春節明けに事業活動が本格稼働その②

 2019年の春節も明けました。中国全土で四億人ともいわれる大移動が大都市に向かって始まっています。帰省した人たちがUターンしてきて上海も再び活気を取り戻しています。故郷で心身ともにリフレッシュした人々の表情は仕事への意欲にあふれています。
 実は私もその一人です。故郷の山西省太原市で両親と春節を祝いました。ところで私は帰省中にとても感銘を受けた出来事と出会いました。
 それは、なんとかつて日本留学時代に知り合った旧知の中国人の友人と連絡がとれたのです。その方とは東京のレストランでアルバイトをしていた時に知り合いました。20年以上前の話ですがとても頑張り屋さんでしたので私の心から離れることは一度もありませんでした。その方を仮にAさんとしましょう。人は誰でも仕事をはなれた緩やかな環境に身を置くとこれまでの懐かしい日々の思い出が甦ります。
 「Aさんは今どうしているのだろうか」とふと私の頭をよぎりましたのが今回の再交流のきっかけでした。WECHATで連絡を取り合ったのですが、なんとAさんは今アメリカのニューヨークで幸せな生活を送っているとのことでした。
 日本にいるときは朝から夕方までは工場で汗にまみれて働き、夜はレストランでアルバイトする一日14時間も労働する過酷な日々でした。また、一間に三人も入居するアパートで切り詰めた生活をしていました。
 実はこれには深い訳(わけ)があったのです。Aさんは、自分は学歴がなく異国での厳しい逆境と戦いながら苦しい思いを募らせていましたので、一人娘にはアメリカの大学の医学部に進学させて医者にすることが人生の目標だったのです。そして、かれはその目標を達成するために生活のすべてを「娘を医者にする」との一点に集中させました。
 なんと、Aさんは目標を見事に成就させていました。娘さんはアメリカで医師の資格を取得しニューヨークの病院に勤務、結婚もして幸せな家族を築いているとのことでした。Aさんの話を伺って、日本時代の想像を絶するばかりの苦労を知っているだけに、私は打ちふるえるばかりの喜びに心が揺さぶられました。
 Aさんから目標をもって生きることの大切さを思い知らされました。これほど飽くなき目標達成行動を実践して成功した人をAさんの他に私は知りません。まさに「素晴らしい!」の一語につきます。
『成功とは目標を設定して達成するプロセスを繰り返し続けること!』
 これはSMIという自らのセールスマンの体験を教育プログラムとして開発し事業化して実業家としても成功したアメリカ人のポール・J・マイヤーの言葉です。マイヤーは成功とは単に経済的豊かさを獲得することではなく目標を達成するプロセスに成功の秘訣があり、成果はあくまでも結果でしかないと提唱しています。
 今年の春節はAさんが私に何よりも大切な「目標を持って生きる」というプレゼントをしてくれました。この一年、否(いな)、これからもずーっと私の座右(ざう)の銘(めい)として心の灯(ひ)を点(とも)し続けたいと思います。
 Aさんに勇気と元気をもらい、今年の残された二つのエンジンを前回の第一エンジンマーケティング革新、第二エンジンのマネジメント革新に続き述べたいと思います。

第三エンジン:サービス革新
2019年度はすべての顧客に「正銘サービス五つのお約束」を実践します。
以前にご紹介した通り「正銘サービス五つのお約束」とは以下の通りです。前回より詳細にご紹介させていただきます。
◆正銘サービス五つのお約束
①制度が軌道に乗るまで責任を持ちます。
 制度は作ることが目的ではありません。制度改革は作りっぱなしで終わることはあせん。軌道に乗るまで面倒を見ます。
 このサービスの実践を決意したのは多くの企業で多大な労力と資金を投入しながら新制度を作成しても導入できない場合と導入しても定着させられない場合との二つのケースがあります。私たち正銘はその理由を明確に把握しています。必ず軌道に乗せるまで支援し続けます。

②貴社の発展に貢献する制度を導入します。
 新制度が機能して貴社の発展に貢献して初めて意味を持ちます。貴社の発展に貢献しないものはすべて排除します。
 私たち正銘の人事労務事業の存在意義はお客様の事業の発展に貢献することだと認識しています。制度がいくら立派であっても企業の発展に貢献できなければ何の意味もありません。貴社の組織風土、管理職や社員の能力を把握しレベルにあった使いこなせる制度構築をします。

③貴社のどんな注文にも応える制度を導入します。
 正銘は基本的にお役立ち業です。お役にたってこそ存在意義があります。
痒いところに手が届くというのが正銘のサービス精神です。お客様のどんな無理難題と思われる要求や要望にも誠心誠意を尽くします。お客様のわがままと言われる要求にもこたえます。不可能を可能にするのが正銘のサービス精神の一つでもあります。

④貴社にのみ通用する制度を開発し導入します。
 貴社のためのフルオーダーメイドの制度を構築します。貴社の職場風土になじむオンリーワンの制度を構築するのが正銘の信念です。
 人事制度ほど汎用性の利かない仕組みはないと思います。それは一人ひとりの社員が唯一の人格の持ち主であるように法人である企業組織も組織風土という唯一の法人格を持っているからです。従って正銘は貴社の現状をきめ細やかに調査し貴社の組織と個人の能力を把握し最適な貴社にしか通用しない制度を設計し導入します。

⑤どんな問題にも逃げずに対応いたします。
 貴社内で発生する人事労務問題はすべて真正面から受け止め解決します。問題から逃げることは絶対にありません。
 貴社内で発生する問題に解決不可能な問題が発生すことが絶対にないというのが正銘の信念です。もちろん正銘が独断的に対処することはありません。貴社と正銘がしっかりと信頼関係を構築して協働して進めることが前提です。

第四エンジン:コンサルティングスキル革新
 正銘には大きく三つのコンサルティングスキルがあることはすでに紹介しました。
第一は組織診断スキル
 診断スキルにはさらに三種類のスキルがあります。一つ目はモラール診断、二つ目はマネジメント能力(リーダーシップ)診断、三つ目は報連相診断です。
 今年度は分析処理をシステム化を行い、少なくとも第一段階の簡易診断ではすべての診断プロセスを電子化します。これらはすべてアンケート方式による調査手法ですが一人ひとりの回答も電子入力できるシステムも開発準備を行います。
第二は問題解決スキル
 組織診断の結果判明した抱える問題を原因究明し解決するのが問題解決スキルです。このプロセスは医学のプロセスに似ています。
 問題解決スキルには二種類のスキルがあります。第一は人事制度設計スキルです。第二は組織開発スキルです。
 第一の人事制度設計スキルでは能力本位人事制度を設計します。具体的には社員等級制度(職能別等級基準、格付けガイドライン)、人事評価制度(職能別階層別能力評価基準、能力評価表・職能別階層別業績評価基準、業績評価表)、能力本位賃金制度(月例能力給与制度・賞与制度)を設計します。
 第二の組織開発スキルでは組織の三要素(ハードウエア・ソフトウエア・ヒューマンウエア)ごとに問題解決案を企画し提案します。解決案策定のポイントは診断結果を正確に把握することです。診断結果にマッチしない解決策は内容がいかに正確を得ていたとしても無意味です。このように正銘が提供するコンサルティングスキルは論理的で科学的な手法であると自負しています。
第三のスキルは経営品質診断スキルです。
 経営品質というと耳慣れない言葉でご存じでない方も多いと思います。
 経営品質とは良い結果を生む出す経営のプロセスを言います。1990年代のアメリカ再生のカギとなったマルコムボルドリッジ国家経営品質賞を起源としています。どんな企業でもいい結果を出すためにはいいプロセスを持たなければ絶対に実現しません。経営者は誰でも利益はのどから手が出るほど欲しいのですが利益を出すための仕組みには無関心です。経営品質診断では「人財の視点」「プロセスの視点」「顧客の視点」「財務の視点」から経営の有効性を検証します。正銘は経営人事という通常の人事管理から視野を広げて経営から見た人事管理を提唱していますので経営品質診断は不可欠なコンサルティングスキルなのです。
 2019年度の正銘のコンサルティングスキル革新の目標はこれらのスキルを正銘メソッドとして体系化することです。
 冒頭に引用させていただきました通り「目標を持って生きること」を法人である正銘と一人ひとりの社員の行動指針とすることで激動の時代を乗り切りたいと思っています。
 2019年が皆さんにとり輝かしい年でありますことを衷心より祈念します。


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