2018年を振り返って

 「光陰矢のごとし」と言いますが、月日の経つのは早いもので今年もあと残すところ半月となりました。やや早いのですが2018年の正銘の人事労務事業を振り返ってみたいと思います。

正銘の実績
大きく三点に絞りたいと思います。
第一は人事労務事業の基本戦略が確立できたことです。
第二は能力本位人事管理制度のコンセプトを構築できたことです。
第三は新戦略及び新コンセプトを実際に現場で実践して手ごたえが得られたことです。

1.人事労務事業の基本戦略について
 正銘の人事労務事業の三本柱は「人財育成事業」「人事諸制度改革支援事業」「組織活性化事業」です。「人材育成事業」は日系企業の現地化を支援する管理職の育成プログラムと職場の問題解決能力向上プログラムと職場の風通しを良くするための報連相プログラムで構成されています、
 「人事諸制度改革支援事業」は集団管理が中心の労務管理から個別管理が中心の人事管理へと転換させるための事諸制度改革支援事業です。


 具体的には社員等級制度、人事評価制度、人事処遇制度の改革があります。これらの改革に際しては必ず正銘メソッドによる事前調査を行い、他社にはない貴社に最適な制度をオーダーメイドで構築します。
 「組織活性化事業」は組織風土の改革支援事業です。組織はハードウエア(組織機構)、ソフトウエア(制度と規則)、ヒューマンウエア(構成員)の三要素で成り立っています。そして、組織風土を決めるのは企業の経営理念や方針などの規範と経営幹部の価値観です。正銘ではこれらを定量的、定性的に調査分析し貴社の抱える問題点を解消するとともに最適な組織風土を構築します。

2.能力本位の人事管理制度のコンセプトについて
 「能力主義」ではなく「能力本位」人事管理制度を提唱し始めたのは世界的にみても正銘が初めてです。「能力主義」と「能力本位」との違いはこのブログで以前に取り上げましたように、能力本位とは「企業にとり人事管理上の最高価値を「能力」に置くことを意味しています。能力主義にはこのような強い意味はありません。
 別の言葉でいえば、人事管理上のすべての判断基準を「能力」に置くことです。人事評価制度や人事処遇制度、人財育成制度などすべての人事諸制度は能力を基準に決定され運用されることになります。
正銘がなぜここまで踏み込んで人事管理制度の改革を主張したのでしょうか?
第一点は労務管理と早く決別してほしいからです。
第二点は多くの社員がそれを望んでいるからです。
第三点は社員の能力と会社の発展は一体のものだからです。

3.現場での実践で成果を出すことができたことについて
 上記の「基本戦略」と「能力本位の人事管理制度」を柱として2018年の正銘のコンサルティング活動を展開してきました。今年度正銘が担当したすべての企業の社員は能力本位人事管理制度の構築的でした。とりわけ、正銘が今年度担当した世界的な自動搬送設備の会社では、能力本位の人事制度に全面的に賛意を表するとともに正銘が提案した社員等級制度、人事評価制度の改革案を導入することになりました。
 以上のように成功事例が確実に正銘の実績となって蓄積されて厚みを増しつつあります。

正銘の課題
 一方、未解決の問題や課題も山積しています。来る2019年度にはこれらを解決して次なる発展軌道への地歩を築きあげていきたいと考えています。
この課題に関しても三点取り上げたいと思います。
第一は人事労務事業を「起業期」から「発展期」へとシフトさせることです。
第二はそのためにも人財の量と質を充実させることです。
第三は積極的なマーケティング活動の実践です。

1.事業のシフトについて
 以下の記述は以前に汪旸ブログで紹介した記事です。「正銘は2年前から通関物流事業に加え、人事労務事業へと事業をラインロビングしました。私は、当時、通関物流の事業を主に推進していたのですが直感的に現場の風向きの変化を感じ取りました。その兆候はこれまで豊富だった労働力が人をとりにくくなったという声が聞こえてくるようになったこと。人件費が高騰してきたので日本人社員を日本に戻し現地社員を幹部社員に登用したいという声もちらほら聞こえてきたからでした。
 しかし、その時は多くの経営者から社員を辞めさせたいがどうすべきかといった相談が圧倒的に多くかったのです。「あるセミナーで労務問題を発生させてしまったら、それだけで企業にとって負けですよ。労務上の事件や事故を発生させないように社員をうまく管理することが大切ですよ」と力説したのに参加者の皆さんから発せられる質問は社員はやる気がないのでどうしたらやめさせることができるかの質問ばかりでした。長年労務管理に浸りきった方にはいくら人事管理について解説しても受付けてくれませんでした。集団管理では社員は人手であって人材ではないのです。人事管理は社員の個々人の能力の違いを把握して最適な職務を割り当てることにあります。」
 今から思うとこの時が正銘の既存の事業ドメインンの曲がり角だったように思います。経営にとって既存の事業の定義を見直すことの重要性は頭で理解できても実際に変更するとなると勇気が要ります。これまでの事業をただ踏襲していたとしたら正銘の未来はなかったでしょう。2019年度は卵から孵(かえ)ったばかりの雛鳥を大切に育ててゆきたいと思います。

2.人財の量と質を充実させること。
 正銘の将来の発展のカギを握るのは人財だと認識しています。人事管理を専門とするコンサルティング企業であっても最も難しいのは人財の量と質をどのように確保していくかという課題です。正直に申し上げますと私も多くの失敗を重ねてきました。最も失敗したのは採用の失敗です。人材を確保することの難しさは身に染みてわかっているつもりです。
 失敗したからと言って人財の確保を避けることはできません。正銘の事業の発展は人材確保にありと肝に銘じて2019年度は人財確保に取り組みたいと決意を新たにしています。

3.積極的なマーケティング活動を実践すること。
事業に成功した経営者の話です。事業成功の秘訣は以下の三つであると…。
第一は優れた事業コンセプトを創造すること。
第二は優れた経営者及び経営幹部を担当させること。
第三は顧客に積極的に商品を訴求すること。
 2019年度の正銘の最大の課題はここにあると自覚しています。現場の実践で証明された能力本位の人事管理制度という質の高い商品のをいかに正確に顧客に届けられるかどうか正銘が成長軌道に乗せることができるかどうかのカギを握っているといっても言い過ぎではないと思っています。


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