銘・精選

NEWS1 中日韓文化コンテンツ産業フォーラム 東京で開催 

第10回中日韓文化コンテンツ産業フォーラムが29日、2日間の会期を終えて東京で閉幕した。中国からは文化部(文化省)の頂兆倫副部長、韓国からは文化体育観光部(文化体育観光省)の羅棕◆第一次官(◆は王へんに民)、日本からは経済産業省の大串正樹大臣政務官がそれぞれ代表団を率いて出席した。新華社が伝えた。

会期中、3者はこのフォーラムが2015年の第6回中日韓サミットにおける共通認識を実行に移すための積極的な措置であり、新たな3ヶ国協力時代の発展から生まれた現実的なニーズでもあるとの見方で一致した。フォーラムの再始動は新たなスタートであり、新たな文化産業協力の直面する新しい課題に対し新しい考え方を打ち出し、新しい構想を模索することがねらいとした。

3者は、「このフォーラムは政府間のコミュニケーションと協力のメカニズムであり、3ヶ国の産業協力を推進するプラットフォームでもあり、3ヶ国の文化産業協力を支援し、これにサービスを提供し、企業の声により多く耳を傾け、文化産業協力にプラスとなる政策的環境をどのように創出するかを積極的に模索し、産業協力にプラスとなる支援やサービスのモデルを提供するために努力する必要がある」と強調した。

3ヶ国の代表は中日韓の文化産業協力の具体的措置について率直に掘り下げた話し合いを行い、「第10回中日韓文化コンテンツ産業フォーラム共同宣言」を採択するとともに、次回のフォーラムを中国で開催することで一致した。

NEWS2 欧州中央銀行が人民元を外貨準備に組み入れ

欧州中央銀行(ECB)はこのほど声明を出し、今年上半期に、ECBは公開の市場操作により5億ユーロ(1ユーロは約128.4円)相当の人民元を外貨準備として買い増ししたことを明らかにした。ECBが外貨準備に人民元を組み入れたのはこれが初めてだ。分析によると、ここ数年、人民元国際化の歩みが絶えず前進し、中国経済が好調な動きをみせるのにともない、世界の各中央銀行に対する人民元の吸引力がますます強くなっていった。

2016年10月からは、人民元は国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)を構成する通貨バスケットに組み入れられ、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドに次ぐ5種類目のバスケット通貨になった。ECBによれば、「人民元をECBの外貨準備に組み入れることから、ユーロ圏に対する中国の重要性がますます高まっていることがわかる」という。

欧州政策研究機構(CEPS)のマティアス・バス研究員は、「中国政府は世界2位のエコノミーとして、ここ数年は通貨・金融システムでの改革プロセスが絶えず進化し、中国経済もますます深くグローバル経済にとけ込んでいる。こうしたこともECBが中国経済や人民元国際化の具体的な現れとして評価している点だ」と話す。

同研究員は、「世界で最も主要な中央銀行として、ECBの動きは一定のモデル効果をもたらす。将来はより多くの金融機関が人民元を自己の資産配分の選択肢に選ぶようになると確信する。世界の人民元ニーズは徐々に増加していく」との見方を示す。

分析によると、中国は今や欧州連合(EU)にとって2番目の貿易パートナーであり、ECBが人民元を外貨準備に組み入れることを決定したのは現状を総合的に分析した結果だ。ここ数年、中国・欧州間の投資は全体として持続的増加傾向を示し、中国は初めてEUの純直接投資国になった。

ベルギーにあるシンクタンクのブリュッセル欧州世界経済研究所のシニア研究員は、「ECBが人民元を外貨準備通貨に組み入れる主な原因は、ここ数年、世界の発達したエコノミーが危機の泥沼に深く落ち込む一方、中国経済の発展ぶりが非常に目を引いていることにある。EUは、特にユーロ圏各国は、中国との経済貿易往来を強化したい考えだ」と指摘する。

NEWS3 中国銀行業協会「プライベートバンキング全盛期に」

中国銀行業協会の黄潤中秘書長は30日、中国におけるプライベートバンキングは10年間の発展を経て、各商業銀行が経営、管理、商品やサービスの革新において拡大を続けており、すでに全盛期に突入しているとした。新華社が伝えた。

統計データによると、2017年度第1四半期末までに、中国銀行業協会のプライベートバンキング専門委員会のメンバーである19社がサービスを提供する富裕層の顧客口座数は同期比19%増の61万口座、その管理資産は同期比26%増の約9兆元(1元は約18円)となっている。

プライベートバンキングは中国において新興の業務で、資産管理業界が革新と発展をしていく上での「風見鶏」であり、商業銀行がモデル転換をしていく上で力を注ぐ点にもなっている。中国銀行業協会が発表した「中国プライベートバンキング業界発展報告」の中で、半数以上の富裕層が投資限度額の増加を検討しており、期待収益率がやや高い投資商品のニーズが高まりを見せており、これまでのように単一のある商品を購入するのではなく、株や基金、信託など各種投資を組み合わせた商品へと転換してきている。

また同報告書によると、中国人の投資に対する姿勢はますます開放的に、成熟してきており、富裕層の多くが海外市場へと目を向け始めている。そのため、投資ニーズはさらに多くの地域、貨幣、形式という国境を越えた多元化の様相へと転換しつつある。また、富裕層の子女が成人し、家庭における資産配分のニーズが上昇するにつれて、資産の相続が富裕層の重要な資産目標となりつつある。

長期的な発展をしていくのと同時に、現在の中国国内のプライベートバンキングはその業務の位置づけ、経営モデル、収益モデルなどの面において、成熟した市場と比べるとまだやや大きな差が存在する。工商銀行のプライベートバンキング部の馬健総経理は、「中国国内のプライベートバンキングの収益元はやや単一で伝統的なものであり、主に商品の販売手続き料における収入と貯蓄貸付による収益となっている。成熟した市場における重要な収益モデルであるコンサルティングサービスは現在中国国内のプライベートバンキングにおいてはまだ収益を生み出していない」としている。

黄潤中秘書長は、顧客層を育てることと非金融の付加価値サービス能力の深化、監督管理と関連制度の完備などの面に本気で取り組み、中国のプライベートバンキングの発展を促進させていくべきだとアドバイスしている。

NEWS4 中国は上半期も貿易救済調査の主な対象国 印米が最多

商務部(商務省)がこのほど発表したデータによると、今年上半期、中国製品に対して発動された貿易救済措置としての調査は15ヶ国・地域からの37件に上り、対象金額は総額53億ドル(1ドルは約113.6円)に達したことが明らかになった。同部の高峰報道官は、「今年上半期には中国に対する貿易救済調査が件数も金額も目立って減少したが、過去5年間の同期と比較すると、全体としてそれほど大きな変化はなく、やはり高水準にあるといえる」と述べた。「北京晨報」が伝えた。

今年上半期に中国を対象として発動された反ダンピング調査は28件、反補助金調査は4件、保障措置は5件だった。前年同期に中国を対象とした貿易救済調査は過去最高の水準に達し、件数は65件、金額は85億ドルに上った。

国別にみると、インドが12件、米国が11件をそれぞれ発動し、1位と2位だった。産業別にみると、軽工業製品が10件で、発動された件数が最も多い産業になった。電気機械製品産業は3件で23億ドルに上り、金額が最多の産業となった。

世界貿易機関(WTO)、経済協力開発機構(OECD)、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)がこのほど共同で発表した「主要20ヶ国(G20)貿易投資措置報告」によると、「中国は今なお貿易救済措置としての調査の最大のターゲット国だ」という。

高報道官は、「中国は貿易救済措置の乱用に反対する。国際貿易は互恵・ウィンウィンのものであり、貿易救済措置はWTOルールに合致していなければならず、公平な貿易を補償するために合理的な限度内に収まっていなければならない。各国が話し合いや交流、業界での協力などの方法を通じて摩擦を解消し、世界経済の復興や持続的で健全な発展のために良好な環境作りをし、人類の運命共同体をともに構築することを願う」と述べた。また中米間に貿易摩擦がたびたび生じていることについては、「協力こそ中米両国にとって唯一の正しい選択だ」との見方を示した。

NEWS5 日本は「一帯一路」の商機に期待 日専門家

日本政府がさきに自民党の二階俊博幹事長を代表とする官民の代表団を「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラムに派遣したのに続き、このたびは安倍晋三首相が6月初めに国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会での演説の中で、「一帯一路」建設への協力の意向を初めて示し、「一帯一路」建設は開かれた透明かつ公正なもので経済性があると同時に、借り入れ国が債務を返済可能で財政の健全性が損なわれないことが不可欠との見方を示した。安倍首相は同月16日の国会答弁でもこうした見方を繰り返しており、まさに政府の姿勢を国会でアピールしたといえる。日本政府の「一帯一路」建設への態度の変化について、日本の国際経済学者・津上俊哉氏がインタビューに答えた。「経済日報」が伝えた。

津上氏はかつて旧通商産業省で働き、1990年代中頃には在中国 経済部参事官を務め、その後、独立行政法人経済産業研究所の上席研究員に転じ、現在は独立した経済学者として研究活動を続けている。

津上氏は、「5月中旬に北京で開催された『一帯一路』国際協力サミットフォーラムには、130ヶ国あまりの政府代表団が派遣され、国家元首や政府首脳の出席者は30人に達し、総出席者数は4千人を超え、盛大な規模だったといえる。さきに『一帯一路』に資金面の支援を提供するシルクロード基金有限責任公司を訪問した時、同公司が金融の業務経験のある若い専門家を大量に雇い入れ、世界の同業者との協力ネットワークを基本的に構築したことを知った。専門家たちは投資の回収が確実かどうかを非常に重視していた。投資規模は言われるほど大きくはないが、成熟度は高く、私の印象では運営は良好な発展の軌道を進んでいるようにみえた」と振り返った。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)は設立からの3年間に発展を続けている。津上氏は、「欧州諸国をはじめ世界各国の積極的な参加により、AIIBは今や国際開発金融機関になった。初年度に計17億ドル(約1939億円)を融資した9件のプロジェクトは世界銀行とアジア開発銀行(ADB)に『スタートは順調』と評価され、『一帯一路』建設にも支援を提供した」と述べた。

津上氏は「一帯一路」建設に対する国際社会の態度の変化について、「米国の態度の変化も著しい。3年前に『一帯一路』イニシアティブを打ち出しAIIBの設立をスタートした時に、米国と日本は反対もしくは懐疑的な態度を示し、『中国が国の利益を追求するためのツールになる』ことを懸念し、『これは長年にわたり世界銀行が開発の機能を担ってきた国際金融秩序への挑戦ではないか』との疑念さえ示した」と指摘した。

津上氏は日本政府の態度の変化について、「日本が3年ほど前の古い印象に縛られて『思考停止』に陥っているのをかねてより心配してきたが、幸い日本は『一帯一路』建設の着実な発展ぶりや国際社会が幅広く参加する様子を見て、態度を変化させ始めた。そうすると日本の経済界も『一帯一路』建設がもたらす巨大な商機をより重視するようになり、国際協力の新たな分野を開拓するようになることが予想される」との見方を示した。
津上氏は「一帯一路」建設とAIIBの発展について次のように提案した。「『一帯一路』建設プロジェクトは設備などのハードウェア建設を検討すると同時に、人材やアイディアの交流といったソフトウェア建設も増やす必要がある。また5年後、10年後の経済的・社会的効果を考えて、建設過程では絶えず技術、品質、環境基準を向上させることが必要だ。AIIBの発展についていえば、スタートは順調だったが、機関と人材の規模がまだ小さく、世界銀行やADBとの協力をさらに強化してプロジェクトの件数を増やし、資金規模を拡大し、資金の環流などのマクロ的役割を増強する必要がある」。

NEWS6 日本の製造業の超大手タカタが経営破綻 中国の製造業のチャンス到来?

エアバッグのリコール問題で民事再生法の適用を申請した自動車部品メーカーのタカタが6月27日、最後の株主総会を開催し、株主190人が出席した。 2018年2月から、中国の寧波均勝電子が傘下に収める米自動車部品メーカーのキー・セーフティ・システムズ(KSS)が、再建者として、タカタのエアバッグ事業を引き継ぐ。その際に、KSSと今回株主総会に参加した株主とは何の関係もなくなる。日本の市場で発行されたタカタの株式が紙切れと化すのだ。(文 ・日本企業(中国)研究院執行院長・陳言)

世界最大の個人事業主
タカタは1933年に創業し、織物製造を開始した。そして、戦後に自動車用のシートベルトなどの製造を開始した。

数年前に筆者がタカタの関係者と会った際、「世界のエアバッグの5個につき1個は当社が生産したもの」と、とても誇らしげに話していた。

タカタファミリーが同社を完全に統制していたため、上層部の意見が会社の意志となっていた。閲覧できる株主会議のレポートなどを見ると、タカタファミリーは会社の経営に絶対的な権威を持っていた。そして、「事故の原因は不明で、その責任は自社にはない」というのがタカタファミリーの一環した考えだった。

タカタは、世界最大の個人事業主で、会長個人の意志で全ての判断を行っており、一旦その判断を誤ると、最終的にどうなってしまうのかについて、タカタは多くの人にたくさんの教訓を残してくれた。

日本メディアの報道によると、タカタの債権者は主に米国政府(415億円)、トヨタ(266億円)、タカタ国際金融(125億円)で、その他、三井住友銀行、三菱東京銀行なども多くの債権を抱えている。タカタが経営破綻したのに伴い、関連の債権回収も至難の業となってしまった。

中国の企業が再建
6月25日、タカタ米国子会社である「TK Holdings Inc」が、米国で米国連邦倒産法第11条を申請した。また、同日、佐賀県に拠点を置く子会社の「タカタ九州」と東京に拠点を置く「タカタサービス」が東京地裁に民事再生法の適用を申請し、タカタは事実上倒産した。東京証券取引所は26日、タカタの株式を整理銘柄に指定し、1ヶ月後となる今月27日からタカタは上場廃止となる。

6月26日、中国の「寧波均勝電子」が傘下に収める米国のKSSが1750億円でタカタの全ての資産と事業を買い取った。KSSは「スプリット・オフ」を行い、会社の主要な業務をKSSが設立する新会社が引き継ぎ、エアバッグなどの生産、販売を行う。リコールに必要な費用や欠陥エアバッグの生産が原因の損失、賠償費用などは旧会社が負担する。

タカタの事業は、寧波均勝電子の孫会社が引き継ぐことになるものの、「タカタ」というブランドは使用されないものと見られる。一世を風靡したタカタは、関連問題の処理を10年以上後回しにしていたため、小さな問題が大きな問題に発展してしまい、会社も80年以上続いた歴史にピリオドを打たなければならなくなった。

経営難に陥る日本企業と台頭する中国企業
近年、日本の大企業が相次いで経営問題に直面している。ここ数年、日立やパナソニック、シャープなどが巨額の損失を計上し、東芝も未曽有の経営難に陥っている。東芝にかぎっては、再起不能の可能性も高い。

タカタは、世界で有数の大手エアバッグメーカーだ。そのため、生産しているエアバッグがどれほどの人の命を救ってきたとしても、死亡事件が起きれば、必ず真剣にそれと向き合い、同じような事故が二度と発生しないようにしなければならない。しかし、タカタはそうしてこなかった。

「日本の製造業は一体どうなってしまったのか?」
日本の大企業が直面している問題が、企業がモデル転換の過程で発展の機会を逃してしまったというのであれば、経営困難から逃れるために企業は1日も早く新たな方向へ舵を切って、新たな歩みを始めなければならない。しかし、シートベルトやエアバックなどを専門に生産しているタカタはグローバル化の過程で、ファミリー経営によって国際市場に対応しようとしたことで最悪の結果を招き、暗礁に乗り上げるのは時間の問題だった。

グローバル化を進める企業は、問題に対応できる企業制度が必要だ。そのような制度がなければ、億単位のリコールが発生しても、ファミリー企業には対応できない。自動車メーカーが全力でそれを支援しても、それを元のレールに戻すのは非常に難しい。

では、日本企業が優位性を失い、予期せぬ問題が発生し、制度上の欠陥が表面化したことで、中国企業に大きなチャンスがめぐってくるのだろうか?

表面的に見ると、中国企業の子会社がタカタの製造や研究開発能力など全てを手に入れたように見える。また、これまで中国大陸部で生産してその利益を確保していた台湾地区の鴻海(フォックスコン)が日本の大手テレビメーカー・シャープを買収し、ブランドや生産研究開発技術を手に入れ、中国企業が今後、そのメリットを生かして大きな利益を得られるように見える。しかし、中国企業は世界の製造業を牽引し始めたばかりで、今後直面する問題もたくさんあるだろう。そのため、中国企業は教訓をくみ取り、東芝やタカタ、シャープの二の舞を演じることだけは避けなければならない。

NEWS7 税関手続きの全国一体化を実現 より自由に簡単に

7月1日より、全国の税関で通関手続きの一体化が実施される。企業はどこの税関でも申告や納税などの手続きができるようになり、申告がより自由に、手続きがより簡単に、通関がよりスムースになった。「北京日報」が伝えた。

全国の税関にリスク予防コントロールセンターと税金徴収管理センターの「2つのセンター」が設置された。これにより全国の税関におけるリスクの予防コントロールや税金の徴収管理といった重要業務が集中的で統一的に、かつスマート技術を活用して行われるようになった。また企業の多くはどこの税関が通関手続きをしても同じ法執行(エンフォースメント)の基準、同じ監督管理の基準が適用されるようになり、統一的通関手続きという便利な待遇を受けられるようになった。

昨年6月、税関総署は全国の税関の通関一体化に向けたテスト事業をスタートし、今年4月現在、一体化モデルによる通関書類が全国の輸入通関書類全体に占める割合は50%に達して、通関のスピードと効率が大幅に向上した。

7月1日からは、一体化モデルが輸入分野を100%カバーするようになった。通関プロセスにおいて、全国の税関は「1回の申請、段階的処理」を実施する。企業は貨物の通関時に申請手続きを1回行い、税関は貨物の受け入れの前後に分けて処理を行い、通関地で国内市場受け入れにおける安全リスクがあれば対処し、貨物が安全面で問題なく市場への受け入れが可能と仕分けされた場合、先に貨物の受け入れを行う。そして受け入れ後に所在地の税関による税金徴収をめぐる次のステップに進む。

税金の徴収管理モデルにも大きな変化がある。貨物の通関プロセスで、これまでのような税関が企業の申告する税金関連の各要素を審査確定し、納税額を定めるというやり方を改め、企業が税金関連の各要素を自ら申告し、納税額を自ら計算し、税関が各要素や納税額を受理してから貨物を引き渡し、全プロセスでサンプル調査検査が実施されるというやり方に変える。こうした改革措置は貨物の通関にかかる時間を大幅に短縮し、企業の通関コストを削減し、通関効率を引き上げることになる。

税関総署によれば、このたびの改革により企業はさまざまなメリットを得るという。第1に、どの場所の税関を選んでもよくなり、申告をめぐる税関管轄エリアの違いによる制約がなくなった。第2に、税関の法執行がより統一的になり、「2つのセンター」における処理により、全国の税関の政策や規定は執行基準の面でより一致したものになった。第3に、通関効率が大幅に向上し、通関地での通関手続きが簡素化され、通関手続きにかかる時間も短縮された。

全国の税関に属する下部組織の機能化改革も同時にスタートした。今年末までに、全国の税関の業務取り扱いのすべての場面であらゆる業務が「1つの窓口ですべて統一的に処理される」ようになる見込みだ。また両センター設立により、税関の法執行がより統一的で協調的で高効率になるとみられる。企業は安定的で、透明性が高く、予測可能な通関の利便性を十分に利用できるようになる。

NEWS8 中国のKFCがビールとザリガニを販売する店舗を杭州に設置 若者をターゲット

浙江省杭州市で1日、中国のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)初のグリーンをテーマにした店舗「K PRO」がオープンした。KFCというと赤と白がそのイメージカラーで、フライドチキンとポテトをメインとしているものの、同店舗は爽やかなグリーンがテーマで、商品はサラダがメイン。野菜や果物のジュース、イタリア発の軽食・パニーニなどもならび、「肉系」の雰囲気を一掃してフレッシュなムードを醸し出している。

メインの各種サラダはガラスで中が見えるキッチンで作られ、焼いた鶏の胸肉や蒸したエビ、燻製のシャケなどの具を自由に盛り付けることができるようになっている。店内には、セルフオーダー端末が設置されており、客は注文を終えると、グリーンの円盤型呼び出し装置を持って席に着き、店員が料理を運んできてくれる。この点も、普通のKFCとは異なる。特筆すべきは、中国人の好みに合わせて、ザリガニもメニューに入っている点だ。

KFCの親会社である米国のヤム・ブランズ社の中国における経営を担当する百勝中国は、同社グループから独立し、独立した会社としてニューヨーク証券取引所で上場して以降、中国大陸部の市場で次々にアクションを起こしており、商品のローカライズが一層進んでいるほか、傘下ブランドのパッケージも一層若者をターゲットにしたデザインになっている。KFCの「脱インスタントフード化」し、若者をターゲットにした市場で勢力を拡大しようとする決意が一層際立つようになっている。中国食品産業の評論家・朱丹蓬氏は、「KFCは他の西洋のインスタント食品ブランドと同じで、中国現地の同業者が台頭しているのを背景に大きなプレッシャーを受けており、もしホワイトカラーをターゲットにした市場で安定した地位を築きたいなら、市場のニーズに合わせて常に変化することが求められるようになっている」と指摘している。

NEWS9 中国の「人材争奪戦」に見る都市の競争の高度化

中国は現在、卒業シーズンを迎えており、今年は大学生750万人が卒業すると見られる。一線都市である北京や上海は、現地の戸籍を取得するのが難しくなっている一方、二線都市である武漢、西安、長沙などは、大学生100万人を定住させたり、大学生100万人を呼び込んで起業してもらう計画を打ち出している。良い人材のいる都市でなければ明るい未来はないということに、二線都市は既に気付いている。北京青年報が報じた。

中国では、「人材争奪戦」が再び繰り広げられている。しかし、時代背景の変化と共に、都市の競争も新たな段階に突入している。これまでに繰り広げられきた「人材争奪戦」は、主に出稼ぎ労働者をメインとした、産業労働者をめぐるもので、ローエンド製造業に集中していた。そして、一般労働者や初級技術者をメインとし、伝統産業の分野に集中し、労働者の素質に対する要求は高くなかった。出稼ぎ労働者は、「渡り鳥」のように働く場所を転々とするため、各地の企業は労働者を引き留めるために、春節(旧正月)前後になると「人材争奪戦」を展開するものの、近年は、その勢いに衰えが見えてきた。

人口ボーナスが消えるにつれ、出稼ぎ労働者の数は減少し始め、伝統産業も経済成長速度が鈍化したため、企業の費用対効果が下がり、高騰する人件費に耐えられなくなっている。「産業構造の転換、高度化が急務となっている。新経済、新商業のスタイルが次々に登場し、強い成長を見せており、それに伴って労働者の素質に対する要求も高くなり、高学歴、高所得、高技術が主な流れとなっている。

現在、中国の二線都市で繰り広げられている「人材争奪戦」は、経済のモデル転換、高度化のために必要なことで、そこで白羽の矢が立てられたのが大学卒業生。各地は、「戸籍を取ってから就職」、「戸籍取得にハードルなし」、「家賃手当て支給」、「起業手当て支給」などの政策を次々に打ち出して、新卒者を現地に呼び込もうとしている。これは都市の競争が高次元に突入していることを示しており、産業の呼び込み、企業の呼び込み、優待政策の打ち出しから、人材の呼び込みへの段階へと移行しており、その対象もハイエンド人材である新卒者がメインとなっている。これは、二線都市の経済構造に変化が起きていることをも示しており、伝統製造業もサービス業や新興産業から、必要な労働者は出稼ぎ労働者から大学卒業生へと変わっている。

現在、中国の二線都市は次々に発展計画を策定しており、そのほとんどは金融業、テクノロジー産業、情報技術、ゲーム・娯楽業などがメイン。それらの産業は、高い技術、専門性を誇り、人材の素質に対しても高い要求がある。普通の出稼ぎ労働者やブルーカラー労働者には到底担うことができない役割だ。一方、中国全土から社会に出てくる数百万人規模の新卒者は、その要求を満たすことができ、各地の「人材争奪戦」の主なターゲットとなっている。

ハイレベル人材自身も高い要求を持ち、自身のキャリア成長を重視している。以前は、多くの新卒者は北京、上海、広州、深センなど、キャリア成長の見込める一線都市での就職を希望していた。しかし、現在は、それらの一線都市が人口の流入を阻止する政策を強化しており、二線都市がベストな「受け入れ先」となっている。二線都市にとっても、より多くの優良人材を呼ぶこむことができれば、産業の分流やモデル転換、高度化などを促進し、都市の総合競争力を向上させて、今後の競争のために人材の基礎を築くことにつながる。

人材は経済において重要な要素で、特に情報技術の時代の今、人材は最も重要な要素となっている。国にしても、企業にしても、優良人材を確保することを優先して考えている。二線都市で起こっている「人材争奪戦」は、発展の波に乗ったもので、人材戦略を主要な目標とし、経済発展を遂げるための絶対条件となっている。

それに成功すれば、将来、他の都市の競争を繰り広げる際、優位に立つことができる。優良な人材が各地で人気になっていることは、経済発展において、「知識」が重要な位置を占めるようになっていることを際立たせている。そして、優良人材の価値が一層認められるようになれば、良い循環ができ、全体的な生産效率を向上させ、中国の経済が他の先進国に追いつき、追い抜くように導くことができるだろう。

NEWS10 職業データ報告「北京・上海・広州から逃避」の真相は

「北京・上海・広州からの逃避」がかねてより社会で注目の話題になっている。一方で当今の若者の職業選択に関わることであり、また一方では職業選択の背後にある都市ごとの発展水準や資源分布の相違を映し出している。中国科技網が伝えた。

実名登録制職業型ソーシャルネットワーキングサービスプラットフォーム「脈脈」がこのほど発表した「中国職業データ白書夏季号」では脈脈データ研究院の調査に基づき、「北京、上海、広州、深センは不動産価格や戸籍などの問題がここに住もうとする若い人の前に横たわるため、一部の若い人々が『逃避』を選択するようになった」との見方を示す。

データをみると、若い人々に最も人気がある二線都市ベスト3は蘇州、武漢、成都だ。一線都市から二線都市へ移った人々が最も多く選ぶ仕事は販売職。移るのに最も適した年齢は27歳で、二線都市に移っても一線都市に暮らしていた時と同じようにのびのび活躍するという。

▽北京・上海・広州からの逃避組の主力は25~29歳の若者
一線都市から二線都市へ移って活躍する人々に共通の性質は、▽5年以上の就業経験がある▽質の高い暮らしを求めている▽都市の快適さを好む▽仕事でもっと活躍したいと考えている、などだ。

一線都市で働いて能力を高め、二線都市に移るとよりよい暮らしを追求し、第二の人生をスタートするというのが、北京・上海・広州・深セン・杭州から逃避する人々の理想の生き方になっている。

同研究院のデータをみると、過去1年間に、一線都市から二線都市に移動した人々の主力は25~29歳の若年層で、全体の45.9%を占めた。次は20~24歳で22.0%、さらに次が30~34歳で21.3%となっている。

35歳以上で一線都市からの逃避を選ぶ人は少ない。35歳以上になると、35歳以下の人々に比べて一線都市にたくさんの蓄積があり、仕事の上でも生活の上でも一定の人間関係や各種資源を形成している上、家庭をもつ人がほとんどで、今の暮らしを捨てて新天地に向かえばコストが高くつく。

具体的にみると、35~39歳で一線都市から移動した人は、全体の7.5%に過ぎず、40~44歳は2.1%、45歳以上は1.2%だった。注視されるのは、27歳で北京・上海・広州・深セン・杭州から二線都市に移る人が最も多く811人に達し、10.9%を占めたことだ。

▽蘇州・武漢・成都が「逃避族」に人気の二線都市
同研究院のデータをみると、蘇州、武漢、成都、天津、南京、鄭州、西安、合肥、廈門(アモイ)が、北京・上海・広州・深セン・杭州を離れた「逃避族」が実際に移り住んだ9大人気二線都市だ。二線都市はインフラや暮らしを取り巻く環境がますます整ってきているが、それだけでなく、優れた企業の存在も「逃避族」が二線都市に移る際に注目するポイントだ。二線都市が受け入れる産業はますます多くなり、企業の数も年々増え、仕事を探す際には多様な選択肢が与えられる。

資料をみると、中国平安、百度、蘇寧、中鉄、新美大、富士康、同程旅遊、華為、京東、宜信、中軟国際、滴滴などの企業が、最終的に最も多く選ばれる就職先だ。またこうした企業には、北京・上海・広州・深セン・杭州だけでなく二線都市や三線都市にも支社があるという共通の特徴がある。

調査対象者は、「二線都市は北京のような一線都市の賃金レベルには届かないが、消費レベルも一線都市ほど高くないし、生活にかかる圧力もそれほど多大きくない」と述べた上で、さらに掘り下げて、「一線都市でがんばって、それから逃避した人はバックグラウンドをもたないケースがほとんどで、二線都市や地方に戻っても、収入が多く、文化的で、5険1金(年金保険、医療保険、失業保険、障害保険、出産保険、住宅積立金)の社会保障がある仕事を見つけるのは容易ではない」と述べた。

▽販売職とインターネット会社が「逃避族」に最も人気
一線都市を離れた「逃避族」が、二線都市に移って着く職業で最も人気があるのは販売職だ。同研究院の調査によれば、販売、マーケティング、技術研究開発、CEO(最高経営責任者)・社長、運営、デザイナー、業務、プロジェクト管理、HR(人材関連)、行政の補助といった職場が、二線都市に移った人々の主な就職先だ。

全体としていえることは、二線都市にある企業のマーケティング職が非常に歓迎されている。一線都市の大企業や大手プラットフォームでマーケティングの経験などがあれば、二線都市の企業で同じような仕事をするのはたやすいことだ。

同研究院の関連部門責任者は次のような例を挙げて説明する。「インターネット企業の場合、北京・上海・広州・深セン・杭州は大企業が林立し、技術研究開発者を大量に雇い入れるが、各産業は目下『インターネットプラス』を模索中で、二線都市では科学技術やインターネットの技術研究開発ニーズが日に日に増大している。武漢などは科学技術革新企業により手厚い補助金と優遇条件を提供しているため、北京・上海・広州・深セン・杭州のネット企業や人材が次々に呼び込まれて武漢に移り住んでいる」。


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