新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で考えること―今こそ危機管理を見直そう

新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっています。春節中は湖北省や武漢でローカルな現象だと思われていたのがあっという間に上海をはじめとする周辺に拡大し、さらにイランやイタリアに飛び火したと思ったらヨーロッパ全域にまで広がっています。南北アメリカ大陸にもアフリカ大陸にも飛び火しました。いまや地球規模の大災害へとなってしまいました。各国のリーダーは国境を閉鎖し自国に災禍が及ばないように大わらわです。
世界保健機関の事務局長テドロス氏によると、昨年12月末に中国で流行が始まってから世界の感染者が10万人となるまでにかかった日数は67日だったが、10万人から20万人となるまでには11日、20万人から30万人となるまでには4日しかかからなかった。
 テロドス氏は、外出禁止などを通じて人々と物理的な距離を取る措置はウイルスの拡大を抑え時間を稼ぐためには重要だが、「これらは防衛策であり、われわれはこれで勝つことはできない」と警告。
「(ウイルスに)勝つためには、積極的かつ焦点を絞った戦略でウイルスを攻撃する必要がある」と述べ、感染疑いのある患者は全員検査し、感染の確認された患者は全員を隔離・治療し、感染者との濃厚接触者は全員を追跡・隔離することを改めて呼び掛けたと報じています。

このような衝撃的な現象が世界的に起こるとはつい3か月前に誰が予想したでしょうか?
危機は避けることでなく、備えることである―ドラッカー
私は今日のこの状況に直面してかの有名な経営学者ドラッカーの言葉を思い出しました。「リーダーの最大の任務は危機を予知することである」「それは危機を避けるためでなく、危機に備えるためである」と同氏が述べているように、確かに私たちは決して危機を避けることはできません。予知することも難しいでしょう。今回のパンデミックに関して言えば誰も予知できなかったと言っても言い過ぎでないでしょう。
ここで大切なことは誰でも危機に備えることができるということです。
よくよく考えてみますと危機はこれまでにも周期的に訪れています。大小を問わず私たちの身近にあるのが危機です。危機が過ぎると忘れてしまうことが多いのも危機の特徴かもしれません。
そして、それらの危機を克服できた企業のみが生き乗ってきたことも事実です。
私たちを取り巻く経営環境の中で最大の脅威は“見えざる危機”が忍び寄って来ていることです。この見えない危機の襲来こそ、現在の私たちを取り巻く経営環境の大きな特徴です。それは災害リスクであるかもしれませんし、人為的なリスクであるかもしれません。潜在的リスクが顕在化したとき、危機を克服できる組織と克服できない組織に分かれます。それはなぜでしょうか。
観点を変えて、私たち人間に当てはめて考えて見ます。病気にかかり易いのは体力の衰えた弱体な人です。普段から体を鍛えるのではなく体力を消耗ばかりしている人が病気になりやすいのです。同様に組織においても見えない危機が来襲しても、危機を克服できる組織とできない組織に分かれます。組織に活力がっていれば、よほどのことがない限り危機を克服できます。そして、危機を乗り越えたことより組織に自信がつき体質が強化されていくのです。企業体質を継続的に強化してい行くことがいかに大切か危機に遭遇した時に実感できるのではないでしょうか
これからの貴社はこの「危機を乗り越えること」をおいてほかに生き残る道はないと思われます。


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