春節明けに事業活動が本格稼働その①

 2019年が明けてから一段と寒くなりいよいよ冬本番を迎えることとなりました。皆様その後お変わりありませんか。
 春節を前にして、この時期の上海ではどの交通機関のターミナルも背中にナップザック、右手に大きな旅行鞄、左手には土産の紙ケースを持って足早に乗り物に向かう帰省客でごった返しています。故郷へ帰るどの人の表情も家族と再会する喜び、仕事をやり遂げた喜び、幼馴染と久しぶりにバカ話に興じる喜びに眼が輝いています。これは、毎年大都会上海で繰り返される春節前の風物詩ともいえる光景です。
 中国では政治も経済も社会も一年のサイクルは太陽暦よりも春節で始まる旧暦のサイクルが今でもしっかりと根付いています。
 というわけで、2019年の本格稼働は春節明けの2月11日からになりそうです。正銘も春節明けから本格的な活動を始めます。
 前回のブログでは「年頭所感」を述べさせていただきました。今年度の正銘は「巡航飛行へと加速させる年」と位置づけ「四つのエンジン」で推進することも述べました。四つのエンジンをもう一度確認させていただきます。いずれも「革新」がテーマになっています。
第一エンジンンは「マーケティング革新」です。
第二エンジンは「マネジメント革新」です。
第三エンジンは「サービス革新」です。
第四エンジンは「コンサルティングスキル革新」です。
 今回のブログでは年頭所感をより具体的に述べたいと思います。

「マーケティング革新」について
 第一の革新は正銘のマーケティング活動エリアを革新します。
 これまでの正銘のコンサルティング活動の範囲を上海市とその近郊都市に加え内陸部の有力都市へと拡大します。中国における沿海州と内陸部の経済格差は指摘されてから久しいのですがこの経済格差を無くすために政府主導で内陸部の開発に取り組んでまいりましした。その結果、武漢をはじめ有力都市では著しい発展を遂げました。新しく開発された地域は日欧米をはじめとする有力企業が進出し有望事業機会が生み出されています。
 このまま発展を続ければ内陸部で沿海州と並ぶ経済圏が出現することになるでしょう。正銘はこれらを商機と捉え2019年度の営業活動を展開します。正銘のモットーはお客様に来てもらうのでなくお客様のところに出向くことです。今後もこのお客様に寄り添う姿勢を堅持し続けたいと思います。
 第二の革新は顧客ターゲットを中国国内企業に拡大します。正銘はここ数年労務管理から人事管理へと人事労務管理の革新を提唱してきました。これまでの中国国内企業や日系企業は労務管理が主流でした。つまり、集団管理が中心でしたので社員等級制度や人事評価制度を必要としませんでした。もちろん、人財育成制度もありませんでした。低コストの豊富な労働力が確保できたからです。しかし、今や時代が変わりました。沿海州などでは高コスト人材不足時代を迎えることになったのです。正銘がこれまで日系企業で培ってきた能力本位の人事管理制度を中国国内企業にも積極的に展開します。労働力を単に人手とした時代から人的資産とする時代へと変化したしたのです。
 第三の革新はお客様への情報提供の革新です。
 これまでは、お客様には正銘が公開セミナーを通じて単独で情報提供することが主流でした。2019年度からは友好企業との連携による情報提供の場を設定します。加えて一方的ないわゆるセミナー形式による情報提供でなくワークショップ的な情報提供、懇談会風の対話型の情報提供の場も作りたいと考えています。

「マネジメントの革新」について
 私はお客様の管理職や監督職の中堅幹部の皆さんにマネジメント能力向上の研修プログラムを担当しています。マネジメントについては人様よりは知識も経験も豊富にあると自認しています。しかしながら、実務面でマネジメントを行うことは言うほど生易しいものではないことをしみじみと感じるこの頃です。正銘の経営に携わってから7年経ちました。この間に最も苦労したのはマネジメントだと言っても言い過ぎではありません。前回も述べましたようにマネジメントの定義はいろいろありますが、私は「マネジメントとは部下が自ら心のエンジンを始動させて上司から指示されなくてもあるいは上司がいてもいなくても目標に向かって前向きに挑戦する職場環境を作りあげることである」と信じています。
 では実際にどうすれば部下が自立してこのような行動のできる職場にすることができるのでしょうか。私は「目標による管理」を置いてほかにないと思っています。2019年度のマネジメント革新はこの一点に集中したいと思います。
 目標による管理を導入する目的は次の三点です。


第一は全員参画による業績向上への取組みです。
 マズローの欲求5段階が示すように個人欲求には高度な欲求と原始的な欲求に分かれますが、私たちが注目しなければならないのは高度の欲求です。
 現在のような高度文明社会では「自尊欲求」や「自己実現」

の欲求が主流になります。その中身を見ますと右図にありますように「自己実現の欲求」では能力を発揮したい、自己啓発を続けたい、創造的でありたいという事ですし、「自尊の欲求」では認められたい、自信を持ちたい、独立したい、達成したいという内容になっています。何れも参画意識に関係する欲求内容です。
目標による管理では自ら自主的に目標を設定し、自主的に達成プロセスをコントロールします。人間の持つ究極の欲求を充足するマネジメントシステムであることが分かります。
第二点目は面談による上下の円滑なコミュニケーション
 目標による管理は面談に始まり、面談に終わるといっても過言ではありません。また、通常のコミュニケーションでは上司が一方的に話すことが多いのですが、目標面談では上司は聴くことに徹しなければなりません。
 上司と部下の業務上のコミュニケーションでは、普通95%以上を上司が話し、5%しか部下は話さないと言います。目標管理の面談では95%以上を部下に話させてください。目標面談のことを別名目標カウンセリングとも言います。本格的なカウンセリング場面ではカウンセラーはただひたすらクライアントの言葉を聴き続けます。カウンセラーはほとんどしゃべりません。クライアントが沈黙してもじっとつぎの発言を待ちます。
 目標面談でも上司はカウンセラーとほぼ同じような態度が求められます。また、部下が発言しやすい環境を作るのも上司の大切な役割です。

第三点目は目標達成行動による能力開発です。
 目標による管理では自主性が非常に重視されます。たとえば、目標設定も原則的には自主的に設定します。目標設定後の達成プロセスも自主コントロールが原則です。このような目標管理システムが目指す「組織の束縛」からの開放と言うすばらしい狙いを理想論と思われる人がいるかもしれません。そのような人は基本的に「人は成長を求めることが本性であること」を信じていないからです。
 人は誰でも押しつけられたことにはあまり責任を感じません。自ら決めたことに対してはそれが規則である場合は守ろうとしますし、目標である場合は達成しようとします。そして、より高い目標やより厳しいルールに挑戦する意欲が湧いてくるのです。スポーツ選手が暑くても寒くても記録の達成を目指して苛酷な練習にひたすら耐えられるのも自ら設定した目標だからです。そして、その目標に向かって、監督やコーチの厳しい要求や指導に耐え練習を重ねます。私たちのビジネスの場も全く同じことなのです。目標達成プロセスは自己を磨くプロセスでもあるのです。
 第三エンジン「サービス革新」と第四エンジンは「コンサルティングスキル革新」は次回に紹介させていただきます。


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