済プランがみたところまったく現実的でないことにある。
報道によると、IMFの現在の予測では、インフラ投資を増やしてもそれほど大きな財政活性化の効果があるわけではない。米大統領が承諾した減税は、専門家からみるとまったく現実的でないという。
オブストフェルド氏の話を踏まえると、「グローバル経済成長の幅広さは過去10年間にはみられなかったものだ。グローバル貿易も増加し始めた。だが不確定性とリスクも存在する。またユーロ圏にとっては、政治リスクが減少すれば、増加傾向がより強化される可能性もある。また西側の大手中央銀行の金融政策に逆転現象が起こり多くの新興工業国や発展途上国にリスクをもたらす可能性もある。保護主義が増大して問題をもたらす可能性もある」という。

NEWS6 無人コンビニが革命を起こす真の価値とは?

盒馬鮮生、便利蜂、繽果盒子などオフライン小売新業態の登場により、オフライン小売業の春が本当に訪れたと思う人も多い。新たな小売の波のなか、無人コンビニは小売り業界における重要な歴史的転換点とされている。北京晨報が伝えた。
◆大手がこぞって参入
消費の高度化を背景とし、世界的に活用され続けている生体認証とモバイル決済技術は、十分な技術サポートを提供できる。こうして無人コンビニの開店ブームが到来した。
アマゾンは昨年末、無人コンビニで先手を取った。しかし「コンビニを再発明」する「Amazon Go」は内部テストを続けており、実用化はスムーズに進んでいない。しかし中国では、無人コンビニが次々と実用化している。馬雲氏の無人スーパー「淘カフェ」が今月8日、正式に杭州で開業した。QRコードスキャンで店内に入り、商品を手にしてそのまま出ていく。多くの体験者は、このハイテクに感嘆を漏らした。京東商城も全国で自社コンビニ及び無人スーパーを50万店オープンさせると発表した。オフライン小売大手の蘇寧も、8月中旬に完全に実用化された無人店舗をオープンさせるとした。伝統的な小売業は、無人コンビニのチャンスを逃さない。欧尚と大潤発に続き、ウォルマートも6月上旬にセルフサービス雑貨販売ストアを開き、居然之家も今年7月、無人コンビニ「EAT BOX」を開いた。
無人コンビニという新たなビジネスチャンスに目をつけているのは小売業者だけではなく、産業界の大手も参入している。飲料品大手の娃哈哈と、無人売店技術を研究開発する深蘭科技は、「Take Go」無人ショップを3年で10万台、10年で100万台設置する契約を結んだ。乳製品メーカーの伊利も、2000ヶ所以上の団地で深蘭科技と無人売店を展開する計画が報じられた。しかし娃哈哈と伊利の無人コンビニ参入は、まだ計画段階に留まっているようだ。両社の関係者は、無人コンビニの具体的な状況を把握していないと表明した。
◆レジ係をなくすだけ?
「レジ係、店頭販売促進員、店員」をなくすという使命を担う無人コンビニは、小売の歴史における重要な革命だが、無人コンビニの真の価値も模索中だ。好奇心が薄れたあと、何をもって買い物客を惹きつけ続けるのだろうか。
価格比較サイト・貨圈全の創業者である張沢氏は、「コンビニが利用客の日常生活の需要を全面的に満たすならば、自販機はより基礎的な需要を満たす。それでは無人コンビニが利用客に提供できる価値とは何か。無人コンビニはコンビニと自販機の間に位置する。無人コンビニが多くの自販機を一つの店内に収めるだけならば、消費者にとって何の意義もない。そして従来のコンビニのように開放された商品陳列とするならば、その管理コストを本当にダウンできるのかどうかという点において経過観察が必要だ。これはアマゾンが4年間にわたる準備期間を経て、実験的なAmazon Goを開始してから、実用化に踏み切っていない主因かもしれない」と指摘した。
多くの業界関係者は、無人コンビニの価値は店員とレジ係を無くすだけではないとしている。小売専門家は、「無人スーパーがコストをいくら削減できるかは表面的な現象に過ぎず、利用客の購入習慣とデータを把握し、正確にマーケティングを展開することが最終目的だ。無人はコンビニの主軸ではなく、技術的手段により店舗のスマート化水準を高め、大量のデータによりスマート運営を支え、単位面積当たりの利益を高めることこそが、この変革の根本をなしている」と話した。

NEWS7 500社番付に中国企業115社がランクイン

米誌「フォーチュン」の500社番付がこのほど発表され、中国企業は115社がランク入りした。中国企業数は14年連続の増加となった。中国新聞社が伝えた。
米国企業は132社、日本企業は51社がそれぞれランク入りした。
首位はウォルマートで、4年連続の1位となり、2016年の営業収入は4858億7千万ドル(1ドルは約111.1円)だった。上位3社の残り2社には中国企業の国家電網と中石化が並んだ。中石油は4位、トヨタは5位で、500社のトップ5のうち3社を中国企業が占めている。
利益ランキングをみると、1位のアップルを除いてほかはすべて中国の商業銀行だった。中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の4行だ。総資産ランキングのトップは中国工商銀行。自己資本利益率(ROE)ランキングでは中国のトップには華為、美的、騰訊、吉利、万科が並んだ。
ランク入りする中国企業が14年連続で増加し、今年は115社に増えた。中国企業の新上位10社は、安邦保険集団、恒力集団、陽光金控、阿里巴巴(アリババ)、碧桂園、騰訊、蘇寧雲商、厦門建発集団、国貿持ち株集団、新疆広匯。新たにランク入りした企業が最も多かった産業は貿易で、インターネットサービスと小売りを手がけるアリババと騰訊がランク入りした。碧桂園は新たにランク入りした唯一の不動産企業になった。
ランク入りした中国企業の分布をみると、金融業を除いて多かったのはエネルギー、石油精錬、採掘、不動産、プロジェクト・建設の企業で、革新能力の高い産業の企業が多く並ぶ日本とは様子が違う。だが今年は、アリババと騰訊がランク入りしたため、昨年初めてランク入りした京東とともに、世界のインターネットサービス企業上位6社のうち中国が米国と並んで半数を占めた。米国の3社はアマゾン、グーグルの親会社アルファベット、今年初めてランク入りしたソーシャルネットワーキング大手のフェイスブックとなっている。

NEWS8 90後は「家を買わない世代」か 生活水準維持したい

シンガポールの中国語紙「聯合早報」のサイトの報道によると、中国の一線都市で不動産価格が高止まりしていることや、1990年代生まれ(90後)が質の高い生活を追求し、上の世代とは異なる考え方をすることなどから、若い世代の間で賃貸ブームが起きている。業界関係者は、「良好なビジネスモデルができあがり、政策的支持が得られれば、若い世代の賃貸暮らしは一線都市の賃料と不動産価格を抑制するよい方法になるかもしれない」との見方を示す。参考消息網が伝えた。
中国社会科学院の社会青書にある調査結果をみると、90後の大卒者の約30%は、卒業から1年後の居住空間が20平方メートルに満たない。だが彼らは面積の大小より、生活の質を高めることを重視する。このような従来の世代に比べて個人の価値観をより重んじる90後の大卒者は、「家を買わない世代」になる可能性があるという。
調査によれば、自分の家をもつことが、90後大卒者にとって硬直的需要であることは変わらないが、「家を買うために、生活の質を下げてもいい」と考える人は3分の1にとどまり、55%以上が「重い住宅ローンを背負うくらいなら、家を買わなくていい」と考えている。
実際、一線都市で年収の40数倍にも高騰する不動産価格が、若い人々の不動産購入の能力や意欲に影響を与えている。データによると、2013~16年に、北京と上海では初めて家を買う平均年齢が30歳から34歳に上昇した。若い人の賃貸暮らしの期間が長くなったということは、賃貸暮らしがそれなりに認知されてきたことを意味してもいる。
国家衛生・計画生育委員会が発表した流動人口発展報告によれば、中国の15年の流動人口は2億4700万人を数え、20年は2億8200万人、30年は3億2700万人に増える見込みだ。つまり、十数年後には、人口の5分の1が一つ所にとどまらない生活を送るようになるということだ。
報道によると、人口の流動が頻繁になる中、賃貸住宅が多くの人々の暮らし方の有力な選択肢であることは間違いない。中国の不動産仲介会社・鏈家が発表した報告書では、中国の15年の賃貸住宅利用者は1億6千万人に迫り、20年は1億9千万人、30年は2億7千万人に増える見込みとしている。
膨大な賃貸利用者のクラスター、90後を中心とした賃貸族の物件に対する嗜好が、若い世代の賃貸市場に対する大手不動産企業やホテルグループやインターネット企業の情熱をかき立てている。
偉業我愛我家集団の胡景暉副社長は取材に答える中で、「これまでになく厳格な不動産購入政策も一連の不動産企業が在庫物件を分譲から賃貸に切り替えるきっかけの一つとなっている」との見方を示した。調査によれば、中国の不動産企業上位30社のうち、3分の1が賃貸市場に相次いで進出したという。
報道によると、不動産企業だけでなく、インターネット企業も賃貸市場のバージョンアップに期待を寄せている。「支付宝」(アリペイ)は賃貸仲介プラットフォームの■(■は草かんむりに磨)菇租房と提携して賃貸市場に進出し、小米の創業者・雷軍氏は賃貸ブランドのYOU+国際青年公寓に1億元(約16億6千万円)規模の投資を行った。また一連の有名ホテルグループが窩趣や魔法公寓のような単身者向け賃貸コミュニティブランドを誕生させた。

NEWS9 95後大卒者は独り立ちの能力と職場への適応力が高い

最新のデータによると、1990~95年に生まれた大学卒業生に比べ、95年以降に生まれた「95後」の大卒者は一人で立つ力や職場への適応力がどちらも目立って上昇しており、一人前の社会人となるためにかかる時間がそれまでの世代に比べて大幅に短くなることが予想されるという。「国際商報」が伝えた。
58同城、赶集網、中華英才網、招才猫などの人材募集プラットフォームの総合的データ調査によると、どのような仕事を探すかの選択で、95後大卒者の59.46%が、「自分の専攻・専門に関わりのある仕事にそのままつきたいとは思わず、新たな仕事のフィールドを独自に試してみたい」と考えることがわかった。
また上司から自分の得意分野でない仕事を与えられた時にどうするかについて、95後大卒者の60%が、「自ら資料を調べる、詳しい同僚に尋ねるなどして、なんとかして任務を達成する」と答え、「その任務を拒否する」とした人はごく少数だった。
業界関係者は、「95後大卒者が仕事を探す時、仕事というものについてそれほど多くを知っているわけではないが、優れた独り立ちの能力と職場への適応力があるため彼らは一人前の社会人となることができ、そうなるまでにかかる時間も従来の世代に比べてますます短くなっていく」との見方を示す。

NEWS10 雇用情勢は安定しつつ好転 4~6月

中国人民大学中国雇用研究所と就職情報サイト・智聯招聘がこのほど共同で発表した2017年第2四半期(4~6月)雇用市場景気指数(CIER)によると、企業の人材ニーズが増加したこと、求職の申請者数が減少したことの影響で、同期の指数は2.26に上昇し、雇用情勢が安定しつつ好転していることがわかったという。
同報告書は次のように指摘した。人材ニーズからみると、各種のマクロ経済指標の回復、新しい経済や新しい業態の後押しなどにより、企業の人材ニーズが増加した。人材の供給からみると、雇用市場が「転職」の閑散期に入り、求職者の心理は積極的で主体的なものから様子見の状態へと移り変わり、これに大学卒業シーズンを迎えて一部の大学卒業生が就職を遅らせたり就職しなかったりしていることが加わり、求職者数の一定の減少につながった。総合的な需要と供給が変動し、今年の第2四半期の同指数は上昇した。また前年同期に比べ、同四半期の同指数は高く、雇用情勢が全体として徐々に好転したことがわかった。
産業別に見ると、同指数が最高の産業と最低の産業との間の開きが縮小した。
地域別にみると、同指数は東部、中部、西部、北東地域と徐々に低下していき、東部の都市部では求職者1人あたりに2つの働き口がある。北東地域の雇用情勢も好転し、同指数は第1四半期(1~3月)の1.17から1.33に上昇し、供給側構造改革政策の後押しを受けて、北東地域の雇用情勢が徐々に好転したことがわかる。
都市の等級別にみると、二線都市と三線都市では、1人の求職者に対して平均2つの働き口があり、ここから二線・三線都市は人手不足が深刻で、雇用情勢が相対的に好調であることがわかる。新一線都市と二線都市にはさまざまな新興産業が誘致され、異なる資源同士が協力する流れが整えられ、良好な発展情況からより大きな雇用の誘致力があることがわかる。今後の一線都市と二線都市の雇用はさらに注目に値するものとなる。
企業の規模別にみると、小規模企業と中規模企業の同指数が1に迫り、中小企業の人材ニーズと求職申請者数との間で受給バランスがとれ、雇用情勢が相対的に安定していることがわかる。大規模企業の同指数は2.46で、雇用情勢は相対的に好調だ。零細企の同指数は前年同期比マイナスになった。


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